JP5098257B2 - 薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用亜鉛系めっき鋼板に関する。
これまで、薄型ディスプレイパネル、特にプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)を用いる表示装置のバックカバー用材料として、下記のような提案がなされている。
PDPを用いてテレビ映像等を表示する表示装置に係り、電磁波の不要輻射を防止した表示装置の筐体構造に関するもので、PDPを収納する直方体の枠体を設け、その外部を外カバー(バックパネル)で被って筐体とし、枠体として導電性材料、バックカバーとしてプラスチック材料を用いるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また上記と同様に、PDPの電磁波の不要輻射ノイズ漏れを防止する表示装置に関するもので、PDPを用いる表示装置はPDPが粘着シートを介してシャーシに固定され、PDP側の前面からキャビネット、シャーシ側の後面からバックカバーで挟まれたサンドイッチ構造になっている。表示装置のバックカバーとしては導電性材料からなるものや、樹脂製パネルの内側に金属製またはアルミニウム製の箔を貼り付けて導電性を持たせたものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
他方、放熱性、導電性および耐疵付性が優れた金属板に関するもので、用途の一例として、PDPを用いる表示装置のバックカバーを挙げ、この金属板はアルミニウム素板の両面にリン酸クロメート皮膜を形成し、その上に樹脂皮膜を形成してなることが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
上記に記述したように、PDPをはじめとする薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用途材料には、従来からパネルの導電性を主体要求としてアルミニウム板等の非鉄材料が使われてきた。その後、意匠性の要求が高まり、色彩のバリエーションに富んだPCM塗装鋼板等も用いられている。
特開平9−172267号公報 特開2000−200046号公報 特開2004−160979号公報
しかしながら、PCM塗装鋼板は塗膜厚みが数10g/mと厚く、且つ塗装工程の作業性等の理由から比較的高価なため、近年、コストダウンの観点から、従来特性同等以上の性能を担保し、より低コストな意匠性めっき鋼板の開発が要求され始めた。
本発明は、上記現状に鑑み、廉価で用途特性に優れた薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明者らは,上記の問題を解決すべく鋭意検討し,本発明を完成した。本発明の要旨
は,以下の通りである。
)薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用の亜鉛系めっき鋼板であって、前記亜鉛系めっき鋼板の前記バックカバーの外面となる側の面には、下層として皮膜量が0.3〜0.7g/mである無機有機複合系処理皮膜が形成され、かつ、表層として皮膜量が0.5〜3g/mである着色有機系処理皮膜が形成され、前記バックカバーの内面となる側の面の表面には、皮膜量が0.3〜0.7g/mである無機有機複合系処理皮膜が形成されることを特徴とする、亜鉛系めっき鋼板。
)着色有機系処理皮膜の上に、皮膜量が0.5〜5.0g/mであるクリアー有機系処理皮膜が更に形成されることを特徴とする、上記(1)に記載の亜鉛系めっき鋼板。
本発明の薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用亜鉛系めっき鋼板は、上述した構成よりなるので、皮膜厚みが小さくて低コスト化を実現でき、かつ薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用途性能を満足することができる。
本発明の第1の実施形態に係る亜鉛系めっき鋼板は、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーの外面となる面が必要性能(例えば、意匠性と耐食性)を有するように、亜鉛系めっき鋼板の表面に設けられた、無機有機複合系処理皮膜と着色有機系処理皮膜との複層構造からなり、且つバックカバーの内面となる面が必要性能(例えば、導電性と耐食性)を有するように、亜鉛系めっき鋼板の表面に設けられた無機有機複合系処理皮膜からなる。また、場合によっては、更に耐色落ち性を付与するために、上記複層構造の着色有機系処理皮膜の上に、クリアー有機系処理皮膜を更に備えてもよい。表裏異なる皮膜構成を基本設計に持ち、且つ表裏皮膜の最適化を図ることで、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用途に優れた意匠性亜鉛系めっき鋼板を提供することができる。
ここで、上記の薄型ディスプレイパネルとしては、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル、電界放出ディスプレイパネル等のディスプレイパネルがある。また、本実施形態に係る亜鉛系めっき鋼板は、例えば、パーソナルコンピュータ用のディスプレイやTVに使用されるディスプレイパネル等、あらゆる薄型ディスプレイパネルに用いることが可能である。
本実施形態に係る薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用意匠性亜鉛系めっき鋼板において、バックカバーの外面となる面は、亜鉛系めっき鋼板の表面に直接着色有機系処理皮膜を有することで亜鉛系めっき鋼板のめっき腐食生成物が保持され、めっき腐食生成物のバリアー効果によって耐赤錆性が向上する。更に、亜鉛系めっきと着色有機系処理皮膜の間に無機有機複合系処理皮膜を被覆することで、このバリアー効果は格段と向上し、高耐食性が発現する。これは、無機有機複合系処理皮膜が、めっき表面の−O、−OH基や有機系皮膜表面の親水性官能基と水素結合やファンデルワールス力を介して架橋構造を形成するため、界面の密着力を向上すると共に、腐食の過程で無機有機複合系処理皮膜から無機成分が溶解し、腐食生成物の安定化に寄与するものと推定している。更に、意匠性の観点からは、有機系皮膜中の顔料、ビーズ、アルミペースト等の種類および含有率を変化させることで、要求に合った多種多様な深みを持った意匠性外観が可能となる。
更に、場合によって耐色落ち性を必要とするときは、着色有機系処理皮膜の上にクリアー有機系処理皮膜を被覆するようにしてもよい。このようなクリアー有機系処理皮膜を形成することで、双方の皮膜表面の官能基同士の水素結合やファンデルワールス力等を介して架橋構造が形成されるため、界面の密着力を担保し、かつクリアー有機系処理皮膜が着色有機系処理皮膜のガードコートの役割を担うため、加工時の面摺動や拭き取り時の着色有機系処理皮膜の耐色落ち性が著しく向上する。
他方、本実施形態に係る意匠性亜鉛系めっき鋼板の薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーの内面となる面は、亜鉛系めっき鋼板の表面に薄膜の無機有機複合系処理皮膜を被覆することで導電性が確保されるとともに、且つめっきの腐食が抑制され、結果的に耐赤錆性が向上する。これは、無機有機複合系処理皮膜が、めっき表面の−O、−OH基と水素結合やファンデルワールス力を介して架橋構造を形成し、タイトな皮膜となっているため、めっき面への水、塩分等の腐食因子のバリアー効果を発現するためであると考えられる。同時に、腐食の過程で無機有機複合系処理皮膜から無機成分が溶解し、腐食生成物の安定化も寄与するものと推定している。
上記無機有機複合系処理皮膜は、下限0.3g/m、上限0.7g/mの皮膜量で形成されたものである。下限0.3g/m未満であると、白錆や赤錆が発生し易くなり、耐食性は低下する。この理由としては、主にめっき表面の無機有機複合系処理皮膜の被覆量が極めて少なく、充分に表面を覆えないため、腐食因子のバリアー効果が不足し、めっきの腐食が起き易いものと考えられる。一方、上限皮膜量決定の理由としては、バックカバーの内面となる側の面の表面において上限皮膜量が0.7g/mを超えると、皮膜が良伝導性でないため、電磁波の不要輻射ノイズ漏れを防止するために必要とされる導電性が著しく低下するからである。安定した耐食性と導電性とを確保するためには、例えば、上記下限は0.35g/mであることがより好ましく、上記上限は0.65g/mであることがより好ましい。
上記無機有機複合系処理皮膜は、無機化合物を主体とし、無機塩は特に限定されないが、リン酸塩及びケイ酸塩の単独もしくは両方が配合されていることが望ましい。無機塩の種類としては、特に限定されることはないが、無機塩中のカチオン成分は亜鉛イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオンが好ましい。
また、成膜性向上の観点から、上記無機有機複合系処理皮膜中に有機化合物を含有させている。有機化合物としては、例えば、有機チタン化合物、有機ケイ素化合物、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等を挙げることができる。これらの有機化合物のうち、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル酸系樹脂、有機ケイ素化合物が好ましく、上記無機塩と混合するか脱水縮合等の化学結合を用いて複合化しても良い。有機化合物の有機系官能基としては、脂肪族および芳香族炭化水素系官能基であれば特に限定されることはなく、上記無機塩と脱水縮合等の化学結合を用いて複合化されることが望ましい。成膜性を向上させるために、有機系官能基の末端にアミノ基、エポキシ基等の反応性の異なる単独もしくは二種類以上の官能基を導入すると、更に好適である。
上記無機有機複合系処理皮膜は、耐食性向上の観点から、防錆処理剤に使用されうる防錆インヒビターを適宜含有してもよい。防錆インヒビターとしては、特に限定されることはないが、亜鉛、ケイ素、リン、マグネシウム、ジルコニウム、硫黄、バナジウム、アルミニウム、コバルト、チタン、マンガン、ニオブ、モリブデン、バリウム、タングステンの単体あるいはこれらを含有する酸化物、フッ化物、窒化物等の化合物の単独あるいは二種以上が配合されていることが好ましい。
上記の無機有機複合系処理皮膜における無機化合物(無機系成分)の具体例として、例えば、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酸塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、バナジン酸アンモニウム、オキシ二塩化バナジウム、三酸化バナジウム、五酸化バナジウム、オキシシュウ酸バナジウム、チッ化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、バナジン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、酸化コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト、酸化チタン、塩化チタン、チタン酸バリウム、チタンフッ化水素酸、塩化マンガン、硫酸マンガン、炭酸マンガン、四三酸化マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン、二酸化マンガン、五塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、五酸化ニオブ、シュウ酸水素ニオブ、ニオブ酸バリウム、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、三酸化タングステン、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸カルシウム、塩化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、酸化バリウム、硫酸バリウム、過酸化バリウム等を挙げることができる。しかしながら、本発明に係る無機有機複合系処理皮膜における無機化合物成分は、上記の化合物に限定されるわけではない。
上記無機有機複合系処理皮膜を形成する処理液としては、無機塩の解離イオンを主成分として、さらに有機樹脂等の有機系官能基を含む有機化合物、防錆インヒビター等も必要に応じて添加された処理液が使用できる。
上記無機有機複合系処理剤による亜鉛系めっき鋼板への処理方法としては、浸漬型処理、塗布型処理のいずれの方法によっても上記無機有機複合系処理皮膜を形成させることが可能である。浸漬型処理としては、例えば、亜鉛系めっき鋼板に脱脂、水洗を行った後に、上記無機系処理液と接触させ、リンガーロール法やエアナイフ法等によって膜厚を制御した後に乾燥を行うことにより上記無機有機複合系処理皮膜を形成することができる。上記無機有機複合系処理皮膜の皮膜量は、例えばリンガーロール法であればロール押し付け圧、エアナイフ法ではエア圧の調整によりそれぞれ制御が可能である。
塗布型処理としては、例えば、亜鉛系めっき鋼板に、必要な皮膜量に応じた量の上記無機有機複合系処理液をロールコート法により必要な塗布量に調整する方法がある。上記無機有機複合系処理液を亜鉛系めっき鋼板に塗布した後、乾燥炉等を用いて乾燥させることにより、皮膜を形成させる。
上記着色有機系処理皮膜は、下限0.5g/m、上限g/mの皮膜量で形成されたものである。下限0.5g/m未満であると、白錆や赤錆が発生し易くなり、耐食性は低下する。この理由としては、めっき表面のうねりの頂上部位での有機皮膜厚みが薄くなり、この部位での腐食因子の透過性が高くなるため、めっきの腐食が起き易いものと考えられる。一方、上限g/mの皮膜量を超えると、ロールコーター系の塗布方法で容易に有機皮膜厚みを制御することが難しく(すなわち均一膜厚成膜がしづらく)、塗布ムラ模様が発生しやすくなるため外観品位上も難しい。安定した耐食性と成膜性とを確保するためには、例えば、上記下限は0.7g/mであることがより好ましい
上記着色有機系処理皮膜は、有機化合物に各種着色顔料を含む皮膜であるが、更に、この中にビーズ、アルミペースト、増粘剤、有機防錆剤、無機防錆剤、染料、界面活性剤、潤滑剤等の他の添加剤が、単独あるいは二種以上配合されていてもよい。ここで、添加剤の材質等は特に限定されない。特に、ビーズやアルミペーストを添加することで、ゆず肌感やメタリック調の意匠性が得られる。
上記有機化合物の役割は、着色有機系処理皮膜中に含有されることによって、めっき上に欠陥のない均一な着色有機系処理皮膜を形成させることである。また、着色顔料等の添加剤を皮膜中で固定するのに好適である。更に、無機有機複合系処理皮膜をめっきと着色有機系処理皮膜との間に形成させると、めっきと着色有機系処理皮膜間の密着性は更に向上する。
上記有機化合物としては主に有機樹脂であり、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の単独もしくは二種以上の混合物、または複数樹脂の変性体を使用することが、添加剤の皮膜中での固定および無機有機複合系処理皮膜あるいはめっきと着色有機系処理皮膜の密着性の向上に好適である。
上記着色有機系処理皮膜は、亜鉛系めっき鋼板に無機有機複合系処理皮膜を介して、上記着色有機系処理剤を塗布することによって形成することができる。上記塗布方法としては、均一な成膜がなされ塗膜厚が制御出来さえすれば、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法、エアレススプレー法、ロール法等を挙げることができる。
上記クリアー有機系処理皮膜は、下限0.5g/m、上限5g/mの皮膜量で形成されたものである。下限0.5g/m未満であると、耐色落ち性は低下する。この理由としては、クリアー有機系処理皮膜量が少ないと、着色有機系処理皮膜の色落ちのバリアー効果が効かないことが考えられる。また、上限5g/mの皮膜量を超えると、ロールコーター系の塗布方法で容易に有機皮膜厚みを制御することが難しく(すなわち均一膜厚成膜がしづらく)、塗布ムラ模様が発生しやすくなるため外観品位上も難しい。安定した耐色落ち性と成膜性とを確保するためには、例えば、上記下限は0.7g/mであることがより好ましく、上記上限は4.5g/mであることがより好ましい。
上記クリアー有機系処理皮膜は、有機化合物であるが、更に、この中に増粘剤、有機防錆剤、無機防錆剤、界面活性剤、潤滑剤等の他の添加剤が、単独あるいは二種以上配合されていてもよい。ここで、添加剤の材質等は特に限定されない。
上記有機化合物の役割は、クリアー有機系処理皮膜中に含有されることによって、めっき上に欠陥のない均一なクリアー有機系処理皮膜を形成させることである。また、潤滑剤(wax)等の添加剤を皮膜中で固定するのに好適である。更に、有機化合物は着色有機系処理皮膜とクリアー有機系処理皮膜間の密着性の向上に寄与する。
上記有機化合物としては主に有機樹脂であり、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の単独もしくは二種以上の混合物、または複数樹脂の変性体を使用することが、添加剤の皮膜中での固定および着色有機系処理皮膜とクリアー有機系処理皮膜の密着性の向上に好適である。
上記クリアー有機系処理皮膜の塗布方法としては、均一な成膜がなされ塗膜厚が制御出来さえすれば、特に限定されるものではなく、例えば、浸漬法、スプレー法、エアレススプレー法、ロール法等を挙げることができる。
本実施形態に係る薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用意匠性亜鉛系めっき鋼板に使用する亜鉛系めっき鋼板は特に限定されず、例えば、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板等の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき、置換めっき鋼板等の亜鉛又は亜鉛系合金めっき鋼板等を挙げることができる。
なお、上記の無機有機複合系処理皮膜や着色有機系処理皮膜、クリアー有機系処理皮膜の付着量は、例えば皮膜形成前および皮膜形成後の亜鉛系めっき鋼板の質量をそれぞれ測定し、皮膜形成前後での質量差を被覆面積で除することで決定することができる。
また、上記の無機有機複合系処理皮膜や着色有機系処理皮膜、クリアー有機系処理皮膜を形成するための塗布液は、例えば蒸留水に所定比率の成分を固形分濃度が所定範囲(例えば、10〜20質量%)になるように添加し、常温で均一分散するまで撹拌を行うことで製造することができる。
本発明は、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーの外面となる側の面に、第一層として無機有機複合系処理皮膜を0.3〜0.7g/mの皮膜量で、第二層として着色有機系処理皮膜を0.5〜3g/mの皮膜量で被覆し、その上に場合によりクリアー有機系処理皮膜を0.5〜5.0g/mの皮膜量で被覆し、カバーの内面となる側の面に無機有機複合系処理皮膜を0.3〜0.7g/mの皮膜量で被覆することにより得られるものであることから、鋼板の全面を均一皮膜で覆うことができる。
これにより、亜鉛系めっき鋼板のめっき表面と無機有機複合系処理皮膜、無機有機複合系処理皮膜と着色有機系処理皮膜、着色有機系処理皮膜とクリアー有機系処理皮膜の各界面の密着力を向上させることが可能となり、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーの具備すべき主たる性能要件であるバックカバーの外面となる側の面の必要性能(例えば、意匠性と耐食性、外観品位、特にクリアー有機系処理皮膜の被覆があることで耐色落ち性)および内面となる側の面の必要性能(例えば、導電性と耐食性)が同時に確保できる。従って、本発明の意匠性亜鉛系めっき鋼板を適用することで充分な薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用途性能を満足できる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の
みに限定されるものではない。
用いためっき鋼板を表1、無機有機複合系処理を表2、着色有機系処理を表3−1、クリアー有機系処理皮膜を表3−2にそれぞれ示す。
Figure 0005098257
Figure 0005098257

Figure 0005098257

Figure 0005098257
Figure 0005098257
Figure 0005098257
これらの組み合わせによって、本実施形態に示す意匠性亜鉛系めっき鋼板を作製し、導電性、外観品位性、耐食性を調査した。なお、無機有機複合系処理皮膜は、表2に示した1〜11の塗布液を市販のゴムロールコーターにて塗布し、鋼板到達温度110〜180℃で焼付け放冷し作製した。着色有機系処理皮膜は、表3−1に示した1〜10の塗布液を市販のゴムロールローターにて塗布し、鋼板到達温度110〜180℃で焼付け放冷し作製した。また、各皮膜の付着量は、皮膜形成前後の質量差を被覆面積で除することで決定した。なお、表2に示した1〜11の塗布液の無機系成分と有機系成分の質量比、および、有機樹脂と有機チタン化合物もしくは有機ケイ素化合物との質量比は、表2に記載の通りである。クリアー有機系処理皮膜は表3−2に示した1〜10の塗布液を市販のゴムロールローターにて塗布し、鋼板到達温度110〜180℃で焼付け放冷し作製した。各種評価内容および基準は次の通りである。
(導電性評価方法)
平滑なA4サイズの平板表面について、ロレスター4探針法(ロレスターEP)を用いて任意に10点の表面抵抗を測定した。評価基準は以下の通りである。
導電性(評価4点以上が合格)
評点5:1mΩ未満が10点中10点
4:1mΩ未満が10点中8〜9点
3:1mΩ未満が10点中6〜7点
2:1mΩ未満が10点中4〜5点
1:1mΩ未満が10点中0〜3点
以上の評価結果を、以下に示す表4−1、4−2中に示した。
(外観品位性評価方法)
ロールコーター法を用いてA4サイズの平板に着色有機系処理皮膜を塗布し、目視にて塗布ムラ模様発生の有無を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
外観品位性(評価2点が合格)
評点2:目視判定で塗布ムラ模様発生無し
1:目視判定で塗布ムラ模様発生有り
以上の評価結果を、以下に示す表4−1、4−2、4−3中に示した。
(耐食性評価方法)
平板を150mm(長手)×70mm(幅)サイズに切断し、長手方向下から50mmの位置に7mm高さのエルクセン張り出しを行い、板端面部と裏面部を市販の防錆テープでシーリングした後で、塩水噴霧試験SST(JIS Z2371)環境に仰角60°で放置し、3日後の腐食外観を下記の評点で評価した。評価基準は以下の通りである。百分率は部位の錆発生面積率を表す。平面部、張り出し部それぞれについて、耐食性評価3点以上が合格である。
平面部
評点5:白錆発生なし
4:白錆発生50%
3:全面白錆発生
2:白錆発生多、赤錆発生微少
1:赤錆発生多
張り出し部
評点5:白錆発生50%未満
4:全面白錆発生
3:赤錆発生50%未満
2:全面赤錆発生
1:全面赤錆発生
以上の評価結果を、以下に示す表4−1、4−2中に示した。
(耐色落ち性評価方法)
平板を150mm(長手)×70mm(幅)サイズに切断し、長手方向に摺動試験機にて市販の白ネル(布)にて荷重500g/cmにて、ストローク30mmの往復スライド摩耗にて5000回往復後の布への色付き、平板上の色落ち痕の発生を、目視評価によって下記の評点で評価した。評価基準は以下の通りである。耐色落ち性評価3点以上が合格である。
評点5:平板表面外観変化なし、布着色なし
4:平板表面外観変化なし、布着色微少
3:平板上の色落ち痕微少、布着色微少
2:明らかな平板上の色落ち痕あり、布着色あり
1:メッキ下地露出、布着色大
以上の評価結果を、以下の表4−3中に示した。
Figure 0005098257
Figure 0005098257
Figure 0005098257
前出の表4−1、4−2の評価結果に示す通り、上記の製造方法で作製した本発明鋼板(実施例No.1−26、31−37)は、内面となる側の面の導電性と耐食性、および外面となる側の面の、外観品位性、耐食性が良好である。それに比較して、本発明範囲を逸脱する場合(比較例No.1−14)は、導電性あるいは外観品位、耐食性が不良である。すなわち、本発明は、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーの外面となる側の面に、第一層として無機有機複合系処理皮膜、第二層として着色有機系処理皮膜を所定量有し、カバーの内面となる側の面に無機有機複合系処理皮膜を所定量有することで、薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバーとして必要とされる性能を具備できる。その上に更に皮膜量が0.5〜5.0g/mであるクリアー有機系処理皮膜を形成することで、前出の表4−3の評価結果に示す通り、上記の製造方法で作製した本発明鋼板(実施例No.42−47)は、耐色落ち性と外面品位性に極めて優れる。それに比較して、本発明範囲を逸脱する場合(比較例No.15−24)は、耐色落ち性または外面品位性のどちらかが不良であることがわかった。また、クリアー有機系処理皮膜を形成しない場合(比較例No.25−33)は、耐色落ち性が不良であることがわかった。
本発明の薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用亜鉛系めっき鋼板は、上述した構成よりなるので、皮膜厚みが小さくて低コスト化を実現でき、かつ薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用途性能を満足している。

Claims (2)

  1. 薄型ディスプレイパネルを用いる表示装置のバックカバー用の亜鉛系めっき鋼板であって、
    前記亜鉛系めっき鋼板の前記バックカバーの外面となる側の面には、下層として皮膜量が0.3〜0.7g/mである無機有機複合系処理皮膜が形成され、かつ、表層として皮膜量が0.5〜3g/mである着色有機系処理皮膜が形成され、
    前記バックカバーの内面となる側の面の表面には、皮膜量が0.3〜0.7g/mである無機有機複合系処理皮膜が形成されることを特徴とする、亜鉛系めっき鋼板。
  2. 前記着色有機系処理皮膜の上に、皮膜量が0.5〜5.0g/mであるクリアー有機系処理皮膜が更に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板。
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