JP5626149B2 - 表面処理鋼板及び家電製品用筐体 - Google Patents

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本発明は、表面処理鋼板に関し、具体的には液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのような薄型ディスプレイに代表されるAV機器用筐体等に好適な表面処理鋼板及びこれを用いた家電製品用筐体に関する。
塗装鋼板(プレコート鋼板、PCMとも呼ばれる)は、基材鋼板に塗装および焼付けにより塗膜を形成した後、コイル状に巻き取られ、その状態でユーザーに納入される。ユーザーは、コイルを巻き戻して、打ち抜き、折り曲げ、絞り加工、またはこれらを組み合わせた加工を行って製品化する。このような塗装鋼板は、作業環境を悪化させたり、廃液処理が難しかったりする塗装作業をユーザーで行う必要がないことから、多くの分野に適用されている。
塗装鋼板の製造は、基材鋼板(典型的には亜鉛めっきと亜鉛合金めっきとを含む亜鉛系めっき鋼板)に前処理として化成処理を施した後、下塗り塗料(プライマー)の塗布と焼付けを行い、次に上塗り塗料の塗布と焼付けを行う、2コート2ベーク方式が一般的である。ただし、最終製品の外側となる「おもて面」とは反対側の「裏面」側については、前処理後に裏面用に開発された塗料を用いて、1コート1ベーク方式で塗装が行われることもある。
塗装鋼板は、耐食性(塗膜の端部における白錆および/または赤錆発生の抑制)、加工性、塗膜硬度(耐傷つき性)、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などの多くの性能を、いずれについても高いレベルで達成することが要求される。しかし近年は、コスト削減の観点に加え、環境対策の観点や塗装作業の合理化の観点からも、塗装鋼板の意匠性等が要求される品質保障面となる塗膜に関しても、塗膜全体の膜厚(塗膜厚)を薄膜化することが求められてきている。例えば、薄型ディスプレイのバックパネル用途等、最終製品の背面側に使用される用途では、塗膜厚が合計でも数ミクロンの前半程度といった、いわゆる化成処理鋼板や耐指紋性鋼板分野の塗膜厚くらいにまでの薄膜化が求められている。
塗膜厚が薄くなると、塗装焼き付け時に発生する有機溶剤を燃焼させるために使用しているインシネーターの負担を低減するとともに、そこから排出されるCOの低減が可能となる。また、塗膜焼き付け時に排出される有機溶剤の量は、塗膜厚に依存していることから、塗膜厚が薄くなるとインシネーターの範囲内でラインスピードを高めることができ、塗装作業を合理化することが可能となる。
しかし、塗膜厚が薄くなると、例えば、塗装鋼板の表面の明度が悪くなったり、塗膜によって塗装鋼板の色調にバラつきが生じたり、基材鋼板の疵の隠蔽をし難くなったりして、塗装鋼板としての良い外観を得ることが通常は困難となる。この点を改善させることを目的とした発明が特許文献1に開示されている。また、塗膜の薄膜化に伴う、塗装鋼板の耐食性低下を改善することを目的とした発明が特許文献2に開示されている。
さらに、塗装焼付け時に発生する有機溶剤を燃焼させるために使用しているインシネーターの負担を低減する手法として、塗料中に含まれる溶剤そのものを微量または一切含まない水系塗料についても検討されており、薄型ディスプレイのバックパネル用途として耐食性を両立することを目的とした発明が、特許文献3に開示されている。
一方で、水系の薬液を用いて数ミクロン程度の薄膜が基材鋼板の表面に形成された表面処理鋼板(例えば、いわゆる耐指紋性鋼板)は多数開発されている。例えば、特許文献4には耐指紋性、耐食性等を両立することを目的とした表面処理鋼板が開示されている。
特開2008−55774号公報 特開2010−115902号公報 特開2010−247396号公報 特開2000−263695号公報
特許文献1、2、3に記載された塗装鋼板は、いずれも意匠性を確保するための(上塗り)塗膜が2μm以上必要であり、加えてその下に化成処理被膜及び/又は下塗り塗膜を備える。そのため、塗膜厚が必然的に厚くなる。一方、特許文献4に代表される従来の薄膜タイプの表面処理鋼板では、鋼板表面に形成される被膜は基本的にクリア被膜であって、基材鋼板の表面の外観(色調や疵)の影響を大きく受けるものであった。
そこで本発明は、表面に形成された被膜が薄く、且つ、着色された外観が安定し、耐食性も比較的良好な表面処理鋼板を提供することを目的とする。また、当該表面処理鋼板を備えた家電製品用筐体を提供する。なお、本発明において「外観が安定」とは、1枚の表面処理鋼板中及び同一品種の表面処理鋼板同士の外観において、被膜が形成された面に目視で判別可能な程度の差異が生じないことを意味する。
表面処理鋼板の外観を安定させるためには、塗装鋼板と同様に基材鋼板の表面に形成する被膜中に着色顔料を含有させることが考えられる。ここで、本発明者らは、屈折率が1.7以上の着色顔料を主に利用すると、基材鋼板の表面外観(色調や疵)を被膜で隠蔽して、外観が安定した表面処理鋼板を得られることを知見した。さらに、被膜を複層化し、屈折率が1.7以上の着色顔料を基材鋼板側の層に主として含有させる方が、被膜を薄膜化しても諸性能のバランスがとれた表面処理鋼板を得られることを知見した。このような知見に基づき完成された本発明は、以下のとおりである。
本発明の第1の態様は、基材鋼板と、該基材鋼板の少なくとも一方の面に形成された被膜とを備える表面処理鋼板10であって、被膜は上層被膜と該上層被膜より基材鋼板側に形成された下層被膜とを備えており、下層被膜は、有機系又は有機無機複合系の成分をバインダとする被膜であって、屈折率が1.7以上の着色顔料を下層被膜の固形分質量に対して5質量%以上25質量%以下含有し、上層被膜は、有機系の成分をバインダとする被膜であって、屈折率が1.7以上の着色顔料を上層被膜の固形分質量に対して10質量%以下含有し、下層被膜の厚さが0.2μm以上1μm以下であるとともに、上層被膜の厚さが0.5μm以上であり、下層被膜と上層被膜との膜厚の合計が3μm以下であることを特徴とする、表面処理鋼板である。
上記本発明の第1の態様の表面処理鋼板において、下層被膜に含有される着色顔料としてカーボンブラックを含む場合、該カーボンブラックの含有量は下層被膜の固形分質量に対して10%以下である。
また、上記本発明の第1の態様の表面処理鋼板において、下層被膜又は上層被膜の少なくとも一方が、有機系着色顔料を下層被膜又は上層被膜の固形分質量に対して25質量%以下含有することが好ましい。
ここに、「有機系着色顔料を下層被膜又は上層被膜の固形分質量に対して25質量%以下含有する」とは、下層被膜が有機系着色顔料を含有する場合は、下層被膜の固形分質量に対して有機系着色顔料を25質量%以下含有することを意味し、上層被膜が有機系着色顔料を含有する場合は、上層被膜の固形分質量に対して有機系着色顔料を25質量%以下含有することを意味する。
さらに、上記本発明の第1の態様の表面処理鋼板において、基材鋼板の一方の面と他方の面とが、目視で判別可能な程度の色調差を有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様の表面処理鋼板を用いた家電製品用筐体である。
本発明の第1の態様によれば、表面に形成された被膜が薄く、且つ、着色された外観が安定し、耐食性も比較的良好であり、諸性能のバランスが良い表面処理鋼板とすることができる。
下層被膜に含有される着色顔料としてカーボンブラックを含む場合は、該カーボンブラックの含有量を下層被膜の固形分質量に対して10%以下とすることによって、表面処理鋼板の耐食性が低下することを防止しつつ、基材鋼板の表面外観(色調や疵)を被膜で隠蔽することができる。
また、下層被膜又は上層被膜の少なくとも一方が有機系着色顔料を固形分質量に対して25質量%以下含有することによって、表面処理鋼板に色調を付与し易くなる。
さらに、基材鋼板の一方の面と他方の面とが、目視で判別可能な程度の色調差を有する形態とすることによって、おもて面と裏面との判別が容易になり、表面処理鋼板を使用し易くなる。
本発明の第2の態様によれば、表面に形成された被膜が薄く、且つ、着色された外観が安定し、耐食性も比較的良好であり、諸性能のバランスが良い表面処理鋼板を備えた家電製品用筐体とすることができる。
表面処理鋼板10の断面を概略的に示す図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺等は変更して簡略化している。
<表面処理鋼板>
図1は、表面処理鋼板10の断面を概略的に示す図である。図1に示すように、表面処理鋼板10は、基材鋼板1と、基材鋼板1の少なくとも一方の面に形成された被膜2とを備えている。被膜2は上層被膜3と上層被膜3より基材鋼板1側に形成された下層被膜4とを備えている。また、基材鋼板1の被膜2が形成された側とは反対側の面には、裏面被膜5が形成されていてもよい。本明細書において、表面処理鋼板10のうち被膜2が形成されている側の面を「おもて面」と表記し、その反対側の面を「裏面」と表記する。以下、表面処理鋼板10について、これらの構成要件ごとに説明する。
1.基材鋼板1
表面処理鋼板10に用いられる基材鋼板1は特に制限されない。例えば、一般的な塗装鋼板に使用される亜鉛を含有するめっき層を備えた亜鉛系めっき鋼板、すなわち、亜鉛めっき鋼板もしくは亜鉛合金めっき鋼板、またはこれらのめっきを基板と合金化させた合金化めっき鋼板を基材鋼板1として用いることができる。
上記亜鉛系めっき鋼板は、電気めっき、溶融めっき、気相めっきのいずれで作製したものでもよい。また、当該亜鉛系めっき鋼板の例としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板、溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni合金めっき鋼板などが挙げられる。
亜鉛系めっき鋼板のめっき付着量も特に限定されず、一般的な範囲内でよい。亜鉛系めっき鋼板のめっき付着量は、好ましくは、片面平均付着量で100g/m以下である。この付着量は、電気めっきの場合には3g/m以上50g/m以下とすることがより好ましく、溶融めっきの場合には30g/m以上100g/m以下とすることがより好ましい。
表面処理鋼板10の外観との関係でいえば、表面処理鋼板10の外観を比較的明るめ(白っぽい)にする場合は、基材鋼板1としても比較的明るめの外観を有するもの、例えば電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板を用いることが好ましい。逆に表面処理鋼板10の外観を比較的暗めにする場合は、基材鋼板1としても比較的暗めの外観を有するもの、例えば亜鉛合金系めっき鋼板、より具体的には、電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板や電気亜鉛−鉄合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板等を用いることが好ましい。また、一般的には電気亜鉛めっき鋼板の方が溶融亜鉛めっき鋼板と比較して色調のバラつきが小さいので、基材鋼板1として電気亜鉛めっき鋼板を用いると表面処理鋼板10の外観を安定させやすい。
2.下層被膜4
下層被膜4は、有機系又は有機無機複合系の成分をバインダとする被膜であって、屈折率が1.7以上の着色顔料を下層被膜4の固形分質量に対して5質量%以上25質量%以下含有している。ただし、この着色顔料の一部又は全部がカーボンブラックである場合は、その含有量は下層被膜4の固形分質量に対し10質量%以下とすることが好ましい。
下層被膜4の形成には、例えば、いわゆるクロムフリー化成処理に用いられる公知のベース薬液を用いることができる。具体的には、日本パーカライジング株式会社製のE300シリーズや日本ペイント株式会社製のサーフコートシリーズ等のベース薬液を用いることができる。このようなベース薬液に前述の着色顔料を所定量添加して処理液を作製し、当該処理液をめっき鋼板に塗布して焼き付けることによって、下層被膜4を形成することができる。ちなみにこれらのクロムフリー市販製品は、樹脂と、シリカやジルコニア等の無機系の添加物、カップリング剤等が複合した、有機無機複合処理(被膜)と呼ばれている。
下層被膜4に含まれる屈折率が1.7以上の着色顔料としては、例えば、黒色顔料としてはカーボンブラック、白色顔料としては亜鉛華やチタニアが挙げられる。
このような着色顔料は、多く含まれる方が当然ながら基材鋼板1の表面外観を隠蔽して表面処理鋼板10の外観を安定させ易い。一方で、着色顔料の含有量が多くなりすぎると表面処理鋼板10の耐食性が低下する虞がある。中でも、カーボンブラックは、隠蔽力が大きいものの、それ自体が導電体であるためか、カーボンブラックを被膜に用いた場合には表面処理鋼板の耐食性を低下させ易い。そこで、下層被膜4における屈折率が1.7以上の着色顔料の適正な含有量は、下層被膜4の固形分質量に対して5質量%以上25質量%以下であり、当該着色顔料としてカーボンブラックを含む場合、該カーボンブラックの含有量は10質量%以下である。
また、下層被膜4は屈折率が1.7未満の着色顔料を含んでいてもよい。当該着色顔料の具体例としては、種々の有機着色顔料や硫酸バリウム等が挙げられる。下層被膜4が屈折率1.7未満の着色顔料を含む場合、その含有量は、下層被膜4の固形分質量に対して、25質量%未満であることが好ましい。25質量%を超えると、被膜として要求される耐食性等を担う薬液主成分の比率が減少するためである。
なお、ベース薬液には前述したようにシリカやジルコニアが含有されていることがある。これらは、いわゆる体質顔料や防錆剤として被膜の性能を向上させるために広く用いられるものである。これらも屈折率が1.7未満の着色顔料ではあるが、着色力は小さい。本発明では、シリカやジルコニアを「屈折率が1.7未満の着色顔料」に含めないこととする。
下層被膜4の厚さは、基材鋼板1の表面外観を隠蔽し、表面処理鋼板10の外観を安定させるという観点からは厚い方が好ましい。また下層被膜4が厚い方が表面処理鋼板10の耐食性も良好となる。しかしながら、下層被膜4が厚すぎると、表面処理鋼板10の製造費用が高くなる。また、下層被膜4が厚すぎると、下層被膜4の基材鋼板1に対する密着性が低下する。これは、下層被膜4自体が凝集破壊し易くなるためと考えられる。そこで、下層被膜4の適正な厚さの範囲は、0.2μm以上1.0μm以下であり、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下である。下層被膜4の厚さは、下層被膜4の形成に用いる上記処理液の基材鋼板1への塗布量を調整することにより、適宜調整することができる。
3.上層被膜3
上層被膜3は、下層被膜4の上に形成され、表面処理鋼板10の最表層となる、被膜である。上層被膜3は、有機系の成分をバインダとし、無機系の着色顔料を上層被膜3の固形分質量に対して10質量%以下含有する。
上層被膜3の形成には、例えば、市販の耐指紋性鋼板の表面被膜の形成に用いられる公知のベース薬液を使用することができる。耐指紋性鋼板とは、ポリエステル系樹脂やウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等をベースとする薄膜が鋼板(通常はめっき鋼板)上に形成されたものである。このようなベース薬液に着色顔料を適宜量添加して処理液を作製し、当該処理液を下層被膜4上に塗布して焼き付けることによって、上層被膜3を形成することができる。
上層被膜3は、無機系の着色顔料をできるだけ含まないのがよい。上層被膜3がこのような着色顔料(特に、前述した屈折率が1.7以上の着色顔料)を含んでいると表面処理鋼板10の外観は安定し易い。しかしながら、被膜の結合が妨げられるためか、上層被膜3が当該着色顔料を多く含むと、主として表面処理鋼板10の耐薬品性が劣る傾向にある。そのため、上層被膜3中には屈折率が1.7以上の着色顔料を含まないか、含んでいても上層被膜3の固形分質量に対し10質量%以下とする。
上層被膜3の厚さが厚い方が表面処理鋼板10の耐食性が良好である。かかる観点から、上層被膜3の厚さは0.5μm以上であって、1.0μm以上であることが好ましい。一方、上層被膜3が厚過ぎると、表面処理鋼板10の製造費用の増加に繋がる。また、上層被膜3が厚過ぎると、表面処理鋼板10を何らかの形状に成型する際に金型との摺動により形かじりを生じやすくなるなどの問題を生じる虞がある。そこで、上層被膜3の厚さは、下層被膜4との合計膜厚で、3.0μm以下とするのがよい。上層被膜3の厚さは、上層被膜3の形成に用いる上記処理液の塗布量を調整することにより、適宜調整することができる。なお、上記形かじりを抑制する観点では、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、上層被膜3の形成に用いる上記処理液に固形潤滑剤(代表的にはワックス)を適宜含有させてもよい。
4.その他、おもて面の被膜
下層被膜4及び又は上層被膜3は、さらに有機系の着色顔料を含有していてもよい。一般に、前述したような無機系の着色顔料は、屈折率が高いため隠蔽性に優れている。対して有機系の着色顔料は、屈折率が低いため隠蔽性に劣るものの、優れた着色力を有する。そこで、無機系の着色顔料を被膜2に含有させることによって基材鋼板1の色調バラつきや疵等を隠蔽した上で、さらに有機系の着色顔料を被膜2に含有させることにより、表面処理鋼板10の色調にある程度の自由度を持たせることができる。
有機系着色顔料は、前述の無機系の着色顔料と比較して、被膜2に含有させることによる表面処理鋼板10の耐食性の低下度合いが小さい。そのため、有機系着色顔料は上層被膜3にも含有させることができる。有機系着色顔料の好ましい含有量としては、下層被膜4及び上層被膜3のいずれに含有させる場合でも、固形分質量に対して25質量%以下とする。すなわち、有機系着色顔料の好ましい含有量は、下層被膜4が有機系着色顔料を含有する場合は、下層被膜4の固形分質量に対して25質量%以下であり、上層被膜3が有機系着色顔料を含有する場合は、上層被膜3の固形分質量に対して25質量%以下である。この範囲内において有機系着色顔料の含有量を適宜調整することによって、表面処理鋼板10の色調を調整することができる。
5.裏面被膜5
本発明の表面処理鋼板において、うら面の構成は特に限定されない。図1に示したように裏面被膜5を形成する場合、裏面被膜5は上述した下層被膜4の構成と同様とすることができる。裏面被膜5と下層被膜4とを同様の構成とすれば、裏面被膜5の形成に用いる処理液と下層被膜4の形成に用いる処理液の混合による汚染をほとんど考慮しなくてよくなる。また、表面処理鋼板10の製造コストの面でも有利である。
一方で、表面処理鋼板10の裏面は外観を安定させる必要性に乏しい。また、表面処理鋼板10のおもて面と裏面とは、容易に判別できる方が実用上好ましい。すなわち、表面処理鋼板10の一方の面と他方の面とが、目視で判別可能な程度の色調差を有することが好ましい。そのため、裏面被膜5には、前述した無機系着色顔料や有機系着色顔料をあえて含有させなくてもよい。裏面被膜5に着色顔料を含有させないことによって、裏面被膜5と被覆2とに色調差を付けることが容易になり、表面処理鋼板10のおもて面と裏面との判別が容易になる。
<製造方法>
表面処理鋼板10の製造方法は特に限定されない。まず基材鋼板1を用意し、当該基材鋼板1の表面に上述した被膜2を形成する。当該被膜2の形成方法は特に限定されず、公知の塗装鋼板或いは耐指紋性鋼板等と同様の方法で形成すればよい。例えば、被膜2を形成する処理液の塗布方法としては、ロールコータ法やスプレー−リンガー絞り法を用いることができる。また処理液の塗布後は、ドライヤーやオーブン等によって所定温度で乾燥或いは焼き付けを行う。裏面被膜5の形成方法も同様である。
<用途>
本発明の表面処理鋼板は、家電製品用筐体に用いることができる。本発明の表面処理鋼板は、被膜が薄く形成されているため、安価に製造可能である。よって、本発明の表面処理鋼板は、特に安価に製造することが求められる薄型ディスプレイ等のAV機器のバックパネル等に好適である。
以下の実施例および比較例により、本発明の作用効果を具体的に例示する。以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。なお、以下において、「%」は特に指定しない限り「質量%」をあらわす。
1.試験板の作製
(1)基材鋼板
板厚0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(片面あたりの亜鉛付着量20g/m)を、後述の塗装前処理以降の処理が行いやすいよう、所定の大きさに切りだして使用した。なお、基材の色調は、E*値(=(L*+a*+b*1/2)で5程度のバラつきがあった。
(2)塗装前処理
上記基材鋼板に対して、常法に従って市販のアルカリ脱脂液を用いた脱脂ならびに水洗を実施し、表面付着している汚染物の除去を行った。その後、熱風乾燥を行い、十分に乾燥を行った。
(3)被膜の形成
(3)−1 処理液調整
表1に示したベース薬液に、表2に示した着色顔料をブレンドし、処理液を作製した。なお、着色顔料が粉末の場合は、ベース薬液100gに対してガラスビーズを20g入れた容器中で、ベース薬液に所定量の着色顔料を添加し、これをハイブリッドミキサーで20分間攪拌することにより、着色顔料を均一に分散させた。着色顔料が溶媒にあらかじめ分散されたものの場合は、ベース薬液に着色顔料を添加後軽くかき混ぜて分散させた。このようにしてブレンドした後の処理液の組成を、おもて面の下層被膜用については表3に、上層被膜用については表4に示した。裏面被膜用の処理液としては、おもて面の下層被膜用のベース薬液(すなわち着色顔料ブレンド前のもの)を用いた。
(3)−2 処理液の塗布、乾燥
上記処理液を用いて、最初におもて面に下層被膜用の処理液を塗布し、PMT100℃で焼き付けて下層被膜を形成した。次に、裏面に裏面被膜用の処理液をPMT100℃で焼き付け裏面被膜を形成した。最後に下層被膜上に上層被膜用の処理液を塗布し、170℃(ベース薬液がU1のとき)または210℃(ベース薬液がU2、U3、U4のとき)で焼き付けて上層被膜を形成した。なお、上層被膜の焼き付けの際には、焼き付け後すぐにウォータークエンチを実施した。
処理液の塗布はバーコータで行い、各被膜の厚さは、表中に特に記載がないものは、下層被膜については0.3μm、上層被膜については1.0μm、裏面被膜については0.5μmとした。なお、後述の表5または表6において被膜厚さの記載のあるものは、その厚さとした。それぞれの被膜厚さの値は、バーコータの番手と塗布重量との関係から予め条件だしをしておいたものである。
2.性能評価
上述した手順で作製した試験板を用いて以下のように性能評価を行った。表5及び表6に実施例及びび比較例にかかる試験板の評価結果を示した。
<色調安定性>
3〜5枚程度の試験板のおもて面を目視で比較して、外観の色調にバラつきが認められないものを「○」、認められるものを「×」とした。「○」を合格とする。また、「○」と評価されたもののうち、おもて面と裏面との判別が容易であったものを「◎」とした。
<耐食性>
おもて面を評価面として試験板の端面をポリエステルテープで被覆したサンプルを、JIS−Z2371に規定された塩水噴霧試験を120時間実施し、白錆発生面積率を目視評価した。下記評価基準によって「○」以上のものを合格とした。
(評価基準)
◎:白錆発生面積率5%未満
○:白錆発生面積率5%以上、20%未満
△:白錆発生面積率20%以上、50%未満
×:白錆発生面積率50%以上
<硬度>
おもて面を評価面とし、JIS K5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))の方法に従って測定した。硬度が4H以上を「○」とした。「○」を合格とする。
なお、硬度は、形かじりの生じにくさの指標となるものである。本実験例における測定結果は、必ずしも被膜それ自体の硬度を表すものではなく基材鋼板のめっき被膜の硬度にも影響される。しかし、いずれにしても表面が硬い方が形かじりを起こしにくい。
<密着性>
おもて面を評価面とし、試験板に対して、おもて面が外面となるよう0T折り曲げ試験(23℃)を行い、180°密着曲げ試験を実施し、その後曲げ部に、ニチバン製セロハンテープを貼り付け、剥離試験を実施した。下記評価基準によって「○」のものを合格とした。
(評価基準)
○:まったく剥離無し〜剥離部10%未満
×:剥離部10%以上〜全面剥離
<コスト>
下層被膜の厚さが1μmを超えるもの、又は下層被膜と上層被膜との膜厚の合計が3μmを超えるものはコストがかかるため「×」とし、下層被膜の厚さが1μm以下であって、下層被膜と上層被膜との膜厚の合計が3μm以下であるものは低コストで製造可能なため「○」とした。
表5及び表6に示したように、実施例にかかる試験板は諸性能をバランス良く備えていたが、比較例にかかる試験板はいずれかの性能が劣っていた。これにより、本発明によれば、基材鋼板の表面に形成された被膜を薄くしても、着色された外観が安定し、耐食性等も比較的良好な表面処理鋼板を得られることがわかった。
1 基材鋼板
2 被膜
3 上層被膜
4 下層被膜
5 裏面被膜
10 表面処理鋼板

Claims (4)

  1. 基材鋼板と、該基材鋼板の少なくとも一方の面に形成された被膜とを備える表面処理鋼板であって、
    前記被膜は上層被膜と該上層被膜より前記基材鋼板側に形成された下層被膜とを備えており、
    前記下層被膜は、有機系又は有機無機複合系の成分をバインダとする被膜であって、屈折率が1.7以上の着色顔料を前記下層被膜の固形分質量に対して5質量%以上25質量%以下含有し、且つ、前記下層被膜に含有される前記着色顔料がカーボンブラックを含む場合、該カーボンブラックの含有量が前記下層被膜の固形分質量に対して10%質量以下であって、
    前記上層被膜は、有機系の成分をバインダとする被膜であって、屈折率が1.7以上の着色顔料を前記上層被膜の固形分質量に対して10質量%以下含有し、
    前記下層被膜の厚さが0.2μm以上1μm以下であるとともに、前記上層被膜の厚さが0.5μm以上であり、前記下層被膜と前記上層被膜との膜厚の合計が3μm以下であることを特徴とする、表面処理鋼板。
  2. 前記下層被膜又は前記上層被膜の少なくとも一方が、有機系着色顔料を前記下層被膜又は前記上層被膜の固形分質量に対して25質量%以下含有する、請求項1に記載の表面処理鋼板。
  3. 前記基材鋼板の一方の面と他方の面とが、目視で判別可能な程度の色調差を有する、請求項1又は2に記載の表面処理鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理鋼板を用いた家電製品用筐体。
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