JP5098135B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザ素子に係り、特に絶縁膜/金属膜の界面構造、金属膜同士の界面構造、p電極の構造に関するもので、例えばストライプ状のリッジ部を有する窒化物半導体レーザダイオード(LD)に使用されるものである。
窒化物半導体LDの構造の一例として、積層された半導体層と金属電極がコンタクトした領域、絶縁膜上に金属材料からなるパッド電極が形成された領域、金属電極上に金属材料からなるパッド電極が形成された領域を有するものがある。ここで、金属電極は例えばNi/Auが積層されてなるp電極であり、絶縁膜は例えばSiO2 膜からなる絶縁性保護膜であり、パッド電極は例えばPt/Auが積層されてなるpパッド電極である。
このような構造において、絶縁膜とpパッド電極との界面(異材質界面)では、異なる材質同士の密着性の悪さおよび熱膨脹係数の違いなどに起因して、何らかの外圧を受けた時などにp電極の剥がれが発生するおそれがある。特に、LDチップのアセンブリに際して、pパッド電極をステム上にダイボンディングを行うフェースダウン構造のLDにおいては、前記ダイボンディング時の応力によりp電極の剥がれが発生し易い。
また、製造工程において、アニールによりp電極の表面に酸化物が形成されたり、p電極の形成工程とpパッド電極の形成工程との間でp電極が大気中に晒されるとp電極の表面に自然酸化物が形成される。これにより、p電極とpパッド電極とは同属材質であっても界面の密着性が弱く、界面に存在する酸化物自体の強度が弱いので、何らかの外圧を受けた時にpパッド電極の剥がれが発生するおそれがある。
上記したように従来の半導体レーザ素子は、異材質界面や同属材質界面の密着性の悪さおよび熱膨脹係数の違いなどに起因して金属電極あるいはパッド電極の剥がれによる異常が発生するという問題があった。
なお、特許文献1には、従来のGaAs基板上に形成されたLED(発光ダイオード)において、半導体層のpコンタクト層上に、Au−Zn−Au構成の介在層とSnO2 とIn2 3 からなるITO(Indium−Tin−Oxides)電極を成層してなる透明電極部を設け、この透明電極部の上面中央部分に円形状のAu系金属材料からなるボンディングパッドを設ける構造が示されている。上記構造を有するLEDは、酸化膜であるITO電極と金属材料からなるボンディングパッドとの密着性が悪いことに起因して、製造過程(ボンディング工程)でITO電極上のボンディングパッドが剥がれてしまったり、高温高湿下の使用条件等でITO電極とボンディングパッドとの界面剥離を起こして不点灯となる不具合が生じたりする問題点が開示されている。この問題点を解決するために、pコンタクト層上面の中央部分にAu系金属材料でなる略錐台形状のボンディングパッドを形成し、このボンディングパッドの斜面状側面部とpコンタクト層上面部を覆うようにITO電極を設ける点が開示されている。
一方、特許文献2には、P型GaN半導体層の上に、電流拡散層として、一層目(下側)の透明電極膜としてITO(Indium−Tin−Oxides)膜がゾルゲル法によって形成され、この上に二層目(上側)の透明電極膜としてITO膜がスパッタリング法によって形成された窒化ガリウム系物半導体発光素子の構造が開示されている。
特開2003−298111号公報 特開2003−124518号公報
ところで、LDのp電極を形成する際、金属の単層膜もしくは多層膜を積層したp電極では、その金属の酸化物が形成される傾向にある。金属の酸化物が形成されると、金属に比べて抵抗が高いので、LDの電圧特性上、不利である。たとえば、Niを用いた電極では、Ni酸化物が形成されやすく、このNi酸化物は、脆く、Niに比べて抵抗が高い。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、絶縁膜とパッド電極あるいは電極との異材質界面の密着性を向上させ、パッド電極あるいは電極の剥がれを防止し得る半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、電極とパッド電極の同属材質界面の密着性を向上させ、パッド電極の剥がれを防止し得る半導体レーザ素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、窒化物半導体が積層された窒化物半導体層上の絶縁性保護膜とパッド電極の界面の密着性を向上させ、パッド電極の剥がれを防止し得る半導体レーザ素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、窒化物半導体が積層された窒化物半導体層上の電極とパッド電極の界面の密着性を向上させ、パッド電極の剥がれを防止し得る半導体レーザ素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、窒化物半導体が積層された窒化物半導体層上の埋め込み絶縁膜と電極の界面の密着性を向上させ、電極の剥がれを防止し得る半導体レーザ素子を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、電圧特性および電流特性が優れ、光の閉じ込め効果を向上させた窒化物半導体レーザ素子を提供することにある。
本発明の半導体レーザ素子は、半導体層に接触する電極と、前記半導体層の表面を覆う単層もしくは多層の絶縁膜と、前記電極上および絶縁膜上に形成されたパッド電極と、を具備する半導体レーザ素子において、前記電極の最上層および前記パッド電極の最下層に透明導電膜が形成されており、前記電極と前記パッド電極との界面および前記絶縁膜と前記パッド電極との界面に前記透明導電膜が存在していることを特徴とする。
本発明の半導体レーザ素子は、半導体層の上面の電極接触領域以外の領域を覆う第1の絶縁膜と、前記半導体層の電極接触領域に接触するとともに前記第1の絶縁膜上の一部であって前記電極接触領域の周辺領域上を覆うように形成された第1の電極と、前記第1の電極の端部上から前記第1の絶縁膜上を覆う第2の絶縁膜と、前記第1の電極上および前記第2の絶縁膜上に形成されたパッド電極と、前記半導体層の下層部に電気的に接続された第2の電極とを具備する半導体レーザ素子であって、前記第1の絶縁膜と前記第1の電極との界面に透明導電膜が存在し、前記第1の電極の最上層および前記パッド電極の最下層にそれぞれ透明導電膜が形成されていることを特徴とする。
本発明の半導体レーザ素子は、第1導電型の半導体層、活性層および第2導電型の半導体層と、前記第2導電型の半導体層に設けられたストライプ状の電流狭窄領域からなるリッジ部と、前記リッジ部の側面および前記第2導電型の半導体層の表面を覆う埋め込み絶縁膜と、前記リッジ部の上面に接触するとともに前記埋め込み絶縁膜上の一部であって前記リッジ部に隣接する領域上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成されたパッド電極と、前記第2導電型の半導体層に電気的に接続された第2の電極と、を具備し、 前記パッド電極の下において、少なくとも前記リッジ部上から前記埋め込み絶縁膜上にかけて第1の透明導電膜が形成されており、前記第1の電極は前記第1の透明導電膜の下が金属膜であることを特徴とする。
本発明の半導体レーザ素子は、窒化物半導体からなるn型の半導体層、活性層およびp型の半導体層が積層された積層半導体と、前記p型の半導体層の一部が露出されることによって形成されたストライプ状のリッジ部と、前記リッジ部の側面および前記p型の半導体層の露出上面を覆う埋め込み絶縁膜と、前記リッジ部の上面に接触し、少なくとも前記リッジ部上から前記埋め込み絶縁膜上にかけて形成されてなり、最上層に透明導電膜の単層構造あるいは積層構造を有し、該透明導電膜の下に金属膜を有し、所定の厚さを有するp電極と、前記p電極上に形成されたpパッド電極と、前記n型の半導体層に電気的に連なるn電極とを具備することを特徴とする。
なお、本明細書において透明導電膜と称するものは、可視光に対する透過率が例えば80%以上の透光性を有し、例えば10-3Ω・cm以下の低抵抗を有する縮退半導体(導電性酸化物膜)であり、現時点では実用性の点で、酸化インジウム(In2 3 )に錫(Sn)をドープしたITO膜が有望であり、その他に、In2 3 に亜鉛(Zn)をドープしたIZO膜、酸化ガリウム(GaOx)にZnをドープしたGZO膜などが知られている。このような透明導電膜を用いた電極を本明細書では透明電極と称する。
前記半導体レーザ素子において、p電極として膜厚が20〜1000nmのITO膜の単層構造を用いる場合、pパッド電極の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。
前記半導体レーザ素子において、p電極として、最下層に金属膜、最上層に膜厚が20〜200nmのITO膜が形成され、総膜厚が50〜500nmの積層構造を用いる場合、pパッド電極の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。
前記半導体レーザ素子において、p型の半導体層が、活性層の上層側に順に積層されたp側光ガイド層、p側クラッド層およびp側コンタクト層を含む場合、リッジ部の構造に依存して活性層から埋め込み絶縁膜までの距離が変化するので、距離に応じて埋め込み絶縁膜の膜質(光屈折率)を適切に選ぶことによって所望の光閉じ込め効果を得ることが望ましい。
即ち、リッジ部がp側コンタクト層からp側光ガイド層の一部まで形成される場合(活性層から埋め込み絶縁膜までの距離が比較的短い場合)には、リッジ導波路構造におけるリッジ部の下方領域とリッジ部近傍の下方領域との光屈折率の高低関係に所望の差をつけて所望の光閉じ込め効果を得るために、すなわち前記領域のGaN系半導体層との光屈折率差を設けて、所望の光閉じ込め効果を得るために、埋め込み絶縁膜として光屈折率差が比較的小さくなるZrO2 膜を用いることが望ましい。
これに対して、リッジ部がp側コンタクト層からp側クラッド層の一部まで形成される場合(活性層から埋め込み絶縁膜までの距離が比較的長い場合)には、リッジ導波路構造におけるリッジ部の下方領域とリッジ部近傍の下方領域との光屈折率の高低関係に所望の差をつけて所望の光閉じ込め効果を得るために、すなわち前記領域のGaN系半導体層との光屈折率差を設けて、所望の光閉じ込め効果を得るために、埋め込み絶縁膜として光屈折率差が比較的大きくなるSiO2 膜を用いることが望ましい。
なお、前記積層半導体は、窒化物半導体を成長させるための基板の主面上に積層されている場合と、前記基板の主面上に積層された後に前記基板が除去される場合がある。
本発明の半導体レーザ素子によれば、電極とパッド電極との界面(同属材質間の界面)に透明導電膜が存在するので、界面の密着性が向上し、パッド電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
また、本発明によれば、電極が第1の絶縁膜上の一部上を覆うように形成された構造を有する半導体レーザ素子において、第1の絶縁膜と電極の界面(異材質界面)に透明導電膜が介在しているので、界面の密着性が向上し、電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
また、本発明によれば、リッジ部と、リッジ部の側面および半導体層の表面を覆う埋め込み絶縁膜と、リッジ部の上面に接触するとともに埋め込み絶縁膜上の一部であってリッジ部に隣接する領域上に形成された電極を有する半導体レーザ素子において、電極とパッド電極の界面(同属材質間の界面)に透明導電膜を介在させることにより、電極とパッド電極の界面の密着性が向上し、プロセス上、電極の表面に自然酸化膜が形成されることによってパッド電極の剥がれが発生するという事態を防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。さらに、電極の端部上から埋め込み絶縁膜上を覆い、パッド電極の下に形成された絶縁性保護膜を有する半導体レーザ素子において、絶縁性保護膜とパッド電極の界面(異材質界面)に透明導電膜を介在させることにより、絶縁性保護膜とパッド電極の界面の密着性が向上し、パッド電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
また、本発明の半導体レーザ素子によれば、p電極の最上層に透明導電膜の単層構造あるいは積層構造を有し、該透明導電膜の下に金属膜を有し、p電極上に形成されたpパッド電極を有することにより、p電極表面側に金属酸化物が形成されないので、金属酸化物での電圧上昇が生じることもなく、p電極での電圧上昇を小さくして電圧特性を改善することができる。
また、透明導電膜を用いたp電極を、リッジ部上から埋め込み絶縁膜上の少なくともリッジ部の近傍まで跨がる領域(埋め込み絶縁膜上の全面でもよい)に形成しているので、活性層から漏れ出してきた光がpパッド電極で吸収されることを抑制でき、光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。
したがって、閾値電流を低下させ、電流・発光出力特性において閾値電流以上での発光出力の立ち上がりの傾き角η(イータ)を大きくし、RIN特性を改善することができる。
また、p電極として透明導電膜の単層構造を用いる場合、膜厚が20〜1000nmの厚膜のITO膜を用いてpパッド電極を活性層から極力遠ざけることにより、pパッド電極の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができ、光の閉じ込め効果を向上させることができる。
また、p電極が、最下層に金属膜(例えばNi膜)が形成され、最上層に透明導電膜が形成された積層構造を有する場合、最上層透明導電膜として膜厚が20〜200nmのITO膜を用いてp電極の総膜厚を50〜500nmとし、pパッド電極を活性層から極力遠ざけることにより、pパッド電極の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。特に、pパッド電極の最下層に透明導電膜の積層構造を用いる場合には、活性層から漏れ出してきた光を透明導電膜の界面で反射する効果(ミラー効果)が得られるので、光の閉じ込め効果をさらに向上させることができる。
また、p電極として、透明導電膜の単層構造を用いた場合、または、積層構造の最下層に透明導電膜を用いた場合には、p電極と埋め込み絶縁膜との界面(異材質界面)の密着性が向上し、p電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
さらに、pパッド電極の最下層に透明導電膜を用いた場合には、pパッド電極と絶縁性保護膜および/または埋め込み絶縁膜との界面(異材質界面)の密着性が向上し、pパッド電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
さらに、p電極の最上層およびpパッド電極の最下層にそれぞれ透明導電膜を用いた場合には、p電極とpパッド電極の界面(同属材質間の界面)の密着性が向上し、プロセス上、p電極の表面に自然酸化膜が形成されることによってpパッド電極の剥がれが発生するという事態を防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
本発明の窒化物の半導体レーザ素子の実施形態では、例えばGaN系の窒化物半導体を用いた青紫色発光用のLDを例にとって説明する。なお、本実施形態では、第1導電型の半導体層がn型半導体層とし、第2導電型の半導体層がp型半導体層である。また、本実施形態では、p電極に透明導電膜からなる透明電極(透光性電極)を用いている。また、本発明では、LDの一対の電極がチップの片面側に形成されている片面電極構造に限らず、チップの両面側に電極が形成されている両面電極構造(対向電極構造)とすることも可能である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るLDをレーザ光の共振方向に垂直な方向(共振面に平行な方向)に切断した際の断面構造の一例を模式的に示す。ここでは、LDの一対の電極がチップの片面側に形成されている片面電極構造を示している。
図1に示すLDにおいて、基板101の第1の主面上には、第1導電型(本例ではn型)の半導体層と、活性層205と、第1導電型とは異なる第2導電型(本例ではp型)の半導体層が積層成長された積層半導体が形成されている。上記n型半導体層は、本例では、低温成長バッファ層201、n側コンタクト層202、n側クラッド層203、n側光ガイド層204である。また、前記p型半導体層は、本例では、p側電子閉じ込め層(p側キャップ層)206、p側光ガイド層207、p側クラッド層208、p側コンタクト層209である。
そして、p型半導体層の上層部の一部(本例では、p側コンタクト層209、p側クラッド層208の一部)が露出されることによって、平面ストライプ状、断面突状の電流狭窄(選択的に電流を流す機能)用のリッジ部が形成されており、このリッジ部を含む導波路領域に略垂直な端面に共振面を有する。
そして、n側コンタクト層202の一部の表面を露出させてn電極210を形成するために、積層半導体の上面に所望のマスクパターン(図示せず)が形成された後、RIE(反応性イオンエッチング)法でエッチングが行われる。上記マスクパターン(図示せず)が除去された後、リッジ部の側面およびp側光ガイド層207の露出上面を覆うように、例えばZrO2 膜からなる埋め込み絶縁膜220が形成されている。
そして、例えばNi系のp電極230が、リッジ部の上面(p側コンタクト層209の上面)にオーミックに接触(Ohmic Contact) し、かつ、リッジ部上から埋め込み絶縁膜220上の一部(少なくとも前記リッジ部の近傍の領域)上まで跨がって形成されている。
さらに、n側コンタクト層202の前記露出された上面には、リッジ部と平行にn電極210が形成されている。そして、p型半導体層(206〜209)、活性層205、n型半導体層(201〜204)の露出面を覆うように例えばSiO2 膜よりなる絶縁性保護膜240が形成されている。
そして、p電極230上および絶縁性保護膜240の一部上(p電極230の端部上の領域)を覆うように例えばPt系のpパッド電極250が形成されている。また、n電極210上および絶縁性保護膜240の一部上(n電極210の端部上の領域)を覆うように例えばNi系やTi系のnパッド電極211が形成されている。
そして、本実施形態においては、後で詳細に述べるように、絶縁性保護膜240とpパッド電極250の界面(異材質界面)にITO膜が介在しており、p電極230とpパッド電極250の界面(同属材質間の界面)にITO膜が介在している。これにより、pパッド電極250は、絶縁性保護膜240とp電極230の両方に対して密着性が良好である。さらに、埋め込み絶縁膜220とp電極230の界面(異材質界面)にもITO膜が介在していると、両者の密着性が良好になるので好ましい。
なお、リッジ部は、図7に示すように、p側光ガイド層207中に達するように形成してもよい。図7中、1は異種基板、2はバッファ層、3は下地層、4はn側コンタクト層、5はクラック防止層、6はn側クラッド層、7はn側光ガイド層、8は活性層、9はp側電子閉じ込め層(p側キャップ層)、10はp側光ガイド層、11はp側クラッド層、12はp側コンタクト層、62は埋め込み絶縁膜、64は絶縁性保護膜、20はp電極、21はn電極、22はpパッド電極、23はnパッド電極である。
この窒化物半導体レーザ素子は、例えばサファイア基板1上に、少なくともn型窒化物半導体からなるn側光ガイド層7と、活性層8と、p型窒化物半導体からなるp側光ガイド層10とが積層されており、p側光ガイド層10の上面にストライプ状の突出部(リッジ部)を有し、このリッジ部上にp型窒化物半導体からなるp側クラッド層11およびp型コンタクト層12を有する。このp型コンタクト層12、p側クラッド層11、p側光ガイド層10の一部を含むリッジ部の側面およびp側光ガイド層10の露出上面を覆うように埋め込み絶縁膜62が形成されている。そして、p電極20が、pコンタクト層12にオーミックに接触するとともに埋め込み絶縁膜62の上面を覆うように形成されている。p電極20上の周縁部は絶縁性保護膜64で覆われ、p電極20の中央部上およびその周辺の絶縁性保護膜64上にはpパッド電極22が形成されている。
図3は、図1中の一部(界面にITO膜を有する部分)を取り出して一例を拡大して模式的に示す断面図である。
図3に示すように、埋め込み絶縁膜220上に例えば5nm以上の厚さを有するITO膜260が形成され、その上にNi系のp電極230が形成されている。このように埋め込み絶縁膜220とp電極230の界面にITO膜260が介在しているので、両者の密着性が良好になっている。
上記p電極230は、Ni膜231、Au膜232およびITO膜233が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたNi/Au/ITO構造、あるいは、Ni膜およびITO膜が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたNi/ITO構造を有する。この場合、p電極230の最上層に形成されたITO膜233は例えば50〜800nmの厚さを有する。
そして、pパッド電極250は、ITO膜251、Pt膜252およびAu膜253が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたITO/Pt/Au構造を有しており、絶縁性保護膜240とpパッド電極250の界面にはITO膜251が介在しており、p電極230とpパッド電極250の界面にはITO膜233、251が介在している。この場合、pパッド電極250の最下層(第1層目)に形成されたITO膜251は例えば50〜800nmの厚さを有する。このような構成のpパッド電極250は、Ni系のp電極230およびSiO2 膜からなる絶縁性保護膜240の両方に対して密着性が良好である。
また、前記したようにp電極230の最上層およびpパッド電極250の最下層にそれぞれ存在するITO膜233、251を厚膜で形成し、活性層205とpパッド電極250との距離を大きくとることにより、活性層205から放出されるレーザ光に対する金属材料による吸収を抑制することができる。結果として、LDの電流特性への影響を最小限に抑えることができ、高出力化、リニアリティ(キンク)の面でも効果的である。
なお、埋め込み絶縁膜220、ITO膜260、p電極230をそれぞれをスパッタ法で形成する際には、別々のスパッタ装置で形成する。この際、積層構造のp電極230をスパッタ法で形成する際には、同一スパッタ装置でNi膜231/Au膜232/ITO膜233あるいはNi膜231/ITO膜233を順次スパッタにより形成してもよいが、Ni膜231/Au膜232/ITO膜233あるいはNi膜231/ITO膜233を別のスパッタ装置で形成してもよい。また、pパッド電極250をスパッタ法で形成する際には、ITO膜251/Pt膜252/Au膜253を同一スパッタ装置で順次形成することが可能である。
以下、上記LDの構成要素の一部について詳細に説明する。
(基板)
窒化物半導体を成長させるための基板101としては、半導体と同一材料を用いることが好ましい。半導体と同一材料からなる基板であれば格子不整合等の問題を生じないからである。半導体を成長させる基板には、半導体の素子特性を向上させるために基板の表面に発生する転位を低減したものが求められる。また、基板には、半導体を成長させたウェハー状の基板から半導体素子をチップ化することができる劈開性も求められる。
基板は、単一の半導体のみから形成された単体基板であることが好ましいが、該単体基板に半導体とは異なる異種材料を全体的、または部分的に備えている導電性または絶縁性の異種基板を用いることも可能である。単体基板の半導体は、化合物半導体であって、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等である。具体例としては、GaN系化合物半導体、GaAs系化合物半導体、ZnO系化合物半導体等がある。前記異種基板は、サファイア、スピネル、SiC、Si、SiO2 、SiN、GaAs等である。
なお、第1の主面と第2の主面とを有する導電性基板を用いる場合には、図2を参照して後述するように、第1の主面側には半導体層、電極が順に形成され、第2の主面側にも電極が形成された対向電極構造を有する窒化物半導体レーザ素子を実現でき、大電流の投入が可能となり、高出力発振が可能となる。
(n型の半導体層、活性層、p型の半導体層)
第1導電型の半導体層、活性層、第2導電型の半導体層は、化合物半導体、本例では窒化物半導体よりなる。窒化物半導体の一般式は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)である。
n型窒化物半導体は、n型不純物として、Si、Ge、O等のいずれか1つ以上を含有している。p型窒化物半導体は、p型不純物として、Mg、Zn等を含有している。活性層は、多重量子井戸構造、または単一量子井戸構造を有する。
(導波路領域)
導波路領域は、ストライプ状をした光を伝搬する領域である。ここで、伝搬された光が共振面で共振することにより増幅されてレーザ発振する。また、導波路領域は、電流を効率良く注入することができる狭窄領域であって、該狭窄領域の断面形状は突状をしていることが好ましい。これによって光閉じ込め作用も有するからである。
次に、図1を参照して第1の実施形態の半導体レーザ素子の製造方法の一例を説明する。(第1の工程)
先ず、窒化物半導体と異なる材料(サファイアやSiC、GaAs等)の異種基板を半導体層の成長基板として用い、この異種基板上に、ELO(エピタキシャル横方向成長)法、選択成長法などにより窒化物半導体層を成長させる。ここで、窒化物半導体層は、III族元素であるB、Ga、Al、In等と窒素との化合物であるGaN、AlN、その他に3元や4元の混晶化合物のAlGaNやInAlGaNである。また、窒化物半導体層は、転位密度(単位面積当たりの転位数)が1×107 /cm2 以下、好ましくは1×106 /cm2 以下となるように形成される。前記窒化物半導体層にn型不純物あるいはp型不純物を含有させてもよい。
前記窒化物半導体層は、以下の順で積層される。先ず、n側クラッド層203としてn型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、n側光ガイド層204としてAlGa1−xN(0≦x≦0.3)をn側層として成長する。前記活性層205としては、InAlGa1−x−yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)で表される。Al含有量を高くすることで紫外域の発振が可能となる。また、長波長側の発振も可能であり360nm〜580nmまでが発振可能となる。また、活性層205を量子井戸構造で形成するとレーザ発振の効率が向上する。ここで、井戸層の組成はInの混晶が0<x≦0.5である。井戸層の膜厚としては、3〜20nmであり、障壁層の膜厚としては、5〜30nmである。次に、p側電子閉じ込め層206としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p側光ガイド層207としてAlGa1−xN(0≦x≦0.3)、p側クラッド層208としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p側コンタクト層209としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるp側層を形成することで窒化物半導体層としている。また、これらの半導体層にInを混晶させてもよい。前記p側電子閉じ込め層206は省略可能である。
本実施形態の窒化物LDは、活性層205の両側に光ガイド層204、207を形成した、つまり、n型半導体層とp型半導体層で活性層205を挟んだ分離光閉じ込め型(SCH;Separate Confinement Heterostructure )構造としている。これは活性層よりバンドギャップの大きい光ガイド層204、207で活性層205を挟むことで光の導波路を構成するものである。さらに、光ガイド層204、207の両側にn側クラッド層203、p側クラッド層208を形成する。クラッド層には屈折率の低い窒化物半導体層を設けて光閉じ込めをする。クラッド層はキャリア閉じ込め効果もある。また、前記各層の間に応力緩衝層を有する構造としてもよい。
活性層205の多重量子井戸構造は、障壁層から始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり障壁層で終わっても、井戸層から始まり障壁層で終わっても、また井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。好ましくは障壁層から始まり、井戸層と障壁層とのペアを2〜8回繰り返してなるものであって、障壁層で終わる構成である。井戸層と障壁層とのペアを2〜3回繰り返してなるものが閾値を低下させて寿命特性を向上させるのに好ましい。
n側クラッド層203、p側クラッド層208は単一層構造、2層構造、または組成比がお互いに異なる2層からなる超格子構造であっても構わない。n側クラッド層203およびp側クラッド層208の総膜厚としては、0.4〜10μmであり、この範囲であると順方向電圧(Vf)を低減するために好ましい。また前記クラッド層208の全体のAlの平均組成は、0.02〜0.1である。この値は、クラックの発生を抑制し且つレーザ導波路との屈折率差を得るのに好ましい。n型不純物のドープ量は、1×1017/cm3 〜5×1019/cm3 である。n型不純物がこの範囲でドープされていると抵抗率を低くでき且つ結晶性を損なわない。またp型不純物のドープ量は、1×1019/cm3 〜1×1021/cm3 である。p型不純物がこの範囲でドープされていると結晶性を損なわない。
前記異種基板上に下地層、例えばAlGa1−aN(0≦a≦0.5)を介してn側クラッド層203を成長させることもできる。これにより、窒化物半導体層の表面上に発生する転位(貫通転位等)やピットを低減させることができる。前記下地層は単一層構造、または多層積層構造である。n側クラッド層203は、単一層で成長させる場合の一般式は、AlGa1−xN(0≦x≦0.2)であって、膜厚は0.5〜5μmである。n側クラッド層203を多層で成長させる場合には、超格子構造としては第1の層であるAlGa1−xN(0≦x≦0.1)と第2の層であるAlGa1−yN(0.01≦y≦1)との積層構造とする。
前記n型不純物としては、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、Cd等が挙げられ、p型不純物としては、Mgの他にBe、Zn、Mn、Ca、Sr等が挙げられる。不純物の濃度は5×1016/cm3 以上1×1021/cm3 以下の範囲でドープされることが好ましい。不純物の濃度は1×1021/cm3 よりも多いと窒化物半導体層の結晶性が悪くなって、逆に出力が低下する傾向がある。これは変調ドープの場合も同様である。前記基板や窒化物半導体層はMOCVD(有機金属化学気相成長)法やHVPE(ハライド気相エピタキシャル成長)法、MBE(分子線気相成長)法等を用いて成長させる。
前記異種基板上に中間層を介してn側クラッド層203を成長させることもできる。この中間層は、アンモニアとTMG、シランガスを用い、基板101の上に、1050℃でSiを3×1018/cm3 ドープしたGaNよりなり、膜厚を4μmで成長させる。
(第2の工程)
基板101上にn側半導体層、活性層およびp側半導体層からなる半導体層を積層したウェハーを半導体成長装置の反応容器から取り出す。
次に、応力緩和の目的のために、n側半導体層をエッチングにより露出させる。n側半導体層の露出面は特に限定するのもではないが本実施形態ではn側クラッド層まで露出する。エッチングにはRIE法を用いCl2 、CCl4 、BCl3 、SiCl4 ガス等によりエッチングする。
次に、p側半導体層にストライプ状の電流狭窄領域からなる導波路領域を形成する。p側半導体層の最上層であるp側コンタクト層209の表面にSiO2 等よりなる保護膜(図示せず)を形成する。この保護膜のパターンはストライプ状の導波路領域を形成するためのパターン形状をしており、前記ストライプ状の導波路領域以外の領域をエッチングにより除去する。エッチングにはRIE法を用いてCl2 やCCl4 、SiCl4 、BCl3 のような塩素系のガスによりエッチングする。導波路領域であるリッジ部の幅は1.0μm〜50.0μmとする。導波路領域のストライプ方向の長さは300μm〜1000μmである。シングルモードのレーザ光とする場合のリッジ部の幅は1.0μm〜2.0μmとするのが好ましい。前記リッジ部の幅を10μm以上とすれば、200mW以上の出力が可能となる。リッジ部の高さ(エッチングの深さ)は、p側光ガイド層を露出する範囲であればよい。大電流を流すことでリッジ部以下では電流が急激に横方向に広がる。そのため、リッジ部を形成するためのエッチング深さはp側光ガイド層まであるのが好ましい。
(第3の工程)
その後、リッジ部の側面を埋め込み絶縁膜220で保護する。この埋め込み絶縁膜とは半導体層よりも屈折率が小さく、絶縁性の材料から選ばれるものである。具体例としては、ZrO2 、SiO2 、その他にはV、Nb、Hf、Ta等の酸化物である。
リッジ部の側面を埋め込み絶縁膜220で保護した後、本実施形態では、埋め込み絶縁膜220上にITO膜260を形成し、さらに、p側コンタクト層209の表面にp電極230を形成する。好ましくは、p側コンタクト層209および埋め込み絶縁膜220の一部上(リッジ部の周辺領域)にp電極230を形成する。p電極230としては、多層構造とし、本実施形態では、最上層にITO膜を形成する。p電極230を、例えばNiとAuとからなる2層構造とする場合には、先ず、p側コンタクト層209上にNiを5nm〜20nmの膜厚で形成し、次に、Auを50nm〜300nmの膜厚で形成し、最上層にITOを30nm〜1000nm、好ましくは50nm〜500nmの膜厚で形成する。また、p電極230を3層構造とする場合にはNi/Au/Pt、Ni/Au/Pd等があり、NiとAuは2層構造と同じ膜厚であればよく、PtやPdは50nm〜500nmとし、最上層にITOを30nm〜1000nm、好ましくは50nm〜500nmの膜厚で形成する。
p電極230を形成した後、オーミックアニールを行う。詳細な条件としては、アニール温度を300℃以上、好ましくは500℃以上とする。またアニールを行う雰囲気を窒素および/または酸素を含有する条件とする。
その後、p電極230の端部上および前工程で露出したn側半導体層の側面等に絶縁性保護膜240として例えばSiO2 膜を形成する。次に、p電極230上およびp電極近傍の絶縁性保護膜240上にパッド電極250を形成する。このパッド電極250はNi、Ti、Au、Pt、Pd、W等の金属からなる積層体とすることが好ましい。本実施形態では、パッド電極250の最下層(第1層目)にITO膜251を形成する。即ち、ITO膜251を形成した後に、例えばPt膜252、Au膜253の順に形成する。パッド電極250の膜厚は特に限定されないが、最終層のAu膜253の膜厚を100nm以上とする。
n型コンタクト層202の露出面上にはn電極210を形成する。n電極210は、少なくともTi、Ni、Au、Pt、Al、Pd、W、Rh、Ag、Mo、V、Hfからなる群より選ばれる少なくとも1つを有する。また、これらの材料を用いると、窒化物半導体からなるn型コンタクト層202とn電極210とのオーミック特性が得られ、密着性も良く、各層の界面で剥がれを抑制する効果を有する。n電極210の膜厚としては1000nm以下、好ましくは600nm以下とする。n電極210を多層構造とする場合には、具体的には第1層目をV、またはTi、Mo、W、Hf等とする。ここで、第1の層の膜厚は50nm以下とする。また第1層目をWとすれば30nm以下とすることが良好なオーミック特性を得ることができるので好ましい。第1層目をVとすれば耐熱性が向上するので好ましい。ここで、Vの膜厚は5nm以上30nm以下、好ましくは7nm以上20nmとすることで良好なオーミック特性を得ることができる。
前記n電極210がTi/Alの積層構造であれば、膜厚は1000nm以下であって、例えば膜厚は10nm/500nmとなる。また、n電極210としてTi/Pt/Auの順に積層する場合、それぞれの膜厚は例えば6nm/100nm/300nmである。また、n電極210としてTi/Mo/Pt/Auの順に積層する場合の膜厚は例えばTi(6nm)/Mo(50nm)/Pt(100nm)/Au(210nm)となる。n電極としてTi/Hf/Pt/Auの順に積層する場合の膜厚は例えばTi(6nm)/Hf(6nm)/Pt(100nm)/Au(300nm)となり、Ti/Mo/Ti/Pt/Auの順に積層する場合であれば、Ti(6nm)/Mo(50nm)/Ti(50nm)/Pt(100nm)/Au(210nm)の順に積層することができる。またはW/Pt/Au、W/Al/W/Au等であれば上記特性を示す。その他のn電極としては、窒化物半導体基板の第2の主面側からHf/Al、Ti/W/Pt/Au、Ti/Pd/Pt/Au、Pd/Pt/Au、Ti/W/Ti/Pt/Au、Mo/Pt/Au、Mo/Ti/Pt/Au、W/Pt/Au、V/Pt/Au、V/Mo/Pt/Au、V/W/Pt/Au、Cr/Pt/Au、Cr/Mo/Pt/Au、Cr/W/Pt/Au等がある。またn電極を形成した後、300℃以上でアニールしてもよい。
さらに、n電極210上にn電極と同様のパターン形状でメタライズ電極(図示せず)を形成してもよい。メタライズ電極としては、Ti/Pt/Au/(Au/Sn)、Ti/Pt/Au/(Au/Si)、Ti/Pt/Au/(Au/Ge)、Ti/Pt/Au/In、Au/Sn、In、Au/Si、Au/Ge等を用いることができる。
(第4の工程)
前記n電極210を形成した後、ストライプ状のp電極に垂直な方向であって、半導体層の共振面を形成するためにウェハーをバー状に分割する。ここで、共振面は、M面(1−100)やA面(11−20)である。ウェハーをバー状に分割する方法としては、ブレードブレイク、ローラーブレイク、またはプレスブレイク等がある。
本実施形態の半導体レーザ素子は、ウェハーの分割工程を2段階で行うことが好ましい。この方法によって、共振面を歩留まり良く形成することができる。
先ず、窒化物半導体基板の第1の主面側からスクライブにより予め劈開補助溝を形成する。該劈開補助溝はウェハーの全面、若しくはバーを形成するためにウェハーの両端に形成する。好ましくは、前記劈開補助溝をバーを形成する劈開方向に破線状に間隔をあけて形成する。これによって、劈開方向が屈曲することを抑制することができる。
次に、ブレイカーによりウェハーをバー状に分割する。劈開方法には、ブレードブレイク、ローラーブレイク、またはプレスブレイク等がある。
また、前記基板の裏面に予め劈開補助溝を形成することで、容易にウェハーをバー状に劈開することができる。ここで劈開により形成された共振面に反射ミラーを形成することもできる。反射ミラーはSiO2 やZrO2 、TiO2 、Al2 3 、Nb2 5 等からなる誘電体多層膜である。前記反射ミラーは、共振面の光反射側、および/または光出射面に形成する(光反射側、および光出射面に形成することが好ましい)。劈開によって形成された共振面であれば、反射ミラーを再現性よく形成することができる。
さらに、バー状となった窒化物半導体基板を電極のストライプ方向に平行に分割して窒化物半導体レーザ素子をチップ化する。半導体レーザ素子としてチップ化した後の形状は矩形状であって、該矩形状の共振面の幅は500μm以下、好ましくは400μm以下とする。このようにして、接触抵抗率が1×10-3Ω・cm2 以下まで接触抵抗を低減した片面電極構造を有する半導体レーザ素子が得られる。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係るLDをレーザ光の共振方向に垂直な方向(共振面に平行な方向)に切断した際の断面構造の一例を模式的に示す。
第2の実施形態のLDは、基板101として、導電性を有する窒化物半導体基板が用いられており、第1の主面側には半導体層、p電極230が順に形成され、第2の主面側にn電極210が形成された対向電極構造(LDの一対の電極がチップの両面で対向するように形成された両面電極構造)を有し、その他は前述した第1の実施形態とほぼ同様である。なお、低温成長バッファ層201、n側コンタクト層202は省略してもよい。
このような構造により、第1の実施形態とほぼ同等の特性を有し、薄型で放熱性が高く、大電流の投入が可能となり、高出力発振が可能となり、高出力のLDが得られる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るLDは、前述した第1の実施形態に係るLDと比べて、p電極230の構造、埋め込み絶縁膜220の材質が異なる。
本実施形態に係るLDでは、埋め込み絶縁膜220の材質としてSiO2 膜を用いている。その理由は、リッジ導波路構造におけるリッジ部の下方領域とリッジ部近傍の下方領域との光屈折率の高低関係に所望の差をつけて所望の光閉じ込め効果を得るためである。第1の実施形態に係るLDのようにリッジ部がp側コンタクト層209からp側クラッド層208の一部まで形成されていて活性層205から埋め込み絶縁膜220までの距離が比較的長い場合には、GaN系半導体層との光屈折率差が比較的大きくなるであるSiO2 膜を埋め込み絶縁膜220として用いることが望ましい(図1)。
本実施形態におけるp電極230は、(1)最下層に金属膜(例えばNi膜)が形成され、最上層にITO膜の単層構造あるいは積層構造を有し、所定の厚さを有するもの、または、(2)ITO膜の単層構造を有し、所定の厚さを有するもの、または、(3)最下層(第1層目)にITO膜を用いた積層構造を有し、所定の厚さを有するものである。
このようなp電極230を用いることによって、p電極表面側に金属酸化物が形成されることはなく、金属酸化物での電圧上昇が生じることもなく、p電極での電圧上昇を小さくして電圧特性を改善することができる。また、ITO膜を用いたp電極を、リッジ部上から埋め込み絶縁膜上の少なくともリッジ部の近傍まで跨がる領域(埋め込み絶縁膜上の全面でもよいが、好ましくは一部の領域)に形成しているので、活性層205から漏れ出してきた光がpパッド電極250で吸収されることを抑制でき、光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。したがって、閾値電流を低下させ、電流・発光出力特性において閾値電流以上での発光出力の立ち上がりの傾き角η(イータ)を大きくし、RIN特性を改善することができる。
また、p電極230は所定の厚さを有するものであり、pパッド電極250を活性層205から極力遠ざけることにより、活性層205からの光に対するpパッド電極250の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができ、光の閉じ込め効果を向上させることができる。この場合、p電極230としてITO膜からなる単層構造を用いるものとすれば、単層構造のITO膜の厚膜を、例えば20〜1000nm、好ましくは50〜200nmの厚さにする。
p電極230として、ITO膜からなる単層構造を用いる場合には、ITO膜からなるp電極230が埋め込み絶縁膜220の上面に接しているので、両者(p電極230と埋め込み絶縁膜220)の密着性が良好になっている。
p電極230として、最下層がITO膜である積層構造を用いた場合にも、p電極と埋め込み絶縁膜との界面(異材質界面)の密着性が向上し、p電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
図4は、図1に示したような構造を有する第3の実施形態に係るLDにおいて、p電極230の最上層にITO膜を用いた場合のp電極およびその周辺部分を取り出して一例を拡大して模式的に示す断面図である。
図4中、p電極230は、最下層として例えば10nmのNi膜231、その上層に例えば150nmのAu膜232、最上層としてITO膜233が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたNi/Au/ITO構造を有する。この場合、最上層のITO膜233の膜厚は、20〜200nm、好ましくは50〜100nm、より好ましくは50〜80nmである。
上記したようにp電極230の最上層にITO膜233を用いると、p電極表面側に金属酸化物が形成されることはなく、金属酸化物での電圧上昇が生じることもなく、p電極での電圧上昇を小さくして電圧特性を改善することができる。
また、p電極230の最上層にITO膜の積層構造を用い、p電極230の総膜厚を例えば50〜500nm(例えば200nm)とすることによってpパッド電極250を活性層205から極力遠ざけることにより、pパッド電極250の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができる。
また、p電極230の最上層にITO膜の積層構造を用いた場合には、活性層205から漏れ出してきた光を透明導電膜の界面で反射する効果(ミラー効果)が得られるので、光の閉じ込め効果を向上させることができる。
なお、pパッド電極250は、Pt膜252およびAu膜253が順に真空蒸着、またはスパッタにより成膜されたPt/Au構造を有するものでもよいが、pパッド電極の最下層にITO膜を用いた積層構造、例えばITO膜251、Pt膜252およびAu膜253が順に真空蒸着、またはスパッタにより成膜されたITO/Pt/Au構造を有するものを用いることが望ましい。この場合、最下層のITO膜251は例えば50〜800nm(例えば100nm)、Pt膜252は例えば10nm、Au膜253は例えば80nmの厚さを有する。
このようにpパッド電極250の最下層にITO膜を用いると、pパッド電極250と絶縁性保護膜240との界面(異材質界面)の密着性が向上し、pパッド電極の剥がれを防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
また、p電極の最上層およびpパッド電極の最下層にそれぞれITO膜を用いた場合には、p電極とpパッド電極の界面(同属材質間の界面)の密着性が向上する。これにより、異なる材質同士の密着性の悪さおよび熱膨脹係数の違いなどに起因して何らかの外力を受けた時などにおけるpパッド電極250の剥がれが発生するという事態を防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。また、p電極230とpパッド電極250の界面(同属材質間の界面)の密着性が向上するので、製造工程においてp電極230の表面に酸化膜が形成された場合(アニールによりp電極の表面に酸化物が形成されたり、p電極230の形成工程とpパッド電極250の形成工程との間でp電極230が大気中に晒されてp電極230の表面に自然酸化物が形成された場合)に、何らかの外力を受けた時にpパッド電極の剥がれが発生するという事態を防止し、信頼性および歩留りの向上を図ることができる。
また、p電極230の最上層のITO膜233およびpパッド電極250の最下層のITO膜251をそれぞれ厚膜で形成し、活性層205とpパッド電極250との距離を大きくとることにより、活性層205から放出されるレーザ光に対する金属材料による吸収を抑制することができる。結果として、LDの電流特性への影響を最小限に抑えることができ、高出力化、リニアリティ(キンクの発生防止)の面でも効果的である。
なお、p電極230として前述したようにITO膜の単層構造を用いた場合にも、pパッド電極の最下層にITO膜を用いることによって上記したような各効果が得られる。
上記した第3の実施形態のLDによれば、リッジ導波路構造と、透明導電膜を用いたp電極を有することで、従来よりも電圧特性の優れたものが得られる。また、p電極として、透明導電膜の単層構造のもの、または、最上層に透明導電膜の単層構造あるいは積層構造を有するものを用い、所定の厚さにすることによってpパッド電極を活性層から極力遠ざけることにより、pパッド電極の光吸収による電流特性への悪影響を緩和することができ、従来よりも電流特性の優れたものが得られる。
また、p電極として、最上層に透明導電膜の積層構造を用いた場合には、活性層から漏れ出してきた光を透明導電膜の界面で反射する効果(ミラー効果)が得られるので、光の閉じ込め効果を向上させることができる。
第3の実施形態に係るLDの製造方法は、前述した第1の実施形態に係るLDの製造方法と比べて、前述した(第3の工程)の一部が異なり、その他は同じである。
即ち、リッジ部の側面を埋め込み絶縁膜220で保護した後、p側コンタクト層209の表面にp電極230を形成する。この場合、p電極230を、好ましくは、p側コンタクト層209および埋め込み絶縁膜220の一部上(リッジ部の周辺領域)に形成する。 また、p電極230として、最上層にITO膜を有する積層構造、例えばNiとAuとITO膜からなる3層構造とする場合には、先ず、p側コンタクト層209上にNiを5nm〜20nmの膜厚で形成し、次に、Auを50nm〜300nmの膜厚で形成し、最上層にITO膜を20nm〜200nm、好ましくは50nm〜100nmの膜厚で形成する。
<第4の実施形態>
図8は、第4の実施形態に係るLDをレーザ光の共振方向に垂直な方向(共振面に平行な方向)に切断した際の断面構造の一例を模式的に示す。図7中と同一部分には同一符号を付している。
図8に示すLDは、前述した第1〜第3の実施形態のLDと比べて、次の点に特徴を有する。図7のようにp側光ガイド層10までリッジ部が形成された形態において、p電極20は、リッジ部の上面にオーミックに接触するとともに、リッジ部上から埋め込み絶縁膜62の上面全面上の領域を覆うように形成されている点と、前記埋め込み絶縁膜62がp側光ガイド層10の表面のリッジ部側に設けられている点が異なり、その他はほぼ同様である。また、p側光ガイド層10の表面のリッジ部から離れた側は、絶縁性保護膜64で覆われている。
このような構造のLDによっても、前述した第1〜第3の実施形態のLDとほぼ同等の特性が得られる。この場合、リッジ部がp側コンタクト層12からp側光ガイド層10の一部まで形成されており、活性層8から埋め込み絶縁膜62までの距離が第1の実施形態と比べて短いので、リッジ導波路構造におけるリッジ部の下方領域とリッジ部近傍の下方領域との光屈折率の高低関係に所望の差をつけて、すなわち前記領域のGaN系半導体層との光屈折率差を設けて、所望の光閉じ込め効果を得るために、埋め込み絶縁膜62として光屈折率差が比較的小さくなるZrO2 膜を用いることが望ましい。
<第5の実施形態>
前述した各実施形態から明らかなように、本発明は、上記したような窒化物半導体レーザ素子に限らず、半導体層に接触する電極230と、この半導体層の表面を覆う多層の絶縁膜220、240と、前記電極上および絶縁膜上に形成されたパッド電極250とを具備する半導体レーザ素子に一般的に適用可能である。この場合、絶縁膜とパッド電極との界面、および/または、電極とパッド電極との界面に透明導電膜が存在するように実施したり、p電極を透明導電膜の単層構造あるいは積層構造とすることにより、前述したような効果が得られる。なお、絶縁膜として前記埋め込み絶縁膜が省略された単層の絶縁膜240を用いる構造でも、本発明を適用可能である。
<その他の実施形態>
本発明は、ストライプ状のリッジ形状をした導波路を有する半導体レーザ素子とは構造を異にする電流狭窄層を有する半導体レーザ素子にも適用可能である。該電流狭窄層とは、選択的に電流を流す機能を有する層である。具体的な組成としてはAlNである。電流狭窄層は活性層とp側コンタクト層との間にあればよく、好ましくはpガイド層に形成されている。電流狭窄層同士の間隔は0.5μm〜3μmである。電流狭窄層の膜厚は10nm〜1μmである。
また、本発明は、窒化物半導体基板の上に複数の導波路領域を有する半導体レーザ素子やワイドリッジ部を有する半導体レーザ素子とすることもできる。
なお、本発明の実施は、MOVPE(有機金属気相成長)法、HVPE法、MBE法等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。
以下、本発明のLDの実施例を数例示すが、本発明はこれらに限定されない。また、各実施例において同一部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略している。
[実施例1]
図1は、実施例1のLDの断面構造を模式的に示す。ここでは、レーザ光の共振方向に垂直な方向(共振面に平行な方向)に切断した際の断面構造の一例を模式的に示す。
本例のLDの構造は、サファイア基板101の第1の主面上に、窒化物半導体層として、低温成長バッファ層201、n側コンタクト層202、n側クラッド層203、n側光ガイド層204、活性層205、p側電子閉じ込め層206、p側光ガイド層207、p側クラッド層208、p側コンタクト層209が積層成長により形成されている。p側コンタクト層209およびp側クラッド層208の一部には、ストライプ状のリッジ部が形成されており、リッジ導波路領域に対して略垂直な端面に共振面(図示せず)が存在している。
そして、リッジ部の側面およびp側クラッド層208の露出上面を覆う埋め込み絶縁膜(例えば厚さ50μmのZrO2 膜)220と、リッジ部の上面にオーミックに接触し、かつ、リッジ部の側面および埋め込み絶縁膜220上の一部を覆うp電極230と、絶縁性保護膜(例えば厚さ50nmのSiO2 膜)240と、p電極上のpパッド電極250と、n側コンタクト層202の露出面にn電極210が形成されている。そして、p電極230の側端部上から埋め込み絶縁膜220上、p型の半導体層208、207、206、活性層205、n型の半導体層204、203、202の各側面を覆うように絶縁性保護膜240が形成されている。
n側クラッド層203はn型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、n側光ガイド層204はAlGa1−xN(0≦x≦0.3)である。活性層205は、InAlGa1−x−yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)であり、Al含有量を高くすることで紫外域の発振が可能となる。また、長波長側の発光も可能であり、360nm〜580nmまでが発振可能となる。また、活性層205を量子井戸構造で形成するとレーザ発振の効率が向上する。ここで、井戸層の組成はInの混晶が0<x≦0.5である。井戸層の膜厚としては、3〜20nmであり、障壁層の膜厚としては、5〜30nmである。
p側電子閉じ込め層(p側キャップ層)206はp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p側光ガイド層207はAlGa1−xN(0≦x≦0.3)、p側クラッド層208はp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p側コンタクト層209はp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦1)である。また、これらの半導体層にInを混晶させてもよい。前記p側電子閉じ込め層206は省略可能である。
上記したように活性層205の両側に光ガイド層204、207を形成したSCH構造の両側にn側クラッド層203、p側クラッド層208を形成しており、クラッド層に屈折率の低い窒化物半導体層を設けて光閉じ込め機能を持たせている。クラッド層はキャリア閉じ込め効果もある。また、前記各層の間に応力緩衝層を有する構造としてもよい。
図3は、実施例1において、界面にITO膜を有する部分を取り出して一例を模式的に示している。
図3に示すように、埋め込み絶縁膜220上にITO膜260(50nm)が形成され、その上にNi系のp電極230が形成されている。このように埋め込み絶縁膜220とp電極230の界面にITO膜260が介在しているので、両者の密着性が良好になっている。
上記p電極230は、Ni膜231(10nm)、Au膜232(150nm)およびITO膜233(150nm)が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたNi/Au/ITO構造を有する。そして、pパッド電極250は、ITO膜251(10nm)、Pt膜252(10nm)およびAu膜253(80nm)が順に蒸着、またはスパッタにより成膜されたITO/Pt/Au構造を有している。このように絶縁性保護膜240とpパッド電極250の界面にはITO膜251が介在しており、p電極230とpパッド電極250の界面にはITO膜233および251が介在している。したがって、pパッド電極250は、ITO膜を介してp電極230および絶縁性保護膜240の両方に対して良好に密着している。
[実施例1のLDの製造方法]
MOCVD反応装置内において、1インチφ、C面を主面とするサファイア基板(ウェハー)を配置して、温度を500℃にする。次に、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3 )を用い、GaNよりなるバッファ層を20nmの膜厚で成長させる。バッファ層を成長した後、温度を1050℃にして、同じくGaNよりなる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
下地層を成長した後、ウェハーを反応容器から取り出し、この下地層の表面に、ストライプ状のフォトマスクを形成し、CVD装置によりストライプ幅10〜300μm、ストライプ間隔(窓部)5〜300μmのSiO2 よりなる保護膜を形成する。
保護膜を形成した後、ウェハーをHVPE(ハイドライド気相成長法)装置に移送し、原料にGaメタル、HClガス、およびアンモニアを用い、n型不純物としてSiおよび/または酸素(O)をドーピングしながらGaNよりなる窒化物半導体を400μmの膜厚で成長させる。このようにHVPE法で保護膜の上に窒化物半導体を成長させながら100μm以上のGaN厚膜を成長させると結晶欠陥は二桁以上少なくなる。ここで、GaN層は少なくとも導波路形成領域下では転位密度が1×106 /cm2 以下である。
なお、基板101上に半導体層を成長させる際、基板101とn側クラッド層203との間に低温成長バッファ層201、n側コンタクト層202、さらにクラック防止層(Inx Ga1-x N、0<x≦1)を積層成長させるようにしてもよい。
(n側クラッド層203)
続いて、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニア、シランガスを用い、Siを1×1019/cm3 ドープしたAl0.03Ga0.97Nよりなる層を膜厚2μmで成長させる。なお、このn側クラッド層は超格子構造とすることもできる。
(n側光ガイド層204)
続いて、シランガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn側光ガイド層204を0.175μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層にn型不純物をドープしても良い。
(活性層205)
次に、温度を800℃にして、SiドープIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を14nmの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0.07Ga0.93Nよりなる井戸層を7nmの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚56nmの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。
(p側キャップ層(p側電子閉じ込め層)206)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2 Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p側光ガイド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cm3 ドープしたp型Al0.25Ga0.75Nよりなるp側キャップ層を10nmの膜厚で成長させる。なお、p側キャップ層は省略可能である。
(p側光ガイド層207)
続いて、Cp2 Mg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層を0.14μmの膜厚で成長させる。
(p側クラッド層208)
続いて、1050℃でアンドープAl0.10Ga0.90Nよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させ、続いてCp2 Mg、TMAを止め、アンドープGaNよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させ、総膜厚0.4μmの超格子層よりなるp側クラッド層を成長させる。(p側コンタクト層209)
最後に、1050℃で、p側クラッド層の上に、Mgを1×1020/cm3 ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層を15nmの膜厚で成長させる。
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウェハーを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層209の表面にストライプ状のSiO2 よりなる保護膜(図示せず)を形成し、RIEを用いてSiCl4 ガスによりエッチングすることにより、ストライプ状の導波路領域であるリッジ部を形成する。
次に、リッジ部の表面および露出しているp側光ガイド層207の表面をマスクパターンで覆い、RIE法を用いてエッチングを行うことにより、負電極210を形成すべきn側コンタクト層202の一部の表面を露出させる。
次に、リッジ部の側面およびp側光ガイド層207の表面を保護するためにZrO2 からなる埋め込み絶縁膜220で覆う。次に、埋め込み絶縁膜220の上面でリッジ部の近傍にITO膜260を形成する。
次に、p側コンタクト層209およびITO膜260の上面にNi(10nm)231/Au(150nm)232/ITO膜(150nm)233よりなるp電極230を形成した後、600℃でオーミックアニールを行う。なお、n側コンタクト層202の露出面には、V(10nm)/Pt(200nm)/Au(300nm)よりなるn電極210をリッジ部と平行に形成する。
前記p電極230をNi膜231/Au膜232/ITO膜233の積層構造で形成する際、例えば以下に述べるような方法のいずれかを採用することができる。
第1の方法は、全面にレジストを塗布してp電極パターンに対応する開口部を形成した後、Ni膜231、Au膜232およびITO膜233を順に蒸着、またはスパッタしてそれぞれ開口部内に埋め込んだ後、レジスト上のITO膜233、Au膜232およびNi膜231をCMPにより除去し、異方性エッチングによりレジストを除去する。
第2の方法は、全面にNi膜231およびAu膜232を順に蒸着、またはスパッタし、全面にレジストを塗布してp電極パターンに対応する開口部を形成し、ITO膜233をスパッタして開口部内に埋め込んだ後、レジスト上のITO膜233をCMPにより除去し、等方性エッチングによりNi膜231/Au膜232をパターンニングする。この場合、pコンタクト層の表面に直接にレジストが接触しない利点がある。
第3の方法は、全面にNi膜231およびAu膜232を順に蒸着、またはスパッタし、それらをp電極パターンに対応してパターンニングした後、全面にレジストを塗布してp電極パターンに対応する開口部を形成し、ITO膜233を蒸着、またはスパッタして開口部内に埋め込んだ後、レジスト上のITO膜233をCMPにより除去し、異方性エッチングによりレジストを除去する。
なお、p電極230としては、Ni/Au、Ni/Au/Pt、Ni/Au/Pd、Ni/Au/Rh、Ni/Au/RhO、Ni/Au/Ir、Ni/Au/PdOなどのいずれかの最上層にITOを形成することができる。
次に、p電極230の一部(側端部)上および埋め込み絶縁膜220上、半導体層の側面およびn側コンタクト層202の露出面でn電極210の位置を除く上面を覆うようにSiO2 よりなる絶縁性保護膜240を0.5μmの膜厚となるようにスパッタリング成膜により形成する。
次に、p電極230の露出部上に、pパッド電極250として、ITO膜(100nm)251/Pt膜(100nm)252/Au膜(800nm)253を連続して形成する。この場合、pパッド電極250は、絶縁性保護膜240を介してp電極230の表面積よりも広い面積で形成されており、放熱性が向上し、ワイヤーボンディングが容易になっている。また、pパッド電極250は、p電極230よりも膜厚が厚く形成されており、p電極230の剥がれを防止する。
そして、基板101の厚さが100μmとなるように基板裏面がラッピングされた後、さらに細かい研磨剤で1μmポリシングされて基板裏面が鏡面状にされている。このように基板の厚さを100μm以下に薄くすることによって、レーザ素子の放熱性が高まる。 次に、上記したn電極210とp電極230およびpパッド電極250とを形成したウェハー状の基板の主面側に凹部溝を形成する。該凹部溝は深さを10μmとする。また、共振面と平行方向に50μm、垂直方向に15μmの幅とする。次に、前記凹部溝を劈開補助線として基板の裏面側からバー状に劈開し、劈開面(1−100面、六角柱状の結晶の側面に相当する面=M面)を共振面とする。
次に、共振器面にSiO2 とTiO2 よりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極230に平行な方向に、バーをチップ化することで半導体レーザ素子とする。なお、共振器長は300〜1000μmとする。ここで、窒化物半導体レーザ素子の共振面側の左右の角には凹部溝を有する。該凹部溝は深さを10μmであって、共振面と平行方向に30μm、垂直方向に10μmの幅である。
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、p電極230をワイヤーボンディング接続し、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、閾値電流密度2.9kA/cm2 において室温で良好な連続発振を示す。さらに、共振面を劈開により形成しても、劈開傷がなく、光出力がCW80mW、動作温度が70℃の状態で寿命が1万時間と、特に寿命特性の良いレーザ素子を再現性良く製造することができる。
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係るLDの断面構造の一部を取り出して模式的に示している。実施例2は、前述した実施例1において、埋め込み絶縁膜220とp電極230との界面のITO膜260を省略するように変更したものである。
本実施例2においても、実施例1と同様に、pパッド電極250は、ITO膜を介してp電極230および絶縁性保護膜240の両方に対して良好に密着している。
[実施例3]
図5は、本発明の実施例3に係るLDの断面構造の一部を取り出して模式的に示している。実施例3は、前述した実施例1と比べて、絶縁性保護膜240aを埋め込み絶縁膜220上であってp電極230から離れた領域上を覆うように形成する(pパッド電極250が埋め込み絶縁膜220の上面も覆う)ように変更した点が異なる。この場合、埋め込み絶縁膜220とp電極230との界面のITO膜は省略するようにさらに変更してもよい。
本実施例3においては、実施例1と同様に、pパッド電極250は、ITO膜を介してp電極230、絶縁性保護膜240aの両方に対して良好に密着しており、さらに、ITO膜251を介して埋め込み絶縁膜220にも良好に密着している。
[実施例4]
図6は、本発明の実施例4に係るLDの断面構造の一部を取り出して模式的に示す断面図である。実施例4は、前述した実施例3と比べて、p電極230aがリッジ部の上面とほぼ同面積を有するように形成し、pパッド電極250が埋め込み絶縁膜220の上面を覆う領域を広げるように変更した点が異なる。換言すれば、p電極230aがリッジ部の上面のみに接触する、あるいは、p電極230aがリッジ部の直近の埋め込み絶縁膜220を含む領域を覆うように変更した。この場合、埋め込み絶縁膜220とp電極230との界面のITO膜260を省略している。
本実施例4においては、実施例3と同様に、pパッド電極250は、ITO膜を介してp電極230a、絶縁性保護膜240a、埋め込み絶縁膜220のそれぞれに対して良好に密着しており、さらに、埋め込み絶縁膜220に対する密着面積が広いので、さらに良好に密着している。
[実施例5]
実施例1において、サファイア基板上にバッファ層、窒化物半導体基板を成長させた後、サファイア基板、バッファ層をレーザ照射または研磨により除去し、基板として用いる。上記窒化物半導体基板を成長させる際、HVPE装置において原料にシランガスを加え、ケイ素(Si)または酸素(O)を1×1018/cm3 ドープしたGaNよりなる窒化物半導体基板を500μmの膜厚で成長させる。なお、Si濃度は1×1017/cm3 〜5×1019/cm3 の範囲とすることが望ましい。その他は実施例1と同様の条件で窒化物半導体レーザ素子を形成することにより、実施例1と同等の特性を有するレーザ素子が効率良く得られる。
[実施例6]
実施例1において、基板101上に中間層を介してn側クラッド層203を成長させる。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。前記中間層は、アンモニアとTMG、シランガスを用い、基板101の上に、1050℃でSiを3×1018/cm3 ドープしたGaNよりなり、膜厚を4μmで成長させる。
[実施例7]
実施例1において、基板101上に中間層およびクラック防止層を介してn側クラッド層203を成長させる。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。 前記クラック防止層は、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなり、0.15μmの膜厚で成長させる。[実施例8]
実施例1において、n側クラッド層203を超格子構造とする。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。本実施例におけるn側クラッド層203は、1050℃でTMA、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.1 Ga0.9 Nよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3 ドープしたn型GaNよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚2μmとするものである。
[実施例9]
実施例9は、図1のLD中のp電極230として最上層にITO膜を用いたものである。 図4は、実施例9のLD中のp電極およびその周辺部分を取り出して一例を拡大して模式的に示す断面図である。
実施例9は、前述した実施例1と比べて、p電極230の構造と、絶縁性保護膜の材質が異なる。
p電極230は、最上層にITO膜を有する積層構造であり、p側コンタクト層209上に例えば5nm〜20nmの膜厚で形成されたNiと、その上に50nm〜300nmの膜厚で形成Auと、その上に20nm〜200nm、好ましくは50nm〜100nmの膜厚で形成されたITO膜からなる3層構造である。絶縁性保護膜は、例えば厚さ500nmのSiO2 膜である。
実施例9のLDの製造方法は、前述した実施例1のLDの製造方法と比べて、主として、p電極の形成工程が異なるが、その他はほぼ同様である。
[実施例10]
実施例10は、前述した実施例9と比べて、絶縁性保護膜をp電極から離れた領域上(埋め込み絶縁膜上)を覆うように形成することにより、pパッド電極が埋め込み絶縁膜の上面も覆うように変更した点が異なる。
本実施例10においては、実施例9と同様に、pパッド電極は、最下層のITO膜を介してp電極、絶縁性保護膜、さらに、埋め込み絶縁膜にも良好に密着する。
[実施例11]
実施例9において、前述した実施例5と同様に、サファイア基板上にバッファ層、窒化物半導体基板を成長させた後、サファイア基板、バッファ層をレーザ照射または研磨により除去し、基板として用いる。上記窒化物半導体基板を成長させる際、HVPE装置において原料にシランガスを加え、ケイ素(Si)または酸素(O)を1×1018/cm3 ドープしたGaNよりなる窒化物半導体基板を500μmの膜厚で成長させる。なお、Si濃度は1×1017/cm3 〜5×1019/cm3 の範囲とすることが望ましい。その他は実施例9と同様の条件で窒化物半導体レーザ素子を形成することにより、実施例9と同等の特性を有するレーザ素子が効率良く得られる。
[実施例12]
実施例9において、前述した実施例8と同様に、n側クラッド層203を超格子構造とする。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。本実施例におけるn側クラッド層203は、1050℃でTMA、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.1 Ga0.9 Nよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3 ドープしたn型GaNよりなる層を2.5nmの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚2μmとするものである。
本発明の第1、第3の実施形態に係るLDの断面構造の一例を模式的に示す図。 本発明の第2の実施形態に係るLDの断面構造の一例を模式的に示す図。 本発明の第1の実施形態に係るLD、実施例1に係るLDの断面構造の一部を取り出して拡大して模式的に示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係るLD、実施例2に係るLD、実施例9に係るLDの断面構造の一部を取り出して拡大して模式的に示す断面図。 本発明の実施例3に係るLDの断面構造の一部を取り出して模式的に示す断面図。 本発明の実施例4に係るLDの断面構造の一部を取り出して模式的に示す断面図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るLDの断面構造の一例を模式的に示す図。 本発明の第4の実施形態に係るLDの構造の一例を模式的に示す断面図。
符号の説明
101…基板、201…低温成長バッファ層、202…n側コンタクト層、203…n側クラッド層、204…n側光ガイド層、205…活性層、206…p側電子閉じ込め層、207…p側光ガイド層、208…p側クラッド層、209…p側コンタクト層、210…第2電極(n電極)、220…埋め込み絶縁膜、230…第1電極(p電極)、240…絶縁性保護膜、250…パッド電極、233、251、260…ITO膜。

Claims (14)

  1. 半導体層に接触する電極と、
    前記半導体層の表面を覆う単層もしくは多層の絶縁膜と、
    前記電極上および絶縁膜上に形成されたパッド電極と、
    を具備する半導体レーザ素子において、
    前記電極の最上層および前記パッド電極の最下層に透明導電膜が形成されており、
    前記電極と前記パッド電極との界面および前記絶縁膜と前記パッド電極との界面に透明導電膜が存在していることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 半導体層の上面の電極接触領域以外の領域を覆う第1の絶縁膜と、
    前記半導体層の電極接触領域に接触するとともに前記第1の絶縁膜上の一部であって前記電極接触領域の周辺領域上を覆うように形成された第1の電極と、
    前記第1の電極の端部上から前記第1の絶縁膜上を覆う第2の絶縁膜と、
    前記第1の電極上および前記第2の絶縁膜上に形成されたパッド電極と、
    前記半導体層の下層部に電気的に接続された第2の電極と、
    を具備する半導体レーザ素子であって、
    前記第1の絶縁膜と前記第1の電極との界面に透明導電膜が存在し、
    前記第1の電極の最上層および前記パッド電極の最下層にそれぞれ透明導電膜が形成されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 前記第1の絶縁膜と前記第1の電極との界面に存在する透明導電膜は、前記第1の絶縁膜上で前記第1の電極よりも広い面積にわたって形成された透明導電膜であることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ素子。
  4. 第1導電型の半導体層、活性層および第2導電型の半導体層と、
    前記第2導電型の半導体層に設けられたストライプ状の電流狭窄領域からなるリッジ部と、
    前記リッジ部の側面および前記第2導電型の半導体層の表面を覆う埋め込み絶縁膜と、前記リッジ部の上面に接触するとともに前記埋め込み絶縁膜上の一部であって前記リッジ部に隣接する領域上に形成された第1の電極と、
    前記第1の電極上に形成されたパッド電極と、
    前記第2導電型の半導体層に電気的に接続された第2の電極と、
    を具備し、
    前記パッド電極の下において、少なくとも前記リッジ部上から前記埋め込み絶縁膜上にかけて第1の透明導電膜が形成されており、前記第1の電極は前記第1の透明導電膜の下が金属膜であることを特徴とする半導体レーザ素子。
  5. 請求項4記載の半導体レーザ素子において、さらに、前記第1の電極の端部上から前記埋め込み絶縁膜上を覆い、前記パッド電極の下に形成された絶縁性保護膜と、前記絶縁性保護膜と前記パッド電極との界面に存在する透光性を有する第2の透明導電膜と、
    を具備することを特徴とする半導体レーザ素子。
  6. 前記第2の透明導電膜は、前記第1の電極と前記パッド電極との界面にも介在することを特徴とする請求項5記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記第1の透明導電膜は、前記埋め込み絶縁膜と前記第1の電極との界面にも介在することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記埋め込み絶縁膜はZrO2膜からなり、前記絶縁性保護膜はSiO2膜からなり、前記透明導電膜はITO膜からなることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  9. 窒化物半導体からなるn型の半導体層、活性層およびp型の半導体層が積層された積層半導体と、
    前記p型の半導体層の一部が露出されることによって形成されたストライプ状のリッジ部と、
    前記リッジ部の側面および前記p型の半導体層の露出上面を覆う埋め込み絶縁膜と、
    前記リッジ部の上面に接触し、少なくとも前記リッジ部上から前記埋め込み絶縁膜上にかけて形成されてなり、最上層に透明導電膜の単層構造あるいは積層構造を有し、該透明導電膜の下に金属膜を有し、所定の厚さを有するp電極と、
    前記p電極上に形成されたpパッド電極と、
    前記n型の半導体層に電気的に連なるn電極と
    を具備することを特徴とする半導体レーザ素子。
  10. 請求項9記載の半導体レーザ素子において、さらに、前記p電極の端部上および/または前記埋め込み絶縁膜上の一部を覆う絶縁性保護膜を具備し、前記pパッド電極は前記p電極上から前記絶縁性保護膜上の一部まで跨がる領域に形成されたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  11. 前記p型の半導体層は、前記活性層の上層側に順に積層されたp側光ガイド層、p側クラッド層およびp側コンタクト層を含み、前記ストライプ状のリッジ部は、前記p側コンタクト層、p側クラッド層の一部を含み、前記埋め込み絶縁膜はSiO2膜またはZrO2膜であることを特徴とする請求項9または10記載の半導体レーザ素子。
  12. 前記透明導電膜は、ITO膜、IZO膜、GZO膜のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  13. 前記p電極は、膜厚が20〜1000nmのITO膜の単層構造を有することを特徴とする請求項9または10記載の半導体レーザ素子。
  14. 前記p電極は、最下層として金属膜が形成され、最上層として膜厚が20〜200nmのITO膜の単層構造あるいは積層構造を有し、総膜厚が50〜500nmであることを特徴とする請求項9または10記載の半導体レーザ素子。
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