JP5094652B2 - 車両監視システム、基地局、情報配信センタ - Google Patents

車両監視システム、基地局、情報配信センタ Download PDF

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Description

本発明は、駐車車両の異常を検出して所有者に報知する車両監視システムに関する。また本発明は、車両監視システムに用いられる基地局および情報配信センタに関する。
従来、駐車車両の盗難に対抗するセキュリティ手段として、盗難防止を目的とした侵入警報装置、イモビライザ、ハンドルロック等が実用化されている。
しかし、窃盗犯が、当該車両を運転することによって盗むことなく、短時間のうちにトラック等に積載して盗むといった手口に対しては、それらの盗難防止策は有効に作用しない場合がある。そこで、GPS(Global Positioning System)センサを備えた車両盗難検知装置を車両に設置し、定期的に自車の現在位置を検出することにより盗難を速やかに検知して、使用者の携帯電話機へ盗難検知情報を送信する車両盗難検知装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2007−276573号公報
特開2007−276573号公報に開示の発明によると、各車両の使用者(ユーザ)が車両または車載機に新規に車両盗難検知装置を設置する必要があり、車内の限られた空間利用の観点や経済性の面でユーザの負担が大きいという問題がある。
本発明による車両監視システムは、車両に搭載され、車両に搭載された第1の受信機に対して第1信号を送信する第1動作モードと、第1の受信機とは異なる第2の受信機に対して第2信号を送信する第2動作モードとにて動作する近距離無線通信方式の送信機と、第2信号を周期的に受信して車両との距離の変化を検出し、距離の変化が検出されると、近距離無線通信方式とは異なる通信方式で異常発生を車両の所有者またはその関係者に通報する通報装置とを備えることを特徴とする。
本発明の車両監視システムによれば、車内でのデータ転送のために具備している無線通信インタフェースを利用して車両を監視することができる。したがって、ユーザが車両または車載機に新規に何らかの装置を設置する必要が無く、ユーザの負担が削減されるという効果がある。
図1〜図7を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。図1は、本発明による車両監視システムの一実施形態を示す図である。車両10を監視するシステム(車両監視システム)は、基地局20、監視センタ30、および車両10に搭載されているナビゲーション装置100により構成される。基地局20、監視センタ30、および当該車両10の所有者の携帯電話機50は、広域通信ネットワーク40を介して接続される。
車両10は、当初は駐車中であり、基地局20との無線電磁波送受信が可能な領域60に位置しているものとする。車両10にはナビゲーション装置100が搭載されている。基地局20は、第1の通信方式に基づく広域通信ネットワーク40(A)に接続されている。たとえばインターネットで構成される広域通信ネットワーク40(A)には、監視センタ30に設置された監視装置300が接続されており、基地局20と通信することが可能である。監視装置300は、第2の通信方式に基づく広域通信ネットワーク40(B)にも接続されている。たとえば1つまたは複数の電話網で構成される広域通信ネットワーク40(B)には、当該車両10の所有者の携帯電話機50が接続されており、監視装置300は監視対象である当該車両10の異常を検出した場合に当該車両10の所有者の携帯電話機50への通報が可能である。
車両10が盗まれるとき、窃盗犯が当該車両10に侵入し、当該車両10を運転して盗むというケースが考えられる。他のケースとして、窃盗犯が当該車両10に進入せずに、たとえばトラック等の運搬車両70に当該車両10を積載して盗むというケースも考えられる。図1では後者のケースを例示しているが、本説明は、前者のケースもまた該当する。いずれのケースにおいても、当該車両10が盗まれる際には、ナビゲーション装置100と基地局20との間において、物理的な距離の変化が生じる。前述した無線電磁波送受信で用いられる規格として、たとえば、高い測距機能を有するUWB(Ultra Wideband)無線技術を採用すると、基地局20は高精度に当該距離変化を検出できる。
ナビゲーション装置100は、車両10が駐車されると、他の目的(図2の説明にて後述)のために用いられていた無線通信インタフェース(図2に符号160を付して説明する)を測距用の無線センサとして用いられるように、動作モードを車両監視モードに設定する。車両監視モードに設定されたナビゲーション装置100は、無線通信インタフェースを介して、基地局20からの測距用信号を受信すると、基地局20へ定期的に測距用信号を送信する。その際、ナビゲーション装置100が基地局20へ送信する測距用信号には個体識別子が含まれる。基地局20は、当該個体識別子をキーとして特定されるナビゲーション装置100から定期的に受信する測距用信号に基づいて前述の距離変化の有無を検出する。基地局20は、当該個体識別子、当該基地局20の識別子、当該距離変化検出時刻を含む異常通知クライアントメッセージを監視装置300へ送信する。
当該異常通知クライアントメッセージを受信した監視装置300は、異常通知ユーザメッセージを作成すると共に、当該個体識別子に基づいて契約者情報管理データベース(図4に符号380を付して説明する)を検索し、当該車両10の所有者および当該所有者の携帯電話機50の電話番号を特定する。監視装置300は、特定した当該携帯電話機50に接続し、当該異常通知ユーザメッセージを音声データやテキスト・画像データに変換して送信する。
次に、図2を用いて、本実施の形態におけるナビゲーション装置100の構成について説明する。
CPU110はナビゲーション装置100全体を制御する演算処理装置であり、CPU110およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、主記憶装置115、補助記憶装置140、無線通信インタフェース160を含んで構成される。主記憶装置115は、CPU110の作業エリアであるワークメモリや制御プログラムが格納されているプログラムメモリを有する。
CPU110には、ACCオフを判定する信号のACC信号入力回路120およびユーザ入力装置130からの信号が入力される。ACC信号入力回路120は、イグニッションスイッチがオンのときハイレベル信号を、オフのときローレベル信号をCPU110に入力する。ユーザ入力装置130は、たとえば、タッチパネル、パネル周辺の押ボタン式スイッチ、リモートコントローラ、ジョイスティックである。
補助記憶装置140は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI(Point Of Interest:観光地や各種施設)情報を格納する。補助記憶装置140は、たとえばハードディスクドライブであるが、その他にも、道路地図データが格納されたCDやDVD、フラッシュメモリ、その他の記録媒体、およびその読み出し装置であっても良い。
無線通信インタフェース160は、車両監視モードに遷移した場合、前述したように測距用の無線センサとして動作し、ナビゲーション装置100と基地局20との間で測距用信号を送受信する。なお、送信信号に含まれる前述の個体識別子は、無線通信インタフェース160によって付与されても良いし、CPU110によって付与されても良い。ナビゲーション装置100は、ACCオフの状態、すなわちイグニッションキースイッチがオフの状態のとき、車両監視モードにて動作するが、ACCオフ以外の状態、すなわちイグニッションスイッチがオンの状態においては、ナビゲーションモードにて動作する。ナビゲーションモードにおいては、無線通信インタフェース160は、データ転送モジュールとして動作し、ナビゲーション装置100のCPU110とディスプレイ装置150との間で画像データを転送する。
ディスプレイ装置150は、ナビゲーション装置100を構成する一つの部品であるが、CPU110にバスで接続される周辺回路を収納するナビゲーション装置本体とは物理的に分離されている。ナビゲーションモードで動作中のナビゲーション装置100においては、CPU110から出力される文字や図形等の画像データは、無線通信インタフェース160を介してディスプレイ装置150へ転送され、ディスプレイ装置150は当該画像データに基づいて画面表示する。
次に、図3を用いて、本実施の形態における基地局20の構成について説明する。CPU210は基地局20全体を制御する演算処理装置であり、CPU210およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、主記憶装置215、補助記憶装置220、クロックモジュール230、ネットワークインタフェース240、無線通信インタフェース250を含んで構成される。主記憶装置215は、CPU210の作業エリアであるワークメモリや制御プログラムが格納されているプログラムメモリを有する。
補助記憶装置220は、予めユニークに割り当てられる基地局識別子を記憶している。また、ネットワークインタフェース240を介した基地局20と広域通信ネットワーク40(A)との接続およびその接続を介した監視装置300との通信に必要な各種設定値を記憶している。さらに、無線通信インタフェース250を介した測距用信号の送受信に必要な各種設定値およびその測距用信号から学習した1個または複数のナビゲーション装置100の個体識別子を記憶している。補助記憶装置220はハードディスクドライブであるが、CDやDVD、フラッシュメモリ、その他の記録媒体、およびその読み出し装置であっても良い。
クロックモジュール230は、水晶振動子の振動に基づくクロック信号を出力する。クロックモジュール230は、実時間との誤差修正のため、CPU210による時刻設定が可能である。たとえば、CPU210は、後述するネットワークインタフェース240を介して広域通信ネットワーク40(A)に接続されているNTP(Network Time Protocol)サーバから実時間を定期的に取得できるため、こうして取得した実時間をクロックモジュール230に対して定期的に時刻設定しても良い。
ネットワークインタフェース240は、基地局20と広域通信ネットワーク40(A)とを接続し、基地局20と監視装置300との間の通信を介在する役割を果たす。無線通信インタフェース250は、測距用の無線センサとして動作し、ナビゲーション装置100と基地局20との間で測距用信号を送受信する。
図4は監視センタ30に設置される監視装置300のシステムブロック図である。監視装置300は、ネットワークインタフェース310および広域通信ネットワーク40(A)・40(B)を介して各々基地局20・携帯電話機50との間でメッセージを送受信する。なお、前述したように、広域通信ネットワーク40(A)は、たとえばインターネットで構成され、広域通信ネットワーク40(B)は、たとえば1つまたは複数の電話網で構成されるため、ネットワークインタフェース310は、インターネットと電話網のいずれにも対応するように構成しても良いし、各々に対応するように構成しても良い。オペレーティングシステム320はアプリケーションソフトウェアおよびハードウェアを制御するプラットフォームソフトウェアである。したがって、オペレーティングシステム320にはネットワークインタフェース310のドライバソフトウェアも含まれ、各アプリケーションソフトウェア330〜380はオペレーティングシステム320上で動作する。
オペレータコマンド受付部330は、監視装置300のオペレーションおよびメンテナンスのために、オペレータが監視装置300へアクセスする際に入力されるコマンドを翻訳してオペレーティングシステム320へ引き渡す。
メッセージ処理部340は、監視センタ300が基地局20から受信したクライアントメッセージを解析する。また、携帯電話機50へ送信するためのユーザメッセージを作成して音声データやテキストデータに変換・出力する。
監視用データ処理サーバ350は、クライアントメッセージの中から当該ナビゲーション装置100の個体識別子、当該基地局20の識別子、当該距離変化検出時刻の各情報を抽出し、これらの情報をキーとして、地図データベース360、基地局情報管理データベース370および契約者情報管理データベース380を検索する。
地図データベース360には、道路地図データおよびPOIなどの情報が記憶されている。基地局情報管理データベース370には、基地局20の識別子と基地局20の位置データとが対応付けて記憶されている。契約者情報管理データベース380には、ナビゲーション装置100の個体識別子と対応付けて、車両10の所有者および当該所有者の携帯電話機50の電話番号が記憶されている。
監視用データ処理サーバ350は、ナビゲーション装置100の個体識別子をキーに、契約者情報管理データベース380を検索し、当該ナビゲーション装置100を搭載した車両10の所有者および当該所有者の携帯電話機50の電話番号を特定する。さらに、監視用データ処理サーバ350は、基地局20の識別子をキーに、基地局情報管理データベース370を検索し、基地局20の位置データを抽出する。監視用データ処理サーバ350は、抽出した位置データに基づき、地図データベース360を検索し、当該基地局20の位置を視覚的に表して当該所有者に報知するための地図データを生成する。地図データは、当該ナビゲーション装置100の距離変化の旨と、当該距離変化検出時刻とを通知するデータと共に、メッセージ処理部340が作成する前述のユーザメッセージに取り込まれる。
次に、図5〜図7のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるナビゲーション装置100、基地局20、および監視装置300にて実行される具体的な処理手順について説明する。
図5は、ナビゲーション装置100のCPU110が実行する処理手順を表している。本処理手順開始後、ステップS501において、信号入力回路120からの信号に基づいてイグニッションスイッチオフを検出したか否か、すなわちACCオフを検出したか否かを判定する。ステップS501が否定判定されると、本処理手順は終了する。ステップS501においてイグニッションスイッチオフの検出が肯定判定されると、ステップS502において、車両10の運転者からの監視キャンセル命令があったか否かを判定する。たとえば給油を目的とした一時的なイグニッションスイッチオフの場合にナビゲーション装置100の動作モードが車両監視モードとなることを抑止するための処理である。具体的には、イグニッションスイッチオフ時に、車両監視モードへの遷移をキャンセルするか否かの選択メニューをディスプレイ装置150の画面に表示し、運転者に選択を促すことで実現できる。
なお、ナビゲーション装置100は車両10のバッテリから給電されるため、イグニッションスイッチオフでも給電が続行される。そこで、イグニッションスイッチオフ後の一定時間経過後に、CPU110がディスプレイ装置150をオフして消費電力を抑制することが好ましい。
前述のステップS502にて肯定判定すると、本処理手順は終了する。否定判定の場合は、ステップS503へ進み、無線通信インタフェース160の動作モードを車両監視モードに設定し、受信タイマを起動する。ステップS504で受信タイマの計時が完了したか否かを判定する。受信タイマの計時が完了すると本処理手順は終了する。受信タイマの計時が完了していない場合、ステップS504が否定判定され、ステップS505において測距用信号を受信したか否かを判定する。ステップS505が肯定判定されると、ステップS506において受信タイマを停止してステップS507へ進む。ステップS505が否定判定されるとステップS504に戻る。
ステップS507においては、CPU110は、ステップS505にて受信した測距用信号に対する応答として、ナビゲーション装置100の個体識別子を含む測距用信号を送信することを無線通信インタフェース160に指示する。その後ステップS508へ進み、イグニッションスイッチがオンか否かを判定する。ステップS508が否定判定されるとステップS505へ戻る。ステップS508においてイグニッションスイッチオンが肯定判定されると、ステップS509にて、CPU110は、車両監視モード設定の解除、および前述したナビゲーション装置100の個体識別子を含む測距用信号の送信停止を無線通信インタフェース160に指示し、本処理手順は終了する。
車両10が駐車中である限りにおいては、ステップS508にてイグニッションスイッチオンが否定判定されるので、ステップS505に戻って再び基地局20からの信号を受信すると、ステップS507において、ナビゲーション装置100の個体識別子を含む測距用信号を再び送信するように無線通信インタフェース160に指示する。これによって、基地局20はナビゲーション装置100から周期的に受信する測距用信号を監視して、ナビゲーション装置100との間の物理的な距離変化を検出することができる。
図6は、基地局20のCPU210が実行する処理手順を表している。本処理手順開始後、ステップS601にて、CPU210は、測距用信号を周期的に送信することを無線通信インタフェース250に指示する。
ステップS602において、CPU210は、無線通信インタフェース250が測距用信号をナビゲーション装置100から受信したか否かを判定する。測距用信号を受信するとステップS603に進む。ステップS603にて、ステップS602にて受信した測距用信号に含まれるナビゲーション装置100の個体識別子を、無線通信インタフェース250における解析を通じて抽出する。これと同時に、監視対象車両10と基地局20との距離を演算(測距演算)し、演算した距離を個体識別子と関連付けて補助記憶装置140に記憶する。併せて受信監視タイマを起動する。
測距演算は、測距用信号の送受信に用いる無線電磁波としてインパルス無線方式に基づくUWB無線技術を採用した場合、以下のようにして導かれる。前述したように、基地局20が送信する測距用信号は周期的に送信される。ナビゲーション装置100は、それらの信号を受信するたびに測距用信号を送信し、基地局20はこれを受信する。送信するインパルス信号が0クロスする時間から受信するインパルス信号が0クロスする時間の差をT、当該無線電磁波の伝搬速度をVとすると、基地局20からナビゲーション装置100までの距離Lは、L=(VT)/2として算出される。ただし、測距演算は上述の考え方に基づく算出によらず、他の考え方に基づく算出によって導いても良い。
ステップS603の完了後、ステップS604において、受信監視タイマの計時が完了したか否かを判定する。肯定判定の場合、当該ナビゲーション装置100はイグニッションスイッチオンを検出したことに伴って測距用信号の周期送信を停止したと考えられるため、ステップS603にて記憶したナビゲーション装置100の個体識別子および演算距離をステップS625にてクリアし、本処理手順は終了する。
ステップS604において、否定判定の場合、すなわち当該ナビゲーション装置100から新たに測距用信号を受信した場合、ステップS605へ進む。基地局20で新たに受信した信号が同一のナビゲーション装置100から送信されているか否かは、ステップS603と同様にして抽出した個体識別子と、先に記憶した個体識別子とを照合して判定できる。ステップS605が否定判定される場合はステップS604へ戻り、肯定判定される場合はステップS606へ進む。ステップS606において測距演算を行い、ステップS603において演算して記憶した測距演算結果との偏差を、変化量として演算する。ステップS607にて、演算した変化量に基づいて測距演算結果に変化があったか否かを判定する。その際、当該変化量が測定誤差を考慮して予め設定されている所定の閾値を上回ったときに肯定判定とすることが好ましい。
ステップS607における否定判定は、基地局20とナビゲーション装置100との間の物理的な距離変化が無いことを意味しており、ステップS604へ戻る。
ステップS607における肯定判定は、基地局20とナビゲーション装置100との間の物理的な距離変化があったことを意味する。この場合、CPU210は、ステップS608にてクロックモジュール230から時刻データを収集し、ステップS609において、ナビゲーション装置100の異常を通知するためのクライアントメッセージを作成する。クライアントメッセージは、補助記憶装置220に記憶しているナビゲーション装置100の個体識別子および基地局識別子と時刻データとを含む。ステップS610にて、当該クライアントメッセージを、ネットワーク通信インタフェース240を介して監視センタ300宛てに送信すると、本処理手順は終了する。
図7は、監視装置300のオペレーティングシステム320が実行する処理手順を表している。なお、厳密には、本処理手順の一部はサブルーチンとして監視用データ処理サーバ350にて実行されるが、本説明においては、監視用データ処理サーバ350はオペレーティングシステム320と一体となって動作していることとして記載する。本処理手順開始後、オペレーティングシステム320は、ステップS701においてクライアントメッセージをメッセージ処理部340にて基地局20より受信すると、ステップS702において、当該クライアントメッセージを解析し、前述したナビゲーション装置100の個体識別子・基地局識別子・時刻データを抽出する。オペレーティングシステム320は、ナビゲーション装置100の個体識別子をキーに契約者情報管理データベース380を検索し、ステップS703にて、通報先の携帯電話機50の電話番号、通知元のナビゲーション装置100およびそれを搭載した車両10の所有者に関する登録情報を取得する。
ステップS704にて、監視キャンセル命令があったか否かを判定する。監視キャンセル命令は、当該車両10を監視して当該携帯電話機50へ異常を通報することをキャンセルする命令である。監視装置300のオペレータからオペレータコマンド受付部330を介して監視キャンセル命令が出力される。たとえば当該車両10の運搬を遠隔にいる当該車両10の所有者がレッカー業者に依頼した場合、その所有者が当該監視装置300のオペレータに依頼して当該車両10の監視をキャンセルする。このため、ステップS701においてクライアントメッセージを受信する前までに、当該キャンセル設定が有効化されていることが好ましい。当該キャンセル設定が有効化されている場合は、ステップS704は肯定判定され、本処理手順は終了する。
ステップS704が否定判定された場合、オペレーティングシステム320は、ステップS705にて、当該ナビゲーション装置100の異常を検出した基地局20の位置データを、ステップS702にて解析したクライアントメッセージから抽出された基地局識別子に基づき、基地局情報管理データベース370を検索することによって取得する。取得した基地局20の位置データに基づいて、地図データベース360を検索することによって当該基地局20周辺の地図データを取得する。
ステップS706において、オペレーティングシステム320は、ユーザメッセージをメッセージ処理部340にて作成する。ユーザメッセージは、当該基地局20周辺の地図データと、当該ナビゲーション装置100と基地局20との間の距離が変化した旨のデータと、ステップS702にて解析したクライアントメッセージから抽出された時刻データとから構成される。ユーザメッセージは、ステップS703にて特定した通報先の携帯電話機50に対応したデータ形式であり、音声データやテキスト・画像データである。ステップS707において、オペレーティングシステム320は、メッセージ処理部340によって当該ユーザメッセージを当該携帯電話機50へ送信すると、本処理手順は終了する。
上述した本実施の形態による車両監視システムは、次の作用効果を奏する。すなわち、ナビゲーション装置は、ナビゲーションモード(第1動作モード)で動作している場合、画像信号(第1信号)を近距離無線通信方式(UWB)でディスプレイ装置150に送信して地図を表示する。ナビゲーション装置は、車両監視モード(第2動作モード)で動作して監視信号(第2信号)を近距離無線通信方式(UWB)で基地局20へ周期的に送信する、基地局20は、監視信号を周期的に受信して車両との距離の変化を検出する。基地局20は、車両との距離の変化を検出すると、広域通信ネットワーク40(A)を介して、異常発生を監視装置300に通知する。監視装置300は登録された携帯電話50へ異常発生を通報する。
したがって、
(1)UWBによる無線通信により画像信号をディスプレイ装置150へ送信するように構成したナビゲーション装置において、GPSセンサを使用することなく、車両盗難を通報するシステムを構築することができる。したがって、イグニッションスイッチオフ時にも動作するGPSセンサおよびそれを駆動するための電源を設置する必要も無く、車内の空間利用効率や経済性の面で優れた効果を奏する。
(2)UWBによる無線通信は、消費電力が小さいので、無線通信インタフェース160を用いた車両監視システムに適用する場合、車両10のバッテリ消費を低減することができる。
(3)UWBによる無線通信インタフェース250は、測距精度が高いので、車両10との間の距離の変化を高精度に検出することができる。
(4)UWBによる無線通信インタフェース160は、乗員が車両10から降車して駐車することを検出するまではナビゲーションモードで動作し、駐車が検出されると車両監視モードへ自動的に遷移するようにした。したがって、乗員は駐車に際して盗難防止システム,すなわち車両監視システムがオンとなるように操作する必要がない。
(5)車両10の駐車が検出された後、車両監視モードに遷移することの可否を乗員に問いかけるようにすれば、自宅のガレージのように盗難の恐れが少ない場合に盗難防止機能、すなわち車両監視モードへの遷移を禁止して電力消費を抑制することができる。イグニッションスイッチがオフのまま車両10が移動することを所有者が予め把握している場合においても、車両監視モードへの遷移を禁止しておけば、車両10が移動したときに当該所有者の携帯電話機50に異常発生が通報されることを防止できるという効果がある。
−−−変形例−−−
(1) 上述の図1の説明では、基地局20は、広域通信ネットワーク40(A)を介して監視装置300へクライアントメッセージを送信することとした。しかし、広域通信ネットワーク40(A)を介さずに、他の複数の車両が搭載するナビゲーション装置を経由してセンサネットワークまたは無線通信ネットワークに接続された監視装置300へクライアントメッセージを送信することとしても良い。
(2) 上述の図6の説明では、基地局20は、広域通信ネットワーク40(A)を介して監視装置300へクライアントメッセージを送信することとした。しかし、各基地局20が、広域通信ネットワーク40(B)へ接続するネットワークインタフェースと、監視装置300の有する各アプリケーションソフトウェア330〜380とを備えるように構成して、広域通信ネットワーク40(A)を介さずに携帯電話機50へ直接異常通知メッセージを送信するようにしても良い。
(3) 上述の図5の説明では、ナビゲーション装置100のCPU110が無線通信インタフェース160の車両監視モード設定または設定解除を指示する契機をイグニッションオフまたはオンとした。しかし、イグニッションスイッチオフ後にドアロックが検出されたタイミングで車両監視モード設定を指示し、イグニッションスイッチオフの状態におけるドアアンロックが検出されたタイミングで車両監視モード設定解除を指示しても良い。イグニッションスイッチオフの状態におけるドアロックを契機として無線通信インタフェース160の車両監視モード設定を指示する場合、CPU110は、監視キャンセルを乗員に問い合わせる処理を省略することが好ましい。なお、CPU110によるドアロックの検出のため、CPU110へ入力される集中ドアロックコントローラのドアロック信号およびアンロック信号の検出回路がナビゲーション装置100に含まれることが好ましい。
(4) 上述の図7の説明では、監視装置300は車両10の異常を所有者に通報するためのユーザメッセージを自動作成して送信することとしたが、監視装置300にディスプレイ装置を備え、オペレータに報知することとしても良い。その場合、当該所有者への異常通報は、オペレータ自身が当該所有者の携帯電話機50へ発呼することによって実現しても良いし、オペレータによるコマンドを受け付けた監視装置300または他の装置が、車両10の異常を所有者に通報するためのユーザメッセージを作成して送信することとしても良い。
(5) 上述の説明では、自宅の敷地内の駐車場のみならず、自宅から離れた場所に車両10を駐車する場合も想定した。自宅の敷地内の駐車場に駐車する場合は、自宅の極めて近傍に設置された基地局20が車両10の異常を検知した際に、警報を鳴動することによって自宅にいる所有者へ通報しても良い。この場合、監視装置300を経由する携帯電話機50への異常通知メッセージ送信と併用しても良い。
(6) 上述の説明では、自宅の敷地内の駐車場のみならず、自宅から離れた場所に車両10を駐車する場合も想定した。駐車場事業者が管理する一時利用駐車場に駐車する場合は次のようなシステム構成とすることができる。駐車場事業者の監視センタ30に設置された監視装置300が、当該駐車場に設置された基地局20を経由して車両10の異常を検出した際に、異常通知メッセージを当該監視センタ30に設置されたディスプレイ装置の画面上に表示する。この場合、当該駐車場事業者が、当該駐車場へ当該車両10を駐車することに関して当該所有者と契約する際に、当該車両10のイグニッションスイッチオフを検出可能な回路に接続される無線通信機器を当該所有者に配布して当該車両10へ取り付けさせるように構成しても良い。
(7) 上述の説明では、車両10と基地局20との間の距離変化が検出された時、監視装置300は、当該車両10の所有者の携帯電話機50へ通報することとした。しかし、当該基地局20から監視装置300への異常発生通知後も、他の場所に設置された基地局や、他の場所で駐車している複数の車両が搭載するナビゲーション装置が当該車両10が送信する測距用信号を検出して監視装置300へ異常発生通知を送信することにより、移動中の当該車両10を追尾するように構成しても良い。この場合、監視装置300には、各基地局から通知のあった時刻を表す時刻データと、各基地局の位置データと、当該車両10の所有者に関する登録情報とを関連付けて管理するための新たなデータベースを備えるように構成することが好ましい。
(8) 上述の図1の説明では、本発明による車両監視システムの一実施形態において、車両10には、ナビゲーション装置本体とディスプレイ装置150とから構成されるナビゲーション装置100が搭載されていることとした。ナビゲーション装置本体は、無線通信インタフェース160を介してディスプレイ装置150と接続されている。しかし、ナビゲーション装置100の代わりに別の装置、たとえば、オーディオ・ビジュアル機器本体とディスプレイ装置とが無線通信インタフェースを介して接続されて構成されるオーディオ・ビジュアル機器であっても良い。その場合、ナビゲーションモードの代わりにエンターテインメントモードにおいて、オーディオ・ビジュアル機器本体からディスプレイ装置へコンテンツデータ転送される。イグニッションキースイッチがオフのとき、車両監視モードにて動作する。
上述した実施の形態および各変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態およびその変形例における機器構成に何ら限定されない。
なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本実施の形態における車両監視システムの全体構成を示す図。 本実施の形態におけるナビゲーション装置100のハードウェア構成を表すシステムブロック図。 本実施の形態における基地局20のハードウェア構成を表すシステムブロック図。 本実施の形態における監視装置300の機能ブロック構成を表すシステムブロック図。 本実施の形態におけるナビゲーション装置100の処理手順を表すフローチャート。 本実施の形態における基地局20の処理手順を表すフローチャート。 本実施の形態における監視装置300の処理手順を表すフローチャート。
符号の説明
10 車両 20 基地局
30 監視センタ 40 広域通信ネットワーク
50 携帯電話機 60 無線電磁波送受信が可能な領域
70 運搬車両 100 ナビゲーション装置
110 CPU 115 主記憶装置
120 ACC信号入力回路 130 ユーザ入力装置
140 補助記憶装置 150 ディスプレイ装置
160 無線通信インタフェース 210 CPU
215 主記憶装置 220 補助記憶装置
230 クロックモジュール 240 ネットワークインタフェース
250 無線通信インタフェース 300 監視装置
310 ネットワークインタフェース 320 オペレーティングシステム
330 オペレータコマンド受付部 340 メッセージ処理部
350 監視用データ処理サーバ 360 地図データベース
370 基地局情報管理データベース 380 契約者情報管理データベース

Claims (10)

  1. 車両に搭載され、前記車両に搭載された第1の受信機に対して第1信号を送信する第1動作モードと、前記第1の受信機とは異なる第2の受信機に対して第2信号を送信する第2動作モードとにて動作する近距離無線通信方式の送信機と、
    前記第2信号を周期的に受信して前記車両との距離の変化を検出し、前記距離の変化が検出されると、前記近距離無線通信方式とは異なる通信方式で異常発生を前記車両の所有者またはその関係者に通報する通報装置とを備えることを特徴とする車両監視システム。
  2. 請求項1に記載の車両監視システムにおいて、
    前記車両は、乗員が降車して駐車することを検出する検出手段を備え、
    前記送信機は、前記検出手段で前記車両の駐車が検出されるまでは前記第1動作モードで動作し、前記検出手段で前記車両の駐車が検出されると前記第2動作モードで動作することを特徴とする車両監視システム。
  3. 請求項2に記載の車両監視システムにおいて、
    前記検出手段で前記車両の駐車が検出された後、前記送信機が前記第2動作モードで動作することを乗員が禁止する禁止指令装置を備えることを特徴とする車両監視システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両監視システムにおいて、
    前記通報装置は、
    前記異常発生の通知を受けると、当該通知を解析して前記異常発生を前記車両の所有者またはその関係者に広域通信ネットワークを介して通報する情報配信センタと、
    前記近距離無線通信方式とは異なる通信方式で前記異常発生を前記情報配信センタへ通知する基地局とを含むことを特徴とする車両監視システム。
  5. 請求項4に記載の車両監視システムにおいて、
    前記近距離無線通信方式はUWB(Ultra Wideband)であり、
    前記基地局は駐車場に配置され、前記基地局と前記情報配信センタとは広域通信ネットワークで接続されることを特徴とする車両監視システム。
  6. 請求項4または5に記載の車両監視システムに用いる基地局であって、
    前記第2信号を受信する近距離無線通信方式の基地局受信機と、
    前記基地局受信機で受信した前記第2信号に基づいて、前記車両との距離の変化を検出する距離変化検出装置と、
    前記異常発生を前記情報配信センタへ通知する通信装置とを備えることを特徴とする基地局。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の車両監視システムに用いる情報配信センタであって、
    前記異常発生の通知には前記車両または前記送信機の個体識別子が含まれ、
    前記個体識別子に対応付けて前記車両の所有者またはその関係者の連絡先情報を記憶したデータベースと、
    前記異常発生の通知を解析し、当該通知に含まれる前記個体識別子をキーとして前記データベースを検索して前記連絡先情報を抽出する制御回路とを備え、
    前記通報装置は、
    前記制御回路で抽出した前記連絡先情報を用いて前記車両の所有者またはその関係者に前記異常発生を通報することを特徴とする情報配信センタ。
  8. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両監視システムにおいて、
    前記通報装置は、
    広域通信ネットワークを介して前記異常発生を前記車両の所有者またはその関係者へ通報する基地局を含むことを特徴とする車両監視システム。
  9. 請求項8に記載の車両監視システムにおいて、
    前記近距離無線通信方式はUWB(Ultra Wideband)であり、
    前記基地局は駐車場に配置されていることを特徴とする車両監視システム。
  10. 請求項8または9に記載の車両監視システムに用いる基地局であって、
    前記第2信号を受信する前記近距離無線通信方式の基地局受信機と、
    前記基地局受信機で受信した前記第2信号に基づいて、前記車両との距離の変化を検出する距離変化検出装置と、
    前記広域通信ネットワークを介して前記異常発生を前記車両の所有者またはその関係者へ通報する通信装置とを備えることを特徴とする基地局。
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