JP5093202B2 - 電極組立体およびめっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種電子回路基板等にめっき膜を施す際に用いるめっき装置およびそれに搭載される電極組立体に関する。
各種の電子回路基板や半導体素子基板を作製する際には、被めっき物である基体上の限られた領域内にめっき膜を形成することが要求される場合が多い。一般的には、被めっき物の表面上におけるめっき膜を形成すべき領域(めっき膜形成領域)を囲むように補助電極を有する電極組立体を配置し、めっき膜の形成を行う。このような電極組立体やそれを備えためっき装置については、例えば以下の特許文献1〜3に公開されている。
特開平5−12559号公報 特開平11−92992号公報 特開平11−92993号公報
この種のめっき装置を用いて所定の基体上にめっき膜を形成するにあたっては、できる限り均一な膜厚分布や組成分布を実現することが望まれる。これら膜厚分布や組成分布を均一化するためには、補助電極の面積や、形成されるめっき膜からの面内方向の距離が重要である。しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のめっき装置では、平坦な膜厚分布や均一な組成分布の実現を阻害する以下のような問題点が懸念される。
以下、図14および図15を参照して具体的に説明する。図14は、従来の一般的なめっき装置における電極組立体101Aの全体構成を表す断面図である。電極組立体101Aは、開口111Kを有する基体111上に、開口111Kよりも小さな開口112Kを有する円環状の電極板112が取り付けられたものである。基体111と電極板112との間にはゴムなどの弾性体からなる緩衝基板115と、銅(Cu)などからなる導電基板116とが介在している。緩衝基板115および導電基板116は、開口112Kと同形状の開口を有している。電極板112、緩衝基板115および導電基板116は、例えばステンレスなどの導電性材料からなるねじN101によって基体111に固定されている。基体111の一部には導電層117が設けられており、さらに、この導電層117から外部へ通ずる引き出し線118が設けられている。ねじN101は導電層117と接しているので、引き出し線118を介して電極板112および導電基板116への通電が可能となっている。
このような電極組立体101Aを用いてめっき処理をおこなう場合には、開口111Kに円盤状の被めっき物104を埋め込むように配置し、被めっき物104の上面104Sおよび電極板112の上面112Sにめっき浴(図示せず)を接触させた状態で通電を行う。被めっき物104は被めっき基板141上にめっきシード層142が設けられたものであり、ステージ151上に載置されて導電基板116の下面と当接するようにシリンダ(図示せず)によって上方へ付勢されている。したがって、引き出し線118から導電層117と導電基板116とを経由してめっきシード層142に通電することにより、図15に示したように、めっきシード層142の上にめっき膜M101を形成することができる。図15は、電極組立体101Aにおけるめっき処理後の様子を表す拡大断面図である。この際、導電基板116がめっき膜M101を形成するための主電極として機能する。一方、電極板112は補助電極として周囲の電界分布を調整することで、めっき膜M101の膜厚変動を抑制し、膜厚を安定化させるように作用する。ところが、めっき膜M101の形成を進めるうち、電極板112を覆うように不要なめっき膜M112が図中、矢印で示した各方向へ徐々に成長してしまう。特に、端面112Tを覆うように堆積することから、開口112Kの面内方向の占有面積が徐々に縮小化されることとなる。すなわち、実質的に補助電極として機能する部分となるめっき膜M112の表面積がしだいに拡張されることとなるので、電極板112およびめっき膜M112によって形成される電界分布がめっき成長に伴って経時的な変化を生じてしまう。この結果、めっき膜M101のうちの端部M101A(端面112T近傍の部分)が中心部よりも薄くなってしまい、全体として顕著な膜厚変動(分布)が現れることとなる。したがって、このような膜厚変動を回避するには、不要なめっき膜の堆積による悪影響が現れる前に頻繁に電極板を交換する必要があるが、そのような作業は極めて煩雑である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、より均一性に優れた膜厚分布および組成分布を有するめっき膜を繰り返し安定して形成可能なめっき装置、およびそれに搭載される電極組立体を提供することにある。
本発明の電極組立体は、被めっき物と電気的に接続された主電極と、被めっき物の近傍に配置され、自らの露出面を覆うように形成されるめっき膜の、めっき処理の進行に伴う表面積の拡大を防止し得る拡大防止構造を有する補助電極とを含むようにしたものである。この補助電極は、拡大防止構造として、露出面に少なくとも1つの凹部が設けられた金属板を有している。金属板は開口を有しており、開口に対応した位置に被めっき物が配置されるようになっている。ここでいう「近傍に配置」とは、被めっき物を覆うめっき膜の成長の状態に影響を与え得るような領域に配置されていることを意味する。
本発明のめっき装置は、少なくともめっき浴が収容されるめっき槽と、このめっき槽の内部に設けられ、めっき浴を介して互いに対向配置された一対の電極組立体とを備え、一対の電極組立体のうちのいずれか一方が、被めっき物と電気的に接続された主電極と、被めっき物の近傍に配置され、めっき浴と接する露出面を覆うように形成されるめっき膜の、めっき処理の進行に伴う表面積の拡大を防止し得る拡大防止構造を有する補助電極とを含むようにしたものである。ここで、補助電極は、拡大防止構造として、露出面に少なくとも1つの凹部が設けられた金属板を有している。この金属板は開口を有しており、開口に対応した位置に被めっき物が配置されるようになっている。なお、めっき浴の流入および攪拌を行う機構を設けるようにしてもよい。
本発明の電極組立体およびめっき装置では、補助電極が、拡大防止構造として、露出面に少なくとも1つの凹部が設けられた金属板を有するようにしたので、金属板の表面積は、全く凹部のない平滑な形状をなす場合と比べて大きくなっている。その金属板は開口を有しており、その開口に対応した位置に被めっき物が配置されるようになっている。このため、被めっき物に所望のめっき膜を形成するにあたり、金属板に堆積する不要なめっき膜における表面積の増加速度(表面積の変化率)が抑制されることとなる。したがって、金属板およびその上に堆積しためっき膜が形成する電界分布の経時的な変化が低減される。
本発明の電極組立体およびめっき装置では、金属板および主電極は互いに導通しており、共通の引き出し導線に接続されていてもよいし、あるいは、金属板および主電極は互いに絶縁されており、互いに異なる引き出し導線に各々接続されていてもよい。
本発明における電極組立体およびめっき装置によれば、金属板の開口に対応した位置に被めっき物を配置し、その金属板に少なくとも1つの凹部を設けるようにしたので、被めっき物に所望のめっき膜を形成するにあたり、金属板に堆積する不要なめっき膜の表面積の増加速度を抑制することができる。このため、その不要なめっき膜が形成する電界分布を、めっき成長に伴って変化しないように安定化させることができる。すなわち、被めっき物におよぶ電界分布の経時的な安定化を図ることができる。この結果、被めっき物の上に、より均一性に優れた膜厚分布および組成分布を有する所望のめっき膜を、繰り返し形成することができる。
本発明の第1の実施の形態としての電極組立体を備えためっき装置の全体構成を表す概略断面図である。 図1に示した電極組立体の全体構成を表す上面図および断面図である。 図2に示した電極組立体の要部を表す部分断面図である。 図2に示した電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 図2に示した電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態としての電極組立体の全体構成を表す上面図である。 図6に示した電極組立体のVII−VII切断線に沿った矢視方向の断面構成を表す部分断面図である。 図7に示した電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 本発明の第3の実施の形態としての電極組立体の断面構成を表す部分断面図である。 図9に示した電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 本発明の第4の実施の形態としての電極組立体の断面構成を表す部分断面図である。 図11に示した電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 図1に示した電極組立体の変形例を表す上面図である。 図1に示した電極組立体に対する比較例としての電極組立体を表す部分断面図である。 図14に示した比較例としての電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 図6に示した電極組立体に対する比較例としての電極組立体を表す部分断面図である。 図16に示した比較例としての電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。 図9に示した電極組立体に対する比較例としての電極組立体を表す部分断面図である。 図18に示した比較例としての電極組立体におけるめっき処理後の様子を表す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
最初に、図1から図4を参照して、本発明の第1の実施の形態としてのめっき装置およびこれに搭載された電極組立体について以下に説明する。
図1は、本実施の形態としてのめっき装置の構成を表す概略断面図である。このめっき装置は、被めっき物4の形成対象面4S上にめっき膜を形成するものであり、めっき浴31を収容するめっき槽3と、めっき槽3の内部に設けられ、めっき浴31を介して互いに対向配置されたカソード電極組立体1(後述の他の実施の形態におけるカソード電極組立体と区別するため、本実施の形態では、カソード電極組立体1Aとする。)およびアノード電極組立体2とを備えている。カソード電極組立体1Aは、めっき浴31が漏れないようにめっき槽3の底部32に密着して取り付けられている。カソード電極組立体1は開口1Kを有しており、この開口1Kを塞ぐように薄板状の被めっき物4が配置されている。被めっき物4は、ステージ51およびシリンダ52からなる支持体5によって支持されており、めっき膜形成対象面(以下、単に形成対象面という。)4Sがめっき浴31と接するようになっている。めっき浴31は、得ようとするめっき膜に応じた組成を有するものである。さらに、このめっき装置は、電源装置7を備えている。電源装置7は、カソード電極組立体1およびアノード電極組立体2とそれぞれリード線71,72によって電気的に接続され、両者の間に直流電圧を印加するものである。なお、ここでは電源装置7として直流電圧を印加するものを例示したが、これに限定されず、交流電圧またはパルス電圧を印加するものを用いるようにしてもよい。
アノード電極組立体2は、アノード21と、一端にアノード21が取り付けられたシリンダ22と、このシリンダ22の他端をめっき槽3の上部33に固定する支持部33とを有している。アノード21は、めっき浴31を介して形成対象面4Sと対向するように配置されており、シリンダ22および支持部23を経由したリード線72によって電源装置7と接続されている。
次に、図2(A),2(B)および図3を参照して、カソード電極組立体1Aの構成について説明する。図2(A)は、対向するアノード電極組立体2の側から眺めた上面図であり、図2(B)は、IB−IB切断線に沿った矢視方向の断面図である。さらに、図3は、図2(B)を拡大したものである。
図2(A),2(B)および図3から明らかなように、カソード電極組立体1Aは、面内方向における中心位置に開口11Kを有する基体11と、この基体11上に設けられ、開口11Kと対応した位置に開口11Kよりも小さな開口1Kを有する電極板12とを含んでいる。
基体11は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、4フッ化エチレン樹脂またはポリプロピレン(PP)などの絶縁材料によって構成されている。基体11のフランジ部分には複数の貫通孔11Aが設けられており、下方から貫通孔11AにねじN1が挿入され、底部32に締め付け固定されるようになっている。ここでは、底部32と基体11のフランジ部分との間にゴムなどの弾性体からなるリング状のパッキンP1を介在させることにより、底部32と基体11との隙間からめっき浴31が漏れないように講じている。開口11Kには被めっき物4が嵌め込まれるようになっている。
電極板12は、内周縁12T1および外周縁12T2によって画定される円環状をなしている。電極板12の内周縁12T1は、膜面と直交する方向に立設する絶縁壁13によって覆われており、外周縁12T2は基体11の凸部11Tによって完全に取り囲まれている。電極板12は、例えば銅などの高い導電性を有する材料によって構成されている。絶縁壁13は、耐薬品性に優れ、比較的高度の高い絶縁材料、例えばポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)からなる。絶縁壁13は、電極板12の内周縁12T1における膜厚よりも大きな高さ寸法を有している。すなわち、絶縁壁13の上端13Aは、電極板12の上面12Sよりも高い位置に存在する。同様に、凸部11Tの上端11Sについても、電極板12の上面12Sよりも高い位置に存在している。
電極板12と基体11との間には、絶縁基板14と、ゴムなどの弾性体からなる緩衝基板15と、銅(Cu)などからなる導電基板16とが電極板12の側から順に設けられている(図3参照)。絶縁基板14、緩衝基板15および導電基板16は、開口1Kと同形状の開口を有している。電極板12、絶縁基板14、緩衝基板15および導電基板16は、例えばステンレスなどの導電性材料からなるねじN2によって基体11に締め付け固定
されている。基体11の一部には導電層17が設けられており、さらに、この導電層17から外部へ通ずる導電性の引き出し線18が設けられている。引き出し線18はリード線71,72を介し、外部に設けられた電源装置7と接続されている。ねじN2は導電層17と接しているので、引き出し線18、導電層17、電極板12および導電基板16は全て電気的に接続された状態となっている。なお、図3に示したように、導電基板16の下面と、導電層17の上面とを直接接触させるようにしてもよい。
絶縁基板14については、絶縁壁13と同じ材料によって構成され、絶縁壁13と一体となっていてもよい。導電基板16の下面は、支持体5によって上方へ付勢された被めっき物4の形成対象面4Sと当接している。被めっき物4は、被めっき基板41の上にめっきシード層42が一様に成膜されたものである。したがって、めっきシード層42が導電基板16の下面と接し、導電層17や引き出し線18などを介して電源装置7と接続された状態となっている。緩衝層15は、主に被めっき物4や電極板12のたわみを吸収し、両者をより密着させるように機能している。
このようなカソード電極組立体1Aを備えためっき装置では、図1のようにめっき浴31を満たした状態で電源装置7を用いてカソード電極組立体1Aとアノード電極組立体2との間に直流電圧を印加することにより、めっきシード層42上にめっき膜M1を成長させることができる。その様子を図4に示す。このめっき処理の際、めっきシード層42が主たる電極(カソード)となるのに対し、電極板12が補助電極として機能する。補助電極としての電極板12は、めっき膜M1の膜厚変動を抑制し、安定化させるように作用する。めっき膜M1の形成を進めるうち、電極板12の上面12Sを覆うように不要なめっき膜M12が徐々に堆積することとなるが、絶縁壁13や凸部11Tによってめっき膜M12の面内方向の広がりが防止される。すなわち、めっき膜M12は、厚み方向にのみ成長する。このため、めっき膜M1を形成するにあたり、実質的に補助電極の一部として作用するめっき膜M12における平面形状が維持される(表面積が変化しない)ので、電極板12およびめっき膜M12によって形成される電界分布の経時的な変化が抑制される。
このように、本実施の形態におけるカソード電極組立体1Aを備えためっき装置によれば、電極板12の内周縁12T1を覆うように立設する絶縁壁13を設けると共に、電極板12の外周縁12T2を取り囲むように立設する凸部11Tを設けるようにしたので、補助電極として機能する電極板12およびめっき膜M12が形成する電界分布の経時変化を低減し、安定しためっき処理をおこなうことができる。すなわち、被めっき物4のめっきシード層42上に、より均一性に優れた膜厚分布および組成分布を有するめっき膜M1を容易に形成することができる。さらに、電極板12を頻繁に交換することなく、複数の被めっき物4に対して良好なめっき膜M1の形成をおこなうことができる。
特に、本実施の形態では、電極板12の内周縁12T1の厚みがそれ以外の部分よりも薄くなっているので、電極板12の長寿命化を図ることができる。図5(A),5(B)は、絶縁壁13と電極板12との接合部付近を拡大して示した断面図である。図5(A)では、めっき膜M12の上面が端部において傾斜面12Kをなしており、中央付近の高さH1よりも内周縁12T1における高さH2のほうが低くなっている。ここで、高さH3(>H2)を有する絶縁壁13を内周縁12T1と接するように設けた場合には、高さH3と高さH2との差分に相当する高さH4(=H3−H2)のめっき膜M12を電極板12上に堆積させることができる。このとき、高さH1と高さH4との合計は、絶縁壁13の高さH3よりも大きい。一方、図5(B)に示したように、中央部分から内周縁212T1に至るまで均一の高さH201を有する電極板212を備えるようにした場合には、絶縁壁213の高さH203と高さH201との差分に相当する高さH4(=H3−H2)のめっき膜M12を電極板212上に堆積させることができる。ところが、高さH201と高さH204との合計は、絶縁壁213の高さH203と等しい値に留まる。高さH204を超えるような厚みのめっき膜M212を堆積させてしまうと、絶縁壁213の上端213Aを覆うように表面積を拡大してしまうこととなる。このように、同一の高さを有する絶縁壁13を設けた場合であっても、めっき膜M12の端部上面を傾斜させることにより、めっき膜M12をより厚く堆積させることができる。すなわち、電極板12の交換頻度を低減することができる。
[第2の実施の形態]
続いて、図6〜図8を参照して、本発明の第2の実施の形態としての電極組立体について以下に説明する。なお、本実施の形態の電極組立体は、上記第1の実施の形態と同様のめっき装置に搭載されるものであるので、第1の実施の形態と実質的に同等の構成部材については同じ符号を付し、その説明については適宜省略する。
図6,図7は、本実施の形態としてのカソード電極組立体1Bの構成を表している。図6は上面図であり、図7は、図6のVII−VII切断線に沿った矢視方向の断面図である。第1の実施の形態におけるカソード電極組立体1Aは、1つの電極板12を有している。これに対し、カソード電極組立体1Bは、2つの電極板12A,12Bを有している。電極板12Aは、開口1Kを形成するように円環状をなしており、一方の電極板12Bは、電極板12Bの外側に設けられ、やはり円環状をなしている。電極板12Aの内周縁は絶縁壁13によって覆われている。電極板12A,12Bは、絶縁壁13と同心円を描くように設けられた絶縁壁19によって互いに仕切られている。絶縁壁19は、絶縁壁13と同種の材料によって構成され、絶縁壁13と同様に電極板12A,12Bの膜厚よりも大きな高さ寸法を有している。すなわち、絶縁壁19の上端19Aは、電極板12A,12Bの上面12AS,12BSよりも高い位置に存在する。
電極板12A,12Bは、ねじN3,N4によって各々基体11に締め付け固定されている。ねじN3,N4は、基体11の一部に設けられた導電層17A,17Bとそれぞれ接している。また、導電基板16は、引き出し線18Cと連結された導電層17Cと接触するようにねじN5によって締め付け固定されている。導電層17A〜17Cは、互いに絶縁されており、引き出し線18A〜18Cを介して個別の電源装置(図示せず)と接続されている。したがって、このカソード電極組立体1Bでは、電極板12A,12Bおよび導電基板16に対し、互いに異なった電位に設定することが可能である。
このようなカソード電極組立体1Bを備えためっき装置を用いた場合においても、形成対象面4S上に均一性に優れためっき膜M1を形成することが可能である。図8は、その様子を表す断面図である。図8に示したように、形成対象面4S上にめっき膜M1を成長させるのに伴い、電極板12A,12Bの上面12AS,12BSをそれぞれ覆うように不要なめっき膜M12A,M12Bが徐々に堆積する。しかしながら、絶縁壁13,19および凸部11Tによってめっき膜M12A,12Bの面内方向の広がりが防止される。このため、めっき膜M1を形成するにあたり、実質的に補助電極の一部として機能するめっき膜M12A,M12Bにおける平面形状(表面積)が維持され、それら電極板12A,12Bおよびめっき膜M12A,M12Bによって形成される電界分布の経時的な変化が抑制される。
ところが、図16に示した比較例としてのカソード電極組立体101Bのように、電極板112Aの内周縁112T1を覆う絶縁部材を設けない場合には、図17に示したように、めっきシード層142上に形成されるめっき膜M101の膜厚が不均一となってしまう(端部が薄くなってしまう)。これは、めっき膜M112Aが、内周縁112T1をも覆うように成長することで自らの表面積を徐々に増大させてしまうので、電極板112Aおよびめっき膜M112Aの形成する電界分布が経時的に変化するからである。さらに、カソード電極組立体101Bでは、基体111の凸部111Tにおける上端111Sが上面112BSと同等の高さに位置するようになっているので、上端111Sを覆うように成長しためっき膜M112Bが形成される。めっき処理の進行に伴い、めっき膜M112Bの表面積は徐々に増大するので、電極板112Bおよびめっき膜M112Bの形成する電界分布も経時的に変化し、めっき膜M101の膜厚分布に悪影響を及ぼすこととなる。さらに、カソード電極組立体101Bでは、絶縁壁119の上端119Sが電極板112A,112Bの上面112AS,112BSと同等の高さに位置しているので、めっき処理の進行に伴い、絶縁壁119を乗り越えるようにめっき膜M112Aおよびめっき膜M112Bが成長し、互いに連結されてしまう。このため、電極板112Aと電極板112Bとが短絡する原因となる。
これに対し、本実施の形態におけるカソード電極組立体1Bでは、電極板12Aの内周縁12T1を覆うように立設する絶縁壁13を設けると共に、電極板12Bの外周縁12T2を取り囲むように立設する凸部11Tを設けるようにしている。このようなカソード電極組立体1Bを備えためっき装置を用いることにより、補助電極として機能する電極板12A,12Bおよびめっき膜M12A,M12Bが形成する電界分布の経時変化を低減し、上記第1の実施の形態と同様、より均一性に優れた膜厚分布および組成分布を有するめっき膜M1を容易に形成することができる。さらに、絶縁壁19の上端19Aが上面12AS,12BSよりも高く位置しているので、電極板12Aと電極板12Bとが短絡するのを遅らせることができる。よって、電極板12A,12Bの交換頻度を低減することができる。
[第3の実施の形態]
続いて、図9および図10を参照して、本発明の第3の実施の形態としての電極組立体について以下に説明する。なお、本実施の形態の電極組立体は、上記第1の実施の形態と同様のめっき装置に搭載されるものであるので、第1の実施の形態と実質的に同等の構成部材については同じ符号を付し、その説明については適宜省略する。
図9は、本実施の形態としてのカソード電極組立体1Cの構成を表している。ここでは、電極板12の内周縁12T1が導電基板16の内周縁16Tよりも外側(凸部11Tに近い側)に位置している。さらに、内周縁16Tは緩衝基板15によって覆われており、開口1Kに露出しないようになっている。また、絶縁壁13は開口1Kへ向かうほど高さが低くなっており、その上面13Sが傾斜をなしている。ただし、上端13Aは、電極板12の上面12Sよりも高い位置にある。このような構成により、図10に示したように、形成対象面4S上にめっき膜M1を形成するにあたっては電極板12上にめっき膜M12が堆積することとなるが、その表面積は維持される。すなわち、導電基板16の内周縁16Tとめっき膜M12の端部12Tとの距離(図10)は、導電基板16の内周縁16Tと電極板12の内周縁12Tとの距離D1と等しい。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。なお、距離D1を設けることにより、めっき浴31の電導度に応じた電界分布の最適化を行う際の自由度が広がる。
ところが、図18に示した比較例としてのカソード電極組立体101Cのように、電極板112の内周縁112T1を覆う絶縁部材を設けない場合には、図19に示したように、導電基板116の内周縁116Tと、実質的な補助電極の一部であるめっき膜M112の端部M112T1との距離D2がめっき処理の進行とともに変化し、距離D1よりも小さくなることにより、電界分布の最適な状態が崩れ、めっきシード層142上に形成されるめっき膜M101の膜厚分布が悪化する(不均一となる)傾向が見られる。
[第4の実施の形態]
続いて、図11および図12を参照して、本発明の第4の実施の形態としての電極組立体について以下に説明する。なお、本実施の形態の電極組立体は、上記第1の実施の形態と同様のめっき装置に搭載されるものであるので、第1の実施の形態と実質的に同等の構成部材については同じ符号を付し、その説明については適宜省略する。
図11は、本実施の形態としてのカソード電極組立体1Dの構成を表している。このカソード電極組立体1Dは、複数の凹部61が設けられた電極板6を有している。なお、凹部61は、少なくとも1つあればよい。複数の凹部61を設ける場合には、開口1Kを中心として対称に配置されていることが望ましい。例えば、円環状をなす複数の凹部61が開口1Kを取り巻いて同心円状に配置されるようにするとよい。
このような構成のカソード電極組立体1Dを搭載しためっき装置を用いた場合においても、形成対象面4S上に均一性に優れためっき膜M1を形成することが可能である。図12は、その様子を表す断面図である。図11に示したように、形成対象面4S上にめっき膜M1を成長させるのに伴い、電極板6の上面6Sを覆うように不要なめっき膜M6が徐々に堆積する。しかしながら、複数の凹部61が設けられていることにより、電極板6の表面積は、全く凹部のない平滑な形状をなす場合と比べて大きくなっている。このため、めっき膜M1を形成するにあたり、実質的に補助電極の一部として機能するめっき膜M6における表面積の増加速度(表面積の変化率)が低減され、電極板6およびめっき膜M6によって形成される電界分布の経時的な変化が抑制される。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
以下に述べる本発明の第1,第2の実施例(実施例1,2)は、それぞれ、上記第1および第4の実施の形態において説明したカソード電極組立体1A,1Dを備えためっき装置を用いて形成しためっき膜の膜厚分布について調査したものである。さらに、本発明の第3の実施例(実施例3)は、カソード電極組立体1Aとカソード電極組立体1Dとを組み合わせた構造、すなわち、凹部61を有する電極板6と絶縁壁13とを兼ね備えた構造をなす場合の例である。また、比較例として、図14に示したカソード電極組立体101Aを備えためっき装置を用いた場合の膜厚分布についても調査した。
ここでは、めっき基板として直径6インチのシリコン基板を用い、その上にニッケル(Ni)からなるめっき膜を、1μmの平均厚さを目標として形成するようにした。電極板としてはニッケルを用いた。膜厚分布(%)については、めっき基板上に形成されためっき膜における15点を測定し、以下の式(1)によって求めた。但し、Tmaxは15点のうちの最大値であり、Tminは15点のうちの最小値であり、Taveは15点の平均値である。
{(Tmax−Tmin)/Tave}×100 ……(1)
積算通電量(A・hr)と膜厚分布(%)との関係を表1にまとめて示す。
Figure 0005093202
表1の結果から、実施例1〜3は、比較例よりもめっき処理時間の経過に対して安定した膜厚分布を維持していることがわかった。特に、実施例1では、膜厚分布の変動がほとんど生じなかった。
以上、実施の形態および実施例(以下、実施の形態等)を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態等に限定されず、種々変形可能である。例えば、第1の実施の形態では、電極板12の内周縁12T1の全てを絶縁壁13によって覆い、かつ、電極板12の外周縁12T2の全てを基体11の凸部11Tによって取り囲むようにしたが、内周縁12T1または外周縁12T2の少なくとも一部と接するように絶縁部材を立設させればよい。また、第2の実施の形態では、補助電極としての電極板を、開口を中心とする同心円状に分割するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示したように、放射状に延びる絶縁壁8A〜8Dによって複数に分割された電極板12A〜12Dを設けるようにしてもよい。また、めっき方法としては、カソードとアノードと間の電位を一定とする直流めっきに限らず、パルスめっきを採用することも可能である。なお、パルスめっきの場合、めっき成長が進行する方向とは逆方向(すなわちエッチングが進行する方向)の電位が一時的に印加されたとしても、最終的にめっき膜が形成されるようにすればよい。
1(1A〜1E)…カソード電極組立体、1K…開口、11…基体、11T…凸部、6,12…電極板、12S…上面、12T…端面(内周縁)、13…絶縁壁、13A…上端、14…絶縁基板、15…緩衝基板、16…導電基板、17…導電層、18…引き出し線、2…アノード電極組立体、21…アノード、3…めっき槽、31…めっき浴、32…底部、33…上部、4…被めっき物、4S…めっき膜形成対象面、41…被めっき基板、42…めっきシード層、5…支持体、51…ステージ、52…シリンダ、7…電源装置、71,72…リード線、M1,M12…めっき膜、N1〜N5…ねじ、P1…パッキン。

Claims (4)

  1. 被めっき物と電気的に接続された主電極と、
    前記被めっき物の近傍に配置され、自らの露出面を覆うように形成されるめっき膜の、めっき処理の進行に伴う表面積の拡大を防止し得る拡大防止構造を有する補助電極と
    を含み、
    前記補助電極は、前記拡大防止構造として、前記露出面に少なくとも1つの凹部が設けられた金属板を有し、
    前記金属板は開口を有しており、前記開口に対応した位置に前記被めっき物が配置されるようになっている
    ことを特徴とする電極組立体。
  2. 前記金属板および主電極は互いに導通しており、共通の引き出し導線に接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電極組立体。
  3. 前記金属板および主電極は互いに絶縁されており、互いに異なる引き出し導線に各々接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電極組立体。
  4. 少なくともめっき浴が収容されるめっき槽と、
    前記めっき槽の内部に設けられ、前記めっき浴を介して互いに対向配置された一対の電極組立体と
    を備え、
    前記一対の電極組立体のうちのいずれか一方が、
    被めっき物と電気的に接続された主電極と、
    前記被めっき物の近傍に配置され、前記めっき浴と接する露出面を覆うように形成されるめっき膜の、めっき処理の進行に伴う表面積の拡大を防止し得る拡大防止構造を有する補助電極と
    を含み、
    前記補助電極は、前記拡大防止構造として、前記露出面に少なくとも1つの凹部が設けられた金属板を有し、
    前記金属板は開口を有しており、前記開口に対応した位置に前記被めっき物が配置されるようになっている
    ことを特徴とするめっき装置。
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