JP5091852B2 - 撹拌器のための駆動ユニットとして働く永久磁石モーター - Google Patents

Description

本発明は撹拌器に関する。とりわけ、本発明は、撹拌槽の底、壁又はカバーに取り付けられることができる撹拌器に関する。特に、本発明による撹拌器は相対的に形が大きくゆっくりと回転する撹拌器が必要とされるが、使用される空間が制限される用途に適用できる。従って、例えば、木材加工業の希釈槽、貯蔵塔等の中で使用される撹拌器が問題になる。

図１又は米国特許第５０４０８９９号の中に開示された撹拌器などの以前より知られた撹拌器があり、そこでは撹拌器は、撹拌器が使用される場所でその上に撹拌器が取り付けられる取付けフランジに関連して組み立てられた１つの独立した物の形を成している。図１の構成において、撹拌器フランジの内部に配置された撹拌器軸のための軸受がある。同様に、図１の場合には円錐で槽の内部に延在する支持体がその一端でフランジの上に取り付けられ、上述の支持体の反対側の端部で第２の軸受が撹拌器軸のために配置されている。言い換えると、撹拌器の軸は取付けフランジに全体として支えられている。撹拌手段が槽の内部で撹拌器軸の端部の上に取り付けられ、この撹拌手段はほとんどの場合従来のプロペラである。ギヤ・ホイールが取付けフランジのすぐ近くの外側で撹拌器軸の他端に直接取り付けられ、このギヤ・ホイールは撹拌器の減速ギヤの一部分を形成している。減速ギヤの駆動軸が、必ずではないが好ましくはその一端において上述の取付けフランジの上に、その他端の近くにおいて取付けフランジと関連して構成された本体部材の上に軸受と共に取り付けられるように、減速ギヤの他の部分は上述のギヤ・ホイールと接触しているように構成されている。上述の駆動軸にはその外側の端部にカップリングが設けられ、カップリングの一部分は従来の駆動モーターの軸の上に取り付けられている。また、駆動モーターは図の実施例ではカップリングの直後、槽から見てカップリングの外側に配置されている。

ある場合には、撹拌器駆動装置内のギヤ・ホイールにより実行される上に開示された減速ギヤはベルト駆動に置き換えられる。

上述された実施例と関係づけられる不利は、撹拌器が槽の外側に径方向に必要とする相対的に大きな空間である。これは時には、槽と、槽に関連して組み立てられるべき撹拌器との両方の位置にかなりの制限をつけることになろう。

他の不利は、例えば、
軸受、ギヤ・ホイール又はベルトなどの消耗しがちな部品、
オイル交換、再注油又はベルト張力調整などの駆動ユニットの保守の必要性、
動作及び状態の制御及び監視、
ギヤ力による軸方向荷重又はベルト張力によるラジアル荷重などの、駆動ユニットにより引き起こされる撹拌器への付加的な荷重、
駆動ユニットの構造に起因する損傷のしやすさが相対的に高いこと
などの、撹拌器駆動装置の機械的構成によって決まる様々な要因である。

本発明は、独立した減速ギヤ等を持たずに撹拌器軸の上に駆動ユニットを直接取り付けることを可能とする新しい保守が不要な駆動ユニットによって、従来技術による撹拌器の少なくともいくつかの不利を取り除くことを狙いとする。

本発明による撹拌器に特有である他の態様は、添付の特許請求の範囲から明らかになる。

本発明による構成の有利は例えば以降のとおりである；
駆動ユニットは動力伝達のために消耗しがちな軸受、ギヤ・ホイール又はベルトなどの部品を含まない。
駆動ユニットはオイル交換、再注油又はベルト張力調整などの保守を必要としない。
駆動ユニットは制御又は監視を必要としない。
駆動ユニットを損傷する恐れがほとんど存在しない。
ギヤ力の軸方向荷重又はベルトの張力によるラジアル荷重などの付加的な荷重が撹拌器に与えられない。
本装置のトルク曲線が水平であることから、駆動ユニットは撹拌器軸と撹拌手段とを過負荷による損傷から保護する。

本発明による撹拌器は添付の図面を参照してより詳細に説明される。

図１は従来技術による撹拌器のための従来の構成的解決を開示し、この図において撹拌器２は、この撹拌器が使用される場所でその上に撹拌器が取り付けられる取付けフランジ１０に関連して組み立てられた１つの独立した物の形を成している。図１の構成において、軸受１２が撹拌器軸１４のために撹拌器フランジ１０の内部に配置されている。同様に、（図示されないが、この図でフランジ１０から右に設置されるであろう）槽の内部に延在する本実施例では円錐である支持体１６が、その一端でフランジ１０の上に取り付けられている。第２の軸受１８が撹拌器軸１４のために上述の円錐の反対側の端部に配置されている。言い換えると、撹拌器軸１４は、その一端で直接的に、その他端で支持体１６を介して取付けフランジ１０に全体として支えられている。撹拌手段２０が槽の内側で撹拌器軸１４の端部の上に取り付けられ、ほとんどの場合、この手段は複数の羽根を備えた従来のプロペラである。撹拌器２の減速ギヤの一部分を形成するギヤ・ホイール２２が、（槽から見て）取付けフランジ１０のすぐ外側で撹拌器軸１４の一端に取り付けられている。ギヤ・ホイールの駆動軸２４が必ずではないが好ましくはその軸の一端の１つにおいて上述された取付けフランジ１０の上に、その他端の近くで取付けフランジ１０に関連して構成された本体部材２６に軸受と共に取り付けられるように、減速ギヤの他の部分は上述のギヤ・ホイール２２に接触しているように構成されている。上述の駆動軸２４は従来のカップリング２８によって従来の駆動モーター３０の軸３２に連結されている。図の実施例においては、駆動モーター３０もまた、カップリング２８の直後に槽から見てカップリングの外側に設置されている。

図１の実施例からは明らかにならないが、減速ギヤは機械的なものであるので注油を必要とし、これは、減速ギヤが撹拌器本体２６内部のシールされ、閉じられた空間の中に設置されなければならないことを意味する。また、シーリングに加えて本体内部の上述の空間は、例えば、ディップ・スティック、液面の管理窓又は同等構成であってよいオイルの量を監視するための手段を必要とする。

電動機により発生される相対的に小さなトルクを撹拌器にとってより適切なより大きなトルクに変更するもう１つの方法は、それにより同時に電動機の速い回転速度が撹拌器のより遅い回転速度に変化するが、ベルト駆動を使用することである。しかしこれはまた、ベルトの状態の監視並びに起こり得るベルトの破損を考慮した保護カバーを必要とする。両方の駆動タイプとも、駆動装置自体の軸並びに撹拌器軸にラジアル及び軸方向の両負荷をかける。

例えば上述された問題は、撹拌器の駆動装置として新しい種類の永久磁石モーターを用意することによって図２による撹拌器において解決されている。そのモーターは磁束モーターとも呼ばれる。図２に示された撹拌器は、主に槽の内側の撹拌器の部品としては従来技術による撹拌器と同一の部品を部分的に備えている。同一の参照番号が上述の部品に関連して使用される。言い換えると、本発明による撹拌器は、円錐形又はいくつかの他の適切な形状である撹拌器のための支持体１６がそこから槽の内側に延在する取付けフランジ４０によって、槽に取り付けられる。軸４２の軸受構成１８とその軸受構成によって必要とされる少なくともシーリングが、上述の支持体１６の反対側の端部に設置される。実際の撹拌手段２０は撹拌器軸４２の上に取り付けられる。

また、撹拌器軸４２は軸受４４と共に取付けフランジ４０の上に取り付けられる。従来技術の解決に対する例外として撹拌器軸４２は槽の壁、底又はカバーからさらに遠くへ延在し、これによりラジアル・ディスク４８が軸４２の上に、必ずではないが好ましくは実質的にその軸４２の一端の上に、取付けフランジ４０から一定の間隔を置いて取り付けられ、このラジアル・ディスク４８には互いから等しい周方向距離にある永久磁石が設けられる。上述のディスク４８及び撹拌器軸の端部はケーシング５０によって囲まれ、ケーシングの又はケーシングに関連した径方向の壁５２、５４に、ディスクの永久磁石に実質的に対向するコイル５６が設けられる。上述のコイル５６は、ディスク４８の一面に面してだけ、言い換えればケーシング５０の一方の側壁の上にだけ見出されてよいけれども、好ましくは、ケーシング５０にはディスク４８の両面に面してコイル５６が設けられる。言い換えると、上述のディスク４８は永久磁石モーター４６の回転子４８を形成し、コイル５６を備えた上述のケーシング５０は上述のモーターの固定子を形成する。図の実施例では固定子５０は中間スリーブ５８によって撹拌器の取付けフランジ４０に取り付けられる。このようにして、駆動ユニット４６は、軸４２のためのトルクが固定子５０のコイル５６を通じて永久磁石が設けられた回転子４８に電気的に発生されるような態様で、永久磁石モーターの原理に従って動作する。永久磁石モーターの動作は、モーターの回転速度及びモーターが発生するトルクの双方が確実にそして正確に制御されることができる周波数変換器によって制御される。

上述された実施例は、撹拌器フランジが取り付けられる槽の壁又は同等位置にきわめて近接して撹拌器駆動装置を取り付けることを可能にする。実際には、槽の壁等からいくらかの距離を必要とする唯一のことは軸受４４の注油であるが、この注油は槽の外側から、言い換えると撹拌器の取付けフランジ４０と永久磁石モーター４６の固定子５０の間から実行されるように好ましくは準備される。それにもかかわらず、フランジ４０の内部の軸受ハウジングをこの軸受が撹拌手段２０にある程度より近づくように配置されるように構成することによって、軸受の注油はフランジ自体の中に構成されたチャンネルを通じて実施されることができ、それによって永久磁石モーターの固定子が撹拌器の取付けフランジの上に直接取り付けられることができる。場合によっては、撹拌器のフランジ４０をケーシング５０に一体化し、フランジ４０に面しているケーシング５０の側壁５４により近接して一体化することさえ可能である。

上の説明からわかるように、従来の撹拌器よりも大幅に簡潔でより信頼性が高くより場所をとらない新しい種類の撹拌器が提供される。しかしながら、本発明は開示された実施例に限定されることはなく、本発明の態様並びに他の応用の様々な組合せ及び／又は修正を添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲内に含むことが意図されることを理解されたい。

従来技術による撹拌器を概略的に示す図である。 本発明による撹拌器を概略的に示す図である。

Claims (9)

1. 撹拌器を槽又は塔に取り付けるための少なくとも１つの取付けフランジ（４０）と、
   前記取付けフランジ（４０）上の第１の軸受（４４）及び前記取付けフランジ（４０）から前記槽又は塔の中へ延在する支持体（１６）上の第２の軸受（１８）によって取り付けられた撹拌器軸（４２）と、
   前記撹拌器軸の一端に取り付けられた撹拌手段（２０）と、
   前記撹拌手段（２０）とは反対側の前記撹拌器軸（４２）の他端に接続された、前記撹拌手段を駆動する駆動ユニットにして、前記撹拌器軸（４２）の前記他端に取り付けられたディスク（４８）と、前記ディスク（４８）を囲むケーシング（５０）とを有した撹拌器において、
   前記第２の軸受（１８）が前記槽又は塔内に位置していて、
   前記ディスク（４８）には、該ディスク（４８）の少なくとも一つの放射状側面上に永久磁石が設けられていて、前記ケーシング（５０）には、該ケーシング（５０）の少なくとも一つの側壁上にコイル（５６）が設けられていて、前記永久磁石と前記コイルが協働して永久磁石モーターを形成していることを特徴とする撹拌器。
2. 前記コイル（５６）が設けられた前記少なくとも一つの側壁が、前記ディスク（４８）を囲む前記ケーシング（５０）の実質的に放射状の側壁（５２、５４）であることを特徴とする請求項１に記載の撹拌器。
3. 前記コイル（５６）が設けられた前記少なくとも一つの側壁が、前記ディスク（４８）を囲む前記ケーシング（５０）の前記実質的に放射状の側壁（５２、５４）の両方に配置されることを特徴とする請求項１又は２に記載の撹拌器。
4. 前記永久磁石が、互いから均等な周方向距離で前記ディスク（４８）の上に配置されることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の撹拌器。
5. 前記ケーシング（５０）が、前記ケーシングの側壁（５４）によって前記撹拌器のフランジ（４０）に取り付けられることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の撹拌器。
6. 前記ケーシング（５０）が、中間スリーブ（５２）によって前記撹拌器のフランジ（４０）に取り付けられることを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の撹拌器。
7. 前記ケーシング（５０）が、前記撹拌器のフランジ（４０）に一体化されていることを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載の撹拌器。
8. 前記撹拌器のフランジ（４０）には、前記フランジ（４０）に関連して構成された前記軸受（４４）に給油するための手段が設けられていることを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載の撹拌器。
9. 撹拌器が撹拌器のフランジ（４０）によって前記槽又は塔の底、壁又はカバーの上に取り付けられることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の撹拌器。

Images