JP5090654B2 - 色素増感太陽電池用表面側電極部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層及び該透明導電膜層の上面に、増感色素を吸着する金属酸化物の微粒子群からなる層を積層してなる色素増感太陽電池用表面側電極部材及びその製造方法に関する。
現在、単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコン半導体を用いた太陽電池が、電卓などの電気製品や住宅用などの建材に用いられている。しかしながら、このようなシリコン半導体を用いた太陽電池の製造には、プラズマCVDや高温の結晶成長プロセスなど高精度のプロセスが用いられるため、多大のエネルギーを必要とすると共に、真空を必要とする高価な装置が必要なために製造コストが高くなっている。
そこで、低コストで製造可能な太陽電池として、例えば、酸化チタンのような金属酸化物半導体にルテニウム金属錯体のような光増感色素を吸着させた材料を電極として用いた色素増感太陽電池が提案されている。
色素増感太陽電池には、例えばインジウムを添加した酸化スズのような透明導電膜層を設けた透明ガラス板あるいは透明樹脂板のような透明絶縁材料の透明導電膜層側に、例えばルテニウム錯体からなる色素を表面に吸着した酸化チタンなどを半導体層として形成した表面側電極である負極、及び対向面側電極として正極となる白金などの金属層あるいは導電膜層を設けた透明ガラス板あるいは透明樹脂板のような透明絶縁材料との間に、電解質の液を封入したものがある。色素増感太陽電池に光が照射されると、負極では光を吸収した色素の電子が励起し、励起した電子が半導体である酸化チタンの微粒子群からなる層に移動し、更に、透明導電膜層へと導かれ、正極では導電膜層からくる電子により電解質を還元する。還元された電解質は色素に電子を伝えることで酸化され、このサイクルで色素増感太陽電池が発電すると考えられている(特許文献1)。
現在、色素増感太陽電池は、シリコン太陽電池に比して照射光エネルギーに対する発電エネルギー効率が低く、その効率を上げることが実効的な色素増感太陽電池を製造する上で重要な課題となっている。色素増感太陽電池の効率は、それを構成する各要素の特性や、更にそれら要素の組み合わせによっても影響を受けると考えられており、さまざまな試みがなされている。中でも、半導体層である酸化チタン等の金属酸化物の微粒子群からなる層は、色素から受け取った電子を導電層へ導く重要な役割を担っており、高効率化への寄与が大きいと考えられている。
一方、金属酸化物自体の電子の伝達に関する特性が向上しても、例えば、金属酸化物と透明導電膜層との界面において抵抗が存在すれば、結果として色素増感太陽電池の効率を低下させる原因になると考えられる。また、透明導電膜層と金属酸化物の微粒子群からなる層との界面抵抗は、それらの層の界面の密着強度と関連すると考えられる。従来から透明導電膜層に金属酸化物としての酸化チタンの微粒子群からなる層をスピンコート法、印刷法又はスプレーコート法等の方法で積層した後、400℃以上の温度で焼成して、該透明導電膜層と該酸化チタンの微粒子群からなる層の密着強度を向上させ、界面抵抗を低下させる試みがなされているが、十分満足できる成果は得られなかった。
更に、透明導電膜層を設けた透明基板が400℃以上の高温に耐えられない場合には、400℃以上の温度で焼成することができず、その結果として密着性が向上できないため、色素増感太陽電池としたときの特性の低下を引き起こしていた。
最近、高速フレーム溶射やプラズマ溶射など各種の溶射法が普及し、光触媒機能皮膜の分野にも適用が開示されている(特許文献2、3)。しかし、溶射法は高温のガスやプラズマを使用するため、溶射される金属酸化物が酸化チタンの場合、その結晶構造が光触媒機能を有するアナターゼ型から、光触媒機能を有さないルチル型へと変態し、基材に被覆した酸化チタンの微粒子群が十分な光触媒機能を発揮できない場合が生じる。一方、溶射温度が低過ぎると、酸化チタンの微粒子群からなる層の基板との密着強度が低下し、光触媒機能皮膜を安定して形成することができない場合もある。このため色素増感太陽電池において、酸化チタン等の金属酸化物の微粒子群からなる層を溶射法により積層した事例は、見当たらない。
特公平8-15097号公報 特開 2005-68457号公報 特開 2004-39286号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、色素増感太陽電池用の透明導電膜層と金属酸化物の微粒子群からなる層との界面における密着強度を向上させることにより、該界面抵抗を低下させ、電子の伝達が損失するのを抑制した電極部材及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、色素増感太陽電池用の表面側電極部材に関して多くの実験を重ね、透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層及び該透明導電膜層の上面に、金属酸化物の微粒子群からなり、鉛筆硬度が3H以上の界面引っかき強度を有する層が積層されてなる表面側電極部材を用いることで、該色素増感太陽電池の特性が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、透明基板の片側表面に設けられた透明導電膜層及び該透明導電膜層の上面に設けられた金属酸化物の微粒子群からなる層(A)が形成された積層構造を有し、該層(A)の引っかき強度が鉛筆硬度3H以上を有する色素増感太陽電池用の表面側電極部材の製造方法に係る。
ここで、層(A)を形成する金属酸化物としては、50重量%以上が酸化チタンであり、酸化チタンの50重量%以上がアナターゼ型の結晶構造であることが好ましい。また、透明基板としては、樹脂基板であることが好ましい。
また、本発明は、上記の表面側電極部材の製造する方法であって、金属酸化物の微粒子群と分散媒とからなるスラリーを、燃料、酸素及び空気を混合して燃焼する高速フレーム溶射装置の噴射ノズルから高速フレームと共に噴射して、該噴射ノズルと対向する位置に配した透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を高速フレーム溶射法により積層するに当たり、該フレーム温度が噴射ノズルの先端から100mmの位置で1500℃以下であり、かつ該フレームの速度が噴射ノズルの先端で500m/s以上であることを特徴とする表面側電極部材の製造方法である。
更に本発明は、高速フレーム溶射法により積層された層(A)の表面層の一部を除去する上記の表面側電極部材の製造方法である。また、本発明は、上記層(A)の上面又は該層(A)の表面層の一部を除去した後の層(A’)の上面に、更に金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層する上記の表面側電極部材の製造方法である。更に本発明は、上記層(A)、層(A')又は層(B)を積層した後の表面側電極部材を200〜600℃に10分以上保持して焼成する上記の表面側電極部材の製造方法である。
また、本発明は、上記の表面側電極部材を使用したことを特徴とする色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池用の表面側電極部材は、透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層及び該透明導電膜層の上面に、金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を有する。層(A)には、色素を吸着させて表面側電極とする。
透明基板としては、透明な絶縁材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば通常のガラス板やプラスチック板などが使用できる。更に基材は、屈曲性のあるものでもよく、例えばPET樹脂などが挙げられるが、約500℃を上限にして金属酸化物を基板に焼付ける工程に耐え得る耐熱材料が好ましく、例えば透明なガラス板が最適である。しかし本発明では、上記の約500℃を上限にした金属酸化物を基板に焼付ける工程を省略しても、発電可能な色素増感太陽電池が製作可能であるため、耐熱性を持たない基板の場合でも本発明に用いることができるので、透明な樹脂基板が優れる。
透明基板の片側表面に設ける透明導電膜層としては、いわゆる透明電極として公知のITO、FTO、ATOあるいは、これらを組み合わせたものを用いることができる。更には、透明性を損なわない厚みの金属層であってもよい。これらの透明導電膜層を設ける方法は、特に限定されるものではなく、スパッタリング、蒸着、CVD、PVD、スプレー、レーザアブレーションなどの手法の他、ペースト化した各種材料を用いれば、スピンコート法、バーコート法、スクリーン印刷法の手法など、既知の手法を用いることができる。
透明導電膜層の上に設けられる金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を構成する金属酸化物としては、半導体の性質を持つものを使用し、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステンなどが挙げられるが、好ましくは酸化チタン又は酸化チタンを主成分とする金属酸化物である。最も好ましくは、酸化チタンを50〜100重量%含む金属酸化物である。また、1種類以上の元素をドーピングした酸化チタンも好ましい。金属酸化物の一部又は全部が酸化チタンの場合、層(A)中の酸化チタンの微粒子群のうち50重量%以上、好ましくは70重量%以上がアナターゼ型結晶構造を有することがよい。アナターゼ型結晶構造の酸化チタンを、600℃を超える高温で焼成すると、アナターゼ型結晶構造がルチル型へ変態し、アナターゼ型結晶構造の重量%が50%を下回ると、色素増感太陽電池としての特性が低下するので好ましくない。以下、金属酸化物を酸化チタンで代表して説明することがあるが、この場合、酸化チタンは一例であると理解される。
金属酸化物は、微粒子群であることが必要であり、粒子の平均径が5〜500nm、好ましくは10〜200nmの微粒子群であることが望ましい。ここで粒子の径とは、微粒子群を構成する粒子の最小単位を示す直径で、いわゆる一次粒子径と呼ばれるものである。
金属酸化物の微粒子群からなる層の研摩又は研摩と積層などを繰り返すことにより、変換効率のより優れた色素増感太陽電池用の電極部材を得ることができる。すなわち、金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を、透明導電膜層の上面に積層した後で層(A)の一部を研摩などにより除去して平坦化した層(A’)とすることが好ましい。更に、層(A)又は層(A’)の表面に金属酸化物の微粒子群からなるスラリーを既知の印刷法などで、更に金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層することが好ましい。
本発明の表面側電極部材は、前記金属酸化物の微粒子群からなる層(A)の引っかき強度が、鉛筆硬度として3H以上である。好ましくは4H〜10Hの範囲である。ここで、層(A)の引っかき強度は、色素を吸着させる前の状態で測定される。また、層(A)の表面の一部を除去する場合は、除去後の層(A')とした状態で測定される。なお、層(B)を設ける場合は、層(B)を設ける前の状態で測定される。
ここで鉛筆硬度とは、各々所定の硬度を示す鉛筆を該金属酸化物の微粒子群からなる層の表面に押し付けて引っかき、金属酸化物の微粒子群からなる層(A)又は(A')の剥離の有無を確認することによって、該金属酸化物からなる層の基板との密着強度を簡易的に判定する方法である。B、HB、F、H、2H、・・・の順で使用する鉛筆の硬度を変更することで対象物である該金属酸化物からなる層と基板との密着強度を簡易的に測定するもので、硬い鉛筆での引っかきに耐えるもの程、密着強度が大きくなることを示している。この引っかき強度とは、JIS K 5600に基づく方法で評価した指標を示し、引っかき強度と色素増感太陽電池の特性とが関連する詳細なメカニズムは、現在不明確ではあるが、色素が光を吸収することにより、発生した電子が金属酸化物の微粒子群からなる層に移動し、更に微粒子間を通って該導電膜層へ移行する際の界面抵抗が、該金属酸化物の微粒子群からなる層と該導電膜層の密着強度が強いほど小さくなり、結果として該引っかき強度が大きいと、色素増感太陽電池の発電ロスが小さくなるためと考えられる。
次に、本発明の表面側電極部材の製造方法について説明する。本発明の製造方法では、金属酸化物の微粒子群と分散媒とからなるスラリーを、燃料、酸素、空気を混合して燃焼する高速フレーム溶射装置の噴射ノズルから高速フレームと共に噴射して、該噴射ノズルと対向する位置に配した透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を積層する。この際、該フレーム温度が噴射ノズルの先端から100mmの位置で1500℃以下であり、かつフレームの速度が噴射ノズルの先端で500m/s以上となるように制御する。
一般に溶射フレームの温度と速度は、いずれも噴射ノズルの先端から離れるに従い低下するため、本発明において溶射フレームの温度とは、噴射ノズルの先端から100mmの距離で測定した温度であり、溶射フレームの速度とは、燃料及び酸素、空気の混合比とそれによる燃焼温度から計算される速度であると定義する。
溶射フレームの燃焼温度は、公知の如く、白灯油など燃料の種類や流量、酸素と空気を混合したガス中の酸素量及びスラリーの濃度等によって調節することができる。溶射材料としては金属酸化物の微粒子群に水あるいはアルコール等の有機溶媒等の分散媒と混合したスラリーを用いることができ、該スラリーにおける金属酸化物微粒子群の濃度は5〜50重量%の範囲が適当である。
透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を高速フレーム溶射法により積層した後で、(A)層の一部を研磨等で除去して(A')層することでよりよい性能が得られる。
透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を高速フレーム溶射法により積層した後で、従来からの電極部材の製造方法において金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層することによってもよりよい性能が得られる。また、(A')層に同様に層(B)を積層することによってもよりよい性能が得られる。
ここで、層(B)を積層する方法は既存法でよく、既存法は特に限定されるものではなく、スピンコート法、印刷法、あるいはスプレーコート法等が挙げられ、金属酸化物の微粒子群を水及びアルコール等の有機溶媒と混合してペーストを作製し、該ペーストをマスクなどを用いて、透明基板の透明導電膜層の上に堆積させた後400℃以上で焼成し、あるいは焼成することなしに室温で乾燥のみを行う方法がある。層(B)を積層することによって、金属酸化物の微粒子群からなる層の皮膜特性や該皮膜を用いた電極部材の性能が極めて高い色素増感太陽電池が得られる。なお、層(A)及び層(B)を構成する金属酸化物の微粒子は上記で説明したものであれば同一であってもよく、異なってもよいが、いずれも酸化チタン又はこれを主成分とするものであることが好ましい。
透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)又は(A’)の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層した後の表面側電極部材を200〜600℃に10分以上保持すると電極性能が向上する。ここで、200℃未満の温度あるいは10分未満の保持時間では焼成の効果が乏しく、600℃を超える温度では該透明導電膜層が損傷し、該透明導電膜層の電気抵抗が著しく増大する。
本発明によれば、透明導電膜層と金属酸化物の微粒子群からなる層との界面における電子伝達の損失を抑制することができ、特に電池特性で重要なフィルファクター (FF) が向上した高い変換効率を有する色素増感太陽電池を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一例を詳細に説明する。
図1は本発明の電極部材を用いた本発明の色素増感太陽電池の基本構成を示したものである。本発明の表面側電極部材は、基本的に特許文献1に開示されたと同様の基本構成をもつ色素増感太陽電池に適用できる。
すなわち、透明基板1上に、透明導電膜層2と色素を吸着する金属酸化物の微粒子群からなる層3の順に積層した表面側電極10、及び基板4上に導電層5が設けられた対向面側電極11を有し、両電極間に電解質6を配した構成である。そして、表面側電極の金属酸化物の微粒子群に色素が吸着されていない状態における基板1上の透明導電膜層2と金属酸化物の微粒子群からなる層3の順に積層されたものを表面側電極部材という。
透明基板1の表面に基材の透明性を損なわないような透明導電膜層2を設ける方法は、特に限定されるものではなく、スパッタリング、蒸着、CVD、PVD、スプレー、レーザアブレーションなどの手法の他、ペースト化した各種材料を用いれば、スピンコート法、バーコート法、スクリーン印刷法の手法など、既知の手法を用いることができる。透明導電膜層2の膜厚は、特に限定されるものではないが、実験結果によれば、例えば1〜100μmの範囲が挙げられる。本発明では定めた膜厚を得るため、積層した後で金属酸化物の微粒子群からなる層の表面を研摩して、膜厚を調整することができる。このとき、表面層の凹凸はできるだけ少なくするのが良く、好ましくは凹凸の差が定められた膜厚の10%以下、更に好ましくは5%以下である。
透明導電膜層2の表面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を設ける。この方法として、高速フレーム溶射法を用いることが有利である。高速フレーム溶射法は、例えば特許文献2に開示されている装置及び手法を用いることができる。図2は高速フレーム溶射法の原理を示した図である。図2では白灯油等の燃料12を、酸素と空気を混合したガス13と共に燃焼室14で燃焼し、フレーム(火炎)を発生させ、燃焼室と直結した噴射ノズル15から、フレームと垂直に配置した透明導電膜層19を積層した透明基板18に対して高速フレーム20を噴射させる。噴射ノズルには霧化したスラリー17を噴射ノズル内へ吹き込む注入口が設置されており、該注入口からスラリーを高速フレームへ混入する。なお、燃焼室等の材質は冷却水16によって保護される。高速フレーム溶射法に使用される装置の詳細は、例えば特許文献2が参照される。
高速フレーム溶射法の積層では、噴射ノズルの先端から100mmの距離における溶射フレームの温度が1500℃以下、好ましくは1000℃以下とする。金属酸化物の50重量%以上が酸化チタンの場合、該溶射フレームの温度が1500℃を超えると、アナターゼ型結晶構造の酸化チタンが基板に到達する前にルチル型へ変態し、更に酸化チタンの微粒子群の一部が溶融する温度の場合には、積層された酸化チタンが微粒子の形状を留めず、該色素増感太陽電池の特性を著しく低下させる原因となる。
また、噴射ノズルから噴射される金属酸化物の微粒子群を含むフレームの速度は、噴射ノズルの先端で500m/s以上が必要で、これを下回る速度の場合には、積層された金属酸化物の微粒子群が十分な密着強度を得ることができず、従って色素増感太陽電池の特性を低下させる原因となる。溶射フレームの温度と速度は、使用する燃料の種類や燃料、酸素及び空気の混合比、スラリーの濃度及び噴射ノズルの形状などで制御することが可能である。噴射ノズルと透明基板との距離は、該噴射ノズルの先端から略100〜500mmであることが好ましいが、温度条件等によって変動する。
多くの実験を積み重ねた結果、該透明導電膜層2の上面に金属酸化物の微粒子群と水などの分散媒を混合した種々の濃度のスラリーを、噴射ノズル先端から100mmの距離における溶射フレームの温度が1500℃以下の低温高速フレーム溶射法で積層した表面側電極部材は、鉛筆硬度が3H以上の界面引っかき強度を有し、金属酸化物の50重量%以上が酸化チタンの場合には、該酸化チタンの50重量%以上がアナターゼ型結晶とすることが容易であることを見出された。更に、該表面側電極部材を用いた色素増感太陽電池は、フィルファクターや変換効率などの電池性能が格段に向上し、鉛筆硬度が6H以上になれば、これらの特性がもっと良くなる結果を得た。
また、金属酸化物の微粒子群をスラリー化するときに用いる分散媒は、特に限定されるものではなく、例えば水あるいは水と有機溶媒との混合液であってもよい。スラリーの固形分濃度についても、特に限定されるものではないが、好ましくは効率的な積層速度が実現でき、かつノズル閉塞を起こさない濃度であり、固形分は5〜50重量%である。
金属酸化物の微粒子群を透明導電膜層の上面に積層する方法としては、従来から例えば分散媒などを用いてペースト化した酸化チタンの微粒子群を、スピンコート法、印刷法、スプレーコート法など各種の手法を用いて積層した後で、500℃を越える温度で焼結する方法が考えられ、適用されてきた。しかしながら、酸化チタンの微粒子群からなる層を600℃を超える温度で焼結すると、アナターゼ型結晶構造の重量%が減少するだけでなく、透明導電膜層の透過率が低下したり、面抵抗が増大するなど電極としての特性が低下し、更に基板によっては、損傷、変形、あるいは失透などを引き起こし、色素増感太陽電池の特性を著しく低下させる原因となる。
また、前記の透明導電膜層を各種の手法により形成した後で、プレス機などで酸化チタンの微粒子群からなる層を透明導電膜層へ、機械的に圧着する方法も考えられるが、透明基板がガラスの場合には該基板の割れや、基板が樹脂の場合には該基板の凹みや変形を引き起こすため、工業的な生産効率の点からも好ましい方法とはいえない。
例えば特許文献3には、多孔質微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けて吹き付けて、前記の酸化チタンの微粒子群を堆積させる方法が開示されている。しかしながら、単に吹き付けるだけでは密着強度の大きな層を得ることが困難である。
上記のようにして得られた層(A)を、最初に高速フレーム溶射法で透明導電膜層の上面に積層した後で、該溶射層の表面に直接又は該表面層の一部を研摩などにより除去して該酸化チタンなど金属酸化物の微粒子群からなるスラリーを既知の印刷法などで、更に金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層すると良好な表面側電極部材となる。
金属酸化物の微粒子群からなる層(B)の膜厚は、特に限定されるものではないが、実験結果によれば、例えば1〜100μmの範囲が挙げられる。本発明では定めた膜厚を得るため、積層した後で金属酸化物の微粒子群からなる層の表面を研摩して、膜厚を調整することができる。このとき、表面層の凹凸はできるだけ少なくするのが良く、好ましくは凹凸の差が定められた膜厚の10%以下、更に好ましくは5%以下である。
積層された金属酸化物の微粒子群からなる層は、その膜厚方向に対して積層を繰り返したものでもよく、例えば、膜厚10μmの金属酸化物の微粒子群からなる層のうち、透明導電膜層に接触する1μmは、前記の高速フレーム溶射法で積層し、残りの9μmは印刷法などの既存法で、1回あるいは複数回の工程を経て作製されたものでもよい。この場合、残りの9μmの層が層(B)となる。
金属酸化物の微粒子群の層に吸着させる色素としては、増感作用を示すものであれば、特に限定されるものではないが、シス-L2ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体(ここで、LはCl、BR、I、CN又はSCNを示す)などのルテニウム錯体であることが好ましい。色素の吸着により金属酸化物の微粒子群からなる層又は微粒子の表面に、色素の層が形成される。色素の吸着により金属酸化物の微粒子群からなる層又は粒子の表面に、色素の層が形成される。この方法についても特に限定されるものではないが、適当な溶媒に色素を溶解した溶液中に、電極部材である基板1の上に透明導電膜層2及び金属酸化物の微粒子群からなる層を形成したものを浸す、いわゆる含浸法などを挙げることができる。
次に、以上説明した表面側電極部材を用いて色素増感太陽電池を作製する場合の例を以下に説明する。
表面側電極部材に含浸法などにより色素を吸着させ、必要によりこれを加熱又は乾燥して、表面電極10とする。この表面電極10は、図1に示すように、色素増感太陽電池の正極となる電極(対向面側電極)11と対向して配置する。正極となる電極は、導電性の金属などでよく、また、例えば通常のガラス板やプラスチック板などの基板4に金属膜や炭素膜等の導電膜5を施したものでもよい。
負極となる表面側電極10と、正極となる対向面側電極11の間には、電解質層を設ける。この電解質層の種類は、光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されず、液状の電解質であってもよく、これに公知のゲル化剤(高分子あるいは低分子のゲル化剤)を添加して得られるゲル状の電解質であってもよい。
例えば、溶液電解質に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2 等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール、アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン、キノン等が挙げられる。電解質は混合して用いてもよい。
電解液に溶媒を使用する場合は、粘度が低く高イオン移動度を示し、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒の例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、ジメチルスルホキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質、水等が挙げられる。これらの溶媒は混合して用いることもできる。
また、電解質としては、高沸点を有する溶融塩電解質でもよい。溶融塩電解質は、通常は組成物であり、溶融塩を含む。溶融塩電解質は常温で液体であるのが好ましい。主成分である溶融塩は室温において液状であるか又は低融点の電解質であり、その一般的な例としては「電気化学」、1997年、第65巻、第11号、p.923 等に記載のピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等が挙げられる。溶融塩は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、LiI、NaI、KI、LiBF4、CF3COOLi、CF3COONa、LiSCN、NaSCN等のアルカリ金属塩を併用することもできる。通常、溶融塩電解質組成物はヨウ素を含有する。溶融塩電解質の揮発性は低いことが好ましく、溶媒を含まないことが好ましい。溶融塩電解質はゲル化して使用してもよい。
このような電解質層を設ける方法は特に限定されるものではなく、例えば両電極の間にフィルム状のスペーサ7を配置して隙間を形成し、その隙間に電解質を注入する方法でも良く、また、負極内面に電解質を塗布などした後に正極を適当な間隔をおいて積載する方法でも良い。電解質が流出しないよう、両極とその周囲を封止することが望ましいが、封止の方法や封止材の材質については特に限定するものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明について更に詳細に説明する。
まず、片面にフッ素ドープ酸化スズ(FTO)からなる厚み400nmの透明導電膜層を形成した30mm×30mm×2mmのガラス基板、あるいは片面に酸化インジウム(ITO)からなる厚み400nmの透明導電膜層を形成した30mm×30mm×0.1mmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)の透明導電膜層の上に、下記の酸化チタンの微粒子群からなる層を、低温の高速フレーム溶射法により積層した場合の方法について説明する。
使用した酸化チタンの粒子径は5〜200nmの微粉体であり、搬送段階での凝集を抑制し、供給を安定化させるため、純度が90%以上のアナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンの該微粉体を、水又は例えばアルコールやアセトンなどの有機溶媒と混合してスラリー化する。ここでスラリーの濃度は特に限定されるものではないが、固形分すなわち該酸化チタンの微粒子群の濃度は5〜50重量%である。
低温の高速フレーム溶射法及び該溶射法におけるスラリーの供給には、特許文献2に示される溶射温度可変型の高速フレーム溶射装置(以下、単に溶射装置という)、及びスラリーの供給方法が適用できる。まず、酸化チタンの微粒子群と水とからなるスラリーを、攪拌機能を備えた加圧機に投入した後で、スラリーポンプにより霧吹き方式の霧化器を介して、霧状の該スラリーを図2の溶射装置の噴射ノズルへ送給する。
図2で燃焼室の上流側には、所定の混合比率に調整された酸素ガス及び空気からなる高圧のガスを製造する混合手段が設けられている。該溶射装置は、燃料量に対する酸素、空気の量又は酸素、空気の量に対する燃料量を増減させることにより、溶射フレームの温度を可変に調節でき、高温で高圧の火炎(フレーム)を小径のノズルから噴出させて高速の溶射フレームを得る構造になっている。
実施例の溶射条件は、高速フレーム溶射法の燃料として用いた白灯油の流量が2〜5Gallon/Hr、酸素の流量が1500〜1900ft3/Hr、空気混合比率が0〜75%、及びスラリーにおける酸化チタンの濃度が5〜50重量%である。また、噴射ノズルの先端と前記の透明導電膜層を積層した透明基板との距離は、該噴射ノズルの先端から略100〜400mmの距離に設置して、酸化チタンの微粒子群からなる層を積層した。
この場合、溶射フレームの温度は噴射ノズルの先端から100mmの距離で測温し、該フレームの速度は、噴出ノズルの先端での速度を、各々の燃焼温度から計算により求めた。それらの結果、溶射フレームの噴射ノズル先端から100mmにおける温度は、1500℃以下で、該溶射フレームの速度は、1500〜1800m/s であった。また、本条件で溶射した酸化チタンの微粒子群からなる層は、鉛筆硬度が3H以上で、アナターゼ型結晶構造の残存率が50%以上であることを確認した。更に酸化チタンの微粒子群からなる該溶射層の厚みは、5〜50μmであった。
次に、酸化チタンの微粒子群からなる層を、最初に高速フレーム溶射法で積層した後で、該層に直接又は表面層の一部を除去して、更に酸化チタンの微粒子群からなる層を印刷法で積層した電極部材を作成した。印刷法で積層する場合の方法は、高速フレーム溶射法の場合と同じ酸化チタンの微粒子群を用い、水と混合してペーストを作製し、マスクを用いてガラス基板の透明導電膜層側に5mm×20mmの範囲に該ペーストを堆積させ、500℃で焼成し、あるいは焼成することなく室温で乾燥のみ行い、電極部材を作成した。焼成は通常の電気炉で行い、該電気炉に500℃で30分間保持した後、大気中で放冷した。
作成した電極部材の透明導電膜層と酸化チタンの微粒子群からなる層の引っかき強度はJIS K 5600による方法でUniMITSUBISHI製鉛筆を用いて測定した。アナターゼ型結晶構造の残存率、すなわち酸化チタンの微粒子群からなる層における結晶組成の割合は、XRDによるピークの強度より算出した。
更に前記の積層板は、ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2'−ビピリジルー4,4'−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)のイソプロピルアルコール溶液に浸して、色素を酸化
チタンの微粒子群からなる層の表面に吸着させて、表面側電極を得た。
この色素を吸着させた酸化チタンの微粒子群からなる層を形成した20mm×5mmの外周4辺に、厚み50μmのアイオノマー樹脂からなるシート状の熱可塑性接着剤(三井デュポンポリケミカル社商品名;ハイミランシート)を、電解液が注入できるよう外周部の2箇所に約1mm程度の隙間を設けるようにして貼り付けた。この熱可塑性接着剤は、封止材であると同時に両極間のスペーサの役割を果たす。次に対向面側電極となる厚み10nmの白金膜を、スパッタリングの手法で形成したガラス基板に、白金膜側が酸化チタン側と対向するように、前記の熱可塑性接着剤フィルムを介して貼り合わせた。
前記の熱可塑性接着剤フィルムの隙間から、0.5MのLiI、0.5Mのt-ブチルピリジンと、0.05Mのヨウ素を主成分として含むアセトニトリル溶液を、毛細管現象を利用して表面側の電極と対向面側の電極との間に満たした。この電解質を満たした後で、直ちに前記の隙間をエポキシ樹脂の接着剤で封止して、色素増感太陽電池を得た。
作製した色素増感太陽電池は、100mW/cm2のソーラーシミュレータによる照射の下で、電流密度−電圧(FF)特性及び変換効率を測定することによりその特性を評価した。これら特性評価の測定結果は、溶射フレーム温度、フレーム速度及び皮膜の鉛筆引っかき強度、アナターゼ型の残存率と共に、表1にまとめた。
表1において、積層法は金属酸化物微粒子群の積層法であり、溶射フレームにおける温度は溶射法による積層におけるフレームの温度(100mm距離)であり及び速度はノズル先端のフレームの速度である。焼成は電気炉による焼成であり、層の特性のおける鉛筆強度は金属酸化物微粒子群からなる層の鉛筆引っかきであり、アナターゼは金属酸化物中のアナターゼ量(重量%)であり、積層法が溶射法+印刷法の場合は、溶射法で積層した層の特性を意味する。また、実験番号8及び9は比較例である。
Figure 0005090654
色素増感太陽電池の断面図 高速フレーム溶射法の原理を示す模式図
符号の説明
1:基板、2:透明導電膜層、3:色素吸着金属酸化物微粒子群からなる層、4:基板、5:導電層、6:電解質、7:スペーサ、10:表面側電極、11:対向面側電極、12:燃料、13:酸素+空気、14:燃焼室、15:噴射ノズル、16:冷却水、17:スラリー、18:透明基板、19:透明導電膜層、20:フレーム

Claims (8)

  1. 透明基板の片側表面に設けられた透明導電膜層及び該透明導電膜層の上面に設けられた金属酸化物の微粒子群からなる層(A)が形成された積層構造を有し、該層(A)の引っかき強度が鉛筆硬度3H以上を有する色素増感太陽電池用の表面側電極部材の製造方法であって、金属酸化物の微粒子群と分散媒とからなるスラリーを、燃料、酸素及び空気を混合して燃焼する高速フレーム溶射装置の噴射ノズルから高速フレームと共に噴射して、該噴射ノズルと対向する位置に配した透明基板の片側表面に設けた透明導電膜層の上面に金属酸化物の微粒子群からなる層(A)を高速フレーム溶射法により積層するに当たり、該フレーム温度が噴射ノズルの先端から100mmの位置で1500℃以下であり、かつ該フレームの速度が噴射ノズルの先端で500m/s以上であることを特徴とする表面側電極部材の製造方法。
  2. 金属酸化物の50重量%以上が酸化チタンであり、酸化チタンの50重量%以上がアナターゼ型の結晶構造であることを特徴とする請求項1記載の表面側電極部材の製造方法。
  3. 透明基板が樹脂基板であることを特徴とする請求項1又は2記載の表面側電極部材の製造方法。
  4. 高速フレーム溶射法により積層された層(A)の表面層の一部を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面側電極部材の製造方法。
  5. 高速フレーム溶射法により積層された層(A)の上面又は層(A)の表面層の一部を除去した後の層(A')の上面に、更に金属酸化物の微粒子群からなる層(B)を積層することを特徴とする請求項4記載の表面側電極部材の製造方法。
  6. 層(A)若しくは層(A')、又は層(B)を積層した後の表面側電極部材を200〜600℃に10分以上保持して焼成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面側電極部材の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の表面側電極部材の製造方法で得られた表面側電極部材
  8. 請求項7に記載の表面側電極部材使用したことを特徴とする色素増感太陽電池。
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