JP2014010997A - 電気化学素子用電解質及びこれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電気化学素子用電解質及びこれを用いた色素増感太陽電池に関する。
電気化学素子として、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池および色素増感太陽電池などが知られている。これらの電気化学素子においては、電解質や色素溶液が用いられる。これらは、水分が侵入すると、電気化学素子の耐久性を低下させる。このため、水分侵入対策が重要であり、これまで、さまざまな研究が進められている。
例えば下記特許文献1では、電解質中にモレキュラーシーブなどの脱水作用剤を含有する色素増感太陽電池により、電池特性の長期安定性を向上させることが提案されている。
しかし、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池は、以下の課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池では、電解質が多孔質のモレキュラーシーブを含有する。モレキュラーシーブは、水分のみならず、電解質中の酸化還元対などの溶質をも吸着する。このため、電解質中の溶質の濃度が変化し、色素増感太陽電池の耐久性が低下するという問題があった。このような問題は、色素増感太陽電池のみならず、同じく電解質を使用するリチウムイオン2次電池や有機薄膜太陽電池においても起こり得るものと考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池で構成される電気化学素子に対して優れた耐久性を付与できる電気化学素子用電解質及びこれを用いた色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、電解質中の脱水作用剤として、モレキュラーシーブの代わりに、特定の重合体を用いることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池で構成される電気化学素子に用いられる電気化学素子用電解質であって、溶質と、非水溶媒及びイオン液体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(1)で表される構成単位を有するビニルアルコール系重合体とを含む電気化学素子用電解質である。
この電気化学素子用電解質によれば、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池の電解質として用いられる場合に以下の作用効果が奏される。すなわち、電解質中に水分が侵入しても、ビニルアルコール系重合体が、上記式(1)で表される構成単位に水酸基を有しており、この水酸基によって水分が捕捉される。加えて、ビニルアルコール系重合体は、溶質を吸着しにくい。このため、電解質中の溶質の濃度変化を十分に抑制することができる。従って、本発明の電解質によれば、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池に対し、優れた耐久性を付与することができる。さらにビニルアルコール系重合体は、水とは反応し得るものの、非水溶媒やイオン液体とは反応しにくいため、ビニルアルコール系重合体による脱水効果を長期間にわたって持続させることができる。
上記電気化学素子用電解質は、上記電気化学素子が前記色素増感太陽電池で構成され、前記溶質が酸化還元対を含む場合に好適である。
上記電気化学素子用電解質において、前記ビニルアルコール系重合体が、80%以下の結晶化度を有することが好ましい。この場合、結晶化度が80%を超える場合に比べて、単位表面積あたりの水の吸着量がより多いという利点が得られる。
上記電気化学素子用電解質において、ビニルアルコール系重合体の見かけの表面積S1に対する真の表面積S2の比S2/S1が6以下であることが好ましい。
この場合、ビニルアルコール系重合体の見かけの表面積S1に対する真の表面積S2の比S2/S1が6を超える場合に比べて、溶質がよりビニルアルコール系重合体に吸着されにくくなり、電解質中の溶質の濃度変化がより十分に抑制される。よって、上記電気化学素子用電解質は、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池に対し、より優れた耐久性を付与することができる。
上記電気化学素子用電解質において、前記ビニルアルコール系重合体は、例えばポリビニルアルコール、アルケンとビニルアルコールとの共重合体、並びに、前記ポリビニルアルコールの一部をアセチル基で変性してなる変性ポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種で構成される。
上記電気化学素子用電解質はゲル化されていることが好ましい。
この場合、電解質の粘度が高くなるため、電解質中で溶質が移動しにくくなり、溶質がよりビニルアルコール系重合体に吸着されにくくなり、電解質の組成変化がより十分に抑制される。よって、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池に対し、より優れた耐久性を付与することができる。
また本発明は、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極又は前記第2電極上に設けられる酸化物半導体層と、前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられる電解質と、前記酸化物半導体層に吸着される光増感色素とを備え、前記電解質が上述した電気化学素子用電解質で構成される色素増感太陽電池である。
この色素増感太陽電池によれば、電解質に水分が侵入しても、電解質中の溶質の濃度変化がより十分に抑制される。このため、本発明の色素増感太陽電池によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
なお、本発明において、「結晶化度」とは、差動型示差熱天秤(理学電機社製「TAS−2000」)を用いて、約2〜3mgの精秤したサンプルを窒素中で25℃から300℃まで昇温速度80℃/min、ガス流量20ml/minの条件で昇温した際のビニルアルコール系重合体の結晶融解に基づく吸熱ピーク面積から求められる融解熱(J)の結晶化度100%のビニルアルコール系重合体1gあたりの融解熱(174.5J/g)に対する割合(%)を言うものとする。
また本発明において、「平均粒径」とは、島津製作所製レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALD−2300)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を言うものとする。
また本発明において、「見かけの表面積S1に対する真の表面積S2の比S2/S1」とは、島津製作所製レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALD−2300)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(R)を用い、下記式に従って求められる値を言うものとする。
S2/S1=η×ρ×R/3
上記式中、ηは比表面積であって島津製作所製アサップ2020を用いて求められる比表面積(単位質量あたりの表面積[cm2/g])を言うものとする。ここで、比表面積ηは、窒素を50mリューベ/sec流しながら測定される値であり、ρはポリビニルアルコールの代表的な密度1.25g/cm3である。なお、上記式は、見かけの表面積S1をS1=4πR2、真の表面積S2をS2=η[cm2/g]×ρ[g/cm3]×V1として導出されるものである。ここで、V1は粒径Rから求まる粒子体積V1=4/3πR3である。
S2/S1=η×ρ×R/3
上記式中、ηは比表面積であって島津製作所製アサップ2020を用いて求められる比表面積(単位質量あたりの表面積[cm2/g])を言うものとする。ここで、比表面積ηは、窒素を50mリューベ/sec流しながら測定される値であり、ρはポリビニルアルコールの代表的な密度1.25g/cm3である。なお、上記式は、見かけの表面積S1をS1=4πR2、真の表面積S2をS2=η[cm2/g]×ρ[g/cm3]×V1として導出されるものである。ここで、V1は粒径Rから求まる粒子体積V1=4/3πR3である。
さらに本発明において、「ゲル化」とは、電解質の粘度が失われている状態を言う。具体的には、内径15mm、深さ10cmの円筒状ガラス管の中に10ccの電解質を入れ、室温(23℃)にてガラス管を逆さにして放置したときに、15分後に全ての電解質が下まで落下しなければ、この電解質はゲル化されているものと定義する。
本発明によれば、リチウムイオン2次電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池で構成される電気化学素子に対して優れた耐久性を付与できる電気化学素子用電解質及びこれを用いた色素増感太陽電池が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の色素増感太陽電池の一実施形態を示す断面図、図2は、図1の電解質を示す部分断面図である。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極10と、作用極10に対向する対極20と、作用極10及び対極20を連結する環状の封止部30とを備えている。
作用極10は、透明基板11及び透明基板11の上に設けられる透明導電膜12からなる透明導電性基板15と、透明導電性基板15の透明導電膜12の上に設けられる多孔質酸化物半導体層13とを有している。多孔質酸化物半導体層13は、封止部30の内側に配置されている。また多孔質酸化物半導体層13には光増感色素が担持されている。そして、透明導電性基板15と対極20と封止部30とによって形成されるセル空間S内には、電解質40が設けられている。ここで、図2に示すように、電解質40は、溶質41と、非水溶媒42と、下記式(1)で表される構成単位を有するビニルアルコール系重合体43とを含む。
本実施形態では、透明導電性基板15により第1電極が構成され、対極20により第2電極が構成されている。
対極20は、導電性基板21と、導電性基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。
上述した色素増感太陽電池100によれば、電解質40中に水分が侵入しても、ビニルアルコール系重合体43が、上記式(1)で表される構成単位に水酸基を有しており、この水酸基によって水分が捕捉される。加えて、ビニルアルコール系重合体43は、溶質41を吸着しにくい。従って、電解質40中の溶質41の濃度変化が十分に抑制される。よって、色素増感太陽電池100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。さらにビニルアルコール系重合体43は、水とは反応し得るものの、非水溶媒42とは反応しにくい。このため、ビニルアルコール系重合体43による脱水効果を長期間にわたって持続させることができる。
次に、作用極10、対極20、封止部30、電解質40及び光増感色素について詳細に説明する。
(作用極)
作用極10は、上述したように、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電膜12と、透明導電膜12の上に設けられる多孔質酸化物半導体層13とを有している。
作用極10は、上述したように、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電膜12と、透明導電膜12の上に設けられる多孔質酸化物半導体層13とを有している。
透明基板11を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板11の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
透明導電膜12を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素添加酸化スズ(FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。中でも、透明導電膜12は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。透明導電膜12の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
多孔質酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子で構成されている。酸化物半導体粒子は、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO5)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In3O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タリウム(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)又はこれらの2種以上で構成される。
多孔質酸化物半導体層13の厚さは通常、0.5〜50μmである。
(対極)
対極20は、上述したように、導電性基板21と、導電性基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えるものである。
対極20は、上述したように、導電性基板21と、導電性基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えるものである。
導電性基板21は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン、ステンレス、アルミニウム等の耐食性の金属材料や、上述した透明基板11にITO、FTO等の導電性酸化物からなる膜を形成したもので構成される。導電性基板21の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜0.1mmとすればよい。
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。ここで、炭素系材料としては、カーボンナノチューブが好適に用いられる。
(封止部)
封止部30としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む各種変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
封止部30としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む各種変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
(電解質)
電解質40は通常、電解液で構成され、この電解液は溶質41と、非水溶媒42と、ビニルアルコール系重合体43とを含んでいる。
電解質40は通常、電解液で構成され、この電解液は溶質41と、非水溶媒42と、ビニルアルコール系重合体43とを含んでいる。
非水溶媒42である有機溶媒としては、例えばアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。
溶質41としては、例えばI−/I3 −や臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対のほか、LiI、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンゾイミダゾールなどの添加剤が挙げられる。
ビニルアルコール系重合体43は、下記式(1)で表される構成単位を有するものであればよい。
このため、ビニルアルコール系重合体43は、ポリビニルアルコールであっても、アルケンとビニルアルコールとの共重合体、並びに、ポリビニルアルコールの一部をアセチル基(−OCOCH3)で変性してなる変性ポリビニルアルコールであってもよい。ここで、ポリビニルアルコールは、ビニルアルコールの単独重合体を意味する。またアルケンの炭素数は通常は2〜3であり、好ましくは2である。またビニルアルコール系重合体がビニルアルコールの単独重合体の一部をアセチル基(−OCOCH3)で変性してなる変性ポリビニルアルコールで構成される場合、ビニルアルコール系重合体43中の全構成単位に占める上記式(1)で表される構成単位の比率(ケン化度)は、好ましくは70〜100モル%である。上記ビニルアルコール系重合体43は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
ビニルアルコール系重合体43の結晶化度は特に制限されるものではないが、80%以下であることが好ましく、結晶化度は低いほどよい。この場合、結晶化度が低いほど、吸湿性に富む傾向があり、脱水効率に優れる。特に20%以下の結晶化度では、ビニルアルコール系重合体43はアモルファス状に近いため、より吸湿性に富む傾向があり、より脱水効率に優れる。ただし、結晶化度は好ましくは0.5%以上である。
ビニルアルコール系重合体43の見かけの表面積S1に対する真の表面積S2の比S2/S1も特に制限されるものではないが、通常は6以下であり、好ましくは3以下である。
この場合、上記比S2/S1が6を超える場合に比べて、溶質41である酸化還元対がよりビニルアルコール系重合体43に吸着されにくくなり、電解質40中の溶質41の濃度変化がより十分に抑制される。よって、色素増感太陽電池100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
電解質40中のビニルアルコール系重合体43の濃度は、通常は0.01〜1g/100mlである。
ビニルアルコール系重合体43の平均粒径は、通常は1〜50μmであるが、好ましくは1〜20μmである。ビニルアルコール系重合体43の平均粒径が1〜50μmの範囲内にあると、その範囲を外れる場合に比べて、平均粒径が小さいために、電極間距離を不必要に広げる必要がなく、ビニルアルコール系重合体43がない場合と比べて電圧が低下しにくいという利点が得られる。ここで、平均粒径は、島津製作所製レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALD−2300)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を言うものとする。
なお、電解質40は、非水溶媒42に代えて、イオン液体を用いてよい。また電解質40は、非水溶媒42に代えて、イオン液体と非水溶媒42との混合物を用いてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドが好適に用いられる。
さらに電解質40はゲル化されていることが好ましい。電解質40をゲル化するには、例えば上記酸化還元対および非水溶媒42とSiO2、TiO2、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練すればよい。この場合、電解質40は、ゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質となる。あるいは、電解質40をゲル化するには、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化することも可能である。この場合、電解質40の粘度が高くなるため、電解質40中で溶質41である酸化還元対が移動しにくくなり、溶質41がよりビニルアルコール系重合体43に吸着されにくくなり、電解質40中の溶質の濃度変化がより十分に抑制される。よって、色素増感太陽電池100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
(光増感色素)
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。中でも、ターピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体が好ましい。この場合、色素増感太陽電池100の光電変換特性をより向上させることができる。
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。中でも、ターピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体が好ましい。この場合、色素増感太陽電池100の光電変換特性をより向上させることができる。
なお、色素増感太陽電池100が屋内や低照度(10〜10000lux)の環境下において使用される場合には、光増感色素として、ビピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体を用いることが好ましい。
次に、上記色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
まず1つの透明基板11の上に、透明導電膜12を形成してなる透明導電性基板15を用意する。
透明導電膜12の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法及びCVD法などが用いられる。
次に、透明導電膜12の上に、多孔質酸化物半導体層13を形成する。多孔質酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子を含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷した後、焼成して形成する。
酸化物半導体層形成用ペーストは、上述した酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。
酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
焼成温度は酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は350〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は1〜5時間である。
こうして作用極10が得られる。
次に、作用極10の多孔質酸化物半導体層13の表面に、上述した光増感色素を吸着させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その光増感色素を多孔質酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層13に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を多孔質酸化物半導体層13に吸着させてもよい。
次に、多孔質酸化物半導体層13の上に電解質40を配置する。このとき、電解質40は、溶質41としての酸化還元対と非水溶媒42とを含む溶液中に、上述したビニルアルコール系重合体43を添加することにより得ることができる。このとき、ビニルアルコール系重合体43は、上記溶液に添加する前にあらかじめ脱水しておくことが好ましい。この場合、ビニルアルコール系重合体43をあらかじめ脱水しない場合に比べて、水分捕捉能がより高くなり、水分による耐久性の低下をより十分に抑制することができる。このとき、脱水は、例えば120〜150℃で1時間程度行えばよい。脱水温度を120〜150℃とすることで、捕捉されている水分を効果的に除去することができる。なお、150℃を超える温度で脱水すると、脱水縮合が起こるおそれがある。電解質40は、例えばスクリーン印刷等の印刷法によって配置することが可能である。
次に、封止部30を形成するための封止部形成体を準備する。封止部形成体は、封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに四角形状の開口を形成することによって得ることができる。
そして、この封止部形成体を、作用極10の上に接着させる。このとき、封止用樹脂フィルムの開口の内側に多孔質酸化物半導体層13が配置されるようにする。封止部形成体の作用極10への接着は、封止部形成体を加熱溶融させることによって行うことができる。
次に、対極20を用意し、封止部形成体の開口を塞ぐように配置した後、封止部形成体と貼り合わせる。このとき、対極20にも予め封止部形成体を接着させておき、この封止部形成体を作用極10側の封止部形成体と貼り合せてもよい。対極20の封止部形成体への貼合せは、大気圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。こうして作用極10と対極20との間に封止部30が形成される。
以上のようにして色素増感太陽電池100が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、透明導電性基板15の透明導電膜12上に多孔質酸化物半導体層13が設けられているが、多孔質酸化物半導体層13は対極20の上に設けられてもよい。
また上記実施形態では、対極20が導電性基板21と触媒層22とで構成されているが、対極20が、透明基板11とその上に設けられる透明導電膜12とで構成されていてもよい。
さらに上記実施形態では、電解質40は、色素増感太陽電池の電解質として説明されているが、電解質40は、リチウムイオン2次電池や有機薄膜太陽電池の電解質としても用いることができる。リチウムイオン2次電池の場合、電解質40中の溶質41としては、例えばLiPF6などのリチウム塩が用いられ、電解質40中の非水溶媒42としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)が用いられる。また有機太陽電池の場合、電解質40中の溶質41としては、例えばI−/I3 −や臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対のほか、LiI、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンゾイミダゾールなどの添加剤が用いられ、電解質40中の非水溶媒42としては、例えばアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが用いられる。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず以下のようにして電解質を準備した。
まず以下のようにして電解質を準備した。
はじめに、メトキシプロピオニトリルからなる揮発性の非水溶媒に、ヨウ化リチウムを0.1M、ヨウ素を0.05M、4−tert−ブチルピリジンを0.5Mとなるように加え、さらに脱水剤として、粉末状のビニルアルコール系重合体(商品名:Nichigo Gポリマー AZF8035W、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:10%、S2/S1:2、平均粒径:500μm)を50g/Lとなるように加えた。そして、得られた溶液を、露点−70℃以下に保持されたドライルーム内で24時間、常温環境下で撹拌することにより脱水を行った後、ろ過によりビニルアルコール系重合体を取り除き、ろ過済み脱水電解液を得た。さらに、この電解液に粉末状のビニルアルコール系重合体(商品名:Nichigo Gポリマー AZF8035W、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:10%、S2/S1:2、平均粒径10μm)を0.1g/100mlとなるように加えた。このとき、ビニルアルコール系重合体としては、あらかじめ真空過熱脱水を行ったものを使用した。こうして電解質を準備した。
一方、10cm×10cm×4mmのFTO基板を準備した。続いて、FTO基板の上に、ドクターブレード法によって酸化チタンペースト(Solaronix社製、Ti nanoixide T/sp)を、その厚さが10μmとなるように塗布した後、熱風循環タイプのオーブンに入れて150℃で3時間焼成し、FTO基板上に多孔質酸化物半導体層を形成し、作用極を得た。
他方、作用極と同様のFTO基板を用意し、そのFTO基板の上に、スパッタリング法により、厚さ10nmの白金触媒層を形成し、対極を得た。
次に、アイオノマーであるハイミラン(三井デユポンポリケミカル社製)からなる5.6cm×5.6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。そして、この樹脂シートを、作用極の多孔質酸化物半導体層を包囲する環状の部位に配置した。この樹脂シートを120℃の溶融温度で5分間加熱し溶融させることによって環状部位に接着し、環状部位に樹脂シートを固定した。
続いて、エチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレル(三井デユポンポリケミカル社製)からなる5.6cm×5.6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。
そして、このニュクレルからなる四角環状の樹脂シートを、既に作用極に固定した樹脂シートの直上に、110℃の溶融温度で貼り付けた。こうして第1樹脂封止部を形成した。
一方、アイオノマーであるハイミラン(三井デユポンポリケミカル社製)からなる5.6cm×5.6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。そして、この樹脂シートを、対極の白金触媒層側の表面に配置した。この樹脂シートを120℃の溶融温度で5分間加熱し溶融させることによって接着し、環状部位に樹脂シートを固定した。
続いて、エチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレル(三井デユポンポリケミカル社製)からなる5.6cm×5.6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。
そして、このニュクレルからなる四角環状の樹脂シートを、既に対極に固定した樹脂シートの直上に、110℃の溶融温度で貼り付けた。こうして第2樹脂封止部を形成した。
次に、上記のようにして得た作用極を、光増感色素であるN719色素を0.2mM溶かした脱水エタノール液中に一昼夜浸漬して作用極に光増感色素を担持させた。
次いで、第1樹脂封止部を固定した作用極を、FTO基板の多孔質酸化物半導体層側の表面が水平になるように配置し、封止部の内側に、上記のようにして準備した電解質を注入した。
次に、第2樹脂封止部を固定した対極を、第1樹脂封止部を固定した作用極に対向させ、500hPa程度の減圧環境下に置き、第1樹脂封止部及び第2樹脂封止部を挟むようにして作用極と対極とを重ね合わせた。そして、減圧環境下で、第2樹脂封止部と同じ大きさの真鍮製の枠を加熱し、この真鍮製の枠を対極における第2樹脂封止部とは反対側に配置し、プレス機を用いて、5MPaで第1樹脂封止部及び第2樹脂封止部を加圧しながら160℃の温度で局所加熱して溶融させて、積層体を得た。その後、この積層体を大気圧下に取り出した。その後、この積層体の作用極上に、対極を覆うようにアルミニウム製のパッケージを固定した。このとき、パッケージは、遮質性の高いブチルゴムを用いて作用極に接着し、パッケージの内側には乾燥剤であるモレキュラーシーブを配置させた。こうして色素増感太陽電池を得た。
(実施例2)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるNichigo Gポリマー OKS−8041(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:20%、S2/S1:3、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるNichigo Gポリマー OKS−8041(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:20%、S2/S1:3、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例3)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるゴーセノールKP−08R(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:80%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるゴーセノールKP−08R(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:80%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例4)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるクラレポバールPVA403(商品名、クラレ(株)製、結晶化度:75%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるクラレポバールPVA403(商品名、クラレ(株)製、結晶化度:75%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例5)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるエチレンビニルアルコールであるV2504(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:80%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体であるエチレンビニルアルコールであるV2504(商品名、日本合成化学工業(株)製、結晶化度:80%、S2/S1:2、平均粒径:10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例6)
電解質を準備する際に、メトキシプロピオニトリルからなる揮発性の非水溶媒に、さらに平均粒径15nmのシリカ微粒子を5質量%となるように加え、2時間撹拌してゲル状の電解質を準備したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。なお、シリカ微粒子としては、350℃で5時間以上脱水乾燥させたものを用いた。
電解質を準備する際に、メトキシプロピオニトリルからなる揮発性の非水溶媒に、さらに平均粒径15nmのシリカ微粒子を5質量%となるように加え、2時間撹拌してゲル状の電解質を準備したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。なお、シリカ微粒子としては、350℃で5時間以上脱水乾燥させたものを用いた。
(比較例1)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、モレキュラーシーブ3A(商品名、ユニオン昭和(株)製、S2/S1:100、平均粒径:2000μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、モレキュラーシーブ3A(商品名、ユニオン昭和(株)製、S2/S1:100、平均粒径:2000μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(比較例2)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、水酸化ナトリウム(東京応化工業製)を用い、電解質中の水酸化ナトリウムの濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、水酸化ナトリウム(東京応化工業製)を用い、電解質中の水酸化ナトリウムの濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(比較例3)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、塩化亜鉛(細井化学工業製)を用い、電解質中の塩化亜鉛の濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、塩化亜鉛(細井化学工業製)を用い、電解質中の塩化亜鉛の濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(比較例4)
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、硫酸銅(商品名、三菱マテリアル製)を用い、電解質中の硫酸銅の濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質を準備する際、ろ過済み脱水電解液に加える脱水剤として、ビニルアルコール系重合体の代わりに、硫酸銅(商品名、三菱マテリアル製)を用い、電解質中の硫酸銅の濃度が5質量%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
<光電変換特性の評価>
実施例1〜6及び比較例1で得られた色素増感太陽電池について、光電変換効率(η0)を測定した。続いて、色素増感太陽電池について、85℃で、85%RHの環境下で2000h放置した後の光電変換効率(η)を測定した。そして、下記式:光電変換効率の低下率(%)=(η−η0)/η0×100
に基づき、光電変換効率の低下率を算出した。結果を表1に示す。
実施例1〜6及び比較例1で得られた色素増感太陽電池について、光電変換効率(η0)を測定した。続いて、色素増感太陽電池について、85℃で、85%RHの環境下で2000h放置した後の光電変換効率(η)を測定した。そして、下記式:光電変換効率の低下率(%)=(η−η0)/η0×100
に基づき、光電変換効率の低下率を算出した。結果を表1に示す。
表1に示す結果より、実施例1〜6の色素増感太陽電池は、比較例1〜4の色素増感太陽電池に比べて、光電変換効率の低下率が低いことが分かった。
13…多孔質酸化物半導体層
15…透明導電性基板(第1電極)
20…対極(第2電極)
40…電解質
41…溶質
42…非水溶媒
43…ビニルアルコール系重合体
100…色素増感太陽電池
15…透明導電性基板(第1電極)
20…対極(第2電極)
40…電解質
41…溶質
42…非水溶媒
43…ビニルアルコール系重合体
100…色素増感太陽電池
Claims (7)
- 前記電気化学素子が前記色素増感太陽電池で構成され、前記溶質が酸化還元対を含む請求項1に記載の電気化学素子用電解質。
- 前記ビニルアルコール系重合体が、80%以下の結晶化度を有する請求項2に記載の電気化学素子用電解質。
- 前記ビニルアルコール系重合体の見かけの表面積S1に対する真の表面積S2の比S2/S1が6以下である請求項2又は3に記載の電気化学素子用電解質。
- 前記ビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコール、アルケンとビニルアルコールとの共重合体、並びに、前記ポリビニルアルコールの一部をアセチル基で変性してなる変性ポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の電気化学素子用電解質。
- ゲル化されている請求項2〜5のいずれか一項に記載の電気化学素子用電解質。
- 第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極又は前記第2電極上に設けられる酸化物半導体層と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられる電解質と、
前記酸化物半導体層に吸着される光増感色素とを備え、
前記電解質が請求項2〜6のいずれか一項に記載の電気化学素子用電解質で構成される色素増感太陽電池。
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-
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- 2012-06-29 JP JP2012146269A patent/JP2014010997A/ja active Pending
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