JP5089966B2 - 液体材料の充填方法および装置 - Google Patents
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Description
なお、本発明における「吐出」とは、液体材料が吐出部から離間する前にワークに接触するタイプの吐出方式、および、液体材料が吐出部から離間した後にワークに接触されるタイプの吐出方式を含むものである。
アンダーフィル材を基板と半導体チップとの隙間に充填する工程は、アンダーフィル工程と呼ばれる。アンダーフィル工程は、図2(a)〜(c)のように、半導体チップの端部近傍に位置した吐出部からアンダーフィル材を供給し、毛細管現象を利用して樹脂を半導体チップと基板との隙間に充填した後、オーブンなどで加熱して樹脂を硬化させることにより行う。
アンダーフィル工程において、半導体チップと基板との隙間に気泡が残ると、アンダーフィル材を硬化させるときの加熱において、隙間に残った気泡が膨張して、悪影響を与える。そのため、気泡を残さないこと、巻き込まないことが必要である。
そこで、一般には、図2(a)〜(c)のような方法でアンダーフィル材を供給する場合が多い。図2(a)は吐出部を半導体チップに対して静止してアンダーフィル材を供給する手法であり、図2(b)は吐出部を半導体チップの一辺に沿って移動しながらアンダーフィル材を供給する手法であり、図2(c)は吐出部を半導体チップの二辺に対して沿って移動しながらアンダーフィル材を供給する手法である。
図2(a)〜(c)のような手法によれば、アンダーフィル材は、半導体チップと基板との隙間を一方向に流れるため、半導体チップと基板との隙間の空気はアンダーフィル材に押し出されて供給された側とは反対側から排出されるので、その結果、気泡を残さず充填できる。
図4(a)は、半導体チップと基板との隙間全体にアンダーフィル材が行き渡った状態である。このように、半導体チップ縁部(周辺)からわずかにアンダーフィル材がはみ出している状態となるのが好ましい。
また、半導体チップは小型のものが多いため、吐出部を含んだ吐出機構と監視カメラを近接して配置する必要がある。そのため、吐出機構と監視カメラの大きさに制限があり、また吐出機構と監視カメラとの配置に制限があった。
第2の発明は、第1の発明において、前記補充工程は、前記供給工程において液体材料を供給した際の吐出部の位置と重なる位置で供給工程よりも短い距離を移動させながら液体材料を供給すること特徴とする。
換言すると、供給工程で液体材料を供給した側の縁部から、補充を行うことであり、気泡が巻き込まれるのを防ぐことができる。供給工程において静止した吐出部から供給し、補充工程において吐出部を僅かにずらして供給した場合でも、同様の効果が得られることが想定される。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記吐出部は、液滴を噴射して吐出するものであり、前記補充工程において、液滴を吐出する回数を制御することにより所望とする量の液体材料を供給すること特徴とする。
第4の発明は、第1、2または3の発明において、前記撮像された辺の1箇所が、辺の中央であることを特徴とする。
第5の発明は、第1ないし4のいずれかの発明において、前記撮像された辺に対して一定の距離にある複数の平行線について液体材料の有無を判定することにより当該辺の1箇所からはみ出した液体材料の幅を認識することを特徴とする。
第6の発明は、第1ないし4のいずれかの発明において、前記撮像された辺に対して直角な線上におけるコントラストの変化に基づき当該辺の1箇所からはみ出した液体材料の幅を認識することを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記撮像手段は、吐出部と独立の駆動手段を有し、全てのワークに対する供給工程が完了する前に、供給工程が完了したワークに対する撮像工程の実施を開始することを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記基板は、アライメントマークを有し、前記供給工程の前に、基板のアライメントマークを撮像手段により撮像し、基板および/または基板上のワークの保持位置のずれを補正するアライメント工程を有し、前記アライメント工程と前記撮像工程で同一の撮像手段を用いることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれかの発明において、前記撮像工程において、撮像手段を中心として周方向に設けられた複数の照射部を有する照明手段によりワークの縁部を照射して撮像することを特徴とする。
第11の発明は、液体材料を供給する液材供給部と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出部と、吐出部に近接して一体的に配置した撮像手段と、吐出部および撮像手段を移動自在とする駆動機構と、これらの作動を制御し、所望とする量の液体材料を吐出させる制御部とを備える吐出装置であって、
制御部が、第8の発明に係る液体材料の充填方法を実施するプログラムを有することを特徴とする装置である。
第12の発明は、液体材料を供給する液材供給部と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出部と、吐出部を移動自在とする駆動機構と、吐出部に近接して配置した撮像手段と、撮像手段を中心として周方向に設けられた複数の照射部を有する照明手段と、これらの作動を制御し、所望とする量の液体材料を吐出させる制御部とを備える吐出装置であって、制御部が、第9の発明に係る液体材料の充填方法を実施するプログラムを有することを特徴とする装置である。
なお、本発明の吐出装置において、所望とする量の液体材料を吐出させるための具体的構成を例示すると、エア式ディスペンサの場合は加圧エアの圧力値と加圧時間を制御すること、チュービング式の場合はチューブ内の液体を移送するためにチューブを押しつぶす部材の移動量や押しつぶす回数を制御すること、ジェット式など液滴を噴射するタイプの場合は液滴を吐出する回数を制御すること、スクリュー式の場合はスクリューの回転量を制御すること、バルブ式の場合は液体材料の加圧力の大きさとバルブ部の開閉量および開閉時間を制御することなど、が開示される。
また、吐出部と撮像手段を近接して配置する必要がなく、しかも基板を斜めに傾斜させる機構等も不要であるため装置構成の簡易であり、且つ設計の自由度が高い。
基板1上に載置されたワークに対して、一ないし複数のパターンを作成し、パターンに従って液体材料を吐出する。例えば、図2(b)に示すように、方形状のワークである半導体チップ2の一辺に沿った線である塗布パターンや図2(c)に示すように、方形状のワークである半導体チップ2の二辺に沿った線である塗布パターンを作成する。なお、ワークは方形状のものに限定されず、円形や多角形であってもよい。
また、本発明によれば、過剰供給を防ぐために液体材料の供給速度を制限する必要がないため、供給速度を上げることができる。
ここでは、ワークの端部を中心に撮像することもできるし、ワークの端部から離れた個所を中心に撮像することもできる。後者の場合には、ワークから一定距離まで液体が達していることを確認することができ、その事実により液体材料の量が充分であり、他の個所にも高い確率で適切に充填がなされていること(すなわち、ワークと基板1の全域に液体材料が行き渡っていること)を判定することができる。
なお、撮像手段により得られた画像データは、ワークから必要以上に液体材料がはみ出していないかを判定するために用いたり、ワークからはみ出した液体材料がワークの表面に付着していないかを判定するために用いてもよい。
供給工程を行なったワークに対する撮像工程を実施する前に、他のワーク供給工程を行うことで、液体材料の流動が治まるまでの待ち時間を有効に活用できるからである。
ワークが略五角形である場合において、その隣接する2辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該2辺と最も遠い位置にある1辺を構成する2角について判定を行えばよく、その隣接する3辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該3辺から最も遠い位置にある1角について判定を行えばよい。
ワークが略六角形である場合において、その隣接する2辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該2辺と最も遠い位置にある2辺を構成する3角について判定を行えばよく、その隣接する3辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該3辺と最も遠い位置にある1辺を構成する2角について判定を行えばよい。
ワークが略正八角形である場合において、その隣接する3辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該3辺と最も遠い位置にある1辺を構成する2角(精度を求めたい場合には対向位置にある3辺を構成する4角)について判定を行えばよく、その隣接する4辺に沿って液体材料が吐出された際には、当該4辺と最も遠い位置にある2辺を構成する3角について判定を行えばよい。
本実施例に係る吐出装置の構成および動作を以下に説明する。
《構成》
略筒状であるシリンジ7は、内部にアンダーフィル材5を貯留している。シリンジ7の下方端部には、シリンジ7より小径の吐出部(ノズル)6が連通し、シリンジ7の反対側の端部には、エアチューブ13が連通する。
エアチューブ13は、ディスペンサ14に接続されており、エアチューブ13を介して加圧エアがシリンジ7に供給される。ディスペンサ14は、加圧エアを設定した圧力で設定した時間供給することができる。
Z方向移動機構19は、ヘッドベース15に固定される。Z方向移動機構19は、図示しないモータを有する駆動手段、モータによって回転するボールネジおよびガイドシャフトで構成され、モータを駆動することで、Z軸テーブルをZ方向に移動することができる。
カメラ40には、その先端部を取り囲むように、照射手段20が設けられている。照射手段20は図6に示すように、光を照射する照射部21を複数有している。本実施例の装置では、照射部21はカメラ40を中心として、周方向に均等な間隔で3重に並んで設けられている。このように、カメラ40を中心に均等な明るさで光を照射することでコントラストが明確となり、画像認識を良好に行うことができる。
それぞれの照射部21には光ファイバの一端が接続され、これらは束になって光ファイバケーブルを構成し、照射手段20と反対側に設けられた光源に接続される。光源の光は光ファイバケーブルを伝わり照射部21から照射される。なお、照射手段20は、LED等の公知の照射手段によっても構成できることは言うまでもない。
基板1上には、上方から見て正方形の半導体チップ2が、半田バンプ4を介して載置されている。図7に示すように、基板1は、角部付近に2つのアライメントマークα、βを有する。アライメントマークは、充填作業時の基板1のずれを補正するために利用される。
なお、同様にワークにアライメントマークを設け、基板1上のワークの保持位置のずれを補正してもよい。
図7、図8を参照しながら、動作を説明する。
イ)アライメント工程
アンダーフィル材5の充填作業を行なう基板1には、前の工程にて、半導体チップ2が載置されている。ここで、半導体チップ2は、アライメントマークα、βに対して、同じ位置に配置されている。また、半田バンプ4を介して載置されているため、基板1と半導体チップ2との間には隙間がある。
基板1は、搬送レール17に設けた図示しない搬送ベルトによって、搬送レール17上を移動し、搬送レール17上の作業位置で停止する。停止後、位置がずれないように、図示しない保持手段3が基板1を保持する。
保持手段3が保持する基板1のXY方向の位置は、基板1ごとにずれており、全く同じ位置とはならない。この位置のずれはアンダーフィル材5の充填の良し悪しに影響を与える。半導体チップ2と吐出部6との位置関係が異なるためである。従って、基板1ごとのずれを校正するアライメント工程が必要である。
まず、カメラ40をアライメントマークαの上方に移動し、アライメントマークαを撮像する。画像上のアライメントマークαの位置と、XY方向移動機構18の座標値αを記憶する。同様に、アライメントマークβを撮像する。画像上のアライメントマークβの位置と、XY方向移動機構18の座標値βを記憶する。ここで、カメラ40の移動は、XY方向移動機構18によってヘッドベース15ごと移動させて行う。
まず、基板1上のA地点の真上に吐出部6の先端が位置されるように、XY方向移動機構18によって吐出部6を移動し、所望とする高さに吐出部6の先端が位置するように、Z軸移動機構19によって高さを調整する。
所望とする圧力の加圧エアを、ディスペンサ14からエアチューブ13を介してシリンジ7内に供給しながら、吐出部6を基板1上のA→B→Cの経路上を移動させることでアンダーフィル材5を供給する(図7参照)。C地点まで吐出部6を移動したら、ディスペンサ14からの加圧エアの供給を停止して、アンダーフィル材5の供給を終了する。Z軸移動機構19により吐出部6を上方に移動する。
吐出部6から供給されたアンダーフィル材5は、毛細管現象により半導体チップ2と基板1との隙間に充填され、供給工程が完了する。
また、その他の条件(経時的粘度変化や吐出部のつまりおよび水頭差など)が吐出量に大きな影響を与える場合は、その条件も所望とする値になるように制御するのが好ましい。
また、シリンジ7内のアンダーフィル材5の量に応じて吐出圧力や時間を変化させて、供給するアンダーフィル材5の量を制御してもよい。吐出量を直接計量する手段を有さない吐出装置においても、必要な吐出条件を制御すれば、所望とする量の吐出を行うことができる。
供給工程を経た半導体チップ2が撮像工程の対象となる。撮像工程は、隙間に充填したアンダーフィル材5の流動が治まってから行うのが好ましい。
撮像工程においては、供給工程においてアンダーフィル材5が供給された経路以外の半導体チップ2の周辺(図8でいうA→B→C以外の周辺)において、アンダーフィル材5が到達しているかを判定するための画像データを取得する。以下詳細に説明する。
照射手段20は、カメラ40の周囲に環状に均等に配置された照射部21により、照射を行うので、カメラ40などの影が撮像範囲に映らず、撮像範囲にわたって均等な明るさの光を照射できる。したがって、画像認識に最適な、明確なコントラストの画像を得ることができる。
カメラ40により撮像した画像データは、画像認識部31に送られる。画像認識部31で点aから点eのそれぞれに対して画像認識を行い、半導体チップ2の周辺より外側にアンダーフィル材5が存在しているかを確認する。画像認識は、公知の簡易な手法でよく、例えば、2値化等の減色処理を施した画像データに対して、任意の領域に分割して当該領域におけるアンダーフィル工程の前後で面積比判定を行う手法や基板1の表面とアンダーフィル材5とのコントラスト差により判定を行う手法が開示される。このように、本実施例の装置では、照射手段20によってコントラストが明確な画像が得られるので、複雑な画像認識を行うことなく、アンダーフィル材5の存在を確認することができる。
全ての地点において、アンダーフィル材5が半導体チップ2の外側に存在している場合には、アンダーフィル材5の充填が良好に行われたと判定する。いずれか一つの地点にでも外側にアンダーフィル材5の存在が確認できない場合は、アンダーフィル材5の充填が良好に行われなかったと判定する。例えば、図8においては、点cにおいて、アンダーフィル材5が到達していないので、充填が良好に行われていないと判定される。
判定工程において、充填が良好に行われたと判定された場合は、半導体チップ2のアンダーフィル工程は完了となる。アンダーフィル材5の充填が良好に行われなかったと判定された場合に補充工程が実施される。例えば、図8においては、点cにおいて、アンダーフィル材5が到達していないので、充填が良好に行われていないと判定されるので、補充工程が実施されることとなる。
(1)まず、吐出部6をD地点上に移動する。そして、吐出部6をD→B→Eの経路を移動させながら、吐出部6からアンダーフィル材5を吐出する。吐出されたアンダーフィル材5は、半導体チップ2と基板1との隙間に充填され、既に隙間に充填されているアンダーフィル材5が押し出されて、アンダーフィル材5が不足している点cの部分が補充される。ここで、補充工程は足りない分の補充のみを行うので、供給工程よりも少量のアンダーフィル材5が供給できればよい。そのため、供給工程よりも短い距離のD→B→Eを移動しながら吐出することで足りる。
少量のアンダーフィル材5を補充するためには、距離を短くするだけでなく、吐出圧力を減らしたり、移動速度を上げるなどして吐出量を減らしてもよい。また、吐出部6を静止したまま吐出する場合には、吐出時間を短くして吐出量を減らしてもよい。
供給工程においてアンダーフィル材5の供給を行った辺AB、辺BC側から、再度アンダーフィル材5を供給することで、基板1と半導体チップ2との隙間に空気が残ることを防ぐことができる。基板1と半導体チップ2の隙間に位置するアンダーフィル材5が、点c付近の隙間に存在する空気を外側に押し出すからである。複数箇所での補充が必要な場合や上記隙間に空気が残るおそれが高い場合には、供給工程と吐出部6の経路を重ねることが好ましい。
図8の場合、c地点に吐出部6を移動させて、アンダーフィル材5を供給することで補充を行う。また、c地点とe地点の2箇所において、アンダーフィル材5が到達していないと判定された場合には、c地点とe地点のそれぞれの位置に吐出部6を移動させて、アンダーフィル材5を供給することで補充を行う。
第1の手法としては、判定工程において点a〜eごとにアンダーフィル材5の有無を判定し、補充工程で補充するアンダーフィル材5の量をアンダーフィル材5が存在しない個所の個数によって決定するものである。アンダーフィル材5が存在しない個所の個数と補充が必要なアンダーフィル材5の量は一定の相関関係があるからである。
第2の手法としては、判定工程において点a〜eごとに半導体チップ2の縁からはみ出したアンダーフィル材5の幅を検出し、この幅から補充工程で補充するアンダーフィル材5の量を決定するものである。はみ出したアンダーフィル材5の幅と補充が必要なアンダーフィル材5の量は一定の相関関係があるからである。ここで、幅の検出にはさまざまな方法が用いられるが、一例としては、ワークの縁に対して平行な線上においてアンダーフィル材5の有無を確認する作業を、ワークの縁に対して一定の距離にある複数の平行線について行い、アンダーフィル材5が無いと認識される線とアンダーフィル材5があると認識される線との境界によりはみ出しの幅を検出する方法があげられる。ここでは、各平行線上においてアンダーフィル材5が少しでも存在している場合またはある一定範囲以上存在している場合などに、その線上にはアンダーフィル材5が存在すると判定する。他の例としては、撮影された画像におけるワークの縁に対して直角な線上において、コントラストの変化が大きい部分を検出することで、ワークとアンダーフィル材5との境目およびアンダーフィル材5と基板との境目とを認識し、はみ出したアンダーフィル材5の幅を検出する方法があげられる。ここでは、必要に応じて、撮影された画像の複数個所で線幅を計測して統計処理を行うのが好ましい。
なお、第1の手法と第2の手法を組み合わせて用いてもよいことは言うまでもない。
本実施例においては、半導体チップ2A〜2Dのそれぞれについて、供給工程〜補充工程を実施するのではなく、まず半導体チップ2A〜2Dの全てに供給工程を実施した後に、撮像工程〜補充工程を実施する。すなわち、半導体チップ2A、2B、2C、2Dの順で供給工程を行った後に、半導体チップ2A、2B、2C、2Dの順で撮像工程と判定工程を実施し、その後、アンダーフィル材5の充填が良好でないと判定された半導体チップ2についてのみ補充工程を行う。
本実施例のように、基板単位で先に供給工程を実施してから撮像工程および補充工程を実施すると、流動が治まるまでの時間に別の半導体チップ2に対して充填作業を行なうことができるので、基板一枚あたりのアンダーフィル工程の所要時間を短くすることができる。なお、撮像工程と判定工程は、パラレルに実施してもよいことは言うまでもない。例えば、半導体チップ2Aを撮像した後、半導体チップ2Aの判定を行い、その間半導体チップ2Bを撮像するのが効率的である。
撮像工程用カメラ40bは、アライメント用カメラ40aや吐出部6とは、別のXY方向移動機構18bによって移動自在とされる。そのため、撮像工程用カメラ40bは、アライメント用カメラ40aや吐出部6とは独立にXY方向に移動することができる。このような構成の装置により、図10の基板1にアンダーフィルする場合の動作を説明する。
供給工程と並行して撮像工程を実施する。すなわち、半導体チップ2Aに供給したアンダーフィル材5の流動が治まり次第、撮像工程用カメラ40bによって、半導体チップ2Aを撮像し、同様に半導体チップ2B、半導体チップ2C、半導体チップ2Dを順次撮像する。
撮像工程と並行して判定工程を実施する。すなわち、半導体チップ2Aの撮像が完了次第、半導体チップ2Aに対して判定を行い、同様に半導体チップ2B、半導体チップ2C、半導体チップ2Dに対しても判定を行う。
実施例2では、図9(a)のパターンにおいて、アンダーフィル材5が適切に充填されたかを判定するために角C、角Dについてアンダーフィル材5が存在するかの判定を行った。しかしながら、アンダーフィル材5の行き届きやすさが角部と辺部でそれほど差が無いような場合には、辺CD中の1点のみについて判定を行うのが効率的である。そこで、本実施例では、辺CDの中央の1点において、半導体チップ2の周辺を含む画像を撮像し、アンダーフィル材5が到達しているか判定することで、より短時間での撮像・判定を行うことを可能とした。
図9(c)のパターンにおいても同様に辺CD中の1点のみについて判定を行うのが効率的であると言える。図9(b)のパターンにおいては、辺CD中の1点と辺AD中の1点(好ましくは、それぞれ角Dに近い1点とする)を判定すればよい。
なお、上述の通り、補充するアンダーフィル材5の量を所定の計算手法によって算出してもよいことは言うまでもない。
液体材料が吐出部から離間する前にワークに接触するタイプの吐出方式としては、先端にノズルを有するシリンジ内の液体材料に調圧されたエアを所望時間だけ印加するエア式、フラットチュービング機構またはロータリーチュービング機構を有するチュービング式、先端にノズルを有する貯留容器の内面に密着摺動するプランジャーを所望量移動して吐出するプランジャー式、スクリューの回転により液体材料を吐出するスクリュー式、所望圧力が印加された液体材料をバルブの開閉により吐出制御するバルブ式などが例示される。
また、液体材料が吐出部から離間した後にワークに接触するタイプの吐出方式としては、弁座に弁体を衝突させて液体材料をノズル先端より飛翔吐出させるジェット式、プランジャータイプのプランジャーを移動させ、次いで急激に停止して、同じくノズル先端より飛翔吐出させるプランジャージェットタイプ、連続噴射方式或いはデマンド方式のインクジェットタイプなどが例示される。
2 半導体チップ
3 保持手段
4 半田バンプ
5 アンダーフィル材
6 吐出部(ノズル)
7 シリンジ
8 シリンジホルダ
9 Zテーブル
11 ガイドシャフト
12 ボールネジ
13 エアチューブ
14 ディスペンサ
15 ヘッドベース
16 光ファイバケーブル
17 搬送レール
18 XY方向移動機構
19 Z方向移動機構
20 照射手段
21 照射部
30 光源
31 画像認識部
40 カメラ
41 カメラホルダ
50 気泡
60 アライメントマーク
Claims (12)
- 基板とその上に保持された略方形状のワークとの間隙に毛細管現象を利用して吐出部から吐出した液体材料を充填する方法において、
複数のワークに対し、各ワークの縁部の1辺に沿って吐出部から液体材料を供給する供給工程と、
各ワークに対し、前記供給工程で液体材料が供給された辺と対向する辺の1箇所の画像を撮像手段により撮像する撮像工程と、
各ワークに対し、撮像された辺の1箇所の画像に基づき液体材料が供給された辺と対向する辺の1箇所における液体材料の存否を検出して基板とワークとの間隙の全域に液体材料が充填されたかを判定する判定工程と、
判定不良とされたワークに対し、撮像された辺の1箇所からはみ出した液体材料の幅を認識し、当該幅から液体材料の補充量を算出し、前記供給工程において液体材料を供給した際の吐出部の位置と重なる位置で前記ワークの縁部に吐出部から前記補充量の液体材料を供給する補充工程とを有すること特徴とする液体材料の充填方法。 - 前記補充工程は、前記供給工程において液体材料を供給した際の吐出部の位置と重なる位置で供給工程よりも短い距離を移動させながら液体材料を供給すること特徴とする請求項1の液体材料の充填方法。
- 前記吐出部は、液滴を噴射して吐出するものであり、
前記補充工程において、液滴を吐出する回数を制御することにより所望とする量の液体材料を供給すること特徴とする請求項1または2の液体材料の充填方法。 - 前記撮像された辺の1箇所が、辺の中央であることを特徴とする請求項1、2または3の液体材料の充填方法。
- 前記撮像された辺に対して一定の距離にある複数の平行線について液体材料の有無を判定することにより当該辺の1箇所からはみ出した液体材料の幅を認識することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの液体材料の充填方法。
- 前記撮像された辺に対して直角な線上におけるコントラストの変化に基づき当該辺の1箇所からはみ出した液体材料の幅を認識することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの液体材料の充填方法。
- 前記撮像手段は、吐出部と独立の駆動手段を有し、
全てのワークに対する供給工程が完了する前に、供給工程が完了したワークに対する撮像工程の実施を開始することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの液体材料の充填方法。 - 前記基板は、アライメントマークを有し、
前記供給工程の前に、基板のアライメントマークを撮像手段により撮像し、基板および/または基板上のワークの保持位置のずれを補正するアライメント工程を有し、
前記アライメント工程と前記撮像工程で同一の撮像手段を用いることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの液体材料の充填方法。 - 前記撮像工程において、撮像手段を中心として周方向に設けられた複数の照射部を有する照明手段によりワークの縁部を照射して撮像することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかの液体材料の充填方法。
- 液体材料を供給する液材供給部と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出部と、吐出部を移動自在とする駆動機構と、撮像手段と、これらの作動を制御し、所望とする量の液体材料を吐出させる制御部とを備える吐出装置において、制御部が、請求項1ないし8のいずれかの液体材料の充填方法を実施するプログラムを有することを特徴とする装置。
- 液体材料を供給する液材供給部と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出部と、吐出部に近接して一体的に配置した撮像手段と、吐出部および撮像手段を移動自在とする駆動機構と、これらの作動を制御し、所望とする量の液体材料を吐出させる制御部とを備える吐出装置であって、
制御部が、請求項8の液体材料の充填方法を実施するプログラムを有することを特徴とする装置。 - 液体材料を供給する液材供給部と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出部と、吐出部を移動自在とする駆動機構と、吐出部に近接して配置した撮像手段と、撮像手段を中心として周方向に設けられた複数の照射部を有する照明手段と、これらの作動を制御し、所望とする量の液体材料を吐出させる制御部とを備える吐出装置であって、
制御部が、請求項9の液体材料の充填方法を実施するプログラムを有することを特徴とする装置。
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