JP2005116805A - Tcp型半導体装置、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

Tcp型半導体装置、その製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能なTCP型半導体装置の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】 封止装置2の樹脂塗布部40において、ステージ42の上方には、キャリッジ43が備えられている。キャリッジ43は、図示しない3つのキャリッジ駆動モータ43x,43y,43zによって駆動され、それぞれX方向(テープ幅方向)、Y方向(テープ長尺方向)、Z方向(上下方向)に移動可能になっている。また、キャリッジ43には、3つのインクジェットヘッド(以下、ヘッドという)44a,44b,44cが備えられている。各ヘッド44a,44b,44cは、X方向に1列並んだ多数のノズル孔(図示せず)をそれぞれ有しており、これらのノズル孔から、ステージ42上のTCP型半導体装置1に対して、インクジェット方式によって液体を吐出することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、TCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置に関する。
従来、半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP(Tape Carrier Package)型半導体装置において、インナーリード部や半導体チップ表面は、ポッティング方式等によりエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を塗布することで封止される(例えば特許文献1)。
テープキャリアには、半導体チップの外形よりも大きなデバイスホールが形成されており、テープキャリア上でパターニングされた配線の一端は、インナーリードとしてデバイスホール内に延出している。このテープキャリアに半導体チップを実装する際には、デバイスホール内に半導体チップが載置され、半導体チップ上に形成されたバンプと、前記インナーリードとが熱圧力接合される。
その後、接合部や半導体チップ表面の物理的な保護、電気的絶縁、遮光等を目的として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が塗布される。半導体チップの表面側から塗布された樹脂の一部は、重力によって半導体チップの外周から下方に回り込むことによって、インナーリードの裏面側や半導体チップの側面をも被覆する。
特開2001−191000号公報
ところが、ポッティング方式による樹脂封止では、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが困難であるという問題を有する。
例えば、封止樹脂がインナーリードの裏面側にも十分に回り込んで、インナーリードの露出が起きないようにし、さらに、応力が集中しやすいデバイスホール際部を補強するためには、少なくともインナーリードの近傍では、比較的多量の封止樹脂を塗布する必要がある。しかし、塗布する樹脂が多すぎると半導体チップの裏面にまで樹脂が至り、厚さが規格を超えたり、外観不良となったりする。さらに、インナーリード近傍で吐出された多量の樹脂は、表面側で凸部を形成するとともに、その一部は外側に向かって流れ出すため、厚さが厚くなりやすいと同時に、塗布範囲が大きくなりやすいという問題を有する。実際には、塗布後の流れ出し等を考慮して樹脂を塗布することになるが、その予測は困難であるうえ、形状が不安定になりやすい。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能なTCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明のTCP型半導体装置の製造方法は、半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域の少なくとも一部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とする。
これによれば、封止樹脂の塗布方法が、小径の液滴を均一に塗布するインクジェット方式であるため、吐出後の樹脂の流動を前提とするポッティング方式と比べて、樹脂が極端な凸部を形成したり、封止領域の外側に流れ出したりするのを抑制することが可能となる。従って、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内の位置に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、封止領域の位置によって塗布したい封止樹脂の量が異なる場合に、位置に応じて適切な量の樹脂を塗布することが可能となる。例えば、封止領域の外周部には、比較的多量の封止樹脂を塗布することにより、インナーリードの裏面側にも十分に封止樹脂が回りこみ、インナーリードが露出するのを防ぐことが可能となる。また、封止領域の中央部には、少量の封止樹脂を塗布することにより、封止領域の外側に必要以上の樹脂が流れ出したり、塗布された封止樹脂が極端な凸部を形成したりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内の位置に応じて、粘度の異なる封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、位置に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、半導体チップ表面に、比較的粘度の低い封止樹脂を塗布すれば、塗布後に隙間なく広がりやすくなるため、薄くても確実な封止を行うことが可能となる。また、封止領域の外周部に、比較的粘度の高い封止樹脂を塗布すれば、封止領域の外側に必要以上の樹脂が流れ出したり、封止樹脂が半導体チップの裏面にまで至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な量の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードのない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも少ない封止樹脂を塗布することにより、インナーリード上に極端な凸部が形成されるのを抑制することが可能となる。また、粘度の低い封止樹脂を用いた場合でも、封止樹脂が封止領域の外側に流れ出たり、半導体チップの裏面に至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも低い粘度の封止樹脂を塗布することにより、インナーリード裏面側にも十分に樹脂が回りこむことが可能となる。
本発明のTCP型半導体装置の製造方法は、半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域のうち、一部の領域にはインクジェット法によって封止樹脂を塗布し、他の領域にはポッティング法によって封止樹脂を塗布することを特徴とする。
これによれば、封止領域の位置や、インナーリードの有無や粗密等の状況に応じて、適切な方法の塗布を行うことが可能となる。例えば、半導体チップとデバイスホールの隙間や、各インナーリード間の隙間が、インクジェットヘッドのノズル径に対して大きい場合には、封止領域の外周部をポッティング方式によって封止すれば、吐出された封止樹脂がその隙間から貫通することはない。また、塗布後の封止樹脂の形状や厚さの制約が緩い場合には、ポッティング方式により簡単に封止樹脂を塗布することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、封止領域の外周部に対する封止樹脂の塗布方法が、小径の液滴を均一に塗布するインクジェット方式であるため、吐出後の樹脂の流動を前提とするポッティング方式と比べて、樹脂が極端な凸部を形成したり、封止領域の外側に流れ出したりするのを抑制することが可能となる。従って、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な量の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも少ない封止樹脂を塗布することにより、インナーリード上に極端な凸部が形成されるのを抑制することが可能となる。また、粘度の低い封止樹脂を用いた場合でも、封止樹脂が封止領域の外側に流れ出たり、半導体チップの裏面に至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも低い粘度の封止樹脂を塗布することにより、インナーリード裏面側にも十分に樹脂が回りこむことが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布してもよい。
これによれば、封止領域の外周部には、ポッティング方式で封止樹脂を塗布するため、半導体チップとデバイスホールの隙間や、各インナーリード間の隙間が、インクジェットヘッドのノズル径に対して大きい場合にも、吐出された封止樹脂がその隙間から貫通することはない。さらに、中央部Riには、インクジェット方式により、必要最小限の封止樹脂を薄く塗布することが可能となるため、中央部Riに塗布された封止樹脂が外周部や、さらにはその外側に流れ出すのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、TCP型半導体装置上にインクジェット方式によって文字や図形を印刷してもよい。
これよれば、ロットナンバ等の製品情報を印刷するための装置や工程が不要となるため、製造時間を短縮し、コストを削減することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内に封止樹脂を塗布した後に、前記封止領域内にインクジェット方式によって文字や図形を印刷してもよい。
これによれば、ベースフィルム上の他の場所にロットナンバ等の製品情報を印刷するための領域が不要になるため、デバイスを小型化することが可能となる。
本発明のTCP型半導体装置は、先に記載のTCP型半導体装置の製造方法によって製造されたTCP型半導体装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域の少なくとも一部には、封止樹脂がインクジェット方式によって塗布されていることを特徴とする。
これによれば、前記製造方法による効果と同様の効果が得られる。
本発明のTCP型半導体装置の製造装置は、半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域の少なくとも一部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とする。
これによれば、封止樹脂の塗布方法が、小径の液滴を均一に塗布するインクジェット方式であるため、吐出後の樹脂の流動を前提とするポッティング方式と比べて、樹脂が極端な凸部を形成したり、封止領域の外側に流れ出したりするのを抑制することが可能となる。従って、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域内の位置に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布するようにしてもよい。
これによれば、封止領域の位置によって塗布したい封止樹脂の量が異なる場合に、位置に応じて適切な量の樹脂を塗布することが可能となる。例えば、封止領域の外周部には、比較的多量の封止樹脂を塗布することにより、インナーリードの裏面側にも十分に封止樹脂が回りこみ、インナーリードが露出するのを防ぐことが可能となる。また、封止領域の中央部には、少量の封止樹脂を塗布することにより、封止領域の外側に必要以上の樹脂が流れ出したり、塗布された封止樹脂が極端な凸部を形成したりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域内の位置に応じて、粘度の異なる封止樹脂を塗布するようにしてもよい。
これによれば、位置に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、半導体チップ表面に、比較的粘度の低い封止樹脂を塗布すれば、塗布後に隙間なく広がりやすくなるため、薄くても確実な封止を行うことが可能となる。また、封止領域の外周部に、比較的粘度の高い封止樹脂を塗布すれば、封止領域の外側に必要以上の樹脂が流れ出したり、封止樹脂が半導体チップの裏面にまで至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布するようにしてもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な量の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも少ない封止樹脂を塗布することにより、インナーリード上に極端な凸部が形成されるのを抑制することが可能となる。また、粘度の低い封止樹脂を用いた場合でも、封止樹脂が封止領域の外側に流れ出たり、半導体チップの裏面に至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布するようにしてもよい。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも低い粘度の封止樹脂を塗布することにより、インナーリード裏面側にも十分に樹脂が回りこむことが可能となる。
本発明のTCP型半導体装置の製造装置は、半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域のうち、一部の領域にはインクジェット方式によって封止樹脂を塗布し、他の領域にはポッティング方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とする。
これによれば、封止領域の位置や、インナーリードの有無や粗密等の状況に応じて、適切な方法の塗布を行うことが可能となる。例えば、半導体チップとデバイスホールの隙間や、各インナーリード間の隙間が、インクジェットヘッドのノズル径に対して大きい場合には、封止領域の外周部をポッティング方式によって封止すれば、吐出された封止樹脂がその隙間から貫通することはない。また、塗布後の封止樹脂の形状や厚さの制約が緩い場合には、ポッティング方式により簡単に封止樹脂を塗布することが可能となる。
このTCP型半導体装置の製造装置において、TCP型半導体装置上にインクジェット方式によって文字や図形を印刷するようにしてもよい。
これよれば、ロットナンバ等の製品情報を印刷するための装置や工程が不要となるため、製造時間を短縮し、コストを削減することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施形態に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るTCP型半導体装置を、図1〜図3を用いて説明する。図1は、TCP型半導体装置の平面図であり、多数のデバイスが連なった長尺のTCP型半導体装置のうちの一部(デバイス3つ分)を示している。図2は、その要部(1つのデバイス)の拡大図であり、図3は、そのA−A断面図である。なお、いずれの図においても、半導体チップの表面やその周辺を樹脂封止する前の状態を示している。
図1に示すように、TCP型半導体装置1は、テープ状のポリイミドフィルム等からなるベースフィルム10と、ベースフィルム10上に積層されたCu等からなる金属膜をパターニングして形成された配線11とを有するテープキャリア12に対して、半導体チップ13を搭載することにより形成される。テープキャリア12は、所定の間隔で同一のパターニングがなされており、半導体チップ13も同一の間隔で搭載されている。また、テープキャリア12の両端には、多数のスプロケットホール14が設けられ、製造時の搬送等に用いられる。
図2に示すように、ベースフィルム10には、半導体チップ13よりも大きなデバイスホール15が設けられ、その内側に半導体チップ13が搭載されている。また、ベースフィルム10上にパターニングされた配線11の一端は、インナーリード11aとして、デバイスホール15の内側に延出しており、SnやAu等のメッキ処理がなされている。本実施形態では、半導体チップ13の上辺側及び下辺側において、比較的粗いピッチでインナーリード11aが延出している。インナーリード11aは、半導体チップ13上に形成されたはんだやAu等からなるバンプ16(図3参照)と熱圧着により接合されている。配線11の他端側は、ベースフィルム10上に設けられた開口部17を横切るように配置されている。開口部17上の配線11は、SnやAu等のメッキ処理がなされ、他の回路基板等へ接続されるアウターリード11bとなる。
上記のように構成されたTCP型半導体装置1は、半導体チップ13とインナーリード11aとが熱圧着により接合された後、半導体チップ13上及びその周辺部からなる封止領域Rzに、エポキシ樹脂等の液状の樹脂からなる封止樹脂が塗布される。その後、境界線18に沿って外形が切断されて、電子機器等へ実装される。
次に、上記のTCP型半導体装置1に封止樹脂を塗布する製造装置としての封止装置について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る封止装置の概略構成を示す模式図である。また、図5は封止装置に備えられたヘッドの斜視図であり、図6はその側断面図である。
図4に示すように、封止装置2は、テープ供給部30、樹脂塗布部40、仮キュア部50及びテープ巻取部60を備えている。以下に、封止装置2の構成をTCP型半導体装置1の流れに沿って説明する。
テープ供給部30には、長尺のTCP型半導体装置1が保護用のスペーサ31に重ね合わせて巻き付けられたリール32が搭載されている。TCP型半導体装置1は、後述するテープ駆動モータ63の駆動によって樹脂塗布部40に送り出されるとともに、スペーサ31は、モータ34により他のリール35に巻き取られる。
樹脂塗布部40では、テープ供給部30から送り出されたTCP型半導体装置1が、ガイドローラ41を経てステージ42上に導かれる。ステージ42は、複数の半導体チップ13が搭載できるように十分な長さを持ち、さらに、これらの半導体チップ13の裏面を真空で吸着することができるようになっている。
ステージ42の上方には、キャリッジ43が備えられている。キャリッジ43は、図示しない3つのキャリッジ駆動モータ43x,43y,43zによって駆動され、それぞれX方向(テープ幅方向)、Y方向(テープ長尺方向)、Z方向(上下方向)に移動可能になっている。また、キャリッジ43には、3つのインクジェットヘッド(以下、ヘッドという)44a,44b,44cが備えられている。各ヘッド44a,44b,44cは、X方向に1列並んだ多数のノズル孔(図示せず)をそれぞれ有しており、これらのノズル孔から、ステージ42上のTCP型半導体装置1に対して、インクジェット方式によって液体を吐出することができる。各ヘッド44a,44b,44cはチューブ45a,45b,45cを介してタンク46a,46b,46cとそれぞれ連通しており、タンク46a,46b,46c内からヘッド44a,44b,44cに対して液体が供給される。また、タンク46a,46b,46cは、ヘッド44a,44b,44cの各ノズルから液体が漏出するのを防ぐため、ヘッド44a,44b,44cよりも低い位置に設置されている。なお、本実施形態では、タンク46aには、粘度がやや高い液体の封止樹脂Laが収容されており、ヘッド44aから吐出される。また、タンク46bには、粘度がやや低い液体の封止樹脂Lbが収容されており、ヘッド44bから吐出される。一方、タンク46cには、ロットナンバ印字用のインクLcが収容されており、ヘッド44cから吐出される。なお、キャリッジ43の駆動や、各ヘッド44a,44b,44cからの封止樹脂La,LbやインクLcの吐出は、制御部90(図7参照)によって制御されている。また、キャリッジ43には、位置検出センサ89(図7参照)が備えられており、ステージ42上にあるデバイスの位置を検出することができるようになっている。本実施形態では、位置検出センサ89として、CCDカメラを用いており、ベースフィルム10上に配線11等と同時にパターニングされて形成される認識マーク(図示せず)を検出することによって、デバイスの位置を特定することができる。樹脂塗布部40で封止樹脂等が塗布されたTCP型半導体装置1は、仮キュア部50に送られる。
仮キュア部50では、TCP型半導体装置1は、2つのガイドローラ51,52を順次通過し、塗布された封止樹脂等が図示しないヒータによって熱せられて仮乾燥される。その後、TCP型半導体装置1は、さらに2つのガイドローラ53,54を通過した後に、テープ巻取部60に送られる。
テープ巻取部60では、仮乾燥されたTCP型半導体装置1が、リール61から供給されるスペーサ62と重ね合わされて、テープ駆動モータ63の駆動によりリール64に巻き取られる。
なお、TCP型半導体装置1の前後には十分な長さのダミーテープが接続されているため、先頭から最後尾の全てのデバイスに対して樹脂を塗布することが可能となっている。
ここで、本実施形態に用いるヘッド44a,44b,44cの構造の一例を図5及び図6に示す。ヘッド44aは、図5に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート71と振動板72とを備え、両者は仕切部材(リザーバプレート)73を介して接合されている。ノズルプレート71と振動板72との間には、仕切部材73によって複数の空間74と液溜まり75とが形成されている。各空間74と液溜まり75の内部は液体の封止樹脂Laで満たされており、各空間74と液溜まり75とは供給口76を介して連通している。さらに、ノズルプレート71には、各空間74から液体の封止樹脂Laを噴射するためのノズル孔77が設けられている。一方、振動板72には、タンク46aからチューブ45aを介して、液溜まり75に封止樹脂Laを供給するための孔78が形成されている。
また、図6に示すように、振動板72の空間74に対向する面と反対側の面上には圧電素子79が接合されている。この圧電素子79は一対の電極80の間に位置し、通電すると圧電素子79が外側に突出するように撓曲し、同時に圧電素子79が接合されている振動板72も一体となって外側に撓曲する。これによって空間74の容積が増大する。したがって、空間74内に増大した容積分に相当する封止樹脂Laが液溜まり75から供給口76を介して流入する。次に、圧電素子79への通電を解除すると、圧電素子79と振動板72はともに元の形状に戻る。これにより、空間74も元の容積に戻るため、空間74内部の封止樹脂Laの圧力が上昇し、ノズル孔77からTCP型半導体装置1に向けて封止樹脂Laの液滴が吐出される。
なお、ヘッド44b及びヘッド44cについても、内部に収容される液体がそれぞれ封止樹脂Lb及び印字用のインクLcであること以外は、ヘッド44aとほぼ同一の構成になっている。
次に、封止装置2の制御方法について図7〜図9を用いて説明する。図7は、封止装置2の樹脂塗布部40の制御に係る回路ブロック図である。また、図8は、図1及び図2に示したTCP型半導体装置1に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図であり、図9は、そのB−B断面図である。
図7に示すように、制御部90は、CPU81、ROM82、RAM83を有しており、これらはマイクロコンピュータ84を構成している。ROM82には、CPU81により実行される制御プログラムが記憶されており、RAM83には、CPU81の制御プログラム(ソフトウェア)実行による処理の前後のデータ等が一時記憶される。さらに、制御部90は、ヘッド44a,44b,44cの圧電素子をそれぞれ駆動するヘッド駆動回路86a,86b,86c、キャリッジ駆動モータ43x,43y,43zをそれぞれ駆動するキャリッジ駆動回路87x,87y,87z及びTCP型半導体装置1の搬送を行うテープ駆動モータ63を駆動するためのテープ駆動回路88を有している。これらの駆動回路86a,86b,86c,87x,87y,87z,88はCPU81に接続されており、CPU81からの命令に従ってテープの搬送、キャリッジの移動、封止樹脂等の吐出が行われる。また、CPU81には、キーボード等の入力手段85が接続されており、TCP型半導体装置1の各種情報が入力される。さらに、CPU81には、キャリッジ上に備えられた位置検出センサ89が接続され、ステージ42上のデバイスの位置を知ることができる。
上記の制御部90によって、封止装置2は以下のように制御される。
まず、オペレータがTCP型半導体装置1に関する情報を入力手段85により入力する。ここで、入力する情報とは、半導体チップ13の位置・サイズ・搭載ピッチ、半導体チップ13の各辺に接続されるインナーリード11aの本数・ピッチ・ギャップ、そして、印字するロットナンバ等の情報である。CPU81は、入力手段85から上記の情報を受け取ると、半導体チップ13の位置やサイズから、封止樹脂を塗布する封止領域Rzを決定する。さらに、インナーリード11aの本数、ピッチ、ギャップ等の情報から、封止領域Rzの外周部Roに塗布すべき封止樹脂の粘度を選定し、その吐出量(1ヶ所あたりへの吐出回数)を決定する。CPU81によって決定されたこれらの制御データはRAM83に記憶される。なお、本実施形態では、1度に3個の半導体チップ13がステージ42上に搭載可能である。また、封止領域Rzの外周部Roには、粘度の高い封止樹脂Laを多量に(1ヶ所に数滴)塗布することがCPU81によって決定される。一方、封止領域Rzの中央部Riには、粘度の低い封止樹脂Lbを少量(1ヶ所に1滴)塗布することが予め設定されている。
次に、CPU81は、テープ駆動回路88に信号を送り、テープ駆動モータ63を駆動して、先頭の3個のデバイスをステージ42上に誘導する。そして、キャリッジ43上の位置検出センサ89で確認しながら、各半導体チップ13をステージ42上の所定の位置に設置し、裏面を真空で吸引して位置を固定する。次に、キャリッジ駆動回路87x,87yに信号を送り、キャリッジ駆動モータ43x,43yを駆動させ、ヘッド44aのノズルが先頭のデバイスの走査開始位置20(図8参照)上にくるようにキャリッジ43を移動させる。次いで、キャリッジ駆動回路87zに信号を送り、キャリッジ駆動モータ43zを駆動することで、キャリッジ43を半導体チップ13に近づけて、封止樹脂を塗布可能な状態とする。
次に、封止樹脂の塗布を開始する。走査開始位置20は、封止領域Rzの外周部Roに位置し、すべて高粘度の封止樹脂Laを塗布する領域であるため、CPU81はヘッド駆動回路86aに信号を送り、ヘッド44aの圧電素子を駆動して、ヘッド44aのすべてのノズル孔77から封止樹脂Laを吐出する。次に、キャリッジ43を反Y方向に所定の距離だけ走査させ、同様に封止樹脂Laを吐出する。これを何度か繰り返して、隙間がないように封止樹脂Laを塗布していく。途中でヘッド44aが封止領域Rzの外周部Roと中央部Riにまたがる位置に来た時は、外周部Ro上にあるノズル孔77のみから封止樹脂Laを吐出し、ヘッド44bのノズル孔77がこの位置に来た時には、中央部Ri上にあるノズル孔77のみから封止樹脂Lbを吐出する。このようにして封止領域Rzの端部まで塗布が終われば、キャリッジ43をX方向に移動させ、同様に、封止樹脂La,Lbを選択的に吐出しながらキャリッジ43をY方向に走査する。上記の動作を繰り返すことにより、封止領域Rzのすべての範囲に封止樹脂La,Lbが塗布される。
次に、キャリッジ43を再度走査開始位置20に移動し、同様にキャリッジ43を走査しながら、封止領域Rzに封止樹脂の塗布を行う。ただし、ここでは中央部Riには、すでに所定量(1ヶ所に1滴)の封止樹脂Lbが塗布されているため、封止樹脂Laを多量に(1ヶ所に数滴)塗布する領域(外周部Ro)にのみ塗布を行う。これを数回繰り返すことにより、外周部Roにも所定量(1ヶ所に数滴)の封止樹脂Lbが塗布された時点で封止樹脂の塗布を終了する。
続いて、文字や図形としてのロットナンバ19の印字を行う。キャリッジ43をロットナンバ19の先頭文字側の印字開始位置(図示せず)に移動し、キャリッジを反Y方向に走査しながらヘッド44cからインクLcを吐出することで、事前に入力されたロットナンバ19がベースフィルム10上に印字される。
次に、ヘッド44aが先頭から2番目のデバイスの走査開始位置20にくるようにキャリッジ43を移動させ、同様に封止樹脂La,Lbの塗布及びロットナンバ19の印刷を行い、その後、3番目のデバイスに対しての塗布・印刷を行う。これが終わると、テープ駆動モータ63を駆動し、次の3個のデバイスをステージ42上に導き、同様の動作を繰り返す。これを最後尾のデバイスまで繰り返すことにより、リール32に巻かれたTCP型半導体装置1の樹脂封止が完了する。
図9に示すように、上記のように塗布された封止樹脂は、外周部Roで多量の封止樹脂が塗布されるため、デバイスの裏面側の領域Rlにも十分に樹脂が回りこむことができる。さらに、外周部Roには、粘度の高い封止樹脂Laを用いているため、樹脂が封止領域Rzの外側に流れ出たり、半導体チップ13の裏面13aに至ったりするのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態のTCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、封止樹脂の塗布方法が、小径の液滴を均一に吐出するインクジェット方式であるため、吐出後の樹脂の流動を前提とするポッティング方式と比べて、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能となる。例えば、位置に応じて適量の樹脂を塗布することが可能となるため、封止領域Rzの外側に封止樹脂が流れ出すのを抑制することが可能となるうえ、封止領域Rz内に留まった封止樹脂が極端な凸部を形成したり、半導体チップ13の裏面13aに至ったりするのを抑制することが可能となる。従って、塗布された封止樹脂の範囲や高さを最小限に抑えたTCP型半導体装置を得ることができる。
(2)本実施形態によれば、封止領域Rzの外周部Roでは、多量の封止樹脂を塗布し、中央部Riでは、少量の封止樹脂を塗布している。このため、外周部Roでは、デバイスの裏面側の領域Rlにも十分に樹脂が回り込むことが可能となるうえ、中央部Riには少量の樹脂しか塗布されないので、中央部Riに塗布された封止樹脂が外周部Roや、さらにはその外側に流れ出すのを抑制することが可能となる。
(3)本実施形態によれば、封止領域Rzの外周部Roには、粘度がやや高い封止樹脂Laを塗布しているため、樹脂が封止領域Rzの外側に流れ出たり、半導体チップ13の裏面13aに至ったりするのを抑制することが可能となる。一方、封止領域Rzの中央部Riには、粘度がやや低い封止樹脂Lbを塗布しているため、塗布後に隙間なく広がりやすく、少ない樹脂量で確実な封止をすることが可能となる。
(4)本実施形態によれば、樹脂封止の装置がロットナンバの印字の機能をも備えているため、印字のための装置や工程が不要となり、製造時間を短縮し、コストを削減することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を、図10及び図11を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図10及び図11は、TCP型半導体装置の要部(1つのデバイス)の平面図であり。図10は、樹脂封止する前の状態を、図11は、樹脂封止した後の状態を示している。
図10に示すように、このTCP型半導体装置1において、半導体チップ13の下辺側では、第1実施形態と同様、インナーリード11aが粗いピッチでデバイスホール15の内側に延出しており、半導体チップ13に接続されている。一方、半導体チップ13の上辺側では、多数の配線21が形成されており、これらのインナーリード21aが狭いピッチでデバイスホール15の内側に延出され、半導体チップ13に接続されている。なお、ベースフィルム10上に形成されたアウターリード21bには、SnやAu等のメッキ処理がなされており、外形切断後に液晶表示パネル等に接続される。
このTCP型半導体装置1に封止樹脂を塗布する際には、第1実施形態と同様の装置で行われ、制御部90によって以下のような制御がなされる。
CPU81は、入力手段85からこのTCP型半導体装置1の情報を受け取ると、封止領域Rzの外周部Roの中でも、インナーリード11aのピッチが粗い下辺側の領域Rc(図11参照)と、インナーリードがない左右の領域Rb,Rdには、第1実施形態と同様に、粘度の高い封止樹脂Laを多量に(1ヶ所に数滴)塗布するよう決定する。しかし、インナーリード21aのピッチが狭い上辺側の領域Raには、中央部Riと同様に、粘度の低い封止樹脂Lbを塗布するように決定する。また、領域Raへの塗布量は、中央部Riへの塗布量(1ヶ所に1滴)よりも多いが、他の外周部の領域Rb,Rc,Rdへの塗布量(1ヶ所に数滴)よりは少なく設定する。
上記以外は、第1実施形態と同様の制御により、図11に示すTCP型半導体装置が完成する。
以上説明したように、本実施形態のTCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、封止領域Rzの外周部Roにおいて、インナーリードのピッチが粗い領域Rcやインナーリードがない領域Rb,Rdには、高い粘度の封止樹脂Laを用い、多数のインナーリードが狭いピッチで存在する領域Raには、低い粘度の封止樹脂Lbを用いている。このため、インナーリードが密に存在している領域Raの裏面にも十分に樹脂が回りこむことが可能となる。
(2)本実施形態によれば、封止領域Rzの外周部Roにおいて、インナーリードのピッチが粗い領域Rcやインナーリードがない領域Rb,Rdには、多量の封止樹脂を塗布し、多数のインナーリードが狭いピッチで存在する領域Raには、それよりも少ない量の封止樹脂を塗布している。このため、インナーリードが密に存在する領域Ra上に、極端な凸部が形成されるのを抑制することが可能になるうえ、粘度が低い封止樹脂Lbを用いても、封止樹脂が封止領域Rzの外側へ流れ出したり、半導体チップ13の裏面13aへ至ったりするのを抑制することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を、図12〜図14を用いて説明する。なお、第1又は第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図12は、本発明の第3実施形態に係る製造装置としての封止装置の概略構成を示す模式図であり、図13は、この封止装置の樹脂塗布部40の制御に係る回路ブロック図である。
図12に示すように、封止装置2は、樹脂塗布部40のキャリッジ43上に、ポッティング用のシリンジ47を有している。シリンジ47にはヘッド44bと同様、比較的粘度の低い封止樹脂Lbが収容されており、同一の封止樹脂Lbが収容されたタンク46dからチューブ45dを介して封止樹脂を補充できるようになっている。また、樹脂塗布部40には、ディスペンサ48が備えられており、ディスペンサ48からエアチューブ49を介してシリンジ47内に圧力を加えることにより、シリンジ47の先端のノズルから封止樹脂が吐出される。また、図13に示すように、制御部90の構成は、ほぼ第1実施形態と同等であるが、CPU81がディスペンサ48を制御できるようになっている。
次に、この封止装置2を用いた封止樹脂の塗布について説明する。図14は、図10(第2実施形態)に示したTCP型半導体装置に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図である。
CPU81は、入力手段85からこのTCP型半導体装置1の情報を受け取ると、第2実施形態と同様、封止領域Rzの外周部の中でも、インナーリード11aのピッチが粗い下辺側の領域Rcと、インナーリードがない左右の領域Rb,Rdには、粘度の高い封止樹脂Laを多量に(1ヶ所に数滴)塗布するよう決定し、インナーリード21aのピッチが狭い上辺側の領域Raには、粘度の低い封止樹脂Lbを塗布するように決定する。また、領域Raへの塗布量は、他の領域Rb,Rc,Rdへの塗布量(1ヶ所に数滴)よりは少なく設定する。そして、ヘッド44a,44bから、インクジェット方式により封止領域Rzに封止樹脂La,Lbを選択的に塗布する。ただし、本実施形態では、インクジェット方式で封止樹脂を塗布するのは、外周部Ro(領域Ra,Rb,Rc,Rd)のみであり、中央部Riには塗布しない。そのため、インクジェット方式による塗布が終了した時点では、封止樹脂は枠状に塗布され、中央部Riが露出した状態となる。
次に、露出した中央部Riに対してポッティング方式により封止樹脂Lbを塗布する。ポッティング用のシリンジ47のノズルが、ポッティング開始位置22の上方にくるようにキャリッジ43を移動させ、さらにキャリッジ43を下方に下げてノズルをデバイスに近づける。次いで、CPU81は、ディスペンサ48に対して信号を送り、封止樹脂Lbの吐出を始めるとともに、吐出をしながらキャリッジ43をX方向に移動させる。そして、ノズルが中央部RiのX方向端まできたら、吐出を止め、キャリッジ43を所定量だけ反Y方向に移動させる。その後、再度封止樹脂を吐出しながらキャリッジ43を反X方向に移動させて、中央部Riへの封止樹脂Lbの塗布を完了する。
以上説明したように、本実施形態のTCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置によれば、上記第1及び第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、中央部Riには、ポッティング方式で封止樹脂を塗布しているため、簡単に樹脂封止を行うことが可能となる。一方、外周部Roには、インクジェット方式で封止樹脂を塗布しているため、封止領域Rzの外側に封止樹脂が流れ出すのを抑制することが可能となるうえ、封止領域Rz内に留まった封止樹脂が極端な凸部を形成したり、半導体チップ13の裏面13aに至ったりするのを抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を、図15を用いて説明する。なお、第1〜第3実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図15は、図1及び図2(第1実施形態)に示したTCP型半導体装置1に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図である。封止装置2やその制御部90は、第3実施形態と同一のものを使用するが、ポッティング用のシリンジ47やタンク46dには、比較的粘度の高い封止樹脂Laが収容されている。
本実施形態による樹脂封止は、封止領域Rzの外周部Roにはポッティング方式で行い、中央部Riには、インクジェット方式によって行う。まず、ポッティング用のシリンジ47のノズルが、ポッティング開始位置22の上方にくるようにキャリッジ43を移動させ、さらにキャリッジ43を下方に下げてノズルをデバイスに近づける。次いで、CPU81は、ディスペンサ48に対して信号を送り、封止樹脂Laの吐出を始めるとともに、吐出をしながらキャリッジ43をX方向に移動させる。そして、ノズルが外周部RoのX方向端まできたら、キャリッジ43を反Y方向に移動し、その後、反X方向、Y方向と順次移動させて、再びポッティング開始位置22の近傍に戻ったところで吐出を止める。これにより、封止領域Rzの外周部Roの塗布が完了する。次に、中央部Riを、第1実施形態と同様、粘度の低い封止樹脂Lbをインクジェット方式によって少量(1ヶ所に1滴)塗布する。
上記のように、封止樹脂の塗布が終了した後に、文字や図形としてのロットナンバ19の印刷を行う。本実施形態では、ベースフィルム10上ではなく、樹脂封止した封止領域Rz内に印刷を行っている。
以上説明したように、本実施形態のTCP型半導体装置、その製造方法及び製造装置によれば、上記第1〜第3実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、外周部Roには、ポッティング方式で封止樹脂を塗布している。このため、半導体チップ13とデバイスホール15の隙間や、各インナーリード11a間の隙間が、ヘッド44a,44bのノズル径に対して大きい場合にも、吐出された封止樹脂がその隙間から貫通することはない。さらに、中央部Riには、少量の封止樹脂をインクジェット方式で塗布しているため、中央部Riに塗布された封止樹脂が外周部Roや、さらにはその外側に流れ出すのを抑制することが可能となる。
(2)本実施形態によれば、ロットナンバ19の印刷を、ベースフィルム10上ではなく、封止領域Rz内に行っている。このため、ベースフィルム10上に印刷のためのスペースが不要となり、デバイスを小型化することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、図8に示すように、キャリッジ43を4回の走査(2往復)で、封止領域Rz内を塗布しているが、より多数のノズル孔77を備えたインクジェットヘッドを用いれば、封止領域Rz内を1回の走査で塗布することも可能である。
・前記実施形態では、封止樹脂を多量に(1ヶ所に数滴)塗布する際に、封止領域Rz内の全面に1滴ずつ塗布する工程を繰り返しているが、これを、1度に数滴ずつ塗布しながらキャリッジ43を走査してもよい。或いは、走査開始位置20から反Y方向に1滴ずつ塗布し終わった後に、キャリッジ43をX方向に移動させず、Y方向、反Y方向を往復移動しながら1滴ずつ塗布し、所定量の塗布が完了した後にキャリッジ43をX方向に移動させてもよい。
・前記実施形態では、封止樹脂を塗布する際に、キャリッジ43を走査開始位置20に移動し、その後、封止樹脂の吐出とキャリッジ43の走査を繰り返しているが、これを、走査開始位置20よりもY方向に離れた位置から走査を開始し、キャリッジ43を一定速度で走査しながら、所定の位置への吐出をしてもよい。これによれば、封止樹脂の塗布に要する時間を短縮することが可能となる。
・前記実施形態では、ヘッド44a,44b,44cは、それぞれ1列のノズル孔77を備えているが、それぞれ複数列のノズル孔77を備えていてもよい。これによれば、キャリッジ43が一定速度で走査しながら封止樹脂の吐出をする場合でも、1回の走査で多量(1ヶ所に数滴)の封止樹脂を塗布することも可能となり、封止樹脂の塗布に要する時間をさらに短縮することが可能となる。
・前記実施形態では、TCP型半導体装置1上にロットナンバ19の印刷を行っているが、これは、製品名称やロゴマーク等、他の文字や記号、図形等であってもよい。
・前記実施形態のステージ42は、TCP型半導体装置1を加熱する機能を備えていてもよい。これによれば、塗布された封止樹脂をより早く乾燥することが可能となる。
・前記実施形態では、封止領域Rzは単純な長方形形状をしているが、これを、他の形状にしてもよい。インクジェット方式による塗布では、複雑な形状にすることも容易に実現可能である。
・前記実施形態では、封止領域Rzを中央部Riと外周部Roの大きく2つに区分しているが、より細かな区分をして塗布量や粘度を使い分ければ、より本発明の効果を発揮させることができる。
・前記実施形態では、圧電素子の撓曲を利用してインクを吐出する構造のインクジェットヘッド44a,44b,44cを用いたが、他の任意の構造のインクジェットヘッド、例えば加熱により発生するバブルによりインクを吐出する方式のインクジェットヘッドなどを用いることもできる。
次に、前記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項19に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
これによれば、封止領域の外周部への塗布方法が、小径の液滴を均一に塗布するインクジェット方式であるため、吐出後の樹脂の流動を前提とするポッティング方式と比べて、樹脂が極端な凸部を形成したり、封止領域の外側に流れ出したりするのを抑制することが可能となる。従って、塗布後の封止樹脂の形状や厚さを所望の状態にすることが可能となる。
(2)前記技術的思想(1)に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な量の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも少ない封止樹脂を塗布することにより、インナーリード上に極端な凸部が形成されるのを抑制することが可能となる。さらに、粘度の低い封止樹脂を用いた場合にも、封止樹脂が封止領域の外側に流れ出たり、半導体チップの裏面に至ってしまったりするのを抑制することが可能となる。
(3)前記技術的思想(1)又は(2)に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又はピッチに応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
これによれば、インナーリードの有無や粗密に応じて適切な粘度の封止樹脂を塗布することが可能となる。例えば、インナーリードが密に存在している領域には、インナーリードがない領域やインナーリードが粗く存在している領域よりも低い粘度の封止樹脂を塗布することにより、インナーリード裏面側にも十分に樹脂が回りこむことが可能となる。
(4)請求項19に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
これによれば、封止領域の外周部には、ポッティング方式で封止樹脂を塗布するため、半導体チップとデバイスホールの隙間や、各インナーリード間の隙間が、インクジェットヘッドのノズル径に対して大きい場合にも、吐出された封止樹脂がその隙間から貫通することはない。さらに、中央部Riには、インクジェット方式により、必要最小限の封止樹脂を薄く塗布することが可能となるため、中央部Riに塗布された封止樹脂が外周部や、さらにはその外側に流れ出すのを抑制することが可能となる。
(5)請求項20に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域内に封止樹脂を塗布した後に、前記封止領域内にインクジェット方式によって文字や図形を印刷することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
これによれば、ベースフィルム上の他の場所にロットナンバ等の製品情報を印刷するための領域が不要になるため、デバイスを小型化することが可能となる。
第1実施形態のTCP型半導体装置の平面図。 図1の要部の拡大図。 図2のA−A断面図。 第1実施形態の封止装置の概略構成を示す模式図。 封止装置に備えられたヘッドの斜視図。 図5の側断面図。 第1実施形態の封止装置の樹脂塗布部の制御に係る回路ブロック図。 第1実施形態のTCP型半導体装置に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図。 図8のB−B断面図。 第2実施形態のTCP型半導体装置における樹脂封止前の要部の平面図。 第2実施形態のTCP型半導体装置における樹脂封止後の要部の平面図。 第3実施形態の封止装置の概略構成を示す模式図。 第3実施形態の封止装置の樹脂塗布部の制御に係る回路ブロック図。 第3実施形態のTCP型半導体装置に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図。 第4実施形態のTCP型半導体装置に封止樹脂を塗布する様子を示す説明図。
符号の説明
1…TCP型半導体装置、2…製造装置としての封止装置、10…ベースフィルム、11,21…配線、11a,21a…インナーリード、11b,21b…アウターリード、12…テープキャリア、13…半導体チップ、13a…半導体チップの裏面、14…スプロケットホール、15…デバイスホール、16…バンプ、17…開口部、18…境界線、19…文字や図形としてのロットナンバ、20…走査開始位置、22…ポッティング開始位置、30…テープ供給部、31,62…スペーサ、32,35,61,64…リール、34…モータ、40…樹脂塗布部、41,51,52,53,54…ガイドローラ、42…ステージ、43…キャリッジ、43x,43y,43z…キャリッジ駆動モータ、44a,44b,44c…インクジェットヘッド、45a,45b,45c,45d…チューブ、46a,46b,46c,46d…タンク、47…シリンジ、48…ディスペンサ、49…エアチューブ、50…仮キュア部、60…テープ巻取部、63…テープ駆動モータ、71…ノズルプレート、72…振動板、73…仕切部材、74…空間、75…液溜まり、76…供給口、77…ノズル孔、78…孔、79…圧電素子、80…電極、81…CPU、82…ROM、83…RAM、84…マイクロコンピュータ、85…入力手段、86a,86b,86c…ヘッド駆動回路、87x,87y,87z…キャリッジ駆動回路、88…テープ駆動回路、89…位置検出センサ、90…制御部、La,Lb…封止樹脂、Lc…インク、Rz…封止領域、Ri…中央部、Ro…外周部、Ra,Rb,Rc,Rd、Rl…領域。

Claims (20)

  1. 半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域の少なくとも一部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内の位置に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内の位置に応じて、粘度の異なる封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  6. 半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域のうち、一部の領域にはインクジェット法によって封止樹脂を塗布し、他の領域にはポッティング法によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  10. 請求項6に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域の外周部には、ポッティング方式によって封止樹脂を塗布し、前記封止領域の中央部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、TCP型半導体装置上にインクジェット方式によって文字や図形を印刷することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載のTCP型半導体装置の製造方法において、前記封止領域内に封止樹脂を塗布した後に、前記封止領域内にインクジェット方式によって文字や図形を印刷することを特徴とするTCP型半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造方法によって製造されたTCP型半導体装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域の少なくとも一部には、封止樹脂がインクジェット方式によって塗布されていることを特徴とするTCP型半導体装置。
  14. 半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域の少なくとも一部には、インクジェット方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  15. 請求項14に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域内の位置に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  16. 請求項14又は15に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域内の位置に応じて、粘度の異なる封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる量の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  18. 請求項14〜17のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、前記封止領域の外周部に封止樹脂を塗布する際に、前記インナーリードの有無又は粗密に応じて、異なる粘度の封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  19. 半導体チップをテープキャリアのインナーリードに接合したTCP型半導体装置の製造装置であって、前記半導体チップの表面とその周辺部とからなる封止領域に封止樹脂を塗布する際に、前記封止領域のうち、一部の領域にはインクジェット方式によって封止樹脂を塗布し、他の領域にはポッティング方式によって封止樹脂を塗布することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
  20. 請求項14〜19のいずれか1項に記載のTCP型半導体装置の製造装置において、TCP型半導体装置上にインクジェット方式によって文字や図形を印刷することを特徴とするTCP型半導体装置の製造装置。
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