JP5089661B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機、特にその電気部品を電気的に接続する配線部材(ハーネスと称される)を配線途中で止めるための係止構造を備えた遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機などの遊技機では、その各種電気部品をハーネスと称される配線部材を用いて電気的に接続すると共に、その配線途中を係止構造にて基板ケースなどの所定部位に取り外し可能に止めている。
たとえば、基板ケースの側壁の隣りに脱落抑制部を立設し、脱落抑制部の頂部を越えてケース外方向に突き出しかつその先端部を下方に垂下させたフック部を引き出し規制部として有する構造とし、これら側壁、引き出し規制部、および脱落抑制部の三者で配線部材収納空間を形成した係止構造が知られている(下記特許文献1参照)。
また弾性特性を有する二つの起立片を並設し、その一方は頂部から相手側起立片の内側壁下方に向う折り返しによるフック部を配線押さえ部として有する係止構造も知られている(下記特許文献2参照)。
特開2007−117514号公報 特開平11−244492号公報
しかしながら、配線部材を止める係止構造は、フック部を設けて配線部材の外れ防止機能が十分に発揮される構造にすればするほど、挿入後の配線部材を外すことが困難になる。
たとえば、特許文献2のように、フック部と相手側の起立片と間の隙間を無くするかまたは狭くして配線部材が外れ難い係止構造にすると、製造時およびトラブル対応時に基板ケースごとの交換を行う場合や、リサイクルさせる場合などにおいて、基板ケースの係止構造から配線部材を外す際にフック部からハーネスが外れ難くなってしまう。また逆に配線部材を外し易くするためにフック部と相手側の起立片と間の隙間を広くすると、振動などでフック部から配線部材が外れ易くなってしまう、という課題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フック部と相手側部材と間の隙間を無くするかまたは狭くしても、配線部材を外すことが容易である配線部材の係止構造を有する遊技機を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)電気部品を電気的に接続する配線部材(300)の配線(302)を途中で止めるため、起立片(202)を相手側部材(201)に対向させて立設し、その頂部付近から相手側部材の対向面の基部(201b)方向に向うフック部(203)を設けて配線押さえ部とした係止構造(200)を備える遊技機において、前記係止構造のフック部(203)には、フック部の一側辺(203b)から先端辺(203a)にかけて斜めに傾斜案内部(206)を形成した、ことを特徴とする遊技機。
(2)内部に制御基板(27)を収納した基板ケース(26)を有し、前記係止構造が前記基板ケースの上壁(61)を形成する膨出壁(61a)の近傍において前記基板ケースに設けられている、ことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
(3)前記基板ケースは、前記制御基板の被接続部(57)が露出する開口部(71)を有しており、
前記配線部材は、前記開口部から露出する前記被接続部に接続可能な接続部(301)と、該接続部から延出する配線(302)とを備え、
前記係止構造は、前記開口部に近い箇所で前記基板ケースに設けられ、前記被接続部に接続された前記接続部から延出する配線を一旦屈曲させて前記フック部で抑え込むように配置されており、
前記フック部は前記傾斜案内部の存在する一側辺が前記被接続部に近い側に位置している、ことを特徴とする上記(2)に記載の遊技機。
(4)前記基板ケース内には、前記起立片を設けるため開口(209)が形成された領域と前記制御基板の存在する領域(26b)との間に、前記開口から挿入される可能性のある不正部材が前記制御基板側に進入するのを阻止する壁(57)を設けた、ことを特徴とする上記(2)または(3)に記載の遊技機。
本発明の係止構造では、傾斜案内部が斜辺を形成する三角形凹所に配線部材の配線のうちの全部または多数本が一度に案内されて入り、そこから傾斜面に沿って起立片の幅方向一端側に案内され、次いでフック部先端辺と相手側部材との間の隙間が走る方向に沿って配線が案内される。すなわち、配線部材の配線を三角形凹所から隙間の入口端に入れ、配線部材を隙間の走る方向に力を加えて引っ張ることにより、容易に配線を隙間の出口端まで通すことができる。このためフック部と相手側部材と間の隙間を無くするかまたは狭くしても、簡単にフック部から配線を外すことができる。
本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。 遊技機の裏面側を示す斜視図である。 遊技盤の正面側を示す図である。 主制御基板ケースを斜め上方から見た斜視図である。 主制御基板ケースの分解斜視図である。 主制御基板ケースを構成する第2のケース体の内面図である。 主制御基板ケースを構成する第2のケース体の背面図である。 第2のケース体において連結部材およびシールカバー部材を取り付けた後の状態を示した背面図である。 第1のケース体に第2のケース体を差し込む状態を示した図である。 第1のケース体に第2のケース体を差し込んだ後の状態を示した図である。 主制御基板ケースの封止手段の部分を示した断面図である。 図11の封止手段における封止部材が被結合部に係合した状態を示した断面図である。 図11の封止手段における封止部材が被結合部に係合した状態を、ケースの長手方向に沿った断面で示した図である。 主制御基板ケースを斜め下方から見た斜視図である。 主制御基板ケースのシールカバー部材の止め方を示した図である。 シールカバー部材と取り付けた第1のケース体の正面側の一部を示した図である。 主制御基板ケースを斜め下方から見た斜視図の一部を示した図である。 主制御基板ケースのコネクタに接続した配線部材とその配線の係止構造とを示した図である。 配線部材の配線を止める係止構造左側面図である。 本発明の係止構造のフック部から配線部材の配線を外す手順を示した図である。 比較例の係止構造における傾斜案内部の存在しないフック部から配線部材の配線を外す手順を示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態を、パチンコ遊技機を例にして説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図3参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤収納フレームを覆って遊技盤3を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられ、これにより遊技盤3と前面枠2とが一体化されている。この裏機構盤16の上部の一側寄りには、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端に接続して、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19を設けてある。さらに、裏機構盤16の上部の他側隅部には、パチンコホール全体の遊技機を統括的に管理する管理用コンピュータ(図示せず)に電気的に接続するための外部端子基板21が端子基板ケース22に収めて設けられている。
また、裏機構板の略中央には、遊技盤3の裏側に装着された透明の裏カバー23が嵌合しており、この裏カバー23内に、演出制御基板24を収納した透明の演出制御基板ケース24aと、液晶制御基板25を収納した透明の液晶制御基板ケース25aとが設けられている。演出制御基板ケース24aの下方には、内部に主制御基板27を収納した透明な主制御基板ケース26が設けられている。
さらに主制御基板ケース26の下方には、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース28が設けてあると共に、電源基板31を収めた透明な電源基板ケース30が配設されている。さらにまた、発射操作ハンドル15に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示せず)の後側に発射制御基板33が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図3に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサが設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサが配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサが配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサが形成されている。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイドが作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
<主制御基板ケース26>
図4は、主制御基板27を収納した主制御基板ケース26の外観を示す。主制御基板ケース26は、全体として扁平な略矩形状であって、図5に示すように、互いに係脱自在の第1のケース体51と第2のケース体52とを備えると共に、その外周側の一辺、たとえば左端側に沿って封止手段53が設けられ、また第1のケース体51と第2のケース体52とは、開閉可能な状態で連結部材(連結手段)54により連結されている。また第1のケース体51と第2のケース体52は、互いに閉じてロック状態とした後、貼付するシールを保護するため、下方から略U字形のバインド部材(シールカバー部材)55により弾性的に前後方向から挟持される。これら第1のケース体51、第2のケース体52、封止手段53、連結手段54、シールカバー部材55を含む全体が透明な合成樹脂により成形されている。
図5に示すように、主制御基板ケース26内に格納される主制御基板27は矩形状であって、その一面側には、中央寄りの部分にCPU、ROM、RAM等の電子部品56が配置され、また外縁部近傍には、コネクタ(被接続部)57が装着されている。
第2のケース体52は、図5に示すように、主制御基板27の電子部品装着面側に対向する上壁61と、その上壁61の三辺、たとえば上下辺および右辺に沿って主制御基板27の裏面側に向けて延設された周壁62、63、64(図6参照)とを一体に備え、主制御基板27の裏面側に対応する面、および外周側の残りの一方側、すなわち左側の面はその略全面が開放されて開口65、66を形成している。
そして、上壁61の内面側には、図6に示すように、左側の開口66から所定距離内側(右の周壁64側)の位置に仕切り壁67が右の周壁64と略平行に配置されている。この仕切り壁67は、主制御基板ケース26内の空間を封止領域26bと基板格納領域26aとに仕切るもので、周壁62〜64と仕切り壁67とで取り囲まれた領域が基板格納領域26a、仕切り壁67よりも開口66側の領域が封止領域26bとなっている。なお、仕切り壁67の両端部と周壁62、63との間にはそれぞれ隙間67aが形成されている(図6)。
上壁61のうち、基板格納領域26aに対応する基板側上壁には、内部に配置される主制御基板27との間に電子部品56の収容空間を確保できるように、基板支持面70(図6)から外向き(遊技機の後向き)に膨出部68(図5参照)が形成されると共に、周壁62、63、64に沿って複数箇所に、膨出部68よりも低い段部69(ここでは段部69a〜69d)が形成されている。これらの段部69は、主制御基板ケース26の内側(図6)から見ると、基板格納領域26aの内周囲に隆起部70a、70bまたは段差部70c、70dとして存在し、それら全体として主制御基板27を支持する基板支持面70を形成している。
段部69には、制御基板の被接続部57が露出する開口部として、主制御基板27側のコネクタ57が内側から嵌合するコネクタ嵌合孔71が1個または複数個設けられている。
主制御基板27は、電子部品装着面を上壁61側に向けた状態で第2のケース体52の基板格納領域内に嵌め込まれ、基板支持面70に支持され、固定基部にねじ止めすることにより固定される。
上壁61のうち、封止領域26bに対応する封止側上壁には、図6に示すように、基板側上壁との境界部に沿って段部69と同じ高さに配置される低壁72と、この低壁72の開口66側に突出状に設けられ且つ低壁72よりも一段高い高壁73とを備え、それら低壁72と高壁73との間はそれら低壁72および高壁73に略垂直な起立壁74により連結されている。
図7において、高壁73の外面側は、連結部材54の一端側を固定するための第2の固定ベース部75となっている。この第2の固定ベース部75は、高壁73に突設した複数のカシメピン76(固定手段)と、高壁73の外縁部に沿って設けた囲いリブ77とを備えている。
また、図5から判るように、上下の周壁62、63の封止領域26b側端部、すなわち左端部には、高壁73の上下辺と略平行に突出する一対の係合突部78が設けられている。この係合突部78は第1のケース体51に対する差込部となる。また、上下の周壁62、63の基板格納領域26aに対応する外面側には、第1のケース体51にスライド式に嵌め合わせて一体化するため、外向き突出状の係合爪79が、開口65側の縁部に沿って間欠的に複数設けられている。
また、図6に示すように、係合突部78の設けられている第2の固定ベース部75側とは反対側の周壁64には、第1のケース体51の嵌合壁75に設けた係止穴80a(図5)に差し込むための差込突起80が設けられている。
第1のケース体51は、図5に示すように、底壁81、側壁82、嵌合壁83、84、85を一体に備えており、第2のケース体52と向かい合わせに嵌め合わせたとき、底壁81、側壁82がそれぞれ第2のケース体52側の開口65、66を略閉鎖すると共に、嵌合壁83、84、85がそれぞれ第2のケース体52側の周壁62、63、64の外面側に嵌合するようになっている。
また、底壁81には、第2のケース体52側の上下の周壁62、63の内面側に沿う一対の案内壁86、87が、側壁82の内面側から嵌合壁85側に向けて上下の嵌合壁83、84の内側に平行に配置されている。これら案内壁86と嵌合壁83との間、および案内壁87と嵌合壁84との間は、第2のケース体52側の周壁62、63が摺動自在に嵌合する案内溝88、89となっている。
また、上下の嵌合壁83、84には、第2のケース体52側の係合爪79がそれぞれ係脱自在に係合可能な被係合部90が設けられている。この被係合部90は、図17に示すように、係合爪79が嵌脱自在に入り込む切り欠き部90aと、案内溝88、89に沿ってこれら切り欠き部90aに対して封止領域26bとは反対側(右側)に隣接して設けられ且つ係合爪79がそれぞれ係合する係止部90bとで構成されている。
そして係合爪79を図10の如くそれぞれ切り欠き部90aに嵌合させるように第2のケース体52を第1のケース体51に嵌め合わせ(アンロック状態)、第2のケース体52を第1のケース体51に対して封止領域26bとは反対側(図10の矢印方向)に向けて相対的にスライドさせる(以下、この方向をスライド方向という)ことにより、係合爪79が係止部90bにそれぞれ係合して、第1のケース体51と第2のケース体52とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)ようになっている。
これら第1のケース体51側の被係合部80と第2のケース体52側の係合爪79とが、それら第1のケース体51と第2のケース体52とを閉状態でロックするための主ロック手段を構成している。
側壁82には、案内溝88、89に対応して一対の被係合穴91(図5)が形成されており、第1のケース体51と第2のケース体52とをアンロック状態に嵌め合わせる前に、図9に示すように第2のケース体52側の係合突部78を案内溝88、89に沿って被係合穴91に差し込むことにより、図10に示すように、係合突部78が被係合穴91に係合して第1、第2のケース体51、52の開方向への移動を規制するようになっている。また、係合突部78と被係合穴91とは主ロック手段がアンロック状態のときだけでなくロック状態となったときにも係合状態が維持されるようになっている。このロック状態下では、図8に示すように、第2のケース体52の差込突起80が、第1のケース体51の係止穴80aに差し込まれる状態となる。
これら第1のケース体51側の被係合穴91と第2のケース体52側の係合突部78とが、並びに、上述の第2のケース体52側の差込突起80と第1のケース体51側の係止穴80aが、それら第1のケース体51と第2のケース体52とを閉状態で補助的にロックするための補助ロック手段を構成している。
封止手段53は、主制御基板ケース26の封止領域26bに対応して、第2のケース体52側の開口66および第1のケース体51側の側壁82に沿って一列状に複数(ここでは2組)配置されている。
各封止手段53は、図5に示すように、第1のケース体51側の被結合部92と、第2のケース体52側の封止部材93および開封障害部94(図6参照)とで構成されている。
被結合部92は、図13に示すように、第1のケース体51側の側壁82の内面側に突設された嵌合支持部98上に設けられている。被結合部92は、第1のケース体51側の側壁82の内面側に、側壁82に沿って複数(ここでは2つ)設けられている。各被結合部92は、図11に示すように、スライド方向に設けられた三条のスリットを有し、その中央の挿通スリット95内に、封止部材93の先端が挿通されて拘束されるように形成されている。
また、嵌合支持部98の表面には前後方向(図11の上下方向)の動きを案内する一対の案内板100が立設されている。また、案内板100の対向面側には、図13に示すように、封止部材93の左右方向(図13の左右方向)への動きを規制する規制部99が突設されている。
また、側壁82の外面側には、図5に示すように、連結部材54の一端側を固定するための第1の固定ベース部96が設けられている。
封止部材93および開封障害部94は、図6に示すように、封止領域26bに対応して第2のケース体52側に形成された封止用開口部97内に配置されている。
封止部材93は、図11に示すように、断面矩形状の軸部93aと、その一端側に設けられた鍔部93bと、他端側に設けられた台形状の結合部93cと、鍔部93bの周囲から前側(図11では下側)に延在するU字形の側壁93dとを備え、図6に示すように、損壊容易な保持部93eを介して第2のケース体52に一体成形されている。そして、主制御基板ケース26を封止する際に、図11の状態において封止部材93の後端がドライバー等の工具で押圧されると、それによって保持部93eが損壊して第2のケース体52側から切り離され、図12のように、挿通スリット95内に封止部材93の結合部93cが挿通され、これにより封止部材93が第1のケース体51側の被結合部92の離脱不能に結合するようになっている。
封止部材93が被結合部92側に押し込まれたとき、側壁93dが案内板100と規制部99とに沿って摺動し、被結合部92側に案内される。なお規制部99は、鍔部93bが保持部93eにより第2のケース体52側に連結されている状態(図11)ではその端部が側壁93dに到達しない長さに設けられており、第1のケース体51に対して第2のケース体52をスライドさせる際に側壁93dが規制部99と干渉しないようになっている。
開封障害部94は、主制御基板ケース26の外側からニッパー等により容易に損壊可能な第1の損壊部94aおよび第2の損壊部94bと、当接部94cとからなり、封止部材93が第2のケース体52側から切り離されて第1のケース体51側に結合したとき、その封止部材93のスライド方向ロック側の当接部94cに当接または略当接し、第2のケース体52の開放を阻止するようになっている。
連結部材54は、第1のケース体51と第2のケース体52とを開閉可能な状態で接続するためのもので、図14に示すように、第1のケース体51側の第1の固定ベース部96にカシメピン58(熱カシメ)によりにより着脱不能に固定される第1の固定部54aと、第2のケース体52側の第2の固定ベース部75にカシメピン76(熱カシメ)により着脱不能に固定される第2の固定部54bと、これら第1の固定部54aと第2の固定部54bとの間を連結する連結帯(連結部)54cとを備え、合成樹脂により一体成形されている。
連結帯54cは十分な可撓性を有する平板状であり、第1のケース体51と第2のケース体52とを通常の手順で開閉する際に支障がない範囲でなるべく短く形成されている。この連結帯54cには、その長手方向の二箇所にミシン目状のスリット54dからなる易破断部が設けられている。
第1のケース体51と第2のケース体52との結合および封止は次のような手順で行う。まず主制御基板27を第2のケース体52の内側に装着し、その第2のケース体52側の一対の係合突部78を第1のケース体51側の案内溝88、89に沿って被係合穴91に内側から差し込んだ後、第2のケース体52側の係合爪79を第1のケース体51側の切り欠き部90aに位置させてアンロック状態とする(図9→図10)。
そして、第2のケース体52と第1のケース体51とを相対的にスライドさせて、係合爪79を係止部90bにまた差込突起80を係止穴80aに係合させ、第1のケース体51と第2のケース体52とを結合状態でロックする。
続いて、複数(2組)の封止手段53のうちの1つを用いて主制御基板ケース26を封止する。すなわち、ドライバー等の工具の先端を、操作孔60を介して封止部材93に当て押圧する。これにより、図12に示すように、保持部93eが損壊してその封止部材93が第2のケース体52から切り離されると共に、その封止部材93の先端側の結合部93cが両側を押し広げながら挿通スリット95内に嵌合する。このとき、封止部材93は、その周囲の案内板100、規制部99および当接部94cに沿って押圧方向に真っ直ぐに案内される。
封止部材93は第2のケース体52から完全に独立した状態で第1のケース体51側に離脱不能に結合した状態となる(図13)。
このとき、開封障害部94の当接部94cが、封止部材93のスライド方向ロック側の面、すなわち側壁93dの外面側に当接または近接した状態となる。したがって、その状態で、第2のケース体52と第1のケース体51とを開方向、すなわち、それらの右の周壁64と右の嵌合壁85とを離間させる方向に相対的にスライドさせようとしても、第1のケース体51側に結合している封止部材93が、当接部94cを介して第2のケース体52の開方向への相対移動を規制するため、そのままでは主制御基板ケース26を開封することはできない。
また、このように封止部材93を第2のケース体52から切り離した後には、大きく開口が残ることになるが、連結部材54の第2の固定部54bにより略覆われているため、外部から開口を介して封止部材93の被結合部92への結合を強引に解除する等の不正行為を行うことは困難である。
また、連結部材54により連結されているため、この連結部材54を切断等しない限り、第1のケース体51を第2のケース体52から切り離すことはできない。したがって、痕跡を残すことなく、その損壊した第1のケース体51を複製品と取り替えて主制御基板ケース26を開封前と同じ状態に復元することは不可能であり、そのような不正行為を効果的に防止できる。
検査等のために主制御基板ケース26を正規に開封する場合には、封止状態となっている封止手段53の第1、第2の損壊部94a、94bをニッパー等の切断工具を用いて切断し、開封障害部94を第2のケース体52から切り離して除去する。これにより、第2のケース体52を第1のケース体51に対してアンロック方向にスライドさせる際に封止部材93に規制される部分がなくなるため、主制御基板ケース26を開封することができる。
第2のケース体52の周壁63の一部には、封止用シールを添付するシール添付領域を確保するため、そのほぼ半分の面積規模に対応する矩形状の平坦領域101(シール添付面101)(図7参照)が形成されており、このため第2のケース体52の周方向の段部69cと段部69dの間には、図5に示すように段部69a〜69dよりも隆起した中段部69eが形成されている。また第1のケース体51の下辺の一部から裏面の一部の領域にかけて、上記シール添付領域の残りのほぼ半分の面積規模に対応する矩形状の平坦領域102(シール添付面102)(図16参照)が形成されている。図示してないシールは、このシール添付面101、102にかけて貼付され、第1のケース体51と第2のケース体52間を封止する。
上述したU字形のシールカバー部材55は、このシール添付面101、102にかけて貼付されるシール(図示せず)を傷つけないように保護するものであり、上記一体化された主制御基板ケース26の下部を下方から挟持する構造となっている。このシールカバー部材55はU字形の一方の腕部55aの先端に、第2のケース体52側の中段部69eに設けた係止用溝103(図7参照)に図8のように嵌入する係止条104(図5参照)を有する。そして、一方の腕部55aと基部55cとの間にスリット55d(図14参照)を有する。
また傷つけないようにシールを避けてシールカバー部材55をセットするため、図5から判るように、このシールカバー部材55はU字形の他方の腕部55bの先端両側に、シールを避けるための架橋片105が長手方向に突出して設けられている。そして、図14〜図16に示すように、シール添付面101、102を取り囲むようにリブ106が設けられている。
シールカバー部材55を取り付ける場合は、まず図15に実線で示すように、U字形の一方の腕部55aの先端に設けてある係止条104を、第2のケース体52側の中段部69eに設けた係止用溝103に引っ掛ける。このときU字形の両腕部の可撓性のある先端間を弾性的に若干開くようにして、他方の腕部55bの先端両側に設けてある架橋片105を、シール添付面101、102を取り囲むリブ106上に乗せる。架橋片105がリブ106上にある限り、シールカバー部材55は何処もシールに接触しておらず、シールから浮いた状態になる。
次いで、係止用溝103を中心として、図15の矢印方向にシールカバー部材55を旋回させる。U字形の他方の腕部55bの先端両側に設けてある架橋片105は、図15に一点鎖線で示すようにリブ106上を滑って第1のケース体51の側に回り込む。さらにシールカバー部材55を矢印方向に旋回させると、架橋片105はリブ終端に至り、リブ106の存在しなくなった所でリブ106上から外れ、U字形の撓みの復帰力により架橋片105はリブ終端から落ちる(図16参照)。すなわち、図14に示すように、第1のケース体51と第2のケース体52を外方から弾性的に挟み付ける形で取り付けられる。かくして、U字形の基部55cと他方の腕部55bとによる断面L字形の部分により、第2のケース体52のシール添付面101から第1のケース体51のシール添付面102に跨って貼付されているシールが覆われて、シールの不正な取り替えなどから保護される。
<配線部材の係止構造>
図8に示すように、第2のケース体52の周壁63、64に沿って膨出部68よりも低く形成された段部69c、69d上には、コネクタ嵌合孔71から主制御基板27側のコネクタ57が突出している。主制御基板27側の電気部品と主制御基板ケース26外の電気部品との電気的接続は、これらのコネクタ57とこれに接続されるハーネスと称される配線部材300(図18参照)とを介して行われる。配線部材300は、コネクタ57(被接続部57)に接続可能なコネクタ(接続部)301と、該接続部301から延出する配線302とを備える電気部材である。すなわち、互いに分離可能に嵌合されて使用されるコネクタ対のうち、コネクタ57は上記コネクタ対を構成する第1のコネクタであって、基板ケースのコネクタ嵌合孔(開口部)から露出しており、コネクタ301は上記コネクタ嵌合孔から露出する第1のコネクタに接続されて同コネクタ対を構成する第2のコネクタである。
この実施形態では、コネクタ(被接続部)57が受け型の雄コネクタで、コネクタ(接続部)301が差込型の雌コネクタである構成となっているが、これに限定されるものではない。「被接続部」と言った場合、被接続部は受け型や雌コネクタに限定されず、受け型または差込型のいずれであってもよく、また雄または雌のいずれでのコネクタあってもよい。接続部はこれらの相手側コネクタとして形成されるものであり、同様に差込型の雌コネクタに限定されず、上記の被接続部を構成するコネクタの形式に応じて、受け型または差込型としあるいは雄コネクタまたは雌コネクタとすればよい。
上記のコネクタ57に差し込まれた配線部材300のコネクタ301から延在する配線302を途中で止めて所望の配向に整える処理をするため、主制御基板ケース26には所要の箇所に係止構造200が設けられている。
これらの係止構造200のうち、図17は、第2のケース体52の周壁63に沿って膨出部68よりも低く形成された段部69c上に設けた係止構造を示す。この係止構造200が設けられている段部69cは、その直ぐ上方に上壁61を形成する膨出壁61aが存在している場所であり、このため配線部材300の配線302を引っ張るなどの操作方向の制約を受ける場所となっている。そこで、この係止構造200は、コネクタ57に近い特殊な箇所であることを考慮して、配線302の係止処理が容易となり、かつ、コネクタ57から延出する配線部材300の配線302を一旦屈曲させて抑え込むような位置および配向で配置されている。
上記の係止構造200は、配線部材300の配線302を途中で止めるため段部69c上に、第1の起立片201と第2の起立片202が並設されて構成されている。ここでは合成樹脂にて第1、第2の起立片201、202を段部69cに一体に形成しているため、段部69cには開口209が残っている。このため、この開口209から不正部材が差し込まれて、主制御基板27に不正な処理が施される可能性がある。しかし、本実施形態の場合、上壁61の内面側には、図6に示すように、開口209と主制御基板27との間に入り込む形で、仕切り壁67の一部が設けられているため、開口209から差し込まれた不正部材はこの仕切り壁67で阻止される。すなわち、それ以上進入することができないので、不正行為が有効に防止される。
図17において、第1の起立片201と第2の起立片202は、配線302の挿通方向に所定の幅Wを持つ平板状であり、段部69c上面からほぼ直角に所定の高さHで立設されかつ所定の間隔D(図19)だけ隔てて向き合うように並置されている。この第1、第2の起立片201、202に係る所定の幅W、所定の高さHおよび所定の間隔Dは、内側空間に挿通する全ての配線302を所望通りに止められるように定められる。
第1、第2の起立片201、202のうちの少なくとも一方には、頂部付近から相手側起立片の内側壁の基部201b方向に向うフック部が設けられる。この実施形態の場合、第1の起立片201はフック部の存在しない平板状に形成され、第2の起立片202にのみ、その頂部202a付近から、第2の起立片202より若干短い幅W2(図18参照)で、相手側の第1の起立片201の内側壁下方(基部201bの方向)に向うフック部203が設けられていて、このフック部203が配線押さえ部として作用するように構成されている。
フック部203の高さHおよび幅W2は、起立片の幅Wおよび間隔Dと共に、配線302の収納可能な空間の大きさを定めるとともに、配線302の配向を規制する。したがってフック部203は、主制御基板ケース26に収納された主制御基板27の被接続部57と接続部301で接続された配線部材300の配線302を所望の位置および配向に整える働きをなし、上記した配線押さえ部としての機能は、同時に、配線302をフック部203に通した際に、図18の如くコネクタ57から一旦屈曲して導出された配線302を低く拘束するように高さを規制する引き出し規制部としても機能することになる。
フック部203は、図19から分かるように、配線302の挿通方向と直交する面方向から見た場合、全体としてくちばし状に湾曲しており、緩やかな傾斜部204とこれに続く下向きの湾曲部205とからなる。このフック部203は、先端が第1の起立片201の内側壁201cに接していても良いが、この実施形態では先端203a(正確には先端辺203a)が第1の起立片201の内側壁201cから若干離れて位置しており、先端辺203aと第1の起立片201の内側壁201cとの間には配線302の一本分程度の狭い隙間Gが残っている。
配線部材300を取り付ける場合は、フック部203上において、配線部材300の配線302が隙間Gのラインと並行に配置されると共に、くちばし状に湾曲したフック部203の上面に沿って案内されつつ、隙間Gに配線302が寄せる。そして、可撓性のあるフック部203の先端辺203aを少し基部201bの方向に沈ませながら、配線302を段部69cに向けて押すことにより配線302を隙間Gに通過させる。これにより、図18および図19に示すように、配線302がフック部203の内側空間207内に納められる。これによりフック部203により外れにくい状態で配線部材300の配線302が係止構造200に把持される。外れ難く配線302が係止構造200に把持されるので、配線部材300のコネクタ301は必ずしも先にコネクタ57に差し込んでおく必要はなく、先に配線302をフック部203に止めておき、必要な段階でコネクタ57に差し込むことができる。
またフック部203は、図18から分かるように、第2のケース体52の背面側(段部69cと平行な面方向)、つまり図18の紙面に垂直な方向から見たとき、コネクタ57に近い側である一方の側辺203bが、そのほぼ中間部から先端辺203aの中間部にかけて斜めにカットされた形の斜辺部(傾斜案内部)206が形成されている。この傾斜案内部206は、配線部材300の配線302をフック部203から外す場合に、配線302が容易に外れるように案内するものである。コネクタ57に近い側に傾斜案内部206を形成することは、コネクタ57から配線部材300のコネクタ301を取り外した後、配線部材300を掴んでいる手を替える必要なしに、すぐに配線部材300の配線302をフック部203から外すことができ、取り外し作業の操作性が高まるという利点を有する。
この実施形態の場合、傾斜案内部206は、フック部203の一側辺203bの途中から先端辺203aの途中にかけてほぼ45度にカットされているが、これより小さい角度または大きい角度でカットした斜辺部により構成することもできる。また、傾斜案内部206は、フック部203の他方の側辺203cに設けてもよいし、フック部203の両側辺203bと203cに設けることもできる。
<係止構造200の作用>
次に、上記のように配線部材300を案内する斜めに形成した傾斜案内部206の作用について、図20を参照しながら説明する。
図20(a)は、上記のようにして配線部材300の配線302がフック部203に把持されている状態を示す。フック部203が第2の起立片202から第1の起立片201に向けて延在する方向をX方向とし、フック部203の内側空間207に挿通されて延在する配線302の方向をY方向とし、このX、Y方向に直交する方向をZ方向とする。図20(a)中の矢印は、配線部材300の配線302をフック部203から外す場合に、作業者が配線302を操作する方向を概略的に示したものである。
配線部材300の配線302をフック部203から外す場合には、まず傾斜案内部206の側における配線部材300の配線302の全体を片手で把持し、図20(b)に示すようにZ方向に上げつつ、傾斜案内部206の存するフック部203のY方向の凹所208(フック部Z方向上方から見た三角形空間208)(図18参照)内に、配線部材300の配線302の全部または大多数を寄せて集める。このとき凹所208は、フック部203のZ方向上方から見たとき、一方の側辺203bの側が広く隙間Gに近づくほど先細となる三角形の空間であるので、容易にこの凹所208内に入る。すなわち傾斜案内部206はこの配線302の寄せ操作の案内部として作用する。図20(b)は一度に全部の配線302が傾斜案内部206の存する凹所208に案内されて三角形の空間内に入った状態を示す。
次に、傾斜案内部206の側における配線部材300の配線302の全体を片手で把持して図20(b)に示すZ方向に上げた状態を維持しつつ、図20(c)に示すように、隙間Gのラインに沿ったY方向(矢印方向)に配線部材300の配線302の全体を引っ張る。これにより凹所208(三角形空間208)内の配線302が傾斜案内部206に沿って隙間Gの入口に向って案内され、そのままY方向への引張りを続けると、配線302の全部あるいは大多数または一本以上が隙間Gのライン入口に入り込み、さらにY方向の引張りを続けることにより隙間Gのライン出口を抜け出る。配線302は一本づつであるか一度に複数本であるかまたは全部あるいは大多数であるかを別にして、いずれにしても結果として全部の配線302が隙間Gのラインを通過して、フック部203を抜け出る。この配線302がフック部203を抜け出た直後の状態を図20(c)に示す。
このように本実施形態の係止構造200は、配線部材300の配線302が傾斜案内部206の面に沿って隙間Gのライン入口に向かって案内されると共に、その後は隙間のライン方向に沿って引っ張られるため、簡単に隙間Gのライン入口に入りかつフック部203の可撓性と相まって、容易に隙間Gのライン出口から抜け出ることができる。しかも配線302の全部を一度に隙間から抜け出させることが可能である。
従来、2つのフック部を互いに対向して配置し、そのフック部を構成する突起の下面を斜め上方に向かう傾斜面とすることで、フック部203間の隙間へ配線部材を移行させやすくするなどの工夫(たとえば特許文献2の図6)も提案されているが、起立片の幅方向に存在するフック部203間の隙間に並行に配線部材を寄せる案内作用をなすだけであり、起立片の幅内へ配線部材を斜面で滑らして案内する作用までは有しない。したがって、外し易さの点で改善の余地が残っている。
(比較例)
次に比較例として、上記傾斜案内部206の存在する凹所(三角形空間)208が設けられていない係止構造の場合について、説明する。
図21(a)は、上記傾斜案内部206が存在せず、したがって凹所(三角形空間)208が設けられていない係止構造210により、配線部材300の配線302が係止されている状態を示す。この係止構造210は、フック部211の一方の側辺211bが他方の側辺211cと平行な直線状である他は、上記の係止構造200と同じである。
配線部材300の配線302をフック部211から外す場合には、まず配線部材300の配線302における係止構造200の両側を両手で把持し、図21(b)に示すようにX方向の隙間G側に寄せる。
次に、配線部材300の配線302を、配線一本302aづつ係止構造200の両側を両手で把持し、図21(c)に示すように、配線一本302aづつ隙間G内をZ方向に並行に引き上げる。このとき隙間Gは配線一本302aの直径と同等かそれより狭く構成されており、またフック部211の全幅にわたって配線302を平行にくぐらせる必要があるため、配線一本302aといえども、なかなか隙間GをZ方向に通過させることができない。
しかし本発明の実施形態に係る係止構造200では、傾斜案内部206の存在する凹所(三角形空間)208が設けられているため、容易に隙間Gのライン入口に案内でき、しかもZ方向に引きつつY方向に引っ張ることにより、隙間Gのライン入口からライン出口まで容易に配線302を引き抜くことができ、極めて簡単に配線302全体をフック部203から外すことができる。
<変形例>
上記実施形態では、二つの起立片201、202を並設した構造について述べたが、起立片202に対向させて設けられる相手側部材は、上壁61の膨出壁61a(図17参照)などであってもよい。すなわち、起立片202には、その頂部付近から相手側部材である膨出壁61aの対向面の基部方向に向うフック部203を設け、その一側辺203bから先端辺203aにかけて斜めに傾斜案内部206を形成した構成とすることができる。
また上記実施形態では、フック部203をその一側辺203bの中間部から先端辺203aの中間部にかけて斜めに傾斜案内部206を形成した。しかし傾斜案内部206の形態はこれに限定されない。傾斜案内部206は、フック部203の一側辺203bから先端辺203aにかけて斜めに形成した形態であればよく、フック部203の一側辺203bの任意の箇所から先端辺203aの任意の箇所にかけて斜めに傾斜案内部206を形成した構成とすることができる。これには、傾斜案内部206の始端を一側辺203bの起立片202と接する部位または近傍に定めた形態や、また傾斜案内部206の終端を先端辺203aの他側辺と接する部位または近傍に定めた形態が含まれる。もちろん、このように選択しうる始端から終端の範囲で、一側辺203bの所定箇所から先端辺203aの所定箇所にかけて所望する傾斜角度の傾斜案内部206を形成することができる。本明細書において「フック部203の一側辺203bから先端辺203aにかけて斜めに傾斜案内部206を形成する」といった場合、このような形態を全て含むものである。
上記実施形態では、フック部203と相手側の第1の起立片201と間の隙間Gを狭く構成した係止構造について述べたが、フック部203と相手側起立片201と間の隙間を無くした構成に対しても、本発明所期の効果を得ることができる。
上記実施形態では、係止構造200を主制御基板ケース26に設けたが、主制御基板ケース26以外の基板ケースまたは基板ケース以外の任意の箇所に、上記した係止構造200を設けることもできる。
また上記実施形態では第2の起立片202のみにフック部203を設けているが、相手側部材の第1の起立片201にも、第2の起立片202のフック部203に対峙するようにフック部203を設けることができる。この構成において、第1の起立片201のフック部203と第2の起立片202のフック部203の双方または一方に、上記の凹所(三角形空間)208を設けることができる。
本発明は配線部材300の配線302をフック部203により止める係止構造200を有する遊技機に適用することができる。
1 パチンコ遊技機、
2 前面枠、
3 遊技盤、
4 外枠、
5 球誘導レール、
6 ガラス扉枠、
7 前面操作パネル、
8 上受け皿ユニット、
9 上受け皿、
11 球貸しボタン、
12 カード返却ボタン、
13 枠演出ボタン、
14 球抜きボタン、
15 発射操作ハンドル、
16 裏機構盤、
17 遊技球貯留タンク、
18 タンクレール、
19 遊技球払出装置、
21 外部端子基板、
22 端子基板ケース、
23 裏カバー、
24 演出制御基板、
25 液晶制御基板、
26 主制御基板ケース、
27 主制御基板、
28 払出制御基板ケース、
29 払出制御基板、
30 電源基板ケース、
31 電源基板、
33 発射制御基板、
34 上始動口、
35 下始動口、
36 液晶表示装置、
37 普通図柄始動口、
38 特別図柄表示装置、
39 普通図柄表示装置、
40 大入賞口、
41 普通変動入賞装置、
42 特別変動入賞装置、
43 一般入賞口、
44 風車、
45 装飾ランプ、
46 スピーカ、
47 可動翼片、
48 センター飾り、
49 アウト口、
51 第1のケース体、
52 第2のケース体、
53 封止手段、
54 連結部材(連結手段)、
54a 第1の固定部、
54b 第2の固定部、
54c 連結帯、
54d スリット、
55 シールカバー部材、
55a 一方の腕部、
55b 他方の腕部、
55c 基部、
55d スリット、
56 電子部品、
57 コネクタ(被接続部)、
58 カシメピン、
60 操作孔、
61 上壁、
61a 膨出壁、
62〜64 周壁、
65、66 開口、
67 仕切り壁、
68 膨出部、
69、69a〜69d 段部、
69e 中段部、
70 基板支持面、
71 コネクタ嵌合孔、
72 低壁、
73 高壁、
74 起立壁、
75 第2の固定ベース部、
76 カシメピン、
77 囲いリブ、
78 係合突部、
79 係合爪、
80 差込突起、
80a 係止穴、
81 底壁、
82 側壁、
83〜85 嵌合壁、
86〜87 案内壁、
88〜89 案内溝、
90 被係合部、
90a 切り欠き部、
90b 係止部、
91 被係合穴、
92 被結合部、
93 封止部材、
93a 軸部、
93b 鍔部、
93c 結合部、
93d 側壁、
93e 保持部、
94 開封障害部、
94a 第1の損壊部、
94b 第2の損壊部、
94c 当接部、
95 挿通スリット、
96 第1の固定ベース部、
97 封止用開口部、
98 嵌合支持部、
99 規制部、
100 案内板、
101 矩形状の平坦領域(シール添付面)、
102 矩形状の平坦領域(シール添付面)、
103 係止用溝、
104 係止条、
105 架橋片、
106 リブ、
200 係止構造、
201 第1の起立片、
201b 基部、
201c 内側壁、
202 第2の起立片、
202a 頂部、
203 フック部、
203a 先端(先端辺)、
203b 一方の側辺、
203c 他方の側辺、
204 傾斜部、
205 湾曲部、
206 斜辺部(傾斜案内部)、
207 内側空間、
208 凹所(三角形空間)、
209 開口、
210 係止構造、
211 フック部、
211b 一方の側辺、
211c 他方の側辺、
300 配線部材、
301 コネクタ(接続部)、
302 配線、
302a 配線一本。

Claims (4)

  1. 電気部品を電気的に接続する配線部材の配線を途中で止めるため、内部に前記配線を挿通させて収容する収納空間を形作るように、起立片を相手側部材に対して間隔Dを隔てて対向させて立設し、その頂部付近から前記相手側部材の対向面に向って延在し前記収納空間内の前記配線の抜けを防止するフック部を設けて配線押さえ部とした係止構造を備える遊技機において、
    前記フック部が延在する方向をX方向、前記収納空間に挿通されて延在する配線の方向をY方向とし、このX、Y方向に直行する方向をZ方向としたとき、
    前記フック部は、前記配線が延在するY方向に所定の幅W2を有するとともに、前記収納空間内に少し入り込むようにZ方向にくちばし状に湾曲し、その先端辺が前記相手側部材の内側面と接するかまたは隙間Gを残してほぼ接するように前記相手側部材の内側面と平行またはほぼ平行に位置しており、
    また前記フック部は、前記配線が挿通するY方向に見て、前記収納空間の前側に相当する前記フック部の一側辺において、当該一側辺の任意の箇所から先端辺の任意の箇所にかけて斜めにカットされた形の傾斜案内部を有しており、
    これにより、前記収納空間内に挿通されている前記配線を外す場合、前記収納空間の前側に出ている前記配線に対し、これをZ方向に上げて当該配線を前記フック部の一側辺に押し付ける張力を付与することにより、当該配線が、前記傾斜案内部に沿ってX方向に前記フック部の先端辺側へ案内されて当該先端辺と前記相手側部材との間に入り、その後、前記フック部の当該先端辺と前記相手側部材との間を前記配線が挿通されているY方向に沿って通過して、前記収納空間の後側に抜け出ることが可能な構造とした、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 内部に制御基板を収納した基板ケースを有し、
    前記係止構造が前記基板ケースの上壁を形成する膨出壁の近傍において前記基板ケースに設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記基板ケースは、前記制御基板の被接続部が露出する開口部を有しており、
    前記配線部材は、前記開口部から露出する前記被接続部に接続可能な接続部と、該接続部から延出する配線とを備え、
    前記係止構造は、前記開口部に近い箇所で前記基板ケースに設けられ、前記被接続部に接続された前記接続部から延出する配線を一旦屈曲させて前記フック部で抑え込むように配置されており、
    前記フック部は前記傾斜案内部の存在する一側辺が前記被接続部に近い側に位置している、ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記基板ケース内には、前記起立片を設けるため開口が形成された領域と前記制御基板の存在する領域との間に、前記開口から挿入される可能性のある不正部材が前記制御基板側に進入するのを阻止する壁を設けた、ことを特徴とする請求項2または3に記載の遊技機。
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