JP5332650B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等、制御基板に対しての不正行為が数多く報告されており、従来より各種の不正対策が検討されている。
例えば、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を相互に固定するための固定構造(いわゆる、カシメ構造)を持たせたものが知られている(例えば特許文献1参照)。当該固定構造は、その固定の解除に際して破壊を要するように構成されている。これにより、基板ボックスの開放時にはその破壊による開放履歴を残すことができ、不正に基板ボックスが開放された場合にはそれを発見することが可能となる。
このような固定構造としては例えば、複数のボックス構成体に固定部を設け、当該固定部に対して封印ネジ等の固定具が挿通され、係止されることによって複数のボックス構成体が固定される構造が考えられる。
特開2003−180917号公報
しかしながら、上記固定構造を備えた基板ボックスであっても未だに不正行為を行われる場合があり、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、開放履歴を残さずには開放することができない基板ボックスを備えた遊技機において、基板ボックスを不正に開放させる行為を好適に抑制することを可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、第1構成体及び第2構成体を含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により前記第1構成体及び前記第2構成体の固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段と、を備えた遊技機において、前記固定具は、前記固定手段に挿通される挿通部と、前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられた固定具側係止部と、を備え、前記固定手段は、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定具側係止部に対して係止する固定手段側係止部を備え、前記固定手段側係止部又は前記固定具側係止部は、第1係止部と、前記固定具の挿通方向において前記第1係止部に対して所定の間隔を隔てて配置される第2係止部と、を備え、前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されていない場合には、前記頭部が前記固定手段と当接している状態にて、前記第1係止部が係止状態となるように前記頭部と前記第1係止部との間隔が設定されており、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されている場合には、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態にて、前記第2係止部が係止状態となるように前記第1係止部と前記第2係止部との間隔が設定されていることを特徴とする。
基板ボックスの不正な開放行為を好適に抑制することができる。
一実施の形態におけるパチンコ機の構成を示す前方から見た斜視図。 遊技機本体の主要な構成を分解して示す分解斜視図。 内枠の構成を示す正面図。 遊技盤の構成を示す正面図。 内枠の構成を示す背面図。 裏パックユニットの構成を示す正面図。 払出制御装置の構成を示す斜視図。 払出制御装置の構成を示す正面図。 払出制御装置の構成を示す分解斜視図。 払出制御装置の一部を拡大して示す側面図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との組み付け作業を説明するための説明図。 (a)第1固定部及び第2固定部の周辺構成を拡大して示す平面図、(b)第1固定部及び第2固定部の周辺構成を拡大して示す底面図。 (a)第1固定部の構成を示す断面図、(b)第2固定部の構成を示す断面図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体とを固定する場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との固定を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図。 痕跡カバー部材を取り付けた状態における払出制御装置を示す斜視図。 (a)痕跡カバー部材の構成を示す斜視図、(b)痕跡カバー部材の構成を示す平面図、(c)痕跡カバー部材の構成を示す断面図。 (a)痕跡カバー部材が取り付けられた払出制御装置の周辺構成を示す平面図、(b)痕跡カバー部材が取り付けられた払出制御装置の周辺構成を示す底面図。 第1固定部の構成を示す断面図。 第2固定部の構成を示す断面図。 (a)〜(d)痕跡カバー部材を基板ボックスに取り付ける場合の作業の流れを説明するための説明図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 (a)結合具ユニットの構成を示す平面図、(b)結合具ユニットの構成を示す断面図。 固定部の周辺構成を拡大して示す平面図。 結合具ユニットを用いた固定の構成を示す断面図。 (a)〜(c)痕跡カバー部材を基板ボックスに取り付ける場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)再固定用第2固定部の周辺構成を拡大して示す平面図、(b)再固定用第2固定部の構成を示す断面図。 (a)2段階ピンの構成を示す平面図、(b)2段階ピンの構成を示す断面図、(c)2段階ピンの構成を示す断面図。 (a)第2固定部の周辺構成を拡大して示す平面図、(b)2段階ピンが挿入された第2固定部の構成を示す断面図。 (a)痕跡カバー部材が取り付けられた状況における第2固定部の周辺構成を拡大して示す平面図、(b)痕跡カバー部材が取り付けられた状況であって、2段階ピンが挿入された状況における第2固定部の構成を示す断面図。 別の払出制御装置の構成を説明するための説明図。 別の痕跡カバー部材の構成を説明するための説明図。 別の痕跡カバー部材の構成を説明するための説明図。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が抑制される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。払出制御装置82の具体的な構成については、後に説明する。
電源及び発射制御装置83は、基板ボックス84内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、払出制御装置82の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は払出制御装置82の斜視図、図8は払出制御装置82の正面図、図9は払出制御装置82の分解斜視図である。
払出制御装置82は、図9に示すように、払出制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に払出制御基板91が収容されてなる。
払出制御基板91は、払出装置78を制御するCPU、そのCPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、払出制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
払出制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、払出制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された払出制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図7及び図8に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図9に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から払出制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への払出制御基板91のネジ固定は、払出制御基板91の半田面側から行われており、払出制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、払出制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
払出制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、払出制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、払出制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、払出制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の払出制御装置82は、図6に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の方向のみに規制する規制手段を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図9だけでなく図10も適宜参照する。図10は払出制御装置82の一部を拡大して示す側面図である。
図9に示すように、規制手段として、裏側構成体102には、フック部(係止部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は裏側周縁部106の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ4個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106における長辺部には、棒状に形成された凸部112を備えている。凸部112は長辺部に沿って形成されており、裏側周縁部106から表側構成体101側に起立させて形成されている。この場合、凸部112における裏側周縁部106からの突出寸法(高さ寸法)は、払出制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、凸部112における裏側周縁部106からの突出寸法を、払出制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
凸部112には、複数のフック部111が形成されている。フック部111は凸部112を基端として形成されており、自由端側が裏側構成体102の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は凸部112から表側構成体101に向けて起立した起立部113と、起立部113から裏側構成体102の側縁に向けて延びる延出部114とが一体形成されてなる。
延出部114は起立部113の高さ寸法分、凸部112から離間されており、延出部114と凸部112との間には係止用溝115が形成されている。当該係止用溝115は延出部114に沿って形成されており、延出部114の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて表側構成体101には、係止受け121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103には、裏側構成体102の凸部112と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って凹部122が一体形成されている。凹部122は、裏側構成体102の凸部112に対応して凹んでいる。凹部122には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ4個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。係止受け121は、裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。係止受け121の幅寸法、すなわち係止受け121の表側周縁部103の短辺部に沿った方向の寸法は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち係止受け121の表側周縁部103の長辺部に沿った方向の寸法は、延出部114の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121の一端部には、図10に示すように、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部123が設けられている。この受け部123が形成された側の端部は、フック部111の自由端側に対応している。
受け部123は、係止受け121において裏側構成体102側の端部に形成されている。また、受け部123は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部123が形成されていない側の端部から受け部123までの距離は、フック部111の延出部114が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部123が形成された構成において、表側構成体101の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部123は、上記フック部111の係止用溝115内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図10に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、フック部111の係止用溝115内に係止受け121の受け部123が入り込んでいる。そして、受け部123は、凸部112に当接しているとともに、フック部111の延出部114に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝115に対する受け部123の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、裏側構成体102の起立部113に受け部123が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部123との当接により規制される。また、凸部112は、凹部122に対して嵌め込まれている。そして、フック部111は係止受け121に嵌め込まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、凸部112及びフック部111が凹部122及び係止受け121に当接することで、当該移動が規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝115から受け部123を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図11を用いて説明する。図11(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図11(a)の状態から図11(b)の状態となるように、先ず表側構成体101の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部123側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図11(c)に示すように、フック部111の係止用溝115内に係止受け121の受け部123が入り込む。これにより、係止用溝115に対する受け部123の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において、表側構成体101及び裏側構成体102を相互に固定する第1固定部131、第2固定部132及び第3固定部133が設けられている。
各固定部131、132、133及びその周辺構造について、図7〜図9、図12及び図13を用いて説明する。図12(a)は各固定部131、132の周辺の構成を表側から見た拡大図であり、図12(b)は各固定部131、132の周辺の構成を裏側から見た拡大図であり、図13(a)はA−A線断面図、図13(b)はB−B線断面図である。
第1固定部131、第2固定部132及び第3固定部133は、それぞれ種類の異なる固定具を用いて表側構成体101及び裏側構成体102を固定するものである。
第1固定部131は、図9に示すように、表側構成体101に設けられた第1表側結合部141と、裏側構成体102に設けられた第1裏側結合部142とを備えている。第1表側結合部141は表側構成体101の周縁に配置されており、第1裏側結合部142は裏側構成体102の周縁に配置されている。第1表側結合部141及び第1裏側結合部142は表裏方向に配置されており、図13(a)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とが重なり合った状態において、第1表側結合部141と第1裏側結合部142とは重なり合っている。第1表側結合部141は第1裏側結合部142の反対側に開口した有底円筒形状をなしており、第1裏側結合部142側に底部143を有している。底部143には、第1裏側結合部142側に貫通した貫通孔144が設けられている。貫通孔144の孔径は、第1表側結合部141の内径よりも小さく形成されている。当該貫通孔144に対応して、第1裏側結合部142には、ネジ穴145が形成されている。第1表側結合部141及び第1裏側結合部142が重なり合った状態において、ネジ穴145は貫通孔144の同一軸線上に配置されている。これら貫通孔144及びネジ穴145に対して第1表側結合部141の開口側から破断ネジ146が螺着されている。
破断ネジ146は、ネジ溝が形成された軸部147と、軸部147の基端部に形成され、軸部147の外径よりも拡径させて形成されている頭部148と、を備えている。破断ネジ146がネジ穴145に螺着された場合、頭部148と貫通孔144の周縁とが当接している。これにより、第1表側結合部141が頭部148と第1裏側結合部142とによって挟持されている。よって、第1表側結合部141と第1裏側結合部142とが固定されるため、表側構成体101及び裏側構成体102の固定が実現されている。
次に、第2固定部132について、図9及び図13(b)を用いて説明する。第2固定部132は、図9に示すように、表側構成体101に設けられた第2表側結合部151と、裏側構成体102に設けられた第2裏側結合部152とを備えている。第2表側結合部151は第1表側結合部141と同様に表側構成体101の周縁に配置されており、第2裏側結合部152は第1裏側結合部142と同様に裏側構成体102の周縁に配置されている。図13(b)に示すように、第2表側結合部151及び第2裏側結合部152は表裏方向に配置されており、表側構成体101と裏側構成体102とが重なり合った状態において、第2表側結合部151と第2裏側結合部152とは重なり合っている。第2表側結合部151は第2裏側結合部152側に貫通した貫通孔153を備えており、全体として円筒形状をなしている。貫通孔153に対応して、第2裏側結合部152には凹部154が形成されている。凹部154は第2表側結合部151側に開口しており、第2表側結合部151及び第2裏側結合部152とが重なり合った状態において、貫通孔153と連通するように同一軸線上に配置されている。そして、これら貫通孔153及び凹部154に対して、第2表側結合部151の第2裏側結合部152とは反対側から固定具としての結合ピン155が挿入されている。
結合ピン155について詳細に説明すると、結合ピン155は、図9に示すように、全体として円筒形状をなしている。結合ピン155は、円筒形状のピン本体156と、ピン本体156の基端部に設けられた頭部157と、を有している。ピン本体156は、貫通孔153及び凹部154の大きさとほぼ同一又はそれよりも若干小さく設定されている。これにより、図13(b)に示すようにピン本体156を貫通孔153及び凹部154の組み合わせに対して挿入することができる。結合ピン155が挿入された状態において、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を係止用溝115に対する受け部123の抜け方向にスライド移動させようとした場合、表側構成体101及び裏側構成体102が結合ピン155と当接するため、当該移動が規制されている。よって、表側構成体101及び裏側構成体102の固定が実現されている。
ピン本体156には、弾性変形可能な係止爪部158が設けられている。係止爪部158は、ピン本体156の外周面よりも外側に突出している。係止爪部158は頭部157側に向けてピン本体156の外周面からの突出量が大きくなるように形成されている。係止爪部158に対応して、凹部154の第2表側結合部151側、すなわち凹部154の開口側には、凹部154の内周面の一部を拡径させて形成された係止受け空間部159が設けられている。係止受け空間部159は、係止爪部158がピン本体156の外周から突出している寸法分だけ、凹部154の内周面を拡径させて形成されている。これにより、結合ピン155が挿入された状態において、係止爪部158が係止受け空間部159にて起き上がっているため、当該係止爪部158の頭部157側の面が第2表側結合部151の第2裏側結合部152側の面に係止されている。これにより、結合ピン155の抜け落ちが抑制されている。なお、係止爪部158は少なくとも1つ設けられていればよく、その数は任意である。
係止爪部158が貫通孔153を通過できるように、係止爪部158の周囲には、切欠部160が形成されている。切欠部160は、係止爪部158の周囲のうち、ピン本体156の基端側の端部を残すように形成されている。つまり、係止爪部158は、頭部157側の端部を固定端として、頭部157側の端部とは反対側の端部を自由端として形成されている。つまり、係止爪部158は圧力を印加することによって撓む。これにより、係止爪部158は、何ら外部からの圧力が印加されていない自然状態では、ピン本体156の外周よりも外側に突出している一方、係止爪部158を内側に押圧することによって、係止爪部158がピン本体156内に没入することができる構造となっている。
結合ピン155のピン本体156が貫通孔153及び凹部154の組み合わせに対して挿入された場合、ピン本体156の外径と貫通孔153の孔径とは略同一となっているため、ピン本体156の外周よりも外側に突出している係止爪部158は第2表側結合部151の内周面によって押圧される。これにより、係止爪部158は弾性変形を伴いながらピン本体156の内側に没入する。そして、係止爪部158が係止受け空間部159に到達した場合、係止爪部158が起き上がり、当該係止爪部158の頭部157側の面が第2表側結合部151の第2裏側結合部152側の面に係止されている。これにより、結合ピン155の抜け落ちの抑制が実現されている。
結合ピン155と第2表側結合部151との係止状態下では、図13(b)に示すように、頭部157は第2表側結合部151と当接している。具体的には、頭部157はピン本体156の外径よりも拡径させて形成されているため、頭部157とピン本体156との間には段差面161が形成されている。当該段差面161が貫通孔153の周縁と当接している。ここで、段差面161と当接している貫通孔153の周縁の面を当接面162という。第2表側結合部151において当接面162から第2裏側結合部152側の面までの距離は、結合ピン155において段差面161から係止爪部158の頭部157側の端面までの距離と同一になるように設定されている。これにより、頭部157と第2表側結合部151との間に隙間が形成されないため、隙間から不正行為を抑制することができる。
当接面162は、第2表側結合部151の第2裏側結合部152側と反対側の端面から第2裏側結合部152側にオフセットさせて形成されている。具体的には、第2表側結合部151の貫通孔153における結合ピン155の差込口側には、貫通孔153に対して段差状に拡径された頭収容部163が形成されており、当該頭収容部163と貫通孔153との間に形成された段差面が当接面162となっている。頭収容部163は貫通孔153と同一軸線上に設けられている。頭収容部163の高さ寸法は、頭部157の軸線方向の寸法と略同一又はそれよりも若干大きく設定されているとともに、頭収容部163の内径は頭部157の外径と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。これにより、当接面162は、頭部157の軸線方向の寸法分だけ第2裏側結合部152側にオフセットした位置に配置されている。かかる場合、頭部157は頭収容部163に隙間なく収容されるため、頭部157を掴むことが困難になっている。よって、頭部157を掴んで引き抜くといった不正行為を抑制することができる。
これら各固定部131、132は、図12に示すように、基板ボックス92の1の短辺部に沿って並設されている。当該短辺部の中間部に第1固定部131が設けられており、その両側にそれぞれ2つの第2固定部132が配置されている。換言すれば、第1固定部131は第2固定部132に挟まれるように配置されている。これにより、第1固定部131によって裏側構成体102に対する表側構成体101の浮き上がりが抑制されているため、各構成体101、102の両端における隙間の発生を好適に抑制することができる。
また、第2固定部132は複数設けられているため、一度使用した第2固定部132に代えて他の第2固定部132を使用することによって再度の固定をすることができる。なお、第2固定部132における結合ピン155の取付作業に関して、特に工具等を使用する必要がない。よって、再度の固定を容易に行うことができるようになっている。
第3固定部133は、図8等に示すように、第1固定部131及び第2固定部132が設けられている基板ボックス92の1の短辺部とは異なる他の短辺部に設けられている。第3固定部133は、表側構成体101に設けられた貫通孔と、裏側構成体102に設けられ、当該貫通孔と連通するネジ穴とから形成されており、これら貫通孔及びネジ穴に対してネジを挿通させることによって固定されている。これにより、裏側構成体102に対して表側構成体101の浮き上がりが抑制されている。つまり、基板ボックス92の長辺部に関しては各長辺部に設けられているフック部111等によって、短辺部に関しては第1固定部131及び第3固定部133によって、裏側構成体102に対する表側構成体101の浮き上がりが抑制されている。換言すれば、基板ボックス92における周縁部の全周において、表側構成体101及び裏側構成体102の間に隙間が形成されにくくなっている。
次に、基板ボックス92に対する第1固定部131及び第2固定部132の取り付け状態について説明する。基板ボックス92の1の短辺部には、図7及び図9に示すように、表側周縁部103において基板ボックス92の内部空間を規定する表側規定壁部171と、裏側周縁部106において基板ボックス92の内部空間を規定する裏側規定壁部172とが設けられている。表側規定壁部171及び裏側規定壁部172が重なり合うことによって、基板ボックス92の1の短辺部が規定されている。裏側規定壁部172に各裏側結合部142、152が一体形成されているとともに、表側規定壁部171設けられた取付壁部173に各表側結合部141、151が取り付けられていることによって、第1固定部131及び第2固定部132は表側構成体101及び裏側構成体102に取り付けられている。
取付壁部173は、各表側結合部141、151を取り付けるための壁部である。取付壁部173は、図7及び図13に示すように、表側規定壁部171を表裏方向に延出させて形成されている。第1固定部131には、図12(a)に示すように、取付壁部173に第1表側結合部141を連結する第1連結部174が設けられており、第2固定部132には、取付壁部173に第2表側結合部151を連結する第2連結部175が設けられている。第1表側結合部141は第1連結部174及び取付壁部173を介して表側構成体101と一体形成されており、第2表側結合部151は第2連結部175及び取付壁部173を介して表側構成体101と一体形成されている。
第1連結部174は、表裏方向に延びた薄い板状をなしている。第1連結部174は、互いに離間して2つ設けられており、両者の間には、ニッパやカッタなどの工具を差込可能な空間が形成されている。これにより、第1連結部174は、ニッパやカッタなどによって容易に切断することができるようになっている。よって、遊技場などにおいて払出制御基板91の検査を行うために基板ボックス92を開放する場合には第1連結部174を切断することで、第1表側結合部141を表側構成体101から分離させることができる。
第2連結部175は、それぞれ第1連結部174と同様に、表裏方向に延びた板状をなしており、ニッパやカッタなどの工具により容易に切断しやすいように幅寸法が小さく設定されている。これにより、第2連結部175を切断することによって、第2表側結合部151は表側構成体101から分離されるため、スライド移動が可能となる。
また、取付壁部173と膨出部104との間には、取付壁部173と膨出部104とを連結する第3連結部176が設けられている。第3連結部176は、第2連結部175と同様に、表側構成体101から表裏方向に起立した板状をなしている。第3連結部176は各固定部131、132に対応して複数設けられており、等間隔に配置されている。取付壁部173は膨出部104に対して支持されている。よって、取付壁部173を撓ませて、不正治具を挿入する等の不正行為を好適に抑制することができる。特に、各連結部174、175の切断作業の際、取付壁部173には負荷がかかる。これにより、取付壁部173が撓んだ場合、不正行為が行い易くなるとともに、当該撓みが不正行為によって発生したものなのか、切断作業の際に発生したものなのかの判断が難しい場合がある。すると、不正行為の発見が遅れる可能性がある。これに対して、各固定部131、132毎に第3連結部176を設け、取付壁部173が第3連結部176によって支持される構成とすることにより、切断作業の際に撓みが発生しにくいため、取付壁部173を撓ませることによる不正行為を抑制するとともに、当該不正行為を容易に発見することができる。
基板ボックス92の1の短辺部には、図7及び図8に示すように、各固定部131、132を囲む囲み部179が設けられている。囲み部179は表裏方向に開口した略直方体形状をなしている。囲み部179によって形成された領域内に各固定部131、132が収容されている。
囲み部179は、底部としてのベース部180と、当該ベース部180の周縁に立設された囲み壁部181とを有している。ベース部180は、図12(b)に示すように、裏側規定壁部172から側方に延出させて形成されており、略板状をなしている。当該ベース部180に、各裏側結合部142、152が一体形成されている。これにより、各裏側結合部142、152はベース部180を介して裏側構成体102に一体形成されている。
囲み壁部181は、ベース部180を底部としてその周縁に立設された壁部であり、基板ボックス92の1の短辺部から側方に突出させて形成されている。囲み壁部181は、裏側構成体102に設けられ、ベース部180の周縁に立設された裏側囲み壁部182と、表側構成体101に設けられた表側囲み壁部183と、を備えている。
裏側囲み壁部182は、ベース部180の周縁を囲むように形成されている。裏側囲み壁部182は、図9に示すように、裏側規定壁部172の両端の近傍からそれぞれ基板ボックス92の側方に延出させて形成された対向する2つの裏側第1側壁部182aと、裏側第1側壁部182aと略直交するように形成された裏側第2側壁部182bと、から形成されている。裏側第2側壁部182bは、裏側規定壁部172から離間された位置に配置されている。各裏側結合部142、152は、裏側規定壁部172及び裏側第2側壁部182bの間、かつ2つの裏側第1側壁部182aの間に配置されている。ベース部180、裏側規定壁部172、裏側第1側壁部182a及び裏側第2側壁部182bによって囲まれた裏側結合領域184内に、第1裏側結合部142及び第2裏側結合部152が収容されている。
次に、表側囲み壁部183の形状について図9及び図12(a)を用いて説明する。膨出部104には、膨出部104の周縁を規定する膨出規定壁部185が設けられている。表側囲み壁部183は膨出規定壁部185から膨出部104の側方に突出させて形成されている。表側囲み壁部183は、膨出規定壁部185から、それぞれ表側構成体101の長辺方向に延びて形成されている対向する2つの表側第1側壁部183aと、膨出規定壁部185から離間された位置に形成された表側第2側壁部183bと、から形成されている。取付壁部173は、表側囲み壁部183と膨出規定壁部185とによって囲まれた領域を区画するように配置されている。詳細には、取付壁部173の両端は2つの表側第1側壁部183aに配置されており、取付壁部173は2つの表側第1側壁部183aを連結するように形成されている。表側規定壁部171及び取付壁部173と表側第2側壁部183bとの間、かつ2つの表側第1側壁部183aの間に、第1表側結合部141及び第2表側結合部151が配置されている。各表側結合部141、151、取付壁部173及び表側囲み壁部183における表側の一端、すなわち囲み壁部181の上端は、同一平面にある。当該平面は、表裏方向に直交する平坦な水平面である。表側規定壁部171、2つの表側第1側壁部183a及び表側第2側壁部183bによって囲まれた表側結合領域186内に、第1表側結合部141及び第2表側結合部151が収容されている。
表側囲み壁部183の裏側囲み壁部182側の端部と裏側囲み壁部182の表側囲み壁部183側の端部とは、図13に示すように、当接している。これにより、表側囲み壁部183及び裏側囲み壁部182によって面一の壁部が形成されている。つまり、表側結合領域186及び裏側結合領域184は、表裏方向に対して重なり合っており、当該重なり合った領域内に、各固定部131、132が収容されている。換言すれば、表側規定壁部171、裏側規定壁部172、取付壁部173、ベース部180、囲み壁部181によって基板ボックス92の表側以外が閉じられた領域が形成されており、当該領域内に各固定部131、132が収容されている。さらに換言すれば、基板ボックス92の短辺部には、基板ボックス92の短辺部を一部として各固定部131、132を収容する領域を区画形成するものであって、所定の方向に開口した囲み部179が設けられており、当該囲み部179によって形成された領域内に各固定部131、132が収容されている。そして、各固定部131、132のそれぞれに対して開口側から固定具としての破断ネジ146及び結合ピン155が挿入されることによって表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定されるとともに、第1連結部174、第2連結部175、第4連結部188、壁連結部189及び切断部190を切断することによって当該固定状態が解除される。これにより、各固定部131、132に対して開口側以外の外部から不正行為を施す場合、当該行為は囲み部179によって抑制される。よって、各固定部131、132に対する不正行為を抑制することができる。
裏側囲み壁部182の表側囲み壁部183側には、図9及び図13に示すように、表側囲み壁部183の外側の面と当接する返し壁部187が設けられている。返し壁部187は、裏側囲み壁部182から表側囲み壁部183側へ起立して設けられている。返し壁部187は、裏側囲み壁部182から外側に突出しており、返し壁部187と裏側囲み壁部182とは段差状になっている。返し壁部187は、返し壁部187の内側の面と、表側囲み壁部183の外側の面とが当接するように形成されている。これにより、裏側構成体102に対する表側構成体101の位置が規定されている。よって、容易に表側構成体101を所定の位置に配置することができる。
また、返し壁部187が表側囲み壁部183側に起立しているため、表側囲み壁部183と裏側囲み壁部182との境界が返し壁部187によって覆われている。これにより、当該境界に対して不正行為を行うことが困難になっているため、当該不正行為を抑制することができる。
第2表側結合部151と表側囲み壁部183との間には、図12(a)に示すように、第2表側結合部151及び表側囲み壁部183を連結する第4連結部188が設けられている。表側囲み壁部183は、第4連結部188を介して第2表側結合部151と一体形成されている。つまり、表側囲み壁部183は第4連結部188によって第2表側結合部151に対して支持されている。よって、表側囲み壁部183は撓みにくくなっているため、表側囲み壁部183を撓ませることによって、表側囲み壁部183及び裏側囲み壁部182の間、及び表側囲み壁部183及び返し壁部187の間に隙間を形成させ、当該隙間から不正治具を挿入させる不正行為を抑制することができる。
第4連結部188は、第1連結部174及び第2連結部175と同様に表裏方向に延びた板状をなしており、ニッパやカッタなどの工具により容易に切断しやすいように幅寸法が小さく設定されている。第2表側結合部151は、第2連結部175及び第4連結部188を切断することによって、結合ピン155ごと表側構成体101から取り外される。これにより、裏側構成体102に対して表側構成体101をスライド移動させることができる。よって、基板ボックス92を開放することができるとともに、第2連結部175及び第4連結部188の切断箇所が開放履歴として残存することとなる。
基板ボックス92の1の短辺部には、表側囲み壁部183及び取付壁部173を連結する壁連結部189が設けられている。壁連結部189は、表裏方向に対して直交する方向に延びた板状をなしている。壁連結部189は第1表側結合部141及び第1連結部174の周囲に形成されている。具体的には、壁連結部189は第1表側結合部141及び第1連結部174によって囲まれた領域を切り抜いた形状をなしている。これにより、第1連結部174が設けられている取付壁部173側の壁連結部189は2つに分離しているとともに、表側囲み壁部183側よりも細くなっている。よって、壁連結部189における取付壁部173側の箇所は切断し易くなっている。
壁連結部189は取付壁部173及び表側囲み壁部183を連結しているため、表側囲み壁部183は壁連結部189によって取付壁部173に対して支持されている。これにより、表側囲み壁部183の撓み変形を抑制している。よって、撓み変形による隙間の発生を抑制することができる。
表側囲み壁部183には、図7及び図12(a)に示すように、表側囲み壁部183の領域を区画するように切断部190が設けられている。切断部190は、壁連結部189と表側囲み壁部183との連結箇所の両側に形成されている。切断部190は、表側囲み壁部183を内外に貫通する多数(又は複数)の貫通孔を表裏方向に並設することにより形成されている。これにより、表側囲み壁部183において、切断部190は他の箇所に比べて切断し易くなっている。
第1連結部174を切断した場合、第1固定部131の固定は維持された状態で、第1固定部131と表側構成体101との連結は解除される。かかる場合、裏側構成体102に対して表側構成体101をスライド移動させようとすると、第1表側結合部141と壁連結部189とが当接する。これにより、当該スライド移動が規制されている。つまり、第1連結部174を切断した場合であっても、壁連結部189によって当該スライド移動が規制されている。かかる規制状態は、壁連結部189の取付壁部173側を切断するとともに、切断部190を切断することによって解除される。これにより、基板ボックス92の開放には多数の切断を要するとともに、切断箇所が多数残存することになる。したがって、基板ボックス92の開放を手間取らせるとともに、開放履歴としての切断箇所が多数形成されることとなる。よって、基板ボックス92の不正開放を抑制するとともに、その開放を容易に発見することができる。
なお、第1固定部131によって裏側構成体102に対する表側構成体101の浮き上がりが抑制されているため、第1固定部131は不正行為の対象になり易い。これに対して、当該壁連結部189が第1表側結合部141の周囲を覆うように形成されているため、第1裏側結合部142及び第1表側結合部141と第1裏側結合部142との境界に対して不正治具などを挿入しづらくなっている。これにより、第1裏側結合部142、及び第1表側結合部141と第1裏側結合部142との境界に対する不正行為を抑制することができる。
次に、表側構成体101と裏側構成体102とを固定する作業の流れを、図14を用いて説明する。図14は、表側構成体101と裏側構成体102とを固定する作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とは、互いに重ね合わせるとともに、第1固定部131に対して破断ネジ146を挿入し、第2固定部132に対して結合ピン155を挿入することによって固定される。
まず、図14(a)に示すように、上述したようにフック部111を係止受け121内に挿入し、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させる。すると、図14(b)に示すように、表側囲み壁部183の外側の面と、返し壁部187の内側の面とが当接する。かかる状態において、第1表側結合部141に設けられている貫通孔144と第1裏側結合部142に設けられているネジ穴145とが連通するとともに、第2表側結合部151に設けられている貫通孔153と第2裏側結合部152に設けられている凹部154とが連通する。
かかる状態において、貫通孔144及びネジ穴145の組み合わせに対して破断ネジ146を挿入するとともに、貫通孔153及び凹部154の組み合わせに対して結合ピン155を挿入する。そして、破断ネジ146を螺着するとともに、結合ピン155を第2表側結合部151と係止状態となる位置まで差し込む。これにより、図14(c)に示すように表側構成体101と裏側構成体102とが固定状態となる。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除について図15を用いて説明する。図15は、表側構成体101と裏側構成体102との固定を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、第1表側結合部141を表側構成体101から分離させるとともに、第2表側結合部151を表側構成体101から分離させる。
まず、第1固定部131に関しては、図15(a)に示すように、第1連結部174を切断するとともに、壁連結部189の取付壁部173側の箇所及び切断部190をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101又は裏側構成体102のスライド移動が、第1固定部131により阻害されなくなるとともに、その切断箇所が開放履歴として残存する。
この場合に、表側結合領域186に、切断作業を行う対象である第1連結部174、壁連結部189及び切断部190を設けたことにより、裏側結合領域184にまで工具を差し込む必要がない。よって、容易に切断作業をすることができる。
次に、第2固定部132に関しては、結合ピン155が挿入されている第2表側結合部151における第2連結部175及び第4連結部188をニッパやカッタ等の工具により切断する。第2裏側結合部152には結合ピン155のピン本体156の先端部が挿入されているだけであり、これらは何ら係止状態にないため、図15(b)に示すように、第2連結部175及び第4連結部188の切断により第2表側結合部151と結合ピン155とが表側構成体101から容易に引き抜かれる。これにより、表側構成体101又は裏側構成体102のスライド移動が、第2固定部132により阻害されなくなる。引き抜かれた第2表側結合部151と結合ピン155とは、結合ピン155の係止爪部158を指又は工具等で押さえて内側に没入させることによって容易に分離することができる。分離された結合ピン155は何ら変形や破壊を伴っていることはなく、同一の結合ピン155が次回の結合に用いられる。
その後、フック部111及び係止受け121により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させる。これにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図15(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを表裏方向に分離させることで、これら構成体101、102が完全に分離された状態となる。この場合、上記各連結部174、175、188、189及び切断部190が切断されているため、当該各連結部174、175、188、189及び切断部190の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。
ここで、切断箇所又はその近傍に対して不正行為(穴を設けたり隙間を形成したりして基板に不正アクセスしようとする行為等)が行われた場合、開放履歴としての痕跡と、不正行為による痕跡とで、混同が生じるおそれがある。つまり、その痕跡が不正行為によるものなのか、正規の切断によって形成されたものなのかの判断をしづらい場合がある。これにより、不正行為を容易に発見できないおそれがある。これに対して、再度の固定処理の際に、切断箇所を覆う痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられている。
<痕跡カバー部材191について>
痕跡カバー部材191が取り付けられた基板ボックス92の構成について図16〜図19を用いて説明する。図16は、再度の固定処理を行った場合における基板ボックス92の斜視図であり、図17(a)は、痕跡カバー部材191の斜視図であり、図17(b)は、痕跡カバー部材191の平面図であり、図17(c)は、C−C線断面図であり、図18(a)は、痕跡カバー部材191の周辺構成を示す平面図であり、図18(b)は、痕跡カバー部材191の周辺構成を示す底面図であり、図19は、D−D線断面図であり、図20は、E−E線断面図である。
再度の固定処理の際、基板ボックス92には、図16に示すように痕跡カバー部材191が取り付けられている。痕跡カバー部材191は、無色透明のポリカーボネート樹脂で形成されており、内部を視認することができる。なお、痕跡カバー部材191の形成材料はこれに限定されることは無く、アクリル樹脂等であってもよく、要は透明部材で形成されていればよい。
痕跡カバー部材191は、略直方体形状をなしている。痕跡カバー部材191には、図17(c)に示すように、所定の方向に開口した開口部192が設けられている。開口部192は、囲み部179が挿通可能な大きさに形成されており、所定の方向に痕跡カバー部材191をスライド移動させることによって基板ボックス92に取り付けられている。開口部192は、基板ボックス92に取り付けられた状態において、基板ボックス92の内部空間を規定する側壁部(具体的には表側規定壁部171、裏側規定壁部172、及び膨出規定壁部185)によって塞がれるように形成されている。
痕跡カバー部材191は、表側結合領域186の表側を覆う表面カバー部193と、表面カバー部193と略平行であって、ベース部180を外側から覆う裏面カバー部194と、表面カバー部193及び裏面カバー部194に対して略直交しているものであって、表側囲み壁部183及び裏側囲み壁部182を覆う側面カバー部195と、を有している。これにより、これら各カバー部193、194、195によって形成されている領域内に囲み部179が収容されている。つまり、痕跡カバー部材191は囲み部179の全周を囲むように形成されている。よって、囲み部179に収容されている各固定部131、132及び切断箇所が痕跡カバー部材191によって覆われている。
各カバー部193、194、195について詳細に説明する。先ず、表面カバー部193について説明すると、表面カバー部193は板状に形成されており、図18(a)に示すように、表側結合領域186の表側を覆っている。そして、図19に示すように、表面カバー部193と表側囲み壁部183とが当接しているとともに、表面カバー部193と取付壁部173とが当接している。これにより、各固定部131、132が、表側規定壁部171、裏側規定壁部172、取付壁部173、囲み部179及び表面カバー部193によって形成される閉空間に収容されることとなる。よって、各連結部174、175、188、189及び切断部190が閉空間に収容されることとなる。したがって、痕跡箇所としての切断箇所に対する不正行為を抑制することができるとともに、当該切断箇所に対して不正行為を施す場合には、これら表面カバー部193又は囲み部179に何らかの痕跡が形成されるため、当該不正行為を容易に発見することができる。
特に、表側結合領域186に関しては、破断ネジ146並びに結合ピン155の挿入及び切断作業等のために、表側結合領域186を規定する壁部は基板ボックス92の表側には設けられていない。換言すれば、第1固定部131及び第2固定部132を収容する領域を区画形成する囲み部179は表側に開口している。これにより、当該作業を容易に行うことができる反面、当該切断箇所等に対して不正行為を行い易い。これに対して、表側結合領域186の表側が痕跡カバー部材191によって覆われ、痕跡カバー部材191と表側結合領域186を区画形成する取付壁部173並びに表側囲み壁部183とが当接することによって、閉空間が形成されている。換言すれば、囲み部179の開口が表面カバー部193によって塞がれており、囲み部179と痕跡カバー部材191とによって閉空間が形成されている。当該閉空間内に各固定部131、132及び切断箇所が収容されている。これにより、切断箇所に対する不正行為が行いにくくなるため、当該不正行為を抑制することができる。また、仮に切断箇所に対して不正行為が行われた場合であっても、痕跡カバー部材191に痕跡が残存するため、当該行為を容易に発見することができる。
表側結合領域186の表側が表面カバー部193によって覆われているため、図18(a)及び図19に示すように、結合箇所が表面カバー部193によって覆われている。これにより、結合箇所に対して不正行為を行おうとしても痕跡カバー部材191によって抑制される。つまり、痕跡カバー部材191は、痕跡箇所だけでなく結合箇所を覆う機能を有している。よって、結合箇所に対する不正行為を抑制することができる。
具体的には、複数ある第2固定部132のうち、最初の固定処理で使用したもの以外の第2固定部132に対して、結合ピン155が挿入されることによって、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に結合されている。ここで使用する結合ピン155は、最初の固定処理において使用され、先の開放作業の際に破壊されることなく取り外された結合ピン155である。かかる状態で、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられている。これにより、閉空間が形成され、当該閉空間内に結合ピン155の結合箇所が収容されている。よって、痕跡カバー部材191を破壊又は除去しない限り、結合箇所に対して不正行為を行うことができない。また、仮に不正行為を行ったとしても、痕跡カバー部材191に痕跡が残るため、不正行為を容易に発見することができる。
さらに、表面カバー部193の裏側の面、すなわち表面カバー部193の内側面196は平坦に形成されている。また、囲み壁部181(具体的には表側囲み壁部183)の上端は同一水平面上にある。これにより、表面カバー部193と囲み壁部181との間に隙間が形成されにくい。よって、これらの隙間からの不正治具の挿入を好適に抑制することができる。
表面カバー部193は、図18(a)及び図19に示すように、取付壁部173から膨出部104の膨出規定壁部185までを余分に覆っている。つまり、表面カバー部193は表側結合領域186よりもスライド方向にオーバーラップして覆っている。これにより、表面カバー部193と取付壁部173との境界に対するアクセスが困難になっている。よって、取付壁部173と表面カバー部193との境界に対する不正行為をより好適に抑制している。また、表面カバー部193は表側結合領域186よりもスライド方向にオーバーラップして覆っているため、痕跡カバー部材191を撓ませても、取付壁部173と表面カバー部193との間に隙間が形成されにくい。よって、痕跡カバー部材191を撓ませることにより隙間を形成させ、当該隙間から不正治具を挿入する不正行為を抑制することができる。
さらに、表面カバー部193は、膨出規定壁部185と当接するように形成されているため、表面カバー部193と膨出部104との間に隙間が形成されにくくなっている。これにより、当該隙間からの不正治具の侵入を抑制することができる。
裏面カバー部194は、図18(b)に示すように、表面カバー部193と略平行の板状をなしており、ベース部180の外側を覆うように形成されている。具体的には、裏面カバー部194の表側構成体101側の面、すなわち裏面カバー部194の内側面がベース部180の外側面に当接するように裏面カバー部194は設けられている。つまり、裏面カバー部194は、表面カバー部193に対して、囲み壁部181の表裏方向の寸法だけ離間した位置に配置されており、囲み壁部181は表面カバー部193及び裏面カバー部194によって挟まれた領域に配置されている。また、表側囲み壁部183は表側構成体101に対して一体形成されているとともに、裏側囲み壁部182は裏側構成体102に対して一体形成されている。これにより、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を表裏方向へ移動させようとしても、当該移動は、表側囲み壁部183と表面カバー部193との当接又は裏側囲み壁部182と裏面カバー部194との当接によって規制される。よって、基板ボックス92を開放する際には、痕跡カバー部材191の取り外しを要することになるため、基板ボックス92の開放行為が複雑になっている。したがって、基板ボックス92の不正開放行為を手間取らせることができるため、当該不正行為を好適に抑制することができる。また、基板ボックス92の不正開放が行われたとしても、その際には基板ボックス92又は痕跡カバー部材191の少なくとも一方には、破壊された箇所が存在することとなるため、不正な開放行為を容易に発見することができる。
ここで、第1固定部131から分離された状態では、表側構成体101及び裏側構成体102が浮き上がり易く、表側構成体101と裏側構成体102との間の隙間が形成されやすい状態となっている。これに対して、表側構成体101及び裏側構成体102が表面カバー部193と裏面カバー部194とによって挟持されているため、表側構成体101及び裏側構成体102において、一方に対して他方の浮き上がりが抑制されている。これにより、表側構成体101及び裏側構成体102の間に隙間が形成されにくい。よって、当該隙間からの不正行為を抑制することができる。
裏面カバー部194は、図18(b)に示すように、各裏側結合部142、152の形状に応じた形状になっている。具体的には、各裏側結合部142、152はベース部180から各表側結合部141、151とは反対方向に突出しており、裏面カバー部194は、ベース部180から突出している各裏側結合部142、152の外周に沿って形成されている。これにより、痕跡カバー部材191を基板ボックス92の長辺方向及び短辺方向に移動させようとした場合に、裏面カバー部194において、各裏側結合部142、152と当接する面積が大きくなる。これにより、当該移動をより好適に規制することができる。
側面カバー部195は、図19に示すように、裏側囲み壁部182の一部である返し壁部187を含めて、裏側囲み壁部182及び表側囲み壁部183の外側を覆うように、かつ各壁部182、183に沿って形成されている。側面カバー部195は、各壁部182、183の外側の面と、側面カバー部195の内側の面とが当接するように形成されている。これにより、各壁部182、183は、側面カバー部195によって、隙間を形成することなく外側から覆われている。よって、隙間からの不正治具の挿入を抑制することができる。
特に、返し壁部187及び表側囲み壁部183の隙間が側面カバー部195によって覆われている。これにより、当該隙間からの不正治具の挿入が困難になっているため、当該不正行為を好適に抑制することができる。
側面カバー部195は、図16に示すように、裏側規定壁部172に当接するように形成されている。これにより、痕跡カバー部材191とこれらの壁部との間に隙間が発生しにくいため、当該隙間からの不正治具の侵入を抑制することができる。
次に、基板ボックス92への痕跡カバー部材191の固定について説明する。
上述の通り痕跡カバー部材191は囲み部179の全周を囲むように形成されている。そして、痕跡カバー部材191には、フック部111と係止受け121との係止状態を解除する方向に囲み部179が挿通可能な開口部192が形成されている。これにより、痕跡カバー部材191は、開口部192を介して基板ボックス92に取り付けられるため、痕跡カバー部材191の取り付け方向及び取り外し方向は一方向に規定されている。そして、かかる状態において、固定具としての取付ピン202が挿入されることによって取り外し方向への移動が規制される。これにより、基板ボックス92に対する痕跡カバー部材191の固定が実現されている。
取付ピン202の挿入について説明する。表面カバー部193には、図17(b)等に示すように、2つの貫通孔201が形成されている。貫通孔201は、第2表側結合部151の貫通孔153の孔径と略同一であり、表裏方向に貫通している。痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して装着されている状態では、図20に示すように、貫通孔201と貫通孔153とが連通している。これら貫通孔153、201に対して取付ピン202が挿入されている。
取付ピン202は、結合ピン155と同様にピン本体203、頭部204、係止爪部205及び段差面206を有している。ピン本体203は、痕跡カバー部材191の貫通孔201に対して挿入できる程度の大きさを有している。ピン本体203が連通された貫通孔201、153及び凹部154に対して挿入されている状態下では、痕跡カバー部材191を取り外し方向に移動させようとしても、痕跡カバー部材191と取付ピン202とが当接することによって当該移動が規制されている。具体的には、貫通孔201の内周面とピン本体203とが当接する。これにより、痕跡カバー部材191の取り外し方向の移動は規制されている。よって、痕跡カバー部材191は、基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で取り付けられている。かかる状態では、表側構成体101及び裏側構成体102のスライド移動も取付ピン202によって規制されている。つまり、取付ピン202が挿入されることによって、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられているとともに、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に結合されている。換言すれば、第2固定部132が痕跡カバー部材191を基板ボックス92に取り付ける取付部として兼用されている。これにより、構成の簡素化を図るとともに、表側構成体101及び裏側構成体102をより強固に結合することができる。
かかる状態において、係止爪部205が第2表側結合部151に対して係止されている。具体的には、係止爪部205は、ピン本体203の外周面から外側に突出して形成されており、さらに頭部204側に向けて突出量が大きくなるように形成されている。そして、係止爪部205の頭部204側の面が第2表側結合部151に係止されている。これにより、係止爪部205は取付ピン202を引き抜くことが抑制されている。
なお、係止爪部205が貫通孔201等を通過できるように、係止爪部205の周囲には、頭部204に対して反対側の端部を除いて切欠が形成されているため、係止爪部205において頭部204に対して反対側の端部が固定端となり、頭部204側の端部が自由端となっている。これにより、係止爪部205を押圧することにより、係止爪部205をピン本体203の内側に没入させることができるようになっている。
取付ピン202は、頭部204が痕跡カバー部材191と当接するように形成されている。具体的には、頭部204は、貫通孔201を通過できないように貫通孔201の外径よりも大きく形成されている。これにより、頭部204と貫通孔201との間には、環状の段差面206が形成されている。そして、結合ピン155における段差面161から係止爪部158の頭部157側の端部までの長さ寸法Ya1(図19参照)に対して、取付ピン202における段差面206から係止爪部205の頭部204側の端部までの長さ寸法Yb1は、表面カバー部193の厚さ寸法及び第2表側結合部151の頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ大きく設定されている。そして、結合ピン155におけるピン本体156の軸線方向の長さ寸法Ya2(図19参照)に対して、取付ピン202におけるピン本体203の軸線方向の長さ寸法Yb2は、表面カバー部193の厚さ寸法及び第2表側結合部151の頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ大きく設定されている。これにより、係止爪部205が第2表側結合部151に対して係止されている状態において、段差面206と貫通孔201の周縁に設けられている環状のピン受け面207とが当接している。これにより、痕跡カバー部材191及び表側構成体101は、頭部204と係止爪部205とによって挟持されている。よって、基板ボックス92に対する痕跡カバー部材191の浮き上がりが抑制されている。
ピン受け面207の周縁には、図18(a)及び図20に示すように、頭部204を収容する頭収容部208が設けられている。頭収容部208は円筒形状であり、貫通孔201と同一軸線上に形成されている。頭収容部208は取付ピン202の頭部204の形状に対応させて形成されている。具体的には、頭収容部208の内径は頭部204の外径に合わせて設定されているとともに、取付ピン202の頭部204を収容できるように頭部204の高さ分だけ表面カバー部193から突出して形成されている。これにより、ピン受け面207と、取付ピン202の段差面206とが当接している状態において、頭部204は頭収容部208に収容されている。これにより、頭部204が掴まれにくいため、頭部204を掴んで引き抜く不正行為を抑制することができる。
取付ピン202の頭部204には、図18(a)に示すように、取付ピン202の係止爪部205の向きを所定の方向に規定する位置決め部として切欠部211が設けられており、切欠部211に対応して、表面カバー部193の頭収容部208の内周側には突起部212が設けられている。突起部212は、切欠部211の形状に合わせて頭収容部208の内周面から内側に突出している。これにより、取付ピン202を頭収容部208に対して挿入する場合には、切欠部211を突起部212に合わせて挿入するため、第2表側結合部151に対する取付ピン202の向きが一意的に定まる。よって、取付ピン202に設けられている係止爪部205の向きが所定の方向に定まる。かかる場合、2つの係止爪部205のうち、一方の係止爪部205が膨出部104側に配置されるようになっている。したがって、仮に表側囲み壁部183側から不正治具を用いて侵入された場合であっても、膨出部104側に配置されている係止爪部205の係止状態は解除されにくいため、係止状態の不正解除を抑制することができる。
なお、突起部212及び切欠部211の形状は、一意的に取付ピン202の位置が定まればよく、その形状は任意である。また、頭部204に突起部を設け、頭収容部208に切欠部を設ける構成としてもよい。また、係止爪部205が複数設けられている場合には、複数の係止爪部205のうち少なくとも一方が膨出部104側に配置されるようにするとよい。
側面カバー部195には、図17に示すように、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付ける際に使用する取付ピン202を収納しておく取付ピン収容部221が設けられている。取付ピン収容部221は、側面カバー部195と一体形成されている板部222と、当該板部222に設けられ、円筒形状をした円筒部223と、を備えている。円筒部223の内周面224は、取付ピン202のピン本体203の外径と同程度であって、取付ピン202の頭部204の外径よりは小さく形成されている。そして、円筒部223の高さは、取付ピン202の段差面206から係止爪部205の頭部204側の端面までの距離と同程度となっている。円筒部223に対して取付ピン202を差し込むことによって、取付ピン202が円筒部223に収容される。具体的には、取付ピン202を円筒部223に挿入すると、係止爪部205が内側に弾性変形し、取付ピン202の段差面206が円筒部223の上端部225と当接するまで取付ピン収容部221に対して差し込まれる。ここで、円筒部223の高さは、取付ピン202の段差面206から係止爪部205の頭部204側の端面までの距離と同程度となっているため、取付ピン202の段差面206が取付ピン収容部221と当接した状態においては、係止爪部205は取付ピン収容部221から突出している。よって、係止爪部205は起き上がる。すると、係止爪部205が取付ピン収容部221の下端部226に対して引っ掛かる。これにより、取付ピン202が取付ピン収容部221から抜け落ちないようになっている。なお、使用する際には、取付ピン202の係止爪部205を工具などによって押して弾性変形させることによって、容易に取り外すことができる。
<2回目の固定について>
次に、2回目の固定処理をする場合の作業の流れを、図21を用いて説明する。図21は、2度目の固定処理をする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
2回目の固定処理では、複数の第2固定部132のうち、最初の固定の際に使用していない第2固定部132を使用し、表側構成体101と裏側構成体102とを再度固定状態とするとともに、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定する。
まず、図21(a)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを固定する。具体的には、先の開放作業において、第2表側結合部151とともに取り外された結合ピン155を、未使用の第2固定部132における第2表側結合部151の貫通孔153に対して挿入する。これにより、結合ピン155と第2表側結合部151とが係止状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定状態になる。
次に、図21(b)に示すように、痕跡カバー部材191を囲み部179に嵌め込む。詳細には、痕跡カバー部材191の開口部192を囲み部179に合わせながら、痕跡カバー部材191を取り付け方向に移動させる。かかる場合、側面カバー部195のスライド方向に延びた部位と囲み壁部181のスライド方向に延びた部位との当接によって所定の位置に誘導され、表側規定壁部171及び裏側規定壁部172に対して当接することによって所定の位置に規定される。これにより、基板ボックス92に対する痕跡カバー部材191の取り付け位置が一意的に決まっている。つまり、痕跡カバー部材191は、自身を基板ボックス92の所定の位置に誘導するためのガイド部を有している。
そして、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して装着された状態では、痕跡カバー部材191の貫通孔201と、第2表側結合部151の貫通孔153とが連通している。そして、取付ピン202の切欠部211を、突起部212に合わせながら、これら貫通孔153、201に対して取付ピン202を差し込む。当該取付ピン202は、取付ピン収容部221に収容されていたものである。すると、取付ピン202が第2表側結合部151に対して係止される。これにより、第2表側結合部151と表面カバー部193とが取付ピン202の頭部204と係止爪部205によって挟持されているとともに、痕跡カバー部材191のスライド移動が取付ピン202によって規制されているため、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図22のブロック図に基づいて説明する。図22では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板231には、主制御回路232と停電監視回路233とが内蔵されている。主制御回路232には、CPUチップ234が搭載されている。CPUチップ234には、当該CPUチップ234により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM235と、そのROM235内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM236と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ234には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ234の入力側には、主制御基板231に設けられた停電監視回路233、払出制御装置82の払出制御基板91及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路233には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板237が接続されており、CPUチップ234には停電監視回路233を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ234の出力側には、停電監視回路233、払出制御基板91及び中継端子板238が接続されている。払出制御基板91には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板238を介して主制御回路232から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板239に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路233は、主制御回路232と電源及び発射制御基板237とを中継し、また電源及び発射制御基板237から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板91は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPUチップ93は、そのCPUチップ93により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM241と、ワークメモリ等として使用されるRAM242とを備えている。
払出制御基板91のCPUチップ93には、入出力ポートが設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御回路232、電源及び発射制御基板237、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPUチップ93の出力側には、主制御回路232及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板237は、電源部243と発射制御部244とを備えている。電源部243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路232や払出制御基板91等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路232や払出制御基板91等に対して供給する。発射制御部244は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板239は、表示制御装置248を制御するものである。演算装置であるCPUチップ245は、そのCPUチップ245により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM246と、ワークメモリ等として使用されるRAM247とを備えている。
音声ランプ制御基板239のCPUチップ245には入出力ポートが設けられている。CPUチップ245の入力側には中継端子板238に中継されて主制御回路232が接続されており、主制御回路232から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置248を制御する。表示制御装置248は、音声ランプ制御基板239から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上、詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
痕跡カバー部材191が基板ボックス92に取り付けられている。かかる状態において、痕跡箇所としての各連結部174、175、188、189及び切断部190の切断箇所が、痕跡カバー部材191によって覆われている。これにより、切断箇所に対して不正行為を施す行為が行いにくくなっているとともに、当該行為の際には、痕跡カバー部材191に痕跡が残存する。これにより、切断箇所に対する不正行為を抑制するとともに、当該不正行為を容易に発見することができる。
並設された各固定部131、132を収容する領域を形成する囲み部179を設けた。そして、痕跡カバー部材191は当該囲み部179を覆う構成とした。これにより、切断箇所に対して不正行為を行う場合には、囲み部179及び痕跡カバー部材191が邪魔になるため、当該不正行為が複雑なものになる。よって、当該不正行為を手間取らせることができる。そして、かかる不正行為の痕跡が痕跡カバー部材191に残存することになるため、当該不正行為を容易に発見することができる。
痕跡カバー部材191は囲み部179の開口を覆うとともに、痕跡カバー部材191と囲み部179とによって閉空間が形成される構成とした。これにより、閉空間内に切断箇所が収容される。よって、切断箇所に対する不正行為を抑制することができる。
具体的には、表面カバー部193の内側面196が囲み壁部181の上端と当接する構成とした。ここで、囲み壁部181の上端は同一平面上にあり、さらに内側面196は平坦面に形成されているため、痕跡カバー部材191と囲み壁部181との間に隙間が形成されにくいため、不正治具の挿入などの不正行為を抑制することができる。
痕跡カバー部材191には、囲み部179が挿通可能な大きさの開口部192が設けられており、当該開口部192は、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられている状態において、表側規定壁部171、裏側規定壁部172、及び膨出規定壁部185によって塞がれるように形成されている。これにより、カバー部材191と基板ボックス92の内部空間を規定する壁部とによって閉空間が形成されており、当該閉空間内に囲み部179が収容されている。よって、囲み部179及び当該囲み部179に収容されている各固定部131等に対する不正行為を好適に抑制することができる。
痕跡カバー部材191は、取付壁部173からスライド方向にオーバーラップして覆う構成とした。これにより、痕跡カバー部材191と取付壁部173との境界からの不正治具の挿入をより困難になっている。したがって、痕跡カバー部材191と取付壁部173との間の隙間から不正治具を挿入する不正行為をより好適に抑制することができる。
痕跡カバー部材191は膨出規定壁部185に対して当接するように形成されている。これにより、痕跡カバー部材191と膨出規定壁部185との間の隙間から不正治具を挿入しづらくさせている。よって、当該不正行為をより好適に抑制することができる。
表側囲み壁部183及び裏側囲み壁部182を表裏方向に挟むように痕跡カバー部材191が配置されている。これにより、裏側囲み壁部182に対する表側囲み壁部183の浮き上がりが抑制されている。よって、裏側構成体102に対する表側構成体101の浮き上がりが抑制されている。
また、複数の固定部131、132を収容する囲み部179を設け、痕跡カバー部材191が当該囲み部179を覆う構成としたことにより、各固定部131、132及び切断箇所をそれぞれ覆う構成に比べて、構成の簡素化を図ることができる。さらに、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付ける前に、未使用の第2固定部132による固定を行うことによって、切断箇所だけでなく第2固定部132の結合箇所も痕跡カバー部材191によって覆われる。よって、結合箇所に対する不正行為を抑制することができる。なお、各固定部131、132は基板ボックス92の1の短辺部に並設されているため、それを囲む囲み部179及び痕跡カバー部材191を小型にすることができる。
また、痕跡カバー部材191には、自身を基板ボックス92の所定の位置に規定するガイド部が設けられている。具体的には、痕跡カバー部材191は、側面カバー部195の内側面が囲み壁部181の外側面に当接するように、かつ所定の位置にて側面カバー部195と裏側規定壁部172と当接するように形成されている。これにより、容易に痕跡カバー部材191を所定の位置に配置することができる。よって、作業性の向上を図ることができる。
第2固定部132及び表面カバー部193に設けられている貫通孔201に対して取付ピン202を挿通することによって、痕跡カバー部材191の取り外し方向への移動が規制される。これにより、表側構成体101及び裏側構成体102の分離が抑制されるとともに、基板ボックス92に対して痕跡カバー部材191の取り外しが抑制される。つまり、表側構成体101及び裏側構成体102を固定する第2固定部132が痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付けるための固定部として兼用されている。これにより、構成の簡素化を図るとともに、基板ボックス92をより強固に固定することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、表側構成体101及び裏側構成体102を固定するために使用した結合ピン155と、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付ける際に使用する取付ピン202とが、異なる構成となっていた。具体的には、痕跡カバー部材191が囲み部179の開口を覆うため、取付ピン202におけるピン本体203及び係止爪部205の位置が、結合ピン155と異なっていた。詳細には、段差面206から係止爪部205の頭部204側の端部までの長さ寸法Yb1及びピン本体203の軸線方向の長さ寸法Yb2は、表面カバー部193の厚さ寸法及び第2表側結合部151の頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ、結合ピン155よりも大きくなるように設定されていた。これにより、部品点数が増加するため、構成の簡素化、製造コストの観点から好ましくない。また、これらのピンは不正行為に使用されることがあるため、当該ピンの流通の増加は最大限抑制される必要がある。これらの課題に対して、第2固定部132に対して挿通される固定具として結合具ユニット301が設けられている。
結合具ユニット301について、図23に基づいて詳細に説明する。図23(a)は、結合具ユニット301の平面図、図23(b)は、F−F線断面図である。
結合具ユニット301は、併用ピン302と、ストッパ部材303と、を備えている。併用ピン302については、取付ピン202と同一形状であり、取付ピン202と同様に、円筒形状のピン本体304、ピン本体304の基端に設けられた頭部305、ピン本体304に設けられ、ピン本体304の内側に没入可能な係止爪部306、ピン本体304と頭部305との間に形成された段差面307、及び係止爪部306の向きを規定する切欠部308を備えている。これらの形状については、取付ピン202と同一なので省略する。
ストッパ部材303は、併用ピン302の頭部305側に取り付けられている。ストッパ部材303は、全体として略円筒形状であり、ピン本体304及び頭部305と同一軸線上に形成されている。ストッパ部材303は、無色透明のポリカーボネート樹脂で形成されているが、ストッパ部材303の形成材料はこれに限定されることは無く、アクリル樹脂等であってもよい。
ストッパ部材303が併用ピン302に対して取り付けられている状態では、ストッパ部材303の外径は、頭部305側へ向かって先細り形状になっている。これにより、ストッパ部材303が掴まれにくいため、当該不正行為を抑制することができる。
一方、ストッパ部材303の内径は、併用ピン302のピン本体304の外径と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。これにより、ピン本体304がストッパ部材303に対して挿入可能になっているとともに、ストッパ部材303の内周面とピン本体304の外周面とが当接するようになっている。これにより、ピン本体304の軸線方向と交差する方向へのストッパ部材303の移動は規制されている。よって、ストッパ部材303の不正な取り外しを抑制することができる。
ここで、ストッパ部材303の内径は頭部305の外径よりも小さく設定されている。これにより、頭部305とストッパ部材303とは当接している。具体的には、段差面307と、ストッパ部材303の先端側に設けられているピン受け面309とが当接している。よって、併用ピン302に対するストッパ部材303の位置が容易に決まるとともに、ストッパ部材303の取り外し方向は併用ピン302の先端方向に規定されている。
ピン受け面309は、ストッパ部材303の先端から所定の距離だけ基端側に配置されている。具体的には、ストッパ部材303には、ストッパ部材303が併用ピン302に対して取り付けられた状態において、頭部305を収容する頭収容部310が設けられている。頭収容部310は、ストッパ部材303の内周面の一部を外側に凹ませることによって形成されている。換言すれば、頭収容部310は、ストッパ部材303の内周面に対して段差状に拡径されて形成されている。当該段差状になった部位がピン受け面309となっている。頭収容部310は、頭部305を収容できるように形成されている。詳細には、頭収容部310の内径は、頭部305の外径と同一又はそれよりも若干大きく設定されており、頭収容部310の高さは、頭部305の高さ、すなわち頭部305の軸線方向の寸法に合わせた高さと同程度、又はそれよりも若干大きく設定されている。これにより、ピン受け面309は、ストッパ部材303の先端から頭部305の軸線方向の寸法分だけ基端側にオフセットされた位置に設けられている。併用ピン302の段差面307と、ストッパ部材303のピン受け面309とが当接している状態では、頭部305は、頭収容部310に収容される。これにより、頭部305を掴んで引き抜くといった不正行為が抑制されている。
次に、ストッパ部材303を備えた併用ピン302による固定を、図24及び図25を用いて説明する。図24は、固定部131、132の周辺構成を示す拡大図であり、図25は、図24におけるG−G線断面図である。
図24に示すように、4つの第2固定部132のうち、2つの第2固定部132に結合具ユニット301が取り付けられている。具体的には、2つの第2固定部132の第2表側結合部151に結合具ユニット301が挿入され、係止されている。ここで、ストッパ部材303において基端部の外径は第2表側結合部151の外径と同程度になっている。また、ストッパ部材303の基端側の端面である基端面311からピン受け面309までの距離は、痕跡カバー部材191の厚さ寸法とほぼ同一に設定されている。これにより、結合具ユニット301が第2表側結合部151に挿入されている状態では、基端面311が第2表側結合部151の頭収容部163の周縁に当接している。よって、第2固定部132に対する結合具ユニット301の位置が一意的に決まる。したがって、位置合わせを容易に行うことができるとともに、結合具ユニット301がそれ以上第2固定部132に対して入り込まないように規制されている。
また、併用ピン302の係止爪部306が第2表側結合部151に対して係止されている状態下では、ストッパ部材303と第2表側結合部151とが当接しているため、第2表側結合部151はストッパ部材303と係止爪部306とによって挟まれている。これにより、第2表側結合部151は遊びのない状態で固定されている。よって、裏側構成体102に対して表側構成体101が浮き上がりにくくなっている。したがって、表側構成体101及び裏側構成体102の間の隙間が形成されにくいため、当該隙間から不正治具を挿入させるといった不正行為を抑制することができる。
さらに、かかる状態では、第2表側結合部151から突出しているピン本体304の部位はストッパ部材303によって覆われているため、ピン本体304に対する不正行為がストッパ部材303によって抑制される。これにより、当該不正行為を抑制することができる。
なお、ストッパ部材303のスライド方向の移動は、併用ピン302との当接によって規制されているとともに、ストッパ部材303の表側への移動は、頭部305との当接によって規制されている。これにより、ストッパ部材303を取り外すことが困難になっている。よって、ストッパ部材303の不正な取り外しを抑制することができる。
ストッパ部材303には、基端面311から係止爪部306に向けて突出した突出部312が設けられている。突出部312は全体として円筒形状をしており、併用ピン302及び第2表側結合部151の頭収容部163の形状に合わせて形成されている。具体的には、突出部312の内径はピン本体304の外径と同程度又は若干大きめに設定されている。突出部312の外径は第2表側結合部151の頭収容部163の外径とほぼ同一となっており、突出部312のストッパ部材303の基端面311からの突出寸法は、第2表側結合部151の頭収容部163の高さとほぼ同一に設定されている。つまり、突出部312の突出寸法と基端面311からピン受け面309までの距離の和が、表面カバー部193の厚さ寸法及び頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Ycとなっている。突出部312は、頭収容部163に隙間無く収容されている。これにより、ストッパ部材303の基端面311と第2表側結合部151との間から不正治具を挿入した場合であっても、当該不正治具は突出部312に当たる。つまり、突出部312は、不正治具の侵入を抑制する返し部としての機能を有している。したがって、ストッパ部材303の基端面311と第2表側結合部151との間から不正治具を挿入する不正行為を抑制することができる。
ここで、ストッパ部材303は上記のとおり合成樹脂材料により形成されており、弾性変形可能となっている。併用ピン302が固定される際にストッパ部材303が弾性変形を伴う場合、併用ピン302及び第2表側結合部151には、それぞれストッパ部材303の弾性変形による反発力が加えられている。すると、ストッパ部材303及び第2表側結合部151間に隙間が形成されにくいとともに、ストッパ部材303及び併用ピン302間にも隙間が形成されにくい。これにより、隙間から治具を差し込む等の不正行為を抑制することができる。
ここで、開放作業に関しては、第1の実施の形態の場合と同様に、結合具ユニット301が取り付けられている第2固定部132における第2連結部175及び第4連結部188を破壊することによって、結合具ユニット301ごと第2表側結合部151が表側構成体101から分離される。分離された結合具ユニット301と第2表側結合部151とは、係止爪部306を内側に没入させることによって破壊することなく分離される。さらに、かかる状態における結合具ユニット301は、併用ピン302と、ストッパ部材303とに分離することができる。具体的には、係止爪部306を内側に弾性変形させながら、ストッパ部材303をピン本体304の係止爪部306が設けられている方向に沿ってスライド移動させることによって、併用ピン302と、ストッパ部材303とが分離される。これにより、併用ピン302を再度の固定処理に使用することができる。
次に、2回目の固定における作業の流れを、図26を用いて説明する。図26は、2度目の固定における作業の流れを説明するための説明図である。
2回目の固定では、複数の第2固定部132のうち、最初の固定の際に使用していない第2固定部132を使用し、表側構成体101と裏側構成体102とを再度固定とするとともに、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定する。
まず、図26(a)に示すように、痕跡カバー部材191を基板ボックス92の一方の短辺部から他方の短辺部への方向へスライドさせて、基板ボックス92に対して取り付ける。痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して装着された状態では、痕跡カバー部材191の貫通孔201と、第2表側結合部151の貫通孔153とが連通している。そして、図26(b)に示すように、併用ピン302の切欠部308を、突起部212に合わせながら、これら連通した貫通孔201、153に対して差し込む。当該併用ピン302は、先の開放作業において取り外されたものである。すると、併用ピン302が第2表側結合部151に対して係止される。これにより、表面カバー部193が併用ピン302の頭部305と第2表側結合部151とによって挟持されているとともに、痕跡カバー部材191のスライド移動が併用ピン302によって規制されているため、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定されている。
以上、詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第2表側結合部151と、第2裏側結合部152とに対して結合具ユニット301を挿通し、係止爪部306が係止受け空間部159に係止されることによって、表側構成体101と裏側構成体102との分離が抑制される。かかる状態において、開放作業の際には、第2連結部175及び第4連結部188を破壊することで、第2表側結合部151は結合具ユニット301ごと表側構成体101から分離される。この場合、係止爪部306を内側に没入させることによって、何ら破壊等がなされずに併用ピン302を第2表側結合部151から取り外すことができる。
かかる構成において、併用ピン302には、ストッパ部材303が着脱自在に取り付けられており、ストッパ部材303と第2表側結合部151とが当接することによって、係止箇所に対する頭部305の位置が規定される。当該規定された位置にて、併用ピン302と第2表側結合部151とが係止状態となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。そして、再度の固定処理の場合には、ストッパ部材303を取り外すことによって、痕跡カバー部材191が頭部305と係止爪部306とによって挟持されるようになっている。これにより、痕跡カバー部材191が取り付けられた場合であっても、併用ピン302によって第2表側結合部151と、第2裏側結合部152とが結合されるとともに、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定される。よって、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付けるための結合ピンを別途用意する必要が無いため、部材点数の削減を図ることができる。特に、結合ピンの流通を抑制することができるため、結合ピンを使った不正行為を抑制することができる。
また、上記第1の実施の形態では、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付ける際に使用する取付ピン202を収納しておくための取付ピン収容部221が設けられていたが、当該取付ピン収容部221を設ける必要が無い。よって、構成の簡素化を図ることができるとともに、スペースの縮小化を図ることができる。
さらに、ストッパ部材303と第2表側結合部151とが当接しているため、第2表側結合部151はストッパ部材303と係止爪部306とによって挟まれている。これにより、第2表側結合部151が遊びのない状態で固定されているため、裏側構成体102に対する表側構成体101の浮き上がりが抑制されている。よって、表側構成体101と裏側構成体102との隙間が形成されにくいため、当該隙間から不正治具を挿入する不正行為を好適に抑制することができる。
また、ストッパ部材303は環状に形成されており、さらにストッパ部材303の内周面が併用ピン302のピン本体304の外周面と当接するように形成されている。そして、ストッパ部材303と第2表側結合部151とが当接している。これにより、ストッパ部材303と第2表側結合部151との間に隙間が形成されにくい。よって、ストッパ部材303と第2表側結合部151との間の隙間から不正治具を挿入する不正行為を抑制することができる。
さらに、ストッパ部材303の頭部305側への移動は頭部305との当接によって規制されている。ストッパ部材303の取り外し方向は一方向に規定されている。そして、併用ピン302が第2固定部132に取り付けられている状態下では、当該移動が規制されている。これにより、ストッパ部材303を取り外すことが困難になっているため、ストッパ部材303を取り外して不正行為を行うことが抑制されている。一方、併用ピン302が取り外された状態では、工具などにより係止爪部306を内側に押圧することによって、ストッパ部材303を併用ピン302から容易に取り外すことができる。よって、防犯性の向上を図りつつ、作業効率の向上を図ることができる。
また、ストッパ部材303の外周面は、頭部305側へ向けて先細り形状となっている。換言すれば、ストッパ部材303の外周面は、第2表側結合部151との当接箇所である基端面311に向かって末広がり形状となっている。これにより、ストッパ部材303が掴まれにくい。よって、結合具ユニット301を引き抜く等の不正行為を抑制することができる。
ストッパ部材303の基端面311には、第2表側結合部151に設けられている頭収容部163に収容される突出部312が設けられている。突出部312は、基端面311から突出している。これにより、ストッパ部材303と第2表側結合部151との間から不正治具を挿入させた場合であっても、当該不正治具は突出部312に当たる。つまり、突出部312は、「返し」としての機能を有している。よって、併用ピン302に対する不正行為をより好適に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態においては、最初の固定処理(痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられていない場合の固定処理)において用いられた結合ピン155と、再度の固定処理(痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられている場合の固定処理)において用いられた取付ピン202とが、異なる構成となっていた。
これに対して、本実施の形態では、結合ピン155を用いて最初の固定処理及び再度の固定処理双方が実行できるように、複数の第2固定部132のうち、再度の固定処理にて用いる第2固定部132の構成の一部が相違している。以下、最初の固定処理において使用する第2固定部132と区別するために便宜上、再度の固定処理にて用いる第2固定部132を再固定用第2固定部320とする。当該再固定用第2固定部320の構成について、図27を用いて詳細に説明する。図27(a)は再度の固定処理が行われた場合の各固定部131、132、320の周辺構成を示す図であり、図27(b)はH−H線断面図である。なお、図27において、上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してある。また、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。
再固定用第2固定部320は、第2固定部132と比較して、結合ピン155との係止位置が異なるように形成されている。具体的には、再固定用第2固定部320において、第2表側結合部151の貫通孔153における第2裏側結合部152側には、貫通孔153に対して段差状に拡径された表側拡径部321が設けられており、表側拡径部321と貫通孔153との間には、係止用段差面322が形成されている。表側拡径部321は、結合ピン155の係止爪部158がピン本体156の外周から突出している寸法分だけ、拡径させて形成されている。つまり、表側拡径部321によって、係止爪部158が起き上がり可能な空間が形成されている。
表側拡径部321の高さ寸法(結合ピン155の挿通方向に対する表側拡径部321の長さ寸法)は、表面カバー部193の厚さ寸法及び頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Ycとなるように設定されている。さらに、第2裏側結合部152において係止受け空間部159を形成していた裏側拡径部323の高さ寸法は、上記寸法Yc分だけ小さくなるように設定されている。これにより、再固定用第2固定部320における係止受け空間部324は、第2固定部132の係止受け空間部159と比較して、寸法Yc分だけ結合ピン155の差込口側にシフトしている。さらに、係止用段差面322は、第2表側結合部151と第2裏側結合部152との境界から寸法Yc分だけ結合ピン155の差込口側にシフトした位置に形成されている。
痕跡カバー部材191が取り付けられており、さらに結合ピン155のピン本体156が貫通孔201、323の組み合わせに対して挿入された状況において、係止爪部158は係止受け空間部324にて起き上がり、係止爪部158の頭部157側の面が係止用段差面322に対して係止される。この場合、係止用段差面322が係止位置となる。
ここで、第2固定部132の係止位置は第2表側結合部151と第2裏側結合部152との境界であり、係止用段差面322は当該境界から寸法Yc分だけ結合ピン155の差込口側にシフトした位置に配置されている。つまり、再固定用第2固定部320の係止位置は、第2固定部132の係止位置と比較して、表面カバー部193の厚さ寸法及び頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ結合ピン155の差込口側にシフトしている。これに伴い、頭部157は、頭収容部163の当接面162に対して上記寸法Yc分だけ表側にシフトしている。これにより、結合ピン155においてピン本体156と頭部157との間に形成された段差面161と、痕跡カバー部材191の貫通孔201の周縁のピン受け面207と、が当接する。よって、最初の固定処理に用いられていた結合ピン155を用いて再度の固定処理を実行することができる。
また、係止用段差面322は、第2表側結合部151の内側に形成されているため、係止位置が第2表側結合部151の内側となる。これにより、第2表側結合部151と第2裏側結合部152との境界から不正治具を挿入するなどの不正行為を想定した場合、当該境界に係止位置が配置される構成と比較して、上記不正行為が行いづらい。よって、係止箇所に対する不正行為を好適に抑制することができる。
なお、係止爪部158の高さ寸法は、上記寸法Ycよりも大きくなるように設定されている。これにより、各連結部175、188を切断することによって、結合ピン155ごと第2表側結合部151が引き抜かれた場合、係止爪部158の一部が第2表側結合部151から露出する。よって、当該露出箇所を押圧することによって係止爪部158と第2表側結合部151との係止状態を解除することができるため、上記効果を確保しつつ、第2表側結合部151からの結合ピン155を容易に取り外すことができる。
ちなみに、再固定用第2固定部320における凹部325の底部は、第2固定部132の凹部154と比較して、表面カバー部193の厚さ寸法及び頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ肉厚に形成されているとともに、それに伴って凹部325の底面は、凹部154の底面に対して、上記寸法Yc分だけ第2表側結合部151側にシフトしている。これにより、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に取り付けられている状況において、結合ピン155が再固定用第2固定部320に対して挿入された場合に、凹部325内に空間が形成されないようになっている。よって、当該空間内にて不正に結合ピン155を取り外す作業を行う等の不正行為を抑制することができる。
なお、結合ピン155には、取付ピン202の切欠部211に対応するものは形成されていないため、本実施の形態における痕跡カバー部材191には、突起部212が削除されている。但し、これに限られず、結合ピン155に予め切欠部を形成するとともに、痕跡カバー部材191の頭収容部208及び第2表側結合部151の頭収容部163のそれぞれに突起部を形成する構成としてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、第2固定部132のうち、再度の固定処理において使用する再固定用第2固定部320は、第2固定部132と比較して、係止位置が表面カバー部193の厚さ寸法及び頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ結合ピン155の差込口側にシフトするように形成されている。換言すれば、再固定用第2固定部320は、痕跡カバー部材191が囲み部179の開放部位を覆うことによって生じる頭部157と係止位置との間隔の変動に対応させて形成されている。これにより、再度の固定処理の際に痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられた場合であっても、最初の固定処理で用いた結合ピン155を再度用いて表側構成体101及び裏側構成体102を固定することができるとともに、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して離脱不可又は離脱困難な状態で取り付けることができる。
具体的には、再固定用第2固定部320において、第2表側結合部151の貫通孔153の第2裏側結合部152側に、貫通孔153に対して段差状に拡径された表側拡径部321を形成した。当該表側拡径部321は、係止爪部158が起き上がり可能な空間が生じるように形成されているとともに、挿通方向の寸法が寸法Ycとなるように形成されている。これにより、比較的簡素な構成で係止位置のシフトが実現されている。
すなわち、再固定用第2固定部320に係止受けを設ける構成としては、第2表側結合部151の貫通孔153の途中位置に別途凹部を設ける構成などが考えられるが、当該加工は難度が高く、歩留まりの増加、生産コストの増大が懸念される。これに対して、本実施の形態では、第2表側結合部151と第2裏側結合部152とを組み合わせることによって、自然と係止受けが形成されている。さらに、特別な加工としては、貫通孔153の第2裏側結合部152側を拡径させる加工でよいため、比較的に簡素な加工でよい。よって、生産コストの増加を抑制しつつ、係止位置のシフトが実現されている。
さらに、当該構成の場合、係止位置が第2表側結合部151の内側になっている。これにより、第2表側結合部151と第2裏側結合部152との境界に係止位置が配置される場合と比較して、第2表側結合部151と第2裏側結合部152との境界から不正治具を挿入して係止箇所にアクセスする不正行為が行いづらくなっている。よって、上記不正行為を好適に抑制することができる。
<第4の実施の形態>
第2の実施の形態では、併用ピン302とストッパ部材303とからなる結合具ユニット301を用いることによって、同一のピン(併用ピン302)及び同一の固定部(第2固定部132)により最初の固定処理(痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられていない場合の固定処理)と再度の固定処理(痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して取り付けられている場合の固定処理)とが実行可能となっていた。これに対して、本実施の形態では、併用ピン302に代えて、2段階ピン331を用いて固定処理を行う構成とした。
2段階ピン331について、図28を用いて説明する。図28(a)は、2段階ピン331の平面図、図28(b)は、I−I線断面図、図28(c)は、J−J線断面図である。
2段階ピン331は、図28(b)又は図28(c)に示すように、円筒形状のピン本体332と、ピン本体332の基端部に設けられ、ピン本体332の外径よりも拡径させて形成された頭部333と、を備えている。ピン本体332の頭部333の先端側には、弾性変形可能であって、第2固定部132に対して係止する第1係止爪部334と、第2係止爪部335とが設けられている。第1係止爪部334及び第2係止爪部335は、それぞれ同一の形状をなしているため、第1係止爪部334について説明する。
第1係止爪部334は、取付ピン202の係止爪部205と同様に、ピン本体332かの外周面から外側に突出しているとともに、頭部333側に向けてピン本体332の外周面からの突出量が大きくなるように形成されている。第1係止爪部334はその表面に、頭部333側に向けて外側に傾斜したガイド面336と、ピン本体332から挿通方向に対して直交する係止面337と、を備えている。
ここで、ピン本体332には、挿通方向に対して直交する方向に開口した開口部338が設けられており、当該開口部338内に第1係止爪部334が配置されている。そして、開口部338において頭部333に対して反対側の縁部を介して係止爪部334がピン本体332に対して一体的に形成されている。これにより、第1係止爪部334において頭部333に対して反対側の端部が固定端となり、頭部333側の端部が自由端となっている。これにより、第1係止爪部334を押圧することにより、第1係止爪部334をピン本体332の内側に没入させることができるようになっている。
次に、第1係止爪部334と第2係止爪部335との位置関係について説明する。第2係止爪部335は、第1係止爪部334に対して、上記寸法Yc分だけ頭部333側とは反対側にオフセットした位置に配置されている。第1係止爪部334及び第2係止爪部335は、ピン本体332の軸線方向に対して互いに周方向の位置が異なるように配置されている。具体的には、第2係止爪部335は、ピン本体332の中心軸として第1係止爪部334に対して90度回転した位置に配置されている。これにより、同一直線上に連続して両者を形成する構成と比較して、各係止爪部334、335を形成するスペースを確保することができるため、容易に生産することができる。よって、第1係止爪部334及び第2係止爪部335の双方を設けることによって生じ得る歩留まりの低下を抑制することができる。
次に、2段階ピン331と第2固定部132との関係について図29及び図30を用いて説明する。図29(a)は、最初の固定処理が行われた各固定部131、132の周辺構成を示す拡大図であり、図29(b)は、図29(a)におけるK−K線断面図であり、図30(a)は、再度の固定処理が行われた各固定部131、132の周辺構成を示す拡大図であり、図30(b)は、図30(a)におけるL−L線断面図である。なお、上記第1又は第2の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してある。また、以下の説明では、上記第1又は第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。
先ず、最初の固定処理が行われた場合について説明する。図29(a)に示すように、4つの第2固定部132のうち、2つの第2固定部132に対して2段階ピン331が取り付けられている。詳細には、ピン本体332の外径は、貫通孔153及び凹部154の大きさとほぼ同一又はそれよりも若干小さく設定されている。これにより、図29(b)に示すように、ピン本体332を貫通孔153及び凹部154の組み合わせに対して挿入することができる。
2段階ピン331が貫通孔153等に挿入する場合、第1係止爪部334及び第2係止爪部335は第2表側結合部151の内周面と干渉する。第1係止爪部334と第2係止爪部335とは同一形状であるため、かかる状況について、第1係止爪部334を例に説明すると、第1係止爪部334のガイド面336は基端側(頭部333側)に向けて外側に傾斜しているため、ガイド面336は第2固定部132に対して引っ掛かることない。そして、ガイド面336と第2表側結合部151の内周面とが干渉するため、第1係止爪部334は第2表側結合部151の内周面から押圧される。すると、第1係止爪部334は、図28(b)の2点鎖線に示すように、弾性変形を伴いながらピン本体156の内側に没入する。これにより、第1係止爪部334は貫通孔201等を通過できるようになっている。つまり、ガイド面336は、2段階ピン331を第2固定部132に対して挿入する場合に、第1係止爪部334が第2固定部132に対して引っ掛かることなく、ピン本体156の内側に没入するように第1係止爪部334を誘導する機能を有している。
2段階ピン331が貫通孔153及び凹部154の組み合わせに対して挿入された状況において、第1係止爪部334は係止受け空間部159にて起き上がっている。これにより、第1係止爪部334の係止面337が第2表側結合部151に対して係止されている。よって、2段階ピン331の抜け落ちが抑制されているとともに、2段階ピン331を不正に引き抜いて基板ボックス92を開放させることが困難になっている。
ここで、第1係止爪部334よりも先端側に第2係止爪部335が設けられているため、第1係止爪部334の係止面337が係止される前に第2係止爪部335の係止面337が係止される場合が考えられる。この状況において、2段階ピン331を更に挿入すると、第2係止爪部335のガイド面336と凹部154とが干渉するため、第2係止爪部335は、ピン本体332の内側に没入することとなる。これにより、第2係止爪部335の係止状態が解除される。つまり、最初の固定処理において第2係止爪部335が係止状態になった場合には、2段階ピン331を更に挿入することによって当該係止状態は解除される。よって、第1係止爪部334及び第2係止爪部335を設けたことによって生じ得る不都合は回避されている。
頭部333及びピン本体332の間には段差面339が形成されており、2段階ピン331における段差面339から第1係止爪部334の頭部333側の端部までの長さ寸法Ya1は、当接面162から第2表側結合部151における第2裏側結合部152側の面までの距離と同一になるように設定されている。これにより、第1係止爪部334が第2表側結合部151に対して係止されている状況においては、段差面339と当接面162とが当接している。
かかる状態において、第2係止爪部335は凹部154の内周面によって押圧されている。これにより、第2係止爪部335は、図28(c)の2点鎖線に示すように、弾性変形を伴ってピン本体332の内側に没入している。すなわち、第2係止爪部335は凹部154に対して係止していない。このため、各連結部175、188を切断した場合には、2段階ピン331ごと第2表側結合部151が表側構成体101から容易に引き抜かれる。引き抜かれた第2表側結合部151と2段階ピン331とは、第1係止爪部334及び第2係止爪部335のそれぞれを指又は工具等で押さえて内側に没入させることによって容易に分離することができる。すなわち、第2係止爪部335を設けたことによって、第2表側結合部151から2段階ピン331を分離させることができない等の不都合は生じない。
なお、頭部333には、第1係止爪部334及び第2係止爪部335の向きを所定の方向に規定する位置決め部として切欠部340が設けられているとともに、第2固定部132の頭収容部163の内周側には、切欠部340に対応して突起部341が設けられている。突起部341は、切欠部340の形状に合わせて頭収容部163の内周面から内側に突出している。これにより、切欠部340を突起部341に合わせながら、2段階ピン331を頭収容部163に対して挿入することによって、第2表側結合部151に対する2段階ピン331の向き(回転方向の位置)が一意的に定まる。よって、第1係止爪部334の向き(回転方向の位置)が所定の方向(位置)に定まる。かかる場合、2つの第1係止爪部334のうち、一方の第1係止爪部334が膨出部104側に配置されるようになっている。したがって、仮に表側囲み壁部183側から不正治具を用いて侵入された場合であっても、膨出部104側に配置されている第1係止爪部334の係止状態は解除されにくいため、係止状態の不正解除を抑制することができる。
次に、再度の固定処理が行われた場合について説明する。この場合、基板ボックス92には、痕跡カバー部材191が取り付けられている。
図30(a)に示すように、4つの第2固定部132のうち、最初の固定で使用しなかった第2固定部132に対して前回の固定で使用した2段階ピン331が取り付けられている。詳細には、図30(b)に示すように、2段階ピン331が貫通孔201、153及び凹部154の組み合わせに対して挿入されている。そして、最初の固定処理の場合とは異なり、第2係止爪部335が係止受け空間部159にて起き上がっているとともに、第2係止爪部335の係止面337が第2表側結合部151に対して係止されている。
かかる状態において、第1係止爪部334は第2表側結合部151の内周面によって押圧されている。これにより、第1係止爪部334は、図28(b)の2点鎖線に示すように、弾性変形を伴ってピン本体332の内側に没入している。
第2係止爪部335が第2表側結合部151に対して係止されている状況では、頭部333が第2表側結合部151から表側に突出している。具体的には、第2係止爪部335は、第1係止爪部334に対して、表面カバー部193の厚さ寸法及び第2表側結合部151の頭収容部163の高さ寸法を合わせた寸法Yc分だけ頭部333側とは反対側にオフセットした位置に配置されているため、2段階ピン331における段差面339から第2係止爪部335の頭部333側の端部までの長さ寸法は、長さ寸法Ya1よりも上記寸法Yc分だけ大きくなるように設定されている。これにより、頭部333は、頭収容部163の当接面162から表側に、上記寸法Yc分だけ離間した位置に配置されている。これにより、痕跡カバー部材191のピン受け面207に対して段差面339が当接している。よって、頭部333及び第2係止爪部335によって、痕跡カバー部材191と第2表側結合部151とが挟まれている。したがって、痕跡カバー部材191が基板ボックス92に対して離脱不可又は困難な状態で取り付けられているとともに、基板ボックス92に対する痕跡カバー部材191の浮き上がりが抑制されている。
ここで、ピン本体332の軸線方向に対する第1係止爪部334と第2係止爪部335との周方向の位置が90度異なることに対応して、ピン本体332の軸線方向に対する痕跡カバー部材191の頭収容部208の突起部212と、第2表側結合部151の頭収容部163の突起部341との周方向の位置が90度異なるように配置されている。これにより、切欠部340を突起部212に合わせながら2段階ピン331を貫通孔201等に挿入すると、第2係止爪部335の一方が膨出部104側に配置されるようになっている。よって、仮に表側囲み壁部183側から不正治具を用いて侵入された場合であっても、膨出部104側に配置されている第2係止爪部335の係止状態は解除されにくい。
すなわち、最初の固定処理において係止状態となる第1係止爪部334と、再度の固定処理において係止状態となる第2係止爪部335とで、ピン本体332の軸線方向に対する周方向の位置が変化する場合、当該変化に対応させて突起部212と突起部341との回転方向の位置を決めることによって、係止状態となっている係止爪部(最初の固定処理においては第1係止爪部334、再度の固定処理においては第2係止爪部335)の向きが、不正行為が行われにくい方向に定まっている。したがって、係止状態となる係止爪部の周方向の位置が変化した場合であっても、好適に係止状態の不正解除を抑制することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、ピン本体332に挿通方向に対して所定の間隔を隔てて第1係止爪部334と、第2係止爪部335とが形成された2段階ピン331を用いて固定処理を行う構成とした。この場合、頭部333の段差面339と第2表側結合部151の当接面162とが当接するように第1係止爪部334と頭部333との間隔を設定する一方、痕跡カバー部材191が頭部333と第2係止爪部335とによって挟み込まれるように、第2係止爪部335と頭部333との間隔を設定した。換言すれば、第1係止爪部334とは別に、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付けることによって生じる係止位置及び頭部333の間隔の変動に対応した第2係止爪部335を設けた。これにより、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して取り付けたことによって生じる頭部333と係止位置との間隔の変化に対応することができる。よって、同一のピンを用いて、最初の固定処理及び2回目の固定処理を行うことができる。したがって、部品点数の増加及び固定具としてのピンの流通を抑制することができる。
この場合、ピン本体332の軸線に対して第1係止爪部334と第2係止爪部335とを互いに周方向の位置が異なるように配置した。これにより、周方向における同一位置に設けられている構成と比較して、容易に整形することができるため、生産コストの増大を抑制することができる。
特に、2段階ピン331の挿通方向における第1係止爪部334と第2係止爪部335との間隔Ycが、上記挿通方向における係止爪部の長さ寸法よりも小さい場合、周方向における同一位置に両者を形成することはできない。この場合、係止爪部の形状を変更することも考えられるが、当該変更によって係止しにくくなる又は撓みにくくなる等の不都合が生じるおそれがある。これに対して、本実施の形態によれば、係止爪部の形状を変更することなく、所定の間隔を隔てた位置に両者を形成することができるため、実用上好ましい。
なお、第2固定部132を用いて最初の固定処理及び再度の固定処理が実行可能であるため、第3の実施の形態の場合と比較して、汎用性に優れているとともに、作業ミスの低減を図ることができる。但し、凹部154内に空間が形成されるため、当該空間内で係止状態を解除する等の不正行為が行われる可能性がある。この点に着目すれば、第3の実施の形態のほうが優れている。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態における払出制御装置及び痕跡カバー部材の変形例を図31〜図33に示す。図31は、別の払出制御装置の斜視図であり、図32は、図31の払出制御装置に痕跡カバー部材を取り付けた斜視図であり、図33は、別の払出制御装置と痕跡カバー部材との分解斜視図である。
図31に示す払出制御装置401は、基板ボックス402を備えており、当該基板ボックス402内に払出制御基板91が収容されている。
基板ボックス402は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)403と裏側構成体(ボックスベース)404とを備えている。表側構成体403は、払出制御基板91において各種素子が搭載される素子搭載面96と対向する表側壁部405及び表側壁部405における外周縁全域に設けられ、払出制御基板91側に起立した表側周縁部406を備えている。また、裏側構成体404は、裏側構成体102と同様に、払出制御基板91の半田面と対向する平面部及び平面部における外周縁全域に設けられ、払出制御基板91側に起立した裏側周縁部407を備えている。表側周縁部406と裏側周縁部407とは、一部が重なり合うように形成されており、当該重なり合う部位に接着剤が塗布されている。これにより、両構成体が相互に固定されている。
なお、接着剤としては、表側構成体403と裏側構成体404とを固定することができるのであれば周知の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン―酢酸ビニル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤などを用いてもよく、それら接着剤は、反応系、溶液系、水分散系、固形系のいずれであってもよい。また、重なり合う部位を溶接によって固定してもよい。
ここで、基板ボックス402には、基板ボックス402の開放を容易に行うための開放容易化構造が設けられている。具体的には、表側構成体403の表側壁部405には、当該表側壁部405の所定の領域を区画するようにしてボックス側切断部(ボックス側の脆弱部)408が形成されている。ボックス側切断部408は、表側壁部405を基板ボックス402の内外に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔409により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔409は表側壁部405の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔409は表側壁部405の所定の領域を囲むようにして並んでいる。
隣り合う貫通孔409間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔409間の領域を容易に切断可能なように設定されている。具体的には貫通孔409間の間隔寸法は、貫通孔409の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されている。これにより、ボックス側切断部408は表側壁部405において他の部位に比べ脆弱な領域となっている。
ボックス側切断部408を全周に亘って切断することにより、図33に示すように、ボックス側切断部408により区画されていた領域(以下、ボックス側除去領域410ともいう)を表側構成体403から除去することが可能となり、除去することで基板ボックス402の内部空間を開放させることが可能となる。この場合、ボックス側除去領域410はその全体が表側構成体403から分離され、当該表側構成体403には矩形状、具体的には長方形状の開口411が形成される。これにより、CPUチップ93の検査を行うことができる。
当該検査終了後の基板ボックス402には、図32に示すように、当該基板ボックス402の開口411を覆う痕跡カバー部材412が取り付けられている。痕跡カバー部材412は、表側構成体403と同様に、裏側構成体404に向けて開口した略箱状をなしており、表側構成体403の周縁を覆う大きさを有している。具体的には、表側周縁部406の外周面に合わせて痕跡カバー部材412の内周面が形成されている。これにより、痕跡カバー部材412を基板ボックス402に取り付けた状態では、開口411は痕跡カバー部材412により覆われている。よって、開口411に対する不正行為を抑制することができる。さらに、痕跡カバー部材412の内周面と表側構成体403とが当接しているため、基板ボックス402と痕跡カバー部材412とによって閉空間が形成されており、当該閉空間内にCPUチップ93が収容されている。よって、CPUチップ93に対する不正行為を抑制することができる。
かかる状態で、痕跡カバー部材412は、基板ボックス402に対して固定されている。具体的には、痕跡カバー部材412には複数の取付部413が設けられている。取付部413は有底円筒形状をなしており、底部には貫通孔が設けられている。当該貫通孔に対応して、基板ボックス402には、ボス414が設けられている。図33に示すように、痕跡カバー部材412が基板ボックス402に取り付けられた場合に、ボス414と取付部413とは表裏方向に重なり合っている。そのボス414に対して破断ネジ415がねじ込まれ、螺着されることによって、痕跡カバー部材412が基板ボックス402に対して固定される。したがって、痕跡カバー部材412を不正に取り外し、開口411又は開口411を介してCPUチップ93に対して不正行為を施す行為を抑制することができる。
このように、痕跡箇所が広範囲に亘って形成される基板ボックスに対しては、痕跡カバー部材は痕跡箇所に対応して大きく形成される。要は、痕跡カバー部材は、痕跡箇所を覆うことができるように形成されていればよく、対象となる痕跡の種類、痕跡の形状、痕跡箇所の位置、痕跡の大きさ等は任意である。また、痕跡カバー部材は、少なくとも痕跡箇所を覆えばよく、表側構成体全体を覆う構成としてもよい。さらに、固定部を分散して配置し、それぞれの固定部の痕跡箇所に対応して、それぞれ痕跡カバー部材を取り付ける構成としてもよい。但し、痕跡カバー部材の部材点数の削減、痕跡カバー部材の小型化及びスペース確保の観点から痕跡箇所は一部に集中している方が好ましい。
なお、ボックス側除去領域410及び表側構成体403並びに裏側構成体404によって、払出制御基板91を収容可能な内部空間が形成されている点に着目すれば、ボックス側除去領域410を「第1構成体」と称するとともに、表側構成体403並びに裏側構成体404を「第2構成体」と称することも可能である。
また、ボックス側除去領域410と表側構成体403とがボックス側切断部408を介して固定されている点に着目すれば、ボックス側切断部408を「固定手段」又は「固定箇所」と称することも可能である。この場合、固定手段であるボックス側切断部408を破壊(切断)することによって当該固定状態が解除されて、ボックス側除去領域410が分離され、その痕跡が残存することとなる。
(2)上記第1の実施の形態では、痕跡カバー部材191は、透明性の樹脂で形成される構成としたが、これに限られない。例えば、痕跡箇所に封印シールを、当該封印シールを剥がすことが困難な状態で貼り付ける構成としてもよい。かかる場合、使用する封印シールは、例えばポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムであって、適度な脆弱性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有するものとすると好ましい。これにより、封印シールを不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、封印シールが変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
(3)上記第1の実施の形態では、痕跡カバー部材191は第2固定部132によって、基板ボックス92に対して固定される構成としたが、これに代えて、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して固定する専用の固定部を設けてもよい。また、接着剤を用いて痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して固定する構成としてもよい。但し、構成の簡素化、作業の容易性の観点から上記実施の形態のほうが優れている。
また、痕跡カバー部材191の固定を取付ピン202によって行う構成としたが、これに限定されず、破断ネジによって行われる構成としてもよい。かかる場合、再度の固定処理のために、第2固定部132に代えて、第1固定部131を複数設けるとともに、別途破断ネジを保管する構成とするのが好ましい。また、これらを用いた固定に限られず、接着剤等を用いた固定でもよい。但し、取付ピン202を使用した固定処理の方が、破断ネジを使用する固定処理よりも、作業の容易性及び部材点数の観点において優れている。
なお、痕跡カバー部材191を基板ボックス92に対して固定する固定部としては、第1固定部131及び第2固定部132等の、固定状態を解除する場合に所定の痕跡が残存する固定部に限られず、基板ボックス92に対して痕跡カバー部材191を固定するものであれば任意である。
また、各固定部131、132を固定する構成としては、接着剤の他に、超音波や熱を用いて対応する各結合部を固着して一体化する構成が考えられる。これらの場合、各連結部174、175の強度を、接着剤による接着強度や、固着の強度よりも低くするとよい。
(4)上記各実施の形態では、囲み壁部181の上端が規定する平面が平坦であるとともに、表面カバー部193の内側面196が平坦に形成されている構成としたが、これに限られず、一方の面が凹凸面であってもよい。かかる場合、当該凹凸に対応させてもう一方も凹凸にするとよい。要は、一方の面の形状に合わせて他方の面の形状を形成すればよい。
(5)上記各実施の形態では、裏面カバー部194は、ベース部180と当接するように、かつベース部180から一部突出している各裏側結合部142、152の形状に合わせて形成する構成としたが、これに限られず、例えばベース部180の端部のみと当接する構成としてもよい。要は、ベース部180の少なくとも一部と当接するように形成されていれば良い。但し、本実施の形態のように、ベース部180と当接する面積を多く取るようにした方が、表側構成体101及び裏側構成体102の相対移動を規制する観点から優れている。
また、ベース部180に当接する構成に代えて、各裏側結合部142、152の底部を覆う構成としても良い。但し、ベース部180と裏面カバー部194とが当接する構成の方が、ベース部180と裏面カバー部194との間に隙間が形成されにくいため、不正治具が挿入されにくい。よって、ベース部180と裏面カバー部194とが当接する構成の方が防犯性の観点から優れている。
(6)上記各実施の形態では、表側囲み壁部183及び取付壁部173に対して第2表側結合部151を連結する連結部を設ける構成としたが、これに限られない。例えば、表側囲み壁部183に、当該表側囲み壁部183を複数の領域に区画するようにして切断部を形成する構成としてもよい。
また、切断部190は、複数の貫通孔を並設することにより形成される構成としたが、これに限られず、周囲に比べ肉薄な部分に形成してもよく、周囲に比べ弱い材料により形成してもよい。
(7)上記第1の実施の形態では、側面カバー部195に取付ピン収容部221を設ける構成としたが、これに限られない。例えば、表面カバー部193に取付ピン収容部221を設ける構成としてもよい。但し、側面カバー部195に設ける構成の方が、表面カバー部193に設ける構成に比べて、結合箇所及び痕跡箇所が見易い点で優れている。
(8)上記第3の実施の形態では、第2固定部132と係止位置が異なる再固定用第2固定部320を設けたが、これに限られず、例えば第2固定部132に、係止受け空間部159とは別の係止受け空間部を別途設けるとともに、係止用段差面が新たに形成される構成としてもよい。かかる構成においても、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。但し、1の第2固定部132に2箇所の係止受け空間部を設ける構成とすると、1の第2固定部132の構成が複雑となるため、生産コストの増大、歩留まりの低下が懸念される。これに対して、第3の実施の形態では複雑な加工は必要ないため、これらの点に着目すれば、第3の実施の形態の方が優れている。
なお、第2固定部132に2段階の係止用段差面を設ける構成として、例えば第2表側結合部151の内周側において、表側拡径部321に相当する箇所が第2表側結合部151から分離されやすいように、当該箇所周辺に対して切り込みを施す構成としてもよい。そして、結合ピン155ごと第2表側結合部151から抜き出した場合には、結合ピン155を第2表側結合部151から分離させるとともに、表側拡径部321に相当する箇所を除去する構成とする。これにより、1の第2固定部132で係止位置を2段階にすることができる。
(9)上記第2の実施の形態では、ストッパ部材303の外周面は、頭部305側へ向けて先細り形状となっていたが、これに限られない。例えば、曲面状でもよいし、テーパ状でもよい。要は、ストッパ部材303が第2表側結合部151に対して回転したとしても、ストッパ部材303が第2表側結合部151の頭収容部163全体を覆っていればよい。但し、先細り形状又はテーパ形状の方が長方形状等と比較して、掴みにくいため、不正行為の抑制の観点から優れている。
(10)上記各実施の形態では、痕跡カバー部材191は、表面カバー部193、裏面カバー部194及び側面カバー部195を備える構成としたが、これに限られない。例えば、痕跡カバー部材191は表面カバー部193のみを有する構成としてもよい。かかる構成によれば、取付作業が容易である一方、表面カバー部193と囲み部179とによって閉空間が形成され、当該閉空間内に結合箇所及び開放履歴としての各連結部174、175、188、189が収容されるため、結合ピン155及び痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。但し、痕跡カバー部材191が囲み壁部181における所定の方向以外の方向を覆う構成の方が、表面カバー部193のみの場合と比較して、防犯性の観点において優れている。
(11)上記各実施の形態では、痕跡カバー部材191の頭収容部208は、表面カバー部193から突出させて形成したが、これに限られず、表面カバー部193から凹ませることによって形成してもよい。
(12)上記各実施の形態では、各固定部131、132を収容する領域を区画形成する囲み部179を設ける構成としたが、これに限られず、囲み部179を設けない構成としてもよい。この場合、各固定部131、132のうち既に使用された固定部に対して、当該固定部の切断箇所を囲む痕跡カバー部材を設ける構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態では、基板ボックス92を形成するボックス構成体の数は複数であれば任意であり、4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。この場合に、払出制御基板91と表側構成体101との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよく、払出制御基板91と裏側構成体102との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよい。
(14)上記各実施の形態では、結合ピン155等に係止爪部158等が設けられており、第2固定部132に係止受け空間部159が設けられている構成としたが、これに限られず、例えば結合ピン155に、挿通方向に対して直交する方向に貫通する貫通孔を設け、第2固定部132に係止爪部を設ける構成としてもよい。
(15)上記第3の実施の形態において、再固定用第2固定部320の貫通孔153を覆う封印シールを貼り付けるとよい。これにより、最初の固定処理にて使用する固定部と、再度の固定処理にて使用する固定部とを明確に見分けることができるため、作業ミスの低減を図ることができる。なお、再度の固定処理を行う場合には、シールをはがしてから作業を行う。この場合、封印シールとして、一度取り外した場合には痕跡が残存するシールを用いれば、予め不正しやすいように加工しておく等の不正行為が行われた場合に当該不正行為を容易に確認することができる。
(16)上記各実施の形態では、係止爪部158(第1係止爪部334、第2係止爪部335を含む)を2つ設け、切欠部211及び突起部212によって、一方の係止爪部158が膨出部104側を向くように結合ピン155の向きを規定するように形成されている構成としたが、これに限られず、例えば係止爪部を、ピン本体156の外周面に沿って等間隔に3つ設ける構成としてもよい。かかる場合、3つの係止爪部のうち少なくとも1の係止爪部は膨出部104側を向くため、結合ピン155の向きを規定する必要がない。これにより、構成の簡素化を図ることができる。但し、ピン本体156の外周面に沿って等間隔に3つ設ける構成の場合、2つ設ける構成と比較して、ピン本体156の強度が低下するため、これに着目すれば、上記各実施の形態のほうが優れている。
(17)上記第4の実施の形態では、ピン本体332の軸線方向に対して第1係止爪部334と第2係止爪部335とは、互いに周方向の位置が異なるように形成されていたが、これに限られず、例えば互いの周方向の位置が一致するように形成されていてもよい。但し、加工の容易性の観点に着目すれば第4の実施の形態のほうが優れている。
(18)上記実施の形態において、払出制御装置82の基板ボックス92に適用した構成を、主制御装置63、音声ランプ制御装置66、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(19)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.第1構成体(表側構成体101)及び第2構成体(裏側構成体102)を含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックス(基板ボックス92)を有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板(払出制御基板91)を有する制御基板装置と、
固定具(結合ピン155、2段階ピン331等)が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により前記第1構成体及び前記第2構成の固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記固定具は、
前記固定手段に挿通される挿通部(ピン本体156、332等)と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部(頭部157、333等)と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられた固定具側係止部(係止爪部158等)と、
を備え、
前記固定手段は、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定具側係止部に対して係止する固定手段側係止部(係止受け空間部159、325等)を備え、
前記固定手段側係止部又は前記固定具側係止部は、
第1係止部と、
前記固定具の挿通方向において前記第1係止部に対して所定の間隔を隔てて配置される第2係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、固定具の挿通部を固定手段に対して挿通すると、挿通部が第1構成体及び第2構成体に跨る状態で、頭部と固定手段とが当接する。かかる状態では、固定具側係止部と固定手段側係止部とが係止されている。これにより、第1構成体及び第2構成体が固定される。つまり、頭部によって固定手段に対する固定具の位置が決定されるとともに、固定手段に対する固定具の入り込みが規制されている。
また、固定手段による固定状態が解除された場合には、所定の痕跡が残存するため、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。これにより、基板ボックスの不正な開放行為を抑制することができる。
ここで、第1係止部と第2係止部とが所定の間隔を隔てて配置されているため、例えば頭部と係止箇所との間隔が異なる事情が生じた場合であっても同一の固定具を使用し得る。これにより、固定具を有効に活用することができる。
さらに、この場合、頭部と係止箇所との間隔を調整するために別途新たな部材等を設ける必要がない。これにより、構成の簡素化を図ることができるとともに、生産コストの削減を図ることができる。
なお、固定具側係止部が第1係止部及び第2係止部を備える構成としてもよいし、固定手段側係止部が第1係止部及び第2係止部を備える構成としてもよい。また、固定手段を複数設け、一方の固定手段に第1係止部を設け、他方の固定手段に第2係止部を設ける構成としてもよい。さらに、これらの組み合わせでもよい。
特徴A2.前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、
前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されていない場合には、前記頭部が前記固定手段と当接している状態にて、前記第1係止部が係止状態となるように前記頭部と前記第1係止部との間隔が設定されており、
前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されている場合には、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態にて、前記第2係止部が係止状態となるように前記第1係止部と前記第2係止部との間隔が設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された場合、痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われる。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に痕跡箇所に対して不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該不正行為の痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
かかる構成において、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された状態において、痕跡カバー部材を介して固定具を固定手段に対して挿通すると、痕跡カバー部材は、頭部と固定手段とによって挟まれる。この場合、痕跡カバー部材によって、挿通方向における頭部と係止箇所との間隔に変動が生じるため、当該変動に対応した固定具を別途用意する必要が生じる。これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに配置されている場合、頭部及び固定手段によって痕跡カバー部材が挟み込まれた状態にて、第2係止部が係止状態となるように第1係止部と第2係止部との間隔が設定されている。これにより、同一の固定具によって両構成体を固定することができる。よって、痕跡箇所に対する不正行為を抑制するとともに、痕跡カバー部材を配置したことによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴A3.第1構成体と第2構成体とを含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、
前記固定具は、
前記固定手段に対して挿通される挿通部と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する固定具側係止部と、
を備え、
前記固定手段は、
前記挿通部が挿通された場合に前記頭部と当接する当接部と、
前記頭部と前記当接部とが当接している状態において、前記固定具側係止部が係止される第1係止部と、
前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されている場合に、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態で、前記固定具側係止部が係止される第2係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、第1構成体と第2構成体との固定状態が解除された場合には、所定の痕跡が開放履歴として残存する。これにより、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。
ここで、開放履歴としての痕跡箇所又はその近傍に対して、不正行為による痕跡が形成された場合、不正行為による痕跡が、開放履歴としての痕跡箇所付近以外の箇所に形成された場合に比べて、目立ちにくい。よって、痕跡が目立たないような不正行為が行われるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された場合、当該痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われる。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に痕跡箇所に対して不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該不正行為の痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
かかる構成において、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された状態において、痕跡カバー部材を介して固定具を固定手段に対して挿通すると、痕跡カバー部材は、頭部と固定手段とによって挟まれる。この場合、痕跡カバー部材によって、挿通方向における頭部と係止箇所との間隔に変動が生じるため、当該変動に対応した固定具を別途用意する必要が生じる。これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに配置されていない状況においては、頭部と固定手段とが当接している状態にて第1係止部が固定具側係止部に対して係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている一方、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられている状況においては、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれた状態で、第2係止部が固定具側係止部に対して係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている。これにより、同一の固定具を用いて第1構成体及び第2構成体の固定を行うことができる。
なお、「前記第2係止部は、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに対して設置された場合に、前記痕跡カバー部材が前記頭部と前記固定手段との両者に当接しており、さらに挟み込まれた状態で前記固定具側係止部に対して係止する」構成であれば、痕跡カバー部材と頭部との間、及び痕跡カバー部材と固定手段との間に隙間が形成されにくい。これにより、これらの隙間から不正治具を挿入する等の不正行為を抑制することができる。
特徴A4.第1構成体と第2構成体とを含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、
前記固定具は、
前記複数の固定手段のうち1の固定手段に対して挿通される挿通部と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する固定具側係止部と、
を備え、
前記複数の固定手段のうち一方の固定手段は、
前記挿通部が挿通された場合に前記頭部と当接する当接部と、
前記頭部と前記当接部とが当接している状態において、前記固定具側係止部が係止される第1係止部と、
を備え、
他方の固定手段は、
前記挿通部が挿通された場合に前記頭部と当接する当接部と、
前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されている場合に、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態で、前記固定具側係止部が係止される第2係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、第1構成体と第2構成体との固定状態が解除された場合には、所定の痕跡が開放履歴として残存する。これにより、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。また、基板ボックスには、複数の固定手段が設けられているため、破壊等によって基板ボックスを開放して基板の検査等を行った場合、当該破壊された固定手段とは別の固定手段を使用することにより、第1構成体及び第2構成体を再度固定状態とすることができるようになっている。
ここで、開放履歴としての痕跡箇所又はその近傍に対して、不正行為による痕跡が形成された場合、不正行為による痕跡が、開放履歴としての痕跡箇所付近以外の箇所に形成された場合に比べて、目立ちにくい。よって、痕跡が目立たないような不正行為が行われるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された場合、当該痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われる。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に痕跡箇所に対して不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該不正行為の痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
かかる構成において、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された状態において、痕跡カバー部材を介して固定具を固定手段に対して挿通すると、痕跡カバー部材は、頭部と固定手段とによって挟まれる。この場合、痕跡カバー部材によって、挿通方向における頭部と係止箇所との間隔に変動が生じるため、当該変動に対応した固定具を別途用意する必要が生じる。
これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が配置されてない状況においては、一方の固定手段に対して固定具を挿通することによって、頭部と固定手段とが当接した状態にて第1構成体及び第2構成体が固定されている。一方、痕跡カバー部材が配置されている状況においては、他方の固定手段に対して固定具を挿通することによって、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれた状態にて、第1構成体及び第2構成体が固定されている。これにより、痕跡カバー部材によって、挿通方向における頭部と係止箇所との間隔に変動が生じた場合であっても、同一の固定具を用いて第1構成体及び第2構成体の固定を行うことができる。
なお、「前記第2係止部は、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに対して設置された場合に、前記痕跡カバー部材が前記頭部と前記固定手段との両者に当接しており、さらに挟み込まれた状態で前記固定具側係止部に対して係止する」構成であれば、痕跡カバー部材と頭部との間、及び痕跡カバー部材と固定手段との間に隙間が形成されにくい。これにより、これらの隙間から不正治具を挿入する等の不正行為を抑制することができる。
特徴A5.第1構成体と第2構成体とを含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通され係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記複数の固定手段は、それぞれ、前記固定具と係止する固定手段側係止部を備え、
前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、
前記固定具は、
前記複数の固定手段のうち1の固定手段に対して挿通される挿通部と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する第1係止部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記痕跡カバー部材が配置されている場合には前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれる状態で、前記固定手段に対して係止する第2係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、第1構成体と第2構成体との固定状態が解除された場合には、所定の痕跡が開放履歴として残存する。これにより、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。また、基板ボックスには、複数の固定手段が設けられているため、破壊等によって基板ボックスを開放して基板の検査等を行った場合、当該破壊された固定手段とは別の固定手段を使用することにより、第1構成体及び第2構成体を再度固定状態とすることができるようになっている。
ここで、開放履歴としての痕跡箇所又はその近傍に対して、不正行為による痕跡が形成された場合、不正行為による痕跡が、開放履歴としての痕跡箇所付近以外の箇所に形成された場合に比べて、目立ちにくい。よって、痕跡が目立たないような不正行為が行われるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された場合、当該痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われる。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に痕跡箇所に対して不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該不正行為の痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
かかる構成において、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して配置された状態において、痕跡カバー部材を介して固定具を固定手段に対して挿通すると、痕跡カバー部材は、頭部と固定手段とによって挟まれる。この場合、痕跡カバー部材によって、挿通方向における頭部と係止箇所との間隔に変動が生じるため、当該変動に対応した固定具を別途用意する必要が生じる。これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに配置されていない状況においては、頭部と固定手段とが当接している状態にて第1係止部が固定手段側係止部に対して係止することによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている一方、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられている状況においては、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれた状態で、第2係止部が固定具側係止部に対して係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている。これにより、同一の固定具を用いて第1構成体及び第2構成体の固定を行うことができる。
なお、「前記第2係止部は、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに対して設置された場合に、前記痕跡カバー部材が前記頭部と前記固定手段との両者に当接しており、さらに挟み込まれた状態で前記固定手段側係止部に対して係止する」構成であれば、痕跡カバー部材と頭部との間、及び痕跡カバー部材と固定手段との間に隙間が形成されにくい。これにより、これらの隙間から不正治具を挿入する等の不正行為を抑制することができる。
特徴A6.前記第1係止部と、前記第2係止部とは、前記挿通部において周方向の位置が互いに異なるように形成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
仮に挿通方向における第1係止部と第2係止部との間隔が、挿通方向における固定具側係止部の長さ寸法に対して小さい場合、両者を同一直線上に沿って連続して配置できない。この場合、固定具側係止部の長さ寸法を変更する構成も考えられる。しかしながら、長さ寸法を小さくすると十分な係止機能を確保できないおそれがあり、歩留まりの増加及び生産コストの増大の観点から好ましくない。これに対して、本特徴によれば、挿通部において第1係止部と第2係止部との周方向の位置が互いに異なっているため、同一線上に沿って第1係止部と第2係止部とが配置されないようになっている。これにより、上記不都合を回避することができる。
特徴A7.前記挿通部の回転方向の位置を予め定められた所定回転方向位置に規定する規定手段(切欠部340、突起部212、341)を備えていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、挿通部の回転方向の位置が所定の位置に規定されている。これにより、挿通部に対する第1係止部及び第2係止部の周方向の位置が規定される。よって、係止部の周方向の位置によって、係止部に対するアクセスの容易性が変化する場合、第1係止部又は第2係止部のうち、係止状態となっている係止部をアクセスしにくい位置に規定することによって、当該係止部に対する不正なアクセスを抑制することができる。
特徴A8.前記固定手段を収容する固定手段収容領域を形成し、さらに前記固定具の挿通方向に開放された囲み部を更に備え、
前記痕跡カバー部材は、前記基板ボックスに配置された場合には、前記囲み部の開放部位を覆うものであり、
前記第2係止部は、前記囲み部の開放部位が前記痕跡カバー部材によって覆われた状況を維持しつつ、係止状態となるように配置されていることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、囲み部が固定具の挿通方向に開放されているため、固定具を固定手段に挿通させることができる一方、挿通方向から不正治具等を挿入する不正行為が想定される。これに対して、本特徴によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに配置された場合には、囲み部の開放部位が痕跡カバー部材によって覆われる。これにより、上記不正行為を抑制することができる。よって、固定具の挿通を可能にしつつ、固定手段に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該不正行為の痕跡が残存することとなるため、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
かかる構成において、囲み部の開放部位が痕跡カバー部材に覆われた場合、固定手段と頭部との間に痕跡カバー部材が配置されることとなる。すると、頭部と係止箇所との間隔が変動する。これに対して、本特徴によれば、第2係止部は、囲み部の開放部位が覆われた状態を維持しつつ、係止状態となるように配置されている。これにより、痕跡カバー部材が配置された場合であっても、同一の固定具を用いて第1構成体と第2構成体とを固定することができる。
特徴A9.前記固定手段は複数設けられており、
前記複数の固定手段は、前記第1構成体に設けられた第1結合部(第2表側結合部151)と、前記第1結合部に対応して前記第2構成体に設けられた第2結合部(第2裏側結合部152)と、からなる結合体(第2固定部132)をそれぞれ備えており、
前記固定手段側係止部は、前記結合体に形成されており、
前記複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段の結合体に対して固定具(結合ピン155)が挿通され、前記第1係止部が係止状態となることにより前記第1構成体及び前記第2構成体が固定されるものであり、
前記痕跡カバー部材は、前記固定具が挿通可能な貫通孔(貫通孔201)を備え、
前記貫通孔は、前記基板ボックスに対して配置された場合に、前記複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段における結合体に対応した位置に配置されており、
前記貫通孔及び前記結合体の組み合わせに対して固定具(結合ピン155等)が挿通され、前記第2係止部が係止状態となることによって前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスの所定の設置箇所に設置されるものであることを特徴とする特徴A2乃至特徴A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第1構成体に設けられた第1結合部及び第1結合部に対応して第2構成体に設けられた第2結合部からなる結合体がそれぞれの固定手段に設けられている。複数の固定手段のうち少なくとも1の固定手段の結合体に固定具が挿通され、第1係止部が係止状態となることによって、第1構成体及び第2構成体は固定される。
また、固定手段は複数設けられているため、1の固定手段によって第1構成体と第2構成体とが固定されている状況において、当該固定状態が解除された場合には、他の固定手段を用いることによって再度固定することができる。これにより、開放履歴としての痕跡を残しつつ、第1構成体と第2構成体との再固定が実現されている。
ここで、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられた場合、複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段の結合体に対応した位置に貫通孔が配置されている。そして、貫通孔及びそれに対応している結合体の組み合わせに対して固定具が挿通され、第2係止部が係止状態となることによって、痕跡カバー部材が所定の設置箇所に設置される。つまり、第1構成体及び第2構成体を固定するために用いられる結合体が、痕跡カバー部材の設置に用いられている。これにより、第1構成体及び第2構成体を固定しつつ、痕跡カバー部材を所定の設置箇所に設置させることができるため、構成の簡素化を図ることができる。
この場合、挿通部に対して交差する方向への痕跡カバー部材の移動は、挿通部との当接によって規制されている。さらに、痕跡カバー部材は頭部と固定手段とによって挟まれているため、挿通方向への痕跡カバー部材の移動は規制されている。これにより、痕跡カバー部材が離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックスに対して取り付けられている。よって、痕跡カバー部材の取り外しが困難なものになっているため、痕跡カバー部材を取り外す不正行為を抑制することができる。
特徴A10.前記結合体は、第1結合部と第2結合部とを組み合わせた場合に、両者の境界において、前記固定具側係止部が係止可能な段差部が生じるように形成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、段差部が固定手段側係止部として用いられる。この場合、段差部が形成されるように予め第1結合部及び第2結合部を形成しておくだけでよいため、一方に係止部が形成される構成と比較して、容易に係止部を作成することができる。よって、構成の簡素化を図ることができる。
なお、「前記第1結合部又は前記第2結合部の一部を前記挿通方向に対して直交する方向にオフセットさせる」構成にすれば、段差部の位置が挿通方向において変動するため、段差部を第1係止部又は第2係止部として用いることが可能となる。これにより、容易に第1係止部及び第2係止部を形成することができる。
特徴A11.前記複数の固定手段は、前記結合体と前記基板ボックスとを連結する連結部をそれぞれ備え、
前記複数の固定手段は、前記固定具が挿通された固定手段の前記連結部を破壊し、前記結合体を前記基板ボックスから分離させることによって前記固定状態を解除するものであり、
少なくとも前記固定具側係止部又は前記固定手段側係止部の一方は、前記係止状態が解除される方向へ変位可能であることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、連結部が破壊され、結合体が基板ボックスから分離されることによって固定状態が解除される。これにより、連結部が破壊された痕跡が開放履歴として残存する。
ここで、固定具側係止部が結合体に対して係止されているため、固定具ごと結合体は基板ボックスから分離される。固定具は、係止部を係止状態が解除される方向へ変位させることによって、破壊することなく結合体から容易に取り外される。これにより、再度の固定処理の際に、上記取り外された固定具を使用することができる。よって、予備の固定具を用意しておくこと、その収容スペースを確保しておくことが不要となるため、構成の簡素化を図ることができる。
特に、固定具は不正行為を行う際に使用される場合があり、固定具の流通は最大限抑制される必要がある。この点、本特徴によれば、予備の固定具を用意しておく必要がないため、固定具の流通を抑制することができる。これにより、固定具を使用した不正行為を抑制することができる。
また、特徴A2との関係では、基板ボックスを一度開放したことによって形成された痕跡を覆う痕跡カバー部材を基板ボックスに配置した状態で再度の固定処理を行う。この場合に、痕跡カバー部材を配置する前に使用していた固定具を痕跡カバー部材が配置された後の再度の固定処理に使用することができる。
特徴A12.前記挿通部は中空状の筒部を備え、
前記係止部は、当該筒部に設けられ、自然状態では前記筒部の外周面より突出しており、内周側への押圧により弾力に抗して筒部の外周面又はそれよりも内方に押し込まれる係止爪部を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、自然状態では係止爪部が筒部の外周面より突出し、内周方向への押圧により係止爪部が弾力に抗して筒部外周面又はそれよりも内方に押し込まれる。これにより、固定具の再使用のための構造が容易に実現できる。
特徴A13.前記固定具は、前記固定具が前記固定手段に向けて挿入する場合に、前記係止爪部が前記筒部の外周面又はそれよりも内方に押し込まれるようにガイドするガイド部を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、固定具が固定手段に対して挿入していくと、係止爪部が筒部の外周面又はそれよりも内方に押し込まれる。これにより、仮に係止状態となった場合であっても、固定具を固定手段に向けて更に挿入することによって当該係止状態が解除される。よって、仮に第1係止部及び第2係止部のうち、所望でない係止部が係止状態となった場合であっても、容易に当該係止状態を解除することができる。
特徴B1.第1構成体(表側構成体101)及び第2構成体(裏側構成体102)を含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックス(基板ボックス92)を有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板(払出制御基板91)を有する制御基板装置と、
固定具(併用ピン302)が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により前記第1構成体及び前記第2構成の固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記固定具は、
前記複数の固定手段のうち1の固定手段に挿通される挿通部(ピン本体304)と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部(頭部305)と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する係止部(係止爪部306)と、
を備え、
前記係止部及び前記固定手段の係止箇所と、前記頭部との間隔を調整する間隔調整手段(ストッパ部材303)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、固定具の挿通部を固定手段に対して挿通すると、挿通部が第1構成体及び第2構成体に跨る状態で、頭部と固定手段とが当接する。かかる状態では、固定具の係止部が固定手段に対して係止されている。これにより、第1構成体及び第2構成体が固定される。つまり、頭部によって固定手段に対する固定具の位置が決定されるとともに、固定手段に対する固定具の入り込みが規制されている。
また、固定手段による固定状態が解除された場合には、所定の痕跡が残存するため、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。そして、別の固定手段を用いることによって両構成体を再度固定することができる。これにより、基板ボックスの不正な開放行為を抑制することができる。
ここで、頭部と係止箇所との間隔が調整されるため、例えば頭部と係止箇所との間隔が異なる固定手段が設けられている場合であっても同一の固定具を使用することができる。これにより、固定具を有効に活用することができる。
特徴B2.特徴B1において、前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を取り付け可能とされており、
前記間隔調整手段は、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに取り付けられていない場合には、前記頭部と前記係止部とによって両構成体のうち少なくとも一方の一部又は全部が挟み込まれるように前記間隔を調整する一方、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに取り付けられている場合には、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態で前記係止部が係止可能となるように、前記間隔を調整するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して取り付けられた場合、所定の痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われている。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。よって、痕跡箇所に対して不正行為を行うことによって、痕跡が目立ちにくい不正行為を抑制することができる。また、仮に痕跡箇所に対する不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部材に当該行為の痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
かかる構成において、痕跡カバー部材が基板ボックスに対して取り付けられている場合に、痕跡カバー部材を介して固定具を固定手段に対して挿通すると、痕跡カバー部材は頭部と固定手段とによって挟まれる。この場合、痕跡カバー部材によって頭部と係止箇所との間隔に変動が生じるため、当該変動に対応した固定具を別途用意する必要が生じるおそれがある。これに対して、本特徴によれば、係止部が係止可能となるように係止箇所と頭部との間隔が調整されるため、同一の固定具によって両構成体を固定することができる。これにより、痕跡箇所に対する不正行為を抑制するとともに、痕跡カバー部材を取り付けたことによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴B3.特徴B2において、前記間隔調整手段は、前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに取り付けられている場合には、前記頭部と前記固定手段との両者に当接した状態で挟み込まれるように前記間隔を調整するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられた場合には、痕跡カバー部材は頭部と固定手段との両者に対して当接しているため、痕跡カバー部材と頭部との間、及び痕跡カバー部材と固定手段との間に隙間が形成されにくい。よって、これらの隙間から不正治具を挿入する等の不正行為を抑制することができる。
特徴B4.特徴B1乃至B3のいずれか1において、前記間隔調整手段は、前記固定手段と当接することによって、前記固定手段に対する前記固定具のそれ以上の挿通を規制するストッパ部材(ストッパ部材303)を備え、
前記係止部は、前記ストッパ部材が前記固定手段に当接されている状態において、前記固定手段に対して係止するように形成されており、
前記ストッパ部材は、前記固定具に対して着脱自在に取り付けられているものであることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、ストッパ部材によって固定手段に対する固定具の挿通限界が規定されており、当該規定された状態において固定具が固定手段に対して係止される。そして、ストッパ部材は固定具に対して着脱自在に取り付けられているため、ストッパ部材がない場合とストッパ部材がある場合の選択により、頭部と係止箇所との間隔の調整が実現されている。これにより、ストッパ部材の着脱によって上記間隔調整が可能であるため、間隔の調整を容易に行うことができる。
特徴B5.特徴B4において、前記ストッパ部材は、前記挿通部が先端側から挿通可能な環状に形成されているとともに、前記固定手段における前記固定具の挿通箇所周縁に対して当接するように、前記挿通部の挿通方向に対して直交する方向に拡張されていることを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、ストッパ部材が固定手段と当接している状態では、挿通部と固定手段との境界がストッパ部材によって覆われている。これにより、当該境界からの不正行為を抑制することができる。
特徴B6.特徴B4又は特徴B5において、前記ストッパ部材は、前記係止部が前記固定手段に対して係止されている状態において、前記頭部を収容する頭収容部(頭収容部310)を備えていることを特徴とする遊技機。
固定手段に対する不正行為として、頭部を掴んで引き抜くことが考えられる。特に、特徴B2又は特徴B3の構成の場合、係止箇所と頭部との間隔は、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれるように調整されているため、頭部は固定手段に対して離間した位置に配置されている。これにより、頭部を掴んで引き抜くといった不正行為が行われることが懸念される。これに対して、本特徴によれば、係止部が係止されている状態において頭部が頭収容部に収容されているため、頭部を掴みにくい。これにより、上記不正行為を抑制することができ、間隔調整手段によって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴B7.特徴B6において、前記ストッパ部材の外周面は、前記頭収容部側から前記固定手段との当接箇所へ向かう末広がり形状となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
頭収容部を備えたストッパ部材が固定具に取り付けられた場合、ストッパ部材を掴んでストッパ部材ごと固定具を引き抜くといった不正行為が考えられる。これに対して、本特徴によれば、ストッパ部材の外周面が末広がりとなるように形成されているため、ストッパ部材を掴みにくくなっている。これにより、上記不正行為を抑制することができる。
特徴B8.特徴B4乃至B7のいずれか1において、前記ストッパ部材は、前記固定具が前記固定手段に対して係止されている場合には、前記頭部と前記固定手段との両者に当接した状態で挟み込まれるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B8によれば、ストッパ部材は、頭部と固定手段とによって遊びのない状態で挟み込まれている。これにより、ストッパ部材と頭部との間、及びストッパ部材と固定手段との間に隙間が形成されにくいため、これらの隙間からの不正行為を抑制することができる。
また、特徴B5の構成を備えたストッパ部材の場合には、固定手段に対するストッパ部材の移動が、固定具(挿通部及び頭部)との当接及び固定手段との当接によって規制されている。これにより、固定具を固定手段から取り外すことなくストッパ部材を取り外すことが困難になっている。よって、ストッパ部材の不正な取り外しを抑制することができる。
特徴B9.特徴B8において、前記ストッパ部材は弾性を有し、
前記固定具は、前記ストッパ部材が弾性変形した状態で挟み込まれているものであることを特徴とする遊技機。
特徴B9によれば、ストッパ部材の弾性変形によって生じる付勢力が固定手段及び頭部によって受けられている。これにより、付勢力が生じていない場合と比較して、ストッパ部材と、頭部及び固定手段との間に隙間がより形成されにくいため、これらの隙間からの不正行為を抑制することができる。
特徴B10.第1構成体と第2構成体とを含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を取り付け可能とされており、
前記固定具は、
前記複数の固定手段のうち1の固定手段に対して挿通される挿通部と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する係止部と、
を備え、
前記複数の固定手段は、
前記挿通部が挿通された場合に前記頭部と当接する当接部と、
前記頭部と前記当接部とが当接している状態において、前記係止部が係止される第1係止受け部と、
前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに取り付けられている場合に、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態で、前記係止部が係止される第2係止受け部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B10によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられていない状況下では、頭部と固定手段とが当接している状態にて第1係止受け部に係止部が係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている一方、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられている状況下では、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれた状態で、第2係止受け部に係止部が係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている。これにより、同一の固定具を用いて第1構成体及び第2構成体の固定を行うことができる。
なお、第1係止受け部及び第2係止受け部は、複数の固定手段にそれぞれ設けられる構成としてもよいし、1の固定手段に第1係止受け部及び第2係止受け部の双方が設けられる構成としてもよい。
特徴B11.第1構成体と第2構成体とを含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機において、
前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を取り付け可能とされており、
前記固定具は、
前記複数の固定手段のうち1の固定手段に対して挿通される挿通部と、
前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられ、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定手段に対して係止する第1係止部と、
前記痕跡カバー部材が取り付けられている場合に、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態で、前記固定手段に対して係止する第2係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B11によれば、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられていない状況下では、頭部と固定手段とが当接している状態にて、固定手段に対して第1係止部が係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている一方、痕跡カバー部材が基板ボックスに取り付けられている状況下では、痕跡カバー部材が頭部と固定手段とによって挟み込まれた状態で、固定手段に対して第2係止部が係止されることによって第1構成体及び第2構成体の固定が実現されている。これにより、同一の固定具を用いて第1構成体及び第2構成体の固定を行うことができる。
特徴B12.特徴B1乃至B11のいずれか1において、前記複数の固定手段は、前記第1構成体に設けられた第1結合部(第2表側結合部151)と、前記第1結合部に対応して前記第2構成体に設けられた第2結合部(第2裏側結合部152)と、からなる結合体(第2固定部132)と、
前記結合体と前記基板ボックスとを連結する連結部(第2連結部175)と、
をそれぞれ備え、
前記複数の固定手段は、少なくとも1つの固定手段の結合体に対して前記固定具が挿通されて係止されることによって両構成体を固定する一方、前記連結部を破壊し、前記結合体を前記基板ボックスから分離させることによって前記固定状態を解除するものであり、
前記係止部は、前記係止状態が解除される方向へ変位可能であることを特徴とする遊技機。
特徴B12によれば、連結部が破壊され、結合体が基板ボックスから分離されることによって固定状態が解除される。これにより、連結部が破壊された痕跡が開放履歴として残存する。
ここで、係止部が結合体に対して係止されているため、固定具ごと結合体は基板ボックスから分離される。固定具は、係止部を係止状態が解除される方向へ変位することによって、破壊することなく結合体から容易に取り外される。これにより、再度の固定処理の際に、上記取り外された固定具を使用することができる。よって、予備の固定具を用意しておくこと、その収容スペースを確保しておくことが不要となるため、構成の簡素化を図ることができる。
特に、固定具は不正行為を行う際に使用される場合があり、固定具の流通は最大限抑制される必要がある。この点、本特徴によれば、予備の固定具を用意しておく必要がないため、固定具の流通を抑制することができる。これにより、固定具を使用した不正行為を抑制することができる。
また、特徴B2との関係では、基板ボックスを一度開放したことによって形成された痕跡を覆う痕跡カバー部材を基板ボックスに取り付けた状態で再度の固定処理を行う。これにより、痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われるため、痕跡箇所に対する不正行為を抑制することができる。この場合に、痕跡カバー部材を取り付ける前に使用していた固定具を痕跡カバー部材が取り付けられた後の再度の固定処理に使用することができる。
特徴B13.特徴B12において、前記固定具は、前記挿通部として中空状の筒部と、
前記係止部として、当該筒部に設けられ、自然状態では前記筒部の外周面より突出しており、内周方向への押圧により弾力に抗して筒部の外周面又はそれよりも内方に押し込まれる係止爪部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B13によれば、自然状態では係止爪部が筒部の外周面より突出し、内周方向への押圧により係止爪部が弾力に抗して筒部外周面又はそれよりも内方に押し込まれる。これにより、固定具の再使用のための構造が容易に実現できる。
特徴C1.少なくとも遊技機に関する制御を司る制御基板を収容可能な内部空間を形成する第1構成体及び第2構成体と、
前記第1構成体及び前記第2構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段と、
を備えた遊技機用基板ボックスに対して取り付ける基板ボックス用カバー部材であって、
自身を離脱不可又は離脱困難な状態で前記基板ボックスの所定の設置箇所に取り付ける取付部(貫通孔201)と、
前記基板ボックスに対して取り付けられた場合に、少なくとも前記複数の固定手段により形成された痕跡箇所を覆う痕跡カバー部(表面カバー部193等)と、
を備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C1によれば、固定手段によって第1構成体及び第2構成体は固定状態となっているため、第1構成体及び第2構成体の分離が抑制される。これにより、基板ボックスを開放し制御基板に不正を施す行為を抑制することが可能となる。また、制御基板の検査に際して、固定手段による固定状態を解除した場合には、所定の痕跡が開放履歴として残存する。これにより、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。
ここで、開放履歴としての痕跡箇所又はその近傍に対して、不正行為による痕跡が形成された場合、不正行為による痕跡が、開放履歴としての痕跡箇所付近以外の箇所に形成された場合に比べて、目立ちにくい。よって、痕跡が目立たないような不正行為が行われるおそれがある。
これに対して、特徴C1によれば、基板ボックス用カバー部材が取付部によって離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックスの所定の設置箇所に取り付けられた場合、開放履歴としての痕跡箇所が痕跡カバー部によって覆われる。これにより、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正を施す行為を抑制することができる。よって、上記不正行為を抑制することができる。
また、基板ボックス用カバー部材は、基板ボックスに対して離脱不可又は離脱困難な状態で取り付けられているため、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正を施す際には、基板ボックス用カバー部材に対して穴を設ける等の処理が必要となる。すると、基板ボックス用カバー部材には、不正行為による痕跡が残存することとなる。よって、仮に基板ボックス用カバー部材が基板ボックスに取り付けられた状態において、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正行為が行われたとしても、基板ボックス用カバー部材に不正行為による痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
なお、基板ボックスが一度も開放されていない場合、すなわち開放履歴としての痕跡が形成されていない場合においては、基板ボックス用カバー部材は、遊技機とは別に管理されていてもよいし、遊技機に取り付けられていてもよい。また、遊技機に取り付けられている場合、基板ボックスに取り付けられていてもよいし、それ以外の箇所に取り付けられていてもよい。
特徴C2.少なくとも遊技に関する制御を司る制御基板を収容可能な内部空間を形成する第1構成体(表側構成体101)及び第2構成体(裏側構成体102)と、
前記第1構成体及び前記第2構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる複数の固定手段と、
を備えた遊技機用基板ボックスに対して取り付ける基板ボックス用カバー部材であって、
自身を離脱不可又は離脱困難な状態で前記基板ボックスの所定の設置箇所に取り付ける取付部(貫通孔201)と、
前記基板ボックスに対して取り付けられた場合に、少なくとも前記複数の固定手段により形成された痕跡箇所を覆う痕跡カバー部(表面カバー部193等)と、
を備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C2によれば、固定手段によって第1構成体及び第2構成体は固定状態となっているため、第1構成体及び第2構成体の分離が抑制される。これにより、基板ボックスを開放し制御基板に不正を施す行為を抑制することが可能となる。また、制御基板の検査に際して、固定手段による固定状態を解除した場合には、所定の痕跡が開放履歴として残存する。これにより、基板ボックスの開放履歴を容易に確認することができる。また、基板ボックスには、複数の固定手段が設けられているため、破壊等によって基板ボックスを開放して基板の検査等を行った場合、当該破壊された固定手段とは別の固定手段を使用することにより、第1構成体及び第2構成体を再度固定状態とすることができるようになっている。
ここで、開放履歴としての痕跡箇所又はその近傍に対して、不正行為による痕跡が形成された場合、不正行為による痕跡が、開放履歴としての痕跡箇所付近以外の箇所に形成された場合に比べて、目立ちにくい。よって、痕跡が目立たないような不正行為が行われるおそれがある。
これに対して、特徴C2によれば、基板ボックス用カバー部材が取付部によって離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックスの所定の設置箇所に取り付けられた場合、開放履歴としての痕跡箇所が痕跡カバー部によって覆われる。これにより、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正を施す行為を抑制することができる。よって、上記不正行為を抑制することができる。
また、基板ボックス用カバー部材は、基板ボックスに対して離脱不可又は離脱困難な状態で取り付けられているため、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正を施す際には、基板ボックス用カバー部材に対して穴を設ける等の処理が必要となる。すると、基板ボックス用カバー部材には、不正行為による痕跡が残存することとなる。よって、仮に基板ボックス用カバー部材が基板ボックスに取り付けられた状態において、開放履歴としての痕跡箇所に対して不正行為が行われたとしても、基板ボックス用カバー部材に不正行為による痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に確認することができる。
なお、基板ボックスが一度も開放されていない場合、すなわち開放履歴としての痕跡が形成されていない場合においては、基板ボックス用カバー部材は、遊技機とは別に管理されていてもよいし、遊技機に取り付けられていてもよい。また、遊技機に取り付けられている場合、基板ボックスに取り付けられていてもよいし、それ以外の箇所に取り付けられていてもよい。
特徴C3.特徴C2において、前記複数の固定手段のそれぞれには、各固定手段と前記基板ボックスとを連結する連結部(第1連結部174、第2連結部175)が設けられており、
前記連結部が破壊された場合には、前記第1構成体及び前記第2構成体の固定が解除される基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記痕跡カバー部は、前記基板ボックスに対して取り付けられた場合に、少なくとも前記連結部を覆うものであることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C3によれば、固定手段と基板ボックスとが連結部を介して連結されている。当該連結部を破壊した場合に、第1構成体及び第2構成体の固定が解除され、基板ボックスが開放される。これにより、例えば連結部を破壊しやすく形成させておくことによって、検査などのために基板ボックスを開放する際の開放作業が容易になるとともに、破壊箇所が開放履歴として残存する。これにより、開放履歴を残しつつ、基板ボックスの開放作業を容易に行うことができる。
かかる構成において、連結部が痕跡カバー部材によって覆われている。これにより、開放履歴としての痕跡箇所が痕跡カバー部材によって覆われている。よって、基板ボックスの開放作業を容易なものとしつつ、開放履歴としての痕跡に対する不正行為を抑制することができる。
特徴C4.特徴C2又は特徴C3において、前記複数の固定手段を収容する固定手段収容領域(表側結合領域186、裏側結合領域184)を備え、前記固定手段収容領域内に前記複数の固定手段が収容されている基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記痕跡カバー部は、前記固定手段収容領域を覆うものであることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C4によれば、固定手段収容領域内に複数の固定手段が収容されている。そして、当該固定手段収容領域が痕跡カバー部によって覆われている。これにより、複数の固定手段に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に当該不正行為が行われた場合には痕跡カバー部には痕跡が残存するため、当該不正行為を容易に発見することができる。
特徴C5.特徴C2又は特徴C3において、前記固定手段は、固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に対して装着されることによって前記第1構成体及び前記第2構成体を固定するものであり、
前記複数の固定手段を収容する固定手段収容領域を形成し、さらに前記固定具の装着方向に開放された囲み部(囲み部179)を備えた基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記痕跡カバー部は、前記囲み部の開放部位を覆うものであることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C5によれば、囲み部が固定具の装着方向に開放されているため、当該方向から固定具を固定手段に装着することができる一方、装着方向から不正治具等を挿入する不正行為が想定される。これに対して、本特徴によれば、カバー部材が基板ボックスに対して取り付けられている場合、囲み部の開放部位が痕跡カバー部によって覆われる。これにより、上記不正行為を抑制することができる。よって、固定具の装着を可能にしつつ、複数の固定手段に対する不正行為を抑制することができる。また、仮に不正行為が行われた場合には、痕跡カバー部に当該不正行為の痕跡が残存することとなるため、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
特徴C6.特徴C5において、前記痕跡カバー部は、前記囲み部を収容する囲み部収容領域を備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C6によれば、カバー部材が基板ボックスに取り付けられた場合、囲み部は囲み部収容領域に収容される。これにより、開放部位とともに開放部位及び痕跡カバー部の境界が痕跡カバー部によって連続的に覆われる。よって、当該境界に対する不正行為を抑制することができる。
特徴C7.特徴C6において、前記痕跡カバー部は、前記囲み部収容領域を区画する区画壁部を備え、
前記区画壁部は、前記囲み部が挿通可能な開口部(開口部192)を備え、
前記開口部は、前記基板ボックスに取り付けられた状態において前記基板ボックスとの協働によって塞がれるように形成されていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C7によれば、区画壁部には、囲み部が挿通可能な大きさの開口部が設けられているため、当該開口部を介してカバー部材を囲み部に対して取り付けることができる。ここで、取り付けられた状態において開口部は基板ボックスによって塞がれるため、区画壁部と基板ボックスとによって閉空間が形成され、当該閉空間内に複数の固定手段が収容されることとなる。これにより、外部からの複数の固定手段に対する不正行為を抑制することができる。
なお、「前記基板ボックスに取り付けられた状態において、前記基板ボックスとの協働によって前記開口部が塞がれるように形成されている」の具体的な構成としては、「前記第1構成体及び前記第2構成体はそれぞれ、前記内部空間を規定する側壁を備え、前記開口部は、前記基板ボックスに取り付けられた状態において前記側壁に突き合わされて塞がれるように形成されている」が考えられる。
特徴C8.特徴C5乃至C7のいずれか1において、前記囲み部は、前記第1構成体に設けられた第1囲み壁部(表側囲み壁部183)と、前記第2構成体に設けられた第2囲み壁部(裏側囲み壁部182)とを備え、
前記固定手段収容領域は、前記第1囲み壁部及び前記第2囲み壁部によって囲まれた領域である基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記区画壁部は、前記第1囲み壁部及び前記第2囲み壁部の分離を規制する規制部(表面カバー部193、裏面カバー部194)を備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C8によれば、第1構成体に設けられた第1囲み壁部と、第2構成体に設けられた第2囲み壁部とによって固定手段収容領域が形成されている。これにより、基板ボックスを開放する場合、すなわち第1構成体及び第2構成体を分離させる場合に、囲み部を破壊する必要がない。よって、基板ボックスを開放した後に、再度第1構成体及び第2構成体の固定を行った場合であっても、複数の固定手段は囲み部によって覆われているため、外部からの不正行為を抑制することができる。
かかる構成において、第1囲み壁部及び第2囲み壁部の分離が規制部によって規制されている。これにより、第1囲み壁部を備えている第1構成体と、第2囲み壁部を備えている第2構成体との分離が規制されている。よって、第1構成体及び第2構成体を分離させるには、基板ボックス用カバー部材の破壊又は除去と、固定手段の破壊とを要することになる。よって、基板ボックスの開放作業に手間取るため、基板ボックスの不正開放行為を抑制することができる。また、仮に基板ボックスの不正な開放が行われた場合には、当該行為の痕跡が規制部にも残存することとなる。よって、基板ボックスが不正に開放された事実を容易に発見することができる。
特徴C9.特徴C8において、前記第1構成体及び前記第2構成体が組み合わされた場合に、周縁において境界が生じるように形成されている基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記区画壁部は、前記規制部として前記境界を広げる方向に離間した位置に第1規制壁部(表面カバー部193)及び第2規制壁部(裏面カバー部194)を備えており、
前記第1囲み壁部及び前記第2囲み壁部は、前記第1規制壁部と前記第2規制壁部とによって挟まれた領域に配置されていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C9によれば、第1規制壁部及び第2規制壁部は、第1構成体及び第2構成体の境界を広げる方向に対して離間して配置されている。そして、第1囲み壁部及び第2囲み壁部は第1規制壁部及び第2規制壁部によって挟まれている。これにより、第1構成体及び第2構成体の境界を広げる方向へ第1構成体及び第2構成体を相対移動させると、両囲み壁部と、第1規制壁部及び第2規制壁部とが当接する。これにより、当該移動が規制されている。よって、両構成体の分離が抑制されている。
特徴C10.特徴C7乃至C9のいずれか1において、前記区画壁部は、自身を前記基板ボックスに対する所定の設置箇所に誘導するガイド部(側面カバー部195)を備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C10によれば、基板ボックス用カバー部材を基板ボックスの所定の設置箇所に取り付ける際、基板ボックス用カバー部材がガイド部によって所定の設置箇所に誘導される。これにより、基板ボックス用カバー部材の取付作業が容易になる。よって、作業性の向上を図ることができる。
特徴C11.特徴C10において、前記区画壁部は、前記ガイド部として第1壁部を備え、
前記第1壁部の内側の面は、前記第1囲み壁部及び前記第2囲み壁部の外周面と当接するように形成されていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C11によれば、第1壁部の内側の面が各囲み壁部の外周面と当接するように形成されているため、第1壁部の内側の面が各囲み壁部の外周面と当接するように、かつ各囲み壁部の外周面に沿って移動させることによって、基板ボックス用カバー部材が基板ボックスの所定の設置箇所に誘導される。これにより、基板ボックス用カバー部材を基板ボックスに容易に取り付けることができる。
また、第1囲み壁部又は第2囲み壁部の一方を移動させようとしても、第1囲み壁部又は第2囲み壁部は第1壁部に当接するため、当該移動が規制される。これにより、第1壁部が規制部として兼用されている。よって、第1壁部の多機能化を図ることができる。
特徴C12.特徴C2乃至C11のいずれか1において、前記複数の固定手段のそれぞれには、前記第1構成体に設けられた第1結合部(第2表側結合部151)と、前記第1結合部に対応して前記第2構成体に設けられた第2結合部(第2裏側結合部152)と、からなる結合体(第2固定部132)が設けられており、前記複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段の結合体に対して固定具(結合ピン155)が挿通され、固定されることにより前記第1構成体及び前記第2構成体が固定される基板ボックスに適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記取付部は、前記基板ボックスに対して取り付けられた際、前記複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段における結合体に対応した位置に配置されており、
前記取付部及び前記結合体の組み合わせに対して固定具(取付ピン202)が挿通され、固定されることによって自身を離脱不可又は離脱困難な状態で前記基板ボックスの所定の設置箇所に取り付ける構成であることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C12によれば、第1構成体に設けられた第1結合部及び第1結合部に対応して第2構成体に設けられた第2結合部からなる結合体がそれぞれの固定手段に設けられている。複数の固定手段のうち少なくとも1の固定手段の結合体に固定具が挿通され、固定されることによって、第1構成体及び第2構成体は固定される。
ここで、基板ボックス用カバー部材が基板ボックスに取り付けられた場合、複数の固定手段のうち少なくとも1つの固定手段の結合体に対応した位置に取付部が配置されている。そして、取付部及びそれに対応している結合体の組み合わせに対して固定具を挿通させ、固定させることにより基板ボックス用カバー部材が所定の設置箇所に固定される。つまり、第1構成体及び第2構成体を固定するために用いられる結合体が、基板ボックス用カバー部材の固定に用いられている。したがって、基板ボックス用カバー部材の固定に関して、構成の簡素化を図ることができる。また、基板ボックス用カバー部材を基板ボックスに取り付けるために、基板ボックスに対して加工を施す必要がない。
特徴C13.特徴C12において、前記固定具は弾性変形可能な係止部(係止爪部205)を備え、
前記結合体には、前記係止部と係止する係止受け部(係止受け空間部159)が設けられ、
前記固定具が前記取付部及びそれに対応する前記結合体の組み合わせに対して挿通され、当該固定具の前記係止部と前記係止受け部とが係止状態となることにより、前記固定具が前記結合体に対して固定される基板ボックスに対して適用される基板ボックス用カバー部材であって、
前記固定具が前記結合体に対して固定された状況における前記係止部を所定の向きに規定する規定部(切欠部211、突起部212)が設けられていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C13によれば、係止部は規定部によって所定の向きに規定される。これにより、係止部の向きによって、係止部に対するアクセスの容易性が変化する場合、係止部をアクセスしにくい向きに規定することによって、係止部に対する不正なアクセスを抑制することができる。
なお、アクセスしにくい向きとしては、例えば係止部の向きが基板ボックスの内部空間側が考えられる。
特徴C14.特徴C12又は特徴C13において、自身を前記基板ボックスに取り付ける際に使用する固定具が取り外し可能に保持される保持手段(取付ピン収容部221)を更に備えていることを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C14によれば、基板ボックス用カバー部材を取り付ける際に使用する固定具を保持することができる保持手段が基板ボックス用カバー部材に設けられているため、基板ボックスに対して当該保持手段を設ける必要がない。よって、基板ボックスの構成の簡素化を図ることができる。
特徴C15.特徴C1乃至C14のいずれか1において、前記痕跡カバー部は透明性を有することを特徴とする基板ボックス用カバー部材。
特徴C15によれば、痕跡カバー部が透明性を有しているため、痕跡カバー部によって覆われている痕跡箇所等を目視にて確認することが可能となる。これにより、仮に痕跡箇所に不正行為が行われた場合であっても、痕跡カバー部材を取り外すことなく容易に確認することができる。よって、カバー部材を取り付けることによって生じるおそれのある不都合を回避することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C16.特徴C1乃至C15のいずれか1に記載の基板ボックス用カバー部材を備えたことを特徴とする基板ボックス。
特徴C16によれば、上記特徴のいずれかの効果を奏することが可能な基板ボックスを得ることができる。
特徴C17.特徴C1乃至C16のいずれか1に記載の基板ボックス用カバー部材を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴C17によれば、上記特徴のいずれかの効果を生じさせる遊技機を得ることができる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、82…払出制御装置、91…払出制御基板、92…基板ボックス、101…表側構成体、102…裏側構成体、103…表側周縁部、104…膨出部、105…平面部、106…裏側周縁部、111…フック部、112…凸部、121…係止受け、122…凹部、123…受け部、131…第1固定部、132…第2固定部、175…第1連結部、176…第2連結部、179…囲み部、180…ベース部、181…囲み壁部、182…裏側囲み壁部、183…表側囲み壁部、191…痕跡カバー部材、193…表面カバー部、194…裏面カバー部、195…側面カバー部、202…取付ピン、221…取付ピン収容部、301…結合具ユニット、302…併用ピン、303…ストッパ部材、320…再固定用第2固定部、322…係止用段差面、331…2段階ピン、334…第1係止爪部、335…第2係止爪部。

Claims (1)

  1. 第1構成体及び第2構成体を含む複数のボックス構成体により形成された基板ボックスを有するとともに、当該基板ボックス内に収容された制御基板を有する制御基板装置と、
    固定具が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨るように挿通されて係止されることによって、前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制するようにこれら両構成体を固定するとともに、破壊又は除去により前記第1構成体及び前記第2構成体の固定状態が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段と、
    を備えた遊技機において、
    前記固定具は、
    前記固定手段に挿通される挿通部と、
    前記挿通部の基端側に設けられ、前記挿通部が前記第1構成体及び前記第2構成体に跨る状態において、前記固定手段と当接する頭部と、
    前記挿通部の前記頭部より先端側に設けられた固定具側係止部と、
    を備え、
    前記固定手段は、前記頭部が前記固定手段と当接している状態において、前記固定具側係止部に対して係止する固定手段側係止部を備え、
    前記固定手段側係止部又は前記固定具側係止部は、第1係止部と、前記固定具の挿通方向において前記第1係止部に対して所定の間隔を隔てて配置される第2係止部と、
    を備え
    前記基板ボックスには、前記痕跡箇所を覆う痕跡カバー部材を配置可能とされており、
    前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されていない場合には、前記頭部が前記固定手段と当接している状態にて、前記第1係止部が係止状態となるように前記頭部と前記第1係止部との間隔が設定されており、
    前記痕跡カバー部材が前記基板ボックスに配置されている場合には、前記頭部及び前記固定手段によって前記痕跡カバー部材が挟み込まれた状態にて、前記第2係止部が係止状態となるように前記第1係止部と前記第2係止部との間隔が設定されていることを特徴とする遊技機。
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