次に、本発明に係る遊技機用の基板ケースにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いるパチンコ機を、遊技機の一例として説明する。また、以下の説明において左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を背面側から見た場合において指称するものとする。
図1に示す如く、実施例のパチンコ機10は、基本的な主要構成として、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11に対して開閉および着脱が可能に組み付けられた本体枠としての中枠12と、この中枠12に前側から着脱交換可能に収容セットされる遊技盤(図示しない)と、該中枠12の後側に配設されて前記遊技盤の背面側を覆う設置部材13等を備えており、これら主要構成体の各部に各種の装置,器具並びに部材等が装着されている。なお図示しないが、中枠12の前面側には、該中枠12に配設された遊技盤を透視保護するガラス板等の透明部材が組み付けられた前枠と、パチンコ球を貯留する上球受け皿とを横開き形態で開閉可能に組み付けてある。また、上球受け皿の下方には、上球受け皿から溢れたパチンコ球を貯留し得る下球受け皿(図示せず)が配設されている。
前記外枠11には、図1に示す如く、パチンコ球を貯留可能な球タンク14、該球タンク14に貯留したパチンコ球を一列に整列するタンクレール15、上下の球受け皿や球回収樋等に連通する球流通路が形成される機能部材16が設けられ、タンクレール15と機能部材16に形成された球流通路とは球通路ユニット17によって連通するよう構成されている。前記中枠12の後側には、パチンコ機10の電源制御を行う電源基板を備えた電源装置18、前記球通路ユニット17に配設した球払出し装置19を駆動制御する払出し制御装置(制御装置)20等の各種制御装置が配設されている。これらの各装置18,20は、前記設置部材13の後側に配設されるメイン制御装置(制御装置)21に配線接続され、該メイン制御装置21からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。なお、メイン制御装置21は、パチンコ機10の全体を制御するメイン制御基板(制御基板)をメイン用基板ケース(基板ケース)22に収容して構成される。前記電源装置18にアース線(図示せず)の一端が接続され、該アース線の他端は図示しない遊技店の島にアース接続されている。また、前記電源装置18は、前記中枠12の金属部分に図示しないリード線を介して電気的に接続(接地)している。すなわち、前記中枠12は、前記電源装置18を介して全体として接地されている。実施例では、電源装置18が、パチンコ機10を構成する各種装置や部材等を接地する接地手段として機能する。なお、払出し制御装置20は、球払出し装置19を制御する払出し制御基板(制御基板)を払出し用基板ケース(基板ケース)に収容して構成されている。
前記設置部材13の後側には、液晶表示装置(図柄表示装置)23が取り付けられており、設置部材13に開設した開口部(図示せず)を介して液晶表示装置23の表示部が前側に臨んで、該表示部をパチンコ機10の前側から視認可能に構成される。液晶表示装置23は、遊技盤に配設された始動入賞口(図示せず)へのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部に変動表示させる図柄変動演出を行い、始動入賞口への入賞を契機とした当り判定の結果に対応する図柄組み合わせで複数の飾図を停止表示するよう構成される。また、液晶表示装置23では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出を表示部に表示し得るようになっている。
前記液晶表示装置23は、各種飾図を表示可能な液晶パネル(表示器)24が表示用ケース体25に収容されたユニット部材であって、該表示用ケース体25の後面に、液晶パネル24に表示される表示を制御する表示制御基板(制御基板)26を表示用基板ケース(基板ケース)27に収容した表示制御装置(制御装置)28およびパチンコ機10が備えるスピーカや各種の電飾装置を制御する演出制御基板(制御基板)を演出用基板ケース(基板ケース)30に収容した演出制御装置(制御装置)29が着脱自在に取り付けられている。実施例では、図1に示す如く、演出制御装置29と表示制御装置28とが左右に並んで液晶表示装置23の後側に取り付けられている。表示制御装置28は演出制御装置29に配線接続されて、該演出制御装置29の制御信号に基づいて、表示制御装置28が所定の制御を実行するよう構成される。また、演出制御装置29は、前記メイン制御装置21に配線接続され、該メイン制御装置21からの制御信号に基づいて演出制御装置29が制御を実行するよう設定される。また、演出制御装置29は、前記電源装置18に電気的に接続されている。実施例では、前記設置部材13に配設された液晶表示装置23が、表示制御装置28や演出制御装置29の設置部として構成されている。
ここで、実施例では、前記表示制御装置28における表示制御基板26の制御対象となる液晶表示装置23が、表示制御基板26が制御する遊技機構成装置である。また、演出制御装置29については、演出制御基板の制御対象となるスピーカ、電飾装置および表示制御装置28が、演出制御基板が制御する遊技機構成装置となり、払出し制御装置20については、払出し制御基板の制御対象となる球払出し装置19が、払出し制御基板が制御する遊技機構成装置となる。更に、前記メイン制御装置21におけるメイン制御基板の制御対象となる各制御装置20、29等が、メイン制御基板が制御する遊技機構成装置となる。すなわち、遊技機構成装置とは、パチンコ機10を構成する装置であって、制御装置を構成する制御基板によって制御される対象となる装置の総称である。なお、メイン用基板ケース22、払出し用基板ケース、演出用基板ケース30等の各種基板ケース22,30は、後述する表示用基板ケース27と同様に、皿状部材とカバー状部材とを組み合わせセットすることで、内部に対応する制御基板を収容する収容空間を画成するよう構成されている。
前記液晶パネル24は、後側および外周縁が金属製の保護部材31で囲繞された状態で、合成樹脂製の前記表示用ケース体25に収容されている。この保護部材31は、鉄やその他の金属等の導電性を有する材料から形成されて、液晶パネル24に対する静電気保護を図っている。また、表示用ケース体25を構成する後壁には、図2に示す如く、前記保護部材31を後側に露出する露出用開口25aが開設されており、該露出用開口25aを介して前記表示制御装置28に設けられた後述する接続部材53が保護部材31に接触するよう構成される(図18,図19参照)。また、保護部材31は、液晶用リード線(図示せず)を介して前記中枠12の金属部分に電気的に接続されており、該保護部材31は、液晶用リード線および中枠12を介して前記電源装置18に接地されている。電源装置18は、前述したように遊技店の島に接地されており、保護部材31も電源装置18を介して遊技店の島に接地される。すなわち、実施例では、表示制御装置28における保護部材31が、接地手段としての電源装置18に電気的に接続するアース部として構成されている。
前記表示用ケース体25には、図2に示すように、前記表示制御装置28の取着領域における下側に、左右に離間して一対の係合受け部25b,25bが設けられると共に、該取着領域の上側に、後方へ突出する支持部25cが設けられている。そして、表示制御装置28に設けられた後述する差込み部33c,33cを係合受け部25b,25bに係合したもとで、表示制御装置28に設けられた連結具52を支持部25cに係合することで、表示用ケース体25の後側に表示制御装置28が取り付けられる(図1参照)。また、表示用ケース体25には、前記演出制御装置29の取着領域にも同様に係合受け部25b,25bおよび支持部25cが設けられ、同じ構造によって演出制御装置29が表示用ケース体25に取り付けられるようになっている。
(表示制御装置28について)
前記表示制御装置28の表示用基板ケース27は、前記表示制御基板26を収容保護した状態でケース単位で取扱い得るよう構成されて、前記液晶表示装置(設置部)23に対して着脱自在に取り付けられる。この表示用基板ケース27は、前記液晶表示装置23の後面に対向して装着セットされる皿状部材32と、この皿状部材32の開口面側に合わせて着脱可能に組み付けセットされるカバー状部材33とから基本的に構成され、組み付けセット状態で内部に表示制御基板26を収容する収容空間Sを画成するようになっている。実施例では、皿状部材32およびカバー状部材33は、共に透明な合成樹脂材により一体成型されて、前記表示制御基板26を皿状部材32内に敷設状態で収容すると共に前記カバー状部材33で覆蓋保護するようになっている(図16〜図19参照)。皿状部材32およびカバー状部材33を構成する合成樹脂材としては、例えばポリカーボネート(PC)が挙げられるが、その他の合成樹脂材であってもよい。なお、表示制御基板26は、皿状部材32に対して複数のねじによって固定された状態で収容空間Sに収容されるようになっている。
前記皿状部材32とカバー状部材33とは、夫々の開口側縁部に形成した連結手段を利用して組み付け連結されるようになっている。連結手段は、図4〜図12に示すように、前記皿状部材32の上側縁部32aに一体的に成型配置した連結部34と、カバー状部材33の対応する上側縁部33aに一体的に成型配置した有底筒状部(連結部)35と、これら連結部34と有底筒状部35とを連結固定する固定具37,38とから構成される。実施例では、連結部34と有底筒状部35とからなる結合部36が、前記表示用基板ケース27の左右に離間して複数(実施例では2つ)配置されている(図3参照)。そして、各結合部36において、連結部34と有底筒状部35とを夫々固定具37,38で連結固定することで、皿状部材32とカバー状部材33とが不正開放不能な状態で連結固定されるようになっている。実施例では、固定具37,38として、固定形態が異なる2種類の固定具37,38が用いられている。具体的に、一方の結合部36の連結部34と有底筒状部35とを連結固定する固定具37としてビス37(図4〜図8参照)が用いられると共に、他方の結合部36の連結部34と有底筒状部35とを連結固定する固定具38としてカシメ鋲38(図9〜図12参照)が用いられている。なお、ビス37で連結固定される一方の結合部36およびカシメ鋲38で連結固定される他方の結合部36の構成は同じであるが、一方を第1結合部36、他方を第2結合部36と区別して指称する場合がある。
前記ビス37は、図4〜図8に示す如く、ねじ軸部(軸部)37aの軸方向一端に、該軸部37aより大径の頭部37bが形成されたものであって、該ビス37は、前記連結部34に設けられた後述するカシメ孔34aにねじ軸部37aをねじ込むことで、該連結部34と有底筒状部35とを連結固定するよう構成される。なお、実施例では、前記ビス37として、ドライバー等の工具によって締付け方向および弛み方向への回転が可能な通常ビスが用いられているが、頭部37bに、ドライバー等の工具によって締付け方向の回転のみが許容される溝が形成されて、工具による弛み外しが不能な特殊ビスを採用することができる。また、前記カシメ鋲38は、図9〜図12に示す如く、ねじ山が形成された軸部38aの軸方向一端に、該軸部38aより大径の頭部38bが形成されたものであって、該カシメ鋲38は、前記連結部34のカシメ孔34aに軸部38aを圧入することで該連結部34と有底筒状部35とを連結固定するよう構成される。なお、前記ビス37およびカシメ鋲38の頭部形状は、後述する封印蓋44の弾性片46,47が頭部表面に押し付けられた際に、該弾性片46,47を径方向外側に弾性変形させ易い丸頭や軸部側が円錐形の皿頭等が好適に用いられる。
(連結部34について)
前記連結部34は、図4〜図12に示す如く、前記皿状部材32の上側縁部32aから延出した皿側接合部(接合部)32bを介して該皿状部材32に一体的に連設される。そして、皿側接合部32bを切断することで、連結部34は皿状部材32から分離可能に構成されている。連結部34は、皿側接合部32bから皿状部材32における開口側(カバー状部材33側)に延出する筒状に形成されて、該開口側に開放するカシメ孔34aが設けられている。そして、該カシメ孔34aに、前記ビス37またはカシメ鋲38がねじ込まれたり圧入されるようになっている。なお、実施例のカシメ孔34aの内周面には雌ねじは形成されておらず、ビス37はねじ切りしながらカシメ孔34aにねじ込まれるよう構成される。また、軸部38aにねじ山が形成された実施例のカシメ鋲38は、カシメ孔34aに回転しながら圧入される。すなわち、カシメ孔34aの内径寸法は、ビス37のねじ軸部37aおよびカシメ鋲38の軸部38aの直径より小さく設定されており、ビス37がねじ込まれた状態およびカシメ鋲38が圧入された状態で、ねじ軸部37aおよび軸部38aがカシメ孔34a内に強固に固定されるようになっている。
(有底筒状部35について)
前記有底筒状部35は、前記カバー状部材33の上側縁部33aから延出したカバー側接合部(接合部)33bを介してカバー状部材33に一体的に連設され、該カバー側接合部33bを切断することによりカバー状部材33から分離可能に構成される。カバー側接合部33bは、図4〜図12に示す如く、前記皿状部材32とカバー状部材33とを組み合わせセットした状態で、連結部34を囲繞可能な角筒状に形成されており、該カバー側接合部33bによって連結部34におけるカシメ孔34aが外部に露出しないよう構成される。カバー側接合部33bに設けられて連結部34から離間する方向に延在する前記有底筒状部35には、該連結部34から離間する側に開放する挿入孔39が形成されると共に、連結部34側に臨む底部40の略中央に、前記ビス37のねじ軸部37aまたはカシメ鋲38の軸部38aが挿通される通孔40aが穿設されている。
前記皿状部材32にカバー状部材33を組み合わせセットすると、前述のように構成された連結部34と有底筒状部35とは、図4〜図12に示す如く、連結部34におけるカシメ孔34aの開口側に有底筒状部35の底部40が整合当接すると共に、該連結部34のカシメ孔34aと有底筒状部35の通孔40aとが整合するよう設定されている。そして、連結部34と有底筒状部35とが整合した第1結合部36に対して、有底筒状部35の挿入孔39側から前記ビス37のねじ軸部37aを連結部34のカシメ孔34aにねじ込むと共に、連結部34と有底筒状部35とが整合した第2結合部36に対して、有底筒状部35の挿入孔39側から前記カシメ鋲38の軸部38aを連結部34のカシメ孔34aに圧入することで、該皿状部材32とカバー状部材33とが分離不能に固定されるよう構成される。
前記有底筒状部35の挿入孔39は、有底筒状部35の底部側が大径に設定されており、開口側の小径部39aの内径は、前記ビス37およびカシメ鋲38の頭部37b,38bの外径より大きく設定されており、前記皿状部材32にカバー状部材33を組み合わせセットした状態で、小径部39aを頭部37b,38bが通過可能になっている。そして、前記連結部34と有底筒状部35とを連結固定したビス37およびカシメ鋲38の頭部37b,38bは、挿入孔39における大径部39bに臨むよう構成される(図4〜図12参照)。また、挿入孔39における小径部39aと大径部39bとの間に形成される段部41に、後述する封印蓋44の係合爪49が係合して封印蓋44の有底筒状部35からの抜け止めがなされるようになっている。すなわち、有底筒状部35の段部41が、封印蓋44の係合爪49に係合して該封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制する被係合部として機能するよう構成される。言い替えると、有底筒状部35の内側(挿入孔39内)に、封印蓋44の係合爪49に係合して該封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制する被係合部としての段部41が設けられている。また、小径部39aの内径は、封印蓋44における係合爪49が設けられていない部分の外径より僅かに大きく設定されて、封印蓋44が小径部39a内に僅かな隙間を介して臨み得るよう構成される。
前記有底筒状部35における小径部39aの内面には、周方向に離間する複数箇所(実施例では120度間隔)で内側に突出する係合突部42が設けられている。この係合突部42に、後述する封印蓋44の係合段部50が係合して封印蓋44の有底筒状部35からの抜け止めがなされるようになっている。すなわち、有底筒状部35の係合突部42が、封印蓋44の係合段部50に係合して該封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制する被係合部として機能するよう構成される。言い替えると、有底筒状部35の内側(挿入孔39内)に、封印蓋44の係合段部50に係合して該封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制する被係合部としての係合突部42が設けられている。すなわち、実施例の表示用基板ケース27では、有底筒状部35の内側に、2種類の被係合部としての段部41および係合突部42が設けられている。なお、段部41および係合突部42は、周方向に等間隔(実施例では60度間隔)で交互に配置されている。また、有底筒状部35における開口部側の端面には、周方向に離間する複数箇所(実施例では120度間隔)で径方向の外側から内側に向かうにつれて底部側に傾斜する傾斜案内部43が設けられている。そして、有底筒状部35に封印蓋44を挿入する際に、該傾斜案内部43に封印蓋44の係合爪49が当接することで、該封印蓋44の後述する弾性片46の内側への弾性変形を案内するようになっている。傾斜案内部43は、前記段部41と対応する位置に設けられている。
実施例の表示用基板ケース27では、前記表示制御基板26の不正改造や交換,変更等の不正行為の防止策として、前記結合部36を連結固定したビス37の頭部37bおよびカシメ鋲38の頭部38bを覆って、表示用基板ケース27の不正な開放を阻止するよう構成される。すなわち、前記有底筒状部35の挿入孔39に、封印蓋(封印部材)44を取外し不能(抜け止め状態)に装着し、ビス37の頭部37bおよびカシメ鋲38の頭部38bに対して外部からのアクセスを阻止し、工具による当該ビス37やカシメ鋲38の不正な取り外し操作が全く不可能となるようにしてある。
(封印蓋44について)
前記封印蓋44は、前記有底筒状部35を形成する合成樹脂材と同種の合成樹脂材で形成されている。具体的には、有底筒状部35に対して接着剤や溶剤等によって接着可能な合成樹脂材で封印蓋44が形成される。この合成樹脂材としては、前記ポリカーボネート(PC)が挙げられるが、その他の合成樹脂材であってもよい。また、封印蓋44は、有底筒状部35と異なる色に着色されて、透明な有底筒状部35内に装着されていることが外部から認識可能になっている。なお、封印蓋44自体は半透明で、後述する空間部48にビス37やカシメ鋲38の頭部37b,38bが収容されている状態が、有底筒状部35の外側から認識し得るよう構成されている。
前記封印蓋44は、前記有底筒状部35の挿入孔39における小径部39aに挿入可能な外径寸法で、全体として有底筒状部35に対する挿入側に開口するキャップ状に形成されている。具体的に、封印蓋44は、図13,図14に示す如く、円盤状の基部45と、該基部45における軸方向の一方の面から延出する複数の弾性片46,47とを備え、これら複数の弾性片46,47によって、有底筒状部35に対する挿入側に開口する空間部48が内部に設けられている。複数の弾性片46,47は、空間部48を画成する周壁を構成しており、開口側および径方向に開放するスリットを介在して複数の弾性片46,47が周方向に離間して設けられている。そして、これら各弾性片46,47は、個々に径方向に弾性変形可能に構成されている。実施例では、周方向に離間して3つの第1弾性片46が設けられると共に、周方向に隣り合う第1弾性片46,46の間に第2弾性片47が夫々設けられている。すなわち、第1弾性片46と第2弾性片47とが周方向に交互に設けられている。また、各弾性片46,47における開口端側における内面に、開口端側に向かうにつれて径方向外側に偏倚するテーパ面46a,47aが形成されている。すなわち、封印蓋44には、前記空間部48を画成する内面に、開口端側に向かうにつれて拡開するテーパ面46a,47aが形成されている。
前記封印蓋44の軸方向の長さは、前記有底筒状部35と連結部34とを連結固定したビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bの表面に前記弾性片46,47のテーパ面46a,47aが当接した状態で、図4,図6,図8,図10に示す如く、前記基部45が挿入孔39(小径部39a)から外側に突出しない寸法に設定されている。そして、弾性片46,47のテーパ面46a,47aが頭部37b,38bの表面に当接した状態で、該頭部37b,38bの少なくとも一部が前記空間部48に収容されるよう構成される。言い替えると、ビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bの一部が空間部48に収容された状態で、該頭部37b,38bの表面がテーパ面46a,47aに当接するよう構成されている。
前記第1弾性片46には、図14に示す如く、開口端側の外側に、前記有底筒状部35の段部41に挿入孔内において係合可能な係合爪(係合部)49が設けられている。この係合爪49は、前記弾性片46,47のテーパ面46a,47aが頭部37b,38bの表面に当接するまで封印蓋44を挿入孔39に挿入した状態で、該係合爪49の全体が前記大径部39b内に臨む位置に設けられている(図6,図10参照)。また係合爪49は、外面が開口端側から基部側に向かうにつれて径方向の外側に偏倚する三角形状に形成されており、基部側の係合面49aが、前記段部41に大径部側から係合することで、封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制し得るようになっている。
前記第2弾性片47には、基部側の外側に、前記有底筒状部35の係合突部42に、挿入孔内において係合可能な係合段部(係合部)50が設けられている。この係合段部50は、第2弾性片47および基部45に基部側および径方向外側に開放する凹部51を凹設することで、該凹部51の開口端側に形成される。また係合段部50は、前記弾性片46,47のテーパ面46a,47aが頭部37b,38bの表面に当接するまで封印蓋44を挿入孔39に挿入した状態で前記大径部39b内に臨む位置に設けられている(図6,図10参照)。そして、係合段部50が、前記係合突部42に大径部側から係合することで、封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制し得るようになっている。すなわち、実施例の表示用基板ケース27では、封印蓋44の外側に、2種類の係合部としての係合爪49および係合段部50が設けられ、各係合爪49および係合段部50が、有底筒状部35の対応する被係合部としての段部41および係合突部42に係合することで、封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制し得るように構成されている。言い替えると、有底筒状部35の挿入孔39に挿入された封印蓋44は、係合爪49および係合段部50と、有底筒状部35の対応する段部41および係合突部42とによって、該有底筒状部35から抜け止め状態で装着される。また、第2弾性片47における開口端側の外面に、開口端側から基部側に向かうにつれて径方向外側に偏倚する案内テーパ面47bが形成されており、有底筒状部35の挿入孔39に封印蓋44を挿入する際に、該案内テーパ面47bが係合突部42に当接することで第2弾性片47を径方向内側に弾性変形させて挿入が容易化されるようにしてある。
前記封印蓋44における前記係合爪49の形成位置での最大外径は、前記有底筒状部35における大径部39bの内径より小さく設定されており、有底筒状部35の挿入孔39に挿入した封印蓋44における弾性片46,47のテーパ面46a,47aを前記頭部37b,38bの表面に押し付けた際に、該弾性片46,47が径方向外側に弾性変形するのが許容されるようになっている。
ここで、前記封印蓋44の係合爪49および係合段部50と、前記有底筒状部35の段部41および係合突部42との関係をより具体的に説明する。封印蓋44を有底筒状部35の挿入孔39に挿入し、該封印蓋44における基部45の外面のレベルを有底筒状部35の外面に一致させた状態で、前記大径部39bに位置する係合爪49の係合面49aと段部41との離間距離が約0.6mm、大径部39bに位置する係合段部50と係合突部42との離間距離が約1.0mmとなるよう設定される。そして、この状態でビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bと弾性片46,47との最短距離が約0.6mmとなるよう設定される。また、基部45の外面のレベルを有底筒状部35の外面に一致させた状態において、弾性片46,47の先端から前記底部40までの離間距離が約2.1mmとなるよう設定される。なお、前記具体的な各距離の値は一例であって、任意に変更可能である。
前記有底筒状部35の挿入孔39に挿入した封印蓋44は、前記空間部48に前記ビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bが収容された状態で、該有底筒状部35に接着固定されるよう構成される。具体的には、封印蓋44における弾性片46,47のテーパ面46a,47aを頭部37b,38bの表面に押し付けて各弾性片46,47が径方向外側に弾性変形した状態で、封印蓋44と有底筒状部35の挿入孔39との隙間に充填した接着剤によって両者44,35が接着固定される。すなわち、有底筒状部35と封印蓋44とを接着固定(装着)することで、封印蓋44の空間部48にビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bの少なくとも一部が収容されると共に、各弾性片46,47が径方向外側に弾性変形した状態に保持される。なお、前記接着固定の方法としては、例えば、表面にジクロロメタン等の溶剤を塗布した封印蓋44を有底筒状部35の挿入孔39に挿入し、該溶剤によって樹脂同士を接着する方法を採用し得る。
前記表示制御装置28におけるカバー状部材33の下側縁部に、左右方向に離間して2つの板状の差込み部33c,33cが外方に延出するよう形成されている。また、カバー状部材33における上側縁部33aに、取着部33dが形成されている。そして、カバー状部材33の差込み部33c,33cを前記液晶表示装置23における前記表示用ケース体25に設けた前記係合受け部25b,25bに差し込んで係合すると共に、取着部33dを該表示用ケース体25の前記支持部25cに整合したもとで、取着部33dに設けた連結具(所謂ナイラッチ)52を支持部25cに係合して該取着部33dと支持部25cとを連結することで、液晶表示装置23に表示制御装置28が取り付けられる。なお、連結具52による取着部33dと支持部25cとの連結を解除することで、表示制御装置28は液晶表示装置23から取り外すことができる。
前記表示用基板ケース27には、ケース内に収容された前記表示制御基板26を接地してノイズ対策を施すための接続部材53が設けられている。この接続部材53は、弾性変形可能な弾性部54を導電性の被覆部55で被覆して構成されて、全体として弾性変形可能に構成されている。そして、表側の被覆部55を表示制御基板26に電気的に接続すると共に、該被覆部55を前記液晶表示装置23の保護部材31に接触することで、該接続部材53を介して表示制御基板26と保護部材31とを電気的に接続するよう構成される。また、接続部材53は、図15に示す如く、外部から力が加わっていない状態において幅寸法の大きな保持部53aと、該保持部53aより幅寸法(実施例では上下寸法)が小さな突出部53bとから凸形状となるように形成されている。
前記表示用基板ケース27の前記皿状部材32における前記液晶表示装置23と対向す壁部56には、該液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けた状態で液晶表示装置23に設けた前記露出用開口25aと前後に対応する位置に、内外方向に開放する開口部56aが開設されている(図18,図19参照)。また、壁部56の内面には、図15に示す如く、前記開口部56aを囲繞するように内側に突出する規制壁57が設けられている。この規制壁57で囲われた収容領域58は、開口部56aの開口寸法より大きく設定されると共に、前記接続部材53の保持部53aの外形寸法に対応しており、前記突出部53bを開口部56aに内側から挿通して保持部53aを収容領域58に嵌合することで、接続部材53を皿状部材32に安定して保持可能に構成されている。また、規制壁57の内側への突出寸法は、接続部材53の保持部53aにおける前後寸法より短かく設定されており、該保持部53aにおける突出部側の面を壁部56の内面に当接した状態で、該保持部53aの後部(突出部53bとは反対側)が所定寸法だけ突出するよう構成されている。そして、保持部53aを収容領域58に嵌合した状態で、皿状部材32に前記表示制御基板26をねじ止め固定することで、保持部53aの後部が表示制御基板26に弾性的に接触するよう構成されている。すなわち、保持部53aが表示制御基板26と壁部56(表示用基板ケース27)とで挟持されて該保持部53aが弾性変形することで、接続部材53の被覆部55がケース内で表示制御基板26に弾性的に接触(電気的に接続)して、該接触状態を維持し得るようになっている。
前記接続部材53における前記突出部53bは、前記保持部53aを収容領域58に嵌合した状態で、前記皿状部材32の前記壁部56から所定長さだけ外側に突出するよう構成される。すなわち、接続部材53は、表示用基板ケース27(表示制御装置28)に位置決め保持された状態で、突出部(接続部材53の一部)53bが前記開口部56aから外側に突出する。そして、前記液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けることで、突出部53bが前記露出用開口25aに露出する前記保護部材31に接触可能に構成される。また、壁部56からの突出部53bの突出寸法が、液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けた状態での壁部56と保護部材31との離間寸法より大きくなるように、該突出部53bの前後方向の長さ(保持部53aからの突出寸法)が設定されている。すなわち、液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けた状態で、図18,図19に示す如く、壁部56(表示用基板ケース27)から突出する突出部53bが弾性変形することで、前記被覆部55が保護部材31に弾性的に接触して、該接触状態を維持し得るようになっている。
また、前記突出部53bの外形寸法は、前記皿状部材32の前記開口部56aの開口寸法より大きく設定されており、該突出部53bを開口部56aに内側から挿通した状態で、図16〜図19に示す如く、該突出部53bにおける保持部側の根元に皿状部材32における開口部56aの周縁部が食い込むよう構成される。これにより、接続部材53を表示用基板ケース27に確実に保持し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記皿状部材32(表示用基板ケース27)における前記皿側接合部32bの形成位置に近接して前記開口部56aが設けられている(図15参照)。すなわち、表示用基板ケース27において、皿状部材32とカバー状部材33とを連結する一方の結合部36に近接して、前記接続部材53が設けられるよう構成されている。また、表示用基板ケース27における接続部材53の配設位置は、該表示用基板ケース27に設けられる前記取着部33dに近接するように設定されている。すなわち、取着部33dが前記液晶表示装置23の支持部25cに連結具52を介して連結された状態では、表示用基板ケース27における取着部33dに近接する領域は液晶表示装置23から離間するのが規制されており、この領域(規制領域)に接続部材53が設けられるようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の表示用基板ケースの作用につき説明する。
前記表示用基板ケース27は、メーカにおけるパチンコ機10のメイン組立ラインとは別の組立部署において、その組み立てを行う。すなわち、前記皿状部材32における開口部56aに、内側から接続部材53の突出部53bを挿通して、該接続部材53の保持部53aを前記収容領域58に嵌合させる。次いで、皿状部材32に前記表示制御基板26をねじ止め固定することで、該皿状部材32の壁部56と表示制御基板26とにより、接続部材53の保持部53aが挟持される(図16,図17参照)。このとき、保持部53aが弾性変形することで、接続部材53の被覆部55が表示制御基板26に弾性的に接触し、接触状態が維持される。
前記接続部材53が配設された皿状部材32の開口面側に合わせてカバー状部材33を組み合わせセットすると、前記2つの結合部36,36における各連結部34と対応する有底筒状部35の底部40とが整合すると共に、連結部34のカシメ孔34aと底部40の通孔40aとが整合する。この状態で、第1結合部36における有底筒状部35の挿入孔39に挿入したビス37のねじ軸部37aをカシメ孔34aにねじ込むことで、連結部34を底部40に連結固定する(図4,図5,図7参照)。また、第2結合部36における有底筒状部35の挿入孔39に挿入したカシメ鋲38の軸部38aをカシメ孔34aに圧入することで、連結部34を底部40に連結固定する(図9,図11参照)。このように、2つの結合部36,36を対応するビス37およびカシメ鋲38で夫々連結固定することで、皿状部材32とカバー状部材33とが連結される。なお、皿状部材32とカバー状部材33とを組み合わせセットする際には、前記接続部材53の保持部53aは皿状部材32の壁部56と表示制御基板26とで挟持されているので、該接続部材53が皿状部材32から簡単に脱落することはなく、皿状部材32とカバー状部材33との組み付けに際して接続部材53が落脱しないように気を付けて作業を行う必要はなく、作業性がよい。更に、接続部材53における突出部53bの外形寸法を、前記開口部56aの開口寸法より小さくして、該突出部53bに、皿状部材32における開口部56aの周縁部を食い込ませるよう構成したので、接続部材53を皿状部材32に確実に保持することができ、接続部材53の脱落をより確実に防止し得る。
前記ビス37またはカシメ鋲38で連結固定された結合部36における有底筒状部35の挿入孔39に、前記各係合爪49を対応する傾斜案内部43に合わせた状態で前記封印蓋44を弾性片46,47側から挿入すると、該傾斜案内部43に案内されて対応する第1弾性片46が内側に弾性変形する。また、封印蓋44の第2弾性片47の案内テーパ面47bが対応する係合突部42に当接することで、該第2弾性片47も内側に弾性変形する。すなわち、各弾性片46,47が径方向の内側に夫々弾性変形することで封印蓋44の挿入側が縮径し、該封印蓋44の挿入孔39への容易な挿入が図られる。そして、係合爪49の係合面49aが挿入孔39の大径部39bに至ると共に、係合突部42が凹部51に至ると、各弾性片46,47は弾性により無負荷状態に復元して、係合爪49が前記段部41に大径部39b側から係合可能な状態になると共に、係合段部50が係合突部42に大径部39b側から係合可能な状態となる。すなわち、封印蓋44は、係合爪49と段部41および係合段部50と係合突部42によって有底筒状部35の挿入孔39からの抜き外し方向への移動が規制された状態で、該有底筒状部35に装着される。
前記封印蓋44における基部45の外面が有底筒状部35の外面に一致する位置から該封印蓋44を更に挿入孔39に押し込むことで、前記弾性片46,47の先端をビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bに押し付ける。これにより、各弾性片46,47が径方向の外側に弾性変形すると共に、該頭部37b,38bの一部が前記空間部48に収容される。この状態を保持したまた接着剤によって封印蓋44を有底筒状部35に接着固定することで、前記皿状部材32およびカバー状部材33は不正開放不能に封印される(図6,図8,図10,図12参照)。
実施例の表示用基板ケース27では、前記有底筒状部35内に封印蓋44を装着し、該封印蓋44でビス37またはカシメ鋲38の頭部37b,38bを覆うことで、不正を企てる者がビス37またはカシメ鋲38に対して直接アクセスするのを防止して不正行為を抑制することができる。また、ビス37またはカシメ鋲38における頭部37b,38bの少なくとも一部を封印蓋44の空間部48に収容するので、該頭部37b,38bへのアクセスを更に困難にすることができ、より高い不正防止効果が得られる。
また、前記有底筒状部35内に封印蓋44を接着固定して、前記弾性片46,47のテーパ面46a,47aがビス37およびカシメ鋲38の頭部表面に当接した状態に保持されるので、封印蓋44の弾性片46,47と頭部37b,38bとの間から不正のための工具が頭部側に侵入されるのを抑制することができる。しかも、頭部37b,38bに押し付けられて径方向外側に弾性変形している弾性片46,47は、自身の弾性によって頭部37b,38bに弾性的に当接して密着しているので、封印蓋44と頭部37b,38bとの間からの不正工具の頭部側への侵入防止効果がより高くなり、高い不正防止効果が得られる。
更に、実施例の表示用基板ケース27では、前記有底筒状部35に封印蓋44が接着固定されるので、外部からビス37およびカシメ鋲38にアクセスするまでに要する時間を稼ぐことができ、より高い不正防止効果が得られる。有底筒状部35に接着固定された封印蓋44は、図6,図8,図10,図12に示す如く、該挿入孔39内に完全に収容されて外側に突出しないので、ペンチ等の工具を用いて封印蓋44を把持して抜き外す不正行為を防止し得る。また、封印蓋44と有底筒状部35との隙間からマイナスドライバー等の工具を差し込んで封印蓋44を抜き外す行為に対しても高い防犯性を有する。なお、仮に有底筒状部35と封印蓋44との接着状態が解除されたとしても、封印蓋44は有底筒状部35における大径部39b内において係合爪49と段部41および係合段部50と係合突部42とにより、複数箇所で封印蓋44の有底筒状部35からの抜き外し方向への移動を規制するよう構成されているので、有底筒状部35から封印蓋44が抜き外されるのを確実に防ぐことができる。すなわち、有底筒状部35内に装着された封印蓋44を不正に抜き外そうという行為に対し、該封印蓋44は高い防御力を有している。
また、実施例の表示用基板ケース27では、前記連結部34と有底筒状部35とを連結固定する固定具として、固定形態が異なるビス37およびカシメ鋲38を用いているので、仮に固定具37,38の頭部37b,38bにアクセスできたとしても、固定具37,38の種類に応じた形態で複数種類の固定具37,38を抜き外さなければならず、時間が掛かることにより不正防止効果を向上し得る。
前述したように、不正開放不能に封印された表示用基板ケース27は、図1に示すように、前記液晶表示装置23に装着セットされて使用に供される。すなわち、液晶表示装置23における前記表示用ケース体25に設けた前記係合受け部25b,25bに表示用基板ケース27の差込み部33c,33cを差し込んで係合すると共に、前記取着部33dを表示用ケース体25の前記支持部25cに整合したもとで、取着部33dに設けた連結具52を支持部25cに係合することで、液晶表示装置23に表示制御装置28が取り付けられる。液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けた状態で、図18,図19に示す如く、該表示制御装置28から液晶表示装置23側に突出する接続部材53の突出部53bが、前記表示用ケース体25の露出用開口25aを介して前記保護部材31に接触する。接続部材53は弾性変形可能に構成されると共に、突出部53bの表示制御装置28(表示用基板ケース27からの突出寸法は、液晶表示装置23に取り付けた表示用基板ケース27(皿状部材32の壁部56)から保護部材31までの離間距離より長く設定されているので、突出部53bが弾性変形して被覆部55が保護部材31に弾性的に接触する。すなわち、接続部材53は、前記表示制御基板26および保護部材31の何れに対しても被覆部55が弾性的に接触するので、該接触状態を好適に維持することができる。
前述したように、前記液晶表示装置23に表示制御装置28を取り付けた状態で、表示制御基板26は接続部材53を介して保護部材31に電気的に接続されているので、該表示制御基板26に帯電する静電気を接続部材53を介して保護部材31に逃すことができる。保護部材31は、前記液晶用リード線および中枠12を介して前記電源装置18に電気的に接続されているから、保護部材31に伝わった静電気を電源装置18に逃すことができる。すなわち、液晶表示装置23の後側に取り付けられている表示制御装置28の表示制御基板26に実装されている各種電子部品が、ノイズに起因して誤作動するのを防止し得る。従って、静電気に起因して液晶表示装置23での演出に不具合が発生することはなく、遊技者が不利益を被ったり混乱するのを防止し得る。
実施例のパチンコ機10では、表示制御装置28を液晶表示装置23に取り付けるだけで、前記電源装置18に電気的に接続されている前記保護部材31と表示制御基板26とを接続部材53を介して電気的に接続することができ、表示制御基板26を短時間で簡単に接地できる。すなわち、表示制御基板26の接地作業が簡単で手間が掛からない。また、接続部材53が弾性的に保護部材31に接触するので、接地状態を維持してノイズに起因する悪影響が表示制御装置28に及ぶのを防止し得る。なお、前記表示用基板ケース27に対して接続部材53は、前記取着部33dが連結具52を介して液晶表示装置23の支持部25cに連結される位置に近接しているので、接続部材53が前記保護部材31から離間する方向への表示用基板ケース27の変位が該連結具52で規制されて、接続部材53の保護部材31に対する接触状態を維持し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、皿状部材とカバー状部材を固定する固定具としてビスとカシメ鋲とを用いた場合で説明したが、固定具としては、その他の固定形態のものを採用することができる。また、基板ケースに設ける結合部の数は2つに限らず、3つ以上であってもよく、3つ以上の結合部を設ける場合に、全ての結合部において固定形態が異なる固定具を用いたり、一部が同じ固定形態の固定具を用いることができる。
(2) 実施例では、皿状部材に連結部を設け、カバー状部材に有底筒状部を設けた場合で説明したが、実施例とは逆に皿状部材に有底筒状部を設け、カバー状部材に連結部を設けてもよい。
(3) 実施例では、封印蓋に2種類の弾性片を設けた場合で説明したが、弾性片の種類は1種類であっても、3種類以上であってもよい。また、弾性片の数についても、6つに限らず2つ以上であればよい。
(4) 実施例では、封印蓋の基部に、周方向に分かれた複数の弾性片を設けたが、封印蓋における基部に連設される部分については、空間部を画成する周壁が分かれていない筒状に形成されたものであってもよい。そして、基部に連設される部分を筒状とした場合に、筒状部の内面における開口端側の全周に、開口端側に向かうにつれて拡開するテーパ面を形成すれば、該テーパ面が固定具の頭部に対して隙間なく環状に当接して防犯効果を高くすることができる。
(5) 実施例では、有底筒状部と封印蓋とを接着固定するよう構成したが、固定具における頭部の少なくとも一部が封印蓋の空間部に収容された状態に該封印蓋を保持し得る係止手段を有底筒状部および封印蓋に設け、空間部に頭部の一部が収容されるまで封印蓋を有底筒状部に押し込んだときに係止手段によって該封印蓋が移動不能に係止される構成を採用し得る。
(6) 実施例では、基板ケースとして表示制御基板が収容される表示用基板ケースを挙げたが、メイン制御基板が収容されるメイン用基板ケース、払出し制御基板が収容される払出し用基板ケース、演出制御基板が収容される演出用基板ケース等、基板ケースとしては各種の制御基板を収容したものであればよい。
(7) 実施例では、接続部材が設けられる制御装置として表示制御装置を挙げたが、該制御装置としては、メイン制御装置、払出し制御装置、演出制御装置等であってもよい。
(8) 実施例では、接続部材が設けられる制御装置が取り付けられる設置部として液晶表示装置を挙げたが、設置部材や中枠を設置部として制御装置を取り付けるように構成してもよい。そして、設置部材や中枠を設置部とした場合に、該設置部材や中枠における制御装置の取着領域に、電源装置等の接地手段に電気的に接続する導電性のアース部を設け、設置部材や中枠に対して制御装置を取り付けることで、該制御装置に設けられている接続部材がアース部に弾性的に接触するように構成すればよい。
(9) 実施例では、基板ケースに1つの接続部材を設けた場合で説明したが、該接続部材を複数箇所に設けると共に、設置部の対応箇所に接続部材が弾性的に接触するアース部を夫々設ける構成を採用し得る。
(10) 実施例では、固定形態が異なる複数種類の固定具を用いた場合で説明したが、1種類の固定具によって複数箇所の結合部における連結部と有底筒状部とを連結固定する構成を採用し得る。
(11) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。