JP5089315B2 - 浴室ドア - Google Patents
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Description
特許文献2記載の浴室の出入り口の構造は、脱衣室側に起倒自在な水止め部材が設けられているため、見た目が良くないうえ、脱衣室で折戸を開閉操作したときに起倒する水止め部材に接触する可能性がある。また、浴室内の水が脱衣室へ出ないようにするためには水止め部材全体にわたって止水用のパッキンを設ける必要があるものの、このようなパッキンを設けることは考慮されていない。
特許文献3記載の浴室用ドア構造は、浴室側で略逆V字状に折畳み可能な止水プレートが設けられているため、見た目が良くない。また、浴室側でスライド式の浴室用ドアを開閉操作したときに大きく上下する回動ヒンジ部に接触する可能性があり、浴室用ドアを開ける操作をしたときに第1の止水プレートと第2の止水プレートとが挟むような動作をしてしまう。
本浴室ドアは、上記取付部材と上記止水部材と上記止水部材高さ変更機構とが止水ユニットに設けられているので、止水用の部品である止水ユニットの交換が容易であり、メンテナンス性が良好である。また、脱衣室側で起倒する水止め部材や浴室側で略逆V字状に折畳まれる止水プレートを設ける必要が無いので、本浴室ドアは、外観が良好であり、使い勝手が良好である。
上記止水部材は、ドア本体が開位置にあるときに上がった状態でドア本体が閉位置にあるときに下がった状態であればよい。従って、止水部材は、閉動作するドア本体が閉位置となった時点で下方へスライドしてもよいし、閉動作するドア本体が閉位置の手前となった時点で下方へスライドしてもよいし、ドア本体がスライドするにつれて徐々に下方へスライドしてもよい。
請求項2に係る発明では、浴室ドアの外観を向上させることができる。
図1(a)は参考例に係る浴室ドア10の外観を示す斜視図、図1(b)は浴室ドア10を構成する各ドア本体の下部を斜め下から見て示す要部斜視図、図2(a)は浴室ドア10の下部を示す要部正面図、図2(b)(c)は止水ユニット40,140の上で浴室ドア10を断面視して示す水平断面図、図3(a)〜(c)は取付部材を取り付けたドア本体の要部を断面視して示す垂直断面図、図4は中央のドア本体32に設けられる止水ユニット40を示す図、図5(a)〜(c)は左右のドア本体31,33に設けられる止水ユニット140を示す図である。なお、図2(a)では、止水部材が上がった状態であるときの止水パッキン下縁の位置を二点鎖線で示している。図4はドア本体32の位置を二点鎖線で示し、同図(a)は止水ユニット40を一部破断して上から見て示す平面図、同図(b)は止水ユニット40の左側面図、同図(c)は止水ユニット40を同図(a)のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図、同図(d)は止水ユニット40を同図(a)のA2−A2の位置で断面視して示す垂直断面図、同図(e)(f)は止水ユニット40を一部破断して示す正面図である。図5(a)(c)は正面側から見た止水ユニット140の垂直断面図、同図(b)は上側から見た止水ユニット140の水平断面図である。
ドア枠20は、長手方向を左右方向に向けて配置された上枠21及び下枠22、並びに、長手方向を上下方向に向けて配置された縦枠23,23で構成されている。
本浴室ドア10の場合、図1(a)に示す各ドア本体31〜33の位置が所定の閉位置L2である。脱衣室側のドア本体33を左方へ開動作させる場合、同図(a)の二点鎖線で示した位置がドア本体32,33の開位置L1である。浴室側のドア本体31の開位置は、同図(a)の状態から右方へ移動した位置である。
框30a,30b,30c,30dは、合成樹脂や金属の成形品、木材の加工品、等を用いることができ、塗装されていてもよい。
取付部材をドア本体31〜33の下部に取り付ける態様は、図3に示すように様々考えられる。
同図(a)に示す止水ユニット41は、取付部材50aの上面の浴室側及び脱衣室側から可撓性を有するフック状の爪41a,41aが上方へ突出している。一方、下框30dの浴室側及び脱衣室側の内壁には、取付部材取付時の爪41a,41aの基部に向かって互いに対向する水平方向へ延出した延出部30h,30hが形成されている。止水ユニット41をドア本体の凹部31a〜33aに挿入するとき、爪41a,41aが厚み方向D2内側への撓み動作の後に延出部30h,30hを乗り越えて係止するようにされている。一方、凹部31a〜33aから止水ユニット41を下方へ強く引っ張ると、爪41a,41aが厚み方向D2内側への撓み動作の後に延出部30h,30hを乗り越え、止水ユニット41がドア本体31〜33から外れる。
同図(c)に示す止水ユニット43は、取付部材50cにねじ穴が設けられている。一方、下框30dには、ねじ止め用の穴が形成されている。止水ユニット43を凹部31a〜33aに挿入すると、ねじ43aにより取付部材50cを下框30dに取り付けることができる。むろん、ねじ43aを外すと、止水ユニット43をドア本体31〜33から外すことができる。
また、止水部材60の長手方向両端部の上面62,62は、止水部材押下部材74,74の基部76,76に接触している。図4(c)に示すように、止水部材の端部上面62は、止水部材押下部材74側となるほど下がる傾斜面とされている。
ばね72は、上端が取付部材50の天井部内壁に取り付けられ、下端が止水部材60の上面に取り付けられている。ばね72が引っ張られた状態で取付部材50と止水部材60に取り付けられているため、止水部材60は、取付部材50に対して上方へ付勢された状態とされ、止水部材押下部材74で押されていないときに取付部材の長穴52で規制される上側の位置で保持される。
ばね172は、上端が取付部材150の天井部内壁に取り付けられ、下端が止水部材160の上面に取り付けられている。止水部材160は、ばね172に吊り下げられ、止水部材押下部材74で押されていないときに上側の位置で保持される。
図4に示す止水ユニット40は、例えば、取付部材の穴53,53に止水部材押下部材の押圧部75,75を入れ、取付部材50の天井部内壁と止水部材60の上面との間に引張コイルばね72を取り付け、取付部材の長穴51,51に止水部材の延出部61,61を挿入することにより、形成することができる。
図5(a)〜(c)に示す止水ユニット140は、例えば、取付部材の穴153に止水部材押下部材の押圧部175を入れ、取付部材150の天井部内壁と止水部材160の上面との間に引張コイルばね172を取り付けることにより、形成することができる。
以下、本浴室ドアの作用、効果を説明する。
中央のドア本体32が開位置L1にあるとき、押圧部75,75が押されていないので、図4(e)に示すようにばね72の付勢力により止水部材60が上がった状態となる。また、脱衣室側のドア本体33が開位置L1にあるとき、押圧部175が押されていないので、図5(a)に示すようにばね172の付勢力により止水部材160が上がった状態となる。すなわち、パッキン68が下枠22に接触していないので、ドア本体32,33を閉める操作を容易に行うことができる。
開位置L1にあるドア本体33を閉方向(図2の右方)へ動かすと、連動機構により中央のドア本体32も閉方向へ動く。同図(b)に示すようにドア本体32,33が閉方向へ移動している途中では、押圧部75,175が押されていないので、止水部材60,160は上がった状態のままである。
むろん、浴室側のドア本体31を開閉操作する場合も、同様のことが言える。
さらに、ばね72,172と止水部材押下部材74,174を備える止水部材高さ変更機構70,170により、ドア本体が閉位置にあるときに確実に止水することができる。
浴室ドアは、種々の変形例が考えられる。
引戸タイプの浴室ドアは、上吊式以外にも、止水部材と干渉しない限り、下戸車式等でもよい。
止水ユニットの取付部材は、筐体状の部材以外にも、枠状の部材等でもよい。
図4に示した止水ユニット40は、浴室側のドア本体の代わりに壁が設けられた浴室ドアの該壁に隣接するドア本体に設けてもよい。この場合、閉位置にあるドア本体に設けられた押圧部に向かう突出部を壁に設けてもよい。
図5(a)〜(c)に示した止水ユニット140は、二枚引戸や片引戸のドア本体に設けてもよい。
また、ドア枠の縦枠に突き当たった位置を閉位置とするドア本体に設置可能な止水ユニットは、図5と図6に示す止水ユニット240,340,440等、様々考えられる。
以上の構成により、止水部材260は、ドア本体が開位置にあるときにばね272の付勢力により上がった状態となり、ドア本体が閉位置にあるときに押圧部275が縦枠で押されることにより下がって下枠22上にパッキン68を接触させる状態となる。
本浴室ドア510は、上吊式の片引戸であり、浴室と脱衣室との間に設置したドア枠520に対して壁531と横滑り可能なドア本体532とを並行して配している。壁531には、閉位置L2にあるドア本体532に向かって該ドア本体の厚み方向D2へ突出した突出部531bが形成されている。
止水部材560は、下縁部に止水パッキン68を有し、止水部材載置部材574を貫通させる貫通穴562が形成されている。本止水部材560は、貫通穴562の上側部分563が止水部材載置部材574に支持され、延出部561,561が取付部材の長穴552,552に挿入していることにより、取付部材550に対して上下方向へスライド可能に設けられている。
また、閉位置L2にあるドア本体532を開方向に動かすと、押圧部575が突出部531bで押されなくなり、ばね572の付勢力により押圧部575が突出する方向へ止水部材載置部材574がスライドする。このとき、止水部材の貫通穴の上側部分563が案内部位574cを過ぎて第一の載置部位574a上となり、止水部材560が上がった状態となる。
本浴室ドア610も、上吊式の片引戸であり、浴室と脱衣室との間に設置したドア枠620に対して壁631と横滑り可能なドア本体632とを並行して配している。ドア枠の下枠622には、閉位置L2にあるドア本体632の下部に設けられた磁石又は磁性体674に合わせた位置に磁石622a、すなわち、磁力により引き合う力が作用する磁力作用部位が設けられている。
止水部材660は、下縁部に止水パッキン68を有し、上面に磁石又は磁性体674が固定されている。
ばね672は、上端が取付部材650の天井部内壁に取り付けられ、下端が磁石又は磁性体674の上面に取り付けられている。従って、止水部材660は、実質的にばね672に吊り下げられ、磁石又は磁性体674に引き合う力が作用していないときに上側の位置で保持される。
また、閉位置L2にあるドア本体632を開方向に動かすと、止水ユニットの磁石又は磁性体674とドア枠の磁石622aとが引き合う力が弱くなり、ばね672の付勢力により止水部材660が上がった状態となる。
本浴室ドア710は、ドア本体731がドア枠720に対して上下に向けた軸AX1を回転動作の中心としてドア枠720の面外に移動する開き戸とされている。図示の浴室ドア710は、右側の縦枠723近傍の軸AX1を中心としてドア本体731が図の上側へスイングするようにされている。
止水部材760は、下縁部に止水パッキン68を有し、長手方向の両端部(ドア本体731の下縁部に沿った両端部)760a,760bのうち軸AX1側となる端部760bの下部に切欠部762が形成されている。
ここで、止水部材端部載置部材774において止水部材の軸側端部760bを載置する面は、ドア本体731の開閉位置に応じて止水部材760を上下方向へスライドさせるように傾斜した面774aを有している。止水部材の軸側端部760bの下面は、止水部材760がドア枠720の面内にあるときの傾斜面774aに合わせた傾きの部分を有している。これにより、傾斜面774aは、ドア本体731が図の左側に示す閉位置L2から図の右側に示す開位置L1へ移動するときに止水部材760を上げる一方で、ドア本体731が開位置L1から閉位置L2へ移動するときに止水部材760を下げる傾斜とされている。
一方、開位置L1にあるドア本体731を閉方向に回転動作させると、傾斜面774aと軸側端部760b下面との接触面が多くなり、ばね772の付勢力により止水部材760が下がっていく。そして、閉位置L2でパッキン68が下枠722に接触した状態となる。
なお、上述した押圧部を有する止水ユニットを開き戸に適用することも可能である。例えば、閉位置にあるドア本体に向かって突出した突出部を図9の左側の縦枠723に設け、ドア本体が閉位置となったときに前記突出部でドア本体内側へ押される押圧部を有する止水ユニットをドア本体下部に設けると、浴室ドアを構成することができる。
本浴室ドア810は、折り動作可能に連結された第一のドア本体831と第二のドア本体832とを有している。第一のドア本体831は、ドア枠820に対して上下に向けた軸を回転動作の中心としてドア枠820の面外に移動するようにされている。第二のドア本体832は、第一のドア本体831に対して折り動作可能に連結されて該第一のドア本体831との連結部とは反対側の縁部がドア枠820の面内で移動可能とされている。
第二の止水ユニット842には、例えば、図5で示した止水ユニット140を用いることができる。すなわち、止水部材高さ変更機構170が引張コイルばね(第二のばね)172と止水部材押下部材174とを備える。
一方、閉位置にあるドア本体831,832を開方向へ動かすと、第一の止水ユニット841では、止水部材の軸側端部760bが止水部材端部載置部材774で持ち上げられ、止水部材760が上がっていく。第二の止水ユニット842では、押圧部175が押されなくなり、ばね172の付勢力により止水部材160が上方へスライドする。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
20…ドア枠、21…上枠、22…下枠、
30a,30b…縦框、30c…上框、30d…下框、30e…面材、
30f…ランナー部材、
31,32,33…ドア本体、31a,32a,33a…凹部、
31b,33b,531b…突出部、
40〜43,140…止水ユニット、
50,150…取付部材、
60,160…止水部材、68…止水パッキン、
70,170…止水部材高さ変更機構、
72…引張コイルばね、
74,174…止水部材押下部材、75,175…押圧部、
172…引張コイルばね(第二のばね)、
572…圧縮コイルばね、
574…止水部材載置部材、575…押圧部、
574a…第一の載置部位、574b…第二の載置部位、574c…案内部位、
622a…磁石(磁力作用部位)、
672…引張コイルばね、674…磁石又は磁性体、
710…開き戸タイプの浴室ドア、
762…切欠部、
772…圧縮コイルばね(第一のばね)、774…止水部材端部載置部材、
810…折戸タイプの浴室ドア、
831…第一のドア本体、832…第二のドア本体、
841…第一の止水ユニット、842…第二の止水ユニット、
AX1…軸、
D1…開閉方向、D2…厚み方向、
L1…開位置、L2…閉位置、
R1…脱衣室、
Claims (2)
- 浴室のドア枠に対して開閉動作可能に設けられたドア本体と、
該ドア本体の下部に設けられた止水ユニットとを備え、
該止水ユニットは、
前記ドア本体の下部に取り付けられた取付部材と、
下縁部に止水用のパッキンを有し、前記取付部材に対して上下方向へスライド可能とされた止水部材と、
前記ドア本体が開位置にあるときに前記止水部材を上げた状態とする一方で前記ドア本体が閉位置にあるときに前記止水部材を下げた状態として前記ドア枠の下枠上に前記パッキンを接触させるように前記止水部材を上下方向へスライドさせる止水部材高さ変更機構とを備え、
前記ドア本体は、前記ドア枠に対して上下に向けた軸を回転動作の中心として前記ドア枠の面外に移動する第一のドア本体と、該第一のドア本体に対して折り動作可能に連結されて該第一のドア本体との連結部とは反対側の縁部が前記ドア枠の面内で移動可能とされた第二のドア本体とを有し、
前記止水ユニットは、前記第一のドア本体の下部に設けられた第一の止水ユニットと、前記第二のドア本体の下部に設けられた第二の止水ユニットとを有し、
前記第一の止水ユニットの前記止水部材は、前記第一のドア本体の下縁部に沿った両端部のうち前記軸側となる端部の下部に切欠部が形成され、
前記第一の止水ユニットの前記止水部材高さ変更機構は、前記第一のドア本体の回転動作の中心となる軸の近傍で前記ドア枠に固定されて前記切欠部の位置で前記止水部材の前記軸側の端部を載置する止水部材端部載置部材と、前記止水部材を下方へ付勢する第一のばねとを備え、
前記第一の止水ユニットの前記止水部材端部載置部材において前記止水部材の前記軸側の端部を載置する面は、前記第一のドア本体が前記閉位置から前記開位置へ移動するときに前記止水部材を上げる一方で前記第一のドア本体が前記開位置から前記閉位置へ移動するときに前記止水部材を下げるように傾斜した面を有し、
前記第二の止水ユニットの前記止水部材高さ変更機構は、前記止水部材を上方へ付勢する第二のばねと、前記第二のドア本体から外側へ突出して該第二のドア本体が前記閉位置となったときに該第二のドア本体の内側へ押される押圧部を有して該押圧部が押されると前記止水部材を下方へ押して前記パッキンを前記下枠上に接触させる止水部材押下部材とを備えることを特徴とする浴室ドア。 - 前記ドア本体は、前記下枠に対向する部位に上方へ凹んだ凹部が形成された框を有し、
前記取付部材は、前記凹部に収容されて前記框に対して着脱可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の浴室ドア。
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