JP5089216B2 - 車両撮影装置及び自動料金収受システム及び車両撮影方法 - Google Patents

車両撮影装置及び自動料金収受システム及び車両撮影方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両撮影装置及び自動料金収受システム及び車両撮影方法に関するものである。本発明は、特に、自動料金収受レーンにおいて通行料金を支払わずに不正に通行する車両(以下、「不正車両」という)を撮影する車両撮影装置に関するものである。
現在、高速道路などの有料道路において、料金所に設置された路側機と車両に搭載された車載器との間で無線通信を行い、ノンストップのまま通行料金を自動収受する自動料金収受システムが普及している。自動料金収受システムは、ETC(Electronic・Toll・Collection)システムとも呼ばれる。
ETCシステムは有料道路の各IC(インターチェンジ)に設置されているが、自動料金収受レーン(以下、「ETCレーン」という)において故意に通行料金を支払わずに通行する不正車両の数が増えてきている。そこで、不正車両の数を減らすために、不正車両を撮影するカメラをETCレーンに設置することが検討されている。ETCレーンに設置するカメラは、不正車両やそのドライバーを特定することができる程度に高精細な画像を撮影できるものでなければならない。具体的には、不正車両のナンバプレートやドライバーの顔などを認識可能なものでなければならない。しかし、そのような高精細な画像を常時撮影し、記録媒体に保管しておくとなると、膨大なコストがかかってしまう。そこで、不正車両が通行するタイミングにだけ画像を撮影する仕組みが必要となる。
通常、ETCレーンの出口には、正常に料金収受が行われた場合にのみ開く阻止棒(「開閉棒」ともいう)が設置されている。不正車両がETCレーンを通行する際には、正常に料金収受が行われないので、阻止棒は閉じたままとなる。そのため、不正車両は阻止棒を突破するか、あるいは、阻止棒を擦り抜けてETCレーンを通行する(例えば、軽自動車や二輪車は阻止棒の下や隙間を通り抜けることができる場合がある)ことになる。従来、阻止棒に具備された検知器で不正車両が阻止棒を突破したことを検知し、その検知信号をカメラに入力することで、不正車両を撮影するタイミングを制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−234875号公報
従来技術では、阻止棒の検知器で不正車両が阻止棒を突破したことを検知するのに時間がかかるという課題があった。また、従来技術では、阻止棒を擦り抜けてETCレーンを通行する不正車両を検知できないという課題があった。
本発明は、例えば、不正車両が阻止棒を通過しようとしている間に不正車両を撮影することを目的とする。また、本発明は、例えば、阻止棒を擦り抜けてETCレーンを通行する不正車両を検知することを目的とする。
本発明の一の態様に係る車両撮影装置は、
車両に搭載された車載器との無線通信により料金の収受処理を行う料金収受処理部と、
前記料金収受処理部により前記収受処理が正常に行われた場合には、前記車両の進行方向に設置された開閉棒を開いた状態に制御し、前記収受処理が正常に行われなかった場合には、前記開閉棒を閉じた状態に制御する開閉棒制御部と、
前記車両が前記開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影する第1の撮影部と、
前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行って、前記車両が前記開閉棒を通過し始めたかどうかを判定する画像認識処理部と、
前記画像認識処理部により前記車両が前記開閉棒を通過し始めたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶する第2の撮影部とを備えることを特徴とする。
本発明の一の態様によれば、車両撮影装置において、第1の撮影部が、車両が開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影し、画像認識処理部が、前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行い、第2の撮影部が、前記画像認識処理部により前記車両が前記開閉棒を通過し始めたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影することにより、例えば、不正車両が阻止棒を通過しようとしている間に不正車両を撮影することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1及び図2は、本実施の形態に係るETCシステム100(自動料金収受システム)の構成例を示す概念図である。
図1及び図2において、有料道路の料金所に設置されたETCシステム100は、アンテナ101、路側機102、発進制御機103、阻止棒104(開閉棒)、車両検知器105、カメラA106、カメラ制御機107、カメラB108を備えている。路側機102、発進制御機103、カメラA106、カメラ制御機107、カメラB108は、車両撮影装置200を構成しており、これらは通信回線(有線又は/及び無線)を介して接続されている。アンテナ101は、料金所のETCレーン109を跨ぐように設けられた門型の支持体110に取り付けられている。路側機102、発進制御機103、阻止棒104、車両検知器105、カメラA106、カメラ制御機107、カメラB108は、ETCレーン109を別のレーンなどと分離する通行不可帯111の上に設けられている。
車両112(二輪車を含む)は、ETCレーン109を図中の太線矢印方向に走行する。車両112が支持体110の下を通過する際に、車両112に搭載された車載器113は、支持体110に取り付けられたアンテナ101を介して路側機102と無線通信を行う。路側機102は、無線通信により車載器113から取得したクレジット情報などに基づいて、料金収受処理を行う。路側機102は、料金収受処理の結果として、少なくともその処理が正常に完了したかどうかを発進制御機103に通知する。このとき、阻止棒104は閉じているものとする(図1の(a)の状態)。発進制御機103は、路側機102から料金収受処理が正常に完了したことを通知された場合、阻止棒104を上方向に開く(図1の(b)の状態)。車両検知器105は、車両112の通過を検知し、検知信号を発進制御機103に発信する。発進制御機103は、車両検知器105からの検知信号を受けて阻止棒104を再び閉じる。
カメラA106は、ETCレーン109を監視するために、阻止棒104の位置する撮像エリア114を常時ビデオ撮影しているか、又は、短いインターバルでコマ撮りしている。カメラA106は、車両112がETCレーン109を通過する際には、車両112の動画像を撮影することになる。
カメラ制御機107は、カメラA106が撮影した車両112の動画像に対し、画像認識処理を行う。カメラ制御機107は、撮像エリア114に車両112が到達した時点で、画像認識処理により、車両112が阻止棒104を通過し始めたことを検知する。そして、カメラB108に車両112の撮影を指示する。ここで、カメラ制御機107は、路側機102から、車両112の画像の撮影を指示する撮影信号を受信していた場合にのみ、カメラB108に車両112の撮影を指示してもよい。この撮影信号は、路側機102が通行料金の収受処理を正常に行えなかった(例えば、ETCカードの未挿入、認証失敗など)場合に路側機102から発信されるものとする。
カメラ制御機107は、車両112が阻止棒104を通過し始めたことを検知したときに、画像認識処理により、阻止棒104が上方向に開いているか、それとも車両112の進行方向に開いているかを判定してもよい。車両112が阻止棒104を通過し始めた時点で阻止棒104が上方向に開いているということは(図1の(b)の状態)、路側機102による料金収受処理が正常に完了したということである。一方、車両112が阻止棒104を通過し始めた時点で阻止棒104が車両112の進行方向に開いているということは(図2の(a)の状態)、車両112が阻止棒104を突破しようとしているということである。この場合、車両112は不正車両だと推定できる。したがって、カメラ制御機107は、阻止棒104が車両112の進行方向に開いていると判定した場合にのみ、カメラB108に車両112の撮影を指示すればよい。
また、カメラ制御機107は、車両112が阻止棒104を通過し始めたことを検知したときに、画像認識処理により、阻止棒104が開いているか、閉じているかを判定してもよい。車両112が阻止棒104を通過し始めた時点で阻止棒104が開いているということは(図1の(b)の状態)、路側機102による料金収受処理が正常に完了したということである。一方、車両112が阻止棒104を通過し始めた時点で阻止棒104が閉じているということは(図2の(b)の状態)、車両112が阻止棒104を擦り抜けようとしているということである。この場合、車両112は不正車両だと推定できる。したがって、カメラ制御機107は、阻止棒104が閉じていると判定した場合にのみ、カメラB108に車両112の撮影を指示すればよい。
カメラB108は、カメラ制御機107からの指示を受けてETCレーン109を走行する車両112の静止画像を撮影する。この静止画像は、カメラA106が撮影する動画像より高精細なものとする。具体的には、車両112のナンバプレートやドライバーの顔などを認識可能なものとする。
図3は、車両撮影装置200の構成を示すブロック図である。
図3において、車両撮影装置200は、伝送部201、料金収受処理部202、開閉棒制御部203、第1の撮影部204、画像認識処理部205、第2の撮影部206を備えている。
伝送部201は、上位装置300と通信回線を介して接続される。上位装置300は、車両112の画像を蓄積する記憶装置301、記憶装置301に蓄積された車両112の画像を表示する表示装置302、車両撮影装置200を構成する機器(路側機102、発進制御機103、カメラA106、カメラ制御機107、カメラB108)の動作状態を監視する監視装置303などを備える。上位装置300は、料金所に設置されてもよいし、遠隔地の管理センタなどに設置されてもよい。
料金収受処理部202は、前述した例では路側機102に実装されており、ETCシステム100における料金の収受処理を行うとともに、その処理の正常/異常を判定する。
開閉棒制御部203は、前述した例では発進制御機103に実装されており、料金収受処理部202により収受処理が正常に行われた場合には、車両112の進行方向に設置された阻止棒104を上方向(車両112の進行方向以外の方向である所定の方向の一例)に開いた状態に制御する。一方、開閉棒制御部203は、料金収受処理部202により収受処理が正常に行われなかった場合には、阻止棒104を閉じた状態に制御する。
第1の撮影部204は、前述した例ではカメラA106に実装されており、遅くとも車両112が阻止棒104を通過し始める前の任意の時点から一定時間、車両112の画像を撮影する。第1の撮影部204は、車両112の画像として、車両112が阻止棒104を通過する際には阻止棒104の少なくとも一部が写る範囲を撮影するものとする。前述した例では、第1の撮影部204は、ETCレーン109の撮像エリア114を常時ビデオ撮影又はコマ撮りしている。つまり、第1の撮影部204は、撮像エリア114の動画像を撮影する。この動画像は、阻止棒104を常時写しており、車両112が阻止棒104を通過する際には当然に車両112(車両112が阻止棒104を通過する様子)を写したものとなる。
画像認識処理部205は、前述した例ではカメラ制御機107に実装されており、第1の撮影部204により撮影された画像の認識処理を行って、車両112が阻止棒104を通過し始めたかどうかを判定する。このように、車両112が阻止棒104を通過し始めたかどうかを、画像の認識処理により判定することで、画像認識処理部205は、車両112が阻止棒104を通過し始めたときに、それを即時に認識することができる。
画像の認識処理は、専用のソフトウェア処理として実装することができる。具体的には、画像認識処理部205は、予め阻止棒104の閉じた状態での位置やETCレーン109の移動物体がない状態の画像を記録媒体に記録しておく。そして、記録媒体に記録したETCレーン109の画像と第1の撮影部204により撮影された画像とを比較することで、ETCレーン109を移動する車両112を認識する。その後、画像認識処理部205は、記録媒体に記録した阻止棒104の位置と認識した車両112の位置とが重なった時点で、車両112が阻止棒104を通過し始めたと判定する。このとき、画像認識処理部205は、阻止棒104の位置を認識して記録媒体に記録した阻止棒104の位置と比較することで、阻止棒104の開閉状態や阻止棒104がどの方向に開いているかを判定することもできる。
第2の撮影部206は、前述した例ではカメラB108に実装されており、画像認識処理部205により車両112が阻止棒104を通過し始めたと判定された場合、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影する。このとき、第2の撮影部206は、第1の撮影部204より高精細な静止画像を撮影する。第2の撮影部206は、第1の撮影部204より高精細な画像であれば、静止画像ではなく、動画像を撮影してもよい。また、第2の撮影部206は、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の静止画像を複数枚撮影してもよい。第2の撮影部206は、車両112の画像として、阻止棒104の少なくとも一部が写る範囲を撮影するものとする。前述した例では、第2の撮影部206は、ETCレーン109の撮像エリア114の静止画像を撮影する。この静止画像は、車両112及び阻止棒104(車両112が阻止棒104を通過する様子)を写したものとなる。第2の撮影部206が、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影することができるのは、前述したように、画像認識処理部205が、車両112が阻止棒104を通過し始めたときに、画像の認識処理によってそれを即時に認識することができるからである。
画像認識処理部205は、第1の撮影部204により撮影された画像の認識処理を行って、阻止棒104が上方向と車両112の進行方向とのいずれの方向に開き始めたかを判定してもよい。この場合、第2の撮影部206は、画像認識処理部205により阻止棒104が車両112の進行方向に開き始めたと判定された場合(即ち、車両112が不正車両であると推定された場合)、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影する。第2の撮影部206が、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影することができるのは、画像認識処理部205が、阻止棒104が車両112の進行方向に開き始めたときに、画像の認識処理によってそれを即時に認識することができるからである。
画像認識処理部205は、第1の撮影部204により撮影された画像の認識処理を行って、車両112が阻止棒104を通過し始めた時点における阻止棒104の開閉状態を判定してもよい。この場合、第2の撮影部206は、画像認識処理部205により車両112が阻止棒104を通過し始めた時点にて阻止棒104が閉じていたと判定された場合(即ち、車両112が不正車両であると推定された場合)、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影する。第2の撮影部206が、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を撮影することができるのは、画像認識処理部205が、車両112が阻止棒104を通過し始めたときに、画像の認識処理によってそれを即時に認識するとともに、そのときの阻止棒104の開閉状態を即時に判定することができるからである。
第2の撮影部206は、撮影した画像を、伝送部201を介して上位装置300に送信し、上位装置300の記憶装置301に記憶する。
車両撮影装置200を構成する機器のうち、少なくともカメラ制御機107は、ROM(Read・Only・Memory)、磁気ディスク、フラッシュメモリなどの記録媒体、CPU(Central・Processing・Unit)などの処理装置、素子・デバイス・基板・配線などのその他のハードウェアを備える。
本実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。即ち、「〜部」として説明するものは、例えば、ROMに記憶されたファームウェアで実現される。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現される。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フラッシュメモリなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
図4は、本実施の形態に係る車両撮影方法の一例を示すフローチャートである。
車両112がETCレーン109に進入してくると、路側機102(料金収受処理部202)は、車両112に搭載された車載器113との無線通信により料金の収受処理を行う(ステップS101)。
路側機102は、ステップS101で料金の収受処理が正常終了した場合には、阻止棒104を開くように発進制御機103(開閉棒制御部203)に指示する。発進制御機103は、この指示を受けて阻止棒104を上方向に開いた状態(図1の(b)の状態)に制御する(ステップS102)。これにより、車両112は阻止棒104を正常に通過することができる。
路側機102は、ステップS101で料金の収受処理が異常終了した場合には、阻止棒104を閉じるように発進制御機103に指示する(又は何も指示しない)とともに、撮影信号をカメラ制御機107(画像認識処理部205)に発信する。カメラ制御機107は、この撮影信号を受信して記録媒体に記録しておく(ステップS103)。
車両112がETCレーン109を通行している間の一定期間、カメラA106(第1の撮影部204)は、車両112の動画像を撮影し続ける。カメラ制御機107は、この動画像の認識処理を行って、車両112が阻止棒104を通過し始めたかどうかを判定する(ステップS104)。
カメラ制御機107は、ステップS104で車両112が阻止棒104を通過し始めたと判定した場合、ステップS103で撮影信号を受信していたかどうか、即ち、記録媒体に撮影信号(又は撮影信号を受信したこと)が記録されているかどうかを確認する(ステップS105)。
カメラ制御機107は、ステップS105で記録媒体に撮影信号が記録されていないことを確認した場合、カメラA106により撮影された動画像の認識処理を行って、車両112が阻止棒104を通過し始めた時点における阻止棒104の開閉状態を判定する(ステップS106)。
カメラ制御機107は、ステップS106で車両112が阻止棒104を通過し始めた時点において阻止棒104が開いていたと判定した場合、カメラA106により撮影された動画像の認識処理を行って、阻止棒104が上方向と車両112の進行方向とのいずれの方向に開き始めたかを判定する(ステップS107)。
カメラ制御機107は、ステップS105で記録媒体に撮影信号が記録されていることを確認したか、あるいは、ステップS106で車両112が阻止棒104を通過し始めた時点において阻止棒104が閉じていた(図2の(b)の状態)と判定したか、あるいは、ステップS107で阻止棒104が車両112の進行方向に開き始めた(図2の(a)の状態)と判定した場合に、カメラB108に車両112の撮影を指示する。カメラB108は、この指示を受けてすぐに車両112の静止画像を撮影する(ステップS108)。カメラ制御機107は、この静止画像を、伝送部201を介して上位装置300に送信し、上位装置300の記憶装置301に記憶する。このとき、カメラ制御機107は、さらに、カメラA106により撮影された車両112の動画像を、伝送部201を介して上位装置300に送信し、上位装置300の記憶装置301に記憶してもよい。また、カメラ制御機107は、さらに、カメラB108により車両112の静止画像が撮影された時刻に関する時刻情報や路側機102により車載器113から受信された情報や路側機102により収受された料金に関する料金情報などを、伝送部201を介して上位装置300に送信し、上位装置300の記憶装置301に記憶してもよい。これにより、管理者などが後で不正車両による不正の状況を確認、参照することが可能となる。
車両112が阻止棒104のすぐ後に設けられた車両検知器105の位置を通過すると、車両検知器105は、車両112が通過したことを検知して検知信号を発進制御機103に発信する(ステップS109)。発進制御機103は、車両検知器105からの検知信号を受信すると、阻止棒104を閉じた状態に制御する(ステップS110)。
カメラ制御機107は、ステップS105〜S107の処理を省略し、あるいは、いずれか1つ又は2つのみを実行してもよい。
このように、本実施の形態では、第1の撮影部204が、少なくとも車両112が阻止棒104を通過し始める前の任意の時点から一定時間、車両112の画像を撮影しており、第2の撮影部206が、画像認識処理部205により車両112が阻止棒104を通過し始めたと判定された場合、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の高精細な画像を撮影するため、例えば、不正車両が阻止棒104を通過しようとしている間に不正車両を撮影することが可能となる。
また、本実施の形態では、第2の撮影部206が、画像認識処理部205により阻止棒104が車両112の進行方向に開き始めたと判定された場合、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の高精細な画像を撮影するため、例えば、阻止棒104を突破してETCレーン109を通行する不正車両を瞬時に検知し、その不正車両が阻止棒104を突破する瞬間の画像を撮影することが可能となる。
また、本実施の形態では、第2の撮影部206が、画像認識処理部205により車両112が阻止棒104を通過し始めた時点にて阻止棒104が閉じていたと判定された場合、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の高精細な画像を撮影するため、例えば、阻止棒104を擦り抜けてETCレーン109を通行する不正車両を瞬時に検知し、その不正車両が阻止棒104を擦り抜ける瞬間の画像を撮影することが可能となる。
従来は、ETCレーン109を不正に走行する不正車両の静止画像では、不正の状況(例えば、阻止棒104を不正車両が強制突破している瞬間)の画像を取得することが困難であった。また、不正車両の画像を取得するタイミングにばらつきがあり、鮮明な画像が得にくかった。これに対し、本実施の形態では、例えば、カメラA106から、阻止棒104の位置に不正車両が移動してきたときに阻止棒104が不正車両の進行方向に開く状況の連続的な画像の取り込みをカメラ制御機107が行い、阻止棒104が閉じた状態から不正車両の進行方向に開いた状態となったことを専用のソフトウェア処理により高速に検出することができるため、カメラ制御機107がカメラB108の撮影のタイミングを不正車両が阻止棒104の位置に着いたタイミングとほぼ同じタイミングに制御することが可能となる。これにより、不正車両の撮影位置のずれを無くし、カメラB108で取得する画像が不鮮明になること(いわゆる「ピンぼけ」)を抑止することも可能となる。また、阻止棒104の位置を不正車両が通過する際に、阻止棒104が閉じたまま、状態に変化がない場合でも、カメラ制御機107が専用のソフトウェア処理により不正車両の通過を高速に判定することができるため、カメラB108で確実、かつ、迅速に不正車両の撮影を行うことが可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図5は、本実施の形態に係るETCシステム100の構成例を示す概念図である。
図5において、ETCシステム100は、実施の形態1で図1及び図2に示したもののほか、カメラC115を備えている。カメラC115は、路側機102、発進制御機103、カメラA106、カメラ制御機107、カメラB108とともに、車両撮影装置200を構成しており、これらは通信回線(有線又は/及び無線)を介して接続されている。カメラC115は、カメラB108と同様に、通行不可帯111の上に設けられているが、カメラB108が阻止棒104の位置より後(車両112の進行方向に対して後)に配置されているのに対し、カメラC115は阻止棒104の位置より前(車両112の進行方向に対して前)に配置されている。これは、阻止棒104の位置に車両112が差し掛かった際に、カメラB108が車両112の前方からの画像を取得し、カメラC115が車両112の後方からの画像を取得するためである。これにより、車両112の前方画像と後方画像を同時に取得することができる。
カメラ制御機107は、実施の形態1と同様に、カメラA106が撮影した車両112の動画像に対し、画像認識処理を行った結果に基づき、カメラB108に車両112の撮影を指示する。
カメラC115は、カメラ制御機107からの指示を受けてETCレーン109を走行する車両112の静止画像を車両112の後方から撮影する。この静止画像は、カメラB108が撮影するものと同様に、カメラA106が撮影する動画像より高精細なものとする。具体的には、車両112の後部に設けられたナンバプレートなどを認識可能なものとする。
図6は、車両撮影装置200の構成を示すブロック図である。
図6において、車両撮影装置200は、実施の形態1で図3に示したもののほか、第3の撮影部207を備えている。
第2の撮影部206は、実施の形態1と同様に、車両112の画像を車両112の進行方向から撮影する。
第3の撮影部207は、前述した例ではカメラC115に実装されており、第2の撮影部206により車両112の画像が撮影される場合(即ち、画像認識処理部205による所定の判定の結果に応じて)、車両112が阻止棒104を通過し終わる前に車両112の画像を車両112の進行方向の逆方向から撮影する。このとき、第3の撮影部207は、第1の撮影部204より高精細な静止画像を撮影する。第3の撮影部207は、第2の撮影部206と同じタイミングで車両112の画像を撮影することが望ましい。
第3の撮影部207は、第2の撮影部206と同様に、撮影した画像を、伝送部201を介して上位装置300に送信し、上位装置300の記憶装置301に記憶する。
このように、本実施の形態では、第3の撮影部207が、第2の撮影部206により車両112の前方からの画像が撮影されるときに、車両112の後方からの画像を撮影するため、例えば、後部のみにナンバプレートを備えた不正車両(特に、二輪車)をより確実に特定することが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図7は、本実施の形態に係るETCシステム100の構成例を示す概念図である。
図7において、ETCシステム100は、実施の形態1で図1及び図2に示したもののほか、光センサA116、光センサB117、軸センサ118を備えている。光センサA116、光センサB117は、車両検知器105と同様に、通行不可帯111の上に設けられているが、車両検知器105が阻止棒104の位置より後(車両112の進行方向に対して後)に配置されているのに対し、光センサA116、光センサB117は路側機102の位置より前(車両112の進行方向に対して前)に配置されている。光センサA116と光センサB117とは、予め決められた間隔を空けて配置されているものとする。軸センサ118も路側機102の位置より前に配置されているが、通行不可帯111の上ではなく、ETCレーン109の道路に埋設される。
車両112は、支持体110の下を通過する前に、光センサA116、光センサB117、軸センサ118を通過する。このとき、光センサA116、光センサB117は、車両112の通過を検知し、検知信号を路側機102に発信する。軸センサ118も、車両112の軸(車輪)を検知し、検知信号を路側機102に発信する。路側機102は、光センサA116、光センサB117からの検知信号を受けて車両112の全長を計測する。また、軸センサ118からの検知信号を受けて車両112の軸数を計測する。
車両112が支持体110の下を通過する際に、車両112に搭載された車載器113は、実施の形態1と同様に、支持体110に取り付けられたアンテナ101を介して路側機102と無線通信を行う。路側機102は、無線通信により車載器113からクレジット情報とともに車両情報を取得する。車両情報には、車種など、車両112に関する情報が含まれており、この情報に応じて路側機102で収受される料金が決められる。虚偽の車両情報を用いることで正規料金より安い料金でETCレーン109を通行する車両112は、不正車両に該当する。そこで、路側機102は、光センサA116、光センサB117、軸センサ118からの検知信号を基に計測した車両112の全長や軸数を、無線通信により車載器113から取得した車両情報と照合し、その車両情報が虚偽のものでないかどうかを判定する。その上で、路側機102は、無線通信により車載器113から取得したクレジット情報などに基づいて、料金収受処理を行う。路側機102は、無線通信により車載器113から取得した車両情報が虚偽のものであると判定した場合には、料金収受処理の結果として、その処理が正常に完了しなかったことを発進制御機103に通知する。
図8は、車両撮影装置200の構成を示すブロック図である。
図8において、車両撮影装置200は、実施の形態1で図3に示したもののほか、特徴検出部208を備えている。
特徴検出部208は、前述した例では路側機102に実装されており、車両112の特徴を検出する。車両112の特徴とは、前述した例では車両112の全長や軸数である。
料金収受処理部202は、車両112に搭載された車載器113から車両112の特徴を示す車両情報を受信する。そして、受信した車両情報が示す特徴と特徴検出部208により検出された特徴とが一致しない場合、車両112の画像の撮影を指示する撮影信号を出力する。
第2の撮影部206は、料金収受処理部202により撮影信号が出力された場合、車両112の画像を撮影する。
このように、本実施の形態では、料金収受処理部202により車載器113から受信された車両情報が示す特徴と特徴検出部208により検出された特徴とが一致しない場合にも、第2の撮影部206が、車両112の画像を撮影するため、例えば、大型車であるにもかかわらず、小型車であることを示す車両情報を車載器113に登録しているような車両112も、不正車両として認識し、その車両112の画像を撮影することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
実施の形態1に係る自動料金収受システムの構成例を示す概念図である。 実施の形態1に係る自動料金収受システムの構成例を示す概念図である。 実施の形態1に係る車両撮影装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る車両撮影方法の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る自動料金収受システムの構成例を示す概念図である。 実施の形態2に係る車両撮影装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る自動料金収受システムの構成例を示す概念図である。 実施の形態3に係る車両撮影装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 ETCシステム、101 アンテナ、102 路側機、103 発進制御機、104 阻止棒、105 車両検知器、106 カメラA、107 カメラ制御機、108 カメラB、109 ETCレーン、110 支持体、111 通行不可帯、112 車両、113 車載器、114 撮像エリア、115 カメラC、116 光センサA、117 光センサB、118 軸センサ、200 車両撮影装置、201 伝送部、202 料金収受処理部、203 開閉棒制御部、204 第1の撮影部、205 画像認識処理部、206 第2の撮影部、207 第3の撮影部、208 特徴検出部、300 上位装置、301 記憶装置、302 表示装置、303 監視装置。

Claims (9)

  1. 車両に搭載された車載器との無線通信により料金の収受処理を行う料金収受処理部と、
    前記料金収受処理部により前記収受処理が正常に行われた場合には、前記車両の進行方向に設置された開閉棒を前記進行方向以外の所定の方向に開いた状態に制御し、前記収受処理が正常に行われなかった場合には、前記開閉棒を閉じた状態に制御する開閉棒制御部と、
    前記車両が前記開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影する第1の撮影部と、
    前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行って、前記開閉棒が前記所定の方向と前記進行方向とのいずれの方向に開き始めたかを判定する画像認識処理部と、
    前記画像認識処理部により前記開閉棒が前記進行方向に開き始めたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶する第2の撮影部とを備えることを特徴とする車両撮影装置。
  2. 車両に搭載された車載器との無線通信により料金の収受処理を行う料金収受処理部と、
    前記料金収受処理部により前記収受処理が正常に行われた場合には、前記車両の進行方向に設置された開閉棒を開いた状態に制御し、前記収受処理が正常に行われなかった場合には、前記開閉棒を閉じた状態に制御する開閉棒制御部と、
    前記車両が前記開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影する第1の撮影部と、
    前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行って、前記車両が前記開閉棒を通過し始めた時点における前記開閉棒の開閉状態を判定する画像認識処理部と、
    前記画像認識処理部により前記車両が前記開閉棒を通過し始めた時点にて前記開閉棒が閉じていたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶する第2の撮影部とを備えることを特徴とする車両撮影装置。
  3. 前記第2の撮影部は、前記第1の撮影部より高精細な画像を撮影することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両撮影装置。
  4. 前記第1の撮影部は、前記車両の動画像を撮影し、
    前記第2の撮影部は、前記車両の静止画像を撮影することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の車両撮影装置。
  5. 前記第2の撮影部は、前記車両の画像を前記進行方向から撮影し、
    前記車両撮影装置は、さらに、
    前記第2の撮影部により前記車両の画像が撮影される場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を前記進行方向の逆方向から撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶する第3の撮影部を備えることを特徴とする請求項1からまでのいずれかに記載の車両撮影装置。
  6. 前記車両撮影装置は、さらに、
    前記車両の特徴を検出する特徴検出部を備え、
    前記料金収受処理部は、前記車載器から前記車両の特徴を示す車両情報を受信し、受信した車両情報が示す特徴と前記特徴検出部により検出された特徴とが一致しない場合、前記車両の画像の撮影を指示する撮影信号を出力し、
    前記第2の撮影部は、前記料金収受処理部により前記撮影信号が出力された場合、前記車両の画像を撮影することを特徴とする請求項1からまでのいずれかに記載の車両撮影装置。
  7. 請求項1からまでのいずれかに記載の車両撮影装置と開閉棒とを有料道路の料金所に設置したことを特徴とする自動料金収受システム。
  8. 車両撮影装置の料金収受処理部が、車両に搭載された車載器との無線通信により料金の収受処理を行い、
    前記車両撮影装置の開閉棒制御部が、前記料金収受処理部により前記収受処理が正常に行われた場合には、前記車両の進行方向に設置された開閉棒を開いた状態に制御し、前記収受処理が正常に行われなかった場合には、前記開閉棒を閉じた状態に制御し、
    前記車両撮影装置の第1の撮影部が、前記車両が前記開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影し、
    前記車両撮影装置の画像認識処理部が、前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行って、前記車両が前記開閉棒を通過し始めた時点における前記開閉棒の開閉状態を判定し、
    前記車両撮影装置の第2の撮影部が、前記画像認識処理部により前記車両が前記開閉棒を通過し始めた時点にて前記開閉棒が閉じていたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶することを特徴とする車両撮影方法。
  9. 車両撮影装置の料金収受処理部が、車両に搭載された車載器との無線通信により料金の収受処理を行い、
    前記車両撮影装置の開閉棒制御部が、前記料金収受処理部により前記収受処理が正常に行われた場合には、前記車両の進行方向に設置された開閉棒を前記進行方向以外の所定の方向に開いた状態に制御し、前記収受処理が正常に行われなかった場合には、前記開閉棒を閉じた状態に制御し、
    前記車両撮影装置の第1の撮影部が、前記車両が前記開閉棒を通過し始める前の任意の時点から一定時間、前記車両の画像を撮影し、
    前記車両撮影装置の画像認識処理部が、前記第1の撮影部により撮影された画像の認識処理を行って、前記開閉棒が前記所定の方向と前記進行方向とのいずれの方向に開き始めたかを判定し、
    前記車両撮影装置の第2の撮影部が、前記画像認識処理部により前記開閉棒が前記進行方向に開き始めたと判定された場合、前記車両が前記開閉棒を通過し終わる前に前記車両の画像を撮影し、撮影した画像を記憶装置に記憶することを特徴とする車両撮影方法。
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