JP5088112B2 - パーマネントカソードの運搬装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属電解精錬用のパーマネントカソードの補修作業に際して、パーマネントカソードを預け台と作業台の間で運搬するために用いられる運搬装置に関する。
銅などの非鉄金属の電解精錬では、電解槽にカソードとアノードを約30mmの狭い間隔で交互に並べて装入し、電解槽に電解液を満たして通電することにより、カソードの両面に目的とする金属を電着させる。
従来、カソードとして、目的とする金属と同じ金属からなる種板を使用し、約10〜20mmの厚さの製品を得ていた。
しかし、近年、かかる種板に代えて、約3mmの厚さで、ステンレス等の金属からなるパーマネントカソードを使用し、10mm以上の厚さの製品を得ることが主流となっている。
パーマネントカソードは、縦横が約1mの大きさの電極部と、該電極部の上端部にボルト締めにより取り付けられたクロスビームと、該電極部の側辺に取り付けられたプラスチック製の絶縁プロテクタとからなる構造を有しており、全体の質量は50kg程度である。絶縁プロテクタは、前記電極部の表面に電着した両面の金属同士の接触を防止するためのものである。パーマネントカソードは、通電後に電着物が剥ぎ取られ、再び、電解槽に挿入されて、繰り返し使用される。
パーマネントカソードの使用により、種板の組立てが不要になり、懸垂性がよく、電解槽上での作業もほとんど不要になるなど、作業の省力化がもたらされている。また、極間を短縮でき、電流密度の引き上げにより、種板の使用と比較して、より効率的な電解精錬が可能となっている。
しかし、パーマネントカソードは、その繰り返しの使用により、機械的な衝撃を受けることのほか、腐食や劣化などの種々の原因によって、破損することがある。特に、絶縁プロテクタは、破損しやすく、補修の頻度も多くなりがちである。絶縁プロテクタの交換のほかにも、クロスビームの電極との接合面の研磨、曲がった電極部の矯正といった補修作業が要求される。
これらの補修作業は、電解工程と電着物剥ぎ取り工程を結ぶラインから外れた作業台の上で行われる。したがって、補修に際しては、クレーン等を用いて、電着物剥ぎ取り工程から電解工程へ戻すラインから、補修が必要なパーマネントカソードを抜き出して、預け台に並べ、預け台から作業台まで移動させて、補修後に、作業台から預け台を介してラインに戻す作業が必要となる。
従来、かかる作業は以下の通り、行っている。
(従来方法第1作業)預け台から、パーマネントカソードをパレットに移し、パレットを移動する。
(1−1)人手により、1枚ずつ、預け台に並べて懸架されているパーマネントカソードのクロスビームを持ち上げて、クレーンに接続されたホイストの吊り具に掛ける。
(1−2)吊り具を少し持ち上げて、クロスビームが吊り具から外れていないことを確認した後、吊り上げる。
(1−3)パーマネントカソードを、1m四方サイズの木製パレットの前に降ろす。
(1−4)2人の作業者がクロスビームの両端をそれぞれ持ち、吊り具から外す。
(1−5)パーマネントカソードを斜めにゆっくりと倒して、パレットの上に寝かせて、積み上げる。
(1−6)パレットに5枚積むごとに、フォークリフトを用いてパレットを持ち上げ、作業台のある場所に運び、床面に降ろす。
(従来方法第2作業)パレットの上から、パーマネントカソードを作業台に載置し、補修する。
(2−1)パレット上のパーマネントカソードの電極面の側辺を2人で持ち上げ、他のパーマネントカソードとの引っ掛かりがないことを確認する。
(2−2)パーマネントカソードを横にしたまま作業台に載せ、補修する。
(従来方法第3作業)作業台から、パーマネントカソードをパレットに載せ、パレットを移動する。
(3−1)補修の終わったパーマネントカソードの電極面の側辺を2人で持ち上げ、パレットに移す。
(3−2)パレットに5枚積むごとに、フォークリフトを用いてパレットを持ち上げ、預け台のある場所に運び、床面に降ろす。
(従来方法第4作業)パレットから、パーマネントカソードを預け台に懸架させる。
(4−1)パレットの上のパーマネントカソードを、吊り具に掛けて吊り上げる。
(4−2)預け台の枠にクロスビームを掛けて、パーマネントカソードを懸架させ、預け台の上で、人手によりクロスビームから吊り具を外す。
以上の方法では、例えば、パーマネントカソードを、預け台やパレットの上で取り扱う作業では、クレーンに接続されたホイストに吊るされたフックのような吊り具が使われるが、パーマネントカソードを吊り具で吊り上げる作業では、隣接するパーマネントカソードとの隙間に吊り具のワイドフックを差し込み、クロスビームを引っ掛ける。しかし、その際に、クロスビームや預け台で、手や指を挟むおそれがある。
また、一人では運べないほどに質量が大きいパーマネントカソードをゆっくりと倒してパレット上に積み上げる作業では、手を挟んだり、吊り具から外れて落下するおそれがある。
さらに、破損したパーマネントカソードでは、絶縁プロテクタの一部が外れ、隣接するパーマネントカソードに引っ掛かっている場合がある。特に、パレット上に積まれたパーマネントカソードは密着しているので、絶縁プロテクタが引っ掛かりやすく、引っ掛かったパーマネントカソード同士は、引っ掛かり部分があたかも連結されたように一緒に吊り上がってしまうことがある。このような引っ掛かりは不安定で、途中で落下しやすく、落下により、手を挟んだり、破片が飛散するなどの危険がある。よって、吊上げ作業の安全を確保するために、作業者は、吊上げを一時停止し、引っ掛かりの有無を確認した上で、再び吊上げを再開するという慎重な作業が要求されている。運搬に加えて、このような確認作業に要する分だけ、作業時間が増加するという問題がある。
また、パレット上への横積みにより、パーマネントカソードの電極部分に余分な荷重がかかり、この電極部分が曲がって変形することがある。パーマネントカソードは、電解槽の中で、狭い間隔でアノードと対面するので、その変形は、通電中のショート発生などの原因となる。このため、かかる変形を防止するために、運搬に際して、積上げ枚数を制限する必要がある。その分、多くのパレットを必要とし、作業時間の増加、広い保管場所の必要性など、効率の低下につながっている。パーマネントカソードを10枚程度まとめて一度に運搬することができると仮定すると、作業時間は25%以上短縮され、作業効率の向上に大きく役立つことになる。
例えば、特許文献1の図1には、組み立てられた種板を電解工場へ搬送するための装置において、多数のカソードを同時に吊り上げる装置が示されている。図示された装置は、クレーンを移動可能なガイドポストの下端に取り付けられたカソード把持機構のフックにより、カソード群の種板のクロスビームの両端を把持して、カソード群ごとに一括して吊り上げることにより、電解工場への搬送ラインに移動させている。かかるカソード把持機構では、種板の列方向に伸長するフックを電動シリンダにより、種板の幅方向に開閉することにより、カソード群の把持および開放を行っている。
かかる把持機構は、パーマネントカソードの吊上げにも適用でき、これを用いれば、一括した搬送も可能となる。しかしながら、かかる把持機構は、カソードを電解槽単位で扱うものであり、パーマネントカソードの電解槽への搬入には適用できたとしても、搬送ラインから1枚ずつ補修の必要なパーマネントカソードを抜き取る工程や補修する作業台上に1枚ずつカソードを載置させる工程を含む、パーマネントカソードの補修工程には適したものとはいえない。また、種板の搬送工程と異なり、補修の必要なパーマネントカソードのみを取り扱うことから、前述の把持機構のような大がかりな装置を適用することは、経済的な面からも設置条件の面からも困難である。
実公平2−30449号公報
本発明の目的は、パーマネントカソードの補修作業を行う際に、簡易で、安全な、かつ、効率がよい吊上げおよび移動を実現するパーマネントカソードの運搬装置を提供することである。
本発明に係るパーマネントカソードの運搬装置は、主として、複数のパーマネントカソードを同時に吊り上げて移動させるキャッチからなる。また、本発明に係るパーマネントカソードの運搬装置は、該キャッチと、該キャッチから受領した複数のパーマネントカソードを懸架して、移動させることを可能とする台車とを組み合わせることもできる。
具体的には、本発明に係るパーマネントカソード用キャッチは、平行に伸長する2つの側板からなる台枠と、前記台枠の幅方向に前記側板の中央部間を伸長し、前記台枠に対して所定距離だけ垂直方向に可動に取り付けられている吊上げ棒と、前記台枠の長さ方向に伸長し、基端が前記吊上げ棒の端部に取り付けられ、中間部において前記側板に枢軸により支持され、先端が側板の端部外側において下方に屈曲している4本のアームと、前記台枠の幅方向に伸長し、それぞれ前記アームのうち2本の先端に両端が取り付けられている2つのワイドフックと、前記側板に取り付けられているストッパとを備え、前記吊上げ棒が上限にある第1の状態において、前記ワイドフック間にパーマネントカソードを把持し、前記吊上げ棒が下限の位置にある第2の状態において、前記ワイドフックがパーマネントカソードを解放し、前記吊上げ棒が前記ストッパとの係合により第1の状態または第2の状態に固定されるように構成されている。
前記ワイドフックは、前記パーマネントカソードのクロスビームの両端部を下方から支持する水平部分と、該クロスビームの両端を把持する垂直部分とを有する断面L字形の部材からなることが好ましい。
さらに、前記側板から下側に伸長するスタンドを設け、該スタンドの下端が前記クロスビーム上に位置した場合に、前記第2の状態から第1の状態に吊上げ棒を移動させたときに、前記ワイドフックの水平部分が前記クロスビームの端部の下側に入り込むように該スタンドが位置づけられていることが好ましい。
その他、該キャッチの台枠は、固定軸により側板が平行に維持されていることが好ましく、また、該キャッチの吊上げ棒の中央部に、ホイストの吊り具を掛けるための吊り具掛けが溶接されていることが好ましい。
上述の通り、該キャッチと組み合わせて、該キャッチにより移動された複数のパーマネントカソードを載置可能な台車と備えることが好ましく、該台車は、側面両側に前記クロスビームの両端を支持して、前記パーマネントカソードを懸架させる骨組みを備え、かつ、正面が解放構造となっていることが好ましい。
さらに、前記台車の前記正面を含む解放構造の位置に、該パーマネントカソードに対する振れ止めが着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
また、前記台車に、ストッパ付きの車輪を備えたり、フォークリフトの爪を挿入可能な挿入枠を備えるたりすることが好ましい。
本発明に係るパーマネントカソードの運搬装置を用いることにより、その補修作業を行うに際して、重量物を直接取り扱うことがなくなり、作業者が手指を挟まれる事故が防止されるなど、作業における安全が確保される。
また、預け台から移動手段へのパーマネントカソードの移動を一度に複数枚単位で可能となり、また、作業台への移動においても従来より多くのパーマネントカソードを運搬でき、作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
さらに、本発明に係る運搬装置の台車は、パーマネントカソードの預け台としても利用でき、固定された預け台と、パレットとを併用する従来よりも、占有スペースや移し替えの手間を省けて、事故や破損の防止に役立つという効果も得られる。
本発明のパーマネントカソードの運搬装置を、図面を参照して説明する。図1に、本発明のパーマネントカソードの運搬装置の一実施例を斜視図で示す。図2に、パーマネントカソードを載せた状態における本発明の運搬装置に係る台車を斜視図で示す。図3に、本発明の運搬装置に係るキャッチを斜視図で示す。図4に、パーマネントカソードを吊した状態における本発明の運搬装置に係るキャッチを斜視図で示す。
本発明のパーマネントカソードの運搬装置は、主として、複数のパーマネントカソード(300)のクロスビーム(302)の両端を把持して、これらのパーマネントカソードを同時に吊り上げるための2つの平行なワイドフック(125)を備えるキャッチ(100)からなる。
具体的には、キャッチ(100)は、平行に伸長する2つの側板(110、111)からなる台枠と、前記台枠の幅方向(側板に垂直方向、パーマネントカソードの整列方向)に前記側板(110、111)の中央部間を伸長し、前記台枠に対して所定距離だけ垂直方向に可動に取り付けられている吊上げ棒(115)と、前記台枠の長さ方向(側板の伸長方向、パーマネントカソードの幅方向)に伸長し、基端が前記吊上げ棒(115)の端部に取り付けられ、中間部において前記側板(110、111)に枢軸により支持され、先端が側板(110、111)の端部外側において下方に屈曲している4本のアーム(123a、124a、123b、124b)と、前記台枠の幅方向に伸長し、それぞれ前記アームのうち2本(123aとb、124aとb)の先端に両端が取り付けられている2つのワイドフック(125)と、前記側板(111)に取り付けられているストッパ(126)とを備える。
鋼材からなる側板(110、111)の間に、固定軸(122)を配置することにより、側板(110、111)が平行に維持され、台枠を形成している。該固定軸(122)を2本以上設けることが好ましい。ただし、台枠として、その他、H型に形成された鋼材や、矩形に形成された鋼材を用いてもよい。何れの場合でも、側板(110、111)がパーマネントパネルの幅方向に平行に伸長していれば、その他の形状の鋼材も採用できる。
吊上げ棒(115)は、円柱状の鋼材からなり、台枠の幅方向に伸長し、その両端面が側板(110、111)に内嵌するような長さを有する。両端面からは、軸がさらに伸長している。側板(110、111)の中央には、他の部分より高さがある中央部を設け、該中央部の中心に所定距離の高さを有し、前記吊上げ棒の軸が挿入可能な長孔が形成されている。かかる軸を該長孔に挿入させることにより、吊上げ棒(115)は、台枠(110、111)に対して所定距離だけ垂直に往復移動可能に取り付けられる。
かかる吊上げ棒と台枠の係合関係は、パーマネントカソードを含めた、吊上げ棒を除くキャッチ(100)のすべての荷重がかかるため、該荷重に耐える強度が必要である。したがって、かかる係合のための構造は、かかる強度を有していれば、側板(110、111)から伸長する閉鎖したレール構造なども採用できる。
前記吊上げ棒の両端には、それぞれ2本の鋼材からなるアーム(123aと124a、または123bと124b)の基端が取り付けられ、2本のアームは台枠の外側に向けて伸長し、側板(110、111)の端部に枢軸(ピボット)により回動可能に支持され、該枢軸を中心にL字形状に屈曲し、先端が下方に向けて伸長している。なお、図示の構造では、基端から屈曲部までもストレートなアームではなく、長部材と短部材からなる組合せアームが用いられている。
具体的には、短部材の基端部が、吊上げ棒(115)の両端から伸長し、側板(110、111)の長孔を通じて突出する軸の先端に固定されて取り付けられ、短部材は斜め下方に伸長する。短部材の先端には、長部材の基端が固定されて取り付けられる。長部材は、短部材の伸長方向とは逆方向に、側板の(110、111)の端部まで伸長する。吊下げ棒(115)とかかる短部材のなす角度、短部材と長部材のなす角度は、それぞれ不変なように、これらはそれぞれ固定されている。
上述のような構造により、吊上げ棒(115)が前記長孔内の上限にある第1状態においては、アーム(123a、b、124a、b)の基端側が上昇し、それぞれの先端部が、屈曲部の枢軸を中心に回動し、台枠の内側方向に移動する。一方、吊上げ棒(115)が前記長孔内の下限にある第2の状態においては、該基端側が下降し、それぞれの先端部が、台枠の外側方向に移動する。
ただし、このように屈曲部が枢軸を中心に回動し、基端部の上昇下降に伴って、先端部が台枠の内外方向に移動可能な構造であれば、上述の構造に限られない。
アーム(123a、b、124a、b)は、先端側が下方に屈曲して、その先端に、2本のアーム(123aと123b、および、124aと124b)をわたるように、ワイドフック(125)が取り付けられている。したがって、ワイドフック(125)は、台枠の幅方向に伸長する。
ワイドフック(125)は、把持されるパーマネントカソード(300)のクロスビーム(302)の両端部を下方から支持する水平部分と、該クロスビーム(302)の両端を把持する垂直部分とを有する断面L字形の部材からなる。ただし、パーマネントカソード(300)の荷重に耐えうるのであれば、ワイドフック(125)として、横に平板な部材で、クロスビーム(302)の両端部を下方から支持するのみのものであっても、また、縦に平板な部材で、クロスビーム(302)の両端部を両側から強く把持して、吊り上げることを可能とする構造でもよい。
なお、ワイドフック(125)に滑り止めを貼ることにより、クロスビーム(302)が安定して保持される。
ストッパ(126)は、輪郭が凸型の外形の板であればよく、一方の側板(111)の中央部側方に回動可能にピボット止めされる。ただし、ストッパ(126)を他方の側板(110)にも設けてもよい。吊上げ棒(115)が上限の位置と下限の位置にあるときに、凸部の先端が吊上げ棒(115)の上下のいずれかに差し込めるようになっている。凸部を差し込むことによりと、アーム(123、124)の動作と、ワイドフック(125)の開閉が阻止される。
また、ストッパ(126)の差し込み操作を補助する機構を設けてもよく、例えば、側板(110、111)の間に、ストッパ(126)とハンドル(117)が固定されたストッパ軸(116)を、回転可能に取り付けることにより、キャッチ(100)の側方からストッパ(126)の差し込み作業が容易に可能となる。
以上のように図示された構造を採ることにより、吊上げ棒(115)が、上限の位置に移動し、ストッパ(126)との係合関係により固定された第1の状態では、アーム(123、124)が伝達する力学的変位により、ワイドフック(125)が、台車(200)に載せたパーマネントカソード(300)のクロスビーム(302)を把持および支持することにより、パーマネントカソード(300)を両側から把持する。
一方、吊上げ棒(115)が、下限の位置に移動し、ストッパ(126)との係合関係により固定された第2の状態では、アーム(123)が伝達する力学的変位により、ワイドフック(125)が、パーマネントカソード(300)を解放する。
さらに、吊上げ棒(115)の中央部には、吊り具掛け(114)が溶接されて固定される。吊り具掛け(114)は、キャッチ(100)の全体のバランスが取れるように円筒形の中央に溶接し、吊り具掛け(114)には、図示しないホイストの吊り具を掛けて、キャッチ(100)全体を持ち上げるように使用される。また、かかるホイストの上下動によって、吊上げ棒(115)を上昇下降させることができる。なお、吊上げ棒(115)は、円筒の軸を中心に回転することができるように取り付けることにより、吊り上げ時に傾いても、キャッチ(100)の水平が保たれることになる。
また、側板(100、101)の側方両側には、下側に伸長するスタンド(113)が一体に取り付けられる。スタンド(113)の下端が、パーマネントカソード(300)のクロスビーム(302)の上に位置した場合に、前述の第1の状態で、ワイドフック(125)の水平部分が平面視でクロスビーム(302)の両端より下側に位置するようになる。これにより、パーマネントカソード(300)の上方から、キャッチ(100)を下降させると、スタンド(113)がクロスビーム(302)と接触することにより、下降が停止され、高さ位置を微調整することなく、ワイドフック(125)がクロスビーム(302)の下にスムースに入ることになる。
さらに、ストッパ(126)を回動させるためのハンドル(117)に、先端がS字型をした支え棒(118)を設け、ハンドル(117)を持ち上げた際に、固定軸(122)に引っ掛かるように寸法付けることにより、ハンドル(117)から手を離した後もストッパ(126)が外れた状態を維持することができる。さらに、ハンドル(117)の持ち上げ、あるいは、降ろした状態を確実に固定するため、ハンドル(117)の状態に対応した位置に孔を有するロックレバー(119)とロックレバー固定板(120)とを取り付けて、これらの間を、U字型などの安全ピン(121)で連結すればなおよい。
台車(200)は、図2に示すような構造に、チャンネル材で組み立て、少なくとも正面の上辺は骨組みが省かれる。具体的には、台車(200)は、平行で水平な2本の水平骨(201)を有する。水平骨(201)のそれぞれは、平行に整列する複数のパーマネントカソード(300)に備えられたクロスビーム(302)の両端を下方から支えるように寸法付けされて配置される。
すなわち、側面両側に前記クロスビームの両端を支持し、前記パーマネントカソードを懸架させる骨組みを備え、かつ、正面が解放構造となっている。よって、キャッチ(100)に把持された複数のパーマネントカソード(300)は、その両端部を台車(200)の側面側になるように方向付けしてから、上方から下降させ、パーマネントカソード(300)のクロスビーム(302)の両端が該水平骨(201)に載置されると、該水平骨間にパーマネントカソードが懸架される。よって、台車にはパーマネントカソード(300)が縦置きで収納されることから、変形することなく、大量のパーマネントカソード(300)を一度に運搬することが可能となる。かかる台車(200)に懸架した状態で、台車を移動させ、作業台において、パーマネントカソード(300)は、正面側から1枚ずつ下ろされて、作業台に載置される。なお、この際にも吊り上げて移動させることが好ましいが、その場合でも、正面側から移動させることにより、相互のパーマネントカソード間での干渉が防止される。
さらに、運搬中にパーマネントカソード(300)が振れて損傷するのを防ぐため、正面に取り外しが可能な振れ止め(204)と振れ止め挿入具(203)が設けられる。振れを止めるだけであれば、振れ止め(204)は、ロープやチェーンでもよいが、台車(200)を人の力で押すことを考えると剛体が好ましい。振れ止め(204)は、パーマネントカソード(300)を取り扱う時に取り外すので、手で差し込む程度の嵌め合いにするとよい。
さらに、台車(200)には、ロック(207)付きの車輪(205)を備えたり、フォークリフトの爪(図示せず)を挿入し、持ち上げることが可能な挿入枠(206)を有する。また、載せたパーマネントカソード(300)に対向する部分に、緩衝材(図示せず)が取り付けられる。
台車(200)全体としては、パーマネントカソード(300)を吊り下げて運ぶのに必要な大きさである。すなわち、内寸は、収容するパーマネントカソード(300)より高く、幅は、パーマネントカソード(300)の幅より広く、かつ、クロスビーム(302)の長さよりも短く、奥行きは、キャッチ(200)のワイドフック(125)の長さにより決定する。
なお、台車(200)の各部材は、複数のパーマネントカソード(300)の荷重に耐えられるものであればよく、既存の部材を用いることができる。
以上のように、台車(200)は、パーマネントカソード(300)をそのまま吊り下げて運搬することができ、積み替えの手間と作業に伴う危険を減少させることができる。
また、正面からパーマネントカソード(300)を1枚ずつ取り出すことができるので、引っ掛かりや手の挟まれを避けて安全に取り扱うことができる。
(実施例1)
以下のように、本発明の運搬装置を用いて、20日間、パーマネントカソードを補修した。なお、1人で作業をすることができるが、比較をするために、後述する従来例1と同じように、2人で作業を分担した。
本実施例について、図面を参照して説明する。作業は、次のように分けられる。(実施例1第1作業)預け台に並べて載せられたパーマネントカソードを、複数枚一度にキャッチにより吊り上げ、台車に載せ、台車を移動する。(実施例1第2作業)台車に載せられたパーマネントカソードを、1つずつ、作業台に載せて補修する。(実施例1第3作業)作業台から、補修の終わったパーマネントカソードを任意の台車に載せ、台車を移動する。(実施例1第4作業)台車に載せられたパーマネントカソードを、一度にキャッチにより吊り上げ、整列台に載せる。以下に、それぞれの作業について、詳細に説明する。
(実施例1第1作業)預け台に並べて載せられたパーマネントカソードを、キャッチにより吊り上げ、台車に載せ、台車を移動する。
(1−1)図示しない預け台に並べて吊り下げられたパーマネントカソード(300)の上に、ワイドフック(125)とクロスビーム(302)が直交するように、キャッチ(100)を載せる。
(1−2)ハンドル(117)を持ち上げて、ストッパ(126)を外し、支持棒(118)を固定軸(122)に掛ける。
(1−3)ロックレバー(119)とロックレバー固定板(120)を、安全ピン(121)で連結する。
(1−4)吊り具掛け(114)にホイストの吊り具を掛けて、図4に示すように、パーマネントカソード(300)をキャッチ(100)で一括して吊上げる。
(1−5)空の台車(200)の上に、移動させた後、下降させ、懸架させる。
(1−6)安全ピン(121)を抜き、支持棒(118)を固定軸(122)から外す。
(1−7)ハンドル(117)を降ろして、ストッパ(126)を吊上げ棒(115)の上に差し込む。
(1−8)ロックレバー(119)とロックレバー固定板(120)を、安全ピン(121)で連結する。
(1−9)吊り具掛け(114)にホイストを掛けて、キャッチ(100)のみを吊上げる。
(1−10)振れ止め(204)の両端を、振れ止め挿入具(203)に差し込む。
(1−11)車輪(205)のロック(207)を解除する。
(1−12)図示しないフォークリフトの爪を挿入枠(206)に差し込み、持ち上げて、台車(200)を作業台のある場所に運搬する。
(実施例1第2作業)台車に載せられたパーマネントカソードを、1つずつ、作業台に載せて補修する。
(2−1)台車(200)を床面に降ろし、フォークリフトの爪を挿入枠(206)から抜く。
(2−2)車輪(205)をロックする。
(2−3)振れ止め(204)の両端を、振れ止め挿入具(203)から外す。
(2−4)パーマネントカソード(300)を1つずつ台車(200)の正面から取り出して、作業台に載せて補修する。
(実施例1第3作業)作業台から、補修の終わったパーマネントカソードを任意の台車に載せ、台車を移動する。
(3−1)補修の終わったパーマネントカソード(300)を1つずつ、空の台車(200)に載せる。
(3−2)振れ止め(204)の両端を、振れ止め挿入具(203)に差し込む。
(3−2)車輪(205)のロック(207)を解除する。
(3−3)フォークリフトの爪を挿入枠(206)に差し込み、持ち上げて、台車(200)を整列台のある場所に運搬する。
(実施例1第4作業)台車に載せられたパーマネントカソードを、吊り具により吊り上げ、整列台に載せる。
(4−1)台車(200)を床面に降ろし、フォークリフトの爪を挿入枠(206)から抜く。
(4−2)車輪(205)をロックする。
(4−3)パーマネントカソード(300)の上に、ワイドフック(125)とクロスビーム(302)が直交するように、キャッチ(100)を載せる。
(4−4)安全ピン(121)を外す。
(4−5)ハンドル(117)を持ち上げて、ストッパ(126)を外し、支持棒(118)を固定軸(122)に掛ける。
(4−6)ロックレバー(119)とロックレバー固定板(120)を、安全ピン(121)で連結する。
(4−7)吊り具掛け(114)にホイストを掛けて、図4に示すように、パーマネントカソード(300)をキャッチ(100)で一括して吊上げる。
(4−8)図示しない整列台の上に、移動させた後、下降させる。
(4−9)安全ピン(121)を抜き、支持棒(118)を固定軸(122)から外す。
(4−10)ハンドル(117)を降ろして、ストッパ(126)を吊上げ棒(115)の上に差し込む。
(4−11)ロックレバー(119)とロックレバー固定板(120)を、安全ピン(121)で連結する。
(4−12)吊り具掛け(114)にホイストを掛けて、キャッチ(100)のみを吊上げる。
以上のように行った20日間の補修作業において、補修することができたパーマネントカソードの数は、1日あたり平均200枚であった。
また、取り扱う間においては、パーマネントカソードが落下することはなかった。
(従来例1)
前述の従来方法第1作業〜従来方法第4作業により、20日間、パーマネントカソードを補修した。
以上のように行った20日間の補修作業において、補修することができたパーマネントカソードの数は、1日あたり平均130枚であった。
本発明のパーマネントカソードの運搬装置の一実施例を示す斜視図である。 パーマネントカソードを載せた台車を示す斜視図である。 キャッチを示す斜視図である。 パーマネントカソードをキャッチが吊した状態を示す斜視図である。
符号の説明
100 キャッチ
110、111 台枠
112 ハンドル
113 スタンド
114 吊り具掛け
115 吊上げ棒
116 ストッパ軸
117 ハンドル
118 支え棒
119 ロックレバー
120 ロックレバー固定板
121 安全ピン
122 固定軸
123a、123b、124a、124b アーム
125 ワイドフック
125a 垂直部分
125b 水平部分
126 ストッパ
200 台車
201 水平骨
202 端部
203 振れ止め挿入具
204 振れ止め
205 車輪
206 挿入枠
207 ロック
300 パーマネントカソード
301 絶縁プロテクタ
302 クロスビーム

Claims (4)

  1. 平行に伸長する2つの側板からなる台枠と、前記台枠の幅方向に前記側板の中央部間を伸長し、前記台枠に対して所定距離だけ垂直方向に可動に取り付けられている吊上げ棒と、前記台枠の長さ方向に伸長し、基端が前記吊上げ棒の端部に取り付けられ、中間部において前記側板に枢軸により支持され、先端が側板の端部外側において下方に屈曲している4本のアームと、前記台枠の幅方向に伸長し、それぞれ前記アームのうち2本の先端に両端が取り付けられている2つのワイドフックと、前記側板に取り付けられているストッパとを備え、前記吊上げ棒が上限にある第1の状態において、前記ワイドフック間にパーマネントカソードを把持し、前記吊上げ棒が下限の位置にある第2の状態において、前記ワイドフックがパーマネントカソードを解放し、前記吊上げ棒が前記ストッパとの係合により第1の状態または第2の状態に固定されるパーマネントカソード用キャッチ。
  2. 前記ワイドフックは、前記パーマネントカソードのクロスビームの両端部を下方から支持する水平部分と、該クロスビームの両端を把持する垂直部分とを有する断面L字形の部材からなる請求項1に記載のパーマネントカソード用キャッチ。
  3. 前記側板から下側に伸長するスタンドをさらに備え、前記パーマネントカソードの上方から前記キャッチを下降させた場合に、該スタンドの下端が前記クロスビームの上面と接触することにより、該キャッチの下降が停止され、この位置で前記第2の状態から第1の状態に吊上げ棒を移動させたときに、高さ位置を微調整することなく、前記ワイドフックの水平部分が前記クロスビームの端部の下側に入り込むように該スタンドの高さ方向の寸法が規制されている請求項2に記載のパーマネントカソード用キャッチ。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のパーマネントカソード用キャッチと、該キャッチにより移動された複数のパーマネントカソードを載置可能な台車とを備え、該台車は、側面両側に前記クロスビームの両端を支持して、前記パーマネントカソードを懸架させる骨組みを備え、かつ、正面が解放構造となっているパーマネントカソードの運搬装置。
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