JP5087581B2 - リソグラフィ装置 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、液浸リソグラフィ装置の投影システムと基板の間の空間に流体を提供するリソグラフィ装置に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる互いに近接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置には、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナがある。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。実施形態では液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本明細書の実施形態は液体に関して説明される。しかし、別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なことがある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることができることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族及び/又はフルオロハイドロカーボンなどの炭化水素、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板及び/又は基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号で開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口IN(「N」)によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUT(「T」)によって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
[0006] 局所液体供給システムがある液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPLのいずれかの側にある2つの溝入口IN(「N」)によって供給され、入口INの半径方向外側に構成された複数の別個の出口OUT(「T」)によって除去される。入口IN及びOUTは、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPLの一方側にある1つの溝入口INによって供給され、投影システムPLの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去されて、投影システムPLと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組合せの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
[0007] 提案されている別の構成は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間にある空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する液体閉じ込め部材を、液体供給システムに備えることである。このような構成が図5に図示されている。液体閉じ込め部材は、投影システムに対してXY面では実質的に静止していてよいが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。液体閉じ込め部と基板の表面との間にシールが形成される。実施形態では、シールは液体閉じ込め構造と基板の表面との間に形成され、ガスシールなどの非接触シールでよい。このようなシステムが、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開US2004−0207824号で開示されている。
[0008] それぞれが参照により全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第EP1420300号及び米国特許出願公開第2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを備える。第一位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第二位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は、1つのテーブルのみを有する。
[0009] PCT特許出願公開第WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット液浸構成を開示している。このようなシステムは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を提供する。この液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/119809号に記載され、ここでは全ての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
[0010] 投影システムの最終要素と基板の間の空間に流体の流れを提供すると、これは実質的に一定の基板温度を維持することに伴う困難を軽減するのに役立つ。というのは、液浸流体を通過する投影ビームが液浸流体を加熱し得るからである。このような加熱は結像に有害な効果を与えることがある。例えば、流体の屈折率は温度とともに変化し得る。したがって、流体の流れを提供することが望ましい。しかし、流体の流れを導入することは、それ自体が困難を導入する。例えば、非層流又は滑らかでない流れを使用すると、これが結像特性に影響することがある。さらに又は代替的に、流れの安定性及び堅牢性が低下すると、流体に気体の泡が同伴することがある。
[0011] さらに、バリア部材の底面上の抽出器とバリア自体との間の溶着線が、液滴を引きつけることがある。液滴は、基板の表面上に残ることがある。このような液滴は後に、例えば投影システムの最終要素と基板の間の空間に気泡を導入することにより、像の欠陥を導入し得る。
[0012] 以上又は他の問題の少なくとも1つを軽減する装置を提供することが望ましい。特に、滑らかな流れ、望ましくは層流を維持しながら、大きい流量で流体を供給することができる流体供給システムを提供することが望ましい。さらに、バリア部材の底部に液滴が付着する確率を低下することが望ましい。
[0013] 本発明の態様によれば、流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、流体ハンドリングシステムは、第一側壁に複数の入口穴が、第二側壁に複数の出口穴があるチャンバを備え、第一側壁は第二側壁に対面し、入口穴は、チャンバに入る流体を複数の出口穴の間の第二側壁の領域に向かう方向に誘導するように構成される。
[0014] 本発明の態様によれば、流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、流体ハンドリングシステムは、流体が通過する複数の貫通穴がある第一プレートと、流体が通過する複数の貫通穴がある第二プレートとを備え、第一プレートと第二プレートは実質的に平行であり、流体ハンドリングシステムによって供給される流体は、第二プレートの複数の穴を通過する前に、第一プレートの複数の貫通穴を通過する。
[0015] 本発明の態様によれば、流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、流体ハンドリングシステムは、入口から出口までの流れ通路と、通路内に存在する流れに対する少なくとも2つのバリアとを備え、各バリアは流体の通過する複数の貫通穴を備え、2つのバリアは0.2mmから5mm離間される。
[0016] 本発明の態様によれば、流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、流体ハンドリングシステムは、第一側壁に複数の入口穴が、第二側壁に複数の出口穴があるチャンバを備え、複数の入口穴は複数の出口穴より小さい開口寸法を有する。
[0017] 本発明の態様によれば、入口を通して流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、入口は、相互に対面して、それぞれが複数の貫通穴を有する少なくとも2つの離間されたプレート部材を備え、流体が入口を通って流れるために、一方のプレート部材の貫通穴が別のプレート部材の貫通穴と位置合わせされていない。
[0018] 本発明の態様によれば、入口を通して投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、入口は複数の開口を備え、入口は、滑らかな流体の流れを空間内に、入口に平行な面に対して実質的に直角に供給するように構成され、流体の流れの断面流量は実質的に均一である。
[0019] 本発明の態様によれば、入口を通して投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に流体を供給する流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置が提供され、入口は平面の表面に配置された複数の開口を備え、入口は、滑らかな流体の流れを空間内に、入口に平行な面に対して実質的に直角に供給し、流体の流れの断面流量は実質的に均一である。
[0020] 本発明の態様によれば、デバイス製造方法が提供され、方法は、液浸液を、投影システムと、基板及び/又は基板テーブルと、流体ハンドリング構造と、流体ハンドリング構造と基板及び/又は基板テーブルの間に延在する液浸液のメニスカスとの間に規定された空間に閉じ込めることであって、投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分にある結像フィールドに投影し、基板テーブルは、基板を支持する、当該閉じ込めること、および、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの相対運動の方向が変化すると、基板及び/又は基板テーブルの表面上に形成された液滴が、結像フィールドの端部に対して縦方向に結像フィールドの長さより大きい変位を有するように、相対運動を引き起こすことを含む。
[0021] 本発明の態様によれば、基板を支持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分にある結像フィールドに投影する投影システムと、基板及び/又は基板テーブルと、使用時に流体ハンドリング構造と基板テーブル及び/又は基板との間に延在する液浸液メニスカスとの間に規定された空間に液浸液を閉じ込める流体ハンドリング構造と、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの相対運動の方向が変化すると、基板及び/又は基板テーブルの表面上に形成された液滴が、結像フィールドの端部に対して縦方向に結像フィールドの長さより大きい変位を有するように、相対運動を引き起こすアクチュエータと、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0022] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、ほんの一例として説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
[0023]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示した図である。 [0024]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示した図である。 [0024]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示した図である。 [0025] リソグラフィ投影装置で使用するさらなる液体供給システムを示した図である。 [0026]本発明の実施形態に液体供給システムとして使用できるバリア部材を示した断面図である。 [0027]本発明の実施形態に使用できる別のバリア部材を示した断面図である。 [0028]本発明の実施形態の液体供給デバイスの2つの側壁又はプレートを示した斜視図である。 [0029]他方のプレートの穴に対する一方のプレートの穴の構成を概略的に示した図である。 [0029]他方のプレートの穴に対する一方のプレートの穴の構成を概略的に示した図である。 [0030]図7のプレートをバリア部材に組み立てる方法を示した斜視切り取り図である。 [0031]3つの異なる設計について、プレート間距離に対して乱流を導入しない最大流量の変化を示したグラフである。 [0032]様々な位相シフトについて、乱流がない最大流量を示したグラフである。 [0033]本発明の実施形態のバリア部材の下面を示した断面図である。 [0034]第一気泡包含シナリオを示した図である。 [0035]第二気泡包含シナリオを示した図である。
[0036] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0037]− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0038]− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0039]− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0040]− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0041] 照明システムILは、放射の誘導、成形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0042] 支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0043] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0044] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0045] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0046] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0047] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0048] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0049] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0050] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第一ポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第二ポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0051] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0052] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0053] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0054] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0055] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0056] 投影システムPSの最終要素と基板の間に液体を提供する構成は、2つの一般的カテゴリに分類することができる。それは、基板Wの全体及び任意選択で基板テーブルWTの一部が液体槽に浸される槽型構成と、液体が実質的に基板の局所領域に提供されるだけである、いわゆる局所液浸システムとである。後者のカテゴリでは、液体によって充填された空間が基板の上面より平面図で小さく、液体で充填された領域は、基板Wがその領域の下で移動している間、投影システムPSに対して静止したままである。本発明の実施形態が主に指向しているさらなる構成は、液体が閉じ込められないオールウェットの解決法である。この構成では、実質的に基板の上面全体、及び基板テーブルの全部又は一部が液浸液で覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは浅い。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜でよい。図2から図5の液体供給デバイスのいずれも、このようなシステムにも使用できるが、それらの密封特徴は存在しないか、動作されないか、通常ほど効率的でないか、それ以外にも局所領域のみに液体を密封するには有効でない。図2から図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システム又は液体ハンドリングシステム又は液体閉じ込めシステムが図示されている。図2から図4に開示した液体供給システムは、以上で説明されている。
[0057] 図5は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材12がある局所液体供給システムを概略的に示す。(以下で基板Wの表面に言及する場合、それは他に明示していない限り追加的又は代替的に基板テーブルの表面にも言及していることに留意されたい。)バリア部材12は、投影システムに対してXY面では実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。実施形態では、バリア部材と基板Wの表面との間にシールが形成され、ガスシール又は流体シールのような非接触シールでよい。
[0058] バリア部材12は、投影システムPLの最終要素と基板Wの間の空間11に液体を少なくとも部分的に封じ込める。基板Wの表面と投影システムPLの最終要素の間の空間内に液体が閉じ込められるように、基板Wに対する非接触シール16を、投影システムの像フィールドの周囲に形成することができる。空間は、投影システムPLの最終要素の下方に配置され、それを囲むバリア部材12によって少なくとも部分的に形成される。液体を、液体入口13によって投影システムの下方で、バリア部材12内の空間11に入れる。液体は液体出口13によって除去することができる。バリア部材12は投影システムの最終要素の少し上まで延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液体レベルが最終要素の上まで上昇する。実施形態では、バリア部材12は、その上端が投影システム又はその最終要素の形状に非常に一致することができる内周を有し、例えば円形でよい。底部では、内周が像フィールドの形状に非常に一致し、例えば長方形でよいが、そうである必要はない。
[0059] 液体は、使用中にバリア部材12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシール16は、気体、例えば空気又は合成空気によって形成されるが、実施形態ではN2又は別の不活性ガスによって形成される。ガスシールの気体は圧力下で入口15を介してバリア部材12と基板Wの間のギャップに提供される。気体は出口14を介して抽出される。気体入口15への過剰圧力、出口14の真空レベル、及びギャップの幾何学的形状は、液体を閉じ込める内側への高速の気体流があるように構成することができる。バリア部材12と基板Wの間で液体にかかる気体の力が、液体を空間11に封じ込める。これらの入口/出口は、空間11を囲む環状溝でよい。環状溝は連続的又は不連続的でよい。気体の流れ16は、液体を空間11に封じ込めるのに有効である。このようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0060] 他の構成が可能であり、以下の説明から明白になるように、本発明の実施形態は、任意のタイプの局所液体供給システムを液体供給システムとして使用することができる。
[0061] 1つ又は複数の局所液体供給システムは、液体供給システムの一部と基板Wの間を密封する。液体供給システムのこの部分と基板Wとの相対運動がシールの破壊につながり、それによって液体が漏れることがある。この問題は、高いスキャン速度でさらに重大になることがある。スループットが増加するので、スキャン速度を上げることが望ましい。
[0062] 図6は、液体供給システムの部分であるバリア部材12を示す。バリア部材12は、投影システムPSの最終要素の周囲(例えば円周)に延在し、したがってバリア部材(シール部材と呼ぶことがある)は、例えば実質的に全体的形状が環状である。投影システムPSは円形でなくてもよく、バリア部材12の外縁も円形でなくてよく、したがってバリア部材がリング形である必要はない。バリアは、投影ビームが投影システムPSの最終要素から出て通過できる開口を有する限り、他の形状でもよい。開口は中心に配置することができる。したがって露光中に、投影ビームは、バリア部材の開口に封じ込められた液体を通過して、基板Wに当たることができる。バリア部材12は、例えば実質的に長方形でよく、バリア部材12の高さにおいて投影システムPSの最終要素と必ずしも同じ形状ではない。
[0063] バリア部材12の機能は、投影ビームが液体を通過できるように、液体を投影システムPSと基板Wの間の空間内に少なくとも部分的に維持するか閉じ込めることである。液体の最上位は、単にバリア部材12の存在によって封じ込められ、空間中の液体のレベルは、液体がバリア部材12の頂部を越えて溢れないように維持される。
[0064] 液浸液はバリア部材12によって空間11に提供される。液浸液の通路又は流路は、バリア部材12を通る。流路の一部はチャンバ26で構成される。チャンバ26は2つの側壁28、22を有する。液体は第一側壁28を通過してチャンバ26に入り、次に第二側壁22を通過して空間11に入る。複数の出口20が液体を空間11に提供する。液体は空間11に入る前に、それぞれプレート28、22の貫通穴29、22を通過する。貫通穴20、29の位置はランダムでよい。本発明の実施形態は、以下で述べるようにプレート又は側壁28、22におけるチャンバ26への貫通穴20、29の最適構成に向けられる。以下で側壁22、28及び貫通穴20の最適構成について述べる前に、バリア部材12の他のコンポーネントについて述べる。他の構成が可能であることが理解される。
[0065] バリア部材12の底部と基板Wの間にシールが設けられる。図6では、シールデバイスが非接触シールを提供するように構成され、幾つかのコンポーネントで構成される。投影システムPSの光軸から半径方向外側へと(任意選択の)フロープレート50が提供され、これは空間内に延在して(しかし投影ビームの経路内には延在せず)、出口20からの液浸液の流れを空間全体で実質的に平行に維持するのに役立つ。フロー制御プレートは、投影システムPS及び/又は基板Wに対してバリア部材12の光軸の方向での動作への抵抗を減少させるために、貫通穴55を有する。
[0066] バリア部材12の底面上でフロー制御プレート50の半径方向外側には、バリア部材1と基板W及び/又は基板テーブルWTの間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70があってよい。抽出器70は、以下でさらに詳細に説明され、バリア部材12と基板Wの間に生成される非接触シールの部分を形成する。抽出器は単相又は2相抽出器として動作することができる。
[0067] 抽出器アセンブリ70の半径方向外側には窪み80があってよい。窪みは、入口82を通して雰囲気に接続される。窪みは、出口84を介して低圧源に接続される。窪み80の半径方向外側にはガスナイフ90があってよい。抽出器、窪み及びガスナイフの配置構成は、米国特許出願公開US2006−0158627号でさらに詳細に開示されている。しかし、その文書では、抽出器アセンブリの配置構成が異なる。
[0068] 抽出器アセンブリ70は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願US2006−0038968号で開示されているような液体除去デバイス又は抽出器又は入口を備える。任意のタイプの液体抽出器を使用することができる。実施形態では、液体除去デバイス70は、液体を気体から分離して、1つの液相の液体を抽出できるように使用される多孔質材料110で覆われた入口を備える。多孔質材料110の下流のチャンバ120は、わずかに低圧に維持され、液体で充填される。チャンバ120内の低圧は、多孔質材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲気体が液体除去デバイス70のチャンバ120に引き込まれるのを防止することができるような圧力である。しかし、多孔質表面110が液体に接触した場合は、流れを制限するメニスカスがなく、液体が液体除去デバイス100のチャンバ120内に自由に流れることができる。多孔質表面110は、バリア部材12に沿って半径方向内側に(さらに空間の周囲に)延在する。多孔質表面110を通る抽出速度は、液体によって覆われる多孔質材料110の量に従って変化する。
[0069](基板がバリア部材12及び投影システムPSの下で移動する)基板Wのスキャン中に、移動する基板によって加えられる抵抗力によって光軸に向かって、又は光軸から離れるように、基板Wとバリア部材12の間に延在するメニスカス320を引っ張ることができる。これで液体が失われることがあり、その結果、上述したように液体が蒸発し、基板を冷却して、その結果、収縮してオーバエラー誤差が生じることがある。追加的又は代替的に、液滴とレジストの光化学との相互作用で、液体汚れが残ることがある。
[0070] 多孔質材料110は、それぞれ5から50μmという範囲の例えば幅、直径などの寸法dholeを有する多数の小さい穴を有し、液体が除去される表面、例えば基板Wの表面から50から300μmの範囲の高さに維持される。実施形態では、多孔質材料110は少なくともわずかに親水性である。つまり例えば水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。
[0071] 液体除去デバイスに気体が引き込まれるのを防止することが常に可能なわけではないが、多孔質材料110は、振動を引き起こし得る大きい不均一な流れを防止する。電気鋳造、フォトエッチング及び/又はレーザ切断によって作成されたマイクロシーブを、多孔質材料110として使用することができる。適切なシーブを、オランダのEerbeekのStock veco B.V.が作成している。他の多孔質プレート又は多孔質材料の中実ブロックも使用することができる。しかし、孔のサイズは、使用中に経験する圧力差でメニスカスを維持するのに適切でなければならない。
[0072] 図6には特に図示されていないが、液体供給システムは液体のレベルの変動に対処する構成を有する。これは、投影システムPSとバリア部材12の間に蓄積する液体を処理でき、こぼさないような構成である。このような液体の蓄積は、以下で説明するような投影システムPSに対するバリア部材12の相対運動の間に生じ得る。この液体を処理する1つの方法は、投影システムPSに対してバリア部材12が移動する間に、バリア部材12の周囲(例えば円周)に圧力勾配がほとんどないように、非常に大きくなるようなバリア部材120を提供することである。代替的又は追加的な構成では、例えば抽出器70に類似した単相抽出器などの抽出器を使用して、バリア部材12の頂部から液体を除去することができる。代替的又は追加的なフィーチャは、疎液性又は疎水性コーティングである。このコーティングは、開口を囲むバリア部材12の頂部の周囲及び/又は投影システムPSの最終光学要素の周囲で帯を形成することができる。コーティングは、投影システムの光軸の半径方向外側にあってよい。疎液性又は疎水性コーティングは、液浸液を空間内に維持するのに役立つ。
[0073] 局所領域液体供給システムの問題は、液浸液の全部を封じ込めることが困難なことである。したがって、基板が投影システムの下を移動する時に、多少の液体が基板上に残るのを回避することは困難である。液体の損失を回避するために、前進するメニスカスに潜在的な気泡が取り込まれることにより、液体供給システムの下で基板が移動する速度を制限しなければならない。これは、液浸リソグラフィ装置内で高い値のNAを生成することができる液浸液に特に当てはまる。というのは、これが水より低い表面張力、さらに高い粘度を有する傾向があるからである。メニスカスの破壊速度は、表面張力を粘度で割った値とともに増減し、したがってNAが高い液体の方が封じ込めるのがはるかに困難になり得る。基板上の特定の領域にのみ液体が残ると、基板全体で温度の変動を引き起こす。液浸液が蒸発すると、液体が位置する基板が冷却される。基板の一部に残った液浸液は、不均一な冷却及び基板の変形を引き起こす。オーバレイ誤差をもたらすこともある。追加的又は代替的に、液体が基板上のレジスト内に拡散し、基板の上面の光化学的性質に不一致を引き起こすことがある。
[0074] 槽型の構成(つまり基板を液体の容器に浸す場合)はこれらの問題の多くを軽減することができるが、槽型の解決法では液浸装置内での基板交換が特に困難なことがある。これらの問題の1つ又は複数、又は本明細書で言及していない他の問題を軽減する1つの方法は、基板の上面全体を液体で覆う(つまり液体が基板及び/又は基板テーブルに閉じ込められない)いわゆるオールウェットの解決法を使用することである。このタイプの構成が、例えば2008年2月19日出願の米国仮特許出願US61/064,126号で開示されている。
[0075] 上述した構成は全て、投影システムの最終要素と基板の間の空間に液体を提供する。空間を通る液体の流れは、例えばビームが通過する液体の温度上昇など、液体を通過する照射ビームの不適切な影響を軽減するか回避することが望ましい。本発明の実施形態は、滑らかな流れ、望ましくは層流を維持しながら、投影システムと基板の間の流量を増加させることを指向する。流れは滑らかな乱流でもよい。実施形態では、流れは安定し、製造上の問題に対してより堅牢である。より高いリフレッシュ率及び温度安定性及びシステム性能を達成可能にすることができる。したがって、本発明の実施形態は、投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間に液体を提供する構成のいずれにも適用することができる。本発明の実施形態を、図6の局所領域液体供給システムに関して特に説明する。しかし、これはこのタイプの用途にのみ限定するものではない。
[0076] 滑らかな流れ、望ましくは層流を維持することのさらなる理由又は代替的理由は、気泡の閉じ込めを回避することである。滑らかでない乱流は、例えばバリア部材12と投影システムPSの間のメニスカスなどを妨害することがある。このメニスカスを妨害すると、液浸液に気体が囲まれる結果になり得る。次に、流れがこのように囲まれた気体を気泡として、投影システムPSの最終要素と基板Wの間の空間内に移送する。これらの気泡は、露光放射を屈折し、露光パターンの暗い縞にする。したがって、滑らかな流れ、望ましくは層流を維持することが望ましい。
[0077] 本発明の実施形態では、チャンバ26のプレート28、22として形成された側壁は、図7に示すように実質的に平行になるように構成される。つまり、各プレート28、22の主要表面が実質的に平行であり、特に各プレートの主要表面が平面で、これらの面が実質的に平行である。これは主に、下述するように2つの面の位置合わせを補助するために実行される。さらに実施形態では、プレート28、22はプレート28、22の主要表面に対して実質的に直角の面で、実質的に同一平面にある。さらに、投影システムPSの光軸は、プレート28、22の主要表面に対して実質的に直角の面で、プレート28、22と実質的に同一平面にあってよい。
[0078] 実施形態では、2つのプレート22、28の貫通穴20、29はそれぞれ、同じ2次元パターンを有する。しかし異なるパターンを使用することができ、不規則なパターン又は不等間隔の穴があるパターンさえ使用することができる。図示のパターンでは、穴は水平の第一横列に沿って望ましくは等距離で離間される。穴は、(第一横列の上及び下の)隣接する横列に沿って望ましくは等距離で離間される。しかし、隣接する横列の穴は、第一横列に沿った穴に対して位相ずれして配置される。つまり、隣接する横列の穴は、第一横列の穴の間に水平方向に等距離で配置される。縦列に沿った穴の間隔について述べる場合にも、同じ構成が当てはまる。穴及びそれを囲む6つの穴(穴の4本の対角線に沿って4つが配置され、穴の各側に水平方向に1つずつ配置される)に関してこのパターンを考察し、(細長い)6角形パターンについて説明する。穴は細長い6角形の中心にあり、これはこのように見ると水平方向に細長い。言い換えると、考察される穴の垂直方向でいずれかの側に位置する穴は、水平方向に配置された穴ではなく細長い6角形を選定すると見なすことができる。実施形態では、各プレート22、28の穴パターンの間隔は同じである。しかし、第一プレート28の穴29のサイズは、必ずしも第二プレート22の穴20のサイズと同じではない。
[0079] 第二プレート22における圧力低下と比較して、第一プレート28における液体の圧力低下は大きいか、等しいことが望ましい。その結果、第一プレート28の作用によって流れの不均質性が低下する。第二プレート22は、滑らかでない乱流を回避する作用をする。したがって、第一プレート28の穴29は第二プレート22の穴と等しいサイズ、又はそれより小さい幅(例えば直径)を有する。2つのプレート28、22を分離することには効果があり、それについては以下でさらに詳細に説明する。
[0080] 図8a及び図8bは、2つのプレート28、22、特にプレートの穴29、20がどのように位置合わせされるかを示す。図8aの図は略斜視図である。図8bは、貫通穴がある2つのプレート(シーブと呼べる)の側面図を示す略図である。図8bには、第一プレート28の穴29のパターンが、第二プレート22の穴20のパターンを上に重ねて図示されている。
[0081] 図8aは、第一プレート28の貫通穴29を通る液体の流れの方向を矢印502として示す。ここで見られるように、貫通穴29の位置合わせにより、液体の流れ502は貫通穴20ではなく第二プレート22の表面のポイント504に当たる。実際に、図8bに示す望ましい位置合わせは、貫通穴29を通る液体の流れ502が、プレート22に規定された周囲の貫通穴20から等距離の位置504で、第二プレート22の表面、つまり壁に当たることを意味する。その結果、プレート28、22間にある貫通穴29からの液体の流れ502は、プレート22の表面に当たると破壊する。液体は、一般的に液体の流れ502に対して直角のさらなる流れ503で流れる。さらなる流れ503は、第二プレート22の表面に平行でよく、第二プレート22に規定された穴20に向かってよい。
[0082] 第一プレート28の貫通穴29(チャンバ26への入口穴と見なすことができる)は、チャンバ26に入る液体を、第二プレート22の複数の穴20の間にある第二プレート22の領域に向かって誘導する。第二プレート22の穴20は、投影システムと基板の間の空間11に入る出口穴と見なすことができる。第二プレート22の穴20は、第一プレート28の穴29と位置が合わされていない。第一プレート28の複数の穴29は、第二プレート22の穴20と重ならないように規定される。
[0083] この構成は、入口穴29を通る液体の流れを妨害するのに効果的であり、その結果、出口穴20を通ってチャンバ26から流出し、空間11に入る流れを、以前に達成されたものより高くできることを意味する。その結果、空間11に入る液体の流れは滑らかで、安定する。流れは層流であることが望ましい。それを達成するために、第一プレート28は拡散機能によって断面プロファイル流量の均質性を低下させる働きをする。生成されたジェットが矢印502で示され、これは第一プレート28の面に、及び第二プレート22にとって直角の方向で高い線形運動量を有する。液体のジェットは、第二プレート22の表面の部分504と相互作用する。第二プレート22の部分504はジェットの流れを妨害し、流れをジェットに直交する方向に方向転換することによって、線形運動量の直角成分を減少させる。液体の大きな流れは第二プレート22の表面に実質的に平行である。大きな流れは部分504から全方向に離れる。したがって、穴20に近づく液体の流れは一方向ではなく、プレート22の面に実質的に平行でよい。部分504が第二プレート22の表面に規定された幾つかの穴の間にあるので、液体はこれらの穴20それぞれに向かって流れる。第二プレートの表面には多くの部分504があり、部分504のそれぞれで同じ相互作用が生じて、それぞれが各部分504を囲む穴20への流れを引き起こす。したがって、第二プレート22の穴20に近づく流れは、第二プレート22を通って空間11内に流れる液体の大きな流れと実質的に直交する。その結果として空間に入る液体の流れは、滑らかな流れとして生じ、層流でよい。
[0084] この構成によって得られる性能の改良は、プレート28、22間の間隔、さらに2つのパターン間の位相シフトとともに変化する。図8bの位相シフトは、正確に位相がずれていると見なすことができる(0.5の位相シフトと呼ぶ)。2つのパターンを相互に重ね合わせた場合、これは位相が合っていると見なすことができる(0.0の位相シフトと呼ぶ)。位相シフト及び2つのプレート間の間隔の効果について、図10及び図11に関して以下で説明する。
[0085] プレート22の長さ及び/又は幅の全体にわたって均一な圧力分布を提供することが望ましい。したがって入口での断面流は実質的に均一である。圧力低下が不均一な場合は、その結果、不安定で不均一な液体の速度プロファイルになることがある。したがって、流れはリザーバ内で非対称の速度プロファイルを有することができる。圧力低下は、液体を強制的に穴に通すことによって達成される。したがって、第一プレート28、さらに第二プレート22における圧力低下がある。第一プレート28の穴29を第二プレート22の穴20より小さくすることにより、第一プレート28における圧力低下が、第二プレート22における圧力低下よりも大きくなるように制御することができる。例えば、第一プレートでは約75mbarの圧力低下、第二プレート22ではわずか5〜10mbarの圧力低下が望ましい。同じパターンを使用する場合は、第一プレート29の穴が通常は100μmから300μmのサイズを有する。対照的に、第二プレート22の穴は300μmから700μmのサイズを有する。穴は、第一プレート28では100〜200μm、第二プレート22では300〜500μm離間される。
[0086] プレートの厚さは0.3mmと1mmの間のオーダである。貫通穴又は液体出口20は、図6に示すようにバリア部材12に形成された場合、バリア部材12の周囲(例えば円周)の局所部分周りにのみ提供することが望ましい。例えば空間を規定するバリア部材12の対向する側に規定されるような出口20の反対側には、投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間から液体を除去する抽出器があってよい。液体入口20は、バリア部材の周囲(例えば円周)の一部に沿って延在するだけでよい。
[0087] 所定のプレート22、28及び穴20、29のパターンの設計、位相シフト及びプレートの間隔では、アセンブリを通る液体の流れの結果、特定の流量までは滑らかな流れ、望ましくは層流になり得るが、そのポイントで不安定な乱流が生じる。空間11の流量は可能な限り多いことが望ましい。(図11aに示すように)正確に位相をずらしてプレートを配置し、プレート28、22間の距離を可能な限り小さくした状態で、最大の流量を達成可能にすることができる。しかし、距離が小さすぎると、位相シフトの公差が非常に重大になることがある。したがって、2つのプレートの間隔は0.5〜3mm、例えば2〜3mmであることが望ましい。実施形態では、間隔は0.7mmと1.5mmの間である。位相シフトは、穴のパターンが正確に位相をずれている(つまり0.5の位相シフトである)ようにすることが理想的である。しかし、任意の程度の位相シフトで改良が見られる。したがって、0.2と0.5の間、望ましくは0.4より大きい位相シフトの範囲が、特に望ましいことがある(位相ずれは0.5であり、同相は0である。図11に関して以下参照)。
[0088] プレート28と22を近接させると、隣接する穴からのジェットが干渉する、又はジェットからの液体が第二プレート22に規定された穴20を通って直接に流れる可能性が低下する。これは、第二プレート22を通過する前に穴29を通過することによって獲得される、第一プレート28に対して直角の液体の速度を実質的に減少させるか、望ましくは最小化する。
[0089] 理想的な構成では、プレート28と22の間の距離はゼロになる傾向がある。このような構成では、液体の流れがプレート28、22の表面に平行である。(上述したように)第二プレート22に平行な面で穴20に向かう流れは、全方向から来る。穴の中央で第二プレートの表面に対して直角の正味流量は、液体が穴を通過する直前にゼロである。したがって、穴20を通過する直前の液体の大きな流れ量はゼロである。
[0090] 本発明の実施形態の構成は、穴20からの流れを点状液体供給源として機能させる。各穴20を通る液体の流れは、プレート20に規定された他の各穴20を通る流れと同じであるように意図される。穴もプレート22の表面に均一に分布し、したがって入口になる。したがって、プレートの複数の穴からの液体の流れは、プレート全体で均一である。入口は、複数の点状液体供給源として機能し、実質的に均一な液体の断面液体流量を有する液体の流れを供給する。この構成が有利であるのは、高い液体流速で断面流量を維持するからである。
[0091] 図9は、図7及び図8のアセンブリをバリア部材12に組み込める方法の切り取り斜視図である。バリア部材12の底部の密封特徴部が図示されていることに留意されたい。というのは、これが存在しても存在しなくてもよく、任意の形態をとれるからである。ここで見られるように、出口20は投影システムの最終要素の底部より上の高さに配置される。したがって、出口20から出る流れは、投影システムPSの存在により方向転換し、投影システムの最終要素と基板Wの間の空間11に向かって下方向の成分を有して流れる。液体の流れが空間11のレベルに到達すると、これは方向転換して、基板Wの上面に平行に流れる。
[0092] ここで見られるように、プレート22、28は実質的に平行である。さらに、プレートは両方とも投影システムPSの光軸に実質的に平行である。実施形態では、第一及び/又は第二プレートの穴は、投影システムの光軸に対して直角の面に軸を有するように穿孔される。穴20が位置するこれらの面は、投影システムPSを突っ切るような高さである。つまり、これらの面は投影システムの底面より上にある。
[0093] 図9に見られるように、望ましくはリップの形態である突起400が存在する。突起400は、第二プレート22の上に位置し、半径方向内側に(つまり投影システムの側部に向かって)延在する。実施形態では、突起400は実質的に水平である。突起によって、メニスカス401が突起400の端部と投影システムPSの間に延在することができる。突起は、バリア部材12の頂部と投影システムPSとの間の距離を減少させ、したがってメニスカスが広がる距離を短縮し、この方法でメニスカスを安定させる。安定したメニスカスは、流れがバリア部材12の上からの気体を吸い込み、それによって気泡を液体に封じ込めるのを防止するのに役立つ。
[0094] 図10は、3つの異なる構成について、(図9の距離tとして図示された)プレート20、28間の距離に及ぼす影響を示す。図10では、プレート間の距離がX軸に沿ってプロットされ、望ましくは乱流がなく、望ましくは安定したメニスカスがある状態で達成可能な最大の滑らかな流れがY軸に沿って図示されている。三角形で示した結果は、従来のシステムのものである。プレート間の距離を変化させても、実質的に影響がないことが分かる。
[0095] ダイアモンドで示した結果は、第一プレート28の穴29のパターンが第二プレート22の穴20と同相(つまり0.0の位相シフト)であるシステムのものである。この場合、プレートの間隔が大きいほど、達成可能な層流の速度が上がる。というのは、プレート間の距離が増加すると、第一プレートの穴によって生成されたジェットが、第二プレートに到達する前に相互に、及び第二プレートと実質的に干渉するからである。プレート間の距離が増加するにつれ、ジェットが第一プレートの穴から第二プレートの穴へと真っ直ぐに通過する可能性が低下する。
[0096] 正方形で示した結果は、第一プレート28の穴29のパターンが第二プレート22の穴20のパターンと位相がずれている(0.5の位相シフトである)ケースのものである。ここで見られるように、2つのプレート間の距離が短いほど、達成可能な滑らかで安定した流れ、望ましくは層流が高くなる。
[0097] 図11は、X軸に沿って2つのプレート22、28間の位相シフトを示し、Y軸に沿って望ましくは乱流がなく、望ましくは安定したメニスカスがある状態で達成可能な最大の滑らかな流れを示す。ここで見られるように、試験した全部の例(様々な距離t:三角形はt=2.75mmを有し、正方形はt=2.25mmを有し、ダイアモンドはt=1.75mmを有する)で、2つのプレート22、28の穴の2つのパターンが0.5の位相シフトに近づくほど、達成可能な流れが高くなる。
[0098] 図11の結果は、間隔tが小さい(ダイアモンドで示す)場合、位相シフトを0から0.5に変化させることによって達成可能な流れの改良点が、これより間隔tが大きい場合に位相シフトを0から0.5に変化させた効果よりも顕著であることを示す。しかし、全ての間隔tで、0.5の位相シフトは0.0の位相シフトよりも良好な結果を達成する。
[0099] バリア部材12と基板Wの間のメニスカス320が基板W上に残された液滴と衝突することによって、液浸空間に気泡が導入されることがある。このような液滴がメニスカス320と衝突すると、気体の導入が生じ得る。通常、液滴の静止接触角とメニスカスの前進接触角との合計が180°より大きい場合に、これが生じる。2つのメカニズムが識別されている。第一のメカニズムは、単相抽出器70の半径方向外側の領域でバリア部材上に液体が蓄積することに関係する。これは、メニスカス320がより早期に崩壊するか、基板テーブルWTと基板Wの間のギャップと交差することから生じることがある。このメカニズムは、図12の実施形態によって扱われる。第二のメカニズムは、以前のスキャン動作からガスナイフ90の内側に液体が蓄積することによる。これは、図13及び図14に関して説明する式によってガスナイフの寸法又はメニスカスの位置を決定することによって扱われる。ガスナイフは、空間11及びメニスカス320から逃げてきた液体を収集することができる。バリア部材と基板Wとの間で相対運動方向が変化すると、液滴がバリア部材から(例えば溶着部で)引き離され、基板の表面上にある他の逃げた液滴と結合することがある。方向転換後、液滴は基板の表面上で静止しているが、メニスカス320に向かって移動することがある。液滴は、メニスカス320に当たり、したがってそれと衝突して、液体中に気泡を包含させることがあり、これは投影システムPLと基板Wの間では望ましくなく、結像の品質に影響する。
[00100] 液体を空間11内に密封するためにバリア部材又は液体閉じ込めシステム12の底部に提供される特徴部を、所定の位置に溶着することができる。多孔質部材110を備える単相抽出器を使用することができる。多孔質部材110は、低圧に維持されたチャンバ120を覆うことができる。多孔質部材110は、バリア部材12の底部に形成された窪み上に溶着することができる。窪みはチャンバ120を規定する。これは図6に図示されている。多孔質部材110は、その半径方向内側及び外側の周(例えば円周)に沿ってバリア部材12の表面に溶着される。場合によっては、液浸液の液滴がこのような溶着部に付着することがある。液体をこのような位置から除去することは、非常に困難なことがある。単相抽出器70の半径方向外側に配置されたガスナイフ90は、この目的には無効なことがある。
[00101] 図12は、この問題を軽減するのに役立つバリア部材12の底面を断面図で示す。底面上の特徴部は、図6のそれと同様である。半径方向で最も内側には、バリア部材12と基板Wの間の空間に液体を提供する液体入口60がある。液体入口60の半径方向外側には、多孔質部材110を含む単相抽出器がある。多孔質部材110は、低圧に維持されたチャンバ120を覆う。抽出器の半径方向外側には、ガスナイフ90の出口がある。コンポーネントの他の構成も可能であり、例えば抽出器は2相抽出器でよい。
[00102] 問題になるのは、多孔質部材110の底面が平面でないことである。図12に見られるように、多孔質部材110は基板Wに対して傾斜した部分を有する。半径方向外側への方向で、多孔質部材110の表面と基板Wとの間の変位が増加する。基板Wの表面から多孔質部材110の表面までの距離の半径方向距離に伴う変化は滑らかであり、連続的でよく、直線でもよい。特に、図12に示す角度の変化は滑らかな変化であり、角がない。つまり不連続ではない。基板Wに対する多孔質部材110の角度は連続的に変化する。例えば、多孔質部材が図12に示すように形成されている場合、多孔質部材110の表面が基板Wの表面に対して平行から非平行へと変化する部分に半径がある。多孔質部材の表面は、基板Wの表面に平行である1つの領域から、基板Wの表面から離れるように傾斜した領域へと変化する。これら2つの領域間で、多孔質部材の表面は湾曲してよい。その部分における曲率半径は、1mmと10mmの間、又は3mmと7mmの間、例えば5mmの半径でよい。
[00103] 曲率半径は、多孔質部材100の正確な寸法に依存してよい。特に、半径は多孔質部材の幅に依存してよい。つまり、多孔質部材の内径と外径との差に依存する。通常、これは約10mmでよい。半径は、多孔質部材の幅のわずか0.01倍でもよい。多孔質部材の幅の0.005倍から10倍の範囲の半径が可能である。基板の上面と多孔質部材の内側部分の底面との間の距離をhとすると、(外縁における)基板の上面から多孔質部材までの最大距離は通常、hの5倍から10倍である。基板の上面からの距離の変化は通常、多孔質部材の幅に沿って約半分で開始する。
[00104] この構成の利点は、基板Wとバリア部材12の間に延在するメニスカス320が、基板Wの上面に平行な多孔質部材110の部分に沿ったどこかに配置されたままであるはずのことである。したがって、液滴が多孔質部材110とバリア部材12の底面の間の溶着部、特に外縁(望ましくは最も外側の縁部)に残ることがあるという問題が軽減される。こうしないと、液体が例えばこの外縁で溶着部に付着し、除去が非常に困難になることがある。ガスナイフ90は、多孔質部材110を通り越した液体があれば、その液体は溶着部に残り得るので、それを全て拭き取る。多孔質部材110の溶着部外縁を(内縁と比較して0.5mmから2mmだけ、望ましくは1mm)上げることにより、液滴が溶着部に付着するのを防止するのに役立つことがあり、したがって問題に対処することができる。基板Wの上面に平行な多孔質部材110の部分は、長さが約2mmである。この部分に沿って多孔質部材110と接触する液滴は全て抽出される。したがって、溶着部から分離するか、ガスナイフ90によって収集される液滴は、投影システムPSと基板Wとの相対運動が変化した後に多孔質部材110に近づくので、液滴は多孔質部材110と接触し、メニスカス320に接触して気泡の包含を引き起こす前に抽出される。
[00105] 多孔質部材110とバリア部材12の間で内部溶着部に液体が存在することは、液体がいかなる場合でも通常の動作でそこにあるので、問題ではないことに留意されたい。
[00106] 図13及び図14は、メニスカス320に衝突した場合に空間11内の液体中に気泡を形成する液滴を形成するのに可能な2つのメカニズムを示す。これらの可能な2つのメカニズムに関する知識を用いると、像フィールドの外側に形成されたいかなる気泡も突き止めるために、結像のパラメータ(例えばスキャン速度、加速度、整定時間、バリア部材のサイズ、投影システム下の基板の経路など)を調整することが可能である。この目的にアクチュエータ及び基板テーブルのアクチュエータを制御するコントローラが使用される。コントローラはプロセッサ及びメモリを備える。
[00107] スキャン速度及び整定時間を一緒に減少させることにより、システムのスループットへの影響を最小にすることができる。同様に、バリア部材12内のガスナイフ90の幅(例えば直径)を、基板テーブルのパラメータに従って選択することができる。
[00108] 最初のシナリオが図13に図示されている。単相抽出器を通り過ぎる液体があれば、全てガスナイフ90によって捕捉される。したがって、液滴800はガスナイフ90の後縁部分に捕捉される。基板テーブルWTの運動方向が変化すると、液滴800がまとめて押し流され、1つ又は複数のこれより大きい液滴810を形成する。メニスカス320がこのような大きい液滴810に当たるように、基板テーブルWTを支持するステージが移動すると、気泡820が液体中に形成されることがある。液滴810が大きいほど、形成される気泡820が大きくなる。気泡820は空間11内へと移動することがある。小さい液滴の場合、生成された気泡は、露光スリット900に到達する前に迅速に溶解する。しかし、比較的大きい気泡の場合は溶解せず、露光スリット900に到達した時もまだ存在することがある。露光スリット900内に気泡が存在する結果、結像欠陥が生じる。
[00109] 露光スリット900内に気泡が存在するかは、下式で近似することができる。
Figure 0005087581
SSA=スキャン方向でのステップ、整定、及び加速運動の長さ
ν=スキャン方向でのスキャン速度
a=スキャン方向でのステージの加速度
τ=加速後の整定時間
slit=露光スリットの幅(90%強度プロファイルによって割り出す)
AK=ガスナイフの直径
Δy=気泡の広がり
y=フィールド内の液滴の位置
[00110] 液滴の位置が、(広がりを考慮に入れて)フィールドの外側であると計算された場合、気泡は像の外側に生成され、したがって欠陥にならない。つまり、yがy方向でフィールドより大きい場合、液滴はフィールド内にない。
[00111] 図13に示すメカニズムは、スキャン速度が速すぎることにより液体が単相抽出器から逃げた結果である。基板Wの縁部を結像する場合に、同様の事象が生じることがある。これが図14に図示されている。基板Wの縁部がバリア部材12の下方を通過すると、メニスカス320が崩壊し、その結果、液体が失われることがある。この液体損失は、ガスナイフ90によって所定の位置に保持される。図13のシナリオと同様に、方向転換すると大きい液滴810が形成されることがある。大きい液滴810の結果、大きい気泡820が像フィールド900内に現れることがある。
[00112] 以上の式を使用することにより、上述したパラメータを調整し、像フィールド内の気泡形成を回避することができる。例えば、所与のセットの基板テーブルのパラメータでは、像フィールド内の気泡形成を回避するようにガスナイフの直径を選択することができる。同様に、ガスナイフがない場合、(以上と同じ式を使用するが、DAKをDmeniscusで置換して)像フィールドの外側に気泡が生成されるように、メニスカスの直径を十分大きくなるように選択すると、その結果、印刷の欠陥が生じる。
[00113] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00114] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00115] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか一つ、又はその組合せを指す。
[00116] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00117] 実施形態では、液浸リソグラフィ装置がある。液浸リソグラフィ装置は流体ハンドリングシステムを備える。流体ハンドリングシステムは流体を供給するように構成される。流体ハンドリングシステムは、第一側壁に複数の入口穴が、第二側壁に複数の出口穴があるチャンバを備える。第一側壁は第二側壁に対面している。入口穴は、チャンバに入る流体を、第二側壁の複数の出口穴の間にある領域に向かう方向に誘導するように構成される。
[00118] 複数の入口穴及び/又は複数の出口穴は2次元アレイ状とすることができる。複数の入口穴及び複数の出口穴は同じパターンを有することができる。入口穴のパターンは出口穴のパターンと位相がずれていることができる。
[00119] 出口穴は、入口穴と等しい開口寸法又はそれより大きい開口寸法を有することができる。使用時には、第一側壁における流体の圧力低下は、第二側壁における流体の圧力低下と等しいか、それより大きくすることができる。第一側壁と第二側壁は0.2mmから3mm、望ましくは2mmから3mm離間することができる。
[00120] 流体ハンドリングシステムは、液浸リソグラフィ装置の投影システムと基板及び/又は液浸リソグラフィ装置の基板テーブルとの間の空間に流体を供給するように構成することができる。第二側壁は、投影システムの光軸に実質的に平行な面にあるものとすることができる。出口穴は、投影システムの光軸に対して直角な1つ又は複数の面にあるものとでき、この1つ又は複数の面は投影システムの最終要素の底部の上にある。流体ハンドリングシステムは、投影システムに向かって内側に延在する突起をさらに含むことができる。突起は、第二側壁の頂部から突出するように配置することができる。
[00121] 実施形態では、流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。流体ハンドリングシステムは流体を供給するように構成することができる。流体ハンドリングシステムは第一プレート及び第二プレートを備えとすることができる。第一プレートは、流体が通過する複数の貫通穴を有することができる。第二プレートは、流体が通過する複数の貫通穴を有することができる。第一プレートと第二プレートは実質的に平行とすることができ、流体ハンドリングシステムによって供給される流体は、第二プレートの複数の穴を通過する前に、第一プレートの複数の貫通穴を通過するように構成される。
[00122] 第一及び第二プレートは、装置の光軸に実質的に平行とすることができる。実施形態では、第一プレートのどの貫通穴も、第二プレートのどの貫通穴とも同軸ではない。
[00123] 側面図では、第一プレートの貫通穴は第二プレートの貫通穴と位置が合わわされないものとすることができる。第一プレートの貫通穴は第二プレートの貫通穴と同じパターンを有することができる。側面図で見ると、パターンは位相がずれるか、逆転することができる。貫通穴が通る第一プレートの領域と、貫通穴が通る第二プレートの領域とは、実質的に同じ高さとすることができる。
[00124] 実施形態では、流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。流体ハンドリングシステムは流体を供給するように構成することができる。流体ハンドリングシステムは、流れ通路と、通路内に存在する流れに対する少なくとも2つのバリアとを備えることができる。流れ通路は入口から出口まであるものとすることができる。各バリアは、流体が通過する複数の貫通穴を備えることができる。2つのバリアは0.2mmから5mm離間してよい。2つのバリアの一方は出口を備えることができる。
[00125] 実施形態では、流体を供給するように構成された流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。流体ハンドリングシステムは、第一側壁に複数の入口穴が、第二側壁に複数の出口穴があるチャンバを備えることができる。複数の入口穴は、複数の出口穴より小さい開口寸法を有することができる。
[00126] 入口穴は、100〜300μmの開口寸法を有することができ、及び/又は出口穴は300〜700μmの開口寸法を有することができる。貫通穴である壁の面積と貫通穴ではない面積との比率は、第二壁の方が第一壁より大きいものとすることができる。
[00127] 実施形態では、入口を通って流体を供給するように構成された流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。入口は、相互に対面し、それぞれが複数の貫通穴を有する少なくとも2つの離間されたプレート部材を備えることができる。流体が入口を流れるために、一方のプレートの貫通穴は別のプレート部材の貫通穴と位置が合わされていないものとすることができる。
[00128] プレート部材同士の複数の貫通穴は重ならないようにすることができる。プレート部材は、入口全体に均一の圧力分布を提供するように構成することができる。流体ハンドリングシステムは、基板テーブル及び/又は基板間に規定された空間に流体を供給するように構成することができる。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導するように構成することができる。基板テーブルは基板を支持するように構成することができ、入口が部分的に空間を規定する。
[00129] 実施形態では、入口を通して投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に流体を供給するように構成された流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。入口は複数の開口を備えることができる。入口は、滑らかな流体の流れを空間内に、入口に平行な面に対して実質的に直角に供給するように構成することができる。流体の流れの断面流量は実質的に均一とすることができる。
[00130] 複数の開口はアレイ状で、周期的パターンを有することができる。パターンは6角形とすることができる。
[00131] 実施形態では、入口を通して投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に流体を供給するように構成された流体ハンドリングシステムを備える液浸リソグラフィ装置がある。入口は、平面の表面に配置された複数の開口を備えることができる。入口は、滑らかな流体の流れを空間内に、入口に平行な面に対して実質的に直角に供給するように構成することができ、流体の流れの断面流量は実質的に均一である。
[00132] 実施形態では、基板を支持するように構成された基板テーブルと、流体ハンドリングシステムとを備える液浸リソグラフィ装置がある。流体ハンドリングシステムは、基板テーブル及び/又は基板の上に配置することができる。流体ハンドリングシステムは、多孔質部材がある抽出器を含むことができる。多孔質部材は、多孔質部材の表面と流体ハンドリングシステムに面した基板及び/又は基板テーブルの表面との間の距離が、多孔質部材と上面との間に角度の段階的変化がない状態で半径方向に最も内側の位置から半径方向に最も外側の位置まで増加するように、少なくとも一部が湾曲した表面を有することができる。
[00133] 実施形態では、液浸液を空間に閉じ込めることを含むデバイス製造方法がある。空間は投影システムと、基板及び/又は基板テーブルと、流体ハンドリング構造と、流体ハンドリング構造と基板及び/又は基板テーブルとの間に延在する液浸流体のメニスカスとの間に規定することができる。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分にある結像フィールドに投影するように構成することができ、基板テーブルは基板を支持するように構成することができる。方法は、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の相対運動の方向が変化すると、基板及び/又は基板テーブルの表面上に形成された液滴が、結像フィールドの端部に対して縦方向に結像フィールドの長さより大きい変位を有するように、相対運動を引き起こすことを含む。
[00134] 液浸リソグラフィ装置は、基板を支持するように構成された基板テーブルと、流体ハンドリング構造と、アクチュエータとを備える。流体ハンドリング構造は、液浸液を空間内に閉じ込めるように構築し、構成することができる。空間は、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分にある結像フィールドに投影するように構成された投影システムと、基板及び/又は基板テーブルと、使用時に流体ハンドリング構造と基板テーブル及び/又は基板との間に延在する液浸液メニスカスとの間に規定することができる。アクチュエータは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の相対運動の方向が変化すると、基板及び/又は基板テーブルの表面上の液滴が結像フィールドの箸部に対して縦方向に結像フィールドの長さより大きい変位を有するように、相対運動を引き起こすように構成することができる。コントローラはアクチュエータを制御するように構成することができる。
[00135] 上述したコントローラは、信号を受信、処理及び送信するのに適切な任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上述した方法の機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行するために、1つ又は複数のプロセッサを含んでよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を受信するハードウェアを含んでよい。
[00136] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00137] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[00138] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (14)

  1. 流体を供給する流体ハンドリングシステムを備えた液浸リソグラフィ装置であって、前記流体ハンドリングシステムが、第一側壁に複数の入口穴が、第二側壁に複数の出口穴があるチャンバを備え、前記第一側壁が前記第二側壁に対面し、前記入口穴が、前記チャンバに入る流体を前記複数の出口穴の間の前記第二側壁の領域に向かう方向に誘導し、
    前記出口穴が、前記入口穴より大きい開口寸法を有する、液浸リソグラフィ装置。
  2. 前記複数の入口穴及び/又は前記複数の出口穴が、2次元アレイ状である、請求項1に記載の液浸リソグラフィ装置。
  3. 前記複数の入口穴と前記複数の出口穴とが、同じパターンを有する、請求項1又は2に記載の液浸リソグラフィ装置。
  4. 前記入口穴の前記パターンが、前記出口穴の前記パターンと位相がずれている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  5. 使用時に、前記第一側壁における流体の圧力低下が、前記第二側壁における流体の圧力低下と等しい、又はそれより大きい、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  6. 前記第一側壁と第二側壁とが、0.2mmから3mm、望ましくは2mmから3mm離間される、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  7. 前記流体ハンドリングシステムが、前記液浸リソグラフィ装置の投影システムと前記液浸リソグラフィ装置の基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に液体を供給する、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  8. 前記第二側壁が、前記投影システムの光軸に実質的に平行な面にある、請求項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  9. 前記出口穴が、前記投影システムの光軸に対して垂直で、前記投影システムの最終要素の底部の上にある1つ又は複数の面にある、請求項7又は請求項8のいずれかに記載の液浸リソグラフィ装置。
  10. 前記流体ハンドリングシステムが、前記投影システムに向かって内側に延在する突起をさらに備え、前記突起が、前記第二側壁の頂部から突出し、メニスカスが該突起と前記投影システムとの間に延在するように配置される、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  11. 流体を供給する流体ハンドリングシステムを備えた液浸リソグラフィ装置であって、前記流体ハンドリングシステムが、
    流体が通過する複数の貫通穴がある第一プレートと、
    流体が通過する複数の貫通穴があり、前記第一プレートに対面する第二プレートと、を備え、
    前記第一プレートと第二プレートが実質的に平行であり、前記流体ハンドリングシステムによって供給される流体が、前記第二プレートの前記複数の穴を通過する前に、前記第一プレートの前記複数の貫通穴を通過し、
    前記第二プレートの前記貫通穴が、前記第一プレートの前記貫通穴より大きい開口寸法を有する、液浸リソグラフィ装置。
  12. 側面図で、前記第一プレートの前記貫通穴が前記第二プレートの前記貫通穴と位置が合わされていない、請求項11に記載の液浸リソグラフィ装置。
  13. 前記第1プレートと前記第2プレートとが0.2mmから5mm離間される、請求項11又は請求項12のいずれかに記載の液浸リソグラフィ装置。
  14. 前記第二プレートの前記貫通穴が、滑らかな流体の流れを投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間内に、前記第二プレートに平行な面に対して実質的に直角に供給し、前記流体の流れの断面流量が実質的に均一である、請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の液浸リソグラフィ装置。
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