JP5087248B2 - 接着剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、不飽和カルボン酸変性塩素化ポリオレフィンと、有機金属系架橋剤とウレタン樹脂又はアクリル樹脂とからなる、耐溶剤性が良好な接着剤が提案されている(特許文献2)。
しかしながらこれらの接着剤では、電子基板のレジスト処理時に使用されるアルカリ溶液により接着剤が劣化する上に耐熱性も十分ではなかった。
ポリアミド樹脂(B)の水性分散体及び/又はポリエステル樹脂(C)の水性分散体とを含有する。
シアン化ビニル系モノマー(a1)は、重合に供するモノマーの合計、すなわちラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量%中に0.5〜20重量%であることが耐塩素系有機溶剤性の点で好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸−tert−アルキルエステル(a2)は、重合に供するモノマーの合計、すなわちラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量%中に1〜60重量%であることが、接着性の点で好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。
エポキシ基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a3)は、重合に供するモノマーの合計、すなわちラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量%中に0.1〜10重量%であることが、各種基材に対する接着性向上と耐溶剤性向上の点で好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
また、芳香族系ラジカル重合性不飽和モノマー(a4)は、重合に供するモノマーの合計、すなわちラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量%中に0.1〜30重量%であることが、耐アルカリ性の点で好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
アルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは1種類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜併用して用いてもよい。
なお、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)を共重合に供する場合には、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)以外の全モノマーから形成されるアクリル系共重合体のガラス転移温度が−40〜80℃となり得ることが重要であり、−40〜50℃となり得ることが好ましい。
アルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)を使用して得られる共重合体は、以下で説明するガラス転移温度の算出式が当てはまらなくなるため、本発明においては、ガラス転移温度の算出にあたってはモノマー(a6)は除外するものとする。
また、ラジカル重合性不飽和多官能モノマー(a7)を共重合に供する場合においても同様であり、ガラス転移温度の算出にあたってはモノマー(a7)は除外する。
1/Tg=[(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・・(Wn/Tgn)]/100 [I]
但し、W1:モノマー1の重量%、Tg1:モノマー1のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、
W2:モノマー2の重量%、Tg2:モノマー2のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、
Wn:モノマーnの重量%、Tgn:モノマーnのみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)であり、
W1+W2+・・・・+Wn=100であるものとする。
なお、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)を水性媒体中で重合する際に乳化剤として、ラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤を使用する場合には、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の構成の特定及び共重合体のTgの計算に際して、ラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤はモノマーには含めないものとする。
なお、本発明で言う水性媒体とは、その組成が水単独、あるいは水を主成分として親水性有機溶剤が併用された重合媒体を示す。
また、アクリル系共重合体の重合反応を実施する際に用いる有機溶剤は、従来から通常使用されている有機溶媒を用いることができ、具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、及びブチルグリコール、イソブチルグリコール、ジブチルグリコール等のグリコール系溶剤等の各種有機溶剤を挙げることができる。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(B)及びその水性分散体は以下に例示するような方法で得られる。
まず、ポリアミド樹脂(B)としては、公知の方法により製造したものを用いることができる。
例えば、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、ω−アミノ−ω’カルボン酸の自己縮合、ω−アミノ−ω’カルボン酸とジアミン及び/又はジカルボン酸との重縮合、あるいは環状ラクタムの開環重合等の方法により製造したポリアミド樹脂が挙げられる。ここで重縮合又は開環重合の際に重合調節剤として、ジカルボン酸又はモノカルボン酸を用いることができる。
また、モノカルボン酸の具体例としては、カプロン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、ウンデカン酸及びドデカン酸等が挙げられる。
塩基性化合物を使用し、ポリアミド樹脂(B)の水性分散体を得る方法としては、例えば以下に示す方法によることができる。
(1)ポリアミド樹脂を加熱下、界面活性剤及び/又は分散剤等を溶解した水性分散媒中に、撹拌等の手段により強制分散させて、製造する方法。
強制分散の前に、又は強制分散の際中に、あるいは強制分散の後に塩基性化合物を加えることによって、塩基性の水性分散体を得ることができる。
(2)水不溶性の有機溶剤に溶解したポリアミド樹脂溶液を、水性分散媒中で界面活性剤とともに、高剪断力で攪拌乳化した後、有機溶剤を除去する、いわゆる後乳化法により製造する方法。
あらかじめ水性分散媒中に塩基性化合物を加えておいたり、高剪断力で攪拌乳化する際又は攪拌乳化した後に、塩基性化合物を加えたりすることによって、塩基性の水性分散体を得ることができる。
(3)ポリアミド樹脂の末端カルボン酸を、塩基性化合物を用いて自己乳化させて水に分散する方法。
(4)ポリアミド樹脂とアンモニウム化合物とを溶融混合してポリアミド樹脂組成物を得、該ポリアミド樹脂組成物を水性分散媒中に分散させて、水性分散体とする方法。
本発明において用いられるポリアミド樹脂(B)の水性分散体の市販品としては、住友精化(株)製のセポルジョンPA−150,200等がある。
本発明で用いられるポリエステル樹脂(C)及びその水性分散体は以下に例示するような方法で得られる。
本発明において用いられるポリエステル樹脂(C)は、公知の各種のものであって特に限定されるものではないが、好ましくはジカルボン酸とグリコールとの重縮合反応により得られる、融点が70〜200℃の共重合ポリエステル樹脂である。
ノニオン系界面活性剤としては特に限定されるものではないが、
ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステル等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステル等が好ましく、これらは2種類以上を併用してもよい。
(1)分散槽中に水、ポリエステル樹脂及び必要に応じてエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、ノニオン系界面活性剤を仕込み、ポリエステル樹脂が軟化する温度以上まで昇温し、攪拌等の手段によってポリエステル樹脂を強制分散させる方法。
(2)分散槽を、ポリエステル樹脂が水性媒体中で軟化する温度以上にあらかじめ加熱、加圧しておき、攪拌しながら、溶融されたポリエステル樹脂及び必要に応じて、溶融されたエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体と、必要に応じノニオン系界面活性剤を含む水を圧入し、温度を保持しながらポリエステル樹脂を強制分散させる方法。
(3)分散槽を、ポリエステル樹脂が水性媒体中で軟化する温度以上にあらかじめ加熱、加圧しておき、攪拌しながら、溶融されたポリエステル樹脂及び必要に応じエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を含む水と必要に応じノニオン系界面活性剤を含む水を圧入し、温度を保持しながらポリエステル樹脂を強制分散させる方法。
熱分解系水溶性重合開始剤として単独で使用する場合は、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量部に対して、0.1重量部以下の量を用いることが好ましく、0.01〜0.1重量部程度の量を用いるのがより好ましい。乳化重合では、熱分解系水溶性重合開始剤を0.1重量部よりも多く使用することが一般的である。しかし、本発明においては、0.1重量部より過量の熱分解系水溶性重合開始剤を用いると、得られる共重合体エマルジョンから形成される接着剤層の耐温水性が低下する傾向にあり、接着剤層が白化しやすくなり、好ましくない。一方、熱分解系水溶性重合開始剤が0.01重量部未満だと反応が完結せずに未反応モノマーが残留する可能性がある。
レドックス系重合の際に使用される還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。酸化剤及び還元剤は、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量部に対して、それぞれ0.01〜1重量部、及び0.01〜2重量部程度の量を用いるのが好ましい。なお、レドックス系重合の場合、熱分解系重合に比べてより高分子量のポリマーが生成するために、耐熱性、耐水性の点で好ましい。
なお、本発明において、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)を有機溶媒中で重合する場合には油溶性重合開始剤を用いることが好ましいが、上記したような、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、ステアリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸誘導体、チオグリコール酸誘導体などが使用できる。
これら連鎖移動剤は、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量部に対して、0.01〜1重量部程度が好ましく、0.05〜0.5重量部の量を用いるのがより好ましい。
本発明で用いることのできるノニオン系反応性乳化剤としては、例えばアルキルエーテル系、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系、(メタ)アクリレート硫酸エステル系等が挙げられる。
アルキルエーテル系の市販品としては、旭電化工業株式会社製アデカリアソープER−10,ER−20,ER−30,ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420,PD−430,PD−450等がある。
アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系の市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10,RN−20,RN−30,RN−50、旭電化工業株式会社製アデカリアソープNE−10,NE−20,NE−30,NE−40等がある。
(メタ)アクリレート硫酸エステル系の市販品としては、例えば日本乳化剤株式会社製RMA−564,RMA−568,RMA−1114等がある。
非反応性ノニオン系乳化剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、
ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、
ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類、
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー等を例示することができる。又は、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどが挙げられる。
水溶性保護コロイドの使用量としては、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量部当り0.1〜5重量部程度であり、更に好ましくは0.5〜2重量部である。
架橋剤としてはエポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、ヒドラジド化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、アルミニウム化合物及び前記シラン化合物などがあり、少なくともこれら1種以上を使用することができる。
接着助剤の使用量としては、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)の合計100重量部当り1〜30重量部程度であり、更に好ましくは5〜20重量部である。
有機粒子や無機粒子は、被着体に対する接着性向上に寄与したり、耐熱性を向上したりする。
有機粒子としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を架橋、微粒子化せしめたものが挙げられる。
また、無機粒子としては、シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、沈降性炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
上記粒子は、1種又は2種以上を組合せて使用しても構わない。上記粒子は、平均粒径が10μm以下であることが好ましく、5μm以下の粒子であることがより好ましい。
MFTが80℃よりも高いと、接着性が低下しやすい傾向にある。
エマルジョン型接着剤のMFTは、例えば多段乳化重合法によるコアシェル型エマルジョンを生成させたり、ポリマー粒子界面を軟化させる働きを持つアルコール系溶剤などを接着剤に添加したりすることにより低く、また大粒径のシリカ微粒子など成膜を阻害するような物や接着剤の熱伝導率を低下させる物を添加することにより高くコントロールすることができる。
あるいは、前記のような塗工によらずとも、接着剤中に基布を浸漬し、基布に接着剤を含浸させた後に乾燥・硬化させることによっても接着布を得ることができる。
得られる接着布は、ドライクリーニングにおける洗浄物識別用の接着ラベル等の用途に特に有用である。
なお、前記塗工の後には、塗工された接着剤の一部もしくは全部が、基布に含浸された状態となっていてもよい。
カーテンロール方式、コンマロール方式、キスロール方式、スリットダイ方式、リップ方式などの方式によることができる。また、これら塗工方式ではリバース方式での塗工も行うことができる。
また、前記積層体において、プラスチックフィルム(2)として、その表面が剥離処理されてなる剥離フィルムを使用した場合には、該剥離フィルムを剥離して任意の被着体に貼り付けて使用することができるため、接着シートとして有用である。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、イオン交換水338.8部とアニオン系反応性乳化剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬社製)1.6重量部とを仕込んだ。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは50℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、イオン交換水338.8部とアニオン系反応性乳化剤としてアクアロンKH−10 1.6重量部とを仕込んだ。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部の、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを除いた部分のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは46℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
実施例1においてポリエステル樹脂の水性分散体の代わりにポリアミド樹脂の水性分散体であるセポルジョンPA−200(不揮発分40%)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.0、不揮発分濃度40.2%の水性エマルジョンを得た。
また、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは45℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、イオン交換水366.8部とアニオン系反応性乳化剤としてアクアロンKH−10 1.6重量部とを仕込んだ。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは42℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
モノマー(a1)としてアクリロニトリル20.1重量部、モノマー(a2)としてメタクリル酸tert−ブチル120.3重量部、モノマー(a4)としてスチレン20.1重量部、その他のモノマー(a5)としてメタクリル酸メチル140.7重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル91.8重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.0、不揮発分濃度40.1%の水性エマルジョンを得た。
また、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは44℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
モノマー(a1)としてアクリロニトリル20.1重量部、モノマー(a2)としてメタクリル酸tert−ブチル120.3重量部、モノマー(a3)としてグリシジルメタクリレート4.0重量部、その他のモノマー(a5)としてメタクリル酸メチル157.6重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル91.0重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.0、不揮発分濃度40.2%の水性エマルジョンを得た。
また、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは44℃であった。
得られた水性エマルジョンをエマルジョン型接着剤として、以下で述べる評価に供した。
実施例1において、ポリエステル樹脂の水性分散体であるセポルジョンESを20℃で混合したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、エマルジョン型接着剤を得た。
実施例1で得られた水性エマルジョン100重量部に、平均粒子径が5.0μmのシリカ微粒子を5重量部添加したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、エマルジョン型接着剤を得た。
なお、シリカ微粒子含有接着剤のMFTは50℃であった。
実施例1において、その他のモノマー(a5)としてアクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル228.6重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.0、不揮発分濃度40.1%の水性エマルジョンを得た。
また、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は−5℃、水性エマルジョンのMFTは0℃以下であった。
次に、得られた水性エマルジョン100重量部に、平均粒子径が5.0μmのシリカ微粒子を5重量部添加し、エマルジョン型接着剤を得た。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、メチルエチルケトン338.8部を仕込んだ。
次に、モノマー(a1)としてアクリロニトリル20.1重量部、モノマー(a2)としてメタクリル酸tert−ブチル120.3重量部、モノマー(a4)としてスチレン20.1重量部、その他のモノマー(a5)としてメタクリル酸メチル135.1重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル97.4重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部、メチルエチルケトン199.0重量部を混合して、モノマー混合液を得た。
実施例10において、使用する有機溶剤をイソプロピルアルコールに代え、更にポリエステル樹脂の代わりにポリアミド樹脂であるトーマイドPA−100〔富士化成工業(株)製〕を用いたこと以外は実施例10と同様にして、不揮発分濃度40.0%の溶剤型接着剤を得た。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、メチルエチルケトン338.8部を仕込んだ。
更に、得られた樹脂溶液100重量部に、平均粒子径が5.0μmのシリカ微粒子を5重量部添加して不揮発分濃度40.5%の溶剤型接着剤を得た。
モノマー(a1)としてアクリロニトリル20.1重量部、モノマー(a2)としてメタクリル酸tert−ブチル120.3重量部、モノマー(a3)としてグリシジルメタクリレート4.0重量部、モノマー(a4)としてスチレン20.1重量部、その他のモノマー(a5)としてメタクリル酸メチル208.1重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル20.4重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.2、不揮発分濃度40.2%の水性エマルジョンからなる接着剤を得た。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は90℃、水性エマルジョンのMFTは90℃以上であった。
モノマー(a1)としてアクリロニトリル4.0重量部、モノマー(a2)としてメタクリル酸tert−ブチル4.0重量部、モノマー(a3)としてグリシジルメタクリレート4.0重量部、モノマー(a4)としてスチレン4.0重量部、その他のモノマー(a5)としてメタクリル酸メチル16.0重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル360.9重量部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、pH9.1、不揮発分濃度40.1%の水性エマルジョンからなる接着剤を得た。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は−46℃、水性エマルジョンのMFTは0℃以下であった。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、イオン交換水338.8部とアニオン系反応性乳化剤としてアクアロンKH−10 1.6重量部とを仕込んだ。
なお、得られた水性エマルジョン中のアクリル系共重合体部のガラス転移温度(計算値)は50℃、水性エマルジョンのMFTは55℃であった。
ポリエステル樹脂の水性分散体であるセポルジョンESのみをそのまま接着剤として用いた。
ポリアミド樹脂の水性分散体であるセポルジョンPA−200のみをそのまま接着剤として用いた。
攪拌器、温度計、滴下ロート、及び還流器を備えた反応容器に、メチルエチルケトン338.8部を仕込んだ。
ポリエステル樹脂であるバイロン245の40%メチルエチルケトン溶液を溶剤型接着剤とした。
ポリアミド樹脂であるトーマイドPA−100の40%イソプロピルアルコール溶液を溶剤型接着剤とした。
1.接着布の製造
各実施例、及び各比較例で得た接着剤を細孔径80μmのスクリーンを用いて、目付量25g/m2のポリアミド繊維製不織布の表面に、ドット数300個/cm2、塗布量5g/m2で、ドット状に塗布した。次いで150℃で1分間乾燥して接着布を得た。
得られた接着布と綿の表地とを、ホットプレスを用いて130℃、200KPa、15秒の条件で接着し、試験布を得た。得られた試験布を、接着強度試験法(JIS L 1086)に準拠して、試験布を幅25mmに裁断後、引っ張り試験機で引っ張り速度、100mm/分の条件で剥離強度を求めた。求めた剥離強度を以下の基準で判定した。
△:100g(0.98N)/25mm以上500g(4.9N)/25mm未満
×:100g(0.98N)/25mm未満
耐ドライクリーニング性試験法ウオッシュシリンダー法(JIS L 1086)に準拠して、ウオッシュシリンダー中で、陰イオン界面活性剤5g及び非イオン界面活性剤5gをテトラクロロエチレン10Lに溶かし、これに水0.2Lを加えて作った処理液に、前記接着強度の評価方法と同様にして得られた試験布を入れ、15分間撹拌し、脱液後60℃のオーブン中で乾燥した。乾燥した試験布について、前記接着強度と同様の方法により剥離強度を求めた。求めた剥離強度を以下の基準で判定した。
○:500g(4.9N)/25mm以上
△:100g(0.98N)/25mm以上500g(4.9N)/25mm未満
×:100g(0.98N)/25mm未満
各実施例、及び各比較例で得た接着剤をPETフィルム(厚み:100μm)に塗布し、100℃−30秒の加熱により溶媒を除去し、1.0g/m2の厚みの接着剤層を設けた。
接着剤層の表面に、コロナ処理済みトリアセテートフィルム(厚み:100μm)を接触させつつ、ニップロールで加熱・加圧し(ニップ温度75℃、ニップ圧力150N/cm)、積層体を得、後述する方法で接着力等を求めた。
上記方法にて作製した積層体を15mm×10mmの大きさに裁断し、テストピースとした。インスロン型引っ張り試験機を使用し、剥離速度300mm/minの条件で各テストピースについてフィルム間のT型剥離強度(g/15mm、5点平均)を測定した。
◎:優秀。剥離強度800g/15mm以上
○:良好。剥離強度600g/15mm以上800g/15mm未満
△:やや不良。剥離強度400g/15mm以上600g/15mm未満
×:不良。剥離強度400g/15mm未満
上記方法にて作製したテストピースを80℃オーブンに100時間入れ、外観変化を確認する。
◎:優秀。外観変化なし。
○:良好。若干着色あり。
△:やや不良。黄色に変化し、実用不可。
×:不良。黄色に変化すると同時ににごりも発生し、実用不可。
テトラクロロエチレンを含浸させた脱脂綿を絞った後に、PETフィルム上に形成された接着層表面を100往復ラビングし、ラビングした部分の接着層の残存状況で下記5段階評価を行った。
5:接着層に変化なし。
4:接着層が20%未満なくなっている。
3:接着層が20%以上50%未満なくなっている。
2:接着層が50%以上80%未満なくなっている。
1:接着層が80%以上なくなっている。
アセトンを含浸させた脱脂綿を絞った後に、PETフィルム上に形成された接着層表面を100往復ラビングし、ラビングした部分の接着層の残存状況で下記5段階評価を行った。
5:接着層に変化なし。
4:接着層が20%未満なくなっている。
3:接着層が20%以上50%未満なくなっている。
2:接着層が50%以上80%未満なくなっている。
1:接着層が80%以上なくなっている。
上記評価の結果を表1〜4に示す。
AN:アクリロニトリル
t−BMA:tert−ブチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
一方、比較例に示すように、上記発明特定事項のいずれか1つでも欠くと、接着剤に対する要求性能を満足させることはできない。
Claims (10)
- ラジカル重合性不飽和モノマー(A)を、重合開始剤を用いて、水性媒体中で重合してなる、ガラス転移温度が−40〜80℃のアクリル系共重合体の水性分散体と、ポリアミド樹脂(B)の水性分散体及び/又はポリエステル樹脂(C)の水性分散体とを含有すること、及び
前記ラジカル重合性不飽和モノマー(A)が、シアン化ビニル系モノマー(a1)及び(メタ)アクリル酸−tert−アルキルエステル(a2)を含むことを特徴とするエマルジョン型接着剤。 - シアン化ビニル系モノマー(a1)、(メタ)アクリル酸−tert−アルキルエステル(a2)及びアルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)を含むラジカル重合性不飽和モノマー(A)であって、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a6)以外のモノマーから求められるアクリル系共重合体のガラス転移温度が−40〜80℃となり得る、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)を、重合開始剤を用いて、水性媒体中で重合してなるアクリル系共重合体の水性分散体と、
ポリアミド樹脂(B)の水性分散体及び/又はポリエステル樹脂(C)の水性分散体とを含有することを特徴とする請求項1記載のエマルジョン型接着剤。 - ラジカル重合性不飽和モノマー(A)が、エポキシ基を有するラジカル重合性不飽和モノマー(a3)又は芳香族系ラジカル重合性不飽和モノマー(a4)の少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のエマルジョン型接着剤。
- 重合開始剤が、酸化剤と還元剤とからなるレドックス系重合開始剤であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のエマルジョン型接着剤。
- 重合開始剤が、熱分解系水溶性開始剤であり、ラジカル重合性不飽和モノマー(A)100重量部に対して、0.1重量部以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のエマルジョン型接着剤。
- 有機粒子及び/又は無機粒子を更に含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のエマルジョン型接着剤。
- ラジカル重合性不飽和モノマー(A)を、重合開始剤を用いて、水性媒体中で重合してなる、ガラス転移温度が−40〜80℃のアクリル系共重合体の水性分散体と、ポリアミド樹脂(B)の水性分散体及び/又はポリエステル樹脂(C)の水性分散体とを40〜90℃で混合すること、及び
前記ラジカル重合性不飽和モノマー(A)が、シアン化ビニル系モノマー(a1)及び(メタ)アクリル酸−tert−アルキルエステル(a2)を含むことを特徴とする、エマルジョン型接着剤の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエマルジョン型接着剤から形成される接着層が、基布に固定されてなることを特徴とする接着布。
- プラスチックフィルム(1)、紙及び基布からなる群より選ばれるいずれかの基材と、プラスチックフィルム(2)とが、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエマルジョン型接着剤から形成される接着層を介して積層されてなることを特徴とする積層体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエマルジョン型接着剤から形成される接着層が、プラスチックフィルム(1)、紙及び基布からなる群より選ばれるいずれかの基材に積層されてなることを特徴とする接着シート。
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