JP2012233020A - 水性塗剤及び塗膜並びにその塗膜を備えた積層体、成型品 - Google Patents

水性塗剤及び塗膜並びにその塗膜を備えた積層体、成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性に優れる他、樹脂の軟化点以上の高温下でも流動性の少ない樹脂塗膜を得るのに適した水性塗剤並びにその水性塗剤を使用して形成した塗膜、積層体及び成型品を提供する。
【解決手段】ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含み、酸価がアミン価より高くかつ1〜20mgKOH/gであるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、架橋剤と、水性媒体とを含有することを特徴とする水性塗剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定組成のポリアミド樹脂を含有する水性塗剤、並びにその水性塗剤を使用して形成した塗膜、積層体及び成型品に関するものである。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、一般に密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性に優れた樹脂であり、自動車部品やケーブルなど幅広い用途でのホットメルト接着剤や樹脂改質用の添加剤などに用いられている。また、樹脂中のジカルボン酸成分、ジアミン成分、末端酸成分量、末端アミン成分量などを調整することにより、樹脂の軟化点やMFR、接着性や柔軟性などの特性を幅広く制御できることも特徴の一つである。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の特性を損なうことのなく溶液もしくは分散体を得ることができれば、例えば樹脂フィルムやシート、紙、金属などの表面に容易にダイマー酸系ポリアミド樹脂塗膜を形成し、良好な密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性を付与することができる。しかしながら、ダイマー酸系ポリアミド樹脂、特にその酸価、アミン価が小さい樹脂、また軟化点の高い樹脂においては、アルコール類やトルエンなど各種溶媒への溶解性が劣り、安定した溶液を得ることが困難である。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂水性塗剤を得ようとする試みもある。例えば特許文献1において、酸価8以上のポリアミド樹脂を通常20質量%以上のアルキルアルカノールアミンを含む水系溶媒中に分散する方法が検討されている。そして、特許文献2〜5には、ダイマー酸系ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂の水性塗剤を得る方法が開示されている。
しかし、上記特許文献1記載の方法により得られる水性塗剤は、室温においてゲル化するという問題があり、分散安定性の点で課題を残している。
他方、上記特許文献2〜4記載の方法では、いずれも乳化剤や界面活性剤を必須成分とすることから、塗膜中に乳化剤や界面活性剤が含有されてしまい、これらが塗膜の特性、例えば本来ポリアミド樹脂が有する良好な接着性や耐薬品性などに悪影響を及ぼすという問題がある。また、加温下においては低粘度の塗剤が得られるが、冷却することによって増粘が始まり、室温では増粘、ゲル化するという問題がある。
さらに、ダイマー酸系ポリアミド樹脂からなる塗膜を備えた積層体を、塗膜樹脂の軟化点以上の温度、例えば200℃程度に加熱すると、基材上に形成された塗膜の流動性が高くなり、基材との密着性が低下するという問題があった。
特開昭64−20261号公報 特開平2−4862号公報 特開平2−4863号公報 特開2000−7787号公報 特開2001−270987号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するものであって、密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性に優れる他、樹脂の軟化点以上の高温下でも流動性の少ない樹脂塗膜を得るのに適した水性塗剤並びにその水性塗剤を使用して形成した塗膜、積層体及び成型品を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含む水性塗剤から得られる塗膜が、良好な密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性を示す他、樹脂の軟化点以上に加熱しても低流動性を示す(高温下低流動性)ことを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含み、酸価がアミン価より高くかつ1〜20mgKOH/gであるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、架橋剤と、水性媒体とを含有することを特徴とする水性塗剤。
(2)ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜100質量部含有することを特徴とする(1)記載の水性塗剤。
(3)架橋剤が、ヒドラジド化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物及びオキサゾリン化合物からなる群より選ばれた一種以上の化合物であることを特徴とする(1)又は(2)記載の水性塗剤。
(4)ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含み、酸価がアミン価より高くかつ1〜20mgKOH/gであるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、水性媒体とを含有し、放射線が照射されてなることを特徴とする水性塗剤。
(5)さらに塩基性化合物を含有し、ダイマー酸系ポリアミド樹脂が数平均粒子径0.5μm以下の状態で水性媒体中に分散されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の水性塗剤。
(6)常圧時の沸点が185℃以上もしくは不揮発性の水性分散化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の水性塗剤。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性塗剤から水性媒体を除去してなる塗膜。
(8)基材と、(7)記載の塗膜とを備えてなる積層体。
(9)上記(7)記載の塗膜を備えてなる成型品。
本発明の水性塗剤を用いることで、密着性、柔軟性、耐薬品性、耐熱接着性などと共に、高温下低流動性を示す塗膜を得ることができる。したがって、本発明の水性塗剤を用いて積層体中もしくは成型品中の塗膜を形成すれば、積層体及び成型品が様々な過程で高温下におかれても塗膜・基材間の密着性を保つことができ、塗膜の高温流動に伴う積層体及び成型品の形状変化を抑えることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性塗剤は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂を含有する。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂として広く使用されているナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの樹脂に比べて、大きな炭化水素グループを有するために柔軟性を有している。
本発明において、ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分としてダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含有することが必要であり、60モル%以上含有することが好ましく、70モル%以上含有することがさらに好ましい。ダイマー酸の割合が50モル%未満であると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の特性や効果を奏することが困難となる。
ここでダイマー酸とは、オレイン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られるものであり、ダイマー酸成分の25質量%以下であれば、単量体であるモノマー酸(炭素数18)、三量体であるトリマー酸(炭素数54)、炭素数20〜54の他の重合脂肪酸を含んでもよく、さらに水素添加して不飽和度を低下させたものでもよい。ダイマー酸は、ハリダイマーシリーズ(ハリマ化成社製)、プリポールシリーズ(クローダジャパン社製)、ツノダイムシリーズ(築野食品工業社製)などとして市販されており、これらを用いることができる。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂のジカルボン酸成分としてダイマー酸以外の成分を用いる場合は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ノナンジカルボン酸、フマル酸などを用いることが好ましく、これらを50モル%未満含有することにより、樹脂の軟化点や接着性などの制御が容易となる。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂のジアミン成分としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジンなどを用いることができ、中でもエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、m−キシレンジアミン、ピペラジンが好ましい。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂を重合する際に、上記ジカルボン酸成分とジアミン成分の仕込み比を変更することによって、樹脂の重合度や酸価もしくはアミン価を制御することが可能となる。
本発明において、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価は、1〜20mgKOH/gであることが必要であり、1〜15mgKOH/gであることが好ましく、3〜12mgKOH/gであることがより好ましく、3〜7mgKOH/gであることが最も好ましい。樹脂の酸価が1mgKOH/g未満では、安定な水性塗剤を得ることが困難になり、一方、20mgKOH/gを超えると、本来のダイマー酸系ポリアミド樹脂の良好な特性である耐薬品性が低下することがある。
また、酸価はアミン価より高いことが必要である。酸価がアミン価よりも低くなると、得られる水性塗剤の塩基性域における安定性が大幅に低下する。
なお、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義されるものである。一方、アミン価とは、樹脂1g中の塩基成分とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数で表されるものである。いずれも、JIS K2501に記載の方法で測定される。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の軟化点は、70〜250℃であることが好ましく、80〜240℃であることがより好ましく、80〜200℃であることがさらに好ましい。軟化点が70℃未満であると、得られる塗膜の強度が低くなる傾向にあり、また室温におけるタック感が高くなる傾向にある。一方、軟化点が250℃を超えると、樹脂を水性媒体中に分散させるのが困難となる傾向にある。
本発明においては、ダイマー酸系ポリアミド樹脂を架橋することにより、樹脂の軟化点以上に加熱しても低流動性(高温下低流動性)を示す塗膜を得ることができる。ダイマー酸系ポリアミド樹脂の架橋は、水性塗剤に架橋剤を添加するか、または水性塗剤に放射線を照射することによってなされる。
架橋剤を用いて架橋させる場合に、その架橋剤としては、ダイマー酸系ポリアミド樹脂同士を架橋できるものであれば、どのようなものでも使用できる。例えば、ヒドラジド化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物が好ましく、これらの化合物を、単独で又は混合して用いることができる。中でもオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物が好適である。この他、架橋剤として、自己架橋性を有するものや多価の配位座を有するものなども使用できる。
本発明では、入手が容易であるという点から市販の架橋剤を用いてもよい。具体的には、ヒドラジド化合物として、大塚化学社製APAシリーズ(APA−M950、APA−M980、APA−P250、APA−P280など)などが使用できる。イソシアネート化合物として、BASF社製のバソナート(BASONAT)PLR8878、バソナートHW−100、住友バイエルウレタン社製のバイヒジュール(Bayhydur)3100、バイヒジュールVPLS2150/1などが使用できる。メラミン化合物として、三井サイテック社製サイメル325などが使用できる。尿素化合物として、DIC社製のベッカミンシリーズなどが使用できる。エポキシ化合物として、ナガセケムテック社製のデナコールシリーズ(EM−150、EM−101など)、ADEKA社製のアデカレジンEM−0517、EM−0526、EM−051R、EM−11−50Bなどが使用できる。カルボジイミド化合物として、日清紡ケミカル社製のカルボジライトシリーズ(SV−02、V−02、V−02−L2、V−04、E−01、E−02、V−01、V−03、V−07、V−09、V−05などが使用できる。オキサゾリン化合物として、日本触媒社製のエポクロスシリーズ(WS−500、WS−700、K−1010E、K−1020E、K−1030E、K−2010E、K−2020E、K−2030E)などが使用できる。これらは、架橋剤を含む分散体又は溶液として市販されている。
さらに、本発明の水性塗剤は、水性媒体を含有する。水性媒体とは、水を主成分とする液体からなる媒体で、水性媒体中には、後述する塩基性化合物や親水性有機溶剤を含有させてもよい。
このように、本発明の水性塗剤には、ダイマー酸系ポリアミド樹脂及び架橋剤が含まれる。そして、この両者は水性塗剤の有効成分に相当し、有効成分としての機能を十分に発揮させる観点から、両者は、水性塗剤中に、ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し架橋剤が0.5〜100質量部の割合で含有されることが好ましい。
架橋剤の含有割合が0.5質量部未満になると、塗膜において所望の高温下低流動性などの架橋効果が得難くなり、一方、100質量部を超えると、水性塗剤の液安定性や加工性などが低下する結果、塗膜としての基本性能が得難くなり、いずれも好ましくない。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、これが含まれる水性分散体に、放射線照射することによっても架橋させることができる。放射線の照射によってポリアミド樹脂が架橋された水性分散体から得られる塗膜は、樹脂の軟化点以上に加熱しても低流動性(高温下低流動性)を示す。
放射線照射の際に、架橋促進の目的で、活性ラジカル種を発生させる公知の化合物を水性分散体に含有させることができる。そのような化合物として、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア184、907等が挙げられ、その使用量は、樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。
放射線の線源としては、α線、β線(電子線)、γ線、X線、紫外線等が挙げられ、コバルト60からのβ線、γ線、X線が好ましく、中でもγ線、電子加速器の使用によるβ線照射処理がより好ましい。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を、一定期間をおいて照射してもよい。
放射線を水性分散体に照射する際には、容器に入れた水性分散体を放射線源付近に配置する。その際、照射中に線源または容器の位置を変えるか、または水性分散体を攪拌するかのいずれかによって、実質的に均一に照射することが好ましい。あるいは、ラジカルを発生させるために、水性分散体の一部を線源付近に配置して照射した後、残りの水性分散体と混合してもよい。さらに、水性分散体をポンプ等で送液しつつ放射線を照射してもよい。
放射線の照射線量は、特に限定されないが、10〜400kGyが好ましく、20〜300kGyがより好ましくは、50〜200kGyがさらに好ましい。照射線量が10kGyより少ないと架橋が不十分になり、400kGyを超えると架橋が進みすぎて、柔軟性、機械的特性が低下し、クラックが発生しやすくなるおそれがある。
放射線の照射時の雰囲気には特に制限はないが、酸素濃度が低いほど放射線の照射線量を小さくすることができる。雰囲気を窒素やアルゴンなどの不活性ガスで置換してもよい。
水性塗剤に含まれる各成分は、水性媒体中に溶解又は分散する形で存在していることが一般的に好ましく、特にダイマー酸系ポリアミド樹脂は水性媒体中で分散していることが好ましい。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂を水性媒体中に安定性よく分散させるには、塩基性化合物を用いることが好ましい。塩基性化合物を使用することによって、ダイマー酸系ポリアミド樹脂に含まれるカルボキシル基の一部又は全てが中和され、カルボキシルアニオンが生成し、その電気的反発力によって、樹脂微粒子間の凝集が解れ、ダイマー酸系ポリアミド樹脂が水性媒体中に安定性よく分散する。
本発明の水性塗剤では、このようにダイマー酸系ポリアミド樹脂を水性媒体中に分散させた水性分散体の形にして用いることが好ましい。かかる水性分散体では、ダイマー酸系ポリアミド樹脂中のカルボキシル基が塩基性化合物で中和されており、アルカリ性域で安定した形態を保つことができる。水性分散体のpHとしては、7〜13の範囲が好ましい。塩基性化合物としては、常圧時の沸点が185℃未満の塩基性化合物が好ましい。
常圧時の沸点が185℃未満の塩基性化合物としては、アンモニア、有機アミン化合物などのアミン類などが挙げられる。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。常圧時の沸点が185℃未満の塩基性化合物として、中でもトリエチルアミン、N、N−ジメチルエタノールアミンが好ましい。
塩基性化合物の常圧時の沸点が185℃を超えると、水性塗剤を塗布して塗膜を形成する際に、乾燥によって塩基性化合物、特に有機アミン化合物を揮発させることが困難になり、衛生面や塗膜特性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の水性塗剤において、塩基性化合物の含有量は、樹脂固形分に対して0.01〜100質量%であることが好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。塩基性化合物の含有量が0.01質量%未満では、塩基性化合物を添加する効果に乏しく、分散安定性に優れた水性塗剤を得ることが困難となる。一方、塩基性化合物の含有量が100質量%を超えると、水性塗剤の着色やゲル化が生じやすくなる傾向や、エマルションのpHが高くなりすぎるなどの傾向がある。
水性塗剤に含まれるダイマー酸系ポリアミド樹脂粒子の数平均粒子径としては、0.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。数平均粒子径が0.5μmを超えると、分散安定性及び希釈安定性が低下し、さらに塗膜にした際、緻密さに欠ける傾向にあり、好ましくない。ダイマー酸系ポリアミド樹脂粒子の数平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。具体的には、日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用いて測定する。
水性塗剤中のダイマー酸系ポリアミド樹脂の含有量(固形分濃度)としては、使用目的や保存方法などにあわせて適宜選択でき、特に限定されないが、3〜40質量%であることが好ましく、中でも10〜35質量%であることが好ましい。水性塗剤中のダイマー酸系ポリアミド樹脂の含有量が上記範囲より少ない場合は、乾燥工程によって塗膜を形成する際に時間を要することがあり、また厚い塗膜を得難くなる傾向にあり、好ましくない。一方、水性塗剤中のダイマー酸系ポリアミド樹脂の含有量が上記範囲より多い場合は、分散体の保存安定性が低下しやすくなる傾向にあり、好ましくない。
本発明において、水性塗剤は、常圧時の沸点が185℃以上もしくは不揮発性の水性化助剤を含有しないことが好ましい。常圧時の沸点が185℃以上もしくは不揮発性の水性化助剤とは、乳化剤成分又は保護コロイド作用を有する化合物などを指す。つまり、本発明では、水性化助剤を使用しなくても、樹脂の粒子径を微小なものとなし安定した水性塗剤が得られるから、あえて水性化助剤を使用する必要がないのである。ただ、水性化助剤の使用により水性塗剤の安定性が直ちに低減するというわけではないので、本発明では水性化助剤の使用を妨げるものでない。しかしながら、本発明の水性塗剤は、水性化助剤を必須成分とするいわゆる転相乳化法に基づく方法により得られたものとは明確に区別されるため、水性化助剤はできる限り使用しないことが好ましく、全く使用しないことが特に好ましい。ただし、本発明の水性塗剤を得た後については、目的に応じて水性化助剤を積極的に使用してもよく、例えば、本発明の水性塗剤を含む別の塗剤を新たに得るときなど、目的に応じて水性化助剤を添加してよいことはいうまでもない。
ここで、乳化剤成分としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤又は両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネートなどが挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やソルビタン誘導体などが挙げられる。そして、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。
保護コロイド作用を有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類及びその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマー及びその塩、ポリイタコン酸及びその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼインなど、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物などが挙げられる。
水性塗剤の粘度としては、特に限定されないが、室温でも低粘度であることが好ましい。具体的には、B型粘度計(トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計)を用いて20℃下で測定した回転粘度として、20000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がより好ましく、500mPa・s以下がさらに好ましい。水性塗剤の粘度が20000mPa・sを超えると、基材に分散体を均一に塗布することが難しくなる傾向にあり、好ましくない。
次に、本発明におけるダイマー酸系ポリアミド樹脂を水性分散化して水性塗剤となす場合において、その水性分散体の製造方法について説明する。
水性分散体を得るにあたっては、密閉可能な容器を用いることが好ましい。つまり、密閉可能な容器に各成分を仕込み、加熱、攪拌する手段が好ましく採用される。
具体的に、まず、所定量のダイマー酸系ポリアミド樹脂と、塩基性化合物と、水性媒体とを容器に投入する。なお、前述したように、水性媒体中に塩基性化合物や後述する親水性有機溶剤を含有させてもよいので、例えば、塩基性化合物を含有する水性媒体を用いるのであれば、別途、塩基性化合物を投入せずとも、結果的に容器中に塩基性化合物が仕込まれることになる。
次に、容器を密閉し、好ましくは70〜280℃、より好ましくは100〜250℃の温度で、加熱撹拌する。加熱攪拌時の温度が70℃未満になると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の分散が進み難く、樹脂の数平均粒子径を0.5μm以下とすることが難しくなる傾向にあり、一方、280℃を超えると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の分子量が低下する恐れがあり、また、系の内圧が無視できない程度まで上がることがあり、いずれも好ましくない。
加熱撹拌する際は、樹脂が水性媒体中に均一に分散されるまで毎分10〜1000回転で加熱撹拌することが好ましい。
さらに、親水性有機溶剤を併せて容器に投入してもよい。この場合の親水性有機溶剤としては、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の粒子径をより小さくし、同時にダイマー酸系ポリアミド樹脂の水性媒体への分散をより促進する観点から、20℃における水に対する溶解性が、好ましくは50g/L以上、より好ましく100g/L以上、さらに好ましくは600g/L以上、特に好ましくは水と任意の割合で溶解可能な親水性有機溶剤を選んで使用するとよい。また、親水性有機溶剤の沸点としては、30〜250℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましい。沸点が30℃未満になると、水性分散体の調製中に親水性有機溶剤が揮発しやすくなり、その結果、親水性有機溶剤を使用する意味が失われると共に、作業環境も悪化しやすくなる。一方、250℃を超えると、水性分散体から親水性有機溶剤を除去することが困難となる傾向にあり、その結果、塗膜となしたとき、塗膜に有機溶剤が残留し、塗膜の耐溶剤性などを低下させることがある。
前述の塩基性化合物のときと同様、水性媒体中に親水性有機溶剤を含有させてもよいので、親水性有機溶剤を含有する水性媒体を用いるのであれば、別途、親水性有機溶剤を追加投入せずとも、結果的に容器中に親水性有機溶剤が仕込まれることになる。
親水性有機溶剤の配合量としては、水性媒体を構成する成分(水、塩基性化合物及び親水性有機溶剤を含む各種有機溶剤)の全体に対し60質量%以下の割合で配合されるのが好ましく、1〜50質量%がより好ましく、2〜40質量%がさらに好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。親水性有機溶剤の配合量が60質量%を超えると、水性化の促進効果がそれ以上期待できないばかりか、場合によっては水性分散体をゲル化させる傾向にあり、好ましくない。
親水性有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチルなどのエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。
水性化の際に配合された有機溶剤や塩基性化合物は、その一部をストリッピングと呼ばれる脱溶剤操作で、水性分散体から除くことができる。このようなストリッピングによって有機溶剤の含有量は必要に応じて0.1質量%以下まで低減することが可能である。有機溶剤の含有量が0.1質量%以下となっても、水性分散体の性能面での影響は特に確認されない。ストリッピングの方法としては、常圧又は減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができる。この際、塩基性化合物が完全に留去されないような温度、圧力を選択することが好ましい。また、水性媒体の一部が同時に留去されることにより、水性分散体中の固形分濃度が高くなるため、固形分濃度を適宜調整することが好ましい。
脱溶剤操作が容易な親水性有機溶剤としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどがあり、本発明では、特にエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランなどが好ましく用いられる。脱溶剤操作が容易な親水性有機溶剤は、一般に樹脂の水性化促進に資するところも大きいため、本発明では、好ましく用いられる。
また、水性分散体を得る際、親水性有機溶剤を含有する水性媒体中に、樹脂の分散を促進させる目的で、トルエンやシクロヘキサンなどの炭化水素系有機溶剤を、水性媒体を構成する成分の全体に対し、10質量%以下の範囲で配合してもよい。炭化水素系有機溶剤の配合量が10質量%を超えると、製造工程において水との分離が著しくなり、均一な水性分散体が得られない場合がある。
本発明における水性分散体は、以上の方法により得ることができるが、各成分を加熱攪拌した後は、得られた水性分散体を必要に応じて室温まで冷却してもよい。無論、本発明における水性分散体は、かかる冷却過程を経ても何ら凝集することなく、安定性は当然維持される。
そして、水性分散体を冷却した後は、直ちにこれを払い出し、次なる工程に供しても基本的に何ら問題ない。しかしながら、容器内には異物や少量の未分散樹脂が稀に残っていることがあるため、水性分散体を払い出す前に、一旦濾過工程を設けることが好ましい。濾過工程としては、特に限定されないが、例えば、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(例えば空気圧0.5MPa)する手段が採用できる。
水性分散体を得た後は、この水性分散体と、前述の架橋剤を含む分散体又は溶液とを適量混合することで、目的の水性塗剤を得ることができる。
他方、本発明のダイマー酸系ポリアミド樹脂を水性媒体中に溶解して水性塗剤となす場合については、例えば、n−プロパノールなどの親水性有機溶剤にポリアミド樹脂を加え、30〜100℃の温度下で加熱攪拌することで樹脂を一旦溶解した後、これに水並びに前述の架橋剤を含む分散体又は溶液を適量添加することで、目的の水性塗剤を得ることができる。
本発明の水性塗剤には、用途に応じて、帯電防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤などの添加剤が配合されていてもよく、特に添加剤として塩基性の材料を配合しても良好な分散安定性が維持される。
本発明の水性塗剤は、主に積層体を得るときのコート剤として使用することができる。そこで、本発明の水性塗剤を用いて積層体を得る方法について説明する。
積層体は、基本的に本発明の水性塗剤を基材に塗布し、後に乾燥することにより得ることができる。
本発明の水性塗剤を基材に塗布する方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などが採用できる。これらの方法により水性塗剤を基材の表面に均一に塗工することができる。
水性塗剤を塗布する基材としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、ガラス材料、金属材料などで形成されたものが好適である。
基材として使用できる樹脂材料としては、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリルロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、トリアセテートセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、再生セルロース系樹脂、ジアセチルセルロース系樹脂、アセテートブチレートセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。樹脂材料は延伸処理されていてもよい。また、樹脂材料には、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などが含まれていてもよい。樹脂材料には、その他の材料と積層する場合の密着性などを考慮して、表面に前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などが施されていてもよい。また、シリカ、アルミナなどが蒸着されていてもよく、バリア層や易接着層、帯電止層、紫外線吸収層、接着層、離型層、反射防止層、ハードコート層、アンチグレア層などの他の層が積層されていてもよい。
また、金属材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウムなどが使用できる。さらに、紙や合成紙も基材として使用できる。
上記のように、本発明の水性塗剤を基材に塗布した後、乾燥熱処理することにより、水性媒体を除去することができ、緻密な塗膜を基材に密着させた積層体を得ることができる。さらに、同様の手段にて成型品を得ることもできる。
本発明の積層体、成型品は基本的に以上の方法により得ることができる。また、得られた積層体、成型品を後に一部材として他製品の製造に用いたり、得られた積層体、成型品を後に付加価値を与える目的で他工程に導入するような場合、熱プレス工程、熱セット工程といった加熱を伴うような工程を経ることがある。この場合、塗膜が高温下低流動性に欠けるものであると、塗膜・基材間の密着性を保てないばかりか、塗膜が流れ出し、その結果、積層体及び成型品の形状が大きく変化することがある。これに対し、本発明では、特定組成のダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含む水性塗剤から塗膜を得ているため、塗膜は柔軟性を維持しつつ高温下低流動性を示し、積層体及び成型品が様々な過程で高温下におかれても塗膜・基材間の密着性は保たれ、さらに、塗膜の高温流動に伴う積層体及び成型品の形状変化をも抑えることができる。
積層体及び成型品において、基材に形成される塗膜の厚みとしては、特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選択することができる。一般的には、0.05〜50μmの範囲とすることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。0.05μm未満では、塗膜の特性が十分に発現されないことがあり、一方、50μmを超えると塗膜の特性(効果)が飽和し、コスト的に不利となる場合がある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各種の値の測定及び評価は以下のように行った。
(1)ダイマー酸系ポリアミド樹脂の特性値
〔酸価、アミン価〕
JIS K 2501に記載の方法により測定した。
〔軟化点温度〕
樹脂10mgをサンプルとし、顕微鏡用加熱(冷却)装置ヒートステージ(リンカム社製、Heating−Freezing ATAGE TH−600型)を備えた顕微鏡を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測定を行い、樹脂が溶融した温度を軟化点とした。
(2)水性分散体の固形分濃度
得られた水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(3)水性分散体のpH
pHメータ(堀場製作所社製、F−52)を用い、pHを測定した。
(4)水性分散体の粘度
B型粘度計(トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計)を用い、温度25℃における回転粘度(mPa・s)を測定した。
(5)水性分散体中の樹脂の数平均粒子径
水性分散体中の樹脂の数平均粒子径は、日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用いて動的光散乱法によって測定した。
(6)接着性
基材として銅箔(厚さ20μm)を用い、この基材の片面に水性塗剤を、乾燥後の樹脂層の厚さが3μmになるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間加熱乾燥することにより、塗膜を銅箔の表面に形成した。次に、塗膜表面に上記と同じ銅箔を重ね合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで30秒間)を用いて160℃でプレスした。そして、得られた銅積層体から幅15mm、長さ10cmの測定サンプルを切り出し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、室温下、引張り速度200mm/分の条件にてT型剥離試験を行うことにより剥離強度を測定し、その値の大きさで接着性を評価した。なお、測定はサンプルを5枚採取し、その平均値を剥離強度とした。
(7)塗膜樹脂のメルトフローレート(MFR)
水性塗剤を容器に入れ、120℃に保たれた乾燥機内に3時間投入することにより水性媒体を除去した。そして、残された固形分について、JIS K7210:1999記載の方法(190℃、2160g荷重)に準じて、MFRを測定した。なお、MFRは、樹脂の流動性の指標となるもので、MFRが低くなるほど高温下低流動性が顕著になると認められる。
(8)柔軟性
基材として軟質塩化ビニルシートを用い、この基材の片面に、得られた水性塗剤を乾燥後の樹脂層の厚さが3μmになるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間加熱乾燥処理をすることにより、樹脂塗膜を軟質塩化ビニルシートの表面に形成して積層体を得た。これにゲルボフレックス試験機で100回処理(20℃、約15cmのストロークで1分間に40往復の処理)を行った後、積層体の塗膜について、JIS K5600に記載の方法に従い、クロスカット法によって密着性を評価した。
◎:どの格子にも剥がれが見られない。
○:格子カットの縁に沿ってわずかに剥がれが見られる。全体の5%以下。
△:全体の5〜15%程度の剥がれが見られる。
×:全体の15%以上の剥がれが見られる。
(9)耐アルカリ性
基材としてアルミニウム箔を用い、この基材の片面に、得られた水性塗剤を乾燥後の樹脂層の厚さが2μmになるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間加熱乾燥処理をすることにより、樹脂塗膜をアルミニウム箔の表面に形成した。その後、NaOH水溶液(20℃においてpH12.0に調整)に50℃で3分間浸漬した後、塗膜の溶解、あるいは剥離の有無を目視で評価した。
○:外観に変化なし。
△:塗膜の一部が溶解、あるいは剥離、白化する。
×:塗膜が溶解、あるいは剥離、白化する。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂としては、以下のP−1〜P−6を用いた。
なお、P−1〜P−6製造時には、ダイマー酸原料として、築野食品工業社製「ツノダイム395(商品名)」(ダイマー酸を94質量%、モノマー酸を3質量%、トリマー酸を3質量%含有)を用いた。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−1〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を100モル%含有し、ジアミン成分としてエチレンジアミンを100モル%含有し、酸価が15.0mgKOH/g、アミン価が0.3mgKOH/g、軟化点が110℃、200℃における溶融粘度が1,100mPa・sであるポリアミド樹脂。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−2〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を90モル%、アゼライン酸を10モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを70モル%、エチレンジアミンを30モル%含有し、酸価が5.0mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が140℃、200℃における溶融粘度が23,000mPa・sであるポリアミド樹脂。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−3〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を85モル%、アゼライン酸を15モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が10.0mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が158℃、200℃における溶融粘度が10,000mPa・sであるポリアミド樹脂。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−4〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を60モル%、アゼライン酸を40モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が10.5mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が165℃、230℃における溶融粘度が3,800mPa・sであるポリアミド樹脂。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−5〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を45モル%、アゼライン酸を55モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が10.5mgKOH/g、アミン価が0.2mgKOH/g、軟化点が170℃、230℃における溶融粘度が3,000mPa・sであるポリアミド樹脂。
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−6〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を90モル%、アゼライン酸を10モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が33.0mgKOH/g、アミン価が0.2mgKOH/g、軟化点が130℃、230℃における溶融粘度が5,000mPa・sであるポリアミド樹脂。
実施例1
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−1、37.5gのイソプロパノール(IPA、和光純薬社製)、37.5gのテトラヒドロフラン(THF、和光純薬社製)、7.2gのN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製)および217.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、100gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、水の混合媒体約100gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1を得た。E−1の固形分濃度は21質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.040μm、pHは10.4、粘度は36mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)とを表1記載の割合になるように配合し、室温で5分間混合攪拌して得られた架橋剤含有水性分散体について、接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性の評価をおこなった。結果を表1に示す。
実施例2、比較例1
E−1とオキサゾリン基含有高分子水溶液との配合比率を表1記載の値に変更する以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例3、4、比較例2
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−2、75.0gのIPA、75.0gのTHF、6.0gのN,N−ジメチルエタノールアミン、7.5gのトルエン(和光純薬社製)および136.5gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、130℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、230gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、トルエン、水の混合媒体約230gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−2を得た。E−2の固形分濃度は21質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.130μm、pHは10.9、粘度は3mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−2と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)との配合比率が表1記載の値になるように調整し、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例5、6、比較例3
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−3、93.8gのIPA、6.0gのN,N−ジメチルエタノールアミンおよび200.3gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、130gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、水の混合媒体約130gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−3を得た。E−3の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.052μm、pHは10.6、粘度は30mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−3と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)との配合比率が表1記載の値になるように調整し、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例7、8、比較例4
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、110.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−4、110.0gのIPA、110.0gのTHF、9.2gのN,N−ジメチルエタノールアミン、11.0gのトルエン、および199.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、330gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、トルエン、水の混合媒体約330gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−4を得た。E−4の固形分濃度は21質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.065μm、pHは10.3、粘度は8mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−4と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)との配合比率が表1記載の値になるように調整し、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例9
オキサゾリン基含有高分子水溶液に代えてカルボジイミド基含有高分子分散体(カルボジライトシリーズE−01、日清紡ケミカル社製、固形分濃度40質量%)を用いる以外は、実施例2と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
比較例5〜7
P−4に代えてダイマー酸系ポリアミド樹脂P−5を用いる以外は、実施例7と同様の方法により、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−5を得た。E−5の固形分濃度は21質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.085μm、pHは10.4、粘度は5mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−5と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)との配合比率が表1記載の値になるように調整し、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
比較例8〜10
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、110.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−6、110.0gのIPA、110.0gのTHF、28.9gのN,N−ジメチルエタノールアミン、11.0gのトルエン、および180.1gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、330gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、トルエン、水の混合媒体約330gを留去し、乳白黄色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−6を得た。E−6の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.038μm、pHは10.3、粘度は55mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−6と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒社製、固形分濃度25質量%)との配合比率が表1記載の値になるように調整し、実施例1と同様の方法で分散体を作製し、その接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例10
実施例1で得られたダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1の100gをガラス製のサンプル瓶に入れ、コバルト−60を線源としたガンマ線を100kGy照射した。得られた水性分散体は、ガンマ線を照射後も安定に存在し、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.06μmであった。ガンマ線照射後の水性分散体の接着性、柔軟性、塗膜樹脂のMFR及び耐アルカリ性について評価した。
実施例、比較例における水性塗剤の組成と塗膜特性を表1に示す。
Figure 2012233020
表1に示すように、本発明の水性塗剤は、特定組成のダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とからなるものであり、塗膜は、良好な接着性と、高温下低流動性とを示すものであった。
実施例1〜8において、それぞれ架橋剤を含まない塗剤(比較例1〜4)からなる塗膜に比べ、高温下低流動性が向上していることが確認できた。また、実施例10で示すように、水性分散体に放射線を照射することによっても、高温下でも流動性が低い塗膜を得ることができた。
これに対し、比較例5〜7においては、架橋剤を含有させることによって(比較例6、7)、架橋剤を含まない塗剤(比較例5)に比べ、高温下低流動性が向上することは確認できたが、用いたダイマー酸系ポリアミド樹脂が、ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含まないため、いずれも柔軟性に劣る塗膜であった。また、比較例8〜10においても、架橋剤を含有させることによって、高温下低流動性が向上することは確認できたが、用いたダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価が、20mgKOH/gを超えるため、いずれも耐アルカリ性に劣るものであった。

Claims (9)

  1. ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含み、酸価がアミン価より高くかつ1〜20mgKOH/gであるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、架橋剤と、水性媒体とを含有することを特徴とする水性塗剤。
  2. ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜100質量部含有することを特徴とする請求項1記載の水性塗剤。
  3. 架橋剤が、ヒドラジド化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物及びオキサゾリン化合物からなる群より選ばれた一種以上の化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性塗剤。
  4. ダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含み、酸価がアミン価より高くかつ1〜20mgKOH/gであるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、水性媒体とを含有し、放射線が照射されてなることを特徴とする水性塗剤。
  5. さらに塩基性化合物を含有し、ダイマー酸系ポリアミド樹脂が数平均粒子径0.5μm以下の状態で水性媒体中に分散されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水性塗剤。
  6. 常圧時の沸点が185℃以上もしくは不揮発性の水性分散化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水性塗剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の水性塗剤から水性媒体を除去してなる塗膜。
  8. 基材と、請求項7記載の塗膜とを備えてなる積層体。
  9. 請求項7記載の塗膜を備えてなる成型品。

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