JP5086542B2 - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の技術では、固定金型と可動金型が型開した状態から、可動金型を固定金型に向かって移動させる。固定金型と可動金型によって形成されるキャビティの容積が燃料電池用セパレータの容積より所定の割合だけ大きくなる位置に可動金型が到達すると、可動金型の移動を停止する。次いで、射出装置からキャビティ内への導電性樹脂の射出を開始する。導電性樹脂がキャビティ内に所定割合まで充填されると、導電性樹脂の射出を継続しつつ可動金型を固定金型に向かって移動させて型閉する。
この技術では、導電性樹脂の充填開始時にはキャビティが大きくされているため、キャビティ内に導電性樹脂を容易に充填することができる。また、キャビティ内に導電性樹脂がある程度充填されると可動金型の型締めを再開し、キャビティ内に充填された導電性樹脂を圧締するため、キャビティの末端まで導電性樹脂を流動させることができるとされている。
すなわち、導電材を多量に含んだ導電性樹脂は、極めて粘性が高く流動性が悪い。このため、このような導電性樹脂をキャビティ内に充填するためには、導電性樹脂を高速でキャビティ内に射出しなければならない。ゲートからキャビティ内に高速で射出された導電性樹脂は、粘性が高いためその流動挙動がいわゆるファウンテンフローとはならず、ゲートから棒状に押し出されてキャビティの内壁面(ゲートと対向する面)に衝突し、砕けて粉状になると考えらえる。
上述した従来の技術では、キャビティの容積を大きくした状態で、キャビティ内への導電性樹脂の充填を開始する。このため、キャビティの内壁面に高速で衝突して粉状となった導電性樹脂は、キャビティの外周部に飛散し外周部に集中的に充填される一方で、キャビティの中心であるゲート近傍には充填されない。これによって、キャビティの中心付近には少量の導電性樹脂しか充填されず、キャビティの外周部には多量の導電性樹脂が充填される。キャビティ内に充填された導電性樹脂の不均一性が大きくなると、その後に可動金型を型閉して圧力を加えても、導電性樹脂の粘性の高さから導電性樹脂の流動は少なく、導電性樹脂の充填量の不均一性が解消されず、キャビティ全体に樹脂が均一に充填されないものと推測される。
この製造方法では、キャビティの容積を拡張させながら導電性樹脂を充填する。すなわち、導電性樹脂の充填開始時はキャビティの容積が小さく、キャビティへの導電性樹脂の充填量が増加するのにともなってキャビティの容積が大きくされる。これにより、キャビティ全体に導電性樹脂を均一(すなわち、従来技術と比較して均一)に充填することができる。そして、キャビティ内に充填された導電性樹脂は、その後の加圧工程によって押し固められ、良好な品質の燃料電池用セパレータとなる。
キャビティの容積が小さくされた状態でキャビティ内に導電性樹脂を射出すると、射出された導電性樹脂がキャビティ内壁面(ゲートと対向する面)に衝突して粉状となっても、その粉状となったものが周囲に飛散することが抑制される。このため、ゲートの近傍にも導電性樹脂が充填される。キャビティの容積を拡大しながら導電性樹脂を充填するので、ゲート近傍に導電性樹脂が充填されると、樹脂の充填とキャビティの拡大が継続し、その後にキャビティ内に射出される樹脂は、ゲート近傍に充填された導電性樹脂に衝突し、その樹脂をキャビティの外周部に押し出してゆく。これによって、キャビティの中心(ゲート近傍)からキャビティの外周部まで均一に樹脂を充填することができるものと考えられる。なお、導電性樹脂が充填されるのに応じてキャビティの容積が大きくなるため、射出圧力の急激な増加が抑制され、キャビティへ必要な量の導電性樹脂を充填することができる。
このような構成によると、固定金型に対して可動金型を進退動させることでキャビティの容積を変化させるため、金型の構造を簡易にすることができる。
導電性樹脂の充填前にキャビティ内を減圧することで、キャビティ内へ充填された樹脂中に気泡が混入することが防止される。また、導電性樹脂を充填する最中にキャビティからガスを排気することで、導電性樹脂を充填する際に発生するガスを金型外に排出でき、キャビティ内に充填された樹脂中に気泡が混入することが防止される。
(形態1)射出成形装置は、型締装置と、射出装置を有する。型締装置には、金型が取付けられる。射出装置は、金型内のキャビティに導電性樹脂を射出する。
(形態2)充填工程においては、ゲートに対向するキャビティ面をゲートに対して離間する方向に移動させることで、キャビティの体積を拡張させる。加圧工程においては、ゲートに対向するキャビティ面をゲートに対して近接する方向に移動させることで、キャビティの体積を縮小させる。
(形態3)充填工程においては、キャビティ内の樹脂圧力が略一定となるように、ゲートに対向するキャビティ面を移動させる。
(形態4)充填工程においては、キャビティ内に充填される導電性樹脂の充填量に応じて、ゲートに対向するキャビティ面を移動させる。
(形態5)金型は、キャビティ内に配置された可動入れ子を有する。可動入れ子には、ゲートに対向するキャビティ面が形成されている。可動入れ子は、キャビティ内を移動可能とされており、ゲート近傍に設定された第1位置とゲートから所定の距離だけ隔てた位置に設定された第2位置との間を移動する。
(形態6)金型は、固定金型と、固定金型に対して進退動する可動金型を有している。可動金型には、ゲートに対向するキャビティ面が形成されている。充填工程においては、固定金型から離間する方向に可動金型を移動させることでキャビティの容積を拡張する。加圧工程においては、固定金型に近接する方向に可動金型を移動させることでキャビティの容積を縮小する。
(形態7)充填開始時のキャビティの容積は、燃料電池用セパレータの体積の0〜200%に設定されることが好ましく、より好ましくは150〜200%に設定される。150〜200%の範囲に設定することで、導電性樹脂の飛散を防止しつつ、充填開始時の射出圧力が大きくなり過ぎることを防止することができる。
(形態8)キャビティの拡張完了時の体積は、燃料電池用セパレータの体積の200〜500%に設定されることが好ましく、より好ましくは300〜400%に設定される。300〜400%に設定することで、充填時の射出圧力の急激な増加を抑制しつつ、キャビティ内に充填された導電性樹脂に適度な圧力を作用させて、キャビティの外周部に導電性樹脂を充填することができる。
(形態9)射出装置から射出される導電性樹脂の射出速度は300〜400mm/sである。
(形態10)導電性樹脂は、黒鉛を80重量%以上含んだ熱可塑性樹脂である。
本発明の第1実施例に係る燃料電池用セパレータの製造方法について説明する。まず、本実施例の製造方法によって製造される燃料電池用セパレータ(以下、単にセパレータという)について、簡単に説明しておく。
本実施例のセパレータは、自動車に搭載される燃料電池に用いられる。本実施例のセパレータは、薄肉(例えば、板厚2mm)の平板であり、その表面積は数100cm2以上(例えば、A4サイズ)とされている。セパレータの表裏両面には、酸素ガスと水素ガスを流通させる多数のガス流路(溝)が形成されている。燃料電池は、上記のセパレータの他、電解質膜、触媒層及びガス拡散層を積層したものを1単位とし、これら1単位を複数単位積み重ねて構成されている。このセパレータは、高い導電性(体積抵抗20mmΩ・cm以下)を有することが好ましく、黒鉛(カーボンフィラー)を多量(例えば、80重量%以上)に含んだ熱可塑性樹脂で成形されることが好ましい。
可動金型18には、固定金型16と当接する型合わせ面18bに凹部18aが形成されている。凹部18a内には可動入れ子20が収容されている。可動入れ子20は、セパレータに対応した形状をしており、その表面20aには、セパレータの表面に形成される溝に対応する溝が設けられている。可動入れ子20は、凹部18a内を摺動可能となっており、(1)可動入れ子20の裏面20bが凹部18aの底面と当接する位置(図1に示す位置)と(2)可動入れ子の表面20aが固定金型16と当接する位置(図3に示す位置)との間を移動することができる。
固定金型16には、凸部16eの先端面16aから固定板14側の面に向かって貫通するスプル16cと、先端面16aから固定金型16の側面とを連通する排気孔16bが形成されている。スプル16cの固定板14側の端部には、固定板14に設けられた貫通孔14aが接続されている。したがって、射出装置25から射出された樹脂は、貫通孔14a及びスプル16cを通って、ゲート16dよりキャビティ22内に充填される。排気孔16bには、図示しない真空減圧機構が接続されている。真空減圧機構が動作すると、キャビティ22内の空気がキャビティ外に排気され、キャビティ22内が減圧される。
図7に示すように、まず、制御装置24は、固定金型16と可動金型18が開いた状態から、駆動機構13を駆動して可動金型18を固定金型16に向かって移動させる(ステップS10)。可動金型18が移動を開始すると、可動板12(すなわち、可動金型18)の位置は可動板位置センサ12aによって検出され、その検出信号が制御装置24に入力する。
制御装置24は、可動板位置センサ12aから入力する検出信号に基づいて、可動金型18の位置が予め設定された位置となるか否かを判断する(ステップS12)。可動金型18の位置が設定位置となっていない場合(ステップS12でNO)、制御装置24は可動金型18の移動を継続する。一方、可動金型18の位置が設定位置となると(ステップS12でYES)、制御装置24は可動金型の移動を停止する(ステップS14)。
この状態におけるキャビティ22の容積S1は、製造するセパレータの容積Sよりも大きくされている。すなわち、キャビティ容積S1がセパレータの容積Sの100〜400%となるように設定されている。例えば、セパレータの板厚が2mmであれば、固定金型16の先端面16aから可動入れ子20の表面20aまでの距離が2〜8mmの範囲で設定される。
図3には、真空減圧機構によるキャビティ22内の排気が完了したときの状態が示されている。この状態では、可動入れ子20の表面20aと固定金型16の先端面16aが当接しており、キャビティ22の容積が0とされている。なお、キャビティ22内の排気が完了した時点のキャビティ容積S2は、セパレータの容積Sの0〜100%の範囲で設定されている。例えば、セパレータの板厚が2mmであれば、固定金型16の先端面16aから可動入れ子20の表面20aまでの距離が0〜2mmの範囲で設定されている。
なお、射出装置25は、射出された導電性樹脂50の射出量が所定量(セパレータを成形するだけの量)となると、導電性樹脂50の射出を停止する。これによって、キャビティ22内に所定量の導電性樹脂50が充填される(図5に示す状態)。
すなわち、キャビティ22に導電性樹脂50の充填を開始した時点では、可動入れ子20が固定金型16側に移動した状態となっており、キャビティ22の容積が小さくされている。このため、ゲート16dからキャビティ22内に射出された導電性樹脂50が可動入れ子20の表面20aに衝突しても、その導電性樹脂50が粉状となって周囲に飛散することが抑制され、導電性樹脂50はゲートの近傍にも充填されてゆく。導電性樹脂50の充填が開始された後に、ゲート16dからキャビティ22内に射出される導電性樹脂50は、ゲート近傍に充填された導電性樹脂50に衝突し、その導電性樹脂50をキャビティの外周側に押し出してゆく。これによって、導電性樹脂50がゲート近傍から外周部に向かって押し出され(流れ)、キャビティ22の外周部にまで導電性樹脂50が充填されてゆく。キャビティ22内に充填される導電性樹脂50はキャビティ22の内壁面等に衝突して粉状となるため、キャビティ22内にはポーラスな状態で導電性樹脂50が充填されてゆくものと思われる。
なお、キャビティ22に導電性樹脂50が充填されるのに伴って、キャビティ22内の導電性樹脂50の圧力が上昇してゆくが、その導電性樹脂50の圧力増加に応じて可動入れ子20が後退するため、導電性樹脂50の圧力が急激に上昇することが抑制される。このため、射出装置25からキャビティ22内に必要な量の導電性樹脂50を充填することができる。
次に、キャビティ22内の導電性樹脂を冷却し固化する。そして、可動金型18を固定金型16から離れる方向に移動させて型を開き、金型(16,18)内からセパレータを取出す。
計量条件はスクリュウ回転25rpmで背圧5MPaとし、導電性樹脂の射出速度は400mm/sとし、金型(16,18)の温度を200℃とした。射出開始時の可動金型18の位置は、可動金型18の型合わせ面18bと固定金型16の型合わせ面16fとの間隔が4mmとなるように設定した(すなわち、図2に示すときのキャビティ22の容積S1をセパレータの容積Sの300%とした)。ステップS16の終了時のキャビティ22の真空度を5Torrとし、導電性樹脂充填後の型締め力を350tとした。
上述した条件で30ショットを連続して行った。製造されたセパレータは、製品の一部に大きな欠陥等もなく、略均一の板厚のものとなった。製造されたセパレータの板厚のバラツキは2±0.3mmであった。
また、上述した実施例では、キャビティ22に導電性樹脂50を充填する前にキャビティ22から空気が排気されているため、キャビティ22内に充填された樹脂に空気が混入することが抑制される。なお、キャビティ22に導電性樹脂50を充填する際もキャビティ22から空気を排気するようにしてもよい。これによって、導電性樹脂50を充填する際に発生するガスをキャビティ22から外部に排気することができる。
本発明の第2実施例に係る製造方法について説明する。第2実施例は、セパレータの製造に用いる金型が第1実施例と相違し、それに伴い射出成形装置による成形手順の一部が第1実施例と異なる。ただし、射出成形装置の各部(型締装置、射出装置)の構造は第1実施例と同一である。以下、第1実施例と異なるところを詳細に説明する。
図8に示すように、第2実施例の金型も、固定金型16と可動金型18を備えている。第2実施例の可動金型18は、第1実施例と異なり、可動入れ子34がアクチュエータ32によって駆動される点で異なる。アクチュエータ32が作動すると、可動入れ子34が可動金型18の凹部内を摺動する。アクチュエータ32によって可動入れ子34の動作が制御されるため、可動入れ子34の移動速度や、可動入れ子34の表面36aと固定金型16の先端面16aとの距離を任意に調整することができる。アクチュエータ32には、例えば、油圧シリンダを用いることができる。なお、固定金型16については第1実施例と同一である。
図13に示すように、まず、制御装置24は、固定金型16と可動金型18が開いた状態から、可動金型18を固定金型16に向かって移動させる(ステップS22)。そして、可動金型18の位置が予め設定された位置となると(ステップS24でYES)、可動金型18の移動を停止する(ステップS26)。図8は可動金型18が設定位置まで移動した状態を示している。図8から明らかなように、可動入れ子34は最も後退した位置に保持されている。この状態におけるキャビティ22の容積S1は、セパレータの容積Sの100〜400%となるように設定されている。
なお、可動入れ子34を第1位置となるまで移動させるときに、第1実施例と同様にキャビティ22内の空気を排気し、キャビティ22内を減圧してもよい。さらに、キャビティ22内へ導電性樹脂を射出する際に、キャビティ22内から空気を排気してもよい。
また、導電性樹脂50の充填量に基づいて、所定のパターンで可動入れ子34を移動させることができる。例えば、導電性樹脂50の充填量が少ないときは可動入れ子34の後退速度を小さくし、導電性樹脂50の充填量が大きくなるにつれて可動入れ子34の後退速度を大きくする。これによって、キャビティ22内の導電性樹脂50に適切に圧力を作用させることができ、キャビティ22の全体に均一に導電性樹脂50を充填することができる。
あるいは、可動入れ子34に作用する圧力を検出し、その圧力変化のパターンが予め設定されたパターンとなるように可動入れ子34の位置を制御するようにしてもよい。このような方法によっても、キャビティ22内に充填される導電性樹脂50に適切に圧力を作用させることができ、キャビティ22の全体に均一に導電性樹脂50を充填することができる。
計量条件はスクリュウ回転25rpmで背圧5MPaとし、導電性樹脂の射出速度は400mm/sとし、金型(16,18)の温度を200℃とした。射出開始時の可動金型18の位置は、可動金型18の型合わせ面と固定金型16の型合わせ面との間隔が4mmとなるように設定した。射出開始時の可動入れ子34の位置は、可動入れ子34の表面36aと固定金型16の先端面16aとの間隔が2mmとなるように設定した。また、可動入れ子34の後退速度は10mm/sとし、導電性樹脂充填後の型締め力を350tとした。
上述した条件で30ショットを連続して行った。製造されたセパレータは、略均一の板厚となった。製造されたセパレータの板厚のバラツキは2±0.2mmであった。
本発明の第3実施例に係る製造方法について説明する。図14に示すように、第3実施例では、可動金型18は可動入れ子を備えていない。このため、可動金型18を固定金型16に対して進退動させて、キャビティ22の容積を変更する。また、可動金型18の位置(可動板12の位置)を正確に制御するため、型締装置11の駆動機構13にサーボモータを用いている。これ以外の点は、第1,2実施例と同一の構成を有している。
図18に示すように、まず、制御装置24は、固定金型16と可動金型18が開いた状態から、可動金型18を固定金型16に向かって移動させ(ステップS34)、可動金型18の位置が設定位置となると可動金型18の移動を停止させる(ステップS36,S38)。図14は可動金型18が設定位置まで移動した状態を示している。図14から明らかなように、可動金型18は固定金型16と当接する位置まで移動しており、このときのキャビティ22の容積S1はセパレータの容積Sと同一となっている。
可動金型18の後退量は、後退完了時のキャビティ22の容積S2がセパレータの容積Sの200〜500%の範囲に設定することが好ましい。この範囲に設定することで、導電性樹脂50の射出圧力の上昇を抑えながら、キャビティ22内に充填された導電性樹脂50にキャビティ22の外周方向に向かう力を効率的に付与することができる。
可動金型18の制御方法としては、第2実施例と同様に行うことができる。例えば、射出装置25から射出された導電性樹脂50の量に応じて可動金型18を後退させることができる。また、型締装置11によって発生する型締力を一定に制御することで、キャビティ22に充填される導電性樹脂50の圧力に応じて可動金型18が後退するようにしてもよい。
計量条件はスクリュウ回転25rpmで背圧5MPaとし、導電性樹脂の射出速度は400mm/sとし、金型(16,18)の温度を200℃とした。また、射出開始時の可動金型18の位置は、可動金型18の型合わせ面と固定金型16の型合わせ面とが当接する位置に設定した。導電性樹脂充填完了時の可動金型18の位置は、可動金型18の型合わせ面と固定金型16の型合わせ面との間隔が4mmとなる位置に設定した。可動金型18の後退速度は10mm/sとし、導電性樹脂充填後の型締め力を350tとした。
上述した条件で30ショットを連続して行った。製造されたセパレータは、略均一の板厚となった。製造されたセパレータの板厚のバラツキは2±0.1mmであった。
また、可動金型18を移動させる型締機構11にサーボモータが用いられているため、可動金型18の位置及び移動速度を精度良く制御することができる。これによって、キャビティ22の全体へより均一に導電性樹脂を充填することができ、品質が安定したセパレータを製造することができる。
例えば、上述した各実施例においては、キャビティ内に導電性樹脂を充填完了した後に、可動金型を最終型締位置に移動させて、キャビティ内に充填した導電性樹脂を加圧した。しかしながら、本発明はこのような形態に限られず、キャビティへの導電性樹脂の充填完了前のタイミング(例えば、導電性樹脂の充填が90%完了した時点)で可動金型の型閉動作を開始させてもよい。
本実施例においては、可動板位置センサ12aの検出信号に基づいて可動板12の移動や型締力を制御する構成としたが、これに限らず、例えば、駆動機構13のサーボモータに回転検出センサを設けると共にボールナット部に位置センサを設け、回転検出センサと位置センサの検出信号を制御装置24に入力して、可動板12の移動(すなわち、可動型18の開閉・型閉動作)や固定金型16と可動金型18との間に型締力を発生させる構成としてもよい。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
11:型締装置
12:可動板
13:駆動機構
14:固定板
16:固定金型
18:可動金型
20:可動入れ子
24:制御装置
25:射出装置
Claims (4)
- 金型内のキャビティに導電性樹脂を射出して固化することで燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
キャビティの容積を拡張させながらキャビティ内に導電性樹脂を充填する充填工程と、
キャビティ内への導電性樹脂の充填完了前または充填完了後の所定のタイミングで、キャビティの容積をセパレータの容積と同一として、キャビティ内に充填された導電性樹脂を加圧する加圧工程と、を含んでおり、
充填工程においては、制御装置が、ゲートに対向するキャビティ面をゲートに対して離間する方向に移動させることでキャビティを拡張することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。 - 金型は、固定金型と、固定金型に対して進退動可能とされた可動金型とを有しており、充填工程においては、固定金型に対して可動金型を離間する方向に移動させることでキャビティを拡張することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
- 充填工程の前及び充填工程の間に、キャビティ内の空気を金型外に排気してキャビティ内を減圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
- 導電性樹脂が、黒鉛を80重量%以上含んだ熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
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