JP5085813B2 - 半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法 - Google Patents

半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体メモリ素子の製造方法に関し、特に、残留応力(Residual Stress)の集中を防止できるように形状を改良したトレンチ素子分離膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、トランジスタとキャパシタとから構成されたメモリセルを有するDRAM(Dynamic Random Access Memory)は、主に微細化を介した小型化により高集積化されている。
【0003】
したがってメモリセルの装置容積が低減することによって、活性化領域(Active Region)とその間の空間もともに減ることとなる。このように、二つの隣接装置間の電流漏洩を防止する重要な役割をする素子分離膜領域が益々近接することによって、高集積化による多くの問題点が発生することとなる。すなわち、狭い素子分離膜構造が隣接した活性化領域間の狭い空間にあるフィールド酸化(Field Oxide:FOX)膜を薄くするため、FOX膜は素子分離目的を効果的に行えなくなる。さらには、FOX膜が形成される間活性化領域の外郭部分にバーズビーキング(Bird′s Beaking)が発生してゲート酸化膜に漏洩電流が発生することもある。
【0004】
上記した問題点を解決のために、1Gbit DRAMから4Gbit DRAMまで応用される高集積半導体メモリ装置が提案されて広く用いられており、隣接した装置を分離させるために充分な深さのトレンチ域が半導体シリコン基板に形成される。
【0005】
要するに、従来のトレンチ素子分離膜の製造方法は、シリコン基板にパッド酸化物や窒化物膜を形成し、パッド酸化膜や窒化膜を選択的にエッチングするステップ、及びパターンされた酸化膜や窒化膜を、マスクを利用してシリコン基板をドライエッチングするステップからなっていた。
【0006】
しかし、従来の製造方法により形成されたトレンチ素子分離膜は、アニ−ル及び他の熱処理工程中、熱により圧縮応力がトレンチの下部に集まるという短所がある。したがって、シリコン基板内の欠陥が移動してトレンチ側面の形態が悪化して転位(Dislocation)が発生し易いこととなる。特にトレンチが熱を受けると、トレンチ下部周囲に圧縮応力が集中してさらに転位がし易くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、トレンチ素子分離膜の形状を改良して、残留応力の集中を防止し得るようにした半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、トレンチ素子分離膜の製造方法において、第1エッチングによりトレンチの上部に円い凸面を形成する第1ステップと、第2エッチングによりトレンチの中心に垂直した側面を形成する第2ステップと、第3エッチングによりトレンチの下部に前記凸面より狭くて円い凹面を形成し、トレンチ素子分離膜を形成する第3ステップと、を含んでなる半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法において、前記第1ステップは、RF電力が、100〜200W、圧力が、50〜60mTorr、塩素ガス(Cl )の流量が、10〜20sccm、そして窒素ガス(N )の流量が、15〜25sccmである条件で実施され、前記第2ステップは、RF電力が、400〜500W、圧力が、30〜40mTorr、Cl の流量が、15〜25sccm、六フッ化イオウ(SF )の流量が、25〜40sccm、そしてN の流量が、0〜10sccmである条件で実施され、前記第3ステップは、RF電力が、100〜200W、圧力が、50〜60mTorr、Cl の流量が、10〜20sccm、そしてN の流量が、23〜30sccmである条件で実施されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の最も好ましい実施形態を説明する。
【0010】
図1〜図3は、本発明の好ましい実施形態にかかるトレンチ素子分離膜の製造方法を示した断面図である。ここで、図1〜図3の同じ部分は同じ図面符号で示す。
【0011】
まず、シリコン基板10は、選択エッチングして幾何学的にトレンチ周辺の圧縮応力を低減し得るようにトレンチ形状を形成する。すなわち、エッチング工程は、パッド酸化膜や窒化膜(図示せず)を備えたマスク(Mask)パターンを用いて実施するが、第1エッチング工程は、低電圧と多量のポリマーを生成する条件で実施してトレンチ8の円い上部2を得ることとなり、第2エッチング工程は、高電圧と少量のポリマーを生成する条件で実施して垂直した中央部分4を得る。そして、第3エッチング工程は、第1エッチングの条件のように低電圧と多量のポリマーを生成する条件で実施して円い下部6を得ることとなる。以下、各々のエッチングステップを詳細に説明する。
【0012】
第1エッチングステップでは、好ましくは、RF電力が100〜200W、圧力が50〜60mTorr、塩素ガス(Cl)の流量が10〜20sccm、そして窒素ガス(N)の流量が15〜25sccm(Standard Cubic Centimeters per Minute)の条件で実施される。第1エッチングステップは、多量のポリマーを生成させるために、低いRF電力とN雰囲気で行うことによって、前記トレンチ8の上部2に円い形状の凸面が得られる。
【0013】
第2エッチングステップは、好ましくは、RF電力が400〜500W、圧力が30〜40mTorr、Clの流量が15〜25sccm、SF(Sulfur hexafluoride)の流量が、25〜40sccm、そしてNの流量が、0〜10sccmの条件で実施される。高いRF電力と低い圧力条件でフッ素ラジカル(Fluorine Radical)が増加することにつれてポリマー及びシリコンの除去能力も共に増加することとなってトレンチ8の中央部は垂直した側壁に近くなる。
【0014】
第3エッチングステップでは、好ましくは、RF電力が100〜200W、圧力が50〜60mTorr、Clの流量が10〜20sccm、そしてNの流量が23〜30sccmである。第3エッチングステップが多数のポリマーを生成するために、低いRF電力とN雰囲気で、第1エッチングステップと近似の条件で実施され、トレンチ8の下部6に円い形状の凹面が得られる。
【0015】
第3エッチングステップ以後、トレンチ8の縁の形状によって生成した応力の集中を緩和し、トレンチの表面に対するエッチングステップの時に生じた欠陥を移動させるためにアニールのような熱処理を実施する。アニール工程は、好ましくは、950〜1、200℃で10〜40分間実施される。トレンチ形状を有した基板10をアニールした後、基板10は、80〜120℃で燐酸(HPO)により洗浄してトレンチ8の表面にある欠陥を除去する。除去能力を向上させるためにHPO洗浄ステップを、2回以上繰り返して実施してもよい。
【0016】
次いで、アニール工程でトレンチ表面に移動した欠陥は、湿式酸化と湿式エッチングの方法で除去される。ここで、酸化膜をおおよそ100Åから300Åの厚さに形成させるには、湿式酸化工程は、温度400〜500℃、O、H及びNの流速がそれぞれ2〜8sccm、3〜8sccm、1〜3sccmで行なうことが好ましい。そして湿式エッチング工程は、HF(Hydrogen Fluoride)溶液やBOE(Buffred Oxide Etchant)等のエッチャントを使用して実施する。除去能力を向上させるために、湿式酸化とエッチング工程は各々2回以上繰り返して行なってもよい。
【0017】
次いで、薄い窒化物膜11を、おおよそ20〜100Åの厚さにトレンチ8の表面に均一に蒸着し、次いで図2に示したように乾式酸化工程により酸化膜12を窒化物膜11上におおよそ500Åの厚さに形成させる。さらに詳細には、窒化物膜11の形成は、圧力が200〜300mTorr、温度が600〜700℃、NHとDCS(Dichlorosilane)の濃度が1sccm未満で実施するのが好ましい。酸化膜12の形成は、温度が700〜800℃、O、H及びNの流速がそれぞれ5〜20sccm、1〜3sccm及び1〜6sccmで実施するのが好ましい。
【0018】
次いで、シリコンと酸化膜12の膨脹により発生した応力の集中を緩和するために、さらにもう一度アニール工程を実施する。この場合、応力は、窒化物膜11によりシリコン基板10から酸化物膜12に向かうこととなる。
【0019】
最後に、ポリイミド(Polyimide)やドーピングされないポリシリコン等からなる絶縁物質でトレンチ内部を埋め込んだ後,化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)などの方法により平坦化する。
【0020】
図3は、本発明に係るトレンチ下部周囲の圧縮応力を低減するように形状を改良したトレンチ素子分離膜を備えた半導体素子を示している。ここで図面符号13、14、15は、各々トランジスタ、拡散領域、及び絶縁物質である。
【0021】
本発明は、これまでの技術と比較して、トレンチの形状を改良して、圧縮応力を幾何学的に均一に分配させることができるという利点がある。すなわち、トレンチ形状は、上部2と下部6とが各々広くて円い凸面と狭くて円い凹面の形状を有する。そしてシリコン基板10の欠陥は、アニールと酸化工程の間除去される。さらに、転位を引き起こすトレンチ表面の変形は窒化物膜を形成することによって、効果的に防止できる。装置の特性上、ダングリングボンドは除去され、電流漏れも転位の移動と生成の抑制により防止することができる。
【0022】
尚、本発明は、本実施例に限られたものではない。本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
上述のように、本発明は、トレンチエッチング形状を改良することでトレンチ底面の応力集中現象を抑制する効果があり、これによって転位をはじめとする欠陥発生を抑制して素子の信頼度を向上させることができる。一方、トレンチエッチング後形成する薄い窒化膜を適用する場合、応力がシリコン基板方向に向かうことも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態にかかるトレンチ素子分離膜を形成するための製造方法を示した断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態にかかるトレンチ素子分離膜を形成するための製造方法を示した断面図である。
【図3】本発明のトレンチ分離膜を有する半導体素子を示した断面図である。
【符号の説明】
2 : 円い上部
4 : 垂直した中央部分
6 : 円い下部
8 : トレンチ
10 : 基板
11 : 窒化膜
12 : 酸化膜
13A、13B : トランジスタ
14A、14B、14C : 拡散領域
15 : 絶縁物質

Claims (6)

  1. トレンチ素子分離膜の製造方法において、
    1エッチングによりトレンチの上部に円い凸面を形成する第1ステップと、
    2エッチングによりトレンチの中心に垂直した側面を形成する第2ステップと、
    3エッチングによりトレンチの下部に前記凸面より狭くて円い凹面を形成し、トレンチ素子分離膜を形成する第3ステップと、
    を含んでなる半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法において、
    前記第1ステップは、RF電力が、100〜200W、圧力が、50〜60mTorr、塩素ガス(Cl )の流量が、10〜20sccm、そして窒素ガス(N )の流量が、15〜25sccmである条件で実施され、
    前記第2ステップは、RF電力が、400〜500W、圧力が、30〜40mTorr、Cl の流量が、15〜25sccm、六フッ化イオウ(SF )の流量が、25〜40sccm、そしてN の流量が、0〜10sccmである条件で実施され、
    前記第3ステップは、RF電力が、100〜200W、圧力が、50〜60mTorr、Cl の流量が、10〜20sccm、そしてN の流量が、23〜30sccmである条件で実施されることを特徴とする半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
  2. 前記第3ステップの後に、
    第1及び第2エッチングにより発生された欠陥をアニール(Annealing)工程により前記トレンチの表面に移動させ、前記基板を燐酸(HPO)で少なくとも一回以上洗浄して前記欠陥を除去する第4ステップと、
    前記トレンチの前記表面を酸化して第1酸化膜を形成し、前記第1酸化膜を少なくとも一回以上湿式エッチングして除去する第5ステップと、
    前記トレンチ表面に窒化物膜及び第2酸化膜を形成する第6ステップと、
    前記基板を再びアニールして応力の方向が前記基板から前記第2酸化膜に向かうようにする第7ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
  3. 前記窒化物膜は、20Åから100Åまでの厚さに形成されることを特徴とする請求項記載の半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
  4. 前記アニール工程は、950〜1200℃で10〜40分間実施されることを特徴とする請求項記載の半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
  5. 前記第5ステップにおける前記第1酸化膜の形成は、温度が400〜500℃、そしてO、H及びNの流量が各々2〜8sccm、3〜8sccm及び1〜3sccmの条件の下で、第1酸化膜の厚さが100〜300Åに形成されることを特徴とする請求項記載の半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
  6. 前記第1酸化膜は、フッカ水素(Hydrogen fluoride)溶液またはバッファード オキサイド エッチャント(Buffered Oxide Etchant)のようなエッチャント(Etchant)を用いて除去されることを特徴とする請求項記載の半導体素子のトレンチ素子分離膜の製造方法。
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