JP5083827B2 - 建具 - Google Patents

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本発明は、浴室の出入口に用いる浴室建具などの建具に関する。
従来、浴室建具としては、枠体にドアや障子などの建具体を開閉自在に取付けたものが一般的で、その建具体としては枠に面材を取付けたものが知られている。
例えば、特許文献1に開示されたように、枠の浴室側と脱衣室側とに透明、あるいは半透明の面材をそれぞれ取付けたドアが知られている。
特開2002−285763号公報
前述した従来の浴室建具は、ドアの枠に取付けた面材が透明、あるいは半透明の面材、つまり透光性面材であるから、脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えてしまうので好ましくない。
このことを解消するには、面材を遮光性面材として脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えないようにすることが考えられるが、このようにすると、入浴者が浴室内で倒れたりした異常時に、入浴者を脱衣室側から確認できず、救出が困難となってしまう。
また、学校の教室のドア、会議室のドア等の建具の場合には、内部が明確に見える建具であると好ましくないが、全く見えないと内部の状況を知ることができない。
本発明の目的は、内部が明確に見えることがないが、内部の状況を知ることができる建具、特に脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えることがないと共に、異常時には入浴者を脱衣室側から確認できるようにした浴室の建具を提供することである。
本発明は、枠体に建具体を開閉自在に取付けた建具であって、
前記建具体は、枠の開口全面の見込み方向一方寄りに取付けた透光を有する第1面材と、前記枠の開口の見込み方向他方寄りに設けた第2面材を備え、第1面材と第2面材が間隔を置いて重なり合った二重面材部分と、第1面材のみの採光部を有し、
前記第2面材を、第1面材の第2面材側面と対向した第1面材側面を有したスペーサ部材を介して、当該スペーサ部材の第1面材側面を第1面材の第2面材側面に当接して枠もしくは第1面材に固着させて取付けたことを特徴とする建具である。
本発明においては、前記スペーサ部材を、前記枠の上枠材と下枠材との間に設け、
前記スペーサ部材を第1面材の第2面材側面に接着して取付けると共に、前記スペーサ部材を前記上枠材、下枠材にビスで固着することができる。
このようにすれば、浴室側面材と枠を縦材で補強することができる。
本発明においては、前記建具は、浴室建具であって、
前記建具体の枠の見込み方向一方は浴室側、他方は脱衣室側であり、
前記建具体の第1面材は浴室側面材、第2面材は脱衣室側面材とすることができる。
このようにすれば、二重面材部分において脱衣室側面材と浴室側面材が間隔を置いて重なり合っているから、その二重面材部分において脱衣室側から入浴者のシルエットが見えづらく、脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えることがない。
また、採光部分は透光性面材の浴室側面材のみであるから、その採光部分から浴室内を見ることができ、異常時には入浴者を脱衣室側から確認できる。
本発明においては、前記浴室側面材と前記脱衣室側面材との間に空間部を形成し、前記スペーサ部材に前記空間部を外部に連通する通気部を設けることができる。
このようにすれば、空間部に空気が流通するので、空間部内に結露が発生することがない。
本発明によれば、二重面材部分があるので内部が明確に見えることがないが、採光部分から内部の状況を知ることができる。
また、前記第2面材を、スペーサ部材を介して、そのスペーサ部材の第1面材側面を第1面材の第2面材側面に当接して枠もしくは第1面材に固着して取り付けたので、枠は第2側面材を取付けできる形状でなくとも良いから、通常の枠を用いることができる。
また、第2面材を任意の形状とすることができる。
図1〜図3に示すように、枠体1に建具体2を開閉自在に取付けて浴室建具としてある。
前記枠体1は、上枠10と下枠11と左右の縦枠12,12を方形状に連結してある。
この枠体1は、建物躯体の浴室出入口用の開口部に取付けられる。
なお、建物躯体の浴室出入口用の開口部自体を枠体とすることもできる。
前記建具体2は、枠3に浴室側面材4と脱衣室側面材5を取付けてある。
前記枠3は、上枠材(上框)30と下枠材(下框)31と左右の縦枠材(縦框)32,32を方形状に連結してある。
前記浴室側面材4は透光を有する面材である。
前記脱衣室側面材5は前記浴室側面材4よりも脱衣室側寄りに取付けてあり、浴室側面材4と脱衣室側面材5は離隔して両者の間には間隔を有している。
前記浴室側面材4は枠3の開口3aにおける浴室側寄りの全面に亘って取付けてあるが、前記脱衣室側面5は枠3の開口3aにおける脱衣室側寄りの一部分に設けてある。
要するに、脱衣室側面材5の面積は浴室側面材4の面積よりも小さい。
これによって、建具体2は、浴室側面材4と脱衣室側面材5が間隔を置いて重なり合った二重面材部分(サンドイッチパネルゾーン)2aと浴室側面材4のみの採光部分(採光ゾーン)2bを有する。
したがって、脱衣室側から建具体2を見たときに、二重面材部分2aからは浴室内はほとんど見えず、採光部分2bを通して浴室内が透かして見えるから、その採光部分2bのみを透して入浴者のシルエットが見える程度で、脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えることがない。
また、入浴者が倒れた場合などの異常時には、脱衣室側の人が採光部分2bに近づき、その採光部分2bから浴室内を注意深く見ることで、浴室内で倒れている入浴者を確認できるから、異常時には入浴者を脱衣室側から確認できる。
前述の実施の形態では浴室建具としたが、学校の教室のドア、会議室のドア等の建具としても利用できる。
この場合には、浴室側面材4を第1面材とし、枠1の開口全面の見込み方向一方寄りに取付け、脱室側面材5を第2面材とし、枠1の開口の見込み方向他方寄りに設ければ良い。
また、第2部材をスペーサ部材を介して第1面材の第2面材側面(脱衣室側面)に取付ければ良い。
このように、学校の教室のドア、会議室のドア等の建具とすれば、その二重面材部分2aがあるから教室、会議室の内部が明確に見えることがないが、採光部分2bから教室、会議室の内部の状況を知ることができる。
前述の実施の形態では、脱衣室側面材(第2面材)5を枠3の開口の脱衣室側寄り(見込み方向他方寄り)の一部分に取付けたが、脱衣室側面材5を枠3の開口全面の脱衣室側寄りに取付け、その脱衣室側面材5に、丸穴、矩形穴、三角穴などの開口部を形成し、その開口部と浴室側面材4との間を採光部2bとし、開口部以外の部分と浴室側面材4とで二重面材部分2aとしても良い。
次に、各部の詳細を説明する。
前記上枠材30、下枠材31、左右の縦枠材32は、その浴室側寄りに内向凹部33を有し、この各内向凹部33は四周連続している。
前記浴室側面材4は、前記各内向凹部33に亘って嵌め込んで取付けてある。
前記浴室側面材4は強化ガラスなどのガラスで、その脱衣室側面4aには飛散防止フィルム6が貼着してある。
この飛散防止フィルム6は、前述の脱衣室側面材5と対向した部分(二重面材部分2a)には、意匠性を有した非透過性のフィルム6aを用い、他の部分(採光部分2b)には意匠性を有しない透明もしくは透過性のフィルム6bを用いている。
このようにすることで、浴室側から見たときに意匠性を有したフィルム6aが見え、脱衣室側面材5が見えないと共に、意匠性を有しないフィルム6bを透して脱衣室側の光が見えるので、浴室側からの見栄えが良い。
前述の飛散防止フィルム6は浴室側面材4の浴室側面に貼着しても良い。
なお、浴室側面材4はガラスに限ることはなく樹脂プレートなどでも良い。
前記脱衣室側面材5は、透明面材に透過性を有しないフィルムを貼着した透過性のない面材である。
これに限ることはなく、脱衣室側面材5はプリント鋼板、アルミ複合板など透過性のない面材自体としても良い。
また、脱衣室側面材5は透過性を有する面材としても良い。
要するに、脱衣室側面材5は浴室側面材4と間隔を置いているので、その脱衣室側面材5が透過性を有した面材であっても浴室側面材4のために浴室内が透過しづらく、脱衣室側から入浴者の全体のシルエットが透けて見えることがない。
前記脱衣室側面材5はスペーサ部材7を介して浴室側面材4の脱衣室側面4aに固着し、前記上枠材30、下枠材31、左右の縦枠材32、つまり枠3に脱衣室側面材5を取付けしていない。
このようにすれば、枠3を、脱衣室側面材4が取付け可能な形状とする必要がなく、浴室側面材4を取付けできる通常一般の枠を用いることができる。
例えば、脱衣室側面材5を、図1に示すように、上枠材30の下面30aと下枠材31の上面31aとの間の寸法(枠3の上下寸法)と略同一の長さで、左右の縦枠材32の内側面32a間の寸法(枠3の幅寸法)よりも小さい幅の矩形状とする。
この脱衣室側面材5の左右縦縁部に沿って左右の縦材40を両面粘着テープ、接着剤、ボルト等で固着して取付けてスペーサ部材7とする。
この左右の縦材40を浴室側面材4の脱衣室側面4aに固着手段、例えば接着剤、両面粘着テープなどで接着して固定して取付ける。
このようにすれば、採光部分2bが上枠材30と下枠材31とに連続した縦長の矩形状となるので、脱衣室側から浴室内の上下方向全体を見ることが可能である。
前述の場合に、縦材40の上面40a、下面40bを上枠材30の下面30a、下枠材31の上面31aに接することが好ましい。
前記縦材40は、本体41に押え片42を弾性的に係合して取付けたもので、その本体41と押え片42で脱衣室側面材5を挟持して取付ける。
前述のように縦材40の上面40a、下面40bを上枠材30の下面30a、下枠材31の上面31aに接するようにした場合には、図3に示すように、浴室側面材4と脱衣室側面材5の間に密閉された空間部8が形成され、その空間部8内が結露する恐れがあるので、縦材40に通気部を形成して空間部8内に空気が流通して結露が発生しないようにする。
例えば、図4、図5に示す第2の実施の形態のように、採光部分2bと隣接した縦材40の本体41を中空形状とし、その両側片41aに通気部、例えば通気孔43をそれぞれ形成し、前述の浴室側面材4と脱衣室側面材5との間に形成した空間部8を通気孔43を通して外部に連通する。
前述の第2の実施の形態においては、縦材40(本体41)にビスホール44を形成し、上枠材30からビス45をビスホール44に螺合して縦材40の上部を上枠材30に固着して連結し、下枠材31からビス45をビスホール44に螺合して縦材40の下部を下枠材31に固着して連結してある。
このようにすれば、縦材40によって浴室側面材4と上枠材30、下枠材31(つまり、枠3)が連結されて枠3を補強することができる。
前述の各実施の形態では脱衣室側面材5を枠3の左右方向一方側に上下方向に連続して設けたが、これに限ることはない。
例えば、図6に示すように左右方向中間部に脱衣室側面材5を設け、その脱衣室側面材5の左右両側に採光部分2bを有する形態とする。
また、図7に示すように、枠3の左右両側部に脱衣室側面材5をそれぞれ設け、この左右の脱衣室側面材5間の左右方向中間部を採光部分2bを有する形態とする。
また、図8に示すように脱衣室側面材5を枠3の中央部に設け、その脱衣室側面材5の外周面と枠3の内周面との間に採光部分2bを有する形態とする。
また、脱衣室側面材5は矩形状に限ることはなく、図9に示すようにほぼ平行四辺形状として、上枠材30と一方の縦枠材32とのコーナー部及び下枠材31と他方の縦枠材32のコーナー部に三角形状の採光部分2bを有する形態とする。
また、図10に示すように脱衣室側面材5を菱型形状として4つのコーナー部に三角形状の採光部分2bを有する形態とする。
なお、図示はしないが脱衣室側面材5は丸形状、三角形状など任意の形状とすることができるし、複数の脱衣室側面材5を取付けるようにしても良い。
前述の各実施の形態ではスペーサ部材7を中空の形材としたが、木材などによって中実形状としても良い。
また、脱衣室側面材5とスペーサ部材7を一体としても良い。
例えば、図11に示すように、アクリル板、ポリカーボネート板などの樹脂プレート50を、表面板51と、両側面板52と、内向片53で断面ほぼコ字形状とする。
そして、前記内向片53を浴室側面材4の脱衣室側面4aに固着手段、例えば接着剤、両面粘着テープなどに固着して取付け、前記表面板51を脱衣室側面材5とし、側面板52をスペーサ部材7とする。
前記各実施の形態では、スペーサ部材7を脱衣室側面材5の端縁の全長に亘って連続した長尺物としたが、短尺物としても良いし、前記固着手段はボルトとナットとすることもできる。
例えば、図12、図13、図14に示すように、脱衣室側面材5の浴室側面5aと浴室側面材4の脱衣室側面4aとの間に筒体60を介在し、脱衣室側面材5の孔5bからボルト61を挿入し、筒体60を通して浴室側面材4の孔4bに挿入して浴室側面4cから突出し、その突出部分にナット62を螺合して浴室側面材4に脱衣室側面材5を筒体60を介して固着して取付ける。
これによって、筒体60がスペーサ部材7でボルト61とナット62が固着手段である。
本発明の第1の実施の形態を示す浴室建具の浴室側正面図である。 図1のA−A拡大詳細断面図である。 図1のB−B拡大詳細断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す浴室建具の横断面図である。 図4のC−C断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 本発明の第5の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 本発明の第6の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 本発明の第7の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 本発明の第8の実施の形態を示す浴室建具の横断面図である。 本発明の第9の実施の形態を示す浴室建具の脱衣室側正面図である。 図12のD−D拡大詳細断面図である。 図13のE−E断面図である。
符号の説明
1…枠体、2…縦具体、3…枠、3a…開口、4…浴室側面材、4a…脱衣室側面、5…脱衣室側面材、7…スペーサ部材、8…空間部、30…上枠材、31…縦枠材、40…縦材、43…通気孔(通気部)、45…ビス。

Claims (4)

  1. 枠体に建具体を開閉自在に取付けた建具であって、
    前記建具体は、枠の開口全面の見込み方向一方寄りに取付けた透光を有する第1面材と、前記枠の開口の見込み方向他方寄りに設けた第2面材を備え、第1面材と第2面材が間隔を置いて重なり合った二重面材部分と、第1面材のみの採光部を有し、
    前記第2面材を、第1面材の第2面材側面と対向した第1面材側面を有したスペーサ部材を介して、当該スペーサ部材の第1面材側面を第1面材の第2面材側面に当接して枠もしくは第1面材に固着させて取付けたことを特徴とする建具。
  2. 前記スペーサ部材を、前記枠の上枠材と下枠材との間に設け、
    前記スペーサ部材を第1面材の第2面材側面に接着して取付けると共に、前記スペーサ部材を前記上枠材、下枠材にビスで固着した請求項記載の建具。
  3. 前記建具は、浴室建具であって、
    前記建具体の枠の見込み方向一方は浴室側、他方は脱衣室側であり、
    前記建具体の第1面材は浴室側面材、第2面材は脱衣室側面材である請求項1又は2記載の建具。
  4. 前記浴室側面材と前記脱衣室側面材との間に空間部を形成し、前記スペーサ部材に前記空間部を外部に連通する通気部を設けた請求項記載の建具。
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