JP5082918B2 - 光偏向器および光偏向機能付半導体レーザ - Google Patents
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Description
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、光の偏向角制御を容易にする技術を提供することを目的とする。
したがって、逆バイアスを印加する電圧印加領域を選択して回折格子周期dを設定することによって、すなわち、電圧印加領域への電圧印加の有無によって、出射角度θを一意に制御することができるため、特許文献1,2に記載の技術と比較して、光の偏向角制御を容易にすることができる。
このように構成された光偏向器によれば、逆バイアスを印加する第1クラッド層を選択して回折格子周期dを設定することにより、出射角度θを設定することができる。
このように構成された光偏向器によれば、電圧印加領域である第1クラッド層の全てに同時に逆バイアスが印加されるので、上記回折格子周期は所定配置周期に固定される。したがって、電圧印加領域に逆バイアスが印加されていない場合には、入射光の入射方向と同じ方向で、光吸収層から光が出射される。そして、電圧印加領域に逆バイアスが印加された場合には、所定配置周期をLとして、式(2)で算出される出射角度θで、光吸収層から光が出射される。
すなわち、光吸収層から光が出射する方向を、電圧印加領域への逆バイアス印加の有無に応じて2通り設定することができる。
d = n・λ/sinθ(nは整数) ・・・(3)
このため、「n=1」の場合には、回折格子周期dは、式(4)で表される。
そして、sinθは1以下であるので、式(5)の関係式で表される。
d ≧ λ ・・・(5)
したがって、請求項1〜請求項6の何れかに記載の光偏向器では、請求項7に記載のように、所定配置周期は、入射光の波長よりも長いようにするとよい。
また請求項8に記載の光偏向機能付半導体レーザは、請求項1〜請求項7の何れかに記載の光偏向器と、半導体レーザとが同一基板上に形成されていることを特徴とする。
また請求項10に記載の光偏向機能付半導体レーザでは、請求項11に記載のように、光吸収層は、量子井戸層とバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造により形成され、光吸収層の量子井戸層の厚さは、活性層の量子井戸層の厚さより薄いようにするとよい。
以下に本発明の第1実施形態について図面とともに説明する。
図1は本発明が適用された第1実施形態の光偏向機能付半導体レーザ1の斜視図、図2(a)は図1のA−A断面図、図2(b)は図1のB−B断面図である。
なお、p型ガイド層15には、レーザ部2で発生する光が伝播する方向D1(図1を参照)に沿って周期的な凹凸(不図示)が形成されており、この凹凸が回折格子として機能する。これにより、レーザ部2で発生する光のうち、回折格子の間隔に対応した波長の光が共振し、レーザ部2からレーザ光として出射される。すなわち、レーザ部2は分布帰還型(DFB型)レーザを構成している。
なおp型電極28は、図1に示すように、レーザ光が入射する方向D1(以下、レーザ光入射方向D1という)に向かって延びる形状に形成され、レーザ光入射方向D1に対して垂直な方向D2に沿って一定の所定配置間隔G1で複数配置される。
このように構成された光偏向機能付半導体レーザ1では、p型電極18に順バイアスを印加することによりレーザ部2がレーザ光を出射する。
以上説明した実施形態において、光偏向部3は本発明における光偏向器、多重量子井戸層24は本発明における光吸収層、p型クラッド層26及びp型電極28は本発明における電圧印加領域、p型クラッド層26及び半絶縁性クラッド層29は本発明におけるクラッド層領域、p型クラッド層26は本発明における第1クラッド層、半絶縁性クラッド層29は本発明における第2クラッド層、p型電極28は本発明における第1印加用電極である。
以下に本発明の第2実施形態について図面とともに説明する。尚、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
すなわち、光吸収層から光が出射する方向を、p型電極38への逆バイアス印加の有無に応じて2通り設定することができる。またp型電極38は、p型電極28と異なり、狭い間隔で配置される細い形状のパターンを複数形成する必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。
例えば、上記実施形態においては、p型クラッド層26及びp型コンタクト層27においてp型電極28が形成されていない領域に半絶縁性クラッド層29が埋め込まれるものを示したが、半絶縁性クラッド層29の代わりにn型クラッド層が埋め込まれるものであってもよい。
Claims (12)
- 入射光の伝播方向を変更する光偏向器であって、
バンドギャップエネルギーが前記入射光のエネルギーより大きいバンドギャップを有するともに、逆バイアスが印加されることにより前記入射光を吸収することができる光吸収層を含む伝播領域を備え、
前記光吸収層には、前記入射光が入射する方向に対して垂直な方向である入射垂直方向に沿って一定の所定配置周期で、前記逆バイアスを印加するための電圧印加領域が形成されており、電圧印加の有無により、前記光吸収層の電界吸収効果によって、一定周期で入射光を吸収させることにより、一定周期の透過領域を透過した光を回折、干渉することによって、出射角度を制御する
ことを特徴とする光偏向器。 - 導電性の第1クラッド層と、前記第1クラッド層と同一の屈折率を有し、且つ、前記第1クラッド層と逆の導電型または半絶縁性を有する第2クラッド層とが前記入射垂直方向に沿って前記所定配置周期で交互に配置されることにより形成されるクラッド層領域を備え、
前記電圧印加領域は、前記第1クラッド層である
ことを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。 - 複数の前記第1クラッド層はそれぞれ、他の前記第1クラッド層に対して電気的に独立している
ことを特徴とする請求項2に記載の光偏向器。 - 前記第1クラッド層には、該第1クラッド層に前記逆バイアスを印加するための第1印加用電極が形成され、
前記光吸収層を挟んで前記第1クラッド層と反対側には、複数の前記第1印加用電極ごとに、該第1印加用電極に対向する第2印加用電極が形成される
ことを特徴とする請求項3に記載の光偏向器。 - 複数の前記第1クラッド層はそれぞれ、他の前記第1クラッド層と電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の光偏向器。 - 前記入射垂直方向に沿った前記第1クラッド層の長さは、前記入射垂直方向に沿った前記第2クラッド層の長さよりも小さい
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の光偏向器。 - 前記所定配置周期は、前記入射光の波長よりも長い
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の光偏向器。 - 前記光吸収層は、量子井戸層とバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造により形成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の光偏向器。 - 請求項1〜請求項7の何れかに記載の光偏向器と、半導体レーザとが同一基板上に形成されている
ことを特徴とする光偏向機能付半導体レーザ。 - 前記半導体レーザの活性層は、量子井戸層とバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造により形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の光偏向機能付半導体レーザ。 - 前記光吸収層は、量子井戸層とバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造により形成され、
前記光吸収層の量子井戸層の厚さは、前記活性層の量子井戸層の厚さより薄い
ことを特徴とする請求項10に記載の光偏向機能付半導体レーザ。 - 前記半導体レーザは、
前記入射光が入射する方向に沿って、前記入射光の波長に応じた周期の回折格子を有した分布帰還型レーザである
ことを特徴とする請求項9〜請求項11の何れかに記載の光偏向機能付半導体レーザ。
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