JP5081693B2 - 動力回収チャンバー - Google Patents
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Description
なお、容積形動力回収装置の従来の構成例としては、米国特許第5306428号公報(特許文献1)、米国特許第5797429号公報(特許文献2)がある。
前記容積形動力回収装置の機能は、
(1)逆浸透膜カートリッジ8からの高圧リジェクト13を方向切換弁20に導入し、
(2)方向切換弁20の駆動により、各動力回収チャンバー21内に高圧リジェクト13を交互に導入して、
(3)動力回収チャンバー21内のピストンを駆動し、
(4)該ピストンの駆動に伴い給水ライン4からチェック弁モジュール22を介して、動力回収チャンバー21内に導入した海水の昇圧を行い、
(5)前記チェック弁モジュール22を介して、動力回収チャンバー21内にて昇圧した海水を、供給海水バイパスブーストライン24に吐出して、電動モータ26によって駆動されるブースターポンプ27に導入する、
ことである。なお、符号25は、排出ラインである。
前記動力回収チャンバー21の機能は、
(1)方向切換弁20を通じてチャンバー21内に導入される高圧リジェクト13の圧力により、ピストン33を駆動し、該ピストン33を隔てて取水ポンプ2によりチャンバー21内に導入された海水の増圧を行い、
(2)取水ポンプ2の吐出圧によりピストン33を駆動し、該ピストン33を隔ててチャンバー21内に導入されていたリジェクトを方向切換弁20を経由して排出ライン25に排出する、
ことである。
(1)→(2)→(3)のサイクルは、次のように言い換えることが出来る。即ち、
(イ)図24において、ピストン33がシリンダ31の左端から右端へ移動するときは、海水の導入と濃縮水(リジェクト)の排出を行う。
(ロ)ピストン33がシリンダ31の右端から左端へ移動するときは、高圧濃縮水(高圧リジェクト)の導入による海水の増圧を行う。
(ハ)上記(イ)(ロ)を2つのシリンダ31で交互に繰り返すことで、高圧濃縮水が有する圧力と流量による動力を、一定の流量の海水を増圧する態様により回収する。
(1)動力回収チャンバーのシリンダの内面に対し、ピストンの外周面が摺動する構成である。特に、大流量を処理する目的で形成される当該チャンバーにおいては、ピストンの摺動面の面積(ピストン直径に比例)とピストンの往復動作範囲(ストローク)が大きくなる。なお、当該チャンバーの寸法例としては、シリンダ内径(≒ピストン外径)が約0.4m、チャンバー長さが約7mである。この例の如く、動力回収チャンバーはサイズが大きく、その構成部材である、シリンダとピストンのいずれか一方、もしくは両方の摺動面において摩擦摩耗(摩擦に起因する摩耗)が発生する可能性が非常に高い。
また、本摩擦摩耗の発生率は、摺動面積A、摺動速度Vおよび接触面圧Pに大きく関係する。即ち摺動面積Aや摺動部における接触面圧Pが大きいほど、また摺動速度Vが速いほど、摩耗の進行速度と発生率は増す。摩擦摩耗により、摩耗粉が発生する。すなわち、摺動面積A、摺動速度V、接触面圧Pがそれぞれ大きいほど、摩耗粉が多く発生する(以下、これを関係1と云う)。
なお、摩擦摩耗条件の一般的な指標としてPV値がある。PV値は、接触面圧Pと摺動速度Vの積で表され、PV値が大であれば摺動部の摩擦損失と摩耗粉の発生量は大きくなる。すなわち、一般指標であるPV値が大きくなるほど、摩擦損失が大きくなり、摩耗粉の発生量が多くなる(以下、これを関係3と云う)。
以上より、スラスト方向(シリンダの軸心方向)の長さがある一定の値であって、且つピストンを有する、動力回収チャンバーにおいては、取扱流量を同一とすれば、以下のことが云える。
1)シリンダ内径(≒ピストン外径)が大きければ、摺動速度Vは遅くなるが、摺動面積Aは大きくなる。
2)シリンダ内径(≒ピストン外径)が小さければ、摺動速度Vは速くなるが、摺動面積Aは小さくなる。
また、[摺動面積Aと摩擦損失、摩耗粉発生量との関係]としては次のように整理できる。
摺動面積A;大 → i)摩擦損失;大、 ii)摩耗粉発生量;多い
摺動面積A;小 → i)摩擦損失;小、 ii)摩耗粉発生量;少ない
さらに、関係1で示したように摺動速度Vが大きく(または小さく)なると、磨耗粉発生量が多く(または少なく)なる。
つまり、以下のように整理できる。
(ア)摺動速度Vと摺動面積Aのいずれかが大きくなるので、上記“関係1”に基づき「摩耗」問題の解決ができなかった。
(イ)「摩擦」問題について;摺動面積Aを小さくすれば、摺動速度Vが大きくなっても、上記“関係2”だけならそれで改善することになる。しかし“関係3”があるから、摺動面積Aを小さくしても改善されるとは云えなかった。
本方策による材料例としては、セラミックスや樹脂、エンジニアプラスチックなどが挙げられる。しかしながら、該チャンバーのサイズは前記例のように非常に大きいことから、適当なサイズの加工部材の確保が困難である。特に、樹脂やエンジニアプラスチックの場合では、射出成型や他材質材へのコーティング処理の限界を超える可能性があり、また大きさの制約から入手が不可能な材料もある。
なおセラミックスなどで加工した際には、加工コストが非常に高価になる。
しかしながら、動力回収チャンバーのサイズは前記例のように非常に大きいことから、当該部材の加工が困難であり、加工コストも非常に高価になる。
図25は、ピストンの無い形態の動力回収チャンバーの構成例を示す概略図である。図25に示すように、動力回収チャンバー41は密閉容器状に構成されている。前記チャンバー41には、2つの入出力ポート41a,41bが形成されており、入出力ポート41a,41bを介して濃縮水と海水が該チャンバー41に導入または導出される。本動力回収チャンバー41においては、前記濃縮水と前記海水の接触界面(contact interface)CIが、濃縮水と海水の双方の圧力バランスにより、該チャンバー41内を移動する。つまり、本動力回収チャンバー41は、接触界面CIが図24に示す動力回収チャンバー21のピストン33の機能を果たすように構成された方式である。
さらに、逆浸透膜の淡水化率を保持するために、該逆浸透膜カートリッジへの導入圧力(高圧ポンプによる昇圧量)を通常よりも大きくしなければならず、結果的にシステム運用効率を下げる。
図26は、両ロッド形複動シリンダを用いた動力回収チャンバーの構成例を示す概略図である。図26に示すように、動力回収チャンバー51は、円筒形状のシリンダ61と、シリンダ61内で往復動するピストン62と、ピストン62の両側面から軸方向に延びるピストンロッド63を備えて構成されている。前記チャンバー51には、2つの入出力ポート51a,51bが形成されている。また、前記ピストン62は、ピストンロッド63とともにシリンダ61内で軸方向に移動可能に設置されている。
図26に示すように、ピストン62には、少なくとも2つ以上のパッキン64が装着されており、両ロッド形複動シリンダを動力回収チャンバーとして使用する場合には、本パッキン64の摩耗や劣化により、作動流体の漏洩による動力回収効率の低下や当該機器の短寿命などの問題がある。
したがって、従来技術のようにピストンの外周面とシリンダの内面は摺動しないので、摺動面積が非常に僅かになり、摺動速度が増加する必然性もないので、前記問題点(1)即ち磨耗粉の発生量を低減できるほか、前記問題点(2)に対しても、摩擦損失の低減化に大きな有効性がある。
なお、本発明による動力回収装置では、動力回収チャンバー内での取水海水と濃縮水(リジェクト)の接触界面の面積はわずかであり、逆浸透膜カートリッジの劣化を促進することがなく、かつ、淡水化に要するエネルギー損失も抑制できる。
よって、適用材料の選択肢が大幅に増えることに加え、加工コストが下がり、前記問題点(3)の低減および問題点(4)の回避が可能になるから、摩耗粉の発生と、摩擦損失とが、共に抑制された動力回収チャンバーを安価に提供できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ピストンに、前記シリンダカバーに対向する両側面において、該ピストンの半径方向の所定の位置から最外周まで全周に渡って鍔を形成し、前記高圧液体と低圧液体との圧力差によって、前記鍔を半径方向外方に変位させるようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記ピストンは、前記ピストンガイドが貫通する部分に摺動用部材を備え、該摺動用部材が前記ピストンガイドと摺動するようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記ピストンガイドは、断面が長手方向に一様な1本の棒状に形成され、かつ前記シリンダの軸中心と前記ピストンガイドの断面の図心の位置とが一致するように配置されていることを特徴とする。このように図心がシリンダの軸中心に一致することにより、ピストンガイドの断面形状が円形であるときには勿論、長円形や多角形等であってもピストンはシリンダ内をスムーズに往復運動できる。前記ピストンガイドの両端部は、前記シリンダカバーまたは前記シリンダ内に設けた支持部材により支持されている。
本発明の好ましい態様によれば、前記ピストンには、前記ピストンガイドが貫通する部分に、複数の周方向の溝が形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記シリンダの内面に、該シリンダの長手方向に沿って複数の周方向の溝を形成したことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記ピストンガイドの外面又は前記ピストンにおけるピストンガイドが貫通する部分の内面の少なくとも一方の材質がステンレス鋼、セラミックス、高分子材料のいずれかであることを特徴とする。
したがって、従来技術のようにピストンの外周面とシリンダの内面は摺動しないので、摺動面積が非常に僅かになり、前記問題点(1)即ち磨耗粉の発生量を低減できるほか、前記問題点(2)に対しても、摩擦損失の低減化に大きな有効性がある。さらにピストンの摺動部即ち上記嵌合部の表面にのみセラミックスや樹脂またはエンジニアリングプラスチックをコーティングしたり、ピストンの摺動部のみをピストン本体(即ちピストン摺動部以外のピストン残部)とは別部材としてステンレス鋼やセラミックスや樹脂またはエンジニアリングプラスチックを用いて形成し、その後ピストン本体と組み合わせてピストンを構成することも可能になる。従って前述の本発明の一態様の場合と同様な理由で前記問題点(3)の低減および問題点(4)の回避が可能となるから磨耗粉の発生と摩擦損失とが共に抑制された動力回収チャンバーを安価に提供できる。
また、本発明による動力回収装置では、動力回収チャンバー内での取水海水と濃縮水の接触界面の面積はわずかであり、逆浸透膜カートリッジの劣化を促進することがなく、かつ、動力回収チャンバーにおける摩擦損失を低減できるから淡水化に要するエネルギー損失も抑制できる。
(1)摺動面積の減少策:構成としてピストンガイドを採用することにより、摺動面積を画期的に減少させる。
(2)PV値の減少策:
(ア)摺動速度Vはシリンダ口径が同一なら同一のままに出来る。
(イ)接触面圧Pについては、ピストンの質量を小さく抑え、従来型と比べて接触面圧Pを小さくする。少なくとも同一の値以下に抑える。
(ウ)上記(ア)(イ)によって、PV値を減少させる。少なくとも従来値以下とする。
(3)上記(イ)を実現するために、例えばピストンベアリング部の軸方向長さをピストン(すなわち、ピストン本体部またはピストンリング部)の軸方向長さ(厚さ)よりも長くする。例えば、ピストンガイドの外径をピストン外径の1/5にしたとき、ピストンベアリングの長さは変えず、ピストン本体の長さ(厚さ)を1/5以下にする。換言すれば、ピストン本体部が低質量になるように構成する。
なお、ピストンベアリング部の長さを長く維持することによりピストンの傾斜(tilting)抑止の効果もある。
図1は、本発明の動力回収チャンバーが適用される海水淡水化プラント(海水淡水化装置・システム)の構成例を示す模式図である。図1に示すように、取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、高圧ライン7を経て逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。尚、高圧ポンプ5は制御弁又はインバータにより流量制御を行うこともできる。一方、逆浸透膜カートリッジ8内の高圧室9の海水中の水分の一部は、浸透圧に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から高圧のリジェクト(高圧の濃縮水)13として濃縮海水ラインへ排出される。逆浸透膜カートリッジ8から排出された高圧のリジェクト13は、容積形動力回収装置23に導入される。容積形動力回収装置23において、圧力が回収されて圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧の動力回収リジェクト25として排出される。容積形動力回収装置23により、供給ライン4の海水の一部が昇圧されて、供給海水バイパスブーストライン24へと排出される。
なお、ピストンガイド33の断面形状は前述の如く円形に限ることなく、長円形や矩形、または三角形など設計要件などにより逐次最適な形状にする。
本発明による動力回収チャンバーは、その長手方向を水平にして設置される場合には、上記のようにピストンの軽量化は接触面圧低減の効果が大きい。
また、図8(b)に示す例においては、ピストン33は、ピストンベアリング36を装着する略円筒状のピストンベース33cと、薄板状のピストンリング33dとにより構成されている。この構成により、ピストン33の厚さを薄くしたものである。なお、本構成では、ピストンベース33cとピストンリング33dとは、接着もしくはネジ止めなどの手法を用いて固定し、該ピストンベース33cとピストンリング33d間の隙間からの漏洩を回避するために、接合面にOリングなどのシールを介在させる方法を採ることもできる。
上記問題に対処するために、図9(a)に示すように、ピストン33におけるピストンガイドとの摺動部33aのスラスト方向(軸方向)の長さLは、所定の長さ以上を確保することが必要である。
なお、本発明による動力回収チャンバーはシリンダ31を、その中心軸が水平になるように配置する場合にはピストンガイド35は、ピストンガイドの自重、ピストン重量、およびピストンガイドの長手方向と垂直な方向に作用する力による、ピストンガイドのラジアル方向への撓みの量がピストン外周部においてシリンダ内周面に接触しない限度で設計する。
さらに、上記溝36gは、前記摺動部において部材の摩擦摩耗が発生した際に摩耗粉が該溝部に溜まり、摩耗粉の拡散を回避する機能も有する。また、溝によって、ラビリンスシールとしての効果も持たせることができるから、濃縮水と海水との混合を抑制できる。
上記溝31gの機能は、ピストン33と対向する面に液だまりを設けることで、潤滑を促進し、例えばシリンダ内面とピストン外面の部材の摩擦が発生した場合において、摩擦摩耗を回避することや、摺動部で発生する摩擦損失を低減することである。
なお、図14に示す溝の形状例は、あくまでも一例であり、液溜りとしての上記機能を備えていれば良いから、溝の形状は、矩形状に限らず、三角形状、円形状などがあり、たとえば加工が容易で加工コストが低いものを都度選択して、設定すればよい。
上記溝33eの機能は、シリンダ31と対向する面に液だまりを設けることで、潤滑を促進し、例えばシリンダ内面とピストン外面の部材の摩擦が発生した場合において、摩擦摩耗を回避することや、摺動部で発生する摩擦損失を低減することである。
なお、図15に示す溝の形状例は、あくまでも一例であり、液溜りとしての上記機能を備えていれば良いから、溝の形状は、矩形状に限らず、三角形状、円形状などがあり、たとえば加工が容易で加工コストが低いものを都度選択して、設定すればよい。
本発明による動力回収チャンバーの設置方法は、シリンダ31の中心軸の方向を水平にした配置、即ち横置きに限らず、動力回収装置の設置要件に応じて、縦置きの場合もある。動力回収チャンバーを縦置きした場合はシリンダ31の中心軸が垂直に配置されることになる。この場合、ピストン33もしくはピストンベアリング36とピストンガイド35との摺動損失は、横置きの場合に比較して、ラジアル方向の荷重がほぼ無くなり、非常に小さくなるので、より小さくなる。
また、ピストン33の外周面には、周方向の複数箇所において、前記シリンダ31の長手方向突起部31tと嵌合させるための凹部(溝部)である嵌合部33kが形成されている。嵌合部33kは、ピストン33の軸心方向に形成されており、その数はシリンダ31の長手方向突起部31tの数と同数である。
また、ピストン33の外周面には、周方向の複数箇所において、前記シリンダ31の長手方向溝31eと嵌合させるための凸部である嵌合部33kが形成されている。嵌合部33kは、ピストン33の軸心方向に形成されており、その数はシリンダ31の長手方向溝31eの数と同数である。
なお、各部材の材質は当該部材が使用される態様(例えば、ピストンとして、シリンダとして、またはピストンガイドとして、それぞれ使用されるなど)に応じて、無垢材料(単一の材料)を用いたり、または他の材料と併用することにより所要部分のみに適当な材料を用いることができる。
なお、シリンダ31の内面、もしくはピストンガイド35の外周面、またはシリンダ31の内面とピストンガイド35の外周面の双方とも、好適な材質でコーティングすることもある。
2 取水ポンプ
3 前処理装置
4 供給ライン
5 高圧ポンプ
6 電動モータ
7 高圧ライン
8 逆浸透膜カートリッジ
9 高圧室
10 逆浸透膜
12 脱塩水
13 リジェクト
14 タービン
15 リジェクト
16 回転軸
17 ブースターポンプ
18 動力回収ポンプタービン
19 ブースターポンプ吐出ライン
20 方向切換弁
21 動力回収チャンバー
21a,21b 入出力ポート(開口部)
22 チェック弁モジュール
23 容積形動力回収装置
24 供給海水バイパスブーストライン
25 動力回収リジェクト
26 電動モータ
27 タービン吐出ライン
28 タービン入口ライン
31 シリンダ
31t 長手方向突起部
31e 長手方向溝
31g 溝
32h 固定用孔
32 シリンダカバー
33 ピストン
33a 摺動部
33b 円板部
33c ピストンベース
33d ピストンリング
33e 溝
33f ピストン鍔
33k 嵌合部
35 ピストンガイド
36 ピストンベアリング
36g 溝
Claims (17)
- 流動する高圧液体の圧力を流動する低圧液体に伝達することにより該低圧液体の圧力を高めて該低圧液体側に動力を回収する容積形動力回収装置に用いる動力回収チャンバーであって、
筒状のシリンダと、
前記シリンダの内部に配設されるとともにシリンダの長手方向に往復運動可能に配設されたピストンと、
前記シリンダの内部に配設されるとともにシリンダの長手方向に延び、前記ピストンがシリンダの長手方向に往復運動する際に該ピストンをガイドするピストンガイドと、
前記シリンダの長手方向の両端面をそれぞれ閉止することにより該シリンダとともに液体容器を形成するシリンダカバーと、
前記シリンダまたは前記シリンダカバーに形成され高圧液体及び低圧液体をそれぞれ流通させる開口部とを備え、
前記ピストンは、その外周面の少なくとも一部において前記シリンダ内面と非接触であり、かつ前記ピストンガイドが貫通する部分においてピストンガイドと接触するように構成されたことを特徴とする動力回収チャンバー。 - 前記ピストンは、半径方向外方における厚みを半径方向内方における厚みよりも薄く形成することにより該ピストンの質量を低減したことを特徴とする請求項1に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンに、前記シリンダカバーに対向する両側面において、該ピストンの半径方向の所定の位置から最外周まで全周に渡って鍔を形成し、前記高圧液体と低圧液体との圧力差によって、前記鍔を半径方向外方に変位させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンは、前記ピストンガイドが貫通する部分を有するピストンベースと、該ピストンベースから半径方向外方に延びるリング状部分とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンは、前記ピストンガイドが貫通する部分に摺動用部材を備え、該摺動用部材が前記ピストンガイドと摺動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンガイドは、断面が長手方向に一様な1本の棒状に形成され、かつ前記シリンダの軸中心と前記ピストンガイドの断面の図心の位置とが一致するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンガイドの両端部は、前記シリンダカバーまたは前記シリンダ内に設けた支持部材により支持されていることを特徴とする請求項6に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンガイドは、断面が長手方向にそれぞれ一様な複数本の棒状体からなり、前記各棒状体は、前記シリンダの軸中心と前記各棒状体の断面の図心の位置とが平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記各棒状体の両端部は、前記シリンダカバーまたは前記シリンダ内に設けた支持部材により支持されていることを特徴とする請求項8に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンには、前記ピストンガイドが貫通する部分に、複数の周方向の溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンの外周面に、前記シリンダの長手方向に沿って複数の周方向の凹凸部を形成し、前記シリンダの内面との間でラビリンスシールを構成したことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記シリンダの内面に、該シリンダの長手方向に沿って複数の周方向の溝を形成したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 前記ピストンガイドの外面又は前記ピストンにおけるピストンガイドが貫通する部分の内面の少なくとも一方の材質がステンレス鋼、セラミックス、高分子材料のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 流動する高圧液体の圧力を流動する低圧液体に伝達することにより該低圧液体の圧力を高めて該低圧液体側に動力を回収する容積形動力回収装置に用いる動力回収チャンバーであって、
筒状のシリンダであって一体に形成された長手方向突起部または長手方向溝を有するシリンダと、
前記シリンダの内部に配設され該シリンダの前記長手方向突起部または長手方向溝との嵌合部を有するとともにシリンダの長手方向に往復運動可能に配設されたピストンと、
前記シリンダの内面の周方向の複数箇所において、該シリンダと一体に形成されるとともにシリンダの長手方向に延び、前記ピストンがシリンダの長手方向に往復運動する際に該ピストンをガイドする前記長手方向突起部または長手方向溝と、
前記シリンダの長手方向の両端面をそれぞれ閉止することにより該シリンダとともに液体容器を形成するシリンダカバーと、
前記シリンダまたは前記シリンダカバーに形成され高圧液体及び低圧液体をそれぞれ流通させる開口部とを備え、
前記ピストンは、その外周面の少なくとも一部において前記シリンダ内面と非接触であり、かつ前記長手方向突起部または長手方向溝に嵌合する部分において該長手方向突起部または長手方向溝と接触するように構成されたことを特徴とする動力回収チャンバー。 - 前記長手方向突起部または長手方向溝の表面および前記ピストンにおける前記長手方向突起部または長手方向溝に嵌合する部分の表面の少なくとも一方の材質がステンレス鋼、セラミックス、高分子材料の何れかであることを特徴とする請求項14に記載の動力回収チャンバー。
- 前記シリンダの内面の材質がステンレス鋼、セラミックス、高分子材料のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の動力回収チャンバー。
- 供給された海水を加圧する高圧ポンプと、
前記高圧ポンプから排出された高圧の海水を逆浸透膜で膜処理して脱塩水を生成する逆浸透膜カートリッジと、
前記逆浸透膜で処理されないで前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力を利用して、供給された海水を加圧する容積形動力回収装置と、
前記容積形動力回収装置により加圧された加圧海水を昇圧して前記高圧ポンプから排出された高圧の海水に合流させる加圧装置とを備えた海水淡水化装置であって、
前記容積形動力回収装置は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の動力回収チャンバーを備えることを特徴とする海水淡水化装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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