JP5026463B2 - 容積形エネルギー回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、海水から塩分を除去して海水を淡水化する海水淡水化プラントに好適に用いられる容積形エネルギー回収装置に関するものである。
逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントは、主として、前処理システム、高圧ポンプ、逆浸透膜カートリッジ、エネルギー回収装置から構成されている。取水された海水は、前処理システムにより一定水質の条件に整えられたのち、高圧ポンプにより加圧され、逆浸透膜カートリッジへと圧送される。逆浸透膜カートリッジ内の高圧海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って膜を通過し、塩分が除去された淡水として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジからリジェクト(濃縮水)として排出される。ここで、海水淡水化プラントにおける最大の運用コスト(電力費)は、前処理後の海水を浸透圧に打ち勝てる圧力即ち逆浸透圧まで上昇させるためのエネルギー、つまり高圧ポンプによる加圧エネルギーに大きく依存する。
すなわち、海水淡水化プラントにおける最大の運用コストである電力費の半分以上は、高圧ポンプによる加圧に費やされることが多い。従って、逆浸透膜カートリッジから排出される高塩分濃度で高圧のリジェクト(濃縮水)が保有する圧力エネルギーを有効に回収するエネルギー回収装置が重要な役割を果たす。
図15は、逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントの構成例を示す模式図である。図15に示すように、取水ポンプ(図示しない)により取水された海水は、前処理装置1により所定の水質条件に整えられたのち、送水ポンプ2を経て、高圧ポンプライン3とエネルギー回収装置ライン4に分岐する。高圧ポンプライン3へ分岐した海水は、高圧ポンプ5により加圧され、エネルギー回収装置6とブースターポンプ7により昇圧された海水と合流した後、逆浸透膜カートリッジ8へ圧送される。
逆浸透膜カートリッジ8内に導入された海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜カートリッジ8内の逆浸透膜(RO膜)8aを通過し、塩分が除去された淡水として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり、濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8からリジェクトライン9によりエネルギー回収装置6に導入される。
エネルギー回収装置6においては、方向切換弁10の動作に伴って、2つのエネルギー回収チャンバー11内では、各々交互に、エネルギー回収装置ライン4からチェック弁モジュール14を介した海水の導入と高圧のリジェクト(濃縮水)を利用したピストン12の駆動による、海水の昇圧、吐出しを行う。
エネルギー回収チャンバー11内で昇圧された海水は、チェック弁モジュール14を介してブースターポンプ7へ供給される。ここで、ブースターポンプ7により、逆浸透膜カートリッジ8や配管の圧力損失、方向切換弁10における圧力損失、エネルギー回収チャンバー11の内部のピストン12とシリンダ13の間の漏れ損失などにより発生する圧力損失分を昇圧後、昇圧後の海水を高圧ポンプライン3の高圧の海水と合流させ、逆浸透膜カートリッジ8へ圧送する。
なお、容積形エネルギー回収装置の従来の構成例としては、米国特許第5306428号公報(特許文献1)、米国特許第5797429号公報(特許文献2)がある。
米国特許第5306428号公報 米国特許第5797429号公報
図15に示すような従来の海水淡水化プラントにおいては、エネルギー回収装置6のエネルギー回収チャンバー11内で昇圧された海水は、高圧ポンプ5により加圧された海水よりも低い圧力となっている。そこで、両者を合流させるために、エネルギー回収チャンバー11より吐出された海水をブースターポンプ7により昇圧している。この場合、ブースターポンプ7に求められる昇圧量(ヘッド)は配管等の圧力損失分だけなので、小さな値であるが、同ポンプの入口圧は7MPa前後の高圧条件となるため、軸シール構造に配慮した特殊なポンプが必要になる。すなわち、高圧の軸シール構造のために、構造が複雑となり、高コストになるという問題点がある。
また、ブースターポンプ7に求められる昇圧量(ヘッド)が小さい割りに、同ポンプには耐高圧設計が要求されるため、高コストになるという問題点がある。
さらに、ブースターポンプの軸シールには、高圧が負荷されるため、軸シールの劣化が進行しやすく、軸シールの寿命が比較的短いという問題点がある。この場合、軸シールの劣化により、シール漏れが発生した場合、運転効率の低下などを誘発する。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、海水淡水化プラントに好適に利用される容積形エネルギー回収装置であって、エネルギー回収チャンバーにおいて加圧された加圧水をそのまま高圧ポンプから排出された高圧水に合流させることができ、エネルギー回収チャンバーから排出された加圧水を昇圧するためのブースターポンプを省略することができる容積形エネルギー回収装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、供給された原水を加圧する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから吐出された高圧水を逆浸透膜で膜処理して処理水を生成する逆浸透膜カートリッジと、前記逆浸透膜で処理されることなく前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧することにより濃縮水の有するエネルギーを原水側に回収する容積形エネルギー回収装置とを備えたエネルギー回収システムにおける前記容積形エネルギー回収装置であって、前記濃縮水と前記原水を導入して前記濃縮水の圧力を前記原水に伝達することにより前記原水を加圧する、内部にピストンを有する複数のエネルギー回収チャンバーと、前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーへの導入および前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーからの排出を切り換える方向切換弁と、内部にピストンを有し作動油が導入される油圧シリンダと、前記油圧シリンダに前記作動油を供給するための油圧供給ユニットと、前記作動油の前記油圧シリンダへの導入および前記作動油の前記油圧シリンダからの排出を切り換える油圧方向切換弁とを有した複数の補助動力装置と、前記複数のエネルギー回収チャンバーのピストンと前記複数の油圧シリンダのピストンとをそれぞれ連結する複数の連結手段とを備え、前記方向切換弁は、前記逆浸透膜カートリッジに連通する供給ポートと前記エネルギー回収チャンバーに連通する制御ポートと排出ラインに連通する戻りポートとを備えたハウジングにスプールを嵌合させ、前記スプールを移動させることにより流路の切換えを行うスプール弁であって、前記供給ポートと前記制御ポート間のメータリングオリフィス部をアンダーラップにし、かつ、前記制御ポートと前記戻りポート間のメータリングオリフィス部をオーバラップもしくはゼロラップにする構成のスプール弁からなり、前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水を前記供給ポートから前記制御ポートを経て前記エネルギー回収チャンバーに導入して濃縮水の圧力を利用して前記エネルギー回収チャンバーに導入された原水を加圧するとともに、前記補助動力装置の油圧を利用して前記エネルギー回収チャンバーに導入された原水を昇圧して前記高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させ、かつ前記エネルギー回収チャンバーに導入された濃縮水を前記制御ポートから前記戻りポートを経て前記排出ラインに排出することを可能にしたことを特徴とする。
本発明によれば、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水と供給された原水とはエネルギー回収チャンバーに導入され、チャンバー内のピストンを駆動し、容積形ピストンポンプとして作用することにより高圧の濃縮水の大半のエネルギーを原水側に回収する。これと併行して、補助動力装置の油圧シリンダに油圧供給ユニットから油圧方向切換弁を介して油圧を供給し、油圧シリンダ内のピストンを駆動し、該ピストンの駆動に伴い連結手段を介してエネルギー回収チャンバー内の原水を補助的に昇圧する。このように、エネルギー回収チャンバー内に導入された高圧の濃縮水と、油圧シリンダ内に導入された油圧とにより、エネルギー回収チャンバー内に導入した原水の昇圧を行う。そして、昇圧された原水を高圧ポンプから吐出された高圧水と合流させ、逆浸透膜カートリッジへ圧送する。エネルギー回収チャンバーのピストンと油圧シリンダのピストンとは、同期して同一方向に駆動されるように、方向切換弁と油圧方向切換弁とは、同期して制御される。
逆浸透膜カートリッジへ供給する高圧水の圧力脈動は、逆浸透膜カートリッジに悪影響を及ぼすため、逆浸透膜カートリッジへ供給する高圧水の圧力は一定であることが望ましい。
図16は、本発明の基本構成を示す模式図である。図16に示すように、逆浸透膜カートリッジは、一種のフィルターであり、供給される高圧水の圧力脈動が大きい場合、該フィルターのメッシュ(目)が伸縮を繰り返すことになり、該フィルターの劣化を早め、短寿命化させることや、該フィルターを破損させることになる。
本発明では、容積形エネルギー回収装置の吐出流体(昇圧された原水)は、高圧ポンプから吐出された高圧水と合流し、逆浸透膜カートリッジへ供給される構成としている。なお、ここで用いる高圧ポンプは羽根車式が大部分であり、吐出圧力の脈動はほぼゼロである。
本発明の構成により、容積形エネルギー回収装置内のピストンの動作に伴う圧力脈動が発生したとしても、図16に示すとおり、高圧ポンプから吐出された高圧水との合流で、圧力の整流化(圧力脈動幅の縮小化)がなされて、逆浸透膜カートリッジへの付加を軽減でき、前記のような問題は発生しない。
図16の上部において示す2つの圧力線図は、左側が高圧ポンプから吐出された高圧水の圧力線図であり、右側が高圧ポンプから吐出された高圧水と容積形エネルギー回収装置で昇圧された原水とが合流した後の圧力線図である。図16の右側下部において示す圧力線図は、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力線図であり、図16の左側下部において示す圧力線図は、容積形エネルギー回収装置により昇圧された原水の圧力線図である。これら4つの圧力線図から明らかなように、高圧ポンプから吐出された高圧水と容積形エネルギー回収装置で昇圧された原水とが合流した後の圧力の整流化が顕著になされている。
本発明の好ましい態様は、前記エネルギー回収チャンバーのピストンと前記油圧シリンダのピストンとは、同期して同一方向に動作するように、前記方向切換弁と前記油圧方向切換弁とは、同期して制御することを特徴とする。
本発明によれば、油圧シリンダ内に導入された油圧により、エネルギー回収チャンバー内に導入した原水の昇圧を行い、昇圧された原水を高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させることができる。
本発明は、前記エネルギー回収チャンバーと前記油圧シリンダと前記連結手段とを少なくとも2個設けている。
本発明によれば、以下の動作形態をとることができる。
1)第1のエネルギー回収チャンバー内に高圧の濃縮水が導入され、第1のエネルギー回収チャンバー内の原水を濃縮水の圧力と油圧シリンダの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された原水を高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させる。これと併行して、第2のエネルギー回収チャンバー内に原水が導入され、同時に、第2のエネルギー回収チャンバー内の濃縮水が方向切換弁を通じて排出される。
2)第1および第2のエネルギー回収チャンバー内に高圧の濃縮水が導入され、両チャンバー内の原水を濃縮水の圧力と油圧シリンダの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された原水を高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させる。
3)第2のエネルギー回収チャンバー内に高圧の濃縮水が導入され、第2のエネルギー回収チャンバー内の原水を濃縮水の圧力と油圧シリンダの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された原水を高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させる。これと併行して、第1のエネルギー回収チャンバー内に原水が導入され、同時に、第1のエネルギー回収チャンバー内の濃縮水が方向切換弁を通じて排出される。
本発明によれば、前記方向切換弁は、前記2個のエネルギー回収チャンバーに濃縮水を交互に導入することが可能であるとともに、前記2個のエネルギー回収チャンバーに濃縮水を同時に導入することが可能である。
本発明の方向切換弁によれば、逆浸透膜カートリッジからの高圧の濃縮水を2個のエネルギー回収チャンバーに交互に導入しつつ、エネルギー回収チャンバー内の原水を交互に加圧して排出することができる。また、逆浸透膜カートリッジからの高圧の濃縮水を2個のエネルギー回収チャンバーに同時に導入しつつ、これら2個のエネルギー回収チャンバー内の原水を同時に加圧して排出することができる。
本発明によれば、前記方向切換弁は、スプールの動作により前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーへの導入および前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーからの排出を切り換える方向切換弁からなる。
本発明によれば、方向切換弁に供給される逆浸透膜カートリッジからの高圧の濃縮水をスプールの動作により、2個のエネルギー回収チャンバーに交互に導入しつつ、エネルギー回収チャンバー内の原水を交互に加圧して排出することができる。方向切換弁の例としては、方向切換弁に1つ以上の供給ポート、2つの制御ポート、2つ以上の戻りポートが形成され、スプールの動作により、供給ポートと何れか一方の制御ポートが連通し、また何れかもう一方の制御ポートと戻りポートが連通するものであれば、直線移動スプール形に限らず、回転スプール形でもよい。
本発明は、前記方向切換弁のメータリングオリフィス部をアンダーラップにして、前記スプールの中立位置において前記2個のエネルギー回収チャンバーに高圧の濃縮水を導入することを可能にした。
本発明によれば、逆浸透膜カートリッジからの高圧の濃縮水を同時に2個のエネルギー回収チャンバーに導入しつつ、2個のエネルギー回収チャンバー内の原水を同時に加圧して排出することができるため、当該チャンバー内のピストンの動作方向の切換り時に発生する、圧力脈動(瞬時吐出し圧力低下)の抑制と逆浸透膜カートリッジの閉塞を回避することができる。
本発明の好ましい態様は、前記高圧ポンプに原水を供給する高圧ポンプラインとは別途に、前記エネルギー回収チャンバーに原水を供給するエネルギー回収装置ラインを設け、該エネルギー回収装置ラインに原水を加圧するためのフィードポンプを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、2個のエネルギー回収チャンバー内のピストンが、両方とも吐出し工程のときの動作により、フィードポンプが閉じ込み運転になる時間がある。この際、フィードポンプは閉じ込み運転になるが、フィードポンプを設けたエネルギー回収装置ラインを高圧ポンプラインとは別経路にしているため、フィードポンプの閉じ込み運転の影響が高圧ポンプに及ぶことはない。
本発明の好ましい態様は、前記エネルギー回収装置ラインをバイパスするバイパスラインを設け、該バイパスラインに規定圧以上で弁体が開く安全弁もしくは小水量の確保が可能なオリフィスからなる安全装置を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、フィードポンプが締切運転になった場合にも、安全装置によりエネルギー回収装置側の圧力をポンプ締切圧以下に保つことができる。
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)従来の海水淡水化プラント等において用いられるエネルギー回収装置においては、エネルギー回収チャンバー内で昇圧された海水は、高圧ポンプにより加圧された海水よりも低い圧力となっているので、両者を合流させるために、エネルギー回収チャンバーより吐出された海水をブースターポンプにより昇圧していたが、本発明の容積形エネルギー回収装置によれば、エネルギー回収チャンバーにおいて加圧された加圧水をそのまま高圧ポンプから排出された高圧水に合流させることができ、高圧の軸シール構造を具備したブースターポンプを用いる必要がないため、装置コストを飛躍的に低減できる。
(2)容積形エネルギー回収装置の吐出流体(昇圧された原水)は、高圧ポンプから吐出された高圧水と合流し、逆浸透膜カートリッジへ供給される構成としているため、容積形エネルギー回収装置内のピストンの動作に伴う圧力脈動が発生したとしても、高圧ポンプから吐出された高圧水との合流で、圧力の整流化(圧力脈動幅の縮小化)がなされて、逆浸透膜カートリッジへの付加を軽減でき、逆浸透膜カートリッジの長寿命化を達成できる。
(3)高圧の軸シールを必要とするブースターポンプを用いる必要がないため、従来のエネルギー回収装置に起こっていた軸シールの劣化により、シール漏れが発生することにより、運転効率の低下を誘発するという事態を防ぐことができる。
(4)高圧の軸シールを必要とするブースターポンプを用いる必要がないため、従来、頻繁に行っていた軸シールのメンテナンス作業を省略することができる。したがって、メンテナンスコストを飛躍的に低減できる。
(5)ブースターポンプに必要となる電動モータやインバータ(外部からのエネルギーを供給しなければならない電気機器及びその配線)等を不要とすることができ、結果としてシステム全体としての信頼性の向上に繋がる。
図1は、本発明の容積形エネルギー回収装置が適用される海水淡水化プラント(海水淡水化装置・システム)の構成例を示す模式図である。 図2は、エネルギー回収装置に設置されたフィードポンプをバイパスするバイパスラインを設けた構成例を示す模式図である。 図3は、図1および図2に示す海水淡水化プラントにおける容積形エネルギー回収装置の拡大図である。 図4は、図3に示す容積形エネルギー回収装置に用いられる方向切換弁の構成例を示す模式的断面図である。 図5は、本発明の方向切換弁およびエネルギー回収チャンバーの動作例を示す模式的断面図であり、方向切換弁の供給ポートと制御ポートが連通する方向にスプールが動作した場合を示す図である。 図6は、本発明の方向切換弁およびエネルギー回収チャンバーの動作例を示す模式的断面図であり、方向切換弁の供給ポートと制御ポートが連通する方向にスプールが動作した場合を示す図である。 図7は、本発明の方向切換弁およびエネルギー回収チャンバーの動作例を示す模式的断面図であり、方向切換弁のスプールが中立位置にあって、方向切換弁の供給ポートと、2つの制御ポートとが連通する場合を示す図である。 図8は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第1動作形態を示す図である。 図9は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第2動作形態を示す図である。 図10は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第3動作形態を示す図である。 図11は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第4動作形態を示す図である。 図12は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第5動作形態を示す図である。 図13は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第6動作形態を示す図である。 図14は、本発明の容積形エネルギー回収装置におけるエネルギー回収チャンバーのピストンの挙動(変位)と吐出流量とを示すダイアグラムである。 図15は、逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントの構成例を示す模式図である。 図16は、本発明の基本構成を示す模式図である。
以下、本発明に係る容積形エネルギー回収装置の実施形態について図1乃至図14を参照して説明する。なお、図1乃至図14において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の容積形エネルギー回収装置が適用される海水淡水化プラント(海水淡水化装置・システム)の構成例を示す模式図である。図1に示すように、取水ポンプ(図示しない)により取水された海水は、前処理装置1により所定の水質条件に整えられたのち、送水ポンプ2によって高圧ポンプライン3を介して高圧ポンプ5に供給される。一方、前処理装置1からエネルギー回収装置ライン4に供給された海水は、フィードポンプ19によって昇圧されたあとにチェック弁モジュール14を介してエネルギー回収装置6に導入される。高圧ポンプ5に供給された海水は、高圧ポンプ5により加圧され、エネルギー回収装置6により昇圧された海水と合流した後、逆浸透膜カートリッジ8へ圧送される。
逆浸透膜カートリッジ8内に導入された海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜カートリッジ8内の逆浸透膜(RO膜)8aを通過し、塩分が除去された淡水として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり、濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8からリジェクトライン9によりエネルギー回収装置6に導入される。エネルギー回収装置6においては、方向切換弁10の動作に伴って、2つのエネルギー回収チャンバー11A,11B内では、各々交互に、エネルギー回収装置ライン4からチェック弁モジュール14を介した海水の導入と高圧のリジェクト(濃縮水)を利用したピストン12の駆動による、海水の昇圧、吐出しを行う。エネルギー回収装置6のエネルギー回収チャンバー11A,11B内で昇圧された海水は、チェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3の高圧の海水と合流させ、逆浸透膜カートリッジ8へ圧送する。
図2は、エネルギー回収装置ライン4に設置されたフィードポンプ19をバイパスするバイパスラインを設けた構成例を示す模式図である。図2に示すように、フィードポンプ19をバイパスするバイパスライン25を設け、バイパスライン25に規定圧以上(ポンプ締切圧力より小)で弁体が開く安全弁もしくは小水量の確保が可能なオリフィスからなる安全装置26が設置されている。なお、安全装置26が安全弁の場合には、安全弁はチェック弁やリリーフ弁等から構成される。また、安全装置26がオリフィスの場合には、フィードポンプ19の前後の差圧がある程度大きくなると、規定流量が流れるオリフィスから構成される。安全装置26により、フィードポンプ19が締切運転になった場合にも、エネルギー回収装置6側の圧力をポンプ締切圧力以下に保つことができる。なお、フィードポンプ19をバイパスするバイパスラインは、必要に応じて設置するものとし、設置しなくともよい。
図1および図2に示す海水淡水化プラントにおいては、フィードポンプ19を設置しているが、各エネルギー回収チャンバー11A,11Bに前処理装置1からエネルギー回収装置ライン4を通じて、海水を自吸することも可能である。この際には、各エネルギー回収チャンバー11A,11Bのピストンとシリンダとの気密性を高くすることが好ましい。すなわち、ピストンのシリンダ内面とのシール性を上げることが好ましい。
次に、図1および図2に示す海水淡水化プラントにおける容積形エネルギー回収装置について図3を参照して説明する。
図3に示すように、容積形エネルギー回収装置6は、方向切換弁10と、2つのエネルギー回収チャンバー11A,11Bと、補助動力装置7A,7Bとから構成されており、補助動力付き容積形エネルギー回収装置になっている。各エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)は、シリンダ13と、シリンダ13内で往復動するピストン12とから構成されている。また、補助動力装置7Aは、油圧供給ユニット15Aと、油圧方向切換弁16Aと、油圧シリンダ17Aとから構成されており、補助動力装置7Bは、油圧供給ユニット15Bと、油圧方向切換弁16Bと、油圧シリンダ17Bとから構成されている。各油圧シリンダ17A(又は17B)は、シリンダ23と、シリンダ23内で往復動するピストン22とから構成されている。エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12と油圧シリンダ17Aのピストン22とは、連結手段を構成するピストンロッド18Aによって連結されている。エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12と油圧シリンダ17Bのピストン22とは、連結手段を構成するピストンロッド18Bによって連結されている。
図3に示すように構成された容積形エネルギー回収装置6において、逆浸透膜カートリッジ8からの高圧のリジェクト(濃縮水)を方向切換弁10に導入し、方向切換弁10の駆動により、各エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内に高圧のリジェクトを交互に導入して、エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内のピストン12を駆動し、エネルギー回収装置ライン4(図2参照)からエネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内に導入した海水の昇圧を行う。このとき、各補助動力装置7A(又は7B)の油圧シリンダ17A(又は17B)に油圧供給ユニット15A(又は15B)から油圧方向切換弁16A(又は16B)を介して油圧を供給し、油圧シリンダ17A(又は17B)内のピストン22を駆動し、ピストンロッド18A(又は18B)を介して各エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内の海水を補助的に昇圧する。このように、エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内に導入された高圧のリジェクトと、油圧シリンダ17A(又は17B)内に導入された油圧とにより、各エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)内に導入した海水の昇圧を行う。そして、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3の高圧の海水と合流させ、逆浸透膜カートリッジ8へ圧送する。エネルギー回収チャンバー11A(又は11B)のピストン12と油圧シリンダ17A(又は17B)のピストン22とは、同期して同一方向に動作するように、方向切換弁10と油圧方向切換弁16A(又は16B)とは、制御装置(図示せず)により同期して制御される。
図4は、図3に示す容積形エネルギー回収装置6に用いられる方向切換弁10の構成例を示す模式的断面図である。図4に示すように、方向切換弁10は、ハウジング101、スプール102、駆動部103からなり、ハウジング101にスプール102を嵌合させ、スプール102を移動させることにより、流路の切換えを行う方式のものである。
方向切換弁10には、1つ以上の供給ポートP、2つの制御ポートA,B、2つ以上の戻りポートRが形成される。本発明における方向切換弁10では、供給ポートPはリジェクトライン9に連通し、2つの制御ポートA,Bは、それぞれエネルギー回収チャンバー11A,11Bに連通し、戻りポートRは排出ライン24(図3参照)に連通している。
本方向切換弁10の機能は、方向切換弁10に供給される逆浸透膜カートリッジ8からの高圧のリジェクト(濃縮水)をスプール102の動作により、エネルギー回収チャンバー11A,11Bに交互に導入しつつ、エネルギー回収チャンバー11A,11B内の海水を排出することである。
図4に示す形態による方向切換弁10の例では、スプール102は3ランドであるが、方向切換弁に1つ以上の供給ポートP、2つの制御ポートA,B、2つ以上の戻りポートRが形成され、スプールの動作(制御弁内の流路の切換)により、供給ポートPと何れか一方の制御ポートA(又はB)が連通し、また何れかもう一方の制御ポートB(又はA)と戻りポートRが連通するものであれば、回転スプール形など、本図の構造・形態例に限らない。
また、メータリングオリフィス部(○指示部)の軸方向の各重合量もアンダーラップ(負重合)、オーバーラップ(正重合)、ゼロラップ(ゼロ重合)など、本発明による制御対象(エネルギー回収チャンバー11A,11B内のピストン12)の動作要件に応じてその都度設定するものとする。
例えば、本発明による補助動力付き容積形エネルギー回収装置6では、所定の動作形態時に両エネルギー回収チャンバー11A,11Bは、所定の時間だけ同方向に動作するが、これは、当該チャンバー内のピストン12の動作方向の切換り時に発生する、圧力脈動(瞬時吐出し圧力低下)の抑制と逆浸透膜カートリッジ8の閉塞を回避するための動作手法である。
前記動作手法を実現する為に、メータリングオリフィス部(供給ポート〜制御ポート間)をアンダーラップにして、中立位置においても方向切換弁10からエネルギー回収チャンバー11A,11Bへの制御流量を常に無流量にせず、両チャンバーに高圧のリジェクトを導入する方法を採ることなどが挙げられる。
また、メータリングオリフィス部(供給ポート〜制御ポート間)をアンダーラップにする方法としては、前記のようにランド部の軸方向寸法操作以外に、該箇所に相当するスプールエッジ部にR面取りもしくはC面取りなどを施すことが挙げられるが、本手法は前記例には限らない。
なお、制御ポート〜戻りポート間のメータリングオリフィスは、方向切換弁10内の内部漏れを抑制するために、オーバーラップ(正重合)もしくはゼロラップ(ゼロ重合)にするのが好ましい。
また、スプールの駆動方法は、電磁ソレノイド、ウォームギア、電動ボールねじ、電動モータ、ピエゾ素子、油空圧シリンダなどを利用する。要は入力信号に応じたスプールの動作が行える駆動法、構造であれば、何れの形態でも良い。
またスプールの支持方法として、静圧軸受を利用する形態を採用してもよいし、他の形態でもよい。
本発明による方向切換弁10の接液部の材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングもしくはバルクであり、高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングもしくはバルクである。
特にスプール102とハウジング101の摺動部には、海水もしくは濃縮海水潤滑下で、低摩擦摩耗条件を達成する必要がある。本摺動部の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。
さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。
また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
図3に示すように、本発明による容積形エネルギー回収装置6では、2つのエネルギー回収チャンバー11A,11Bが用いられ、各チャンバーの有する2つの入出力ポート201a,201bの内、いずれか一方が、方向切換弁10の制御ポート(AもしくはB)に接続され、もう一方が、チェック弁モジュール14に各々接続される。
また図示していないが、ピストン12の周りにピストンシールを設置し、ピストン12により隔壁された各液室の流体の混合を回避する構造も採用している。
エネルギー回収チャンバー11A,11Bの材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングでもバルクでもよい。また高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
また特に、ピストンとシリンダの摺動部には、海水もしくは濃縮海水潤滑下で、低摩擦摩耗条件を達成することが要求される。本摺動部の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、摺動部への溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。
さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
なお、エネルギー回収チャンバー11A,11Bの軸方向の断面形状(ピストン、シリンダ)は円形状に限らず、四角、六角形状などその他の形状も採用する場合も有り得る。
また、エネルギー回収チャンバー11A,11Bのピストン12の外周に潤滑膜形成用の潤滑溝を設置し、ピストン外周とシリンダ内面との摺動性を向上させる場合もある。潤滑溝の例としては、円周方向のリング状の凹溝や、螺旋状の凹溝、軸方向の矩形状の凹溝などその形態は1種に限らない。
図5乃至図7は、本発明の方向切換弁10およびエネルギー回収チャンバー11A,11Bの動作例を示す模式的断面図である。
(A)方向切換弁10の供給ポートPと制御ポートAが連通する方向にスプール102が動作した場合を図5に示す。
リジェクト圧力が、方向切換弁10を通じて(Pポート→Aポート)エネルギー回収チャンバー11A(図5中の上)のピストン12の方向切換弁10側の面(図中右側面)に作用する。
エネルギー回収チャンバー11A(図5中の上)のピストン12が、同図中の左方向に移動する。
エネルギー回収チャンバー11A(図5中の上)内にチェック弁モジュール14(図1および図2参照)を通じて導入された海水が、ピストン12の動作により増圧され、チェック弁モジュール14を通じて高圧ポンプライン3に導入される。
また併行して、方向切換弁10の制御ポートBと戻りポートRが連通し、フィードポンプ19から吐出された海水の圧力がチェック弁モジュール14を通じて、エネルギー回収チャンバー11B(図5中の下)のピストン12のチェック弁モジュール14側(図中左側面)に作用して、ピストン12は右方向に動作する。
エネルギー回収チャンバー11B内(図5中の下)のピストン12により隔壁された、チェック弁モジュール14側の液室に海水が充填される。
(B)方向切換弁10の供給ポートPと制御ポートBが連通する方向にスプール102が動作した場合を図6に示す。
リジェクト圧力が、方向切換弁10を通じて(Pポート→Bポート)エネルギー回収チャンバー11B(図6中の下)のピストン12の方向切換弁10側の面(図中右側面)に作用する。
エネルギー回収チャンバー11B(図6中の下)のピストン12が、同図中の左方向に移動する。
エネルギー回収チャンバー11B(図6中の下)内にフィードポンプ19およびチェック弁モジュール14を通じて導入された海水が、ピストン12の動作により増圧され、チェック弁モジュール14を通じて高圧ポンプライン3に導入される。
また併行して、方向切換弁10の制御ポートAと戻りポートRが連通し、フィードポンプ19から吐出された海水の圧力がチェック弁モジュール14を通じて、エネルギー回収チャンバー11A(図6中の上)のピストン12のチェック弁モジュール14側(図中左側面)に作用して、ピストンは右方向に動作する。
エネルギー回収チャンバー11A内(図6中の上)のピストン12により隔壁された、チェック弁モジュール14側の液室に海水が充填される。
(C)方向切換弁10のスプール102が中立位置にあって、方向切換弁10の供給ポートPと、制御ポートAおよび制御ポートBとが連通する場合を図7に示す。
リジェクト圧力が、方向切換弁10を通じて(Pポート→Aポート)エネルギー回収チャンバー11A(図7中の上)のピストン12の方向切換弁10側の面(図中右側面)に作用する。
エネルギー回収チャンバー11A(図7中の上)のピストン12が、同図中の左方向に移動する。
エネルギー回収チャンバー11A(図7中の上)内にチェック弁モジュール14を通じて導入された海水が、ピストン12の動作により増圧され、チェック弁モジュール14を通じて高圧ポンプライン3に導入される。
また、リジェクト圧力が、方向切換弁10を通じて(Pポート→Bポート)エネルギー回収チャンバー11B(図7中の下)のピストン12の方向切換弁10側の面(図中右側面)に作用する。
エネルギー回収チャンバー11B(図7中の下)のピストン12が、同図中の左方向に移動する。
エネルギー回収チャンバー11B(図7中の下)内にチェック弁モジュール14を通じて導入された海水が、ピストン12の動作により増圧され、チェック弁モジュール14を通じて高圧ポンプライン3に導入される。
図7に示すように、本発明においては、両エネルギー回収チャンバー11A,11Bが海水を増圧する工程が存在する。
容積形エネルギー回収装置6において、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内のピストン12が、両方とも吐出し工程の動作をした場合、フィードポンプ19(図1および図2参照)が閉じ込み運転になる時間がある。この際、フィードポンプ19は閉じ込み運転になるが、図1および図2に示すように、フィードポンプ19を設けたエネルギー回収装置ライン4を高圧ポンプライン3とは別経路にしているため、閉じ込み運転の影響が高圧ポンプ5に及ぶことはない。
図5乃至図7に示すように方向切換弁10およびエネルギー回収チャンバー11A,11Bが(A)、(B)、(C)の動作を行うことで、取水された海水(取水海水)がリジェクト圧力を利用して増圧される。この取水海水のリジェクト圧力を利用した増圧と併行して、補助動力装置7A,7Bにおける油圧シリンダ17A,17Bの油圧を利用した取水海水の増圧が行われる。このために、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12と、油圧シリンダ17Aのピストン22とは、ピストンロッド18Aによって連結されており、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12と油圧シリンダ17Bのピストン22とは、ピストンロッド18Bによって連結されている。
補助動力装置7A,7B(図3参照)における油圧シリンダ17A,17Bは、ピストン22の両側に交互に油圧が作用して仕事をする複動油圧シリンダから構成されている。そして、油圧シリンダ17A,17Bに油圧を供給する油圧方向切換弁16A,16Bは、スプール形電磁切換弁等からなり、スプールの動作にともなう切換弁内の流路の切り替えにより、供給ポートと何れか一方の制御ポートが連通し、また何れかもう一方の制御ポートと戻りポートが連通するようになっている。油圧方向切換弁16Aと方向切換弁10とは、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12と油圧シリンダ17Aのピストン22とが同一方向に動作するように、同期して切換え制御され、油圧方向切換弁16Bと方向切換弁10とは、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12と油圧シリンダ17Bのピストン22とが同一方向に動作するように、同期して切換え制御される。
また、油圧供給ユニット15A,15Bは、それぞれ所定圧力の作動油を油圧シリンダ17A,17Bに供給するための油圧ポンプを備えている。図示例では、油圧供給ユニットは2セット設けられているが、油圧供給ユニットを単一のセットとし、単一の油圧供給ユニットから所定圧力の作動油を油圧シリンダ17A,17Bに供給するようにしてもよい。
次に、本発明に係る容積形エネルギー回収装置6を備えた海水淡水化プラントの動作形態を図8乃至図13を参照して説明する。
図8は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第1動作形態を示す図である。図8に示すように、方向切換弁10の切換動作を行い(方向切換弁10は図5に示す状態)、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12を左方向に動作させる。同時に、油圧方向切換弁16Aの切換動作を行い、油圧シリンダ17Aのピストン22を左方向に動作させる。これにより、エネルギー回収チャンバー11A内に高圧のリジェクトが導入され、エネルギー回収チャンバー11A内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Aの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
また、油圧方向切換弁16Bの切換動作を行い、油圧シリンダ17Bのピストン22を右方向に動作させる。これにより、エネルギー回収チャンバー11B内にエネルギー回収装置ライン4から海水が導入され、同時に、エネルギー回収チャンバー11B内の濃縮海水が方向切換弁10を通じて排出ライン24に排出される。
図9は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第2動作形態を示す図である。図9に示すように、方向切換弁10は第1動作形態を保持し、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12を左方向に動作させ続ける。また、油圧方向切換弁16Aは第1動作形態を保持し、油圧シリンダ17Aのピストン22を左方向に動作させ続ける。これにより、エネルギー回収チャンバー11A内に高圧のリジェクトを導入し続け、エネルギー回収チャンバー11A内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Aの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
一方、油圧シリンダ17Bのピストン22は右方端に到達し、油圧方向切換弁16Bを停止する。これにより、エネルギー回収装置ライン4からエネルギー回収チャンバー11B内への海水の導入を完了する。同時に、エネルギー回収チャンバー11B内の濃縮海水の排出を停止する。
図10は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第3動作形態を示す図である。図10に示すように、方向切換弁10の切換動作を行い(方向切換弁10は図7に示す状態)、スプール102を中立位置とし、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12を左方向に動作させ続ける。また、油圧方向切換弁16Aは第2動作形態を保持し、油圧シリンダ17Aのピストン22を左方向に動作させ続ける。また併行して、油圧方向切換弁16Bの切換動作を行い、油圧シリンダ17Bのピストン22を左方向に動作させるとともにエネルギー回収チャンバー11Bのピストン12を左方向に動作させる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
図10に示す第3動作形態の場合、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12の速度およびエネルギー回収チャンバー11Bのピストン12の速度は、第1動作形態の1/2になる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出する。この際、各チャンバー内で増圧される海水の流量は、1/2になるが、両チャンバーから吐出される昇圧海水の総流量は一定である。
図11は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第4動作形態を示す図である。図11に示すように、方向切換弁10の切換動作を行い(方向切換弁10は図6に示す状態)、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12を左方向に動作させる。同時に、油圧方向切換弁16Bの切換動作を行い、油圧シリンダ17Bのピストン22を左方向に動作させる。これにより、エネルギー回収チャンバー11B内に高圧のリジェクトが導入され、エネルギー回収チャンバー11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
また、油圧方向切換弁16Aの切換動作を行い、油圧シリンダ17Aのピストン22を右方向に動作させる。これにより、エネルギー回収チャンバー11A内にエネルギー回収装置ライン4から海水が導入され、同時に、エネルギー回収チャンバー11A内の濃縮海水が方向切換弁10を通じて排出ライン24に排出される。
図12は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第5動作形態を示す図である。図12に示すように、方向切換弁10は第4動作形態を保持し、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12を左方向に動作させ続ける。また、油圧方向切換弁16Bは第4動作形態を保持し、油圧シリンダ17Bのピストン22を左方向に動作させ続ける。これにより、エネルギー回収チャンバー11B内に高圧のリジェクトを導入し続け、エネルギー回収チャンバー11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
一方、油圧シリンダ17Aのピストン22は右方端に到達し、油圧方向切換弁16Aを停止する。これにより、エネルギー回収装置ライン4からエネルギー回収チャンバー11A内への海水の導入を完了する。同時に、エネルギー回収チャンバー11A内の濃縮海水の排出を停止する。
図13は、本発明の容積形エネルギー回収装置の第6動作形態を示す図である。図13に示すように、方向切換弁10の切換動作を行い(方向切換弁10は図7に示す状態)、スプール102を中立位置とし、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12を左方向に動作させ続ける。また、油圧方向切換弁16Bは第5動作形態を保持し、油圧シリンダ17Bのピストン22を左方向に動作させ続ける。また併行して、油圧方向切換弁16Aの切換動作を行い、油圧シリンダ17Aのピストン22を左方向に動作させるとともにエネルギー回収チャンバー11Aのピストン12を左方向に動作させる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
図13に示す第6動作形態の場合、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12の速度およびエネルギー回収チャンバー11Bのピストン12の速度は、第1動作形態の1/2になる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。この際、各チャンバー内で増圧される海水の流量は、1/2になるが、両チャンバーから吐出される昇圧海水の総流量は一定である。
図14は、本発明の容積形エネルギー回収装置におけるエネルギー回収チャンバー11A,11Bのピストン12の挙動(変位)と吐出流量とを示すダイアグラムである。図14において、上の図は時間(t)とエネルギー回収チャンバー11A,11Bのピストン変位との関係を示し、下の図は時間(t)とエネルギー回収チャンバー11A,11Bの吐出流量との関係を示す。ここでエネルギー回収チャンバー11Aの吐出流量を破線で表し、エネルギー回収チャンバー11Bの吐出流量を一点鎖線で表し、エネルギー回収チャンバー11Aの吐出流量とエネルギー回収チャンバー11Bの吐出流量との和である総吐出流量(Q)を実線で表す。図14において、(1)〜(6)の各工程は、図8乃至図13に示す第1〜第6動作形態にそれぞれ対応している。エネルギー回収チャンバー11A,11Bは、(1)〜(6)の工程を繰り返すことにより、取水海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダの油圧を利用して昇圧し、昇圧された海水を一定の流量で高圧ポンプライン3に導入して高圧ポンプ5から吐出された高圧の海水に合流させる。
すなわち、本発明の容積形エネルギー回収装置の第1動作形態((1)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12は所定の速度で左方向に動作し、エネルギー回収チャンバー11A内に高圧のリジェクトが導入され、エネルギー回収チャンバー11A内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Aの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出流量Qで吐出する。これに対して、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12は所定の速度で右方向に動作し、エネルギー回収チャンバー11B内にエネルギー回収装置ライン4から海水が導入され、同時に、エネルギー回収チャンバー11B内の濃縮海水が方向切換弁10を通じて排出される。
容積形エネルギー回収装置の第2動作形態((2)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12は左方向に動作し続け、エネルギー回収チャンバー11A内に高圧のリジェクトを導入し続け、エネルギー回収チャンバー11A内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Aの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出流量Qで吐出し続ける。これに対して、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12はストローク右端に到達し、エネルギー回収チャンバー11B内への海水の導入を完了する。
容積形エネルギー回収装置の第3動作形態((3)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12は左方向に動作し続けるとともに、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12は左方向に動作し始める。この場合、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12の速度およびエネルギー回収チャンバー11Bのピストン12の速度は、第1動作形態の1/2になる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出する。この際、各チャンバー内で増圧される海水の流量は、1/2になるが、両チャンバーから吐出される昇圧海水の総流量は、吐出流量Qで一定である。
容積形エネルギー回収装置の第4動作形態((4)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12は所定の速度で左方向に動作し、エネルギー回収チャンバー11B内に高圧のリジェクトが導入され、エネルギー回収チャンバー11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出流量Qで吐出する。これに対して、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12は所定の速度で右方向に動作し、エネルギー回収チャンバー11A内にエネルギー回収装置ライン4から海水が導入され、同時に、エネルギー回収チャンバー11A内の濃縮海水が方向切換弁10を通じて排出される。
容積形エネルギー回収装置の第5動作形態((5)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12は左方向に動作し続け、エネルギー回収チャンバー11B内に高圧のリジェクトを導入し続け、エネルギー回収チャンバー11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出流量Qで吐出し続ける。これに対して、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12はストローク右端に到達し、エネルギー回収チャンバー11A内への海水の導入を完了する。
容積形エネルギー回収装置の第6動作形態((6)で表示)においては、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12は左方向に動作し続けるとともに、エネルギー回収チャンバー11Aのピストン12は左方向に動作し始める。この場合、エネルギー回収チャンバー11Bのピストン12の速度およびエネルギー回収チャンバー11Aのピストン12の速度は、第1動作形態および第4動作形態の1/2になる。これにより、両エネルギー回収チャンバー11A,11B内に高圧のリジェクトが導入され、両チャンバー11A,11B内の海水をリジェクトの圧力と油圧シリンダ17A,17Bの油圧(動力)を利用して昇圧し、昇圧された海水をチェック弁モジュール14を介して高圧ポンプライン3に吐出する。この際、各チャンバー内で増圧される海水の流量は、1/2になるが、両チャンバーから吐出される昇圧海水の総流量は、吐出流量Qで一定である。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもなく、例えば、エネルギー回収チャンバーや油圧シリンダ等は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 前処理装置
2 送水ポンプ
3 高圧ポンプライン
4 エネルギー回収装置ライン
5 高圧ポンプ
6 エネルギー回収装置
7 ブースターポンプ
7A,7B 補助動力装置
8 逆浸透膜カートリッジ
8a 逆浸透膜(RO膜)
9 リジェクトライン
10 方向切換弁
11,11A,11B エネルギー回収チャンバー
12,22 ピストン
13 シリンダ
14 チェック弁モジュール
15A,15B 油圧供給ユニット
16A,16B 油圧方向切換弁
17A,17B 油圧シリンダ
18A,18B ピストンロッド
19 フィードポンプ
23 シリンダ
24 排出ライン
25 バイパスライン
26 安全装置
102 スプール
P 供給ポート
A,B 制御ポート
R 戻りポート

Claims (4)

  1. 供給された原水を加圧する高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプから吐出された高圧水を逆浸透膜で膜処理して処理水を生成する逆浸透膜カートリッジと、
    前記逆浸透膜で処理されることなく前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧することにより濃縮水の有するエネルギーを原水側に回収する容積形エネルギー回収装置とを備えたエネルギー回収システムにおける前記容積形エネルギー回収装置であって、
    前記濃縮水と前記原水を導入して前記濃縮水の圧力を前記原水に伝達することにより前記原水を加圧する、内部にピストンを有する複数のエネルギー回収チャンバーと、
    前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーへの導入および前記濃縮水の前記エネルギー回収チャンバーからの排出を切り換える方向切換弁と、
    内部にピストンを有し作動油が導入される油圧シリンダと、前記油圧シリンダに前記作動油を供給するための油圧供給ユニットと、前記作動油の前記油圧シリンダへの導入および前記作動油の前記油圧シリンダからの排出を切り換える油圧方向切換弁とを有した複数の補助動力装置と、
    前記複数のエネルギー回収チャンバーのピストンと前記複数の油圧シリンダのピストンとをそれぞれ連結する複数の連結手段とを備え、
    前記方向切換弁は、前記逆浸透膜カートリッジに連通する供給ポートと前記エネルギー回収チャンバーに連通する制御ポートと排出ラインに連通する戻りポートとを備えたハウジングにスプールを嵌合させ、前記スプールを移動させることにより流路の切換えを行うスプール弁であって、前記供給ポートと前記制御ポート間のメータリングオリフィス部をアンダーラップにし、かつ、前記制御ポートと前記戻りポート間のメータリングオリフィス部をオーバラップもしくはゼロラップにする構成のスプール弁からなり、
    前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水を前記供給ポートから前記制御ポートを経て前記エネルギー回収チャンバーに導入して濃縮水の圧力を利用して前記エネルギー回収チャンバーに導入された原水を加圧するとともに、前記補助動力装置の油圧を利用して前記エネルギー回収チャンバーに導入された原水を昇圧して前記高圧ポンプから吐出された高圧水に合流させ、かつ前記エネルギー回収チャンバーに導入された濃縮水を前記制御ポートから前記戻りポートを経て前記排出ラインに排出することを可能にしたことを特徴とする容積形エネルギー回収装置。
  2. 前記エネルギー回収チャンバーのピストンと前記油圧シリンダのピストンとは、同期して同一方向に動作するように、前記方向切換弁と前記油圧方向切換弁とは、同期して制御することを特徴とする請求項1記載の容積形エネルギー回収装置。
  3. 前記高圧ポンプに原水を供給する高圧ポンプラインとは別途に、前記エネルギー回収チャンバーに原水を供給するエネルギー回収装置ラインを設け、該エネルギー回収装置ラインに原水を加圧するためのフィードポンプを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の容積形エネルギー回収装置。
  4. 前記エネルギー回収装置ラインをバイパスするバイパスラインを設け、該バイパスラインに規定圧以上で弁体が開く安全弁もしくは小水量の確保が可能なオリフィスからなる安全装置を設けたことを特徴とする請求項記載の容積形エネルギー回収装置。
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