JP4870648B2 - 動力回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、流体を高圧で圧送することを含む、工業的な処理プロセス及び流体精製プロセスにおいて、プロセスにおけるトータル消費エネルギーを低減するための動力回収システムに関する。本発明は、海水から塩分を除去するための逆浸透膜法を用いた海水淡水化プラントにおける、消費エネルギー削減手段としての動力回収システムとして使用するのに特に好適である。
高圧流体を用いる工業的プロセス又は流体精製プロセスでは、高圧流体を精製するための動力コストが多大となるため、プロセス処理を行った後の高圧流体からエネルギーを回収するいくつかの方法が試みられてきた。その典型事例として、逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントについて従来技術の課題を説明する。
逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントは、主として、前処理システム、高圧ポンプ、逆浸透膜カートリッジ、動力回収システムから構成されている。取水された海水は、前処理システムにより一定水質の条件に整えられたのち、高圧ポンプにより加圧され、逆浸透膜カートリッジへと圧送される。逆浸透膜カートリッジ内の高圧海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って膜を通過し、塩分が除去された淡水として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジからリジェクトとして排出される。海水淡水化プラントにおける最大の運用コストである電力費の半分以上は、高圧ポンプによる加圧に費やされることが多い。従って、逆浸透膜カカートリッジから排出される高塩分濃度で高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーを有効に回収する種々の方法が提案されている。
例えば、高圧のリジェクトをノズルにより高速噴流とし、その運動エネルギーをペルトン水車により動力回収し、高圧ポンプを駆動するモータ動力の補助とするペルトン水車型動力回収システムがある。以下、この動力回収システムを従来技術Aという。このシステムでは、ペルトン水車とポンプ羽根車が同一の主軸に組みつけられることが一般的であり、両者の回転速度を独立して変化させることが出来ないという欠点がある。この結果、ペルトン水車自体の効率は高いものの、例えば造水量の季節変動に追随した海水淡水化プラントの運用を行おうとすると、水車としての最高効率より大幅に低い効率での運転を余儀なくされることがあるという問題があった。
高圧のリジェクトからエネルギーを回収する他の動力回収システムとして、タービンランナーとポンプ羽根車を同軸上に結合して配置し(動力回収ポンプタービンと呼ばれる)、高圧リジェクトでタービンを回転することによりポンプを駆動し、このポンプ(動力回収ポンプタービンと呼ばれる)をブースターポンプとして使用することにより高圧ポンプの動力を節減する動力回収システムがある。このシステムには、前処理システムからの海水を高圧ポンプと動力回収タービンのポンプ部分に供給し、動力回収ポンプタービンのポンプ部分で昇圧された海水を高圧ポンプで昇圧された海水に合流させるシステムと、前処理システムからの海水の全流量を高圧ポンプおよび動力回収ポンプタービンのポンプ部分に流すシステムとがある。以下、前者を従来技術Bと云い、後者を従来技術Cと云う。従来技術Bにおいては、動力回収ポンプタービンのタービン効率が低いと十分な動力を回収できないという問題点があり、また高圧ポンプと同等ヘッドを動力回収ポンプタービンが担うため、その効率が低いとシステム全体への影響が大きいという問題点がある。従来技術Cにおいては、動力回収ポンプタービンのポンプ部分を全流量が流れるため、ポンプ性能が低い場合にはプラント全体のエネルギー効率に大きな影響を及ぼすという欠点がある。
さらに他の動力回収システムとして、高圧リジェクトによりシリンダ内のピストンを駆動し、容積型ピストンポンプとして活用することにより動力回収を行う動力回収システムがある。以下、この動力回収システムを従来技術Dという。こうした容積型動力回収装置では、制御バルブにおいて生ずる圧力損失を補償するために、容積型ピストンポンプの下流に低ヘッドの可変速インバータ駆動のブースターポンプを設置することが一般的である。しかしながら、こうしたブースターポンプは入口圧力が高い特殊なポンプ構造を要求され、耐圧性の高い高価なメカニカルシールの採用を余儀なくされるという欠点があることが知られている。また、この方式の場合、他の方式よりも外部からのエネルギーを供給しなければならない電気機器が多く、システム全体としての信頼性の低下に繋がる。
以下に、従来技術について詳細に説明する。
(従来技術A)
高圧流体を用いる工業的プロセス又は流体精製プロセスにおいて、プロセス処理を行った後の高圧流体からエネルギーを回収する方法の中で、タービンを用いる従来技術Aについて図26により説明する。なお、工業プロセスの典型事例として、逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントを取り上げ、具体的に従来技術の課題を説明する。
取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。逆浸透膜カートリッジ内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。逆浸透膜カートリッジ8から排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーは、回転する翼車を有するタービン14により動力として回収される。回収された動力は、タービン翼車と同軸で結合された電動モータ6の駆動動力低減に寄与する。タービンの作用により圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧のタービンリジェクト15として廃棄される。
例えば、16トレインの海水淡水化装置を用いた造水量約50MGD(50メガガロン/日)クラスのプラントで、逆浸透膜カートリッジを約7.7Mpaに加圧し、取水した海水の28%を淡水化する場合のタービン(効率88%)によるエネルギー回収は、1トレイン当たり、約2280kWとなり、高圧ポンプに必要な動力を約2090kWにまで低減することが可能になる。しかしながら、上記に述べた理由などにより最適なタービンの運転が阻害され、仮にタービン効率が5%低下すると仮定した場合には約130kWのエネルギーが未回収となる。なお、タービン形式としてはペルトンタービンが採用されることが多いが、この場合には、高圧リジェクトは高速のジェットとして大気中に噴出された後、タービン翼車のバケットに衝突して翼車を駆動する。この時点で、リジェクトの圧力は大気圧となるため、リジェクトを排出ラインから廃棄するためのポンプなどの付帯設備が必要となる。
上記のプラントにおいて、取水した海水の45%を淡水化する場合のタービン(効率88%)によるエネルギー回収は約1080kWとなり、高圧ポンプに必要な動力を約1630kWにまで低減することが可能になる。仮にタービン効率が5%低下すると仮定した場合には約60kWのエネルギーが未回収となる。
(従来技術B)
次に、ポンプ羽根車とタービン翼車が1軸で結合され、タービン翼車で回収した動力だけでポンプ羽根車を駆動する「動力回収ポンプタービン」あるいは「ターボチャージャポンプ」と呼ばれる機械装置を使用した従来技術Bについて図27により説明する。
取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。逆浸透膜カートリッジ内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。カートリッジから排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーは、動力回収ポンプタービン18のタービン14に導かれ、そのケーシング内に設置されたタービン翼車を駆動する。この結果、回転軸16により結合されたブースターポンプ17内のポンプ羽根車が回転し、高圧のリジェクトが保有していたエネルギーが有効動力として回収されることになる。タービンの作用により圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧のタービンリジェクト15として廃棄される。回収された動力は、タービン翼車と同軸で結合されたポンプ羽根車の駆動に消費され、供給ライン4からの海水はポンプアップされ、ブースターポンプ吐出ライン19を通って、高圧ポンプ吐出しの高圧ライン7の流体と合流して逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。この結果、ある造水量を得る際に高圧ポンプ5により昇圧される流体の流量は減少し、高圧ポンプ5を駆動するためのモータ6の電力コストを低減することができる。
この場合、タービン翼車は逆浸透膜カートリッジ8からの圧力7MPa以上の高圧海水により駆動されるためタービン14の選定が困難であり、またタービンと同軸で連結されたポンプにおいても高効率を確保するためのポンプ選定が容易ではないという欠点がある。
前述した、16トレインの海水淡水化装置を用いた造水量約50MGD(50メガガロン/日)クラスのプラントで、取水した海水の28%を淡水化する場合、1トレイン当たり、高圧ポンプに必要な動力は約1960kWにまで低減することが可能になり、また取水した海水の45%を淡水化する場合には動力を約1570kWにまで低減することができる。しかしながら、上述したタービンとポンプの選定の難しさなどにより動力回収ポンプタービンのポンプ及びタービンの効率が各々5%低下すると仮定した場合には、28%の淡水回収の場合は120kW、45%の淡水回収では160kWの電力増となる。なお、後者の場合にはタービン形式はペルトンタービンとなるため、リジェクトを排出ラインから廃棄するためのポンプなどの付帯設備が必要となる上に、動力回収ポンプタービンの回転速度が5000rpmを超えることも想定されるなど、技術的な課題が多い。
(従来技術C)
動力回収ポンプタービンを用いたその他の従来技術として、動力回収ポンプタービンを高圧ポンプのブースターポンプとして使用した従来技術Cについて図28により説明する。
取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、高圧ライン7を経て動力回収ポンプタービン18のブースターポンプ17へと送り込まれる。一方、逆浸透膜カートリッジ内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。カートリッジから排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーは、動力回収ポンプタービン18のタービン14に導かれ、そのケーシング内に設置されたタービン翼車を駆動する。この結果、回転軸16により結合されたブースターポンプ17内のポンプ羽根車が回転し、高圧のリジェクトが保有していたエネルギーが有効動力として回収されることになる。タービンの作用により圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧のタービンリジェクト15として廃棄される。回収された動力は、タービン翼車と同軸で結合されたポンプ羽根車の駆動に消費され、高圧ライン7からの流体をさらにブーストアップすることができる。動力削減効果は、理論的には従来技術Bと同一である。
(従来技術D)
容積型の動力回収装置である従来技術Dについて図29により説明する。この従来技術Dでは、逆浸透膜カートリッジの保有する高圧エネルギーにより、一対の容積型ピストンポンプのピストンを駆動し、取水した海水をポンプアップしている。
取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、高圧ライン7を経て逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。一方、逆浸透膜カートリッジ内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。カートリッジから排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーは、制御弁20を介して動力回収チャンバー21へと導入され、同チャンバー内のピストンを駆動する。ピストンを駆動することにより圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧のリジェクトとして排出ライン15により廃棄される。このようにして構成された容積型ピストンポンプ23により、供給ライン4の海水の一部がポンプアップされる供給海水バイパスブーストライン24へと排出され、最終的には高圧ポンプ5の出口からの高圧水に合流する。しかしながら、逆浸透膜カートリッジや配管の圧力損失、制御弁20における損失、動力回収チャンバーと内部のピストンとの間の漏れ損失などにより、供給海水バイパスブーストライン24内の流体は高圧ライン7の流体よりも低い圧力となっている。この両者を合流させるために、供給海水バイパスブーストライン24とブースターポンプ吐出ライン19との間にはモータ26で駆動されるブースターポンプ17が設置される。
前述したような、16トレインの海水淡水化装置を用いた造水量約50MGD(50メガガロン/日)クラスのプラントで、取水した海水の28%を淡水化する場合、1トレイン当たり、高圧ポンプに必要な動力は約1440kWにまで低減することが可能になり、また取水した海水の45%を淡水化する場合には動力を約1330kWにまで低減することができる。ブースターポンプ25に求められるヘッドは配管等の圧力損失分だけであり小さな値であるが、同ポンプの入口圧は7MPa前後の高圧条件となるため、シール構造に配慮した特殊ポンプが必要になるという欠点がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、流体を高圧で圧送することを含む、工業的な処理プロセス及び流体精製プロセスにおいて、プロセスにおけるトータル消費エネルギーを低減することができる動力回収システムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の動力回収システムは、供給された原水を加圧する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから排出された高圧水を逆浸透膜で膜処理して処理水を生成する逆浸透膜カートリッジと、前記逆浸透膜で処理されないで前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧する容積形ピストンポンプと、前記容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を昇圧して前記高圧ポンプから排出された高圧水に合流させる動力回収ポンプタービンとを備えた動力回収システムであって、前記動力回収ポンプタービンの動力源を前記システム内で発生した圧力水としたことを特徴とする。
本発明は、流体が高圧で工業的なプロセス内へ圧送され、流体の少なくとも一部が高圧のままプロセスから排出されるように構成された工業的プロセスからエネルギーを回収する動力回収システムである。高圧ポンプにより昇圧され、所定の工業的なプロセスを経たのち高圧で排出される流体は、制御バルブを介して少なくとも2連以上のシリンダ内のピストンを駆動し、容積型ピストンポンプとして作用することにより高圧流体の大半のエネルギーを回収する。同時に、容積型ピストンポンプの制御バルブ等において生ずる圧力損失は、動力回収システム内で発生した圧力水で駆動されるタービンと同軸上に固定されたブースターポンプ、すなわち動力回収ポンプタービンにより補償される。
容積型ピストンポンプは作動条件によらず高効率での運用が可能であり、高圧排出流体が保有するエネルギーの大半を効率的に回収することを可能にする。また、制御バルブ等で生ずる圧力損失を動力回収ポンプタービンにより補償する構成とすることにより、ブースターポンプに必要となる電動モータやインバータ(外部からのエネルギーを供給しなければならない電気機器及びその配線)、さらには高吸込み圧をシールするための特殊なメカニカルシールを不要とすることができ、結果としてシステム全体としての信頼性の向上に繋がる。さらに動力回収ポンプタービンは、制御バルブ等で生ずる比較的少ない圧力損失分だけを発生する低ヘッドの装置で良く、仮に性能が低くとも全体のエネルギー効率への悪影響は極めて少ないという特徴を有する。さらに、ポンプやタービン装置では圧力ヘッドが流量に比して大きい場合には高効率化することが困難である場合があるが、本発明によれば、動力回収ポンプタービンの流体性能を、ほぼ最適な設計条件で実現することができるなど、多くの特長が実現できる。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、原水を取水して前記高圧ポンプと前記容積形ピストンポンプに供給する取水ポンプを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、原水を取水ポンプにより取水し、高圧ポンプに供給するとともに、高圧ポンプに供給するラインから分岐したバイパスラインにより容積形ピストンポンプに供給する。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記圧力水は、前記高圧ポンプから排出された前記高圧水であることを特徴とする。
本発明によれば、動力回収ポンプタービンの動力源となる圧力水は、高圧ポンプにより加圧された高圧水である。高圧ポンプからの高圧水は、全量、動力回収ポンプタービンのタービンに供給される。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記圧力水は、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の一部であることを特徴とする。
本発明によれば、動力回収ポンプタービンの動力源となる圧力水は、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の一部である。すなわち、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水は、容積形ピストンポンプに供給されるが、該濃縮水の一部は、容積形ピストンポンプの上流側で分岐されて動力回収ポンプタービンのタービンに供給される。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、前記タービンは、前記高圧ポンプと前記逆浸透膜カートリッジとを接続する高圧ライン上に配置されており、前記ブースターポンプは、前記容積形ピストンポンプと前記高圧ラインとを接続する供給水バイパスブーストライン上に配置されていることを特徴とする。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、前記タービンは、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水が流れる濃縮水ラインから分岐されて濃縮水分岐ライン上に配置されており、前記ブースターポンプは、前記容積形ピストンポンプと前記高圧ラインとを接続する供給水バイパスブーストライン上に配置されていることを特徴とする。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記高圧ポンプから排出される前記高圧水を流量制御する高圧ポンプ吐出弁と、前記タービンに流入する前記濃縮水を流量制御するタービン入口弁と、前記ブースターポンプから排出されるブースト水を流量制御するブースターポンプ吐出弁と、前記容積形ピストンポンプの制御弁から排出される濃縮水を制御する動力回収出口弁とを備えたことを特徴とする。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記取水ポンプから供給される前記原水の流量を計測する供給水流量計と、前記逆浸透膜カートリッジから排出される前記処理水の流量を計測する処理水流量計と、前記逆浸透膜カートリッジから排出される前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計と、前記取水ポンプから一部分岐して前記容積型ピストンポンプの切り替え弁に導入される前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計と、前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の一部を分岐した前記濃縮水の流量を計測するタービン入り口流量計とを備えたことを特徴とする。
本発明の動力回収システムの好ましい態様は、前記容積形ピストンポンプは、前記濃縮水を導入して該濃縮水の通過流路の切換えを行う制御弁と前記供給された前記原水の吸入と吐出の切り替えを行う切り替え弁部と、前記制御弁を通過した前記濃縮水のエネルギーを前記切り替え弁部を通過して吸入した前記原水に伝達する動力回収チャンバーとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水を制御弁を介して動力回収チャンバーに導入し、該濃縮水のエネルギーを利用して切り替え弁部から導入された原水を動力回収チャンバーにて昇圧し、昇圧された原水を動力回収ポンプタービンに供給する。
本発明の動力回収装置は、動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、前記タービンは、高圧ポンプにより加圧された高圧水を導入して該高圧水の圧力を回転力に変換するタービンであり、前記ブースターポンプは、容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を前記回転軸を介して伝達された前記回転力によって昇圧するブースターポンプであり、前記タービンは、吸込口と吐出口を有する配管状のタービンケーシングの径方向中心位置に、前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にタービンインペラを配置した構造であり、前記ブースターポンプは、吸込口と吐出口を有する配管状のブースターポンプケーシングの径方向中心位置に、前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にブースターポンプインペラを配置した構造であることを特徴とする。
本発明によれば、システム内の圧力水をエネルギー源としてブースターポンプを駆動するため、電動機が不要となり、製作コストに電動機が含まれなくなり安価となる。また電動機で必要な電気配線も不要となるため、電動機の電気配線コストも含まれなくなり安価となる。また、設置後のメンテナンスについても、電動機とその電気配線のメンテナンスが不要となるため、メンテナンスコストを削減することができる。
電気的トラブルによるブースターポンプの非常停止は発生せず、システム全体としての信頼性向上となる。
本発明の動力回収装置の好ましい態様は、前記配管状のタービンケーシングと前記配管状のブースターポンプケーシングとは並設されており、前記回転軸は前記タービンケーシングと前記ブースターポンプケーシングとを貫通して延び、前記回転軸は該貫通部にて支持部材により回転可能に支持されていることを特徴とする。
本発明の動力回収装置の好ましい態様は、前記タービンインペラは軸流羽根であり、前記ブースターポンプインペラは軸流羽根であることを特徴とする。
本発明の動力回収装置は、動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、前記タービンは、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の一部を導入して該濃縮水の圧力を回転力に変換するタービンであり、前記ブースターポンプは、容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を前記回転軸を介して伝達された前記回転力によって昇圧するブースターポンプであり、前記タービンは、吸込口と吐出口の口部を有するタービンケーシング内に前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にタービンインペラを配置した構造であり、前記ブースターポンプは、吸込口と吐出口の口部を有するブースターポンプケーシング内に前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にブースターポンプインペラを配置した構造であり、前記回転軸の軸方向において、前記タービンケーシングと前記ブースターポンプケーシングの前記口部と反対側の面端部同士を突き合わせて締結した組合わせ構造であって、該タービンケーシングと該ブースターポンプケーシングとの間に、前記回転軸を回転可能に支持する軸受手段を配置したことを特徴とする。
本発明によれば、システム内の圧力水をエネルギー源としてブースターポンプを駆動するため、電動機が不要となり、製作コストに電動機が含まれなくなり安価となる。また電動機で必要な電気配線も不要となるため、電動機の電気配線コストも含まれなくなり安価となる。また、設置後のメンテナンスについても、電動機とその電気配線のメンテナンスが不要となるため、メンテナンスコストを削減することができる。
電気的トラブルによるブースターポンプの非常停止は発生せず、システム全体としての信頼性向上となる。
本発明の動力回収装置の好ましい態様は、前記タービンケーシング内に前記タービンインペラを回転可能に支持する軸受手段を配置したことを特徴とする。
本発明の動力回収装置の好ましい態様は、前記タービンインペラは遠心羽根であり、前記ブースターポンプインペラは斜流羽根又は軸流羽根であることを特徴とする。
本発明の動力回収方法は、供給された原水を高圧ポンプで加圧し、加圧された高圧水を逆浸透膜カートリッジに導入して逆浸透膜で膜処理して処理水を生成し、前記逆浸透膜で処理されないで前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水を容積形ピストンポンプに導入し、該容積形ピストンポンプにおいて前記濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧し、前記高圧ポンプにより加圧された前記高圧水又は前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の一部の圧力を動力源として、動力回収ポンプタービンのタービンを駆動し、該動力回収ポンプタービンのブースターポンプにより、前記容積形ピストンポンプで加圧された加圧水を昇圧して前記高圧ポンプで加圧された前記高圧水と合流させることを特徴とする。
本発明によれば、高圧ポンプにより昇圧され、所定の工業的なプロセスを経たのち高圧で排出される流体は、制御バルブを介して少なくとも2連以上のシリンダ内のピストンを駆動し、容積型ピストンポンプとして作用することにより高圧流体の大半のエネルギーを回収する。同時に、容積型ピストンポンプの制御バルブ等において生ずる圧力損失は、動力回収システム内で発生した圧力水で駆動されるタービンと同軸上に固定されたブースターポンプ、すなわち動力回収ポンプタービンにより補償される。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、取水ポンプにより原水を取水して前記高圧ポンプと前記容積形ピストンポンプに供給することを特徴とする。
本発明によれば、原水を取水ポンプにより取水し、高圧ポンプに供給するとともに、高圧ポンプに供給するラインから分岐したバイパスラインにより容積形ピストンポンプに供給する。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記高圧ポンプから排出される前記高圧水の流量を制御する高圧ポンプ吐出弁は、前記処理水の流量を計測する処理水流量計の計測データまたは前記取水ポンプから排出される原水の流量を計測する供給水流量計の計測データに基づき、弁開度を制御することを特徴とする。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を制御するタービン入口弁の弁開度を制御することによって、前記ブースターポンプを制御することを特徴とする。
本発明における制御方法の目的としては、一部分岐した濃縮水により、駆動されるブースターポンプの運転を制御することで、システム全体の運転状態(例えば、処理水:濃縮水=4:6)に合わせ、供給水バイパス流量を調整するためである。この制御方法は、ブースターポンプとタービンの運転特性がいくつも考えられ、お互いのマッチングが難しい面がある。
「濃縮水流量計」、「供給水バイパス流量計」の「流量目標値」とは、
i)「濃縮水流量」=「処理水:濃縮水=4:6(例えば)」となるような流量値。
ii)「供給水バイパス流量」=「濃縮水流量」−「一部分岐した濃縮水」。
但し、「一部分岐した濃縮水」には、次の二つがある。
i)濃縮水流量の設定値に対する計測流量との偏差幅とする。
ii)ブースターポンプとタービンの特性から、必要なタービン流量を算出した値。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記動力回収ポンプタービンの回転数がほぼ一定となるように、もしくは、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を計測するタービン入り口流量計の流量が一定となるように、前記タービンの入口側に設けられたタービン入口弁の弁開度を制御し、さらに、前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記ブースターポンプで加圧したブースト水の流量を制御するブースターポンプ吐出弁の弁開度を制御することを特徴とする。
本発明における制御方法の目的としては、一部分岐した濃縮水により、駆動されるブースターポンプの運転を制御することで、システム全体の運転状態(例えば、処理水:濃縮水=4:6)に合わせ、供給水バイパス流量を調整するためである。
この制御方法は、タービンの運転特性を固定とするため、ブースターポンプの運転特性が決め易いという利点がある。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記ブースターポンプで加圧したブースト水の流量を制御するブースターポンプ吐出弁の弁開度を制御しながら、さらに、前記ブースターポンプ吐出弁の動作に合わせて、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を制御するタービン入口弁の動作を制御することを特徴とする。
本発明における制御方法の目的としては、一部分岐した濃縮水により、駆動されるブースターポンプの運転を制御することで、システム全体の運転状態(例えば、処理水:濃縮水=4:6)に合わせ、供給水バイパス流量を調整するためである。
ブースターポンプ吐出弁は、常に、濃縮水流量計、もしくは、供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように制御されているのに対し、タービン入口弁は、ブースターポンプ吐出弁の動作に従って開閉する。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記ブースターポンプ吐出弁の弁開度が小さくなってきた場合に、前記タービン入口弁の弁開度を絞る方向に指令し、その後、該ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分開いたところで、前記タービン入口弁の弁開度を保持することを特徴とする。
本発明においては、ブースターポンプ吐出弁は、常に、濃縮水流量計、もしくは、供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように制御されているので、自動的に、ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分開いたところ(設定開度1)になるように復元される。
本発明の動力回収方法の好ましい態様は、前記ブースターポンプ吐出弁の弁開度が大きくなってきた場合に、前記タービン入口弁の弁開度を広げる方向に指令し、その後、該ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分閉じたところで、前記タービン入口弁の弁開度を保持することを特徴とする。
本発明においては、ブースターポンプ吐出弁は、常に、濃縮水流量計、もしくは、供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように制御されているので、自動的に、ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分閉じたところ(設定開度1)になるように復元される。
次に、本発明に係る動力回収システムの基本概念について説明する。
高圧流体を用いる工業的プロセス又は流体精製プロセスでは、高圧流体を精製するための動力コストが多大となるため、プロセス処理を行った後の高圧流体からエネルギーを回収する典型事例として、逆浸透膜法を用いる海水淡水化プラントについて前項で述べた従来技術A〜Dと比較して本発明のコンセプトについて図1および図2に概念的に描いている。
図1に示すように、従来技術A,B,Cにおいては、外部エネルギーαにより流体を加圧し、加圧された流体の自己流体力によりターボ形機器を駆動し、ターボ形機器で動力を回収している。これに対し、本発明においては、外部エネルギーαにより流体を加圧し、加圧された流体の自己流体力により容積形機器を駆動し、容積形機器で動力を回収している。ターボ形機器のみで動力を回収する従来技術A〜Cは効率が悪いため、プラント全体のエネルギー効率を向上させるために、本発明は、容積形機器を使用した動力回収を基本概念としている。
図2に示すように、従来技術Dにおいては、外部エネルギー(電気エネルギー)により流体を加圧し、また外部エネルギーが必要なブースターポンプを用いて、容積形動力回収装置により動力を回収している。これに対し、本発明においては、外部エネルギーにより流体を加圧し、加圧された流体の自己流体力により容積形動力回収装置を駆動し、容積形動力回収装置で動力を回収している。容積形動力回収装置を使用した従来技術Dにおいては、容積型ピストンポンプ下流の損失補償のブースターポンプが可変速インバータ電動モータ駆動であるため、他の方式よりも外部からの電気エネルギーを供給しなければならない機器及び配線が多くなり、システム全体としての信頼性の低下に繋がる。これに対し、本発明では、外部からの電気エネルギーは集中的に流体の加圧のために入力して、可能な限り内部の自己流体力により容積形動力回収装置を駆動して動力を回収するシステムとしている。
従来技術A,B,Cにおいては、外部エネルギーにより流体を加圧し、加圧された流体の自己流体力によりターボ形機器を駆動し、ターボ形機器で動力を回収しているため、従来技術A〜Cはプラント全体のエネルギー効率が悪い。これに対し、本発明においては、外部エネルギーにより流体を加圧し、加圧された流体の自己流体力により容積形ピストンポンプを駆動し、容積形ピストンポンプで動力を回収しているため、プラント全体のエネルギー効率を向上させることができる。
従来技術Dにおいては、ブースターポンプは軸封部を有し、高圧・低揚程という特殊性により高価なシールとなってしまう。また、ブースターポンプは電動モータ駆動であり、電気配線が多くなり設備が複雑になると共に、高圧ポンプの運転操作と連携したブースターポンプの運転操作が必要であり、操作を難しくしている。更に、電気的トラブルでのブースターポンプの非常停止によるシステムダウンや逆浸透膜での圧力異常上昇を引き起こし逆浸透膜にダメージを与えると共に、逆浸透膜で処理された処理ラインでの水質低下を招くリスクが内在する。
従来技術Dと比較すると、本発明は以下に列挙する効果を奏する。
(1)電動モータやインバータ(外部からのエネルギーを供給しなければならない電気機器及びその配線)を省略できるのに加え、従来技術Dの課題であったブースターポンプの高圧水シールの構造が不要となるなど、設備の簡素化・省スペース、ブースターポンプの構造の大幅な簡素化と低コスト化を実現することができ、結果としてシステム全体の信頼性の向上につながる。
(2)リジェクト水(濃縮水)の一部をタービン入口ラインから排出することにより、供給ラインから容積型ピストンポンプへ吸入される原水の量を低減し、結果的に高圧ポンプの運転流量を増すことにより、より高効率な高圧ポンプの選定を可能にするものである。
(3)従来のブースターポンプが電動モータ駆動の場合には、高圧ポンプの運転に連動した操作・制御が必要である。これに対し、本発明では、動力回収ポンプタービンの制御は、タービン部への流入流量制御により行うが、そのエネルギー源として一定圧力源としての逆浸透膜カートリッジを用いて高圧ポンプを運転すると得られる濃縮水の一部がタービン内へ流下することにより、つまりシステム内流体力により自己調整的に制御できるため、操作性・制御性が容易になるという特徴がある。
(4)従来のブースターポンプが電動モータ駆動の場合には、動力電源喪失や制御回路異常時等の電気的トラブルによるブースターポンプの非常停止が発生し、濃縮水ラインの流量が遮断され、逆浸透膜において圧力異常上昇を招き逆浸透膜へダメージを与えると共に、逆浸透膜で処理された処理水の水質の低下を招く。これに対し、本発明では、ブースターポンプはタービンにより駆動される動力回収ポンプタービンであるために、電気的トラブルによるブースターポンプの非常停止は発生せず、逆浸透膜へのダメージがない。
(5)従来のブースターポンプが電動モータ駆動の場合には、動力回収装置である容積式ピストンポンプのトラブルによる濃縮水ラインの流量遮断が発生し、逆浸透膜において圧力異常上昇を招き逆浸透膜膜へダメージを与えると共に、逆浸透膜で処理された処理水の水質が悪化する。これに対し、本発明では、濃縮水ライン、タービン入口ラインに、タービン、タービンリジェクトの流路があるためにブースターポンプの非常停止による流量遮断がなく、逆浸透膜での圧力異常上昇及び逆浸透膜で処理された処理水の水質の低下は低減できる。
以下、本発明に係る動力回収システムの実施形態を図面を参照して説明する。
(本発明の動力回収システムの第1の態様)
図3は、本発明の動力回収システムの第1の態様を示す模式図である。図3に示すように、取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、高圧ライン7へと圧送される。尚、高圧ポンプ5は制御弁又はインバータにより流量制御を行うこともできる。一方、逆浸透膜カートリッジ8内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。逆浸透膜カートリッジ8から排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーは、制御弁20を介して動力回収チャンバー21へと導入され、同チャンバー内のピストンを駆動する。ピストンを駆動することにより圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧の動力回収リジェクト25として廃棄される。このようにして構成された容積型ピストンポンプ23により、供給ライン4の海水の一部が切り替え弁22と動力変換チャンバーを介してポンプアップされ、供給海水バイパスブーストライン24へと排出され、最終的には高圧ポンプ5の出口からの高圧水に合流する。
しかしながら、逆浸透膜カートリッジや配管の圧力損失、制御弁20や切り替え弁22等における損失、動力回収チャンバー21と内部のピストンとの間の漏れ損失などにより、供給海水バイパスブーストライン24内の流体は逆浸透膜カートリッジ8へと向う流体よりも低い圧力となっている。そこで、この両者を合流させるために、供給海水バイパスブーストライン24とブースターポンプ吐出ライン19との間に、動力回収ポンプタービン18を設置する。動力回収ポンプタービン18のタービン14内に設置されたタービンインペラは、高圧ポンプ5からの高圧水の保有する圧力エネルギーのごくわずかを取り出すことにより駆動され、タービン14と同軸上に固定されたポンプインペラを回転することにより、供給海水バイパスブーストライン24からブースターポンプ吐出ライン19までのポンプアップが実現される。タービンインペラから排出された高圧水はタービン吐出ライン27に流れ出る。この方法によれば、従来技術Dで必要であった電動モータ26を省略できるのに加え、従来技術Dの課題であったブースターポンプ17の高圧水シールの構造が不要となるなど、構造の大幅な簡素化と低コスト化を実現することができる。
前述したような、16トレインの海水淡水化装置を用いた造水量約50MGD(50メガガロン/日)クラスのプラントで、取水した海水の28%を淡水化する場合、1トレイン当たり、高圧ポンプに必要な動力は約1470kWにまで低減することが可能になり、また取水した海水の45%を淡水化する場合には動力を約1340kWにまで低減することができる。さらに、このように容積型ピストンポンプと動力回収ポンプタービンをハイブリッド化することにより、動力回収ポンプタービンのタービン翼車の選定が容易になるなどの利点もある。
(本発明の動力回収システムの第2の態様)
図4は、本発明の動力回収システムの第2の態様を示す模式図である。図4に示す動力回収システムは、動力回収ポンプタービンと容積型ピストンポンプをハイブリッド化する本発明の別の形態として、動力回収ポンプタービンのタービンインペラを、逆浸透膜カートリッジ8からの濃縮水の一部を用いて駆動する形態の動力回収システムである。
図4に示すように、取水ポンプ2により取水された海水1は、前処理装置3により所定の水質条件に整えられたのち、電動モータ6により駆動される高圧ポンプ5により加圧され、高圧ライン7を経由して逆浸透膜カートリッジ8へと圧送される。尚、高圧ポンプ5は制御弁又はインバータにより流量制御を行うこともできる。一方、逆浸透膜カートリッジ8内の高圧室9の海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜10を通過し、塩分が除去された脱塩水12として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜カートリッジ8から濃縮海水ライン13へ排出される。カートリッジ8から排出された高圧のリジェクトが保有する圧力エネルギーの大半部分は、制御弁20を介して動力回収チャンバー21へと導入され、同チャンバー内のピストンを駆動する。ピストンを駆動することにより圧力エネルギーを失ったリジェクトは、低圧の動力回収リジェクト25として廃棄される。
このようにして構成された容積型ピストンポンプ23により、供給ライン4の海水の一部が切り替え弁22と動力回収チャンバー21を介してポンプアップされ、供給海水バイパスブーストライン24へと排出され、最終的には高圧ライン7の高圧水に合流する。しかしながら、逆浸透膜カートリッジ8や配管の圧力損失、制御弁20や切り替え弁22等における損失、動力回収チャンバー21と内部のピストンとの間の漏れ損失などにより、供給海水バイパスブーストライン24内の流体は高圧ライン7の流体よりも低い圧力となっている。そこで、この両者を合流させるために、供給海水バイパスブーストライン24と高圧ライン7との間に、動力回収ポンプタービン18を設置する。動力回収ポンプタービン18のタービンインペラは、逆浸透膜カートリッジ8への濃縮海水ライン(リジェクト)13のごく一部をタービン入口ライン28から取り出すことにより駆動される。この結果、タービン14と同軸上に固定されたポンプインペラが回転し、供給海水バイパスブーストライン24から高圧ライン7までのポンプアップが実現される。
なお、動力回収タービンポンプ18のタービンインペラを駆動するための高圧水は、濃縮海水ライン(リジェクト)13から取り出す代わりに、高圧ポンプ5と逆浸透膜カートリッジ8との間の高圧ライン7から取り出す態様もあるが、脱塩水12の一部をタービンインペラ駆動に消費する結果となるため、第2の様態と比較するとシステムの効率はわずかに低下する可能性がある。
この方法によれば、従来技術Dで必要であった電動モータ26やインバータ(外部からのエネルギーを供給しなければならない電気機器及びその配線)を省略できるのに加え、従来技術Dの課題であったブースターポンプ17の高圧水シールの構造が不要となるなど、構造の大幅な簡素化と低コスト化を実現することができる。結果としてシステム全体としての信頼性の向上に繋がる。さらに、リジェクト水の一部をタービン入口ライン28から排出することにより、供給ライン4から容積型ピストンポンプ23へ吸入される海水量を低減し、結果的に高圧ポンプ5の運転流量を増すことにより高効率な高圧ポンプ5の選定を可能にするものである。また本発明の第1の態様では、動力回収ポンプタービン18のタービンインペラを駆動するためのエネルギー分だけ、高圧ポンプ5のヘッドを高く設定する必要があったが、本発明の第2の態様ではその必要もなくなるという利点がある。
動力回収ポンプタービン18の制御は、タービン部への流入流量制御により行うが、そのエネルギー源として一定圧力源としての逆浸透膜カートリッジ8を用いて高圧ポンプ5を運転すると得られる高圧濃縮海水がタービン14内へ流下することにより、つまりシステム内の流体力により自己調整的に制御できるため、ブースターポンプ17を電動モータ26により駆動する従来技術Dに比べて操作性・制御性が容易になるという特徴がある。
前述したような、16トレインの海水淡水化装置を用いた造水量約50MGD(50メガガロン/日)クラスのプラントで、取水した海水の28%を淡水化する場合、1トレイン当たり、高圧ポンプに必要な動力は約1450kWにまで低減することが可能になり、また取水した海水の45%を淡水化する場合には動力を約1320kWにまで低減することができる。
以上を総括すると、容積型ピストンポンプにより動力回収を行う形態では、ペルトンタービンや動力回収ポンプタービンを用いた従来技術より圧倒的な電力コストの削減(消費電力の削減)ができ、さらに容積型ピストンポンプと動力回収ポンプタービンをハイブリッド化した本発明によれば、従来技術Dで必要であったブースターポンプの電動モータを省略し、かつシールレス構造を実現することによりメカニカルシールも省略可能とし、かつ高い制御性を有するシステムの構築が可能となる。結果として、システム全体の信頼性が向上するため、稼働率が高くなり、長期間稼働することにより、従来技術Dに比べて、よりいっそうの電力消費の削減効果をあげることができる。
表1は、従来技術A〜Dと本発明の第1,第2の態様との比較表である。淡水回収率28%および45%における消費電力(kW)を示す。ここに示す消費電力および電力費削減額は、代表的なプラント構成、機器性能、電力コストなどに対する見積もり値で、実際の消費電力は各プラントごとに評価する必要がある。なお、電力コストは0.08米ドル/kWh=約9.2円/kWhとした。
Figure 0004870648
(発明における動力回収ポンプタービン)
次に、本発明に係る動力回収システムの第1の態様および第2の態様に利用する、動力回収ポンプタービン18について説明する。
動力回収ポンプタービン18はタービン14、回転軸16、ブースターポンプ17より構成される。動力回収ポンプタービン18の機能は、容積型ピストンポンプ23の切り替え弁22からの供給海水バイパスブーストライン24をブースターポンプ17に導入し、タービン14のエネルギーを利用して回転軸16を駆動してブースターポンプ17により海水の昇圧を行い、ブースターポンプ吐出ライン19を通じて逆浸透膜カートリッジ8の高圧室9に供給することである。
タービン14の駆動については、本発明に係る動力回収システムの第1の態様では高圧ポンプ5から供給される高圧ライン7の海水を利用し、第2の態様では逆浸透膜カートリッジ8の高圧室9から供給されるリジェクトバイパスライン28を利用する。
まず、動力回収ポンプタービンを適用することによって発生するメリット(利点)について説明する。
システム内の海水をエネルギー源としてポンプを駆動させるため、電動機が不要となり、製作コストに電動機が含まれなくなり安価となる。また電動機で必要な電気配線も不要となるため、電動機の電気配線コストも含まれなくなり安価となる。また、設置後のメンテナンスについても、電動機とその電気配線のメンテナンスが不要となるため、メンテナンスコストを削減することができる。
本システムではポンプの吸込み圧力(供給海水バイパスブーストライン24の圧力)が一般のポンプよりも非常に高く、電動機駆動式ポンプの場合では軸をポンプ外部に取り出す軸封部に高い圧力が作用するため特殊な軸封装置(例えばメカニカルシール)が必要となり、ポンプの製作コストおよびメンテナンスコストが大幅に増加するが、本ポンプタービンでは電動機が無く、回転軸をポンプ外部に取り出す必要が無いため軸封部が不要となり、製作コストおよびメンテナンスコストが安価となる。
電動機駆動式ポンプの場合ではポンプと電動機を別々に製作してそれぞれの軸を接続するため軸を連結する部品(カップリング)が必要となるが、本ポンプタービンではタービンインペラとポンプインペラを一本の回転軸16で接続することが可能のためカップリングが不要となり、コストが安価となる。
本ポンプタービンではタービンインペラとポンプインペラを一本の回転軸16で接続しているため軸受部分をポンプとタービンの外部に設置せずに、内部設置の水中軸受を採用することが可能となる。水中軸受ではシステム内の海水のみで軸受の潤滑を行うため、従来外部に設置していた軸受では必要とされたグリース・潤滑油等の油脂類が不要となり、メンテナンス時にグリース・潤滑油等を交換する必要がないためメンテナンスコストが安価となる。またメンテナンス時に油脂類の廃棄が無くなるため、環境に対する悪影響が少ない。
次に、動力回収ポンプタービンの構造を説明する。
動力回収ポンプタービン18は、タービン14、回転軸16、ブースターポンプ17より構成される。
本発明によるタービンポンプの構成部品の材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングもしくはバルクであり、高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングもしくはバルクである。
本発明によるタービンポンプの構成部品のうち、軸受、ケーシングリング、インペラリング等の摺動部分の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、セラミックス繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
以下、動力回収ポンプタービンの詳細構造を図5乃至図8を参照して説明する。
図5は、本発明の動力回収システムの第1の態様に適用する動力回収ポンプタービンの構造を示す図である。
図5に示すように、動力回収ポンプタービンは、タービン14とブースターポンプ17とを一つの回転軸16の両端に配置した構成を有し、該タービン14は、吸込口と吐出口を持った配管状のタービンケーシング101の径方向中心位置に、回転軸16を位置させ、回転軸16の端部にタービンインペラ104を配置し、回転軸16とタービンケーシング101とを固定する支持部材を具備する構造であり、ブースターポンプ17は、吸込口と吐出口を持った配管状のブースターポンプケーシング111の径方向中心位置に、回転軸16を位置させ、回転軸16の端部にブースターポンプインペラ114を配置し、回転軸16とブースターポンプケーシング111とを固定する支持部材を具備する構造である。配管状のタービンケーシング101と配管状のブースターポンプケーシング111とは、相隣接して設置されており、回転軸16とタービンケーシング101とを固定する支持部材と、回転軸16とブースターポンプケーシング111とを固定する支持部材とは、共通の単一の支持部材103により構成されている。
図5に示すポンプタービンにおいては、高圧ライン7から供給された高圧水がタービンインペラ104に流れ込み、タービンインペラ羽根105に圧力が作用してタービン吐出ライン27に流れ出ることにより流体エネルギーが回転エネルギーに変換されてタービンインペラ104に回転エネルギーを与え、その回転エネルギーが回転軸16を伝達してブースターポンプインペラ114を回転させ、ポンプインペラ羽根115が流体にエネルギーを与えることにより、供給海水バイパスブーストライン24から導入された流体が昇圧されブースターポンプ吐出ライン19に供給される。
タービン14のタービンインペラの形式
本システムではタービン14は比較的低い圧力差かつ比較的大きい流量の流体によって駆動するため、インペラ比速度Nsの大きい図示した軸流形インペラを使用する。ただし、システムによって圧力と流量が異なる場合には、比較的中程度の圧力差かつ比較的中程度の流量に対応したインペラ比速度Nsが中程度の斜流形インペラを使用しても良く、また比較的高い圧力差かつ比較的少ない流量に対応したインペラ比速度Nsの小さい遠心形インペラを使用しても良い。一般的に前述の遠心形インペラ、斜流形インペラ、軸流形インペラのインペラ比速度Nsの値の範囲はそれぞれ重複する部分もあり、厳密に数値で分けられてはいない。
ブースターポンプ17のポンプインペラの形式
本システムではブースターポンプ17には比較的低い圧力差かつ比較的大きい流量の流体を昇圧・送水するため、インペラ比速度Nsの大きい図示した軸流形インペラを使用する。ただし、システムによって圧力と流量が異なる場合には、比較的中程度の圧力差かつ比較的中程度の流量に対応したインペラ比速度Nsが中程度の斜流形インペラを使用しても良く、また比較的高い圧力差かつ比較的少ない流量に対応したインペラ比速度Nsの小さい遠心形インペラを使用しても良い。一般的に前述の遠心形インペラ、斜流形インペラ、軸流形インペラのインペラ比速度Nsの値の範囲はそれぞれ重複する部分もあり、厳密に数値で分けられてはいない。
タービン14とブースターポンプ17の吸込口方向、吐出口方向
タービン14のタービン吸込口方向とタービン吐出口方向は逆方向に図示しているが、実際に外部から取付ける配管の方向に合わせ、タービン吸込口方向とタービン吐出口方向を直角方向、同方向、斜め方向に設置しても良い。またブースターポンプ17のポンプ吸込口、ポンプ吐出口についても同様である。またタービン14のタービン吸込口方向・タービン吐出口方向と、ブースターポンプ17のポンプ吸込口方向・ポンプ吐出口方向の組合せについては、限定しない。
タービン側ガイドベーンとポンプ側ガイドベーン
タービン側ガイドベーン106はタービンケーシング101に供給された流体エネルギーを効率良くタービンインペラ104に伝えるため、流体の流れを特定の方向に整流してタービンインペラ104に導入する目的で設置される。ポンプ側ガイドベーン116はブースターポンプインペラ114によって昇圧された流体を効率良く送り出すため、流体の流れを特定の方向に整流してブースターポンプケーシング111に送り出す目的で設置される。またタービン内部ケーシング107とポンプ内部ケーシング117を固定する役割も果たす。タービン側ガイドベーン106、ポンプ側ガイドベーン116は複数個で構成される。
タービン内部ケーシングとポンプ内部ケーシング
タービン内部ケーシング107はタービンインペラ104に滑らかに流体を導入させる目的で設置され、ポンプ内部ケーシング117はブースターポンプインペラ114から昇圧された流体を滑らかにブースターポンプケーシング111に送り出す目的で設置される。タービン内部ケーシング107とポンプ内部ケーシング117は、それぞれタービン側ガイドベーン106とポンプ側ガイドベーン116によって固定される。また、タービン内部ケーシング107とポンプ内部ケーシング117は、回転体を支えるラジアル軸受、スラスト軸受を固定する役目も果たす。図示ではタービン内部ケーシング107とポンプ内部ケーシング117を分割形状としてボルトで固定しているが、分割形状ではなく一体形状としても良い。
タービン側ラジアル軸受
タービン側ラジアル軸受108は回転軸16から作用するラジアル方向の荷重を受け、タービンインペラ104、回転軸16、ブースターポンプインペラ114等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。ラジアル方向荷重の発生源としては、回転体の自重、回転体の振れ回りにより発生するラジアル荷重、タービンインペラ104、ブースターポンプインペラ114に作用する流体からの荷重によるラジアル荷重等の組合せとなる。
ポンプ側ラジアル軸受
ポンプ側ラジアル軸受118は回転軸16から作用するラジアル方向の荷重を受け、タービンインペラ104、回転軸16、ブースターポンプインペラ114等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。ラジアル方向荷重の発生源としては、回転体の自重、回転体の振れ回りにより発生するラジアル荷重、タービンインペラ104、ブースターポンプインペラ114に作用する流体からの荷重によるラジアル荷重等の組合せとなる。
タービン側スラスト軸受
タービン側スラスト軸受109はタービンインペラ104から作用するスラスト方向の荷重を受け、タービンインペラ104、回転軸16、ブースターポンプインペラ114等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。スラスト方向荷重の発生源は、タービンインペラ104、ブースターポンプインペラ114に作用する流体による荷重である。
ポンプ側スラスト軸受
ポンプ側スラスト軸受119はブースターポンプインペラ114から作用するスラスト方向の荷重を受け、ブースターポンプインペラ114、回転軸16、タービンインペラ104等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。スラスト方向荷重の発生源は、タービンインペラ104、ブースターポンプインペラ114に作用する流体による荷重である。
タービン14の軸受の固定方法と組合せ
タービン側ラジアル軸受108とタービン側スラスト軸受109は、それぞれ軸受シェル110に対して外周部分を焼きばめ、または圧入嵌合、またはねじ山の形成によるねじ込み、または外周部分および側面を接着のいずれかまたは組合せにより別々に固定されている。軸受シェル110は軸受シェル取付けボルト110Aによりタービン内部ケーシング107に固定されている。図示の例では、タービン側ラジアル軸受108とタービン側スラスト軸受109を別々に固定しているが、一体化させて一つの軸受シェルに固定して、一つの軸受でラジアル荷重とスラスト荷重を受け持つ構造としても良い。
ブースターポンプ17の軸受の固定方法と組合せ
ポンプ側ラジアル軸受118とポンプ側スラスト軸受119は、それぞれ軸受シェル120に対して外周部分を焼きばめ、または圧入嵌合、またはねじ山の形成によるねじ込み、または外周部分および側面を接着のいずれかまたは組合せにより別々に固定されている。軸受シェル120は軸受シェル取付けボルト120Aによりポンプ内部ケーシング117に固定されている。図示の例では、ポンプ側ラジアル軸受118とポンプ側スラスト軸受119を個別の軸受シェルで別々に固定しているが、一体化させて一つの軸受シェルに固定して、一つの軸受でラジアル荷重とスラスト荷重を受け持つ構造としても良い。
ブッシュ
ブッシュ121は、タービンケーシング101とブースターポンプケーシング111の間に回転軸16を通すために設けた支持部材(連通部)103内に設置し、ブッシュ121と回転軸16の間に適度なすき間を設けることによりタービンケーシング101とブースターポンプケーシング111間の流体の連通を極力防止してタービン14へ供給される流量・圧力およびブースターポンプ17から供給される流量・圧力を保持し、動力回収ポンプタービンの運転効率を保持することを目的とする。
ブッシュの固定方法
ブッシュ121は、片方の側面が鉛直方向の平面、もう一方の側面が斜め方向の平面を形成しており、鉛直方向の平面側を連通部内に挿入してブッシュ121の外周部分を嵌合する。ブッシュ121が回転軸16の回転による回転流体力を受けて本来固定されるべき連通部に対して回転した場合、ブッシュの外周部分および連通部の内周部分が摩耗してすき間が生じてガタが発生し、それに伴い回転軸16とブッシュ内周部分に接触が生じ、異音の発生、接触部の破損が生じるおそれがある。それを防止するため、ブッシュ121の斜め方向平面形状の側面に合わせて片側を形成したブッシュ固定スリーブ122を取付け、このブッシュ固定スリーブ122を連通部に対して廻り止めねじピン123で回転方向を固定することにより、ブッシュを斜め方向平面形状部分の合わせ面により回転方向に固定することができる。この廻り止めの方法は、ブッシュ121に直接廻り止めねじピン用の溝を形成すると脆性的に欠けてしまいやすいセラミックス等の材料の場合に有用である。ただし、ブッシュ121の材料が直接廻り止めねじピン用の溝を形成しても欠けにくい材料の場合は、ブッシュ固定スリーブ122を用いずに直接廻り止めねじピン123にてブッシュ121の回転方向の移動を固定しても良い。廻り止めねじピン123は図示では一箇所としているが、円周上に複数箇所設けても良い。ブッシュ固定スリーブ122の軸方向への固定は、固定用リング124を支持部材(連通部)103に取付け、固定用リング124による内径側への出っ張りによりブッシュ固定スリーブ122を固定する。ブッシュ固定スリーブ122を用いない場合には、固定用リング124の内径側への出っ張りにより直接ブッシュ121の軸方向への固定を行っても良い。また図示の例では、タービン側からブッシュ121を固定しているが、ポンプ側からブッシュ121を固定する構造としても良い。
ケーシングリング
タービン側ケーシングリング126、ポンプ側ケーシングリング136は、タービンインペラ外周部分、ポンプインペラ外周部分に対して適度なすき間を形成し、差圧によるこの部分での漏水を極力防止し、流体エネルギーを効率良くタービンインペラ104、ブースターポンプインペラ114に対して伝達させる目的で設置している。ケーシングリングを設置せずにケーシングのみで適度なすき間を形成しても良い。ただし、この場合、長期運転後に発生し得る摩耗時にケーシング自体を交換する必要がありコストが高くなるため、ケーシングリングを設置すればこの部分だけの交換で済み、コストが安くなる。ケーシングリングの固定は、ケーシングに対して焼きばめ、または接着、または嵌合、またはねじ山の形成によるねじ込み、または廻り止めねじピンのいずれか、または組合せによる。
各ケーシング同士の構成
タービンケーシング101およびブースターポンプケーシング111がそれぞれ複数の配管を接続することにより構成される場合には、フランジ127と組立ボルト・ナット128にて組み立てられる。組立ボルトは軸方向から見て円周上に複数個設ける。図示の例ではケーシングを4個としてボルト2種類で組み立てているが、この個数と種類はこれよりも多くても少なくても良い。ブースターポンプケーシング111とタービンケーシング101は、ケーシング接続リブ129、支持部材(連通部)103にて溶接またはボルトにて接続される。
吸込み口、吐出し口フランジ形状
図示の例では、タービン吐出口14OUT、タービン吸込口14IN、ポンプ吐出口17OUT、ポンプ吸込口17INの形状をすべてフランジ形状としているが、この形状は突合せ溶接用接続形状でも、ねじ込み用接続形状でも良い。また、タービン吐出口、タービン吸込口、ポンプ吐出口、ポンプ吸込口の形状をそれぞれフランジ形状、突合せ溶接用接続形状、ねじ込み用接続形状を混合した組合せとしても良い。
タービンインペラ、ポンプインペラの回転軸16への固定方法
タービンインペラ104,ブースターポンプインペラ114は、回転軸16およびタービンインペラ104,ブースターポンプインペラ114に形成されたキー溝にキーZ1を取付けて嵌合により回転軸16に取付けられる。タービンインペラ104,ブースターポンプインペラ114の回転軸16に対する抜け止めとして、タービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139を回転軸16にねじ込みで取付ける。さらにタービンインペラボルト130,ポンプインペラボルト140をタービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139に形成された穴を通して回転軸16にねじ込み、タービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139を固定する。タービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139のゆるみ止めとしては、図示はしていないが、タービンインペラ104,ブースターポンプインペラ114とタービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139に廻り止めねじピンを通して実施する。図示はしていないが、タービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139のゆるみ止めに、舌付き座金または歯付き座金を設置して座金の舌部分または歯部分の一部を回転軸16のキー溝部分およびタービンインペラキャップ129A,ポンプインペラキャップ139の切り欠き部分に折り曲げてゆるみ止めを行っても良い。
回転数計
回転軸16の回転数を計測する目的で、支持部材(連通部)103に、回転軸16を計測目標物とする回転数計141を設置する。回転軸16の回転数を計測・監視することにより、ポンプタービンの運転制御を行うことができる。図示はしないが、回転数計を連通部ではなく、タービンケーシング101またはブースターポンプケーシング111に設置しても良い。また、計測目標物を、回転軸16ではなくブースターポンプインペラ114、タービンインペラ104、ポンプインペラキャップ139、タービンインペラキャップ129A、ポンプインペラボルト140、タービンインペラボルト130のいずれかの回転体としても良い。図示では、回転数計141は、計測目標物の回転軸16に対して非接触式型としているが、この方式には限定されない。
タービン吐出ライン27とブースターポンプ吐出ライン19の構成
ポンプタービンから流出するタービン吐出ライン27とブースターポンプ吐出ライン19は同じ圧力となり、全体システムの構成上、ポンプタービンから離れたところで合流させるため、図では別々のフランジとして分割して描いているが、ポンプタービンとしてポンプ吐出口17OUTとタービン吐出口14OUTを一体化しても良い。
図6は、本発明の動力回収システムの第2の態様に適用する動力回収ポンプタービンの構造を示す図である。
図6に示すように、動力回収ポンプタービンは、タービン14とブースターポンプ17とを一つの回転軸16の両端に配置した構成を有し、タービン14は、吸込口と吐出口の口部を持ったタービンケーシング201内に、回転軸16の端部に固定されたタービンインペラ204を配置した構造であり、ブースターポンプ17は、吸込口と吐出口の口部を持ったブースターポンプケーシング211内に、回転軸16の端部に固定されたブースターポンプインペラ214を配置した構造であり、タービン14とブースターポンプ17とは、回転軸16の軸方向において、タービンケーシング201とブースターポンプケーシング211の口部と反対側面端部同士を、突き合わせて、締結した組合わせ構造である。
図6に示すポンプタービンにおいては、リジェクトバイパスライン(タービン入口ライン)28から供給された高圧水がタービンインペラ204の外周からタービンインペラ204の内部に流れ込み、タービンインペラ羽根205に圧力が作用して排出ライン15に流れ出ることにより流体エネルギーが回転エネルギーに変換されてタービンインペラ204に回転エネルギーを与え、その回転エネルギーが回転軸16を介してポンプインペラ214を回転させ、ポンプインペラ羽根215が流体にエネルギーに与えることにより、供給海水バイパスブーストライン24から導入された流体が昇圧されてブースターポンプ吐出ライン19に供給される。
タービン14のタービンインペラの形式
本システムではタービン14には比較的高い圧力差かつ比較的少ない流量の流体によって駆動するため、インペラ比速度Nsの小さい図示した遠心形インペラを使用する。ただし、システムによって圧力と流量が異なる場合には、比較的中程度の圧力差かつ比較的中程度の流量に対応したインペラ比速度Nsが中程度の斜流形インペラを使用しても良く、また比較的低い圧力差かつ比較的大きい流量に対応したインペラ比速度Nsの大きい軸流形インペラを使用しても良い。一般的に前述の遠心形インペラ、斜流形インペラ、軸流形インペラのインペラ比速度Nsの値の範囲はそれぞれ重複する部分もあり、厳密に数値で分けられてはいない。
ブースターポンプ17のポンプインペラの形式
本システムではブースターポンプ17には比較的中程度の圧力差かつ比較的中程度の流量の流体が作用するため、インペラ比速度Nsが中程度の図示した斜流形インペラを使用する。ただし、システムによって圧力と流量が異なる場合には、比較的高い圧力差かつ比較的少ない流量に対応したインペラ比速度Nsが小さい遠心形インペラを使用しても良く、また比較的低い圧力差かつ比較的大きい流量に対応したインペラ比速度Nsの大きい軸流形インペラを使用しても良い。一般的に前述の遠心形インペラ、斜流形インペラ、軸流形インペラのインペラ比速度Nsの値の範囲はそれぞれ重複する部分もあり、厳密に数値で分けられてはいない。
タービン14とブースターポンプ17の吸込口方向、吐出口方向
タービン14のタービン吸込口方向とタービン吐出口方向は直角方向に図示しているが、実際外部から取付ける配管の方向に合わせ、タービン吸込口方向とタービン吐出口方向は同方向、逆方向、斜め方向に設置しても良い。またブースターポンプ17のポンプ吸込口、ポンプ吐出口についても同様である。またタービン14のタービン吸込口方向・タービン吐出口方向と、ブースターポンプ17のポンプ吸込口方向・ポンプ吐出口方向の組合せについては、回転自在である。
タービン側ラジアル軸受
タービン側ラジアル軸受208はタービンインペラ204から作用するラジアル方向の荷重を受け、タービンインペラ204、回転軸16、ポンプインペラ214等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。ラジアル方向荷重の発生源としては、回転体の自重、回転体の振れ回りにより発生するラジアル荷重、タービンインペラ204、ポンプインペラ214に作用する流体からの荷重によるラジアル荷重等の組合せとなる。
タービン側スラスト軸受
タービン側スラスト軸受209はタービンインペラ204から作用するスラスト方向の荷重を受け、タービンインペラ204、回転軸16、ポンプインペラ214等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。スラスト方向荷重の発生源としては、ポンプインペラ側から連通部203を通して伝わる流体の圧力がタービンインペラ204の連通部側の面に作用してタービン吐出口方向にタービンインペラ204を押すことによる。このスラスト荷重をできるだけ低減させる方法として、ポンプインペラ214に設けたポンプインペラ開口穴214hによりブースターポンプ吐出ライン19の圧力よりも低い圧力の供給海水バイパスブーストライン24の圧力を連通させて作用圧力を低下させたり、またタービンインペラ204にタービンインペラ開口穴204hを設けて、前述の連通部からの作用圧力を排出ライン15側に開放してスラスト方向への発生荷重を低減させる方法がある。
タービン14の軸受の固定方法と組合せ
タービン側ラジアル軸受208とタービン側スラスト軸受209は軸受シェル210に対して外周部分を焼きばめ、または圧入嵌合、またはねじ山の形成によるねじ込み、または外周部分および側面を接着のいずれかまたは組合せにより別々に固定されている。軸受シェル210はタービンケーシング201にボルトYにより固定されている。タービン側ラジアル軸受208とタービン側スラスト軸受209を別々に固定する理由は、図示の状態でタービン側ラジアル軸受208とタービン側スラスト軸受209を組合せて一体として軸受を形成した場合、くの字断面型の軸受となり、この状態でタービンインペラ204との接触面の角の部分でラジアル方向もしくはスラスト方向に軸受が偏って摩耗した場合に、軸受に段付き形状が形成されてラジアル方向もしくはスラスト方向の荷重負荷部分の面積が極端に小さくなり、軸受の許容面圧を超えて運転して軸受の破損、異常摩耗が生じてしまうので、それを防止するためである。したがって、タービン側ラジアル軸受208とタービン側スラスト軸受209を別々に設けている。
ポンプ側ラジアル軸受
ポンプ側ラジアル軸受218は、回転軸16から作用するラジアル方向の荷重を受け、ポンプインペラ214、回転軸16、タービンインペラ204等から構成される回転体の回転を滑らかに行わせる役割を果たす。ラジアル方向荷重の発生源としては、回転体の自重、回転体の振れ回りにより発生するラジアル荷重、タービンインペラ204、ポンプインペラ214に作用する流体からの荷重によるラジアル荷重等の組合せである。
ポンプ側ラジアル軸受の固定方法
ポンプ側ラジアル軸受218は、片方の側面が鉛直方向の平面、もう一方の側面が斜め方向の平面を形成しており、鉛直方向の平面側をタービンケーシング201内、すなわち、タービンケーシング201の軸方向の口部(吸込口、吐出口)反対側の端面内側に挿入してポンプ側ラジアル軸受218の外周部分を嵌合する。ポンプ側ラジアル軸受218が回転軸16のラジアル荷重を受ける際に回転方向の摩擦により本来固定されるべきタービンケーシング201に対して回転移動すると、ポンプ側ラジアル軸受218の外周部分およびタービンケーシング201内周部分が摩耗してすき間が生じてガタが発生し、それに伴い回転体16の異常な触れ回り、異音の発生、機器の破損が生じるおそれがある。それを防止するため、ポンプ側ラジアル軸受218の斜め方向平面形状の側面に合わせて片側を形成した軸受固定スリーブ222を取付け、この軸受固定スリーブ222をタービンケーシング201に対して廻り止めねじピンXで回転方向を固定することにより、ポンプ側ラジアル軸受を斜め方向平面形状部分の合わせ面により回転方向に固定することができる。この廻り止めの方法は、ポンプ側ラジアル軸受218に直接廻り止めねじピン用の溝を形成すると脆性的に欠けてしまいやすいセラミックス等の材料の場合に有用である。ただし、図示はしないが、ポンプ側ラジアル軸受218の材料が直接廻り止めねじピン用の溝を形成しても欠けにくい材料の場合は、軸受固定スリーブ222を用いずに直接廻り止めねじピンにてポンプ側ラジアル軸受218の回転方向の移動を固定しても良い。廻り止めねじピンは図示では一箇所としているが、円周上に複数箇所設けても良い。軸受固定スリーブ222の軸方向への固定は、固定用リング223をタービンケーシング201に取付け、固定用リング223による内径側への出っ張りにより軸受固定スリーブ223を固定する。軸受固定スリーブ222を用いない場合は固定用リングの内径側への出っ張りにより直接ポンプラジアル軸受218の軸方向への固定を行っても良い。
ケーシングリング、インペラリング
タービン側ケーシングリング226、ポンプ側ケーシングリング236は、タービン側インペラリング227、ポンプ側インペラリング237に対して適度なすき間を形成し、差圧によるの漏水を極力防止し、流体エネルギーを効率良くタービンインペラ204、ポンプインペラ214に対して伝達させる目的で設置している。インペラリング、ケーシングリングを設置せずにケーシング、インペラのみで適度なすき間を形成しても良い。ただしこの場合、長期運転後に発生し得る摩耗時にケーシング、インペラ自体を交換する必要がありコストが高くなるため、インペラリング、ケーシングリングを設置すれば、この部分だけの交換で済み、コストが安くなる。このコストのメリットから、図示はしていないが、タービンインペラ204の軸受接触部分にもインペラリングを設置しても良い。ケーシングリング、インペラリングの固定は、ケーシング、インペラに対して焼きばめ、または接着、または嵌合、またはねじ山の形成によるねじ込み、または廻り止めねじピンのいずれか、または組合せによる。
各ケーシング同士の構成
タービンケーシング201およびブースターポンプケーシング211がそれぞれ複数の部材を接続することにより構成される場合には、フランジ245と組立ボルト・ナット246にて組み立てられる。組立ボルトは軸方向から見て円周上に複数個設ける。図示の例ではケーシングを3個としてボルト2種類で組み立てているが、この個数と種類はこれよりも多くても少なくても良い。
吸込み口、吐出し口フランジ形状
図示ではタービン吐出口14OUT、タービン吸込口14IN、ポンプ吐出口17OUT、ポンプ吸込口17INの形状をすべてフランジ形状としているが、この形状は突合せ溶接用接続形状でも、ねじ込み用接続形状でも良い。また、タービン吐出口、タービン吸込口、ポンプ吐出口、ポンプ吸込口の形状をそれぞれフランジ形状、突合せ溶接用接続形状、ねじ込み用接続形状を混合した組合せとしても良い。
タービンインペラ、ポンプインペラの回転軸16への固定方法
タービンインペラ204,ポンプインペラ214は、回転軸16およびタービンインペラ204,ポンプインペラ214に形成されたキー溝にキーZ2を取付けて嵌合により回転軸16に取付けられる。タービンインペラ204,ポンプインペラ214の回転軸16に対する抜け止めとして、タービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239を回転軸16にねじ込みで取付ける。さらにタービンインペラボルト230,ポンプインペラボルト240をタービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239に形成された穴を通して回転軸16にねじ込み、タービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239を固定する。タービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239のゆるみ止めとしては、図示はしていないがタービンインペラ204,ポンプインペラ214とタービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239に廻り止めねじピンを通して実施する。図示はしていないが、タービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239のゆるみ止めに舌付き座金または歯付き座金を設置して舌部分または歯部分の一部を回転軸16のキー溝部分およびタービンインペラキャップ229,ポンプインペラキャップ239の切り欠き部分に折り曲げてゆるみ止めを行っても良い。
回転数計
回転軸16の回転数を計測する目的で、ポンプタービンケーシング201に回転軸16を計測目標物とする回転数計241を設置する。回転軸16の回転数を計測・監視することにより、ポンプタービンの運転制御を行うことができる。図示はしないが、回転数計241はポンプケーシングに設置しても良い。また、計測目標物を回転軸16ではなくポンプインペラ214、タービンインペラ204、タービンインペラリング227、ポンプインペラリング237、ポンプインペラキャップ239、タービンインペラキャップ229、ポンプインペラボルト240、タービンインペラボルト230のいずれかの回転体としても良い。図示では、回転数計は目標物の回転軸16に対して非接触式型としているが、この方式には限定されない。
図7は、動力回収ポンプタービンにおけるタービン側ラジアルスラスト軸受の他の実施形態を示す図である。図6に示すタービン側ラジアル軸受208とタービン側スラスト軸受209を図7に示すように矩形断面型に一体化してラジアル荷重とスラスト荷重を1個の軸受で受けるようタービン側ラジアルスラスト軸受208RTとすれば、タービン側軸受を2個から1個に減少させることができ、コストの低下と組立性を向上させることができる。図6に示すように、くの字断面型に一体化させた軸受では内側の角の部分で不具合が生じる可能性があったが、図7に示すように矩形断面型に一体化させた軸受ではラジアル方向もスラスト方向も各々の面で一様に軸受が摩耗するため、図6に示す軸受のような段付き摩耗が生じて軸受の許容面圧を超えることがなく、安定してラジアル荷重、スラスト荷重を受けることができる。
図8は、動力回収タービンにおけるタービン側ラジアルスラスト軸受の更に他の実施形態を示す図である。
図7に示すタービン側ラジアルスラスト軸受208RTについて、図8に示すように、スラスト方向荷重を受ける面積を増加させれば、さらに大きいスラスト荷重を受けることができる。したがって、図6に示すようなスラスト荷重を低減させるために設けたタービンインペラ開口穴204hとポンプインペラ開口穴214hを設けなくても運転することが可能となり、タービンインペラ開口穴とポンプインペラ開口穴からの漏れがなくなることで、ポンプインペラ、タービンインペラのエネルギー伝達の効率を向上させることができる。
(本発明における容積形ピストンポンプ)
次に、本発明に係る動力回収システムの第1の態様および第2の態様に利用する、容積形ピストンポンプ23について説明する。
図9は、容積形ピストンポンプ23を示す模式図である。図9に示すように、容積形ピストンポンプ23は、制御弁20、2つの動力回収チャンバー21、切り替え弁部22より構成される。
容積形ピストンポンプ23の機能は、逆浸透膜10からのリジェクト13を制御弁20に導入し、リジェクトのエネルギーを利用して、給水ライン4から切り替え弁22部に導入する海水の昇圧を行い、吐出ライン(供給海水バイパスブーストライン)24を通じて動力回収ポンプタービン18に供給することである。
制御弁20の基本構造
図10は制御弁の基本構造を示す図である。
図10に示すように、制御弁20の基本構造は、ハウジング301、スプール302、駆動部303からなり、ハウジング301にスプール302を嵌合させ、スプール302を移動させることにより、流路の切り替えを行う方式のものである。
制御弁20には1つ以上の供給ポート(P)、2つの制御ポート(A,B)、2つ以上の戻りポート(R)が形成される。
なお本容積形ピストンポンプにおける制御弁20では、図9に示すように、供給ポート(P)はリジェクト13に連通し、2つの制御ポート(A,B)はそれぞれ動力回収チャンバー21に連通し、戻りポート(R)は排出ライン29に連通している。
制御弁20の機能
(1)制御弁20に供給される高圧リジェクトの通過流路をスプールの動作により切り替え、2つの動力回収チャンバー21にリジェクトを導入する。
(2)動力回収チャンバー21内の流体を容積形ピストンポンプの外に排出する。
制御弁20の詳細構成
図10の形態による制御弁20のスプール302は3ランドであるが、前記制御弁の基本機能を有し、1つ以上の供給ポート(P)、2つの制御ポート(A,B)、2つ以上の戻りポート(R)が形成され、スプール302の動作にともなう制御弁内の流路の切り替えにより、供給ポートと何れか一方の制御ポートが連通し、また何れかもう一方の制御ポートと戻りポートが連通するものであれば、回転スプール形など、本図の形態に限らない。
また、オリフィス部(○指示部)の軸方向の各重合量もアンダーラップ(不重合)、オーバーラップ(正重合)、ゼロラップ(ゼロ重合)など、本発明による制御対象(動力回収チャンバー21内ピストン)の動作要件に応じて都度設定するものとする。
本発明による制御弁の接液部の材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングもしくはバルクであり、高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングもしくはバルクである。
特にスプールとハウジングの摺動部には、海水もしくは濃縮海水潤滑下で、低摩擦摩耗条件を達成する必要がある。本摺動部の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。
さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。
また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合たもののコーティングでもバルクでもよい。
スプールの駆動方法は、電磁ソレノイド、ウォームギア、電動ボールねじ、電動モータ、ピエゾ素子、油空圧シリンダなどを利用する。なお、摺動スプール形に関しては、一般的なノズルフラッパ形サーボ弁のように、パイロット圧(ここではリジェクト圧力)を利用して、スプールを駆動しても構わない。要は入力信号に応じたスプールの動作が行える駆動法、構造であれば、何れの形態でも良い。
またスプールの支持方法として、静圧軸受を利用する形態を採用する場合もある。
動力回収チャンバー21の概要
図11は動力回収チャンバーを示す図である。図11に示すように、動力回収チャンバー21は、ピストン310、シリンダ311により構成される。シリンダ311には2つの入出ポート311a,311bが形成される。なおピストン310は、シリンダ311内で軸方向に動作可能に設置される。
本発明による容積形ピストンポンプでは、2つの動力回収チャンバー21が用いられ、各チャンバーの有する2つの入出力ポート311a,311bの内、いずれか一方が、制御弁20の制御ポート(AもしくはB)に接続され、もう一方が、切り替え弁部22に各々接続される。
また図示していないが、ピストンの周りにピストンシールを設置し、ピストンにより隔壁された各液室の流体の混合を回避する構造も採用している。
動力回収チャンバー21の機能
(1)制御弁20を通じてチャンバー21内に導入されるリジェクト圧力により、ピストン310が駆動され、ピストン310を隔てて取水ポンプにより同チャンバー21内に導入した海水の増圧を行う。
(2)取水ポンプ2の吐出圧によりチャンバー21内に導入したリジェクトを制御弁20に導入する。
動力回収チャンバー21の詳細構造
動力回収チャンバーの材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングでもバルクでもよい。また高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
また特に、ピストンとシリンダの摺動部には、海水もしくは濃縮海水潤滑下で、低摩擦摩耗条件を達成することが要求される。本摺動部の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、摺動部への溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。
さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
なお動力回収チャンバー21の軸方向の断面形状(ピストン、シリンダ)は円形状に限らず、四角、六角形状などその他の形状も採用する場合も有り得る。
また、動力回収チャンバー21のピストンの外周に潤滑膜形成用の潤滑溝を設置し、ピストン外周とシリンダ内面との摺動性を向上させる場合もある。潤滑溝の例としては、円周方向のリング状の凹溝や、螺旋状の凹溝、軸方向の矩形状の凹溝などその形態は1種に限らない。
切り替え弁部22の概要
図12は切り替え弁部を示す図である。図12に示すように、切り替え弁部22は、4個のチェック弁(逆止弁)320より構成される。各チェック弁の設置要件(逆止方向)と動力回収チャンバー21との流路接続は図12に示す通りである。
切り替え弁部22の機能
切り替え弁部22は、動力回収チャンバー21のピストンの動作に応じて、給水ライン4からの海水の動力回収チャンバーへの取水海水の導入(蓄積)と供給海水バイパスブーストライン24からの増圧海水のブースターポンプ17への導入を行う。
切り替え弁部22の詳細構造
図13は、切り替え弁部の構成要素であるチェック弁の構造例を示す図である。図13に示すように、切り替え弁部22の構成要素であるチェック弁320は、ケーシング321、ケーシング321内に矢印X方向に移動可能に収容されたポペット322と、ポペット322の円錐部322aが着座するシート323と、ポペット322をシート323に向かって付勢する圧縮コイルスプリング324とから構成されている。本発明におけるチェック弁は、流体の逆流を防ぐ機能を有するものであれば、本図の形態に限らない。
図13を例にチェック弁の動作を説明すると、入口から入った圧液はスプリング324の力に逆らってポペット322を押し上げ、出口から出て行く。出口圧力が入口圧力より高くなるとポペット322とシート324は密着し、圧液の逆流を完全に防ぐ構造となっている。
ここで、チェック弁の材質は、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックス系では、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むもののコーティングでもバルクでもよい。
また高分子材料ではPA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものや、これらに炭素繊維、ガラス繊維、固体潤滑剤を混合したもののコーティングでもバルクでもよい。
また特に、ポペットとケーシングの摺動部には、海水もしくは濃縮海水潤滑下で、低摩擦摩耗条件を達成することが要求される。本摺動部の材料としては、金属ではステンレス、二相ステンレス、スーパー2相ステンレス、Aluminium Bronzeであり、セラミックスではアルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(SiAlON)のうち少なくとも1種類を含むものであり、溶射によるセラミックスコーティングでは、酸化物系セラミックス(Cr,Al)、炭化物系サーメット(WC−NiCr、WC−CoCr、Cr−NiCr)のコーティングがあり、また母材まで海水が浸透しないようにセラミックスコーティングと母材の間にNi、Ni−Cr、Ni−Cr−Moなどをコーティングし、母材のすきま腐食を防止してもよい。
さらにPVD法やCVD法を用いるセラミックスコーティングでは、DLC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、cBN、多結晶ダイヤモンド、SiCなどをコーティングする。
また高分子材料では、PA、POM、PBT、PET、PPE、PC、UHMW−PE、PTFE、PPS、PI、PEEK、PAR、PSF、PEI、PAI、PESのうち少なくとも1種類を含むものであり、またこれらに炭素繊維、ラス繊維や固体潤滑剤を混合たもののコーティングでもバルクでもよい。
容積形ピストンポンプ23の動作の概要
次に、図12、図14および図15を例に容積形ピストンポンプの動作を説明する。
(1)リジェクト13が制御弁20の供給ポートに導入される。
(2)取水海水が給水ライン4を通じて、切り替え弁部22に導入される。
(3)制御弁20のスプールの動作にともない、動力回収チャンバー21内のピストン310が動作する。
動作例
(A)制御弁20の供給ポートPと制御ポートAが連通する方向にスプール320が動作した場合を図14に示す。
リジェクト圧力が、制御弁20を通じて(Pポート→Aポート)動力回収チャンバー21(図14中の上)のピストン310の制御弁20側の面(図中右側面)に作用する。
動力回収チャンバー21(図14中の上)のピストン310が、同図中の左方向に移動する。
動力回収チャンバー21(図14中の上)内に、切り替え弁部22を通じて導入された海水がピストンの動作により増圧され、切り替え弁部22を通じてブースターポンプ17に導入される。
また併行して、制御弁20の制御ポートBと戻りポートRが連通し、給水ライン圧力が切り替え弁部22を通じて、動力回収チャンバー21(図14中の下)のピストン310の切り替え弁部22側(図中左側面)に作用して、ピストンは右方向に動作する。
ピストン310の動作速度は、切り替え弁部22通過後の圧力と供給海水バイパスブーストライン24の圧力の差により決まり、かつ、ピストンが動作するための条件は、
「切り替え弁部22の通過後の圧力」>「供給海水バイパスブーストライン24」
となる。
なおピストン310の動作速度の設定は、供給海水バイパスブーストライン上にバルブ(図示していない)を設置し、該バルブの開度操作で行う。
次に、動力回収チャンバー21内(図14中の下)のピストン310により隔壁された、切り替え弁部22側の液室に海水が充填される。
(B)制御弁20の供給ポートPと制御ポートBが連通する方向にスプールが動作した場合を図15に示す。
リジェクト圧力が、制御弁21を通じて(Pポート→Bポート)動力回収チャンバー21(図15中の下)のピストン310の制御弁20側の面(図中右側面)に作用する。
動力回収チャンバー21(図15中の下)のピストン310が、同図中の左方向に移動する。
動力回収チャンバー21(図15中の下)内に、切り替え弁部22を通じて導入された海水がピストン310の動作により増圧され、切り替え弁部22を通じてブースターポンプ17に導入される。
また併行して、制御弁20の制御ポートAと戻りポートRが連通し、給水ライン圧力が切り替え弁部22を通じて、動力回収チャンバー21(図15中の上)のピストン310の切り替え弁部22側(図中左側面)に作用して、ピストンは右方向に動作する。
ピストンの動作速度は、切り替え弁部22通過後の圧力と供給海水バイパスブーストライン24の圧力の差により決まり、かつ、ピストンが動作するための条件は、
「切り替え弁部22の通過後の圧力」>「供給海水バイパスブーストライン24の圧力」
となる。
なお、ピストンの動作速度の設定は、供給海水バイパスブーストライン上にバルブ(図示していない)を設置し、該バルブの開度操作で行う。
次に、動力回収チャンバー21内(図15中の上)のピストン310により隔壁された、切り替え弁部22側の液室に海水が充填される。
上記のように容積形ピストンポンプ23における(A)、(B)の動作(制御弁)を行うことで、取水海水のリジェクトを利用した増圧が行われる。
容積形ピストンポンプ23の制御
逆浸透膜10は、導入流体の圧力脈動に対して脆弱であり、本圧力脈動は、逆浸透膜の破損の原因となる。またブースターポンプ17においても、吐出ライン(供給海水バイパスブーストライン24の圧力脈動により、性能低下やポンプ構成部材の破損を引き起こす可能性がある。
制御弁形状による対処
容積形ピストンポンプ23の動作による、ブースターポンプ17への増圧海水の吐出圧脈動を抑制するための手法の一つとして、前記制御弁20の説明項でも記載したが、制御弁20のメータリングオリフィス部の重合量の操作がある。
通常、容積形ピストンポンプの形態の制御弁は、制御弁の切換わり時に脈動が発生する。本脈動の原因は、制御弁20内のスプールが中立位置を通過する際に、制御弁20の制御流量(供給ポート→各制御ポートへの流量)がほぼ無流量になるためである。
上記スプールの中立位置通過時の無流量域を無くすために、メータリングオリフィス部(供給ポート〜制御ポート間)をアンダーラップにして、中立位置においても制御弁20から動力回収チャンバー21への制御流量を無流量にしない方法を採ることが挙げられる。
なお、上記以外のメータリングオリフィス部(制御ポート〜戻りポート間)は、制御弁20内の内部漏れを抑制するために、オーバーラップ(正重合)、ゼロラップ(ゼロ重合)にするのが好ましい。
また、該箇所をアンダーラップにする方法としては、ランド部の軸方向寸法操作や、該箇所に相当するスプールエッジ部にR面取りもしくはC面取りなど挙げられるが、本形態は前記例に限らない。
制御による対処
ブースターポンプ17への増圧海水の吐出圧脈動を抑制するためのその他の方策として、制御弁20への動作信号を操作する方法がある。
通常、制御弁20の切り替え信号としてステップ信号を入力するが、ステップ信号の場合、切り替え動作が瞬時に行われるために、制御弁20の制御流量(供給ポート→制御ポート→動力回収チャンバー21)の脈動が発生しやすい。
上記に対処するために、台形信号のように入力信号の目標値までの勾配の緩斜化させる方法や予め設定した、目標値前の領域内で入力信号の勾配を緩斜化する方法、PID制御などを採用する場合では、各制御定数を目標値前の領域内で変える方法などがある。
(本発明の動力回収システムの制御システム)
次に、流体を高圧で圧送することを含む、工業的な処理及び流体精製プロセスにおいて、エネルギー必要量を低減するための動力回収システムの制御システム及び運転方法について説明する。
本発明は、海水から塩分を除去するための逆浸透膜法を用いた海水淡水化プラントにおける、消費エネルギー削減手段としての動力回収システムとして使用するのに特に好適であり、高圧ポンプ5、容積型ピストンポンプ23及び動力回収ポンプタービン18による逆浸透脱塩システムの運用を実現する。また、本発明は、脱塩水生産における電力消費量を最小に抑え最大効率点での運行を可能にする最適な動力回収システムの制御システム及び運転方法である。
制御システムの構成
図16は制御システムを示す図である。
本発明の動力回収システムの第2の態様における制御システムにおいて必要な構成機器とその役割について図16を参照して海水の流れの順に説明する。
図16に示す制御システムは、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35、動力回収出口弁(制御弁)41、ブースターポンプ吐出弁(制御弁)45、タービン入口弁(制御弁)47を、供給海水流量計33、脱塩水流量計36、濃縮海水流量計37、供給海水バイパス流量計44及びタービン入り口流量計46で計測される流量により制御する制御回路を有する場合に好適なシステムである。
流量計の種類としては、タービン流量計、超音波流量計、オリフィス流量計があるが、なお、流量計測が可能であれば、これらに限定されない。
図16において、供給ポンプ29による押込圧力により運転可能な吸込圧力となった高圧ポンプ5が運転し、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35がある程度開くと、逆浸透膜カートリッジ8内の逆浸透膜10にかかる圧力が浸透圧以上となり、脱塩水が逆浸透膜10を透過する。なお、供給海水ライン31には保安フィルター30および高圧ポンプ入口弁32が設けられている。
一方、逆浸透カートリッジ8からのリジェクトの濃縮海水ライン13を分岐し、一方はタービン入口ライン28を介してブースターポンプ17と同一の回転軸16で連結するタービン14に、もう一方は動力回収・排出ライン38および動力回収ライン40を介して容積形ピストンポンプ23を構成する制御弁20に導く。
濃縮海水ライン13の高圧水により動力回収チャンバー21が増圧され容積式ピストンポンプ23の切り替え弁部22を介して、供給海水バイパスライン43からの供給海水が増圧される。増圧された供給海水ブーストライン24に直列に接続されたブースターポンプ17により更に増圧され高圧ライン7にバイパスされ、逆浸透膜10に導く必要な供給海水に対して高圧ポンプ5の流量を低減して動力回収を行う。
ブースターポンプ17は同一の回転軸16で連結されたタービン14により駆動する。タービン14は濃縮海水ライン13を分岐して導かれたタービン入口ライン28の高圧水により稼動する。
タービン入口ライン28にタービン入口弁47を設置してタービン14への流入流量の制御を可能にし、タービンリジェクト15は動力回収リジェクト25の動力回収出口弁41の下流側で濃縮海水放流ライン42へ接続する。動力回収出口弁41の上流側へ接続する場合、動力回収出口弁41の開度を小さくした場合ライン圧が高くなる可能性がある。ライン圧が高くなると、タービン14の出力動力が低下し、所要のポンプ回転数を得ることができなくなる。この場合には、動力回収出口弁41の下流側に合流点を設置する方法もある。
ブースターポンプ17とタービン14を同一の回転軸16で連結した動力回収ポンプタービン18は供給海水バイパスライン43の流量を制御する必要があるが、タービン14のみをタービン入口弁47で制御する方法とブースターポンプ吐出弁45を設置してタービン14の制御に合わせてブースターポンプ17を制御する方法がある。
制御に必要な各弁について以下に説明する。
高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35
高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35の機能は、逆浸透膜10への流入流量の制御であり、その構造は流量の調節が可能なバルブであれば、その形態はいずれでも構わない。尚、CV値特性はイコールパーセント特性(具体的には、弁開度に対する流量がリニア―に変化する特性をいう)が望ましい。
脱塩水流量計36、高圧ポンプ入口流量計33のいずれかの計測データに基づき、高圧ポンプ制御弁35の開度を制御する。
逆浸透膜10の保護として絞り弁の二重化による安全性確保やキャビテーション防止、ラインを完全に締め切る必要性がある場合などには、起動時や停止時の抑制のための専用弁と運転中の流量制御用としての機能を装備した制御弁の2つ設置する方法もある。
タービン入口弁47
タービン入口弁47の機能は、タービン14への流入流量の制御であり、その構造は流量の調節が可能なバルブであれば、その形態はいずれでも構わない。尚、CV値特性はイコールパーセント特性が望ましい。
濃縮海水流量計37、供給海水バイパス流量計44のいずれか、もしくはタービン入り口流量計46、動力回収ポンプタービン回転数計48のいずれかの計測データに基づき、タービン入口弁47の開度を制御する。
ブースターポンプ吐出弁45
ブースターポンプ吐出弁45の機能は、高圧ライン7との仕切またはブースターポンプ17の吐出流量の制御であり、その構造は流量の調節が可能なバルブであれば、その形態はいずれでも構わない。尚、CV値特性はイコールパーセント特性が望ましい。
濃縮海水流量計37、供給海水バイパス流量計44のいずれかの計測データに基づき、ブースターポンプ吐出弁45の開度を制御する。タービン入口弁47でタービン14のみを制御する方法では本弁(吐出弁45)を設置しなくても良い。
動力回収出口弁41
容積形ピストンポンプの動力回収チャンバー内のピストン動作において、海水の吸入工程でのピストンの動作速度を設定する手法として、制御弁20の排出ラインに動力回収出口弁41を設置する可能性がある。ここでは、動力回収出口弁41の開度を調整することで、動力回収チャンバーの吸排流量を制御して、チャンバー内ピストンの動作速度を決める。
ここで、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35、タービン入口弁47、ブースターポンプ吐出弁45、動力回収出口弁41に遠隔から電気的に開度の制御ができる電動弁などを用いれば、システム制御回路を通じて、センサ信号に応じた自動的な開度制御が可能になる。この方法により逆浸透膜処理量の季節変動が発生しても、所要の淡水化量を得るために各動力回収装置への流量配分をブースターポンプ17により(自動的に)制御し、常に最大効率点でのシステム運行を可能にする。
なお、制御システムは、膜入口圧力計49、膜濃縮海水出口圧力計50、膜差圧計51、高圧ポンプ吸込圧力計52、高圧ポンプ吐出圧力計53、ブースターポンプ吸込圧力計54、ブースターポンプ吐出圧力計55を備えている。
動力回収システムの運転方法
以下に、本動力回収システムにおける運転方法(停止状態から脱塩水生産運転までの運転方法)を、(1)脱塩水生産準備供給海水循環工程、(2)脱塩水生産準備保管液押出工程、(3)脱塩水生産準備高圧ポンプ起動工程、(4)脱塩水生産準備制御開始工程、(5)脱塩水生産開始工程の順で説明する。
(1)脱塩水生産準備供給海水循環工程
図17は、脱塩水生産準備供給海水循環工程を示すフローチャートである。
逆浸透膜10を良質な状態を維持して高い運用効率を確保していく上では、取水した海水を高圧ポンプ5により逆浸透膜10を透過させる前に十分な水質を確保する運転工程が必要となる。この工程では、海水が十分な水質となるまで低圧の供給ポンプ29により、スケールの最終ろ過を行う保安フィルター30を透過させ、供給ポンプ29の吸込水槽へ戻される。尚、高圧ポンプ5への海水供給は保安フィルター30を透過させるために流体損失が大きくなるため、供給ポンプ29は高圧ポンプ5の運転に必要な吸込圧力を確保する目的もある。
(2)脱塩水生産準備保管液押出工程
図18は、脱塩水生産準備保管液押出工程を示すフローチャートである。
逆浸透膜10による脱塩水生産を停止する時には、逆浸透膜10を良質な状態を維持して保管するために専用の保管液を注入しておく。尚、定期的か状態が悪くなった場合に逆浸透膜10の洗浄を行う運転工程もある。
脱塩水生産を開始するときには保管液を海水と置換させるための保管液を押し出す運転工程が必要となる。保管液の押出工程においては、海水を逆浸透膜10を取り巻き海水輸送の系統全体、つまり、高圧ポンプ5、動力回収のための容積式ピストンポンプ23、動力回収ポンプタービン18内を通過させ保管液を押し出すため付随する高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35、動力回収装置出口弁41、ブースターポンプ吐出弁45、タービン入口弁47の操作と関連弁の切換操作が必要である。関連弁は、始動時・停止時の不要水の排出や水質確保までの循環、膜洗浄といったプラントの運行に必要な各種周辺機器であり、例えば、濃縮海水放流弁、脱塩水リターン弁、保管液排出弁、保管液ショック処理・濃縮海水排出弁などがある。
高圧ポンプ5、動力回収のための容積式ピストンポンプ23、動力回収ポンプタービン18は保管液押し出しにおいて流体損失が大きく、供給ポンプ29の吐出圧力のみで通過させるために海水に置換させるためには高圧ポンプ5、動力回収のための容積式ピストンポンプ23、動力回収ポンプタービン18の流体損失特性を加味して効率的な通過系統の切り替えや置換に十分な時間を設定する必要があり、また、保管液押出開始前には高圧ポンプ5内を海水が通過するときの連れ廻り時に対する軸受保護のため、高圧ポンプ補機類の運転による準備が必要となる。
尚、高圧ポンプ5はまだ運転しないため、逆浸透膜カートリッジ8の圧力は逆浸透圧以下の低圧であり、逆浸透膜10から透過しない。
(3)脱塩水生産準備高圧ポンプ起動工程
図19は、脱塩水生産準備高圧ポンプ起動工程を示すフローチャートである。
保管液押し出し工程が終了して、始めて高圧ポンプ5の運転を行うこととなる。一般的にポンプは吐出側の流路を塞いだ締切運転を行うとエネルギーロス分が全てポンプ内流体の温度上昇となり締切運転は短時間のみ許容されるものであるが、高圧ポンプ5は高揚程であるためにその温度上昇が大きく、原則として締切運転はできない。よって、吐出側の流路が塞がれないようにし、高圧ポンプ5の最低必要流量を確保できる流体輸送系統の損失特性となる状態で高圧ポンプ5を起動しなければならない。よって、その損失以上となるように高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35の最小開度(中間開度1)を設定し、その所定の開度にした状態で高圧ポンプ5を起動する。一方、容積式ピストンポンプ23における流体力伝達のための駆動装置である制御弁20は潤滑確保のためにある一定圧力の下で運転しなければならない場合には、その一定圧力以下での動力回収チャンバー21の動作は行えない。このため、高圧ポンプ5の起動時にはタービン入口弁47を全閉にして、タービン14によりブースターポンプ17がまだ駆動しない状態にしておく場合もある。
高圧ポンプ5の吸込圧力が運転に必要な圧力であれば高圧ポンプ5を起動する。高圧ポンプ5の起動時には規定開度(中間開度2)の高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35により圧力が抑えられた供給海水が、逆浸透膜10をわずかに透過して脱塩水ライン12に流れ出す。尚、水質が確保できるまで供給ポンプ29の吸込吸水槽へ戻される。逆浸透膜10の保護として絞り弁の二重化による安全性確保やキャビテーション防止、ラインを完全に締め切る必要性がある場合などには、起動時や停止時の抑制のための専用弁と運転中の流量制御用としての機能を装備した制御弁の2つ設置する方法もある。
(4)脱塩水生産準備制御開始工程
図20は、脱塩水生産準備制御開始工程を示すフローチャートである。
高圧ポンプ5の起動後は逆浸透膜10に対して急激な圧力変動が発生しないように徐々に海水を供給していくために高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35を段階的に開けて全開とする(2スピード操作)。容積式ピストンポンプ23における流体力伝達のための駆動装置である制御弁20は潤滑確保のためにある一定圧力の下で運転しなければならない場合には、その一定圧力以下での動力回収チャンバー21の動作は行えない。このため、この場合には高圧ポンプ5の起動時にはタービン入口弁47を全閉にして、タービン14によりブースターポンプ17がまだ駆動しない状態にしておくが、濃縮海水ライン13の圧力は徐々に増加し、やがて容積式ピストンポンプ23の制御弁20の起動に必要な圧力が確保される一方、まだ、濃縮海水ライン13は締め切っている状態であり、供給海水は全て逆浸透膜10を透過し脱塩水側へ流れ出る状態となり、逆浸透膜10へ過大な圧力がかからないように高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35をある規定開度にしておくこととする。
高圧ポンプ制御弁35の開度制御により高圧ポンプ5の流量を制御する場合の他、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35の換わりに、高圧ポンプ回転数制御装置34による高圧ポンプ電動モータ6の回転数制御で高圧ポンプ5の流量を制御する方法もある。
高圧ポンプ5の流量制御を吐出弁(制御弁)35のみではなく、回転数制御装置34により高圧ポンプ5の回転数制御機能を付加し、同一の温度条件での流量変更(水回収率変更含む)の場合、より運転動力を抑制する効率的な運転を可能とすると共に、高圧ポンプ5を回転数制御装置34によりソフトスタートさせることで逆浸透膜10へのダメージをより低減することが可能なシステムとなる。
高圧ポンプ5の制御開始と同時に容積式ピストンポンプ23の制御を開始する。容積式ピストンポンプ23における流体力伝達のための駆動装置である制御弁20は、潤滑確保のためにある一定圧力の下で運転しなければならない場合には、その一定圧力以下での動力回収チャンバー21の動作は行えない。この場合には、容積式ピストンポンプ23の制御弁20の起動に必要な圧力が確保されてから容積式ピストンポンプ23の制御弁20の駆動を開始する。制御弁20が駆動すると、動力回収チャンバー21を介して供給海水ブーストライン24の圧力が上昇する。同時に、動力回収ポンプタービン18の制御を開始して濃縮海水ライン13の流量を徐々に増加させ、所定の濃縮海水流量になるよう制御すると共に、所定の供給海水流量33または脱塩水流量36となるように高圧ポンプ5の流量制御を開始する。
(5)脱塩水生産開始工程
図21は、脱塩水生産開始工程を示すフローチャートである。
脱塩水側は供給ポンプ29の吸込水槽への循環運転終了後、水質が確保できると関連弁を切換えて脱塩された生産水を淡水水槽へ送りだす。高圧ポンプ5は、供給海水流量33による流量制御または生産する脱塩水流量36による流量制御を可能とする。
動力回収制御方法
次に、3種類の動力回収制御方法を説明する。
1)制御方法1
制御方法1は、タービン14のみを制御する方法である。
図22は、タービン14のみを制御する方法を示す模式図である。図22(a)は動力回収システムの主要部の構成を示す図である。図22に示す制御方法においては、タービン入口弁47の開度調節で流量制御されるタービン14により、供給海水バイパスライン43が、必要な流量となるブースターポンプ17の運転点の軸動力に制御される。
具体的な制御は以下のように行う。
(1)タービン入口弁47は、濃縮海水流量計37または供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御を行う。
(2)タービン入口弁47を濃縮海水流量計37の計測で流量制御する場合には、脱塩水の設定流量と水回収率の設定により設備としての濃縮海水流量における流量制御目標値が決定できるため明確である。
(3)タービン入口弁47を供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御する場合には、供給海水バイパス流量44は濃縮海水流量37からタービン流量46が抜かれた動力回収流量とほぼ同一であり、ブースターポンプ17の運転点により、必要な出力確保のためのタービン流量の目標値が不定であるため供給海水バイパス流量44の目標値が決定できない。しかしながら、タービン流量は供給海水バイパス流量44(≒動力回収流量)に対し非常に小さく、流量目標値は濃縮海水流量計37の設定値に対する計測流量との偏差幅を設けて制御することで行う。
(4)上記タービン入口弁47を供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御する方法として、ブースターポンプ17の特性とタービン14の特性から必要なタービン流量を演算して明確な供給海水バイパス流量の目標値を決定する方法も考えられる。
(5)高圧ポンプ5においては、回転数制御装置34での回転数制御機能によりソフトスタートさせ、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35による流量制御に加えて、回転数制御装置34での高圧ポンプ5の回転数制御機能による流量制御が行えるようにする。
(6)上記タービン入口弁47のみを制御する場合には、ブースターポンプ吐出弁45は設置しなくてもよい。ブースターポンプ吐出弁45を設置する場合には、供給海水バイパスライン43が無送水状態でのタービン制御によるタービン入口弁47の過大な開度への動作を回避するためやブースターポンプ17の締切運転を極力回避するために、ブースターポンプ吐出弁45を開けた後にタービン入口弁47の流量制御を開始して徐々に流量を増加させる。
2)制御方法2
制御方法2は、ブースターポンプ17とタービン14の両方を制御する方法である。
図23は、ブースターポンプ17とタービン14の両方を制御する方法を示す模式図である。図23は、タービン14のみを制御する方法を示す模式図である。図23(a)は動力回収システムの主要部の構成を示す図である。
この方法は、動力回収ポンプタービン18の性能を、ある程度範囲を絞り、なるべく効率の良い運転を行えることを目指すもので、ブースターポンプ17の流量−揚程の特性を抑えるために、(a)回転数を固定とするか(タービン回転数一定制御)、(b)タービン14の流量を固定として(タービン流量一定制御)ある範囲の特性範囲でブースターポンプ17を運転させる方法である。
具体的な制御は以下のように行う。
(1)いずれにおいてもブースターポンプ17の制御に先立ちタービン14の制御を開始して、ブースターポンプ17の負荷変動に追従できるよう準備をしておき、ブースターポンプ17はブースターポンプ吐出弁45の開度調節で供給海水バイパス流量計44または濃縮海水流量計37の計測により供給海水バイパスライン43の流量を制御する。
(2)ブースターポンプ吐出弁45を供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御する場合には、供給海水バイパス流量は濃縮海水流量からタービン流量が抜かれた動力回収流量とほぼ同一であり、供給海水バイパス流量(≒動力回収流量)が濃縮海水流量の目標値からタービン流量を引いた流量となるように制御する。
(3)タービン入口弁47の制御方法としては動力回収ポンプタービン18の回転数がほぼ一定となるように回転数計48の計測により制御を行ういわゆるガバナ制御方法と、タービン入り口流量計46の計測によりタービン14の流量がほぼ一定になるように制御する方法が考えられる。
(4)高圧ポンプ5においては回転数制御装置34での回転数制御機能によりソフトスタートさせ、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35による流量制御に加えて、回転数制御装置34での高圧ポンプ5の回転数制御機能による流量制御が行えるようにする。
3)制御方法3
制御方法3は、ブースターポンプ17とタービン14の両方を制御する方法である。
図24は、ブースターポンプ17とタービン14の両方を制御する方法を示す模式図である。図25は、ブースターポンプ17とタービン14の両方を制御する方法を示すフローチャートである。
この方法は、プロセスの状況、つまり、流量計測により制御を行うのはブースターポンプ吐出弁45のみで、極力タービン流量を少なくするように、ブースターポンプ吐出弁45の開度によりタービン入口弁47を制御する方法である。
具体的な制御は以下のように行う。
(1)ブースターポンプ17はブースターポンプ吐出弁45の開度調節で供給海水バイパス流量計44または濃縮海水流量計37の計測により供給海水バイパスライン43の流量を制御する。
(2)タービン入口弁47を供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御する場合には、供給海水バイパス流量44は濃縮海水流量37からタービン流量46が抜かれた動力回収流量とほぼ同一であり、ブースターポンプ17の運転点により、必要な出力確保のためのタービン流量の目標値が不定であるため供給海水バイパス流量44の目標値が決定できない。しかしながら、タービン流量は供給海水バイパス流量(≒動力回収流量)に対し非常に小さく、流量目標値は濃縮海水流量37の設定値に対する計測流量との偏差幅を設けて制御することで行う。
(3)上記タービン入口弁47を供給海水バイパス流量計44の計測により流量制御する方法として、ブースターポンプ17の特性とタービン14の特性から必要なタービン流量を演算して明確な供給海水バイパス流量44の目標値を決定する方法も考えられる。
(4)ブースターポンプ吐出弁45の開度が小さくなってきた場合には、ブースターポンプ17の性能に対して必要な流量が小さくなってきていると考えられるため、ブースターポンプ17の性能を小さくするようにタービン14による出力を小さくする、すなわちタービン入口弁47の開度を絞り、タービン14の流量を小さくする。逆に、ブースターポンプ吐出弁45の開度が大きくなってきた場合には、ブースターポンプ17の性能が追いつかなくなってきていると考えられるため、ブースターポンプ17の性能を大きくするようにタービン14による出力を大きくする、すなわちタービン入口弁47の開度を開け、タービン14の流量を大きくする。
(5)高圧ポンプ5においては回転数制御装置34での回転数制御機能によりソフトスタートさせ、高圧ポンプ吐出弁(制御弁)35による流量制御に加えて、回転数制御装置34での高圧ポンプ5の回転数制御機能による流量制御が行えるようにする。
図1は、従来技術と比較して本発明の基本概念を示す模式図である。 図2は、従来技術と比較して本発明の基本概念を示す模式図である。 図3は、本発明の動力回収システムの第1の態様を示す模式図である。 図4は、本発明の動力回収システムの第2の態様を示す模式図である。 図5は、本発明の動力回収システムの第1の態様に適用する動力回収ポンプタービンの構造を示す図である。 図6は、本発明の動力回収システムの第2の態様に適用する動力回収ポンプタービンの構造を示す図である。 図7は、動力回収ポンプタービンにおけるタービン側ラジアルスラスト軸受の他の実施形態を示す図である。 図8は、動力回収タービンにおけるタービン側ラジアルスラスト軸受の更に他の実施形態を示す図である。 図9は、動力回収システムにおける容積形ピストンポンプを示す模式図である。 図10は、容積形ピストンポンプの制御弁の基本構造を示す図である。 図11は、容積形ピストンポンプの動力回収チャンバーを示す図である。 図12は、容積形ピストンポンプの切り替え弁部を示す図である。 図13は、容積形ピストンポンプの切り替え弁部の構成要素であるチェック弁の構造例を示す図である。 図14は、容積形ピストンポンプの制御弁の供給ポートと制御ポートが連通する方向にスプールが動作した場合を示すである。 図15は、容積形ピストンポンプの制御弁の供給ポートと制御ポートが連通する方向にスプールが動作した場合を示す図である。 図16は、動力回収システムにおける制御システムを示す図である。 図17は、動力回収システムにおける脱塩水生産準備供給海水循環工程を示すフローチャートである。 図18は、動力回収システムにおける脱塩水生産準備保管液押出工程を示すフローチャートである。 図19は、動力回収システムにおける脱塩水生産準備高圧ポンプ起動工程を示すフローチャートである。 図20は、動力回収システムにおける脱塩水生産準備制御開始工程を示すフローチャートである。 図21は、動力回収システムにおける脱塩水生産開始工程を示すフローチャートである。 図22は、動力回収システムにおけるタービンのみを制御する方法を示す模式図である。 図23は、動力回収システムにおけるブースターポンプとタービンの両方を制御する方法を示す模式図である。 図24は、動力回収システムにおけるブースターポンプとタービンの両方を制御する方法を示す模式図である。 図25は、動力回収システムにおけるブースターポンプとタービンの両方を制御する方法を示すフローチャートである。 図26は、従来技術Aを示す模式図である。 図27は、従来技術Bを示す模式図である。 図28は、従来技術Cを示す模式図である。 図29は、従来技術Dを示す模式図である。
符号の説明
1 海水
2 取水ポンプ
3 前処理装置
5 高圧ポンプ
6 電動モータ
7 高圧ライン
8 逆浸透膜カートリッジ
9 高圧室
10 逆浸透膜
12 脱塩水
13 濃縮海水ライン(リジェクト)
14 タービン
16 回転軸
17 ブースターポンプ
18 動力回収ポンプタービン
19 ブースターポンプ吐出ライン
20 制御弁
21 動力回収チャンバー
22 切り替え弁
23 容積型ピストンポンプ
24 供給海水バイパスブーストライン
25 動力回収リジェクト
26 電動モータ
27 タービン吐出ライン
28 タービン入口ライン
29 供給ポンプ
30 保安フィルター
31 供給海水ライン
32 高圧ポンプ入口弁
33 供給海水流量計
35 高圧ポンプ吐出弁(制御弁)
36 脱塩水流量計
37 濃縮海水流量計
38 動力回収・排出ライン
40 動力回収ライン
41 動力回収出口弁(制御弁)
43 供給海水バイパスライン
44 供給海水バイパス流量計
45 ブースターポンプ吐出弁(制御弁)
46 タービン入り口流量計
47 タービン入口弁(制御弁)
48 動力回収ポンプタービン回転数計
101 タービンケーシング
103 支持部材(連通部)
104 タービンインペラ
105 タービンインペラ羽根
106 タービン側ガイドベーン
107 タービン内部ケーシング
108 タービン側ラジアル軸受
109 タービン側スラスト軸受
110 軸受シェル
110A,120A 軸受シェル取り付けボルト
111 ブースターポンプケーシング
114 ブースターポンプインペラ
115 ポンプインペラ羽根
116 ポンプ側ガイドベーン
117 ポンプ内部ケーシング
118 ポンプ側ラジアル軸受
119 ポンプ側スラスト軸受
120 軸受シェル
121 ブッシュ
122 ブッシュ固定スリーブ
123 廻り止めねじピン
124 固定用リング
126 タービン側ケーシングリング
127 フランジ
128 組立ボルト・ナット
129 ケーシング接続リブ
129A タービンインペラキャップ
130 タービンインペラボルト
136 ポンプ側ケーシングリング
139 ポンプインペラキャップ
140 ポンプインペラボルト
141 回転数計
201 タービンケーシング
203 連通部
204 タービンインペラ
204h タービンインペラ開口穴
205 タービンインペラ羽根
208 タービン側ラジアル軸受
208RT タービン側ラジアルスラスト軸受
209 タービン側スラスト軸受
210 軸受シェル
211 ブースターポンプケーシング
214 ポンプインペラ
214h ポンプインペラ開口穴
215 ポンプインペラ羽根
218 ポンプ側ラジアル軸受
222 軸受固定スリーブ
223 固定用リング
226 タービン側ケーシングリング
227 タービン側インペラリング
229 タービンインペラキャップ
230 タービンインペラボルト
236 ポンプ側ケーシングリング
237 ポンプ側インペラリング
239 ポンプインペラキャップ
240 ポンプインペラボルト
241 回転数計
245 フランジ
246 組立ボルト・ナット
301 ハウジング
302 スプール
303 駆動部
310 ピストン
311 シリンダ
311a,311b 入出ポート
320 チェック弁(逆止弁)
321 ケーシング
322 ポペット
322a 円錐部
323 シート
324 圧縮コイルスプリング
X 廻り止めねじピン
Y ボルト
Z1,Z2 キー

Claims (23)

  1. 供給された原水を加圧する高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプから排出された高圧水を逆浸透膜で膜処理して処理水を生成する逆浸透膜カートリッジと、
    前記逆浸透膜で処理されないで前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧する容積形ピストンポンプと、
    前記容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を昇圧して前記高圧ポンプから排出された高圧水に合流させる動力回収ポンプタービンとを備えた動力回収システムであって、
    前記動力回収ポンプタービンの動力源を前記システム内で発生した圧力水としたことを特徴とする動力回収システム。
  2. 原水を取水して前記高圧ポンプと前記容積形ピストンポンプに供給する取水ポンプを備えたことを特徴とする請求項1記載の動力回収システム。
  3. 前記圧力水は、前記高圧ポンプから排出された前記高圧水であることを特徴とする請求項1又は2記載の動力回収システム。
  4. 前記圧力水は、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の一部であることを特徴とする請求項1又は2記載の動力回収システム。
  5. 前記動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、
    前記タービンは、前記高圧ポンプと前記逆浸透膜カートリッジとを接続する高圧ライン上に配置されており、
    前記ブースターポンプは、前記容積形ピストンポンプと前記高圧ラインとを接続する供給水バイパスブーストライン上に配置されていることを特徴とする請求項3記載の動力回収システム。
  6. 前記動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、
    前記タービンは、前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水が流れる濃縮水ラインから分岐されて濃縮水分岐ライン上に配置されており、
    前記ブースターポンプは、前記容積形ピストンポンプと前記高圧ラインとを接続する供給水バイパスブーストライン上に配置されていることを特徴とする請求項4記載の動力回収システム。
  7. 前記高圧ポンプから排出される前記高圧水を流量制御する高圧ポンプ吐出弁と、
    前記タービンに流入する前記濃縮水を流量制御するタービン入口弁と、
    前記ブースターポンプから排出されるブースト水を流量制御するブースターポンプ吐出弁と、
    前記容積形ピストンポンプの制御弁から排出される濃縮水を制御する動力回収出口弁とを備えたことを特徴とする請求項6記載の動力回収システム。
  8. 前記取水ポンプから供給される前記原水の流量を計測する供給水流量計と、
    前記逆浸透膜カートリッジから排出される前記処理水の流量を計測する処理水流量計と、
    前記逆浸透膜カートリッジから排出される前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計と、
    前記取水ポンプから一部分岐して前記容積型ピストンポンプの切り替え弁に導入される前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計と、
    前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の一部を分岐した前記濃縮水の流量を計測するタービン入り口流量計とを備えたことを特徴とする請求項6記載の動力回収システム。
  9. 前記容積形ピストンポンプは、
    前記濃縮水を導入して該濃縮水の通過流路の切換えを行う制御弁と
    前記供給された前記原水の吸入と吐出の切り替えを行う切り替え弁部と、
    前記制御弁を通過した前記濃縮水のエネルギーを前記切り替え弁部を通過して吸入した前記原水に伝達する動力回収チャンバーとを備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の動力回収システム。
  10. 動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、
    前記タービンは、高圧ポンプにより加圧された高圧水を導入して該高圧水の圧力を回転力に変換するタービンであり、
    前記ブースターポンプは、容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を前記回転軸を介して伝達された前記回転力によって昇圧するブースターポンプであり、
    前記タービンは、吸込口と吐出口を有する配管状のタービンケーシングの径方向中心位置に、前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にタービンインペラを配置した構造であり、
    前記ブースターポンプは、吸込口と吐出口を有する配管状のブースターポンプケーシングの径方向中心位置に、前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にブースターポンプインペラを配置した構造であることを特徴とする動力回収装置。
  11. 前記配管状のタービンケーシングと前記配管状のブースターポンプケーシングとは並設されており、前記回転軸は前記タービンケーシングと前記ブースターポンプケーシングとを貫通して延び、前記回転軸は該貫通部にて支持部材により回転可能に支持されていることを特徴とする請求項10記載の動力回収装置。
  12. 前記タービンインペラは軸流羽根であり、前記ブースターポンプインペラは軸流羽根であることを特徴とする請求項10又は11記載の動力回収装置。
  13. 動力回収ポンプタービンは、タービンとブースターポンプとを一軸の回転軸上に配置した構成からなり、
    前記タービンは、逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水の一部を導入して該濃縮水の圧力を回転力に変換するタービンであり、
    前記ブースターポンプは、容積形ピストンポンプにより加圧された加圧水を前記回転軸を介して伝達された前記回転力によって昇圧するブースターポンプであり、
    前記タービンは、吸込口と吐出口の口部を有するタービンケーシング内に前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にタービンインペラを配置した構造であり、
    前記ブースターポンプは、吸込口と吐出口の口部を有するブースターポンプケーシング内に前記回転軸を位置させ、該回転軸の端部にブースターポンプインペラを配置した構造であり、
    前記回転軸の軸方向において、前記タービンケーシングと前記ブースターポンプケーシングの前記口部と反対側の面端部同士を突き合わせて締結した組合わせ構造であって、該タービンケーシングと該ブースターポンプケーシングとの間に、前記回転軸を回転可能に支持する軸受手段を配置したことを特徴とする動力回収装置。
  14. 前記タービンケーシング内に前記タービンインペラを回転可能に支持する軸受手段を配置したことを特徴とする請求項13記載の動力回収装置。
  15. 前記タービンインペラは遠心羽根であり、前記ブースターポンプインペラは斜流羽根又は軸流羽根であることを特徴とする請求項13又は14記載の動力回収装置。
  16. 供給された原水を高圧ポンプで加圧し、加圧された高圧水を逆浸透膜カートリッジに導入して逆浸透膜で膜処理して処理水を生成し、
    前記逆浸透膜で処理されないで前記逆浸透膜カートリッジから排出された濃縮水を容積形ピストンポンプに導入し、該容積形ピストンポンプにおいて前記濃縮水の圧力を利用して、供給された原水を加圧し、
    前記高圧ポンプにより加圧された前記高圧水又は前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の一部の圧力を動力源として、動力回収ポンプタービンのタービンを駆動し、該動力回収ポンプタービンのブースターポンプにより、前記容積形ピストンポンプで加圧された加圧水を昇圧して前記高圧ポンプで加圧された前記高圧水と合流させることを特徴とする動力回収方法。
  17. 取水ポンプにより原水を取水して前記高圧ポンプと前記容積形ピストンポンプに供給することを特徴とする請求項16記載の動力回収方法。
  18. 前記高圧ポンプから排出される前記高圧水の流量を制御する高圧ポンプ吐出弁は、前記処理水の流量を計測する処理水流量計の計測データまたは前記取水ポンプから排出される原水の流量を計測する供給水流量計の計測データに基づき、弁開度を制御することを特徴とする請求項17記載の動力回収方法。
  19. 前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を制御するタービン入口弁の弁開度を制御することによって、前記ブースターポンプを制御することを特徴とする請求項16記載の動力回収方法。
  20. 前記動力回収ポンプタービンの回転数がほぼ一定となるように、もしくは、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を計測するタービン入り口流量計の流量が一定となるように、前記タービンの入口側に設けられたタービン入口弁の弁開度を制御し、
    さらに、前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記ブースターポンプで加圧したブースト水の流量を制御するブースターポンプ吐出弁の弁開度を制御することを特徴とする請求項16記載の動力回収方法。
  21. 前記逆浸透膜カートリッジから排出された前記濃縮水の流量を計測する濃縮水流量計の流量または前記容積形ピストンポンプの切り替え弁部に導入する前記原水の流量を計測する供給水バイパス流量計の流量が目標値になるように、前記ブースターポンプで加圧したブースト水の流量を制御するブースターポンプ吐出弁の弁開度を制御しながら、
    さらに、前記ブースターポンプ吐出弁の動作に合わせて、前記タービンに導入する前記濃縮水の流量を制御するタービン入口弁の動作を制御することを特徴とする請求項16記載の動力回収方法。
  22. 前記ブースターポンプ吐出弁の弁開度が小さくなってきた場合に、前記タービン入口弁の弁開度を絞る方向に指令し、その後、該ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分開いたところで、前記タービン入口弁の弁開度を保持することを特徴とする請求項21記載の動力回収方法。
  23. 前記ブースターポンプ吐出弁の弁開度が大きくなってきた場合に、前記タービン入口弁の弁開度を広げる方向に指令し、その後、該ブースターポンプ吐出弁の弁開度が、十分閉じたところで、前記タービン入口弁の弁開度を保持することを特徴とする請求項21記載の動力回収方法。
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