JP5081043B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着分離爪を有する定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置に関するものである。
未定着トナーを記録材に永久定着するための定着装置において、定着ニップ部の搬送方向下流側には、定着ローラ(あるいは定着ベルト)表層に巻きつきながら定着ニップを出た記録材を分離させるための分離爪(分離板)が設置されている。この分離爪の先端部は定着ローラ(定着ベルト)と接触もしくは微小ギャップを設けて非接触で設置されている。
このため、この分離爪は耐熱性の樹脂材を用いており、トナーが付着しないように、その表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)もしくはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の樹脂材をコーティングしてあるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。このコーティング方法としては静電紛体塗装後に焼成する方式が多く用いられている。ただし、この方法ではコーティングの膜厚としては数μmから数十μm程度しか確保することができず、このため耐久性に乏しく記録材を大量に通紙させるとこのコーティングが剥がれてしまい、結果として分離爪表面にトナーが堆積し、記録材上の画像にそのトナーによる擦れ跡がでてしまうといった不具合があった。
また、トナー離型性の高いたとえばPFA樹脂のみ一体でこの分離爪形状を形成した場合(例えば、特許文献2参照。)、PFAは柔らかい材質であるため十分な剛性を確保することが出来ず、分離爪に紙先端が激しくぶつかると分離爪全体が変形してしまうといった不具合があった。
また、特許文献3には、定着ローラと分離爪との位置関係を一定に保つストッパを有して調整機構によりそのギャップ調整が可能な構成が記載されているが、分離爪材質・構成については特に記載されていない。分離性能向上のために調整機構で定着ローラと分離爪のギャップの極小まで詰めた場合、爪先端が定着ローラに当る場合が考えられるが、このとき、定着分離爪が従来型の樹脂+離型材コーティング構成であった場合、定着ローラを分離爪が攻撃して傷つけてしまう恐れが十分考えられる。
特開2004−191784号公報 特開2003−241557号公報 特開平6−230699号公報
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性、剛性(機械的強度)、トナー離型性、通紙に対する耐久性を有し、ジャム時などに定着部材を傷つける可能性の低い定着分離爪を備えた定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 表面が加熱手段により加熱される定着部材と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート上に熱融着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪を有する分離手段と、を備える定着装置において、前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース及び該ベースの少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端を有する先端部と、からなり、該先端部の断面が鋭角な先端が前記定着部材に近接して配置されているとともに、少なくとも前記先端部のシート排出経路側の面に、該先端部の先端から後方に延びる筋状の突起であるリブを複数有することを特徴とする定着装置。
〔2〕 表面が加熱手段により加熱される定着部材と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート上に熱融着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪を有する分離手段と、を備える定着装置において、前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース及び該ベースの少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端を有する先端部と、からなり、該先端部の断面が鋭角な先端が前記定着部材に近接して配置されているとともに、前記分離手段は、前記定着分離爪を前記定着部材の幅方向に複数配置し、該定着分離爪ごとに前記先端部の先端と定着部材との間隔を任意の値に設定可能な調整機構を有することを特徴とする定着装置。
〕 前記定着分離爪は、前記ベースをインサート部材として前記フッ素樹脂層及び先端部が一体成型されてなることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〕 前記フッ素樹脂層の厚みは、0.1mm以上であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〕 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)であることを特徴する前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〕 前記先端部の断面が鋭角な先端の曲率半径が0.01mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〔7〕 前記リブの筋は、シート排出方向に対して斜行していることを特徴とする前記〔〕に記載の定着装置。
〔8〕 前記リブの斜行の角度は、ニップ部から排出されるシート上の任意の1点が前記定着分離爪を通過する際に1つのリブのみを通過する状態となる角度であることを特徴とする前記〔7〕に記載の定着装置。
〔9〕 前記リブの少なくとも突起頂上が粗面化されていることを特徴とする前記〔〕に記載の定着装置。
10〕 前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明に係る定着装置のうち、請求項1の発明によれば、定着分離爪のボディ部を構成するベース(第1層目)には耐熱性が高くかつ強度のある樹脂(フッ素樹脂よりも硬い材料)を用い、かつ表層(第2層目(フッ素樹脂層))にはトナー離型性の高い材料(フッ素樹脂)を用いるので、定着分離爪に求められる機能「耐熱性と剛性(機械的強度)」かつ「トナー離型性」の両者を十分満足するものとなる。また、先端部はトナー離型性の高く、柔らかい樹脂(フッ素樹脂)のみからなるため、分離性能を上げるために非接触で定着部材とのギャップを極小にまで詰めた場合に万が一、定着部材表面と接触しても該定着部材を攻撃することがなく、傷つけることはない。
また、シートが接触する部分がリブの突起表面部分のみとなることにより経時で定着分離爪表面にトナーが堆積・付着しにくくなるため、より良好な画像品質を得ることができる。
請求項2の発明によれば、定着分離爪のボディ部を構成するベース(第1層目)には耐熱性が高くかつ強度のある樹脂(フッ素樹脂よりも硬い材料)を用い、かつ表層(第2層目(フッ素樹脂層))にはトナー離型性の高い材料(フッ素樹脂)を用いるので、定着分離爪に求められる機能「耐熱性と剛性(機械的強度)」かつ「トナー離型性」の両者を十分満足するものとなる。また、先端部はトナー離型性の高く、柔らかい樹脂(フッ素樹脂)のみからなるため、分離性能を上げるために非接触で定着部材とのギャップを極小にまで詰めた場合に万が一、定着部材表面と接触しても該定着部材を攻撃することがなく、傷つけることはない。
また、定着分離爪の先端と定着部材との間隔(すきま)が調整可能となるため、より精密に両者のギャップを微小値にまで追い込むことができ、定着部材に巻き付いたシート先端も容易に分離させることができるので、分離性能の向上が図れる。また、万が一、定着分離爪の先端が定着部材に装置稼動中に接触したとしても、定着分離爪の先端はトナー離型性の高い柔らかい樹脂(フッ素樹脂)からなるため相手を攻撃しにくく傷つけにくい。
請求項の発明によれば、コーティングとは異なり一体成型であるため、フッ素樹脂層及び先端部の形状の自由度が高く、任意の形状を作り出すことが可能である。
請求項の発明によれば、フッ素樹脂層の厚みを0.1mm以上とすることで耐久性を高め、経時でも良好な分離性能を維持することができる。
請求項の発明によれば、フッ素樹脂層及び先端部の材料が離型性に非常に優れたPFA樹脂であるため、定着分離爪表層へのトナー堆積・付着がしにくいため、該定着分離爪に堆積したトナーが画像面と擦れて異常画像となることがなく、良好な画像品質を得られる。また、分離性能についても、トナーが定着分離爪先端に堆積・付着することがないため、良好となる。
請求項の発明によれば、先端部の先端の曲率半径が0.01〜0.5mmと鋭利であるため、非常に優れた分離性能を得ることが出来る。
請求項7の発明によれば、斜行により画像(シート上のトナー)とリブとの接触面積が低減するため、定着分離爪表面にトナーがより堆積・付着しにくくなり、更に良好な画像品質を得ることができる。
請求項8の発明によれば、リブの斜行の角度を制限することにより画像(シート上のトナー)とリブとの接触面積・回数が低減するため、定着分離爪表面にトナーが堆積・付着しにくくなり、より良好な画像品質を得ることができる。
請求項9の発明によれば、リブの突起表面の粗面化により画像(シート上のトナー)とリブとの接触面積が低減するため、定着分離爪表面にトナーが堆積・付着しにくくなり、より良好な画像品質を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置(請求項10の発明)によれば、本発明の定着装置を用いるので、より高度な定着機能を持った画像形成装置が提供可能となる。
発明者は、前述した定着装置における定着分離爪の検討を行っていたが、高速通紙や厚紙通紙の場合にさらに問題になることに気がついた。すなわち、通紙速度300mm/sec以上の高速画像形成装置(高速機)では従来の200mm/sec以下の中低速機よりも定着ローラあるいは定着ベルトを駆動するローラのローラ径が大きくなるため(中低速機では35〜50mmφのところ、例えば通紙速度400mm/secのときに80mmφ)、ニップ部出側おいて記録媒体(シート)の曲率分離がしにくくなる傾向にあった。また、高速機には様々な紙種への対応性求められているが、紙質としてタック性の強いコート紙や薄紙が使用されることがあり定着部材にこれらのシートが巻きつきやすかった。あるいは、高画質化が求められているが、そのために分離性の悪い重合トナーを用いることがありそのトナーが定着分離爪に付着して汚れ等の不具合が発生することがあった。これらのことから、分離手段の分離機能をより高めることが求められ、具体的には、定着分離爪の先端部と定着部材とのギャップをより詰める必要があった。しかしながら、定着分離爪の先端部が従来使われていたような硬い材質であると定着部材に接触したときに定着部材表面を傷つけてしまうことになりギャップを詰めることが不可能であった。また、PFA樹脂などの軟らかい材料で一体成形されたものでは、定着部材とのギャップを詰めることは可能であるが、その定着分離爪に高速で送られてきたシートが衝突すると変形して使い物にならなくなることがあった。例えば、通常使用時あるいはジャム発生時にシートがその定着分離爪に衝突することがあるが、このとき該定着分離爪は大きく変形して永久変形すること(元の形状に戻らない状態となること)があり、その結果、定着部材とのギャップを一定に保つことができなくなった。このような場合、そのたびに定着分離爪を交換しなくてはならず実用的ではない。また、このことは200g/m以上の厚紙を通紙した際にジャムが発生する場合にも同様であった。
そこで、発明者は、低速機に比して分離要求特性が不利となる高速機においても対応可能に、より高い分離機能を有するとともに、トナー離型性、通紙に対する耐久性を有し、ジャム時などに定着部材を損傷する可能性の低い定着装置について鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
以下に、本発明に係る定着装置の一実施の形態における構成について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本発明に係る定着装置100は、定着ローラ1及び駆動ローラ4に一定のテンションで架け渡され、表面が加熱手段(図示せず)により加熱される定着部材(定着ベルト2)と、該定着部材(定着ベルト2)に対して回転自在に圧接しニップ部Nを形成する加圧部材(加圧ローラ3)と、前記ニップ部Nのシート排出側であって後述する先端部10bの断面が鋭角な先端が定着部材(定着ベルト2)に近接して配置され該定着部材(定着ベルト2)へのシートPの巻き付きを防止する定着分離爪10を有する分離手段(分離装置30)と、を備える。
ここで、定着ベルト2は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばポリイミド(PI)基材にシリコンゴム層を形成した2層構造、またはさらにその上にPFA層を形成した3層構造となっている。定着装置100の駆動の際には、駆動ローラ4の回転駆動により定着ベルト2がシートPを排出する方向(図1では時計回り方向)に駆動される。また、定着の際には、定着ベルト2は、定着ローラ1内部の配置されたハロゲンヒータあるいは定着ベルト2の表面に配置されたハロゲンランプによりトナー定着に適する温度まで加熱される。なお、本発明では、定着部材として、図1に示す定着ベルト2(無端ベルト)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)としてもよい。
加圧ローラ3は、通常はその表面がシリコンゴム等の弾性部材で構成された円筒形状のローラである。また、加圧ローラ3の定着ベルト2への押し当ては、図示していない加圧手段により一定の圧力で定着ベルト2の方向へ押されることにより行われる。また、加圧ローラ3も、シートPが通される場合には不図示の駆動機構により図中反時計回り方向に回転する。なお、ニップ部Nの排出側で加圧ローラ3の近傍には、排出されたシートPを案内するガイド板5が設けられている。
定着装置100では、定着ベルト2、加圧ローラ3が回転駆動された状態で、定着ベルト2の表面は所定の温度まで加熱されており、ニップ部Nに未定着トナーTが形成されたシートPが通され(図中、左側から右側方向への通紙)、ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーTをシートP上に熱融着させて定着を行なう。ついで、トナー定着されたシートPはニップ部Nから排出されるが、このときシートPが定着ベルト2に巻き付いたまま出てくることがある。その場合には、分離装置30の定着分離爪10の先端10rがシートPの先頭端部に当接することにより、該シートPを定着ベルト2から分離させるようになっている。ニップ部Nから排出されたシートPは、定着分離爪10の底面とガイド板5とで形成される排出経路を通過して定着装置から送り出される。
なお、ここではローラタイプの加圧部材(加圧ローラ3)を例に本発明の構成を示しているがこれに限定されるものではなく、ベルト状の加圧部材(例えば、2つのローラに架け渡した無端ベルト(加圧ベルト))により定着部材とニップ部Nを形成するようにしてよい。この場合、定着ローラ1と加圧ベルト側の1つのローラとが定着ベルト2及び加圧ベルトを挟んで圧接することによりニップ部Nを形成する。
図2は、本発明の根幹をなす定着分離爪10の構成を示す断面図である。
定着分離爪10は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース11及び該ベース11の少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層12からなるボディ部10aと、フッ素樹脂のみからなり定着ベルト2の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端10rを有する先端部10bと、からなるものである。これにより、ボディ部10aはベース11に基づいた剛性を有することとなり、シートPが衝突しても変形することなく良好な形状が保たれる。また、先端部10bはフッ素樹脂のみからなることにより、定着ベルト2に接触しても該定着ベルト2を傷つけることがない。さらに、ボディ部10aのシート排出経路側及び先端部10bはフッ素樹脂からなるため、トナー離型性にも優れるものとなっている。
また、定着分離爪10は、ベース11をインサート部材としてフッ素樹脂層12及び先端部10aが射出成形により一体成型されてなることが好ましい。これにより、先端部10bはボディ部10aに支持されることから、適度な可撓性(あるいはバネ特性)を有し、シートPが衝突してもその衝撃を吸収した後に元の形状に戻ることができる。そのために、先端部10bの長さ(排紙経路方向の長さ)を調整するとよい。また、フッ素樹脂層12及び先端部10aだけではベース11から外れ易いので、ベース11の上部までフッ素樹脂材を被せて、ベース11からの抜け止めとしている。なお、射出成形の方法や条件は従来公知のものでよい。
ここで、ベース11の材質としては、耐熱性の高い樹脂であることが望ましく、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、LCP(液晶ポリマー)、ポリフェニルスルファド(PPS)が挙げられる。あるいは、アルミニウムなどの金属材料を用いてもよい。これらの材料は機械的強度を十分備えているため、定着分離爪10の母材(第一層目)として十分な剛性があり、望ましい。
ベース11は図2では平板形状となっているが、これに限定されずシート排紙経路側の面を曲面、例えば該経路に沿った凹面としてもよい。また、ベース11の先端断面が鋭利な形状(例えば、先端角度10〜30度程度)になっており、その形状に沿うようにフッ素樹脂材が成型されることから、先端部10bの先端がベース11の先端形状を反映して鋭角なもの(例えば、先端角度10〜30度程度)となっている。このとき、先端部10bの先端10rの曲率半径は、0.01mm以上、0.5mm以下であることが好ましい。これにより、非常に優れた分離性能を得ることができる。
フッ素樹脂層12及び先端部10bは、耐熱性、トナー離型性に優れるフッ素樹脂からなる。とくに、離型性の高いテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)とすることにより、トナー堆積・付着に対してより有利になる。また、それ以外に使用可能なフッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、ビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、ビニルフルオライド樹脂(PVF)及びエチレン−クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)等が挙げられる。前記PFAとしては、例えば三井・デュポン株式会社のテフロン(登録商標)PFA、FEPとしては、例えば三井・デュポン株式会社のテフロン(登録商標)FEP、ETFEとしては、例えば旭硝子株式会社のアフロン(登録商標)COP、PVDFとしては、例えばアトフィナ・ジャパン株式会社のカイナー(登録商標)、更にECTFEとしては、例えばアウジモント株式会社のヘイラー(登録商標)等が挙げられる。なお、フッ素樹脂層12及び先端部10bの成形用樹脂中には、フッ素樹脂等にアラミド繊維、タルク、マイカ、黒鉛等の、定着ベルト2への攻撃性の低い充填材を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
また、フッ素樹脂層12の厚みtは、0.1mm以上であることが好ましい。この厚さtが0.1mm以上あれば、トナー排紙経路をかなりの枚数のシートPが通過したとしても、フッ素樹脂層12が剥がれたり磨耗したりすることがなく、トナー離型性能を維持することが出来る。フッ素樹脂層12を安定して成型するためには厚さtが0.3mm以上であることがより望ましく、最大で2mm程度までの厚さが実用的でもっとも望ましい。ただし、ベース11や射出成形の型の形状次第でそれ以上の厚さになることもありうる。一方、フッ素樹脂層12があまりに薄すぎると、定着分離爪10としての耐久性の面で不十分となるばかりか、樹脂成型の際に溶融樹脂の流れに弊害が生じ、インサート部材であるベース11が浮き出てしまうなどの成型不良を起こす可能性が高くなるため、望ましくない。
また、図2には、定着ベルト2と定着分離爪10の先端部10bとの間隔(ギャップ)を調整可能な調整機構を示している。
定着分離爪10のベース11は、該ベース11から先端部10bとは反対方向に延びるアーム11pを有しているとともに、ベース11の全長(アーム11pの端部から先端部10a側の先端までの距離)の中間点に支点Sを有している。また、アーム11pにはその雄ねじ部分がアーム11pから上向きに突き出るようにギャップ調整用の調整ねじ21が取り付けられている。さらに、後述する可動ブラケット24に固定される固定ブラケット23が、その先端が支点Sに回動可能に連結されるとともに、該連結部分から一定距離離れた部分に調整ねじ21がねじ込まれるねじ穴が設けられている。
定着分離爪10は、ベース11に設けられた支点Sを中心にして調整ねじ21を固定ブラケット23のねじ穴へねじ込みあるいは緩めることにより、固定ブラケット23に対してシーソーのように回転可動され、その先端部10bの先端10rの位置を微調整することが出来る。すなわち、この調整ねじ21の締め込み加減により先端部10bの先端10rの位置を定めることができ、結果として分離装置30において定着ベルト2と先端部10bの先端10rとのギャップを極小値にまで詰めることができる。
また、調整ねじ21には、アーム11pと固定ブラケット23との間に圧縮スプリング22が入れられており、定着分離爪10と定着ベルト2とのわずかな隙間(ギャップ)に万が一、シートPが入り込んだとき(分離部ジャム)には、圧縮スプリング22が大きく収縮することで定着分離爪10の先端部10bが定着ベルト2に対して逃げる(離れる)方向に動くような構成となっている。このため、分離部ジャム時に定着分離爪10の先端10rが定着ベルト2に突き刺さることを回避することができる。
なお、ここでは定着分離爪10の先端10rと調整ねじ21との間に支点Sがある構成を示したがこの限りではなく、支点Sと定着分離爪10の先端10rとの間に調整ねじ21を備えていてもよい。ただし、支点と力点・作用点の関係で、支点を中心にしたほうがレバー比の関係でねじ締め込み量に対する定着分離爪10の先端10rの動きの量を微調整することが可能であるため、支点Sが先端10rと調整ねじ21との間の中心にあるほうが望ましい。
また、フッ素樹脂層12の厚さtは、図2に示したような一定厚さでなくてもよく、部分的に厚肉にしたような偏肉状態としてもよい。厚肉にすることで耐磨耗性に対して余裕度が向上する。また、定着分離爪10の表層材が樹脂材料となっているため、定着装置における搬送レイアウトなどに対してフレキシブルに対応することができ、定着分離爪10の形状の自由度が増す。一例としては、フッ素樹脂層12の一部にリブ形状を設けることで、面全体でシートPと接触することがなくなり、定着分離爪10表層へのトナー付着をより回避することが可能となる。
すなわち、図2に示した構成の定着分離爪10では、定着分離爪10のシート搬送面側(主面側)の面が平滑な平面であり、面積も広いため、シートP上のトナーの付着した画像面が繰り返し強く擦れると定着分離爪10の表面に経時にトナーが堆積・付着して画像擦れ・異常画像が発生する可能性がある。そこで、本発明では、定着分離爪10のシート搬送経路側の面に筋状突起のリブを設けることで定着分離爪表面とシートの画像面が接触・擦れる面積を微小化し、上記不具合を回避する構成とする。
以下、本発明の定着分離爪10の変形例として定着分離爪10Aを説明する。
図3は、本発明で用いる定着分離爪10の変形例を示す断面図である。図3(a)は定着分離爪10Aの断面図、図3(b)は定着分離爪10Aをシート搬送経路側から見た定着分離爪10Aの底面(先端部10b、ボディ部10aの底面である搬送面(主面)12m)の外観図であり、定着分離爪10と同じ部分には図2と同じ符号を付して示している。ここでは、定着分離爪10Aの特徴的な部分を中心に説明する。
定着分離爪10Aは、少なくとも先端部10bのシート排出経路側の面(底面)に、該先端部10bの先端10rから後方に延びる直線の筋状突起であるリブ12を複数有することが好ましい。図3では、搬送面(主面)12mの先端10rから最終端(ボディ部10aの後端)までシート搬送方向と平行に筋状に延びる4本のリブ12aを示しているが、この限りではなく、搬送面(主面)12mにおいて少なくとも先端部10bのシート排出経路側の面(底面)にリブ12aがあればよい。より好ましくは、リブ12aを最後端まで設けなくともよく、先端10rからニップ部Nから排出される各種シートがこの定着分離爪10Aの搬送面において接触する搬送面(主面)12mの途中の箇所まで設けるとよい。
リブなしだと搬送面12mの全面にシートのトナーのついた画像面が接触する可能性があるが、リブ12aを設けることで定着分離爪10Aと画像面が接触する面積が減る(リブ12aの頂点のみが接触する)ため、経時においても定着分離爪10A表面にトナーが堆積・付着しにくく、良好な画像品質を維持することができる。
ここで、リブ12aの本数は少なく、かつリブ高さ(リブのない搬送面12mからの最大高さ)は高いほうがシート上の画像面と定着分離爪10A表面との接触総面積を低減できるので好ましい。例えば、リブ高さを1〜3mm程度とするとよい。ただし、リブ12aの先端はR形状として(すなわち、図3(a)に示すように、先端10r側のリブ12aの厚みは薄くして)、ニップ部Nから排出されるシートの搬送に対して引っかかり等の不具合なき形状とするとよい。さらに、図3(b)に示すように、リブ12aの先端(先端10r側)を先のとがった形状とするとよい。
また、リブ12aは先端部10bやフッ素樹脂層12と別体でもよいが、先端部10b及びフッ素樹脂層12と同一材料のフッ素樹脂からなり、先端部10bやフッ素樹脂層12と一体成型されている(別材質・別部材ではない)ことがもっとも望ましい。リブ12aの先端・頂点もフッ素樹脂からなれば、トナー離型性にもっとも優れるものとなる。なお、リブ12aを先端10rから形成しても、先端10rにおける稜線(図3(b)における先端10r部分の直線状態)は確保されているため、分離性の悪い紙が定着ベルト2に巻き付き気味にきても、分離性能はリブなしの定着分離爪10と同等を維持することが可能である。
また、前記リブ12aの筋は、シート排出方向に対して斜行していることが好ましい。図4にその構成例を示す。
図4は、定着分離爪10Aを搬送面(主面)12m側から見た図であるが、複数本(図4では5本)のリブ12aがシート搬送方向に対して斜めに設置されていることを示している。シート搬送方向とリブ12aが平行の場合(図3(b)の配置状態)、リブ位置に来たシート上の任意の1点の画像はリブ12aの先端から後端までずっとリブ頂点(突起表面)を擦りつつ通過する可能性があり、その影響でそのリブ12aにトナーが付着したり、あるいはシート上のその画像位置に擦れ跡がついたりすることが懸念される。これに対して、図4のようにリブ12aをシート搬送方向に対して斜めに設置することで、シート上の画像とリブ12aとの擦れ(接触)を低減するので擦れ跡等の不良画像を防止することができる。
また、図4のように前記リブ12aの筋をシート排出方向に対して斜行して配置する場合、該リブ12aの斜行の角度θは、ニップ部Nから排出されるシート上の任意の1点が当該定着分離爪を通過する際に1つのリブ12aのみを通過し2つ目のリブ12aを通過しない状態となる角度であることが好ましい。図5にその構成例を示す。
図5は、定着分離爪10Aを搬送面(主面)12m側から見た図であるが、複数本(図5では4本)のリブ12cがシート搬送方向に対して斜めに設置されていることを示している。また、搬送面12mの任意の箇所に画像gが来た場合(あるいはシート上の任意の点の画像gが来た場合)の搬送面12mにおけるその画像gの通過経路を破線で示してある。
図4の構成の場合、斜行させたリブ12aの配置において、「リブ間隔が狭い」、「斜行角度θが大きい」、「リブ本数が多い」場合、画像上の任意の点はシート搬送時に複数本のリブを渡っていくことになる。そこで本発明では、定着分離爪10Aにおいて斜めに設置したリブ12aの本数(あるいはリブ12aの隣接する間隔)及び/又は斜め角度θを規定することで、シート上の任意の位置(1点)の画像gは複数本のリブ12aを跨って通過しなくなる。これにより、よりリブ12aとシート上の画像gとの接触総面積を減らすことができ、リブ12aへのトナー堆積・付着を低減でき、かつ良好な画像品質を経時でも維持することが可能になる。
また、前記リブ12aの少なくとも突起頂上が粗面化されていることが好ましい。すなわち、定着分離爪10A表面を形成するフッ素樹脂はトナー離型性の高い材質であるが、表面が滑らかいために、シート上に形成された画像がトナー付着量の高いベタのような画像では画像面とフッ素樹脂からなる表面(リブ12aの突起表面)とが、「面」と「面」で接触・擦れるため、トナー付着に対して不利である。そこで、画像面と擦れるリブ12aの突起頂上表面を粗面化することで画像面が面で擦れて行くことを回避し、トナーが付着しにくい効果が得られ、より良好な画像品質を維持することができる。
リブ12aの突起表面を粗面化する加工方法としては、例えば微細加工法として挙げられる「シボ加工」がある。これにより、フッ素樹脂成型のための「型」にシボ加工を施すことで、フッ素樹脂の一体成型時にその表面を粗く成型することが可能となる。このほかにはフッ素樹脂層成型後の2次加工としてサンドブラスト加工が挙げられる。
図6に、本発明で使用する分離装置の構成を示す。図6は、分離装置30を上から見た図である。なお、ここでは定着分離爪10を用いた場合を例に説明するが、前述した定着分離爪10Aを用いてもよい。
分離装置30は、複数の定着分離爪10(図6では5個)を定着ベルト2の幅方向(あるいは定着ローラの場合にはローラ軸方向)に配置してなるものである。なお、図6では定着分離爪10が複数個設けられた例を示したがこの限りではなく、1つの定着分離爪10を備えた構成でもよい。ただし、複数個の定着分離爪10を配置して、個々に定着部材(定着ローラ/定着ベルト)とのギャップを調整できるようにしたほうがより分離性能を高めることが可能となるため望ましい。
分離装置30は、定着ベルト2の幅方向両端部に突き当てられている突き当て板20を有している。
図7は、分離装置30の側面図であり、突き当て板20の設置の様子を示している。突き当て板20の先端は定着ベルト2に接触しており、可動ブラケット24の一端に固定されている。それと同時に定着分離爪10を調整する際の固定ブラケット23もこの可動ブラケットに固定されている。この可動ブラケット24はそのほぼ中央にある支点を中心に可動し、他端には引張スプリング26の一端が取り付けられてある。また、この引張スプリング26の他端には定着装置100へ固定されているブラケット25がある。
これにより、突き当て板20は定着装置100のフレームを基準として配置され、引張スプリング26による一定の圧力で定着ベルト2の幅方向両端部に突き当てられている。その結果、複数の定着分離爪10と定着ベルト2との間の大まかな間隔が設定されることになる。なお、突き当て板20は定着装置100の最大通紙幅よりも外側に設置してあるため、シートPの搬送に対しては悪影響を及ぼさない。
また、分離装置30では、前述した調整機構により、定着分離爪10ごとに先端部10bの先端10rと定着ベルト2との間隔が適宜調整されており、全ての定着分離爪10の先端10rと定着ベルト2とは非接触となっている。このときの先端10rと定着ベルト2との間隔は、例えば0.2mm程度とする。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図8に、本発明に係る画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに本発明の定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する定着ベルト202が配置されており、該定着ベルト202の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体203Y、203M、203C、203Kが定着ベルト202の転写面に沿って並置されている。
各感光体203Y、203M、203C、203Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置、光書き込み装置、1次転写装置、現像装置及びクリーニング装置が配置されている。また、各現像装置には、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写ベルト202は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体203Y、203M、203C、203Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つであるローラ210に対向する位置に転写ローラ211が設けられている。また、転写ローラ211から転写装置100までのシートPの搬送経路は横パスとなっている。
給紙部200Bは、記録媒体としてのシートPを積載収容する給紙トレイ215と、該給紙トレイ215内のシートPを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ211の位置まで搬送する搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置200における画像形成に当たっては、感光体203Yの表面が帯電装置により一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体203Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置によりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置により転写ベルト202上に1次転写される。他の感光体203M、203C、203Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が定着ベルト202上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体203Y、203M、203C、203Kから定着ベルト202上に1次転写されたトナー像Tは、ローラ210、転写ローラ211により搬送されてきたシートPに転写される。トナー像Tが転写されたシートPは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト2と加圧ローラ3とのニップ部Nにて定着が行なわれる。
ついで、ニップ部Nから排出されたシートPは排出経路に沿って送り出される。このとき、定着ベルト2に巻き付いたままでてきたシートPは定着分離爪10(あるいは10A)の先端10rにて定着ベルト2から分離されて排出経路に戻される。
以上のように、本発明に係る定着装置100を有する画像形成装置により、より高度な定着分離機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(画像先端余白をより少なくすることが可能)への対応が可能となる。また、定着分離爪10Aを用いることにより、画像擦れといった不良画像を抑えることができる。
以下、本発明の定着装置における分離性能を評価した結果を説明する。
ここでは、以下の条件で試験を行ない、分離性能の評価を行なった。
(1)試験条件
・画像形成装置200;図8に示す高速機を用いて、通紙速度400mm/secでシートを通紙した。
・定着装置100;図1に示すものであって、定着ローラ径80mmφ、加圧ローラ径80mmφとしたものを使用した。また、分離装置30を調整して、5つの定着分離爪10それぞれの先端10rと定着ベルト2との間隔を0.2mmとした。
・定着分離爪10;図2に示すものであって、フッ素樹脂としてPFAを用い、以下の5つの区分範囲で先端10rの曲率半径を変化させて射出成形したものを用意した。
(i)0.01mm未満、(ii)0.01mm以上・0.2mm未満、(iii)0.2mm以上・0.5mm以下、(iv)0.5mm超・1.0mm以下、(v)1.0mm超
・シートP;45k用紙で、紙先端にトナーベタ画像を載せたものを用いた。
(2)評価方法
(イ)ベルト傷評価
前記定着分離爪10それぞれの先端10rを定着ベルト2に接触した状態で、該定着ベルト2を回転駆動させた後、定着ベルト2の表面の傷付き状態を観察した。このとき、定着ベルト2に傷付きも痕も残らなかった場合を評価優(◎)、傷付きはないが痕が残った場合を評価良(○)、傷付いた場合を評価不可(×)とした。
(ロ)分離性能
画像形成装置200において前記シートPを1000枚通紙し、前記定着分離爪10それぞれを用いた定着装置100におけるジャム発生率(ニップ部Nの排出側での紙詰まり発生率)を求めて、定着装置100の分離性能とした。このとき、ジャム発生率0%の場合を評価優(◎)、1%以下の場合を評価良(○)、50%以下の場合を評価不可(△)、100%の場合を評価不可(×)とした。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0005081043
ベルト傷評価に関しては、定着分離爪10の先端10rの曲率半径が大きい方が定着ベルト2の傷付き防止に有利であり、分離性能に関しては、曲率半径が小さい方が有利であった。これを総合的に見ると、先端10rの曲率半径が(ii)0.01mm以上・0.2mm未満のときがもっとも好ましく、定着ベルト2に対する攻撃性もなく、また高い分離性能が得られた。次に好ましくは、(iii)0.2mm以上・0.5mm以下のときであった。また、先端10rの曲率半径が(i)0.01mm未満のときには先端が鋭利すぎて、定着ベルト2に接触した際に該定着ベルトに傷を与えてしまった。また、(v)1.0mm超であると、接触時の定着ベルト2に対する攻撃性はないものの、分離性能としては最も悪く、定着ベルト2に巻きつき気味に来たシートPを分離することが困難であった。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。 本発明で用いる定着分離爪の構成を示す断面図である。 本発明で用いる定着分離爪の構成(2)を示す断面図である。 図3の定着分離爪におけるリブの配置状態(1)を示す平面図である。 図3の定着分離爪におけるリブの配置状態(2)を示す平面図である。 本発明に係る定着装置における分離装置の構成を示す上面図である。 本発明に係る定着装置における分離装置の構成を示す側面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 定着ベルト
3 加圧ローラ
4 駆動ローラ
5 ガイド板
10 定着分離爪
10a ボディ部
10b 先端部
10r 先端
11 ベース
11p アーム
12 フッ素樹脂層
12a リブ
12m 搬送面(底面)
20 突き当て板
21 調整ねじ
22 圧縮スプリング
23 固定ブラケット
24 可動ブラケット
25 ブラケット
26 引張スプリング
30 分離装置
100 定着装置
200 画像形成装置
200A 画像形成部
200B 給紙部
202 転写ベルト
203Y,203M,203C,203B 感光体
210 ローラ
211 転写ローラ
215 給紙トレイ
g 画像
S 支点

Claims (10)

  1. 表面が加熱手段により加熱される定着部材と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート上に熱融着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪を有する分離手段と、を備える定着装置において、
    前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース及び該ベースの少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端を有する先端部と、からなり、該先端部の断面が鋭角な先端が前記定着部材に近接して配置されているとともに、
    少なくとも前記先端部のシート排出経路側の面に、該先端部の先端から後方に延びる筋状の突起であるリブを複数有することを特徴とする定着装置。
  2. 表面が加熱手段により加熱される定着部材と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート上に熱融着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪を有する分離手段と、を備える定着装置において、
    前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース及び該ベースの少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端を有する先端部と、からなり、該先端部の断面が鋭角な先端が前記定着部材に近接して配置されているとともに、
    前記分離手段は、前記定着分離爪を前記定着部材の幅方向に複数配置し、該定着分離爪ごとに前記先端部の先端と定着部材との間隔を任意の値に設定可能な調整機構を有することを特徴とする定着装置。
  3. 前記定着分離爪は、前記ベースをインサート部材として前記フッ素樹脂層及び先端部が一体成型されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記フッ素樹脂層の厚みは、0.1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)であることを特徴する請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 前記先端部の断面が鋭角な先端の曲率半径が0.01mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  7. 前記リブの筋は、シート排出方向に対して斜行していることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 前記リブの斜行の角度は、ニップ部から排出されるシート上の任意の1点が前記定着分離爪を通過する際に1つのリブのみを通過する状態となる角度であることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記リブの少なくとも突起頂上が粗面化されていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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