JP5635278B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、定着分離爪を有する定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置に関するものである。
未定着トナーを記録材に永久定着するための定着装置において、定着ニップ部の搬送方向下流側には、定着ローラ(あるいは定着ベルト)表層に巻きつきながら定着ニップを出た記録材を分離させるための分離爪(分離板)が設置されている。この分離爪の先端部は定着ローラ(定着ベルト)と接触もしくは微小ギャップを設けて非接触で設置されている。
このため、この分離爪は耐熱性の樹脂材を用いており、トナーが付着しないように、その表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)もしくはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の樹脂材をコーティングしてあるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。このコーティング方法としては静電紛体塗装後に焼成する方式が多く用いられている。ただし、この方法ではコーティングの膜厚としては数μmから数十μm程度しか確保することができず、このため耐久性に乏しく記録材を大量に通紙させるとこのコーティングが剥がれてしまい、結果として分離爪表面にトナーが堆積し、記録材上の画像にそのトナーによる擦れ跡がでてしまうといった不具合があった。
また、トナー離型性の高いたとえばPFA樹脂のみ一体でこの分離爪形状を形成した場合(例えば、特許文献2参照。)、PFAは柔らかい材質であるため十分な剛性を確保することが出来ず、分離爪に紙先端が激しくぶつかると分離爪全体が変形してしまうといった不具合があった。
また、特許文献3には、定着ローラと分離爪との位置関係を一定に保つストッパを有して調整機構によりそのギャップ調整が可能な構成が記載されているが、分離爪材質・構成については特に記載されていない。分離性能向上のために調整機構で定着ローラと分離爪のギャップの極小まで詰めた場合、爪先端が定着ローラに当る場合が考えられるが、このとき、定着分離爪が従来型の樹脂+離型材コーティング構成であった場合、定着ローラを分離爪が攻撃して傷つけてしまう恐れが十分考えられる。
そこで、発明者は、フッ素樹脂より硬い材料からなる板状のベース及び該ベースの少なくともシート排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり断面が鋭角な先端部と、からなる定着分離爪を有する定着装置を提案している(特許文献4参照。)。
しかしながら、特許文献4における定着分離爪の先端部がフッ素樹脂のみから構成され、その部分が柔らかく剛性が低いことから、定着処理時など定着部材からの熱を受けるときにおいて定着分離爪の先端部の定着部材に対する位置精度が十分ではなくなり、分離性能が不十分なものとなった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、定着分離爪の先端部の位置を高精度に維持するとともに、耐久性に優れた分離機能を維持し、使用を継続しても定着分離爪表面にトナーが堆積、付着することを防止する定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 表面が加熱手段により加熱される定着部材(定着ベルト2)と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート(シートP)上に熱融着させるニップ部(ニップ部N)を形成する加圧部材(加圧ローラ3)と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪(定着分離爪10)を有する分離手段(分離装置30)と、を備える定着装置において、前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端部(先端部11a)を有するとともに、前記先端部とは反対方向に延びるアーム部を有する板状のベース部材(ベース部材11)と、前記ベース部材をインサート部材として該ベース部材と一体成型されてなるフッ素樹脂層と(フッ素樹脂層12)、からなり、前記フッ素樹脂層は、前記ベース部材のシート排出経路に面する板面において、前記先端部を含めた面を覆っており、前記断面が鋭角な先端部が前記定着部材に近接して配置されてなり、前記先端部のシート排出経路に面する板面とは反対面であって前記定着部材に近接する面に、フッ素樹脂が塗装により被覆されていることを特徴とする定着装置(定着装置100、図1および図3)。
〔2〕 前記定着分離爪は、前記先端部が前記定着部材に対して非接触に配置されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔3〕 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)であることを特徴する前記〔1〕または〔2〕のいずれかに記載の定着装置。
〔4〕 前記先端部の先端の曲率半径は、0.01mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の定着装置。
〔5〕 前記フッ素樹脂層の一部にリブ形状が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の定着装置。
〔6〕 前記分離手段は、前記定着分離爪を前記定着部材の幅方向に複数配置し、該定着分離爪ごとに前記先端部の先端と定着部材との間隔を任意の値に設定可能な調整機構を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(図4,図5)。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置200、図6)。
本発明に係る定着装置によれば、定着分離爪の先端がベース部材の先端部に基づいた鋭利な形状になっていることから、その先端をシート排出側からニップ部にできるだけ近づけることができ、かつ定着処理時など定着部材からの熱を受けても定着分離爪の先端部を定着部材に対して精度良く配置することができ、優れた分離機能を発揮する。また、定着分離爪はベース部材に基づいた剛性を有することとなり、記録媒体(シート)が衝突しても変形することなく良好な形状が保たれる。さらに、定着分離爪のシート排出経路側は一体成型された厚いフッ素樹脂層からなるため、トナー離型性にも優れるものとなる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明の定着装置を用いるので、より高度な定着・分離機能を持った画像形成装置が提供可能となる。
本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。 本発明で用いる定着分離爪の構成例(1)を示す断面図である。 本発明で用いる定着分離爪の構成例(2)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置における分離装置の構成を示す上面図である。 本発明に係る定着装置における分離装置の構成を示す側面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る定着装置の一実施の形態における構成について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本発明に係る定着装置100は、定着ローラ1及び駆動ローラ4に一定のテンションで架け渡され、表面が加熱手段(図示せず)により加熱される定着部材(定着ベルト2)と、該定着部材(定着ベルト2)に対して回転自在に圧接しニップ部Nを形成する加圧部材(加圧ローラ3)と、前記ニップ部Nのシート排出側であって後述する断面が鋭角な先端部11aが定着部材(定着ベルト2)に近接して配置され該定着部材(定着ベルト2)へのシートPの巻き付きを防止する定着分離爪10を有する分離手段(分離装置30)と、を備える。
ここで、定着ベルト2は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばポリイミド(PI)基材にシリコンゴム層を形成した2層構造、またはさらにその上にPFA層を形成した3層構造となっている。定着装置100の駆動の際には、駆動ローラ4の回転駆動により定着ベルト2がシートPを排出する方向(図1では時計回り方向)に駆動される。また、定着の際には、定着ベルト2は、定着ローラ1内部の配置されたハロゲンヒータあるいは定着ベルト2の表面に配置されたハロゲンランプによりトナー定着に適する温度まで加熱される。なお、本発明では、定着部材として、図1に示す定着ベルト2(無端ベルト)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)としてもよい。
加圧ローラ3は、通常はその表面がシリコンゴム等の弾性部材で構成された円筒形状のローラである。また、加圧ローラ3の定着ベルト2への押し当ては、図示していない加圧手段により一定の圧力で定着ベルト2の方向へ押されることにより行われる。また、加圧ローラ3も、シートPが通される場合には不図示の駆動機構により図中反時計回り方向に回転する。なお、ニップ部Nの排出側で加圧ローラ3の近傍には、排出されたシートPを案内するガイド板5が設けられている。
定着装置100では、定着ベルト2、加圧ローラ3が回転駆動された状態で、定着ベルト2の表面は所定の温度まで加熱されており、ニップ部Nに未定着トナーTが形成された記録媒体であるシートPが通され(図中、左側から右側方向への通紙)、ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーTをシートP上に熱融着させて定着を行なう。ついで、トナー定着されたシートPはニップ部Nから排出されるが、このときシートPが定着ベルト2に巻き付いたまま出てくることがある。その場合には、分離装置30の定着分離爪10の先端部11aがシートPの先頭端部に当接することにより、該シートPを定着ベルト2から分離させるようになっている。ニップ部Nから排出されたシートPは、定着分離爪10の底面とガイド板5とで形成される排出経路を通過して定着装置から送り出される。
なお、ここではローラタイプの加圧部材(加圧ローラ3)を例に本発明の構成を示しているがこれに限定されるものではなく、ベルト状の加圧部材(例えば、2つのローラに架け渡した無端ベルト(加圧ベルト))により定着部材とニップ部Nを形成するようにしてよい。この場合、定着ローラ1と加圧ベルト側の1つのローラとが定着ベルト2及び加圧ベルトを挟んで圧接することによりニップ部Nを形成する。
図2は、本発明の根幹をなす定着分離爪10の構成例(1)を示す断面図である。
定着分離爪10は、フッ素樹脂より硬い材料からなり定着ベルト2の幅方向(定着ローラ1の軸方向)に沿って幅をもち断面が鋭角な先端部11aを有する板状のベース部材11と、ベース部材11をインサート部材としてベース部材11と一体成型されてなりベース部材11のシート排出経路に面する板面を覆うフッ素樹脂層12と、からなるものである。
ここで、ベース部材11の材質としては、耐熱性の高い樹脂であることが望ましく、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、LCP(液晶ポリマー)、ポリフェニルスルファド(PPS)が挙げられる。あるいは、アルミニウムなどの金属材料を用いてもよい。これらの材料は機械的強度を十分備えているため、定着分離爪10の母材(第一層目)として十分な剛性があり、望ましい。
また、ベース部材11は、図2では、シート排出経路側が先端部11aを除き平坦な面となっているが、これに限定されずシート排紙経路側の面を曲面、例えば該経路に沿った凹面としてもよい。また、先端部11aは先端断面が鋭利な形状(例えば、先端角度10〜30度程度)になっており、そのシート排出経路側の面(図中下面)には、その面の形状に沿って先端部11aの先端(あるいはその近傍)までフッ素樹脂層12に被覆されている。このとき、先端部11abの先端の曲率半径は、0.01mm以上、0.5mm以下であることが好ましい。これにより、非常に優れた分離性能を得ることができる。
フッ素樹脂層12は、定着分離爪10の第二層を構成し、耐熱性、トナー離型性に優れるフッ素樹脂からなる。とくに、離型性の高いテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)とすることにより、トナー堆積・付着に対してより有利になる。すなわち、フッ素樹脂層12の材料が離型性に非常に優れたPFA樹脂であるため、定着分離爪10表層へのトナー堆積・付着がしにくいため、該定着分離爪10に堆積したトナーが画像面と擦れて異常画像となることがなく、良好な画像品質を得られる。また、分離性能についても、トナーが定着分離爪10の先端部11a下面側に堆積・付着することがないため、良好となる。
また、それ以外に使用可能なフッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、ビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、ビニルフルオライド樹脂(PVF)及びエチレン−クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)等が挙げられる。前記PFAとしては、例えば三井・デュポン株式会社のテフロン(登録商標)PFA、FEPとしては、例えば三井・デュポン株式会社のテフロン(登録商標)FEP、ETFEとしては、例えば旭硝子株式会社のアフロン(登録商標)COP、PVDFとしては、例えばアトフィナ・ジャパン株式会社のカイナー(登録商標)、更にECTFEとしては、例えばアウジモント株式会社のヘイラー(登録商標)等が挙げられる。なお、フッ素樹脂層12の成形用樹脂中には、フッ素樹脂等にアラミド繊維、タルク、マイカ、黒鉛等の、定着ベルト2への攻撃性の低い充填材を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
また、フッ素樹脂層12は、ベース部材11をインサート部材として射出成形により一体成型されてなり、ベース部材11のシート排出経路側の板面の形状に沿ったものとなる。なお、このときの射出成形の方法や条件は従来公知のものでよい。
また、フッ素樹脂層12の厚みtは、0.1mm以上であることが好ましい。この厚さtが0.1mm以上あれば、トナー排紙経路をかなりの枚数のシートPが通過したとしても、フッ素樹脂層12が剥がれたり磨耗したりすることがなく、トナー離型性能(分離性能)を維持することが出来る。フッ素樹脂層12を安定して成型するためには厚さtが0.3mm以上であることがより望ましく、最大で2mm程度までの厚さが実用的でもっとも望ましい。ただし、ベース部材11や射出成形の型の形状次第でそれ以上の厚さになることもありうる。一方、フッ素樹脂層12があまりに薄すぎると、定着分離爪10としての耐久性の面で不十分となるばかりか、樹脂成型の際に溶融樹脂の流れに弊害が生じ、インサート部材であるベース部材11が浮き出てしまうなどの成型不良を起こす可能性が高くなるため、望ましくない。
また、図2には、定着ベルト2と定着分離爪10の先端部11aとの間隔(ギャップ)を調整可能な調整機構を示している。
定着分離爪10のベース部材11は、先端部11aとは反対方向に延びるアーム11pを有しているとともに、ベース部材11の全長(アーム11pの端部から先端部11a側の先端までの距離)の略中間点に支点Sを有している。また、アーム11pにはその雄ねじ部分がアーム11pから上向きに突き出るようにギャップ調整用の調整ねじ21が取り付けられている。さらに、後述する可動ブラケット24に固定される固定ブラケット23が、その先端が支点Sに回動可能に連結されるとともに、該連結部分から一定距離離れた部分に調整ねじ21がねじ込まれるねじ穴が設けられている。
定着分離爪10は、ベース11に設けられた支点Sを中心にして調整ねじ21を固定ブラケット23のねじ穴へねじ込みあるいは緩めることにより、固定ブラケット23に対してシーソーのように回転可動され、その先端部11aの先端の位置を微調整することが出来る。すなわち、この調整ねじ21の締め込み加減により先端部11aの先端の位置を定めることができ、結果として分離装置30において定着ベルト2と先端部11aの先端とのギャップをより精密に極小値にまで詰めることができ、定着ベルト2に巻き付いたシート先端も容易に分離させることができるので、分離性能の向上が図れる。
また、調整ねじ21には、アーム11pと固定ブラケット23との間に圧縮スプリング22が入れられており、定着分離爪10と定着ベルト2とのわずかな隙間(ギャップ)に万が一、シートPが入り込んだとき(分離部ジャム)には、圧縮スプリング22が大きく収縮することで定着分離爪10の先端部11aが定着ベルト2に対して逃げる(離れる)方向に動くような構成となっている。このため、分離部ジャム時に定着分離爪10の先端が定着ベルト2に突き刺さることを回避することができる。
なお、ここでは定着分離爪10の先端部11aとアーム11pの端部(調整ねじ21)との間に支点Sがある構成を示したがこの限りではなく、支点Sと定着分離爪10の先端部11aとの間に調整ねじ21を備えていてもよい。ただし、支点と力点・作用点の関係で、支点を中心にしたほうがレバー比の関係でねじ締め込み量に対する定着分離爪10の先端の動きの量を微調整することが可能であるため、支点Sが先端部11aと調整ねじ21との間にあるほうが望ましい。
また、フッ素樹脂層12は、コーティングとは異なり一体成型されるものであるため、形状の自由度が高く、任意の形状を作り出すことが可能である。例えば、フッ素樹脂層12の厚さtは、図2に示したような一定厚さでなくてもよく、部分的に厚肉にしたような偏肉状態としてもよい。厚肉にすることで耐磨耗性に対して余裕度が向上する。また、定着分離爪10の表層材が樹脂材料となっているため、定着装置における搬送レイアウトなどに対してフレキシブルに対応することができ、定着分離爪10の形状の自由度が増す。一例としては、フッ素樹脂層12の一部にリブ形状を設けることで、面全体でシートPと接触することがなくなり、定着分離爪10表層へのトナー付着をより回避することが可能となる。
以上の構成により、定着分離爪10の先端は、先端部11aに基づいた鋭利な形状になっていることから、その先端をシート排出側からニップ部Nにできるだけ近づけることができ、かつ定着処理時など定着ベルト2からの熱を受けても定着分離爪10の先端部11aを定着ベルト2に対して精度良く配置することができ、優れた分離機能を発揮する。また、定着分離爪10はベース部材11に基づいた剛性を有することとなり、シートPが衝突しても変形することなく良好な形状が保たれる。さらに、定着分離爪10のシート排出経路側は厚いフッ素樹脂層12からなるため、トナー離型性にも優れるものとなっている。
図3は、本発明で用いる定着分離爪の構成例(2)を示す断面図である。
図3に示すように、定着分離爪10は、先端部11aのシート排出経路に面する板面とは反対面であって定着ベルト2に近接する面(図中、先端部11aの上側の斜面)に、フッ素樹脂が塗装により被覆されてなるコーティング層14を有する。それ以外の構成は、図2に示すものと同じである。
これにより、図2の構成例(1)で得られる作用効果に加えて、定着分離爪10の先端部11aが定着ベルト2と近接する面の表層にフッ素樹脂からなるコーティング層14が設けられ、定着ベルト2と定着分離爪10の先端部が接触、摺動してもコーティング層14が定着ベルト2を傷つけたり汚染したりすることを防ぐので、良好な画像品質を維持することができる。
ここで、コーティング層14は、トナーが付着しにくく摺動性に優れたフッ素樹脂材料からなることが好ましく、例えばPTFEまたはPFAが挙げられる。また、コーティング層14の形成方法としては、フッ素樹脂の静電粉体塗装を行い、その後に焼成する方式がよい。なおこの形成方法ではコーティング層14の膜厚としては数μmから数十μm程度しか確保できないが、定着分離爪10の先端と定着ベルト2とを非接触の状態で配置することが前提であり、コーティング層14が定着ベルト2と常時摺動する状態ではなく接触したとしてもその頻度が少ないため剥離や摩耗の問題はない。
図4に、本発明で使用する分離装置の構成を示す。図4は、分離装置30を上から見た図である。
分離装置30は、複数の定着分離爪10(図4では5個)を定着ベルト2の幅方向(あるいは定着ローラの場合にはローラ軸方向)に配置してなるものである。なお、図4では定着分離爪10が複数個設けられた例を示したがこの限りではなく、1つの定着分離爪10を備えた構成でもよい。ただし、複数個の定着分離爪10を配置して、個々に定着部材(定着ローラ/定着ベルト)とのギャップを調整できるようにしたほうがより分離性能を高めることが可能となるため望ましい。
なお、図4では、フッ素樹脂層12がベース部材11の両脇に回り込んで一部ベース部材11の上部まで被覆している様子を示している。このように、ベース部材11の両端部をフッ素樹脂層12が覆う状態のほうがフッ素樹脂層12がベース部材11から外れにくくなるので望ましい。
分離装置30は、定着ベルト2の幅方向両端部に突き当てられている突き当て板20を有している。
図5は、分離装置30の側面図であり、突き当て板20の設置の様子を示している。突き当て板20の先端は定着ベルト2に接触しており、可動ブラケット24の一端に固定されている。それと同時に定着分離爪10を調整する際の固定ブラケット23もこの可動ブラケットに固定されている。この可動ブラケット24はそのほぼ中央にある支点を中心に可動し、他端には引張スプリング26の一端が取り付けられてある。また、この引張スプリング26の他端には定着装置100へ固定されているブラケット25がある。
これにより、突き当て板20は定着装置100のフレームを基準として配置され、引張スプリング26による一定の圧力で定着ベルト2の幅方向両端部に突き当てられている。その結果、複数の定着分離爪10と定着ベルト2との間の大まかな間隔が設定されることになる。なお、突き当て板20は定着装置100の最大通紙幅よりも外側に設置してあるため、シートPの搬送に対しては悪影響を及ぼさない。
また、分離装置30では、前述した調整機構により、定着分離爪10ごとに先端部11aの先端と定着ベルト2との間隔が適宜調整されており、全ての定着分離爪10の先端と定着ベルト2とは非接触となっている(図1におけるA部)。
これにより、定着分離爪10が定着ベルト2を傷つけることがなく、常に良好な画像を得ることができる。一方で、定着ベルト2と定着分離爪10の先端とのギャップは微小であるほうが分離性能に対して有利になるので望ましい。このときの定着分離爪10の先端と定着ベルト2との間隔は、例えば0.2mm程度とする。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図6に、本発明に係る画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに本発明の定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写ベルト202が配置されており、該転写ベルト202の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体203Y、203M、203C、203Kが転写ベルト202の転写面に沿って並置されている。
各感光体203Y、203M、203C、203Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置、光書き込み装置、1次転写装置、現像装置及びクリーニング装置が配置されている。また、各現像装置には、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写ベルト202は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体203Y、203M、203C、203Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つであるローラ210に対向する位置に転写ローラ211が設けられている。また、転写ローラ211から転写装置100までのシートPの搬送経路は横パスとなっている。
給紙部200Bは、記録媒体としてのシートPを積載収容する給紙トレイ215と、該給紙トレイ215内のシートPを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ211の位置まで搬送する搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置200における画像形成に当たっては、感光体203Yの表面が帯電装置により一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体203Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置によりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置により転写ベルト202上に1次転写される。他の感光体203M、203C、203Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が転写ベルト202上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体203Y、203M、203C、203Kから転写ベルト202上に1次転写されたトナー像Tは、ローラ210、転写ローラ211により搬送されてきたシートPに転写される。トナー像Tが転写されたシートPは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト2と加圧ローラ3とのニップ部Nにて定着が行なわれる。
ついで、ニップ部Nから排出されたシートPは排出経路に沿って送り出される。このとき、定着ベルト2に巻き付いたままでてきたシートPは定着分離爪10の先端にて定着ベルト2から分離されて排出経路に戻される。
以上のように、本発明に係る定着装置100を有する画像形成装置により、より高度な定着分離機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(画像先端余白をより少なくすることが可能)への対応が可能となる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 定着ローラ
2 定着ベルト
3 加圧ローラ
4 駆動ローラ
5 ガイド板
10 定着分離爪
11 ベース部材
11a 先端部
11p アーム
12 フッ素樹脂層
14 コーティング層
20 突き当て板
21 調整ねじ
22 圧縮スプリング
23 固定ブラケット
24 可動ブラケット
25 ブラケット
26 引張スプリング
30 分離装置
100 定着装置
200 画像形成装置
200A 画像形成部
200B 給紙部
202 転写ベルト
203Y,203M,203C,203B 感光体
210 ローラ
211 転写ローラ
215 給紙トレイ
S 支点
特開2004−191784号公報 特開2003−241557号公報 特開平6−230699号公報 特開2009−116298号公報

Claims (7)

  1. 表面が加熱手段により加熱される定着部材と、該定着部材に対して回転自在に圧接し未定着トナーをシート上に熱融着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記ニップ部のシート排出側に配置され該定着部材へのシートの巻き付きを防止する定着分離爪を有する分離手段と、を備える定着装置において、
    前記定着分離爪は、フッ素樹脂より硬い材料からなり前記定着部材の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端部を有するとともに、前記先端部とは反対方向に延びるアーム部を有する板状のベース部材と、前記ベース部材をインサート部材として該ベース部材と一体成型されてなるフッ素樹脂層と、からなり、
    前記フッ素樹脂層は、前記ベース部材のシート排出経路に面する板面において、前記先端部を含めた面を覆っており、
    前記断面が鋭角な先端部が前記定着部材に近接して配置されてなり、
    前記先端部のシート排出経路に面する板面とは反対面であって前記定着部材に近接する面に、フッ素樹脂が塗装により被覆されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着分離爪は、前記先端部が前記定着部材に対して非接触に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)であることを特徴する請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記先端部の先端の曲率半径は、0.01mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記フッ素樹脂層の一部にリブ形状が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記分離手段は、前記定着分離爪を前記定着部材の幅方向に複数配置し、該定着分離爪ごとに前記先端部の先端と定着部材との間隔を任意の値に設定可能な調整機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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