JP5079852B2 - 仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、仮設建物工事、とりわけ予め用意した間仕切用のパーツ部材を用いて、間仕切を施工する方法に関する。
例えば、トンネル工事関係者が当該工事の期間中使用するために用いられるプレハブ建物は、関係者の日常生活に密着したものとなるので、一般住宅に近いものにするよう配慮される。引違戸建具ユニットを用いたり、場合によっては畳を用いるなどの事情から、一般住宅に近づける必要が生じる。
特許文献1には、間仕切パネル用柱が開示されている。正方形断面を有する角柱の四つの面の長手方向中央に同一寸法の溝を有するものである。
実公昭51−007701号公報
上述のプレハブ建物は、使用する者の便宜を考えると、美観もよく一般住宅に近いものが望ましい。また、一般住宅と同様にくつろげる空間を提供することが、工事の安全を確保するためにも好ましい。その一方で、その現場での作業が終われば、解体せざるを得ないというものである。
本発明の発明者は、そのためには、柱だけでなく、間仕切用のパーツをすべて規格化されたものとして予め用意すること、そして、間仕切施工方法を画一化されたものとして提供することにより、解体が容易になされパーツを再利用できるようにすることが望ましいと考えた。
本発明の目的は、解体が容易であり、パーツの再利用を可能とする仮設建物間仕切施工方法を提供することにある。
本発明に係る仮設建物間仕切施工方法は、次の工程(1)から工程(9)までをその順に有するものとして構成される。
工程(1):間取りに合せて床と天井とに墨を入れる墨入工程。
工程(2):墨入れ工程で入れた墨線に合せて天井側には下向きにコの字型の溝を有しその溝には隙間防止スポンジを取り付けた上桟、床には間仕切パネルの厚さと同程度の寸法の角材からなる下桟をビスで固定する桟取付工程。
工程(3):プレハブ本体壁パネル、プレハブ本体柱に添柱をビスで固定するとともに、下桟の片側に下桟の外観を覆うとともに間仕切パネルの下部を側面から支える支持部材である巾木をビス等で取り付ける片側巾木取付工程。
工程(4):両脇に実加工を施した板状体からなる間仕切パネルの上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる間仕切パネル載置工程。
工程(5):間仕切パネルの雄実の部分を二つ合せた寸法を有する角材からなる実木、間仕切パネルの厚さと同一の巾寸法を有し断面形状が正方形である角材の各側面中央に角溝を彫り込んだ形状を有する柱の上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる実木柱載置工程。
工程(6):添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合わせて、柱を上桟及び下桟にビスで固定する柱固定工程。
工程(7):建具枠上パネルを、引違戸建具を建具枠で囲ってなる引違戸建具ユニットの上部の溝に乗せ、引違戸建具ユニットと一緒に工程(4)と同様に上桟の下向きの溝に入れ、引違戸建具ユニットを墨線に合せて床に置く引違戸建具ユニット載置工程。
工程(8):添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合せて、引違戸建具ユニットを床にビスで固定する引違戸建具ユニット固定工程。
工程(9):引違戸建具ユニットの右側(上桟T字交差部)に実木、柱を入れ、添柱側に寄せて凹凸部を嵌め合せ、柱を上桟、下桟にビスで固定する。それとともに巾木を下桟にビスで取り付けるビス止め工程。
本発明の仮設建物間仕切施工方法は、規格化されたパーツを用い、その施工方法も画一化したものとしたので、解体する際には、容易に作業ができる。
再利用すべきパーツに傷をつけずに、施工し、また解体もできるので、パーツ再利用が可能である。
図1は、間仕切施工完成後の表示組立部斜視図である。断面位置M−M、N−Nを示す。 図2は、間仕切パーツ部材の一つである上桟20及び添柱60を示す。図2(a)は、上桟20を示す。図2(b)は、添柱60を示す。 図3は、巾木30及び下桟10を示す。図3(a)は、巾木30を示す。図3(b)は、下桟10を示す。 図4は、柱40及び実木50を示す。図4(a)は、柱40を示す。子4(b)は、実木50を示す。 図5は、間仕切パネル70及び建具枠上パネル80を示す。図5(a)は、間仕切パネル70を示す。図5(b)は、建具枠上パネル80を示す。 図6は、ドア建具ユニットを示す。図6(a)は、正面からみた図である。図6(b)は、図6(a)中のイ−イ断面図である。図6(c)は、図6(a)中のロ−ロ断面図である。 図7は、引違戸建具ユニットを示す。図7(a)は、正面からみた図である。図7(b)は、図7(a)中のハ−ハ断面図である。図7(c)は、図7(a)中のニ−ニ断面図である。 図8は、嵌合部(例)を示す図である。図8(a)は、柱に対して、間仕切パネル、引違戸建具ユニット、ドア建具ユニットを嵌合する様子を示す。図8(b)は、柱に対して三方から間仕切パネルを嵌合する様子を示す。 図9は、上桟のクロス部及びコーナ部を下から見た図である。。 図10は、工程(1)を示す。間取りに合せて墨を入れる工程である。 図11は、工程(2)を示す。墨線に合せて天井側には上桟、床には下桟をビス等で固定する工程である。 図12は、工程(3)を示す。プレハブ本体壁パネルや、プレハブ本体柱に添柱をビス等で固定するとともに、上桟に隙間防止スポンジを取り付け、下桟の片側に巾木をビス等で取り付ける工程である。 図13は、工程(4)を示す。間仕切パネルの上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる。 図14は、工程(5)を示す。実木、柱の上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる。 図15は、工程(6)を示す。添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合わせて、柱を上桟及び下桟にビス等で固定する。 図16は、工程(7)を示す。建具枠上パネルを引違戸建具ユニットの上部の溝に乗せ、引違戸建具ユニットと一緒に工程(4)と同様に上桟の下向きの溝に入れ、引違戸建具ユニットを墨線に合せて床に置く。 図17は、工程(8)を示す。添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合せて、引違戸建具ユニットを床にビス等で固定する。 図18は、工程(9)を示す。引違戸建具ユニットの右側(上桟T字交差部)に実木、柱を入れ、添柱側に寄せて凹凸部を嵌め合せ、柱を上桟、下桟にビス等で固定する。それとともに巾木を下桟にビス等で取り付ける。 図19は、断面(1)を示す。図19(a)は、上桟を天井にビス止めする様子を示す。図19(b)は、下桟を床にビス止めする様子を示す。図19(c)は、プレハブ本体柱に添柱をビス止めする様子を示す。図19(d)は、プレハブ本体柱に添柱をビス止めする様子を、クサビで本体壁パネルを押える場合について示す。工程(2)から工程(3)の途中までに対応する。 図20は、断面(2)を示す。図20では、左側の巾木が下桟にビス止めされているが、右側の巾木は、まだビス止めされていない。図12に示す工程(3)の途中の段階である。隙間防止スポンジはまだ取り付けられていない。 図21は、断面(3)を示す。隙間防止スポンジを取り付けた後、間仕切りパネルを下桟に乗せた状態である。工程(4)に対応する。 図22は、断面(4)を示す。実木、柱の上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる、工程(5)に対応する。 図23は、断面(5)を示す。柱を上桟及び下桟にビス止めする工程(6)に対応する。図23(a)は、E−E断面を示す。図23(b)は、F−F断面を示す。 図24は、断面(6)を示す。工程(7)に対応する。G−G断面である。 図25は、断面(7)を示す。工程(8)に対応する。H−H断面である。 図26は、断面(8)を示す。工程(9)に対応する。I−I断面である。 図27は、断面(9)を示す。J−J断面である。 図28は、断面(10)を示す。K−K断面である。 図29は、断面(11)を示す。N−N断面である。 図30は、断面(12)を示す。M−M断面である。
本発明に係る仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、間仕切施工完成後の表示組立部300の斜視図である。ここで表示組立部300は、後述する墨入れの平面図(図10)において一点鎖線の矩形で囲んだ表示組立部300であり、本実施形態においては、この部分の組立について説明する。図1の斜視図は、表示組立部300を建物の外側から、プレハブ本体壁パネル200を透視してみている。図1で、上部に広がる平面は天井であり、下部に広がる平面は床である。本発明において施工するパーツ間仕切は、床から天井にいたるまでのすべてを覆うものである。建具ユニットを用いない部分は、間仕切パネルが、床から天井までを覆う主な部材となる。引違戸やドアを用いる部分は、建具ユニットを用いる。そして、その建具ユニットと天井の間には、建具枠上パネルを用いる。図1のM−M位置の断面図は、図30に示す。図1のN−N位置の断面図は、図29に示す。
図2から図7までにおいて、間仕切パーツ部材の一つ一つの形状、構造について示す。これらの間仕切パーツ部材は、均一の強度を有することが望ましい。例えば集成材を用いることで均一強度を実現できる。
図2は、上桟20及び添柱60を示す。図2(a)に示す上桟20は、断面がコの字形状をし長手方向に長く(例えば3650mm)延びる部材であり、現場において間取りに合せて必要な寸法に切断される。コの字形状により形成される溝が下向きになるように、天井に例えば45センチ間隔でビス止めされる。ビス止めの箇所には、あらかじめビスガイド溝を設けておくのが望ましい。ビスガイド溝にビスの頭を収納することにより、間仕切パネル70などの納まりをよくするためである。上桟20の下方に向く溝部分に柱40及び間仕切パネル70がささり込み、頭押えの役目を果たす。上桟20の形状は大きめに設定する。間仕切パネル70に衝撃が加わった場合、凹部の掛かり部分を厚くすることにより耐えられるものとするためである。外観を構成する部材なので、望ましくは塗装される。また、上桟20の下向きの溝の深さの限度内において、天井高さの違いに対応する調整が可能である。
図2(b)に示す添柱60は、プレハブ本体の壁パネル又はプレハブ本体柱に添えて立てる柱であり、あらかじめ準備された規格品として寸法、形状、構造が決められたものである。縦方向に溝が設けられている。この溝は後述する間仕切パネル70の雄実部分と結合できるように切られた溝である。添柱の厚さについては、二種類準備される。プレハブ本体の壁パネル200に用いる場合(図30の添柱65)と、ブレハブ本体柱240に用いる場合(図29の添柱60)とで、壁パネル200から本体柱240が突出する分(15mm)だけ、寸法の違いがあるからである。
図3は、間仕切パーツ部材のうちの巾木30及び下桟10を示す。巾木30及び下桟10もまた、上述の上桟20と同様に長手方向に長く(例えば3650mm)延びる部材であり、現場において間取りに合せて必要な寸法に切断される。図3(a)に示す巾木は、その寸法を例えば、厚さ7mm、巾60mmとすることができる。下桟10の側面の外観を覆うとともに、間仕切パネル70の下部を側面から支える支持部材であり、下桟の両側面からそれぞれビス止めされる。上桟20と同様に外観構成部材であるので、塗装されることが望ましい。図3(b)に示す下桟10は、後述する間仕切パネル70を載せる部材である。間仕切パネル70の上部は、上述した上桟20の下向きの溝により頭押えされて固定されるが、それに対して、間仕切パネル70の下部は、下桟10の上に載せられ、下桟10の両側からそれぞれ巾木30により挟み込まれるようにして固定される。固定されるといっても、間仕切パネル70自体には、何ら傷がつかない。下桟10が床にビス止めされ、巾木30が下桟10にビス止めされる。下桟10を床にビス止めするためのビスガイド溝をあらかじめたとえば450mm間隔で設けておくのが望ましい。ビスの頭をビスガイド溝に収めることで、間仕切りパネル70の座りをよくするためである。下桟10は間仕切りパネル70と同程度の厚さを有するが、望ましくは若干部材巾を小さくする。それにより後付けの巾木30の密着性が良くなり。下桟10は、出来上がりの外観を構成しない部材であるので、塗装する必要はない。
図4は、柱40及び実木50を示す。図4(a)に示す柱40は、断面形状が正方形である角材の各側面中央に巾12mm深さ6mmの角溝を彫り込んだものである。この角溝が雌実を構成し、4方向から間仕切パネルとの連結に対応できる形状となっている。柱40の巾の寸法は、間仕切パネル70と同一にする。それにより、前述した上桟20の下向きの溝に沿って、滑らせて移動させて設置位置を決めることができる。そして、出来上がりにおいては、壁面としての凹凸がない。柱40は、望ましくは間仕切パネル70の化粧板と同じ色で塗装され、一体として一つの壁面を構成する。柱40は、その上部を上桟20にビス止めされ、その下部を下桟10にビス止めされる部材である。したがって、あらかじめ規格により決められた長さを有している。また、ビス止めの便宜のため、柱40の上下にはそれぞれビスガイド溝45が設けられる(図23参照)。実木50は、間仕切パネル70の雌実と柱40の雌実とが連結される場合に、お互いの溝部分にいれる補助部材であり、断面形状が正方形(一辺が12mm)の角材である。実木50は、外観を構成しない部材であるので、塗装する必要はない。
図5は、間仕切パネル70及び建具枠上パネル80を示す。図5(a)に示す間仕切パネル70は、その外周部材(縦桟、横桟、中桟)は青木材を加工して組込み、その表面、裏面に化粧プリント合板で仕上げたものであり、壁面を構成する部材である。間仕切パネル70の縦桟は、パネルのジョイント部分に当たるので、雄実、雌実加工を施し、ジョイント部分の強度をもたせた。実加工によりパネル間の目違い、ネジレ防止に効果がある。パネル内部の中空部分には断熱・防音材を全面に装着している。
図5(b)に示す建具枠上パネル80は、引違戸建具ユニット100などの建具ユニットの高さが間仕切パネルの高さよりも低いので、上桟20と建具ユニットとの間をふさぐ部材であり、建具ユニットと天井との間の空間を覆うべく両脇に実加工を施した板状体からなる。両脇の縦桟部分は、いずれの側も雌実としてある。
図6は、ドア建具ユニット90を示す。図6(a)は、正面からみた図である。図6(b)は、図6(a)中のイ−イ断面図である。図6(c)は、図6(a)中のロ−ロ断面図である。図6(c)に描かれているように、建具枠の縦桟を建具枠上パネルと同様に両方とも雌実として実加工してある。したがって、柱40、間仕切パネル70との連結自在な組み合わせが容易にできる。枠巾は、間仕切パネルの厚み(40mm)では、建具自体の厚みを確保できないので、枠巾を80mmとしている。この場合、間仕切部がコーナー部分の箇所であれば枠同士がぶつかり、組み合わせるのに支障をきたすので、枠を斜めにカットし納まり状態をよくしている。また、床仕上げが畳等の場合、敷居の下に下桟を通して据付し対応させることも可能である。
図7は、引違戸建具ユニットを示す。図7(a)は、正面からみた図である。図7(b)は、図7(a)中のハ−ハ断面図である。図7(c)は、図7(a)中のニ−ニ断面図である。建具枠の縦桟を両方とも雌実として加工してある点、枠巾に厚みを持たせた分だけ、枠を斜めにカットし、納まり状態をよくしてある点は、ドア建具ユニットと同様である。
図8は、嵌合部の一例を示す図である。図8(a)は、柱に対して、間仕切パネル、引違戸建具ユニット、ドア建具ユニットを嵌合する様子を示す。図8(b)は、柱に対して三方から間仕切パネルを嵌合する様子を示す。雌実同士の結合の場合は、実木50を間に挟む。また、柱40の厚さと間仕切パネル70との厚さが同じであることがわかる。
図9は、上桟20のクロス部及びコーナ部を下から見た図である。図9(a)に示すように、90度に曲がるコーナ部にあっては、それぞれの上桟20を45度の角度でカットして接続する。図9(b)に示すように、T字部にあっては、上桟20の下向きの溝の一部を切り欠いて接続する。図9(c)に示すように、十字型にクロスする部分にあっては、それぞれの上桟20をカットして接続する。
次に、図10から図18までを参照しつつ、本発明の仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法の手順を説明する。
図10は、工程(1)を示す。間取りに合せて墨を入れる工程である。建物の全長、巾の確認、建物の柱の建ちの確認をする。床及び天井の目違い、不陸を確認し、必要があれば修正してから、墨出しをする。墨出し後、間仕切位置を再確認する(特に、開口部)。
図11は、工程(2)を示す。墨線に合せて天井側には上桟、床には下桟をビス等で固定する工程である。上桟20、下桟10を現場において、丸のこを用いて間仕切の寸法で切断する。下桟10を床にビス止めする。上桟20の溝部分に隙間防止スポンジ25を貼ってから脚立を用いて取り付ける。
図12は、工程(3)を示す。間仕切工事をすべき墨線がプレハブ本体壁パネル又はプレハブ本体柱に交わる部分について、プレハブ本体壁パネルには添柱65を、プレハブ本体柱には添柱60をビス等で固定し、下桟10の片側に巾木30をビスで取り付ける工程である。添柱60、65を、プレハブ鉄骨柱部分であるか、それともプレハブ本体壁パネル部分であるかに気をつけて取り付ける。上中下と三箇所ビス止めする。また、添柱60を取り付けるべきプレハブ本体柱とプレハブ本体壁パネルとの間に隙間が生じている場合には、クサビを用いてぐらつきをなくす(図19(d))。
図13は、工程(4)を示す。間仕切パネル70の上部を上桟20の下向きの溝に入れ、下部を巾木30に当て、下桟10に乗せる。このとき、間仕切パネル70には、傷をつけないように気をつけて運ぶ。実加工を施してあることに注意して、目違いが生じないように気をつけて作業する。再使用すべき部材であるので、きつい場合であっても切断しないようにする。
図14は、工程(5)を示す。実木50、柱40の上部を上桟20の下向きの溝に入れ、下部を巾木30に当て、下桟10に乗せる。
図15は、工程(6)を示す。添柱(60、65)側に各々(間仕切パネル70、実木50、柱40)を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合わせて、柱40を上桟20及び下桟10にビス等で固定する。柱40の固定は上下にそれぞれ斜めに設けられたビスガイド溝45を用いてビス(L50)で上下2箇所固定する。柱40の建付けは、下振りで行い、倒れは3mm以内を合格とする。
図16は、工程(7)を示す。建具枠上パネル80を引違戸建具ユニット100の上部の溝に乗せ、引違戸建具ユニット100と一緒に工程(4)と同様に上桟20の下向きの溝に入れ、引違戸建具ユニット100を墨線に合せて床210に置く。このとき、建具枠上パネル80、引違戸建具ユニット100は、いずれも雌実加工してあるので、柱40との間に実木50をはさむ。
図17は、工程(8)を示す。添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合せて、引違戸建具ユニットを床にビス等で固定する。引違戸をセットする際は、建具建付けを確認する。建具の仕様確認及び開き勝手確認を行う。ビス止めは枠から固定する。決して柱から枠を固定しない。後方に隙間が生じていないかを確認する。また、パネルはめ込み時に手指が挟まれないように気をつける。
図18は、工程(9)を示す。引違戸建具ユニット100の右側(上桟T字交差部)に実木50、柱40を入れ、添柱60側に寄せて凹凸部を嵌め合せ、柱40を上桟20、下桟10にビスで固定する。それとともに巾木30を下桟10にビスで取り付ける。
図19は、断面(1)を示す。図19(a)及び図19(b)は、図11におけるA−A断面を示している。図19(a)は、上桟20を天井220にビス止めする様子を示す。上桟20は、天井220に対して斜めにビス止めされる。図19(b)は、下桟10を床210にビス止めする様子を示す。下桟10は、床210に対して垂直にビス止めされる。図19(c)は、図12におけるB−B断面であり、プレハブ本体柱に添柱をビス止めする様子を示す。図19(d)は、プレハブ本体柱240に添柱60をビス止めする様子を、クサビ250で本体壁パネル200を押える場合について示す。プレハブ本体柱240と本体壁パネル200との間に隙間が生じている場合に、クサビ250が必要となる。工程(2)から工程(3)の途中までに対応する。
図20は、断面(2)を示す。図12におけるB−1−B−1断面である。図20では、左側の巾木30が下桟10にビス止めされているが、右側の巾木30は、まだビス止めされていない。図12に示す工程(3)の途中の段階である。隙間防止スポンジ25はこの図においては、つぶれている状態であるので、描くのが省略されている。隙間防止スポンジ25は、防音、衝撃吸収などの効果を有する。この図に示されるように、巾木30は、一方の側は早い段階で取り付けられるのに対して、他方の側の巾木30は、後付けとなる。これにより、間仕切パネル70を傷つけずに頑丈に止めることができる。また、上桟20の下向きの溝(コの字形状)を大きめの部材により頑丈につくることで、完成後の間仕切パネル70に加わる衝撃を吸収することが可能となる。
図21は、断面(3)を示す。図14におけるC−C断面である。隙間防止スポンジ25を取り付けた上桟20の下向きの溝に間仕切パネル70の上部をはめ込み、間仕切りパネル70を下桟10に乗せた状態である。工程(4)に対応する。
図22は、断面(4)を示す。図15におけるD−D断面である。実木50、柱40の上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せて柱40をビス止めする工程(6)に対応する。図22を見てわかるように、間仕切パネル70と間仕切パネル70とが隣り合う場合であっても、必ず実木50と柱40とを間に入れる。間仕切パネル70は、一切ビス止めしない部材であるのに対して、柱40は、上下をビス止めする部材であるからである。
図23は、断面(5)を示す。柱40を上桟20及び下桟10にビス止めする工程(6)に対応する。図23(a)は、図15におけるE−E断面を示す。図23(b)は、図23(a)のF−F断面を示す。ビスガイド溝45は、図に示すように、斜めに彫られた溝であり、この溝に沿ってビス止めすることにより、斜め向きにビスが進行し、下桟10、上桟20にそれぞれ斜め向きにビス止めされる。
図24は、断面(6)を示す。図17のG−G断面である。工程(8)に対応する。柱40と間仕切パネル70との間に実木50が用いられ、柱40と引違戸建具ユニット100との間にも実木50が用いられている。
図25は、断面(7)を示す。図17のH−H断面である。工程(8)に対応する。引違戸建具ユニット100の上には、上向きの溝が設けられ、その溝には建具枠上パネル80が載せられ、建具枠上パネル80の上部が上桟20の下向きの溝に嵌っている。また、引違戸建具ユニット100の下の枠が床に対してビス止めされている。
図26は、断面(8)を示す。図18のI−I断面である。工程(9)に対応する。この最終工程では、後付けの巾木30が下桟10にビス止めされる。
図27は、断面(9)を示す。図18のJ−J断面である。建具枠上パネル80は、両脇とも雌実加工が施されているので、柱40との接続のためには、その間に実木50を必要とする。
図28は、断面(10)を示す。図18におけるK−K断面である。引違戸建具ユニット100は、両脇を雌実加工されており、実木50を介して柱40に挟まれることで固定される。
図29は、断面(11)を示す。図1におけるN−N断面である。添柱60、間仕切パネル70、実木50、柱40、間仕切パネル70、実木50、柱40、実木50、引違戸建具ユニット100、実木50、柱40とつながっている様子を示している。この最後の柱40をコーナー部の柱として90度の角度で曲がってさらに別の壁(プレハブ本体壁パネル)へと続く間仕切についても同様に施工できる。それを図30に示す。
図30は、断面(12)を示す。図1におけるM−M断面である。添柱65、間仕切パネル70、実木50、柱40、間仕切パネル70、実木50、柱40、実木50、ドア建具ユニット90、実木50、柱40、実木50、間仕切パネル70とつながり、最後のコーナ部の柱40に至る様子が示されている。コーナ部の柱40は、N−N部分、M−M部分の間仕切施工が終わって、最後の段階で上桟20及び下桟10にビス止めされる。
最後に解体工程について説明する。一言でいえば、組立工程と逆の順序である。
まず、巾木30が下桟の両側にビス止めされているうちの後から取り付けた側の巾木30を、ビス5をゆるめることにより、外す。
次に、引違戸建具ユニット100に接する実木50及び柱40のうち、後から取り付けた側の柱40を上桟20及び下桟10に取り付けているビス5を緩めて、柱40及び実木50を外す。
その後、引違戸建具ユニット100を床210に固定しているビス5をゆるめて、引違戸建具ユニット100を外す。このとき、引違戸建具ユニット100の上部には、建具枠上パネル80が載っているので、落下しないように気を付ける。
次に、間仕切パネル70に接している柱40を、上桟20下桟10に止めているビスを外すことにより外す。実木50も外す。
間仕切パネル70の下部分を、巾木30を外した側に引きつつ、上部分を上桟20の下向きの溝から外すことにより、間仕切パネル70を外す。
最初に取り付けた側の巾木30をビスを外すことにより外す。プレハブ本体側に取り付けた添柱60をビスを外すことにより外す。上桟20を天井220に取り付けているビス5の位置がわかっていれば、その部分の隙間防止スポンジ25のみをビス5を外すのに必要な限度において取り除き、隙間防止スポンジ25を再利用出来る場合には、それを残す。上桟20の下向きの溝に取り付けた隙間防止スポンジ25が再利用不可能なほどに傷んでいる場合は、隙間防止スポンジ25を取り外す。
下桟10を床210に取り付けているビスをゆるめることにより、下桟10を取り外す。上桟20を天井220に取り付けているビスをゆるめることにより、上桟20を取り外す。
傷、汚れ、破損の状況を確認し、再利用可能な部材と、廃棄すべき部材に分けて管理し、再利用に備える。
以上、引違戸建具ユニット100を用いる場合について、その組立工程、解体工程を説明したが、他の建具ユニット(ドアパネル建具ユニット、トイレドアパネル建具ユニット、押入戸建具ユニット)を用いる場合についても同様である。その場合、建具ユニットの上に載せる建具枠上パネル80は、それぞれの寸法に合せて用意される。また、一つのコーナ部を持つ間仕切に限らず、90度に曲がるコーナ部を複数有する間取りに対しても、適用可能である。その場合、コーナ部の柱40をビス止めするタイミングについてよく検討し、一旦止めた柱を外す必要が生じないように注意する。
仮設建物工事に用いるパーツ間仕切の施工に利用可能である。工事現場に用いる建物のみならず、企業の社屋、店舗、倉庫、事務所、仮設展示場など、仮設建物一般に適用可能である。
1 墨線
5 ビス
10 下桟
20 上桟
25 隙間防止スポンジ
30 巾木
40 柱
45 ビスガイド溝
50 実木
60、65 添柱
70 間仕切パネル
80 建具枠上パネル
90 ドア建具ユニット
100 引違戸建具ユニット
200 プレハブ本体壁パネル
210 床
220 天井
230 梁
240 プレハブ本体柱
250 クサビ
300 表示組立部

Claims (6)

  1. 両脇に実加工を施した板状体からなる間仕切パネルと、両脇に実加工を施した建具枠で建具を囲ってなる建具ユニットとを仮設建物内部の天井と床との間に固定して間仕切を施工すべく、
    前記間仕切パネルとほぼ同じ厚さを有する角材からなり床にビス止めされる下桟と、
    下向きにコの字型の溝を有しその溝には隙間防止スポンジを取り付けた上桟と、
    下桟の側面の外観を覆うとともに、前記間仕切パネルの下部を側面から支える支持部材である巾木と、
    前記間仕切パネルの厚さと同一の巾寸法を有し断面形状が正方形である角材の各側面中央に角溝を彫り込んだ形状を有する柱と、
    前記間仕切パネルの雄実の部分を二つ合せた寸法を有する角材からなる実木と、
    前記仮設建物本体の壁パネル又は本体柱に添えて立てる柱である添柱と、
    前記建具ユニットと天井との間の空間を覆うべく両脇に実加工を施した板状体からなる建具枠上パネルと
    を用いる仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    仮設建物内部の床と天井とに墨を入れる墨入工程と、
    該墨入工程にて入れた墨線に合せて、天井には前記上桟を、床には前記下桟をビス止めする桟取付工程と、
    該桟取付工程にて取付けた前記下桟の側面片側に前記巾木を取り付けるとともに、前記仮設建物本体壁パネル又は本体柱に前記添柱を取り付ける片側巾木取付工程と、
    前記間仕切パネルの上部を上桟の下向きの溝に入れ、該間仕切パネルの下部を片側巾木取付工程にて取付けた巾木に当て、前記下桟に載せる間仕切パネル載置工程と、
    該間仕切パネル載置工程にて載置した間仕切パネルの前記添柱から遠い位置において、前記実木及び前記柱の上部を上桟の下向きの溝に入れ、下部を巾木に当て、下桟に乗せる実木柱載置工程と、
    前記間仕切パネル載置工程にて載置した前記間仕切パネル、前記実木柱載置工程にて載置した前記実木及び前記柱を前記添柱側に寄せ、各部材の凹凸を嵌め合わせて、前記柱を前記上桟及び前記下桟にビスで固定する柱固定工程と、
    該柱固定工程にて固定した柱の前記添柱から遠い位置において、前記建具枠上パネルを、前記建具ユニットの上部の溝に乗せ、建具ユニットと一緒に前記間仕切パネル載置工程と同様に上桟の下向きの溝に入れ、前記建具ユニットを墨線に合せて床に置く建具ユニット載置工程と、
    添柱側に各々を寄せ、各部材の凹凸を嵌め合せて、前記建具ユニットを床にビスで固定する建具ユニット固定工程と、
    前記建具ユニットの前記添柱から遠い側の脇に前記実木及び前記柱を入れ、前記添柱側に寄せて凹凸部を嵌め合せ、前記柱を上桟、下桟にビス止めするとともに、前記巾木を前記下桟にビス止めするビス止め工程と
    を有する仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
  2. 請求項1に記載した仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    二つの方向に延びる間仕切の交差する部分にあっては、二つの方向に延びる間仕切をそれぞれ仮設建物本体の壁パネル又は本体柱に取付けた添柱から施工し、コーナ部に用いる前記柱を最後に固定することを特徴とする仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
  3. 請求項1又は2のいずれか一に記載した仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    前記間仕切パネルとして、縦桟、横桟、中桟からなるその外周部材が青木材を加工して組込んだものであり、その表面、裏面を化粧プリント合板で仕上げたものであり、内部の中空部分には断熱・防音材を全面に装着したものを用いることを特徴とする仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
  4. 請求項1又は2のいずれか一に記載した仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    前記下桟の厚さを前記間仕切パネルの厚さよりもわずかに小さい寸法として、前記巾木と前記間仕切パネルとの密着度を高めたものを用いることを特徴とする仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
  5. 請求項1又は2のいずれか一に記載した仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    前記上桟の厚さを大きくし、強度を高めることにより、前記間仕切パネルの受ける衝撃を吸収することを可能としたものを用いることを特徴とする仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
  6. 請求項1又は2のいずれか一に記載した仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法であって、
    前記建具ユニットを構成する前記建具枠の両脇を斜めにカットして前記柱に接続する部分は前記柱の寸法と同一になるようにしたものを用いることを特徴とする仮設建物工事用パーツ間仕切施工方法。
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