JP5079169B1 - はんだ付け装置及び方法並びに製造された基板及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

銅電極を有する被処理部材(10)を有機脂肪酸含有溶液(31a)に浸漬させる第1有機脂肪酸含有溶液槽(21)と、有機脂肪酸含有溶液(31a)と同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液(31b)の蒸気雰囲気の空間部(24)であって、被処理部材(10)に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付ける噴射手段(33)及び余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去する噴射手段(34)を水平方向に備えた空間部(24)と、余剰の溶融はんだを除去した後の被処理部材を再び有機脂肪酸含有溶液(31c)に浸漬させる第2有機脂肪酸含有溶液槽(23)と、を少なくとも備えるはんだ付け装置により、低コストで、歩留まりが高く、信頼性の高いはんだ付けを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、はんだ付け装置及び方法並びに製造された基板及び電子部品に関する。さらに詳しくは、低コストで、歩留まりが高く、信頼性の高いはんだ付けを行うことができるはんだ付け装置及び方法、並びに製造された基板及び電子部品に関する。
近年、プリント基板、ウエハー及びフレキシブル基板等の基板(以下、これらを「実装基板」ということがある。)は、配線密度や実装密度がますます向上している。実装基板は、電子部品をはんだ付けするための銅電極を多数有している。その銅電極上にははんだバンプが設けられ、電子部品はそのはんだバンプにはんだ付けされて実装基板に実装される。
はんだバンプは、微細で、形状及び寸法等が揃っており、必要な部分にのみはんだバンプが形成されていることが要求されている。そうした要求を満たすはんだバンプの形成方法として、特許文献1には、ペーストでペーストバンプを形成するための開口を備えたスクリーン版であって、剛性な第1の金属層、樹脂系の接着剤層及び第2の金属層からなり、かつ第1の金属層の開口に対して接着剤層及び第2の金属層の開口が縮径していることを特徴とするスクリーン版を用い、緻密で一定形状のバンプを容易に形成する手法等が提案されている。
ところで、コネクタ、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Out line Package)、BGA(Ball Grid Array)等の電子部品は、リード端子等の接続端子の寸法にばらつきが存在することがある。接続端子の寸法がばらついた電子部品をはんだ付け不良なくはんだ付けするためには、実装基板に設けるはんだバンプを厚くすることにより、電子部品の寸法ばらつきの影響を小さくする必要がある。実装基板に実装するための電子部品にCSP(Chip Size Package)等の小型の電子部品が混在する場合、そうした小型電子部品用のはんだバンプの大きさは極めて小さく微細である。
一般的なはんだバンプの形成方法として、銅電極が設けられた実装基板をそのまま溶融はんだ中にディッピング(浸漬)する方法が知られている。しかしながら、銅電極にはんだが接触すると、銅とはんだに含まれる錫とが化合してCuSn金属間化合物が生成する。このCuSn金属間化合物は、銅電極がはんだ中の錫で浸食される態様で形成されることから「銅溶食」又は「銅食われ」等(以下「銅溶食」と呼ぶ。)と呼ばれることがある。こうした銅溶食は、電気接続部である銅電極の信頼性を低下させ、実装基板の信頼性を損なわせるおそれがある。そのため、溶融はんだ中への実装基板のディッピング時間を短縮して銅溶食を抑制することが必要であり、そのために、実装基板の銅電極上に予備はんだ層を形成し、その後に実装基板を溶融はんだ中にディッピングする方法(ディッピング方法)が検討されている。
特開平10−286936号公報
上記したはんだバンプの形成方法のうち、スクリーン版を用いたはんだバンプの形成方法は生産性が悪いという難点があり、ディッピング方法でのはんだバンプの形成方法は、最初にディッピング(浸漬)する部分と、最後にディッピングする部分とで、銅溶食に差が生じ、同じ基板の各部で銅電極の信頼性に差が生じる。そのため、銅溶食の問題が依然として解決できていないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低コストで、歩留まりが高く、信頼性の高いはんだ付けを行うことができるはんだ付け装置及びはんだ付け方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうしたはんだ付け装置やはんだ付け方法で製造された基板及び電子部品を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係るはんだ付け装置は、銅電極を有する被処理部材を有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる第1有機脂肪酸含有溶液槽と、前記有機脂肪酸含有溶液と同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気の空間部であって、前記被処理部材に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付ける噴射手段及び余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去する噴射手段を水平方向に備えた空間部と、余剰の前記溶融はんだを除去した後の被処理部材を再び有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる第2有機脂肪酸含有溶液槽と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け装置において、(a1)前記有機脂肪酸含有溶液が、パルミチン酸含有溶液であることが好ましく、(b1)前記溶融はんだが前記有機脂肪酸含有溶液で処理された溶融はんだであることが好ましく、(c1)前記余剰の溶融はんだを除去する液体が前記有機脂肪酸含有溶液であることが好ましく、(d1)前記第2有機脂肪酸含有溶液槽の後に処理後の処理部材の表面に付着した有機脂肪酸含有溶液を液切りする噴射手段をさらに備えることが好ましく、(e1)前記第1有機脂肪酸含有溶液槽と前記第2有機脂肪酸含有溶液槽の温度が、前記空間部内の温度と同じ又はその温度よりも高く、該空間部内の温度が、該空間部内で吹き付ける溶融はんだの温度と同じ又はその温度よりも高いことが好ましい。
本発明に係るはんだ付け装置において、(f1)前記被処理部材に吹き付けられた溶融はんだを再利用するために回収する受け皿が、前記噴射手段の下方の前記空間部内に設けられていることが好ましい。また、(g1)前記噴射手段の下方の前記有機脂肪酸含有溶液の底に貯まった溶融はんだを、前記溶融はんだを吹き付ける前記噴射手段に送るための循環装置を備えることが好ましい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係るはんだ付け方法は、銅電極を有する被処理部材を有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる工程と、該浸漬工程後、前記有機脂肪酸含有溶液と同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気の空間中で、前記被処理部材に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付ける工程と、該吹き付け工程後、前記と同じ空間内を水平方向に移動させ、吹き付けられた前記溶融はんだのうちの余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去する工程と、余剰の前記溶融はんだを除去した後の被処理部材を再び有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる工程と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法において、(a2)前記有機脂肪酸含有溶液が、パルミチン酸含有溶液であることが好ましく、(b2)前記溶融はんだが前記有機脂肪酸含有溶液で処理された溶融はんだであることが好ましく、(c2)前記余剰の溶融はんだを除去する液体が前記有機脂肪酸含有溶液であることが好ましく、(d2)前記有機脂肪酸含有溶液に再び浸漬させた後の処理部材の表面に付着した有機脂肪酸含有溶液を液切りすることが好ましく、(e2)最初に浸漬した有機脂肪酸含有溶液と再び浸漬した有機脂肪酸含有溶液の温度が、前記空間部内の温度と同じ又はその温度よりも高く、該空間部内の温度が、該空間部内で吹き付ける溶融はんだの温度と同じ又はその温度よりも高いことが好ましい。
本発明に係るはんだ付け方法において、(f2)前記被処理部材に吹き付けられた溶融はんだを再利用するために回収することが好ましい。また、(g2)前記噴射手段の下方の前記有機脂肪酸含有溶液の底に貯まった溶融はんだを、前記溶融はんだを吹き付ける前記噴射手段に送ることが好ましい。
(3)上記課題を解決するための本発明に係る基板は、上記本発明に係るはんだ付け装置又ははんだ付け方法で製造された基板であって、該基板が有する銅電極は、その表面から、銅溶食防止層、はんだ層及び有機脂肪酸コーティング層の順で設けられていることに特徴を有する。
(4)上記課題を解決するための本発明に係る電子部品は、上記本発明に係るはんだ付け装置又ははんだ付け方法で製造された電子部品であって、該電子部品が有する銅電極は、その表面から、銅溶食防止層、はんだ層及び有機脂肪酸コーティング層の順で設けられていることに特徴を有する。
本発明に係るはんだ付け装置及びはんだ付け方法によれば、第1有機脂肪酸含有溶液への浸漬処理、空間部内での溶融はんだの噴射処理、同空間部内を水平移動させて行う余剰の溶融はんだの除去処理、及び第2有機脂肪酸含有溶液への浸漬処理を連続して行うので、従来のディッピング処理のような銅電極の銅溶食が起こらず、しかもその後の種々の実装工程での銅溶食を起こさない基板や電子部品を製造することができる。その結果、電気的接続部である銅電極の信頼性が高く、歩留まりのよい基板や電子部品を低コストで製造することができる。
特に、有機脂肪酸含有溶液に浸漬した後に、その有機脂肪酸含有溶液と同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気の空間中で、被処理部材に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付け、さらに、その空間内を水平移動させた後に余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去するので、清浄化された銅電極表面に、銅溶食防止層が欠陥なく一様に形成され、しかも余剰の溶融はんだを除去した状態で再び有機脂肪酸含有溶液に浸漬して有機脂肪酸コーティング層を設けている。その結果、銅溶食防止層上に最小限のはんだ層を設けた状態でそのはんだ層のはんだ濡れ性を維持する有機脂肪酸コーティング層が設けられているので、その後の実装工程で、種々の溶融はんだ槽にディッピングされたり、ペーストはんだを印刷した後にリフロー炉に投入されたり、焼成路に投入されたりした場合であっても、銅電極の銅食われが起きず、しかもはんだ濡れ性を損なわず、その後に実装工程で処理することができる。
本発明に係る基板及び電子部品によれば、基板及び電子部品が有する銅電極は、その表面から、銅溶食防止層、はんだ層及び有機脂肪酸コーティング層の順で設けられているので、その後のリフロー炉や焼成路等で熱が加わっても、銅溶食防止層で銅電極の溶食がブロックされる。その結果、種々の工程を経て行われる電子部品の実装工程での電気的接続部(銅電極部)の信頼性が低下せず、しかも歩留まりよく製造できるので、低コストで信頼性の高い基板及び電子部品を提供できる。
本発明に係るはんだ付け装置の一例を示す模式的な構成図である。 被処理部材である基板の一例を示す模式的な断面図である。 処理後の基板(処理部材)の一例を示す模式的な断面図である。 各処理部又は各工程を経た後の被処理部材の形態を示す模式的な断面図である。 本発明に係るはんだ付け装置の他の一例を示す模式的な構成図である。 溶融はんだを噴射して溶融はんだを銅電極上に盛る工程を示す模式的な断面図である。 有機脂肪酸含有溶液を噴射して余剰の溶融はんだを除去する工程を示す模式的な断面図である。 銅電極上に形成された金属間化合物層の例であり、(A)は比較例で形成された銅電極部の模式的な断面図であり、(B)は実施例で形成された銅電極部の模式的な断面図である。 保持ジグに保持されて連続処理された電子部品の一例を示す模式図である。 製造された電子部品の一例を示す斜視図と断面図である。 製造された電子部品の他の例を示す斜視図である。 はんだ付けされた銅電極部を加熱した後のマイクロボイドの発生形態の例であり、(A)(B)は比較例での結果であり、(C)(D)は実施例での結果である。 実施例で得られたはんだ接続部の断面の元素マッピング像である。
以下、本発明に係るはんだ付け装置及びはんだ付け方法、並びに製造された基板及び電子部品について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、「本発明」を「本願の実施形態」と言い換えることができる。なお、「銅溶食防止層」とは、電極を構成する銅電極がはんだによって溶食(銅原子が拡散して溶け出す態様のこと。)されるのを防ぐように機能する層のことである。
[はんだ付け装置及び方法]
本発明に係るはんだ付け装置20及び方法は、図1及び図5に示すように、第1有機脂肪酸含有溶液31aへの浸漬処理、空間部24内での溶融はんだ5aの噴射処理、同空間部24内を水平移動させて行う余剰の溶融はんだ5aの除去処理、及び第2有機脂肪酸含有溶液31cへの浸漬処理、を連続して行う装置及び方法である。こうしたはんだ付け装置20及び方法により、従来のディッピング処理のような銅電極の銅溶食が起こらず、しかもその後の種々の実装工程での銅溶食を起こさない基板や電子部品を製造することができる。その結果、電気的接続部である銅電極の信頼性が高く、歩留まりのよい基板や電子部品を低コストで製造することができる。
以下、装置の各構成及び工程について詳しく説明する
(被処理部材)
被処理部材10は、はんだ付け装置20及び方法に適用されるものであり、具体的には、プリント基板、ウエハー及びフレキシブル基板等の基板(「実装基板」ともいう。)や、コネクタ、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Out line Package)、BGA(Ball Grid Array)、半導体チップ、チップ抵抗、チップコンデンサ、ジャンパー配線材等の電子部品を挙げることができる。また、ここに例示したもの以外の公知の基板や電子部品、さらには今後開発される新しい基板や電子部品を含む。
被処理部材10には、銅電極2が設けられており、本発明に係るはんだ付け装置20及び方法は、そうした銅電極2へのはんだ付けする際に適用する装置及び方法である。
こうした被処理部材10は、例えば図1及び図5に矢印を含む点線でループさせたベルトコンベアーによって、連続的に装置内を搬送される。そうしたベルトコンベアーで搬送される際に、被処理部材10をベルトコンベアーに取り付ける取り付けジグは、搬送する被処理部材10の形状を考慮して各種のものを用いることができる。例えば図2に示すプリント基板の場合には、その矩形のプリント基板を周縁で挟んで保持する枠状ジグ(図示しない)を任意に用いることができ、例えば図9に示す電子部品40の場合には、その電子部品40の形状に合わせた保持ジグ42を任意に用いることができる。
(第1有機脂肪酸含有溶液への浸漬処理)
被処理部材10は、図1及び図5の投入部Aで、第1有機脂肪酸含有溶液槽21に投入される。第1有機脂肪酸含有溶液槽21は、第1有機脂肪酸含有溶液31aを一定量満たしている。第1有機脂肪酸含有溶液槽21の大きさ及び形状は特に限定されないが、被処理部材10を有機脂肪酸含有溶液31aに浸漬できる十分な大きさと形状であり、被処理部材10の連続な搬送に支障のない大きさと形状で構成されていることが好ましい。図1及び図5の例では、上方から下方に向かって縦長に延びる矩形又は円筒形の水槽構造の投入部Aと、その投入部Aに引き続いて設けられて下から斜め上方に向かって延びる矩形又は円筒形の水槽構造の予熱部Bとで構成されている。投入部Aと予熱部Bの形態は、もちろんこれらに限定されない。
投入部Aは、図1及び図5で例示するように、上方から下方に向かって縦長に延びる矩形又は円筒形の水槽構造である。この投入部Aでは、第1有機脂肪酸含有溶液槽21中の有機脂肪酸含有溶液31aは、あまり高温ではなく、例えば30℃以上100℃以下程度に制御されていることが好ましい。その制御手段としては、投入部Aの槽周りにヒーターや冷却器を巻き付けて制御してもよいし、投入部Aの槽中にヒーターや冷却管を挿入して制御してもよい。好ましい温度は30℃以上70℃以下程度であり、このような高すぎない温度範囲にすることにより、有機脂肪酸含有溶液31aの蒸発を抑制することができるとともに、常温の被処理部材10がいきなり高温の有機脂肪酸含有溶液31aに投入されて熱膨張による不具合等が生じるのを防ぐことができる。
予熱部Bは、図1及び図5で例示するように、下方から上方に向かって斜めに延びる矩形又は円筒形の水槽構造である。この予熱部Bでは、第1有機脂肪酸含有溶液槽21中の有機脂肪酸含有溶液31aは、比較的高い温度であり、例えば100℃以上240℃以下程度に制御されていることが好ましい。その制御手段としては、予熱部Bの周りにヒーターや冷却器を巻き付けて制御してもよいし、予熱部Bの槽中にヒーターや冷却管を挿入して制御してもよい。好ましい温度は140℃以上220℃以下程度であり、このような温度範囲にすることにより、被処理部材10が約250℃前後の温度雰囲気に制御された空間部24に投入された場合の急激な熱膨張等による不具合等が生じるのを防ぐことができる。なお、この予熱部Bでは、槽が空間部24に連続しているので、有機脂肪酸含有溶液31aの蒸発は問題にならないという利点がある。
有機脂肪酸含有溶液31aは、第1有機脂肪酸含有溶液槽21中に収容れさている。この有機脂肪酸含有溶液31aは、炭素数が12以上20以下の有機脂肪酸を含む溶液であることが好ましい。炭素数11以下の有機脂肪酸でも使用可能ではあるが、そうした有機脂肪酸は、吸水性があり、予熱部Bで制御する例えば100℃以上240℃以下の温度域で使用する場合にはあまり好ましくない。また、炭素数21以上の有機脂肪酸は、融点が高いこと、浸透性が悪いこと、取扱いし難いこと等の難点がある。代表的なものとしては、炭素数16のパルミチン酸が好ましい。有機脂肪酸としては、炭素数16のパルミチン酸のみを用いることが特に好ましく、必要に応じて炭素数12以上20以下の有機脂肪酸、例えば炭素数18のステアリン酸を含有させることもできる。
有機脂肪酸含有溶液31aは、5質量%以上25質量%以下のパルミチン酸を含み、残部がエステル合成油からなるものが好ましく用いられる。こうした有機脂肪酸含有溶液31aを投入部Aと予熱部Bとでそれぞれの温度に加温して用いることにより、その有機脂肪酸含有溶液31aが被処理部材10の銅電極2の表面に存在する酸化物やフラックス成分等の不純物を選択的に取り込み、銅電極2の表面を清浄化することができる。特に、炭素数16のパルミチン酸を10質量%前後(例えば、5質量%以上15質量%以下)含有する有機脂肪酸含有溶液31aが好ましい。なお、有機脂肪酸含有溶液31aには、ニッケル塩やコバルト塩等の金属塩や酸化防止剤等の添加剤は含まれていない。
有機脂肪酸の濃度が5質量%未満では、銅電極2の表面に存在する酸化物やフラックス成分等の不純物を選択的に取り込んで精製する効果がやや低く、さらに低濃度での管理が煩雑になることがある。一方、有機脂肪酸の濃度が25質量%を超えると、有機脂肪酸含有溶液31aの粘度が高くなること、300℃以上の高温領域では発煙と悪臭の問題を生ずること、等の問題がある。したがって、有機脂肪酸の含有量は、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、特に炭素数16のパルミチン酸のみを用いる場合は、10質量%前後(例えば、5質量%以上15質量%以下)の含有量であることが好ましい。
第1有機脂肪酸含有溶液槽21では、上記した有機脂肪酸含有溶液31aに投入された被処理部材10が浸漬し、その結果、被処理部材10が有する銅電極2の表面に存在する酸化物や不純物等が除去されて清浄化される。そして、銅電極2の表面は、有機脂肪酸含有溶液31aを構成する有機脂肪酸のコーティング層3(図4(B)参照)が形成される。このコーティング層3は、銅電極2の表面を清浄し、さらには銅電極2の表面の酸化を抑制して酸化被膜の生成を防ぐことができる。
(空間部)
被処理部材10は、図1及び図5に示すように、投入部Aと予熱部Bの第1有機脂肪酸含有溶液槽21で処理された後、処理部Cである空間部24に移動する。空間部24は、有機脂肪酸含有溶液31aと同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液31bの蒸気雰囲気の加圧された空間部であって、被処理部材10に設けられている銅電極2に向けて溶融はんだ5aの噴流5’を吹き付ける噴射手段33及び余剰の溶融はんだ5aに液体を吹き付けて除去する噴射手段34を水平方向に備えている空間部である。
この空間部24は、有機脂肪酸含有溶液の蒸気等で満たされており、加圧状態になっていることが好ましい。空間部24の圧力は特に限定されないが0.1Pa前後であることが好ましい。特に有機脂肪酸含有溶液の蒸気によって上記範囲の加圧状態になっていることにより、被処理部材10の銅電極2が酸化したり不純物で汚染されることがない。この空間部24は、有機脂肪酸含有溶液31で空間部24の天面まで満たした後、先ず、窒素ガスを導入して有機脂肪酸含有溶液の液面を下げて図1に示す空間部24を形成し、その後、有機脂肪酸含有溶液31bを加温して空間部24をその蒸気で満たすことによって形成される。
空間部24の雰囲気温度は、はんだ付けする溶融はんだ5aの温度と同じ又はそれに近い温度であることが好ましい。同じ温度であってもよいが、溶融はんだ5aの温度よりもやや高く設定することが好ましい。例えば、溶融はんだ5aの噴流温度に比べて、2℃以上10℃以下の高さで設定されていることが好ましく、2℃以上5℃以下の雰囲気温度に設定されていることが好ましい。この温度範囲内とすることにより、銅電極2の表面に噴射した後の溶融はんだ5aの噴流5’をその銅電極2の表面に満遍なく流動させることができ、特にファインピッチの銅電極や小面積の銅電極の表面の隅々にまで溶融はんだ5aを広げることができる。雰囲気温度が溶融はんだ5aの噴流温度よりも低い場合は、溶融はんだ5aの粘度が低下して溶融はんだ5aの流動性が低下することがあり、一方、雰囲気温度が10℃を超える高さで設定されると、温度が高すぎて被処理部材10に熱ダメージを与えるおそれがある。
空間部24の下には有機脂肪酸含有溶液槽22があり、その有機脂肪酸含有溶液槽22から蒸発した有機脂肪酸含有溶液の蒸気が空間部24を満たしている。有機脂肪酸含有溶液槽22は、有機脂肪酸含有溶液31bを一定量満たしている。有機脂肪酸含有溶液槽22の大きさ及び形状は特に限定されないが、空間部24の圧力を0.1MPa前後にする蒸気を発生させることができる程度の有機脂肪酸含有溶液31bを収容できる十分な大きさと形状であることが好ましい。図1及び図5の例では、空間部24の真下に矩形又は円筒形の水槽構造で構成されている。
有機脂肪酸含有溶液31bの温度は、そこから蒸発した蒸気で空間部24の温度を溶融はんだ5aの噴流温度と同じ又は略同じ温度とすることから、溶融はんだ5aの噴流温度によって決まる。例えば溶融はんだ5aの噴流温度が250℃である場合は、有機脂肪酸含有溶液31bの温度も同じ又は同程度の温度であることが好ましい。こうした温度に設定することにより、有機脂肪酸含有溶液31bから蒸発した蒸気の温度を、溶融はんだ5aの噴流温度と同じ又は同程度の温度にすることができる。有機脂肪酸含有溶液31bの温度の制御手段としては、有機脂肪酸含有溶液槽22の周りにヒーターや冷却器を巻き付けたり、槽中にヒーターや冷却管を挿入したり、槽中の有機脂肪酸含有溶液31bを温調機器(図示しない)に循環して温度制御してもよい。
有機脂肪酸含有溶液31bは、第1有機脂肪酸含有溶液槽21中の有機脂肪酸含有溶液31aと同じく、炭素数が12以上20以下の有機脂肪酸を含む溶液であることが好ましい。代表的なものとしては、炭素数16のパルミチン酸が好ましい。有機脂肪酸としては、炭素数16のパルミチン酸のみを用いることが特に好ましく、必要に応じて炭素数12以上20以下の有機脂肪酸、例えば炭素数18のステアリン酸を含有させることもできる。
有機脂肪酸含有溶液31bは、5質量%以上25質量%以下のパルミチン酸を含み、残部がエステル合成油からなるものが好ましく用いられる。こうした有機脂肪酸含有溶液31bを有機脂肪酸含有溶液槽22で加温して蒸気発生源として用いることにより、発生した蒸気が被処理部材10の銅電極2の表面に存在する酸化物やフラックス成分等の不純物を選択的に取り込み、銅電極2の表面を清浄化することができる。特に、炭素数16のパルミチン酸を10質量%前後(例えば、5質量%以上15質量%以下)含有する有機脂肪酸含有溶液31aが好ましい。なお、有機脂肪酸含有溶液31aには、ニッケル塩やコバルト塩等の金属塩や酸化防止剤等の添加剤は含まれていない。なお、有機脂肪酸の濃度の上下限は、有機脂肪酸含有溶液31aで説明したのと同じであるので、ここではその説明を省略する。
(溶融はんだの噴射処理)
処理部Cである空間部24では、被処理部材10の銅電極2に向けて溶融はんだ5aの噴射処理が行われる。噴射処理は、溶融はんだ5aの噴流5’を吹き付ける噴射手段33によって行われ、例えば図1及び図5に示すような噴射ノズル33が好ましく用いられる。
最初に、噴射ノズル33から噴射される溶融はんだ5aについて説明する。溶融はんだ5aとしては、はんだを加熱して溶融させ、噴流5’として吹き付けることができる程度に流動化させたものを用いる。その加熱温度は、はんだ組成によって任意に選択されるが、通常、150℃以上300℃以下程度の範囲内から良好な温度が設定される。本発明では、錫を主成分とし、ニッケルを副成分として少なくとも含み、さらに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン及びゲルマニウムから選ばれる1種又は2種以上を副成分として任意に含む溶融鉛フリーはんだが用いられる。
好ましいはんだ組成は、Sn−Ni−Ag−Cu−Ge合金であり、具体的には、ニッケル0.01質量%以上0.5質量%以下、銀2質量%以上4質量%以下、銅0.1質量%以上1質量%以下、ゲルマニウム0.001質量%以上0.02質量%以下、残部が錫のはんだ合金を用いることが、銅食われを安定して防ぐことができるCuNiSn金属間化合物4(図8(B)参照。)を形成するために好ましい。そうしたCuNiSn金属間化合物4を形成するための特に好ましい組成は、0.01質量%以上0.07質量%以下、銀0.1質量%以上4質量%以下、銅0.1質量%以上1質量%以下、ゲルマニウム0.001質量%以上0.01質量%以下、残部が錫のはんだ合金である。こうしたSn−Ni−Ag−Cu−Ge合金ではんだ付けする場合は、240℃以上260℃以下の温度の溶融はんだ5aとして用いることが好ましい。
また、ビスマスを含むはんだは、溶融はんだ5aの加熱温度をさらに低温化することができ、その成分組成を調整することにより、例えば150℃近くまで低温化させることができる。こうした低温化は、空間部24内の蒸気の温度も下げることができるのでより好ましい。ビスマスを含有するはんだ組成も、上記同様、ニッケルを0.01質量%以上0.5質量%以下含有することが好ましく、0.01質量%以上0.07質量%以下含有することがより好ましい。こうすることにより、CuSn金属間化合物層4を容易に形成できる低温型の溶融はんだ5aとすることができる。
また、その他の亜鉛やアンチモンも、必要に応じて配合される。いずれも場合であっても、はんだ組成は、少なくともニッケルを0.01質量%以上0.5質量%以下含有することが好ましく、0.01質量%以上0.07質量%以下含有することがより好ましい。
こうした組成の溶融はんだ5aは、鉛を含まない鉛フリーはんだであるとともに、上記含有量のニッケルを必須に含むので、図8(B)に示すように、溶融はんだ5aに含まれるニッケルが銅電極2の銅と化合し、さらに溶融はんだ5aの錫とも化合して、CuNiSn金属間化合物層4を銅電極2の表面に容易に形成することができる。形成されたCuNiSn金属間化合物層4は、銅電極2の銅溶食防止層として作用し、銅電極2の欠損や消失を防ぐように作用する。したがって、CuNiSn金属間化合物層4を有するはんだ層5は、その後において、そのはんだ層5が形成された基板をはんだ槽中にディッピングするディッピング工程に投入する場合のように、銅電極2にとって過酷とも言える処理にも容易に耐えることができる。そのため、低コストのはんだディッピング工程を適用しても、歩留まりがよく、信頼性の高いはんだ層5を形成できる。さらに、そのはんだ層5を利用した電子部品の実装を低コストで信頼性高く行うことができる実装基板を歩留まりよく得ることができる。
溶融はんだ5aに含まれるニッケル含有量は、後述の実施例に示すように、CuNiSn金属間化合物層4の厚さに影響する。具体的には、ニッケル含有量が0.01質量%以上、0.5質量%以下(好ましくは0.07質量%以下)の範囲では、1μm以上3μm以下程度の略均一厚さのCuNiSn金属間化合物層4を生成できる。この範囲内の厚さのCuNiSn金属間化合物層4は、銅電極2中の銅が溶融はんだ5a中又ははんだ層5中に溶け込んで溶食されるのを防ぐことができる。
ニッケル含有量が0.01質量%では、CuNiSn金属間化合物層4の厚さが約1μm以上1.5μm以下程度になり、ニッケル含有量が例えば0.07質量%では、CuNiSn金属間化合物層4の厚さが約2μm程度になり、ニッケル含有量が0.5質量%では、CuNiSn金属間化合物層4の厚さが約3μm程度になる。
ニッケル含有量が0.01質量%未満では、CuNiSn金属間化合物層4の厚さが1μm未満になって、そのCuNiSn金属間化合物層4が銅電極2を覆いきれない箇所が生じ、その箇所から銅の溶食が起こりやすくなることがある。ニッケル含有量が0.5質量%を超えると、硬いCuNiSn金属間化合物層4が厚さ3μmを超えてさらに厚くなり、そのCuNiSn金属間化合物層4に亀裂が生じることがある。その結果、その亀裂部分から銅の溶食が起こりやすくなる。なお、好ましいニッケル含有量は0.01質量%以上0.07質量%以下であり、この範囲のニッケル含有量を有する溶融はんだ5aは、ニッケル含有量が0.07質量%を超え、0.5質量%以下の場合に比べて、CuNiSn金属間化合物層4の亀裂を起こすことがなく、平滑な均一層を形成することができる。
溶融はんだ5aとして用いるはんだは、精製処理されていることが好ましい。具体的には、炭素数12〜20の有機脂肪酸を5質量%以上25質量%以下含有する溶液を180℃以上350℃以下に加熱し、その加熱された溶液と溶融はんだ5aとを接触させて激しく撹拌混合する。こうすることにより、酸化銅とフラックス成分等で汚染された精製処理前の溶融はんだ5aを清浄化することができ、酸化銅やフラックス成分等を除去した溶融はんだ5aを得ることができる。その後、酸化銅やフラックス成分等が除去された溶融はんだ5aを含む混合液を、有機脂肪酸含有溶液貯槽(図示しない)に導入し、その有機脂肪酸含有溶液貯槽中において比重差で分離した清浄化後の溶融はんだ5aをその有機脂肪酸含有溶液貯槽の底部からポンプで鉛フリーはんだ液貯槽に戻す。こうした精製処理を行うことで、噴流として使用する溶融はんだ5a中の銅濃度及び不純物濃度の経時的な上昇を抑制し、かつ酸化銅やフラックス残渣等の不純物を鉛フリーはんだ液貯槽に持ち込ませないようにすることができる。その結果、鉛フリーはんだ液貯槽内の溶融はんだ5aの経時的な組成変化を抑制することができるので、安定した接合信頼性の高い溶融はんだ5aを用いたはんだ層5を連続して形成することができる。また、そうしたはんだ層5を備えた実装基板を連続して製造することができる。
精製された溶融はんだ5aは、はんだ層5の接合品質に影響する酸化銅やフラックス残渣等の不純物を含まない。その結果、はんだ層5と電子部品との接合品質のロット間ばらつきがなくなり、経時的な品質安定性に寄与することができる。
精製に用いる有機脂肪酸含有溶液に含まれる有機脂肪酸は、上記した有機脂肪酸含有溶液31a,31bが含むものと同じであるので、ここではその説明を省略する。なお、精製に用いる有機脂肪酸含有溶液の温度は、精製する溶融はんだ5aの融点で決まり、有機脂肪酸含有溶液と溶融はんだ5aとは、少なくとも溶融はんだ5aの融点以上の高温領域(一例としては240℃〜260℃)で激しく撹拌接触させる。また、有機脂肪酸含有溶液の上限温度は、発煙の問題や省エネの観点から350℃程度であり、望ましくは精製処理する溶融はんだ5aの融点以上の温度〜300℃の範囲である。例えば、ニッケル0.01質量%以上0.07質量%以下、銀0.1質量%以上4質量%以下、銅0.1質量%以上1質量%以下、ゲルマニウム0.001質量%以上0.01質量%以下、残部が錫のはんだ合金は、240℃以上260℃以下の温度で溶融はんだ5aとして用いるので、有機脂肪酸含有溶液の温度もそれと同じ240℃以上260℃以下程度であることが好ましい。
こうした有機脂肪酸含有溶液で精製した溶融はんだ5aは、図1及び図6に示すように、噴射手段33から被処理部材10に向かって噴流5’として噴霧される。噴射手段33からの溶融はんだ5aの噴射圧力は特に限定されず、溶融はんだ5aの種類、温度、粘度等に応じて任意に設定される。通常は0.3MPa〜0.8MPa程度の圧力で噴射する。雰囲気温度は、上記したように、溶融はんだ5aの噴流温度と同じ又はそれに近い温度(好ましくはやや高い温度)であることが好ましい。こうして、図4及び図6に示すように、盛り上がった溶融はんだ5aが設けられる。また、噴射手段33から吹付ける溶融はんだの噴流5’の流速と吹付け処理時間は、溶融はんだ5aの種類等を考慮して任意に設定する。また、噴射手段33の形状と吹付け角度等の条件についても、溶融はんだ5aの種類等を考慮して任意に適用又は設定する。
(余剰の溶融はんだの除去処理)
溶融はんだ5aが盛られた被処理部材10は、図6に示すように、処理部Cである空間部24内を水平移動して、余剰の溶融はんだ5aに液体を吹き付けて除去する工程に移行する。こうした余剰の溶融はんだ5aの除去工程は、図4(C)及び図7に示すように、銅電極2上に盛り上がった溶融はんだ5aを除去して、除去しきれない溶融はんだ5aのみを残す工程である。除去しきれない溶融はんだ5aとは、銅電極2上に形成されたCuNiSn金属間化合物層4に付着した溶融はんだ5aのことであり、その付着した溶融はんだ5aがはんだ層5を構成する。
溶融はんだ5aを除去するための液体は、液体であれば特に限定されないが、空間部24が有機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気であることから、有機脂肪酸含有溶液が用いられる。なお、窒素ガス等の不活性ガスを一部混入させてもよいが、酸素を含む空気や水等は、はんだ層5の酸化や有機脂肪酸含有溶液への相溶性の観点から混入させない。噴射手段34からの液体の噴射圧力は特に限定されず、溶融はんだ5aの種類、温度、粘度等に応じて任意に設定される。通常は0.2MPa〜0.4MPa程度の圧力で噴射する。
噴射液体として用いる有機脂肪酸含有溶液としては、有機脂肪酸含有溶液槽22中の有機脂肪酸含有溶液31bと同じものを用いることが好ましい。液体は、有機脂肪酸含有溶液31bの温度を溶融はんだ5aの温度(例えば250℃前後)と同じ又は略同じになるように加熱した液体を用いる。こうして余剰の溶融はんだ5aを吹き飛ばすと同時に、露出した溶融はんだ5aの表面には、有機脂肪酸のコーティング層6(図10(B)参照)を形成できる。
(溶融はんだの再利用)
空間部24内の噴射手段33の下には、図1に示すように、噴射された溶融はんだ5aを再利用するために回収する受け皿37が設けられていてもよい。また、図5に示すように、噴射手段33の下方の有機脂肪酸含有溶液31bの底に貯まった溶融はんだ5aを、溶融はんだ5aを吹き付ける噴射手段33に送るための循環装置37aを備えていてもよい。
同様に、空間部24内の噴射手段34の下にも、図1に示すように、余剰の溶融はんだの除去により除去された溶融はんだ5aを再利用するために回収する受け皿38が設けられていてもよい。また、余剰の溶融はんだの除去により除去された溶融はんだ5aが下方に落ちて、下方の有機脂肪酸含有溶液31bの底に貯まった場合も、図5に示すように、溶融はんだ5aを吹き付ける噴射手段33に送るための循環装置37aを備えていてもよい。
なお、噴射した有機脂肪酸含有溶液と、その有機脂肪酸含有溶液とともに除去された溶融はんだ5aとは、比重差で分離され、有機脂肪酸含有溶液の底に沈んだ溶融はんだ5aを取り出して、有機脂肪酸含有溶液と分離することができる。分離された溶融はんだ5aと有機脂肪酸含有溶液は、再利用することができる。
(第2有機脂肪酸含有溶液への浸漬処理)
余剰の溶融はんだ5aを除去した後の被処理部材10は、処理部Cである空間部24から再投入部D及び冷熱部Eを含む第2有機脂肪酸含有溶液槽23に搬送され、第2有機脂肪酸含有溶液槽23中の第2有機脂肪酸含有溶液31cに再び浸漬される。第2有機脂肪酸含有溶液槽23は、温度が高い再投入部Dと、その再投入部Dのさらに後工程に位置して温度が低い冷熱部Eとで構成されている。
再投入部Dは、例えば図1及び図5に示すように、上方から下方に向かって斜めに延びる矩形又は円筒形の水槽構造であり、処理部Cで処理された被処理部材10が再び有機脂肪酸含有溶液31cに投入される領域である。その再投入部Dでは、有機脂肪酸含有溶液31cの温度が前記した予熱部Bと同じ温度に制御されていることが好ましい。すなわち、再投入部Dでは、第2有機脂肪酸含有溶液槽23中の有機脂肪酸含有溶液31cは、比較的高い温度であり、例えば100℃以上240℃以下程度に制御されていることが好ましい。その制御手段としては、再投入部Dの周りにヒーターや冷却器を巻き付けて制御してもよいし、再投入部Dの槽中にヒーターや冷却管を挿入して制御してもよい。好ましい温度は140℃以上220℃以下程度である。このような温度範囲にすることにより、約250℃前後の温度雰囲気に制御された空間部24内から搬送される被処理部材10が急冷されることを防ぎ、急激な熱収縮等による不具合等が生じるのを防ぐことができる。なお、この再投入部Dでは、第2有機脂肪酸含有溶液槽23と空間部24とが連続しているので、有機脂肪酸含有溶液31cの蒸発は問題にならないという利点がある。
有機脂肪酸含有溶液31cは、第2有機脂肪酸含有溶液槽23中に収容れさている。この有機脂肪酸含有溶液31cは、既述した有機脂肪酸含有溶液31a,31bと同じものであることが好ましく、ここではその説明を省略する。なお、この有機脂肪酸含有溶液31cは、既述の有機脂肪酸含有溶液31a,31bとは異なり、若干違う組成の有機脂肪酸含有溶液31cにすることも可能である。その理由は、既述の有機脂肪酸含有溶液31a,31bは、いずれも銅電極2の表面に直接作用するものであり、銅電極表面の清浄化や溶融はんだ5aの清浄化を行うものであるが、ここでの有機脂肪酸含有溶液31cは、既に銅溶食防止層4とはんだ層5が設けられた後の再投入部Dであるからである。したがって、有機脂肪酸として炭素数16のパルミチン酸のみを用いることが好ましい有機脂肪酸含有溶液31a,31bとは異なり、炭素数が12以上20以下の有機脂肪酸を含む溶液でもかまわない。
冷熱部Eは、例えば図1及び図5に示すように、再投入部Dに引き続いて第2有機脂肪酸含有溶液槽23内に配置されている。冷熱部Eは、下方から上方に向かって上に延びる矩形又は円筒形の水槽構造であり、再投入部Dで処理された処理部材11がさらに低い温度の有機脂肪酸含有溶液31cで冷却される領域である。その冷熱部Eでは、有機脂肪酸含有溶液31cの温度が前記した投入部Aと同じ温度に制御されていることが好ましい。
具体的には、冷熱部Eでは、第2有機脂肪酸含有溶液槽23中の有機脂肪酸含有溶液31cは、あまり高温ではなく、例えば30℃以上100℃以下程度に制御されていることが好ましい。その制御手段としては、冷熱部Eの槽周りにヒーターや冷却器を巻き付けて制御してもよいし、冷熱部Eの槽中にヒーターや冷却管を挿入して制御してもよい。好ましい温度は30℃以上60℃以下程度であり、このような高すぎない温度範囲にすることにより、有機脂肪酸含有溶液31cの蒸発を抑制することができるとともに、高温の処理部材11がいきなり常温の外気に曝されて熱収縮による不具合等が生じるのを防ぐことができる。
(その後の工程)
第2有機脂肪酸含有溶液槽23の後においては、図1及び図5に示すように、処理後の処理部材11の表面に付着した有機脂肪酸含有溶液31cを液切りする。この除去は、エアーノズル等の噴射手段39を用いることが好ましい。このときの噴射手段39の噴射圧力は特に限定されず、処理部材11の大きさや形状に応じて任意に設定される。こうして、処理後の処理部材11を得ることができる。
得られた処理部材11がプリント基板等の基板である場合は、その基板の銅電極2の表面には、銅溶食防止層4と最小限のはんだ層5と有機脂肪酸コーティング層6とがその順で設けられている。その結果、その基板がその実装工程で、種々の溶融はんだ槽にディッピングされたり、ペーストはんだを印刷した後にリフロー炉に投入されたり、焼成路に投入されたりした場合であっても、銅電極2の銅食われが起きず、しかもはんだ濡れ性を損なわず、その後に実装工程で処理することができる。
得られた処理部材11が電子部品である場合も、その電子部品の銅電極2の表面には、銅溶食防止層4と最小限のはんだ層5と有機脂肪酸コーティング層6がその順で設けられている。その結果、その電子部品の実装工程で、種々の溶融はんだ槽にディッピングされたり、印刷されたペーストはんだ上に載置された後にリフロー炉に投入されたり、焼成路に投入されたりした場合であっても、電子部品の銅電極2の銅食われが起きず、しかもはんだ濡れ性を損なわず、その後に実装工程で処理することができる。
以上説明したように、本発明に係るはんだ付け装置20及び方法は、第1有機脂肪酸含有溶液31aへの浸漬処理、空間部24内での溶融はんだ5aの噴射処理、同空間部24内を水平移動させて行う余剰の溶融はんだ5aの除去処理、及び第2有機脂肪酸含有溶液31cへの浸漬処理を連続して行うので、従来のディッピング処理のような銅電極の銅溶食が起こらず、しかもその後の種々の実装工程での銅溶食を起こさない基板や電子部品を製造することができる。その結果、電気的接続部である銅電極2の信頼性が高く、歩留まりのよい基板や電子部品を低コストで製造することができる。
特に、有機脂肪酸含有溶液31aに浸漬した後に、その有機脂肪酸含有溶液31aと同じ又は略同じ有機脂肪酸含有溶液31bの蒸気雰囲気の空間24中で、被処理部材10に設けられている銅電極2に向けて溶融はんだ5aの噴流5’を吹き付け、さらに、その空間24内を水平移動させた後に余剰の溶融はんだ5aに液体31’を吹き付けて除去するので、清浄化された銅電極表面に銅溶食防止層4が欠陥なく一様に形成され、しかも余剰の溶融はんだ5aを除去した状態で再び有機脂肪酸含有溶液31cに浸漬して有機脂肪酸コーティング層6を設けている。その結果、銅溶食防止層4上に最小限のはんだ層5を設けた状態でそのはんだ層5のはんだ濡れ性を維持する有機脂肪酸コーティング層6が設けられているので、その後の実装工程で、種々の溶融はんだ槽にディッピングされたり、ペーストはんだを印刷した後にリフロー炉に投入されたり、焼成路に投入されたりした場合であっても、銅電極の銅食われが起きず、しかもはんだ濡れ性を損なわず、その後に実装工程で処理することができる。
[製造された基板及び電子部品]
本発明に係る基板10は、図3に示すように、上記本発明に係るはんだ付け装置20又ははんだ付け方法で製造された基板であって、その基板10が有する銅電極2は、その表面から、銅溶食防止層4、はんだ層5及び有機脂肪酸コーティング層6の順で設けられている。基板10としては、プリント基板、ウエハー及びフレキシブル基板等の各種の基板を挙げることができる。特にウエハーは、電極の幅やピッチが狭いので、本発明に係る装置及び方法を適用することが好ましく、狭ピッチの微細電極に、はんだ層5を精度よく設けることができる。また、大きな電子部品を設けるプリント基板やフレキシブル基板の場合も、そのはんだ層5の表面を清浄化した状態で保持し、又はその後の工程で処理できるので、信頼性がある基板として用いることができる。
また、本発明に係る電子部品は、図10及び図11に示すように、上記本発明に係るはんだ付け装置20又ははんだ付け方法で製造された電子部品40,51,52であって、その電子部品40,51,52が有する銅電極2は、その表面から、銅溶食防止層4、はんだ層5及び有機脂肪酸コーティング層6の順で設けられている。電子部品としては、半導体チップ、半導体モジュール、ICチップ、ICモジュール、誘電体チップ、誘電体モジュール、抵抗体チップ、抵抗体モジュール、等々を挙げることができる。
こうした基板及び電子部品によれば、その後のリフロー炉や焼成路等で熱が加わっても、銅溶食防止層4で銅電極2の銅溶食がブロックされる。その結果、種々の工程を経て行われる電子部品の実装工程での電気的接続部(銅電極部)の信頼性が低下せず、しかも歩留まりよく製造できるので、低コストで信頼性の高い基板及び電子部品を提供できる。
以下、実施例と比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
一例として、基材1に幅が例えば200μmで厚さが例えば10μmの銅配線パターンが形成された基板10(例えば図2を参照。)を準備した。この基板10は、銅配線パターンのうち、電子部品の実装部分となる幅が例えば200μmで長さが例えば50μmの銅電極2のみが多数露出し、他の銅配線パターンは絶縁層で覆われている。
図1に示す各部の有機脂肪酸含有溶液31a,31b,31cとして、ニッケル塩やコバルト塩等の金属塩や酸化防止剤等が含まれていないエステル合成油にパルミチン酸を10質量%になるように含有させて、有機脂肪酸含有溶液を調製した。投入部Aの有機脂肪酸含有溶液31aの温度を50℃に制御し、予熱部Bの有機脂肪酸含有溶液31aの温度を200℃に制御し、処理部Cの有機脂肪酸含有溶液31bの温度を250℃に制御し、再投入部Dの有機脂肪酸含有溶液31cの温度を200℃に制御し、冷熱部Eの有機脂肪酸含有溶液31cの温度を50℃に制御した。
用いた溶融はんだ5aは、Ni:0.05質量%、Ge:0.005質量%、Ag:3質量%、Cu:0.5質量%、残部がSnからなる5元系鉛フリーはんだを用い、250℃に加熱して溶融はんだ5aとして準備した。
空間部24は、最初に有機脂肪酸含有溶液を天面まで満たした後に窒素ガスを導入して上部空間を形成し、その状態で有機脂肪酸含有溶液31bの温度を250℃まで昇温して、上部空間を有機脂肪酸含有溶液31bの蒸気で満たした。こうして準備されたはんだ付け装置20に基板10を投入した。
図2(A)に示す基板10を搬送して投入部Aと予熱部Bとを経る間に、有機脂肪酸コーティング層3を銅電極2の表面に付着させた。この有機脂肪酸コーティング層3は、有機脂肪酸含有溶液31aで銅表面を清浄化した結果として付着されるものである。基板10を、予熱部Bを経た後に処理部Cに入れ、図6に示すように、基板10の上面と下面に向けられてセットした噴射ノズル33から、例えば250℃の溶融はんだ5aの噴流5’を噴射した。溶融はんだ5aが吹き付けられた銅電極2上には、図4(C)に示すように、溶融はんだ5aが盛られた状態になった。引き続いて、図7に示すように、基板10の上面と下面にいずれも例えば30°(図7参照。)に傾けてセットした噴射ノズル34から、例えば250℃の有機脂肪酸含有溶液31aを噴射した。その結果、図4(D)に示す形態の基板を得た。なお、この基板11のはんだ層5上には、有機脂肪酸コーティング層6が設けられている。その後、基板11を、再投入部D及び冷熱部Eに順に搬送し、その冷熱部Eで有機脂肪酸含有溶液31cから出た直後に、エアーノズルからのエアー噴射により液切りした。こうして基板を11を得た。
得られた基板11のはんだ層5の断面の走査型電子顕微鏡写真形態を図12(C)に示した。図12(C)に示す断面写真から、CuNiSn金属間化合物層4の厚さを走査型電子顕微鏡写真で測定したところ、1.5μmの厚さで均一に形成されていた。また、図12(D)は、150℃で240時間エージングした後のはんだ層5の断面の走査型電子顕微鏡写真形態である。ボイド等の不具合は発生していなかった。また、その断面をX線マイクロアナライザー(EPMA)の元素マッピングで評価し、図13に示した。
[比較例1]
実施例1において、はんだ材料として、Ag:3質量%、Cu:0.5質量%、残部がSnからなる3元系鉛フリーはんだを用いた他は、実施例1と同様にして、比較例1に係る基板を得た。実施例1と同様に、断面の走査型電子顕微鏡写真から、CuNiSn金属間化合物層は存在せず(図12(A)を参照。)、銅電極2上には、CuSn金属間化合物層13bが形成されていた。また、図12(B)は、150℃で240時間エージングした後のはんだ層5の断面の走査型電子顕微鏡写真形態である。ボイド等の不具合が発生していた。
1 被処理部材(基板)
2 銅電極
3 コーティング層
4 銅溶食防止層
5 はんだ層
5’ 溶融はんだの噴流
5a 溶融はんだ
6 コーティング層
7 CuSn化合物層
10 被処理部材(基板又は電子部品)
11 処理部材(基板又は電子部品)
20 はんだ付け装置
21 第1有機脂肪酸含有溶液槽
22 有機脂肪酸含有溶液槽
23 第2有機脂肪酸含有溶液槽
24 空間部
31,31a,31b,31c 有機脂肪酸含有溶液
31’ 有機脂肪酸含有溶液の噴流
32 有機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気
33 噴射手段(溶融はんだの噴射ノズル)
34 噴射手段(有機脂肪酸含有溶液の噴射ノズル)
35 溶融はんだの供給経路
36 有機脂肪酸含有溶液の供給経路
37,38 溶融はんだを回収する受け皿
37a 溶融はんだの循環装置
39 噴射手段(余剰の有機脂肪酸含有溶液の除去手段)
40 電子部品
41 素子
42 電子部品の保持ジグ
51,52 半導体チップ
A 投入部
B 予熱部
C 処理部
D 再投入部
E 冷熱部

Claims (11)

  1. 銅電極を有する被処理部材を有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる第1有機脂肪酸含有溶液槽と、
    機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気の空間部であって、前記被処理部材に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付ける噴射手段及び余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去する噴射手段を水平方向に備えた空間部と、
    余剰の前記溶融はんだを除去した後の被処理部材を再び有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる第2有機脂肪酸含有溶液槽と、を少なくとも備えることを特徴とするはんだ付け装置。
  2. 前記有機脂肪酸含有溶液がパルミチン酸含有溶液である、請求項に記載のはんだ付け装置。
  3. 前記溶融はんだが前記有機脂肪酸含有溶液で処理された溶融はんだである、請求項1に記載のはんだ付け装置。
  4. 前記余剰の溶融はんだを除去する液体が前記有機脂肪酸含有溶液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  5. 前記第2有機脂肪酸含有溶液槽の後に処理後の処理部材の表面に付着した有機脂肪酸含有溶液を液切りする噴射手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  6. 前記第1有機脂肪酸含有溶液槽と第2有機脂肪酸含有溶液槽の温度が、前記空間部内の温度よりも高く、該空間部内の温度が、該空間部内で吹き付ける溶融はんだの温度と同じ又はその温度よりも高い、請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  7. 前記被処理部材に吹き付けられた溶融はんだを再利用するために回収する受け皿が、前記噴射手段の下方の前記空間部内に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  8. 前記噴射手段の下方の前記有機脂肪酸含有溶液の底に貯まった溶融はんだを、前記溶融はんだを吹き付ける前記噴射手段に送るための循環装置を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  9. 銅電極を有する被処理部材を有機脂肪酸含有溶液に浸漬させる工程と、
    該浸漬工程後、機脂肪酸含有溶液の蒸気雰囲気の空間中で、前記被処理部材に設けられている銅電極に向けて溶融はんだの噴流を吹き付ける工程と、
    該吹き付け工程後、前記と同じ空間内を水平方向に移動させ、吹き付けられた前記溶融はんだのうちの余剰の溶融はんだに液体を吹き付けて除去する工程と、余剰の前記溶融はんだを除去した後の被処理部材を再び有機脂肪酸含有溶液に浸漬させ工程と、を少なくとも備えることを特徴とするはんだ付け方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のはんだ付け装置又は請求項9に記載のはんだ付け方法で製造された基板であって、該基板が有する銅電極は、その表面から、銅溶食防止層、はんだ層及び有機脂肪酸コーティング層の順で設けられていることに特徴とする基板。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のはんだ付け装置又は請求項9に記載のはんだ付け方法で製造された電子部品であって、該電子部品が有する銅電極は、その表面から、銅溶食防止層、はんだ層及び有機脂肪酸コーティング層の順で設けられていることに特徴とする電子部品。
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