JP5079052B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明はパチンコ遊技機等の遊技機に装備されて電飾機能を発揮する導光部材の改良に関する。
パチンコ機、アレンジボール等の遊技機においては、従来から、単なる照明効果のみならず、遊技盤上における遊技状態の変化等の状況変化を視覚的に表現、報知したり、遊技進行上での電飾効果を図る等の目的から、盤面、盤面部品、その他任意の部位にLEDランプやフィラメント式ランプ等の光源を配置している。
また、人物、動物、アニメのキャラクタ等を象った盤面部品にチップLEDを搭載し、遊技の進行に応じてLEDを発光させることによって遊技進行上特徴的な演出効果を発揮させるようにした電飾装置も知られている。
LEDは発光面積が小さいいわゆる点光源であるため、広い照明面積を得るためには、盤面部品に搭載するLED数を増やしたり、導光部材、拡散フィルム等を用いて光を拡散する必要がある。しかし、LED数の増大は設置スペース、重量制限などから限界があり、また導光部材等を用いて光を拡散するに際しては厚さ寸法が増大するという問題が発生する。
例えば特許文献1には、点光源としての光源ランプ(トップビュータイプLED)の前面側に配置された透光性のカバー部材の面に、透光性及び光拡散性を有したフィルムを添設すると共に、カバー部材の前方にレンズを配置することにより、点光源からの光を拡散させるようにした発光飾り装置が開示されている。
しかし、正面から見た場合にレンズの中心部に位置するトップビュータイプLEDからの発光が強く視認される点光りを解消することは依然として困難である。また、このようなトップビュータイプLEDからの光を拡散させるためには、LEDとカバー部材の内側面との間に十分なギャップを確保する必要があって全体厚みが増大するため、薄型化を求められる電飾装置に適用することが難しかった。
特開2005−204797公報
このようにチップLEDを用いた電飾装置において、発光光量を増大し、発光範囲を拡大するためには、使用するLEDの個数を増大することが最も容易な対策ではあるが、電飾装置の重量増、コストアップをもたらすため得策ではない。つまり、電飾装置に使用可能なLEDの個数は、レイアウト上、制約されることが多い。
チップLEDは点光源であるため、LEDからの出射光のビーム径を大幅に上回る面積を有した導光部材に出射した場合、導光部材よる拡散作用だけでは光を均一、且つ広い範囲に亘って拡散することが困難であり、前方から導光部材を視認した際にLED近傍の輝度が高く、LEDから遠くなるほど輝度が低くなる光量ムラ、輝度ムラが認識され易い。
また、チップLEDからの光を拡散させるためには、LEDと導光部材の内側面との間に十分なギャップを確保する必要があり全体厚みが増大するため、薄型化を求められる電飾装置に適用することが難しかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、点光りするという欠点を有したLEDを用いながらも、導光部材の正面への出射光範囲を広く拡散させるとともに、点光りを極力抑制して演出効果を高めるようにした導光部材を提供することを目的としている。
また、本発明はLEDと導光部材との間のギャップを可能な限り減縮することにより、薄型化を達成することを目的としている。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、イルミネーションユニットを備えた遊技機であって、前記イルミネーションユニットは、LEDと対向して離間配置され該LEDからの出射光を受光して内部に入射させる受光領域と、前記受光領域の外径側に略同心円状に交互に連続した複数の突条及び溝から成る凹凸反射面を備えた拡散内反射領域と、前記受光領域と対向配置された対向出射領域と、該対向出射領域の外径側に延在し且つ前記拡散内反射領域からの反射光を前面から出射させる拡散光出射領域と、を備え、前記出射光の中心部の光を略無反射で前記受光領域の中心部を透過させて前記対向出射領域の中心部から出射させる第1の光路と、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記拡散内反射領域にて拡散反射させて前記拡散光出射領域から出射させる他の光路と、を備え、前記第1の光路は、前記LED側へ曲面状に膨出した前記受光領域の中心部と、前記LED側へ凹陥した前記対向出射領域の曲面凹状の中心部と、により形成され、前記対向出射領域の曲面凹状の中心部にて前記出射光を拡散して出射させる導光体と、前記導光体に対向して重ねて配置され、当該導光体から出射される出射光を透過させる第1のアウターレンズ及び第2のアウターレンズと、を備え、前記第1のアウターレンズは、前記導光体と対向する面に、同心円状の凸部を備え、前記第2のアウターレンズは、前記導光体と対向する面に、前記同心円状の凸部と交差する放射状の凸部を備え、前記拡散出射領域から出射された光は、前記第1のアウターレンズの凸部又は/及び前記第2のアウターレンズの凸部によって屈折されて出射される遊技機を特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記他の光路は、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記拡散内反射領域の一部で一次内反射させて前記第1の光路よりも 外径側の前記拡散光出射領域から出射させる第2の光路と、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記対向出射領域の一部で一次内反射させてから前記 拡散光出射領域で二次内反射させ、更に前記拡散内反射領域にて三次内反射させて前記第2の光路よりも外径側の前記拡散光出射領域から出射させる第3の光路 と、から成る請求項1に記載の遊技機を特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記受光領域は、前記LED側へ膨出した膨出部と、該膨出部の外径側に位置し、且つ該膨出部を包囲するように突設された入射側壁と、を備え、前記第2の光路は、前記入射側壁から入射した光を反射する第1の一次内反射面と、前記対向出射領域よりも外径側に位置する前記拡散光出射領域と、により形成される請求項2に記載の遊技機を特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記第3の光路は、前記膨出部の中心部の外径側に位置する湾曲入射面と、前記対向出射領域の中心部よりも外径側に位置する湾曲した第2の一次内反射面と、前記拡散光出射領域に形成された二次内反射面と、前記凹凸反射面を構成する前記各突条の同じ側面に夫々形成された三次内反射面と、により形成される請求項2又は3に記載の遊技機を特徴とする。
また、請求項5の発明は、前記拡散内反射領域を構成する前記凹凸面は、任意の周方向ピッチにて段差状に不連続に形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技機を特徴とする。
また、請求項6の発明は、前記各突条の前記三次内反射面と対向する他の側面は非内反射面であり、前記LEDからの発光時に該非内反射面と対面する拡散光出射領域は陰影となる請求項4又は5に記載の遊技機を特徴とする。
以上のように構成したので、本発明によれば、LED光源の点光りを極力抑制しつつ、導光部材の正面への出射光範囲を広く拡散させる演出効果を高めるようにした導光部材を提供することが出来る。
本発明を適用したパチンコ遊技機の遊技盤面(遊技盤ユニット)を示す正面図。 本発明を適用したパチンコ遊技機の遊技盤面(遊技盤ユニット)を示す正面図。 本発明のイルミネーションユニットを上下方向に進退させるための駆動機構を示した図。 本発明のイルミネーションユニットの外カバーを開閉させるための駆動機構を説明する図。 本発明の実施の形態に係るイルミネーションユニットを示す概略図。 図5のA−A線における断面図。 図5のB−B線における断面図。 導光体80aの構成を説明する図。 導光体80aの構成を説明する図。 導光体80aの構成を説明する図。 本発明の導光体における光の経路を説明する図。 導光体80aにおける発光領域と陰影領域を示す正面図。 本発明のイルミネーションユニットにおける第1及び第2のアウターレンズを示す斜視図。 アウターレンズを重ねた際に、イルミネーションユニットから出射される光の光路を示した図。 アウターレンズを重ねた際に、イルミネーションユニットから出射される光の光路を示した図。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1、図2は、本発明を適用したパチンコ遊技機の遊技盤面(遊技盤ユニット)を示す正面図である。
図1において、遊技盤100における遊技領域101の周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、遊技盤100の下方に設けた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域101の上部に案内したり、アウト口118に案内する。
遊技領域中央には、画像表示器111が配置されている。画像表示器111は、例えば、液晶表示装置等の液晶表示パネルにより構成され、特別図柄に応じた装飾図柄、例えば数字図柄、アルファベット図柄、キャラクタ図柄等の画像が表示される。また、所謂リーチ状態や特別遊技状態の時は、それぞれの遊技状態であることを示す演出画像等も表示される。
なお、画像表示器111の上方には、本発明の実施の形態に係る可動役物1が収容されており、パチンコ遊技機における演出にあわせて、図1に示した収容位置から、図2に示したように画像表示器111の正面側に突出した突出位置との間を進退する。
この可動役物1は、内部基板にLED(Light Emission Diode)を組み込むことで発光可能とした本発明のイルミネーションユニット(以下、イルミネーションユニットと呼ぶ)である。
また、この可動役物1は、図2に示すように、画像表示器111の正面側(突出位置)に出現する際には、装飾部材40が展開して後述する発光部50の一部が露出し、LEDからの光を正面側に出射するものである。
画像表示器111の下方中央には、第1始動口113が配置されている。第1始動口113は、遊技球が入賞したときに、第1特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。
また遊技盤100の中央領域であって、画像表示器111の下方には、変動入賞装置として、左右一対の開閉爪(可動片)を有する電動式チューリップ(以下、「電チュー」と称する)114が配置されている。電チュー114は、第2始動口として機能しており、遊技球が入賞したときに、第2特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。
電チュー114は、普通図柄が所定態様で停止したときに所定時間、開成動作するように構成されている。
また遊技盤100の右側領域には、普通図柄123を作動させるためのゲート115が設けられている。
更に遊技盤100の右側領域であって、第1始動口の右側には、特別遊技状態のときに開成状態になる大入賞装置の大入賞口116が配置されている。
更に、遊技盤100の遊技領域101には、一般入賞口117が配置されていると共に、風車や図示しない多数の遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
図3は、本発明のイルミネーションユニットを上下方向に進退させるための駆動機構を示した図であり、(a)は収容状態を示す正面図、(b)はその背面図、(c)は、動作状態(突出状態)を示す正面図、(d)は動作状態を示す背面図である。
図3に示すように、イルミネーションユニットの駆動機構は、図示しない支持部に固定されたモータ10と、軸心をモータ10の出力軸に固定された出力ギア11と、支持部材により軸支されて出力ギア11と噛合する従動ギア14と、一端部15Aを図示しない支持部により上下方向へ回動自在に軸支されると共に他端部15Bを後述するスライドギア片の上部に軸支されたアーム15と、アームの一端部15A側に配置されてアーム15を下向きに付勢するバネ16と、アーム15の他端部15Bを軸支すると共に上下方向へスライド自在に支持部によって支持された縦長形状のスライドギア片17と、スライドギア片17の背面側に回転自在に軸支された第1ギア18と、スライドギア片17の背面側において第1ギア18の下方位置に回転自在に軸支され且つ第1ギア18と噛合する第2ギア19と、スライドギア片17の正面側において第2ギア19と同軸状に一体化された第3ギア20と、支持部の背面に上下方向に延びた状態で固定配置されて第1ギア18と噛合する第1ラックギア21と、イルミネーションユニット1の背面に上下方向に延びた状態で固定配置されて第3ギア20と噛合する第2ラックギア22と、を備える。
アーム15と対向する従動ギア14の面の偏心位置にはアーム15に向けて図示しないピンが突設されており、このピンはアーム15に設けた図示しない円弧状の長穴内に遊嵌する。このため、従動ギア14が一方向へ回転する過程でピンからの駆動力を受けたアーム15は一往復揺動する。
図3(d)に示すように、モータ10の正転・逆転によってアーム15が上下動すると、第1ラックギア21と噛合する第1ギア18が回転し、その駆動が、第1ギア18と噛合する第2ギア19を介して裏側の第3ギア20に伝達され、第3ギア20と噛合する第2ラックギア22が上下動することによりイルミネーションユニット1が上下動する。
図4は、本発明のイルミネーションユニットの外カバーを開閉させるための駆動機構を説明する図であり、(a)は外カバーが閉じた状態のイルミネーションユニット示す正面図、(b)は(a)の場合における開閉機構の状態を示す図、(c)は、外カバーが開いた状態のイルミネーションユニットを示す正面図、(d)は、(c)の場合における駆動機構の状態を説明する図である。
イルミネーションユニット1は、正面側に凹所31を有したケーシング30と、ケーシング30の凹所31を塞ぐように配置されて複数の分割片から構成される装飾部材40と、ケーシング30の凹所31内に配置されて装飾部材40を構成する各分割片を図4(a)(b)の閉止状態と、(c)(d)の開放状態との間で進退させる開閉機構と、開閉機構と装飾部材40との間に配置された発光部50と、を備える。
イルミネーションユニットのケーシング30には、図3で示した第2ラックギア22が固定されており、イルミネーションユニット1はスライドギア片17によって上下動自在に支持されているが回転はしない。
正面形状が円形の装飾部材40は、中心点を中心とした扇形の3つの分割片40−1、40−2、40−3から構成されており、各分割片は図4(a)(b)の閉止状態と、(c)(d)の開放状態との間を進退する。
開閉機構は、正面形状が円形のケーシング30の凹所31内に固定配置されたモータ32と、凹所底面により軸支されてモータ32の出力軸に固定されたギア(ウォームホイール)33と噛合する従動ギア34と、凹所31底面の中心部に設けた軸によって回転自在に軸支され従動ギア34と噛合する短尺なギア部36を外周に有した回転部材35と、回転部材35の外周に120度の間隔で外径方向へ突設され且つ円弧状の長穴37aを有したリンク部材37と、凹所底面にその中心部から放射状に延びて120度の間隔で設けられ且つ各分割片40−1、40−2、40−3の背面に突設した被ガイド部41を内外径方向へスライド自在にガイドするガイド穴38と、各分割片40−1、40−2、40−3の背面から突設された3個のリンク部材37の各長穴42に嵌合するピン37aと、を有する。
モータ32の正逆転によりギア33が回転すると、短尺のギア部36を介して回転部材35に駆動力が伝達され、回転部材35と一体の各リンク部材37が正逆回動する。このため、長穴42に遊嵌したピン37aが内外径方向へ移動し、各分割片40−1、40−2、40−3を内外径方向へ進退させる。
図5は、本発明の実施の形態に係るイルミネーションユニットを示す概略図、図6は、図5のA−A線における断面図、図7は、図5のB−B線における断面図である。
図5乃至図7を用いて、本発明に係るイルミネーションユニットの構成を詳細に説明する。
図2について説明したように、イルミネーションユニット1は、発光時には装飾部材40が開閉して発光部50の少なくとも一部が露出するようになっており、図5は、装飾部材展開時のイルミネーションユニット1を示している。
図5乃至図7に示すように、イルミネーションユニット1は、表面に家紋の造形を施した装飾部材40(図5)と、この装飾部材40内に収容された発光部50を備えている。
発光部50は、第1のアウターレンズ60と、第1のアウターレンズ60の内側に配置された第2のアウターレンズ70と、第2のアウターレンズ70の内側に離間配置されたインナーレンズ80と、インナーレンズ80の内側に近接配置され且つ表面に複数個のLED91を実装した基板90と、を備える。
第1のアウターレンズ60は、インナーレンズ80の外周を支持する外周壁部61と外周壁部から張り出したレンズ部62と、を有する。
第2のアウターレンズ70は、第1のアウターレンズ60のレンズ部62の内側に添設されたレンズ部71を備える。
インナーレンズ80は、各LED91と対向して離間配置した複数の導光体80aを組み合わせて成るレンズユニットである。
なお、第1のアウターレンズ60、第2のアウターレンズ70は、個々のLED91から出射されてインナーレンズ80により導光された光を増幅して「ギラギラ感」を出すための凹凸部を有しているが、これらのアウターレンズの特徴については後で詳述する。
まず、レンズユニット80の構成について説明する。
図6、図7は、複数の導光体80aを含むインナーレンズ80の断面図であるが、以下では、個々の導光体がLED91の出射光を導光するための構成について説明する。
図8、図9、図10は個々の導光体80aの構成を説明する図であり、図8(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。また図9は、導光体80aの斜視図であり、図10は、図8のC−C線における断面図である。
図10において、導光体80aは、透明の樹脂からなって透光性を有し、LED91からの光を透過・導光する導光部80Aと、導光体80aの基板側に形成されて、光を遮断・反射する遮光膜80Bと、を有する。
導光体80aのLED91との対向部には、導光部80Aに光を入光させるための受光領域81が設けられているが、当然この受光領域81には、遮光膜80Bは設けられていない。
また、導光体80aは、LED91と対向し、LED91側へ曲面状に膨出した膨出部81aと、その外周に突出して設けた入射側壁81cと、を有している。LED91からの出射光は、ある程度の角度範囲(例えば、120度程度)で拡がるため、出射光は膨出部81aに加え、入射側壁81cからも導光体に入射する。すなわち、受光領域81は、膨出部81aと、入射側壁81cとからなっている。
導光部80Aの天面83側には、受光領域81と対向してLED91からの入射光の一部を正面に出射する対向出射領域82が設けられている。
対向出射領域82は、天面83側から基板90側に向けて凹落した凹所を有するが、これについては後で詳述する。
さらに、図8乃至図10に示すように、導光部80Aの基板90側における受光領域81の外径側には、略同心円状に交互に連続した複数の突条(例えばV字突条)84及び突条84に挟まれた溝(例えばV字溝)からなる凹凸反射面84Aを有してLED91からの入射光のさらに一部を正面側に反射する拡散内反射領域87が設けられている。
なお、天面83の対向出射領域82の外径側における、拡散内反射領域87(凹凸反射面84A)と対向する箇所は、拡散内反射領域87からの反射光を正面側に出射する拡散光出射領域85となる。この部分は、基板90側に向けて凹落した凹所を有する対向出射領域82とは異なって略平坦である。
図11は、本発明の導光体における光の経路を説明する図である。
図10と併せて、本発明の導光体の特徴的な形状により実現される光路を詳細に説明する。
受光領域81に入射する光は、以下に説明するように、主に3系統の光路を辿る。
(第1の光路)
第1の光路は、図11(a)に示すように、受光領域81における膨出部81aの中心部81dと、LED91側へ凹陥した対向出射領域82の曲面凹状の中心部82aと、により形成される。
より詳しくは、LED91から出射された一部の光Aは、膨出部81aの曲面状の中心部(頂部)81dから導光体80a内に入射する。
膨出部81aの頂点にほぼ正面から入射する光Aは、中心部81dでは、ほとんど屈折することなく、対向出射領域82のLED91側に凹落した中心部82aにより拡散されて出射される。
中心部82aは、凹陥部の頂点に当たり、ほとんど面を持たないため、中心部82aを通過する光は、非常に細い光となり、また拡散されることによりLED91の点光りを効果的に抑制することが出来る。
また、光Aは、膨出部81aの中心部81dに対してほぼ直角に入射するため、図11には図示していない基板側にほとんど反射されることもない。
(第2の光路)
前述したように、受光領域81は、膨出部81aの外径側に位置し、且つ膨出部81aを包囲するように突設された入射側壁81cを有している。
第2の光路は、入射側壁81cから入射した光を反射する拡散内反射領域87の一部である第1の一次内反射面87aと、拡散光出射領域85と、により形成される。
図11(b)に示すように、LED91から出射された一部の光Bは、湾曲面(第2の一次内反射面)82bよりも外径側且つ、膨出部81aを包囲するように突設された入射側壁81cに向かう。
入射側壁81cから導光体80a内部に入射し、入射側壁81cで屈折された光Bは、入射側壁81cのさらに外径側に形成された内反射面(第1の1次内反射面)87aに至る。
光Bは、一次内反射面87aでさらに天面83側に向けて反射され、拡散光出射領域85から出射される。
光Bは、天面83で殆ど反射されることなく、拡散光出射領域85としての天面83から正面側に出射される。
すなわち、一次内反射面87aは、入射側壁81cから入光する光を天面83に向けて反射させるのに十分な角度を入射側壁81cに対して有しており、かつ光Bが天面83で反射しない程度の角度で入射するのに十分な角度を天面83に対して有している。
なお、第1の一次内反射面87aを構成する突条84において、入射側壁81cを通過する光Bの進行方向と対向していない面84bは、光が入射・反射されることはない。
(第3の光路)
第3の光路は、受光領域81から入射した出射光の一部を対向出射領域82の一部で一次内反射させてから拡散光出射領域85で二次内反射させ、更に拡散内反射領域87の一部で三次内反射させて第2の光路よりもさらに外径側の拡散光出射領域85から出射させる。
図11(c)に示すように、LED91から出射された一部の光Cは、膨出部81aの中心部81dの外径側に位置する湾曲入射面81eから導光体80aに入射する。
光Cは、湾曲入射面81eで中心部81d側に屈折した後、対向出射領域82の湾曲面82bに向かう。光Cは、湾曲面82bにより反射され、天面83側に進路を変えられる。
なお、湾曲入射面81eで湾曲面82bに向けて屈折された光Cは、湾曲面82bに入射するが、ここで、光Cは屈折して湾曲面82bから出射されることはない。
これは、湾曲面82bが、湾曲入射面81eから入射してくる光Cに対しては臨界角(屈折が起こる最大の入射角)よりも大きな角度となるように形成されているためである。
湾曲面82bで反射された光Cは、二次内反射面85aとしての天面83で、さらに拡散内反射領域87に向けて反射される。
ここで、湾曲面82bの天面83に対する角度は、湾曲面82bで反射した光Cが、天面83を透過しない程度の角度で天面83に入射する角度とする。
三次内反射面87bを構成する突条84において、導光体80aの外周側を向いた面84bは、天面83で反射される光の進行方向と対向していないため、光が入射・反射されることはない。
図12は、導光体80aにおける発光領域と陰影領域を示す正面図である。
図12において、対向出射領域82の中心部82aからは、図11における光Aによる拡散した弱い発光が生じている。
さらに、拡散内反射領域87における面84aからは、図11における光B、Cが出射するため該当箇所が発光するが、逆に、上述のように光B、Cが入射・反射されない面84bについては陰影が生じている。
また、拡散内反射領域87と、入射側壁81cの間の底面88(図10)にも光が入射しないため陰影が生じる。
このように、上述したような形状を有する本発明の導光体80aによっては、LED91による点光りを抑制しつつ、さらに、全体的に光を拡散させた面発光を実現することが出来る。
また、パチンコ遊技機に実装するために小型化・薄型化の要請がある上、導光体に厚みを取ることが難しい。
本発明の導光体によれば、光を複雑に内反射させることで、導光体自体を薄く保ったまま広い範囲で面発光をさせることが出来る。また、用いるLEDの数も少なくすることが出来る。
さらに図8、図12に示すように、突条84のパターンを完全な同心円とせず、例えば突条84が任意の周方向ピッチにて段差状に不連続なパターンとし、さらに、例えば30度刻みでパターンを変えている。
同心円とすると、突条84のパターン、即ち、面84a、面84bの光と影のパターンがリング状になり、これはパチンコ遊技機の演出上向かない場合がある。
本発明の導光体80aのように、突条を不連続に設けて光と影の部分が交互にずれて現れるようにしたことで、陰影がまばらになる。
このようにすることで、拡散出射領域からの発光をよりフラットな面として遊戯者に認識させることが出来る。
突条84のパターンを連続なパターンの同心円とすると、光と影のパターンがリング状になり、リング同士の境界線がはっきりする。そうすると、発光パターンには明確な個性やキャラクタ性が発生する。
キャラクタ性の強い発光パターンは、遊戯者の注意を過剰に惹きつけ、パチンコ遊技機における他の演出の効果を低減させる虞があり、本発明では、拡散出射領域からの発光をよりキャラクタ性の薄いフラットな面として遊戯者に認識させることで、かかる問題を回避するようにしている。
図13は、本発明のイルミネーションユニットにおける第1及び第2のアウターレンズを示す斜視図であり、(a)は第1のアウターレンズの斜視図、(b)は第2のアウターレンズを斜視図である。
図13では、第1及び第2のアウターレンズ60、70をインナーレンズ80側から見た構造を示しており、第1のアウターレンズ60及び第2のアウターレンズ70は、それぞれインナーレンズ80に向けて突出したローレット(凸部)63、72を有している。
なお、図13から分かるように、第1のアウターレンズ60のローレット63は同心円状、第2のアウターレンズ70のローレット72は、中心から放射状に拡がる形状を有している。
従って、図6、図7におけるように両アウターレンズ60、70を重ね合わせた際には、各ローレット63、72は交差することになる。
図14、図15はインナーレンズ80にアウターレンズ60、70を重ねた際に、イルミネーションユニット1から出射される光の光路を示した図である。
インナーレンズ80から出射されて両アウターレンズ60、70を通過する光は、ローレット63、72で屈折されるが、各ローレット63、72が交差していることで、各出射光の屈折の方向が異なり、面光りに均一感を持たせることが出来る。
すなわち、インナーレンズ80から出射された光は、両アウターレンズ60、70を通過する際に、
(1)アウターレンズ70のローレット72で屈折されて出射され、さらにアウターレンズ60のローレット63でさらに屈折されて出射される経路
(2)アウターレンズ70のローレット72で屈折されて出射され、さらにアウターレンズ60のローレット63が形成されない平坦面に入射、出射される経路(図14の場合)(3)アウターレンズ70のローレットが形成されない平坦面でほとんど屈折されずに出射され、さらにアウターレンズ70のローレット63で屈折されて出射される経路(図15の場合)
(4)アウターレンズ70のローレットが形成されない平坦面でほとんど屈折されずに出射され、アウターレンズ60のローレット63が形成されない平坦面に入射して出射される経路
の4通りの経路を辿ることになる。
この場合、それぞれの経路からの出射光がアウターレンズ60から出射される際の屈折の度合いが異なるため、インナーレンズ80(導光体80a)における光と陰影の差がより強調されて、面発光の「ぎらぎら」感が増すという効果もある。
また、図10に示す対向出射領域82の中心部82aからの光Aも、アウターレンズ60、70を通過することでより拡散されるため、光Aの点光りをより効果的に抑制することが出来る。
また、装飾部材40を開閉する際に第2のアウターレンズ70を回転させることで、イルミネーションユニット1の発光に変化を持たせることも出来る。
なお、本実施形態では、第1のアウターレンズ60に同心円状のローレット、第2のアウターレンズ70に放射状のローレットを設けたが、これに限定されるものではない。
例えば、各アウターレンズとローレット形状の組み合わせを逆にしても良いし、また、ローレット同士が交差するものであれば、その他の形状を採用するようにしてもよい。
1 イルミネーションユニット、10 モータ、11 出力ギア、14 従動ギア、15 アーム、16 バネ、17 スライドギア片、18 ギア、19 ギア、20 ギア、21 ラックギア、22 ラックギア、30 ケーシング、31 凹所、32 モータ、33 ギア、34 従動ギア、35 回転部材、36 ギア部、37 リンク部材、38 ガイド穴、40 装飾部材、41 被ガイド部、42 長穴、50 発光部、60 アウターレンズ、61 外周壁部、62 レンズ部、63 ローレット、70 アウターレンズ、71 レンズ部、72 ローレット、80 インナーレンズ、80A 導光部、80B 遮光膜、80a 導光体、81 受光領域、81a 膨出部、81c 入射側壁、81d 中心部、81e 湾曲入射面、82 対向出射領域、82a 対向出射領域、82a 中心部、82b 湾曲面、83 天面、84 突条、84A 凹凸反射面、84a 面、84b 面、85 拡散光出射領域、85a 二次内反射面、87 拡散内反射領域、87a 一次内反射面、87b 三次内反射面、88 底面、90 基板、91 LED、100 遊技盤、101 遊技領域、111 画像表示器、113 始動口、114 電チュー、115 ゲート、116 大入賞口、117 一般入賞口、118 アウト口、123 普通図柄

Claims (6)

  1. イルミネーションユニットを備えた遊技機であって、
    前記イルミネーションユニットは、
    LEDと対向して離間配置され該LEDからの出射光を受光して内部に入射させる受光領域と、前記受光領域の外径側に略同心円状に交互に連続した複数の突条及び溝から成る凹凸反射面を備えた拡散内反射領域と、前記受光領域と対向配置された対向出射領域と、該対向出射領域の外径側に延在し且つ前記拡散内反射領域からの反射光を前面から出射させる拡散光出射領域と、を備え、
    前記出射光の中心部の光を略無反射で前記受光領域の中心部を透過させて前記対向出射領域の中心部から出射させる第1の光路と、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記拡散内反射領域にて拡散反射させて前記拡散光出射領域から出射させる他の光路と、を備え、
    前記第1の光路は、前記LED側へ曲面状に膨出した前記受光領域の中心部と、前記LED側へ凹陥した前記対向出射領域の曲面凹状の中心部と、により形成され、前記対向出射領域の曲面凹状の中心部にて前記出射光を拡散して出射させる導光体と、
    前記導光体に対向して重ねて配置され、当該導光体から出射される出射光を透過させる第1のアウターレンズ及び第2のアウターレンズと、を備え、
    前記第1のアウターレンズは、前記導光体と対向する面に、同心円状の凸部を備え、
    前記第2のアウターレンズは、前記導光体と対向する面に、前記同心円状の凸部と交差する放射状の凸部を備え、
    前記拡散出射領域から出射された光は、前記第1のアウターレンズの凸部又は/及び前記第2のアウターレンズの凸部によって屈折されて出射されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記他の光路は、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記拡散内反射領域の一部で一次内反射させて前記第1の光路よりも外径側の前記拡散光出射領域から出射させる第2の光路と、前記受光領域から入射した前記出射光の一部を前記対向出射領域の一部で一次内反射させてから前記拡散光出射領域で二次内反射させ、更に前記拡散内反射領域にて三次内反射させて前記第2の光路よりも外径側の前記拡散光出射領域から出射させる第3の光路と、から成ることを特徴とする請求項1に記載の遊技機
  3. 前記受光領域は、前記LED側へ膨出した膨出部と、該膨出部の外径側に位置し、且つ該膨出部を包囲するように突設された入射側壁と、を備え、
    前記第2の光路は、前記入射側壁から入射した光を反射する第1の一次内反射面と、前記対向出射領域よりも外径側に位置する前記拡散光出射領域と、により形成されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機
  4. 前記第3の光路は、前記膨出部の中心部の外径側に位置する湾曲入射面と、前記対向出射領域の中心部よりも外径側に位置する湾曲した第2の一次内反射面と、前記拡散光出射領域に形成された二次内反射面と、前記凹凸反射面を構成する前記各突条の同じ側面に夫々形成された三次内反射面と、により形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機
  5. 前記拡散内反射領域を構成する前記凹凸面は、任意の周方向ピッチにて段差状に不連続に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技機
  6. 前記各突条の前記三次内反射面と対向する他の側面は非内反射面であり、前記LEDからの発光時に該非内反射面と対面する拡散光出射領域は陰影となることを特徴とする請求項4又は5に記載の遊技機
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