JP5078536B2 - オレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物に関し、さらに詳しくは、柔軟な感触でしかも圧縮永久歪みが小さく、かつ引裂強度特性および耐熱性に優れたオレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体
用エラストマー組成物に関する。
従来より様々な発泡体が工業的に広く製造、販売されている。発泡体の代表的な例として、加硫ゴムおよび軟質オレフィン系プラスチックの発泡体が挙げられる。
しかしながら、従来の加硫ゴムは、柔軟性、弾性には優れているものの、これらの特性を得るために不可欠な加硫ないし架橋工程が複雑であり、コスト的にも高くなる。一方、軟質オレフィン系プラスチック、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低
密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を発泡体成形に用いることが既に知られている。このような軟質オレフィン系プラスチックは、基本的に加硫ゴムに比べ耐熱性に劣るため、得られる発泡体の用途が大きく制限されたり、溶融時の張力が劣るため、脱泡し易く、発泡
倍率が小さくなり、しかも脱泡による肌荒れが顕著に現れるという問題がある。また、EVAでは、酢酸ビニル含有量が多くなると引裂強度と接着性は向上するものの、耐摩耗性、表面硬さ、気泡の緻密さが低下するため、これらの物性等のバランスをとるのが難しく、しかもEVA自身の比重が大きいため、必ずしも低比重の発泡体が得られないなどの問題がある。
したがって、高発泡倍率で脱泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも圧縮永久歪みが小さく、かつ、引裂強度特性および耐熱性に優れたオレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物の出現が望まれている。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、高発泡倍率で脱泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも圧縮永久歪みが小さく、かつ、引裂強度特性および耐熱性に優れたオレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物を提供することを目的としている。
本発明の第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、密度が0.88〜0.92g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分であり、そのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)は2.3〜4.0の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)70〜95重量部、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部[成分(A)および(B)の合計量を100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなるオレフィン系エラストマー組成物を熱処理して得られる架橋された発泡体であって、
該エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が、
密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部と、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜95重量部[成分(A1)および(A2)の合計量を100重量部とする]とからなり、かつ、
エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であることを特徴としている(第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体に相当する。)。
このように、本発明の第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体では、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.3〜4.0の範囲にあるものを用いる。
本発明の第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜90重量部、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜90重量部、密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部[成分(A1)、(A2)および(C)の合計量を100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体であることを特徴としている(第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体に相当する。)。
本発明の第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜85重量部、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜85重量部、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部、 密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部[成分(A1)、(A2)、(B)および(C)の合計量を100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であり、
前記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]は1/8〜3/1であるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体であることを特徴としている(第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体に相当する。
)。
前記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)、(A1)および(A2)を形成するα- オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選ばれた少なくとも1種のα- オレフィンであることが好ましい。
本発明で用いられる前記架橋助剤(E)としては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)またはトリアリルシアヌレート(TAC)が好ましい。
本発明の3の架橋発泡体、それに対応する架橋発泡体用エラストマー組成物においては、上記のように前記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]は1/8〜3/1である。
本発明の1の発泡体成形体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、密度が0.88〜0.92g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分であり、そのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)は2.3〜4.0の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)70〜95重量部、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部[成分(A)および(B)の合計量を100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物であって、該エチレン・α- オレフィン共重合体(A)が、
密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部と、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜95重量部[成分(A1)および(A2)の合計量を100重量部とする]とからなり、かつ、
該エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であることを特徴としている(第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物に相当する。)。
本発明に係る第1の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、低比重で圧縮永久歪み性、機械的強度(特に引裂強度)および接着強度に優れる架橋発泡体を提供することができる。
第1の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、前記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)は2.3〜4.0の範囲にあるものを用いる。
本発明の第2の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜90重量部、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜90重量部、
密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部[成分(A1)、(A2)および(C)の合計量は100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であることを特徴としている(第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物に相当する。)。
本発明に係る第2の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、低比重で圧縮永久歪み性および機械的強度(特に引裂強度)に優れ、かつ高硬度の架橋発泡体を提供することができる。
本発明の第3の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜85重量部、
密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜85重量部、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部、
密度が0.91/cm 3 以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部[成分(A1)、(A2)、(B)および(C)の合計量を100重量部とする]、
有機ペルオキシド(D)、
架橋助剤(E)および
発泡剤(F)
からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であり、
前記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]は1/8〜3/1であることを特徴としている(第3の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物に相当する。)。
本発明に係る第3の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、低比重で圧縮永久歪み性、機械的強度(特に引裂強度)および接着力に優れ、かつ高硬度の架橋発泡体を提供することができる。
本発明においては、前記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]は1/8〜3/1であることが好ましい。本発明に係る第1〜第5のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物から、比重が0.05〜0.2であり、発泡倍率が8〜15倍であり、圧縮永久歪みが30〜60%であり、引裂強度が1.5〜2.5kg/cmである架橋発泡体を調製することができる。
また、上記の、本発明に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体を、さらに圧縮成形することにより、比重が0.1〜0.2であり、圧縮永久歪みが20〜60%であり、引裂強度が2.0〜4.0kg/cmである二次圧縮架橋発泡体を得ることができる。
本発明に係る1、第2、及び第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、高発泡倍率で脱泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも圧縮永久歪みが小さく、かつ、引裂強度特性および耐熱性に優れている。
また、本発明に係る第1、第2、及び第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体を圧縮成形して得られる二次圧縮架橋発泡体も、脱泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも圧縮永久歪みが小さく、かつ、引裂強度特性および耐熱性に優れている。
本発明に係る第1、第2、及び第3の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、それぞれ上記効果を有する、本発明に係る第1、第2、及び第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体、さらには、その二次圧縮架橋発泡体を提供することができる。
本発明に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその二次圧縮架橋発泡体は、たとえばウェザーストリップ、サイドシールド等の自動車部品、靴底、サンダル等の履物、電線被覆、スポーツ用具、グリップ、ガスケット、土木資材、レジャー用品などの用途に好適である。
以下、本発明に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体およびその架橋発泡体用エラストマー組成物について具体的に説明する。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)、変性ポリオレフィン(B)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体である。このエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α- オレフィン共重合体(A2)との混合物である。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、このような構成からなる。
さらに、本発明に係る第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、高圧法低密度ポリエチレン(C)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体である。
本発明に係る第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、このような構成からなる。
また、本発明に係る第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)、高圧法低密度ポリエチレン(C)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体である。
本発明に係る第1、第2、第3の架橋発泡体のそれぞれに対応するオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、それぞれ上記の、本発明に係る第1、第2、第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体の調製の際に用いられ、所定温度以上の熱により架橋発泡する未架橋未発泡の組成物である。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)(またはエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)との混合物)、変性ポリオレフィン(B)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなる。
この第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、このような構成からなる。
さらに、本発明に係る第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)、高圧法低密度ポリエチレン(C)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなる。
この第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、このような構成からなる。
また、本発明に係る第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)、高圧法低密度ポリエチレン(C)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)からなる。
〔エチレン・α- オレフィン共重合体(A)〕
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる非結晶性ないし低結晶性のランダム共重合体であり、密度(ASTM D 1505)が0.88〜0.92g/cm3であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分である軟質エチレン・α- オレフィン共重合体である。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.3〜4.0の範囲内にあることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)を用いると、低比重(高発泡)で圧縮永久歪み性に優れるエラストマー架橋発泡体を調製することができるエラストマー組成物が得られる。
上記の分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径72MM、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業(株)製)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品工業(株)製)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー(株)製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
エチレンと共重合させるα- オレフィンは、炭素原子数3〜20のα- オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらのうちでも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレンから導かれる単位を85〜98モル%の量で、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる単位を2〜15モル%の量で含有していることが望ましい。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)の組成は、通常10mmφの試料管中で約200mgのエチレン・α- オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらのうちでも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
エチレンとα- オレフィンとの共重合体については、極限粘度[η](135℃、デカリン中で測定)と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量70モル%の直鎖状エチレン・α- オレフィン共重合体の極限粘度[η] blank との比[Gη*[η]/[η] blank (特公平3−14045号公報)]が0.95を超える直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体を用いた場合には、発泡成形物の収縮率が小さい点で優れる。
一方、Gη*値が0.2〜0.95の長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン共重合体を用いた場合には、流動性が良く、メルトテンションが高いため、成形性に優れ、発泡倍率は高く、圧縮永久歪み性が優れる。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、下記のエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなり、かつ、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10分である組成物である。
上記のエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.3〜4.0の範囲内にあることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)と(A2)との混合物を用いると、低比重(高発泡)で圧縮永久歪み性に優れるエラストマー架橋発泡体を調製することができるエラストマー組成物が得られる。
上記エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる非結晶性ないし低結晶性のランダム共重合体であり、密度(ASTM D 1505)が好ましくは0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分である軟質エチレン・α- オレフィン共重合体が望ましい。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)は、エチレンから導かれる単位を85〜93モル%の量で、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる単位を7〜15モル%の量で含有していることが望ましい。
エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは10〜30%である。上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
上記エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる非結晶性ないし低結晶性のランダム共重合体であり、密度(ASTM D 1505)が0.90〜0.93g/cm3、好ましくは0.91〜0.92g/cm3であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分である軟質エチレン・α- オレフィン共重合体が望ましい。
また、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)は、エチレンから導かれる単位を93〜98モル%の量で、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる単位を2〜7モル%の量で含有していることが望ましい。
上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合体(A2)は、チーグラー系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)および変性ポリオレフィン(B)の合計量100重量部に対して、70〜95重量部、好ましくは80〜95重量部、さらに好ましくは85〜95重量部の割合で用いられる。エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を上記のような割合で用いると、低比重で圧縮永久歪み性、機械的強度(特に引裂強度)および接着強度に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
また、本発明に係る第1の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)と(A2)との合計量100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは50〜90重量部の割合で用いられ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)は、5〜95重量部、好ましくは10〜50重量部の割合で用いられる。エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および(A2)を上記のような割合で用いると、低比重で圧縮永久歪み性および機械的強度(引裂強度)に優れ、かつ高硬度の架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。特に、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および(A2)のいずれか一方に上記長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン共重合体を用いると、更に低比重で圧縮永久歪み性に優れるエラストマー架橋発泡体を調製することができるエラストマー組成物が得られる。
本発明に係る第2の架橋発泡体の成形に用いられるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)、および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜90重量部、好ましくは40〜80重量部、さらに好ましくは50〜70重量部の割合で用いられる。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)を上記のような割合で用いると、低比重(高発泡)で圧縮永久歪み性に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第2の架橋発泡体の成形に用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜90重量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは15〜30重量部の割合で用いられる。エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)を上記のような割合で用いると、高硬度で引裂強度に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第2の架橋発泡体の成形に用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、特にエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および(A2)のいずれか一方に上記長鎖分岐型エチレン・α-オレフィン共重合体を用いると、更に高発泡で圧縮永久歪み性に優れるエラストマー架橋発泡体を調製することができるエラストマー組成物が得られる。
本発明に係る第3の架橋発泡体の成形に用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜85重量部、好ましくは35〜75重量部、さらに好ましくは50〜65重量部の割合で用いられる。エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)を上記のような割合で用いると、低比重(高発泡)で圧縮永久歪み性に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第3の架橋発泡体の成形に用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜85重量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは15〜30重量部の割合で用いられる。エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)を上記のような割合で用いると、高硬度で引裂強度に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第3の架橋発泡体の成形に用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、特にエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および(A2)のいずれか一方に上記長鎖分岐型エチレン・α-オレフィン共重合体を用いると、更に低比重(高発泡)で圧縮永久歪み性に優れるエラストマー架橋発泡体を調製することができるエラストマー組成物が得られる。
〔変性ポリオレフィン(B)〕
本発明で用いられる変性ポリオレフィン(B)は、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト変性物である。
本発明で用いられるグラフト変性前のポリオレフィンは、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとからなるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体である。
炭素原子数3〜20のα-オレフィンの具体例としては、上述したエチレン・α-オレフィン共重合体(A)を構成するα-オレフィンの具体例と同じα-オレフィンを挙げることができる。本発明では、炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。これらのα-オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、密度(ASTM D 1505)が0.86〜0.93g/cm3、好ましくは0.87〜0.92g/cm3、さらに好ましくは0.88〜0.92g/cm3である。密度が上記のような範囲にあるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体に、不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体を用いると、引裂強度および接着性に優れる架橋発泡体を提供し得るエラストマー組成物が得られる。
また、この未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分である。MFRが上記のような範囲にある未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体から得られる変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)とのブレンド性が良好である。しかも、この変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体を用いると、特に接着力、機械的強度が向上する。
また、この未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは10〜30%である。結晶化度が40%以下の未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体から得られる変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体を用いると、耐衝撃性に優れたエラストマー組成物を得ることができる。
上記のような特性を有する未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、従来公知の共重合方法、たとえば可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とからなるバナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジルコニウム系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとをランダム共重合させることによって調製することができる。
バナジウム系触媒で用いられる可溶性バナジウム化合物としては、具体的には、四塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、モノエトキシ二塩化バナジウム、バナジウムトリアセチルアセトネート、オキシバナジウムトリアセチルアセトネートなどが挙げられる。
また、バナジウム系触媒で用いられるアルキルアルミニウムハライド化合物としては、具体的には、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
ジルコニウム系触媒で用いられるジルコニウムのメタロセン化合物としては、具体的には、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ジメチルシリレンビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
また、ジルコニウム系触媒で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、アルミノオキサンまたはベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物がある。
ジルコニウム系触媒は、ジルコニウムのメタロセン化合物および有機アルミニウムオキシ化合物とともに、有機アルミニウム化合物を含有していてもよい。このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
上記重合は、溶液状または懸濁状あるいはこの中間領域で行なうことができ、いずれの場合にも不活性溶剤を反応媒体として用いるのが好ましい。本発明で用いられる変性ポリオレフィン(B)は、上述した未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体に、特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトすることにより得ることができる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン(B)における不飽和カルボン酸またはその誘
導体のグラフト量は、未変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%である。
このグラフト量が上記範囲にある変性ポリオレフィン(B)は、オレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物中において分散性に優れるとともに、熱安定性に優れ、溶融時に樹脂が着色することもない。しかも、このような変性ポリオレフィン(B)を用いると、機械的強度に優れた架橋発泡体を提供し得るエラストマー組成物を得ることができる。
上記変性で用いられる不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス- ビシクロ[2,2,1] ヘプト-5- エン-2,3-ジカルボン酸)などが挙げられる。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、具体的には、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエステル化合物などを挙げることができる。より具体的には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適である。
上記のような変性ポリオレフィン(B)は、従来公知の種々の方法、たとえば次のような方法を用いて調製することができる。
(1)溶融させた上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体に、不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を溶媒に溶解させ、その溶解液に不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行なうのが好ましい。
上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシド)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシド)ヘキサン、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルフェニルアセテート、tert- ブチルペルイソブチレート、tert- ブチルペル-sec- オクトエート、tert- ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert- ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
これらのラジカル開始剤は、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体100重量部に対して、通常は0.01〜0.10重量部、好ましくは0.02〜0.08重量部、さらに好ましくは0.02〜0.05重量部の量で用いられる。
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト反応における反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、変性ポリオレフィン(B)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α- オレフィン共重合体(A2)との混合物および変性ポリオレフィン(B)の合計量100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。変性ポリオレフィン(B)を上記のような割合で用いると、低比重で圧縮永久歪み性、接着強度および機械的強度(引裂強度)に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、変性ポリオレフィン(B)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。変性ポリオレフィン(B)を上記のような割合で用いると、低比重で圧縮永久歪み性、引裂強度および接着性に優れ、かつ高硬度の架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
高圧法低密度ポリエチレン(C)
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(C)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとの共重合体であって、密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満、好ましくは0.91〜0.92g/cm3の範囲にある。
上記α- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、2-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、3,3-ジメチル-1- ブテン、1-ヘプテン、メチル-1- ヘキセン、ジメチル-1- ペンテン、トリメチル-1- ブテン、エチル-1- ペンテン、1-オクテン、メチル-1- ペンテン、ジメチル-1- ヘキセン、トリメチル-1-ペンテン、エチル-1- ヘキセン、メチルエチル-1- ペンテン、ジエチル-1- ブテン、プロピル-1- ペンテン、1-デセン、メチル-1- ノネン、ジメチル-1- オクテン、トリメチル-1- ヘプテン、エチル-1- オクテン、メチルエチル-1- ヘプテン、ジエチル-1- ヘキセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセンなどが挙げられる。これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(C)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
本発明に係る第2のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、高圧法低密度ポリエチレン(C)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜30重量部の割合で用いられる。高圧法低密度ポリエチレン(C)を上記のような割合で用いると、高硬度で引裂強度に優れる架橋発泡体を提供することができるエ
ラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係る第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、高圧法低密度ポリエチレン(C)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜30重量部の割合で用いられる。高圧法低密度ポリエチレン(C)を上記のような割合で用いると、高硬度で引裂強度に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。
〔有機ペルオキシド(D)〕
本発明で架橋剤として用いられる有機ペルオキシド(D)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明に係る第1に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、有機ペルオキシド(D)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)(またはエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)との混合物)および変性ポリオレフィン(B)の合計量100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。
本発明に係る第2に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、有機ペルオキシド(D)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。
本発明に係る第3に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、有機ペルオキシド(D)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。
有機ペルオキシド(D)を架橋助剤(E)とともに、上記のような割合で用いると、適度な架橋構造を有する架橋発泡体を得ることができる。
〔架橋助剤(E)〕
本発明で用いられる架橋助剤(E)としては、具体的には、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。中でも、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
本発明においては、上記のような架橋助剤(E)は、架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]が1/10〜5/1、好ましくは1/8〜3/1、さらに好ましくは1/5〜2/1になる量で用いることが望ましい。
〔発泡剤(F)〕
本発明で用いられる発泡剤(F)としては、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N'- ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジンなどの有機系熱分解型発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機系熱分解型発泡剤が挙げられる。中でも、アゾジカルボンアミド(ADCA)、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
本発明に係る第1に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、発泡剤(F)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)(またはエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α- オレフィン共重合体(A2)との混合物)および変性ポリオレフィン(B)の合計量100重量部に対して、通常3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。
本発明に係る第2に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、発泡剤(F)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、通常3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。
本発明に係る第3に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物において、発泡剤(F)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α- オレフィン共重合体(A2)、変性ポリオレフィン(B)および高圧法低密度ポリエチレン(C)の合計量100重量部に対して、通常3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。
上記のような割合で発泡剤(F)を用いると、発泡倍率と独立気泡度の高い発泡成形体を得ることができる。発泡剤(F)の使用量は、架橋発泡体の発泡倍率を考慮して決定される。
エラストマー組成物の調製
上記の、本発明に係る第1、第2および第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物は、未架橋かつ未発泡状態の組成物であり、溶融状態であってもよいし、また冷却固化したペレットまたはシートであってもよい。
本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物のペレットは、たとえば上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合体(A)(またはエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)とエチレン・α- オレフィン共重合体(A2)との混合物)、変性ポリオレフィン(B)、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)および発泡剤(F)を上述した割合でヘンシェルミキサ−等で混合し、バンバリ−ミキサー、押出機等の混練機で発泡剤(F)および有機ペルオキシド(D)が分解しない温度にて溶融可塑化し、均一に混合分散させて造粒機により調製することができる。
本発明に係る第2および第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物のペレットも、本発明に係る第1のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物のペレットの上記調製方法と同様の方法により調製することができる。
これらの組成物中に、上記諸成分の他に、必要に応じて、フィラー、耐熱安定剤、耐候安定剤、難燃剤、塩酸吸収剤、顔料などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
また、本発明に係る第1、第2および第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物のシートは、たとえば上記のようにして得られた組成物のペレットを押出機、あるいはカレンダー成形機を用いて調製することができる。あるいは組成物の諸成分をブラベンダーなどで混練した後、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート化する方法、または押出機を用いて混練した後Tダイまたは環状ダイを通してシート化する方法などにより、未架橋かつ未発泡状態の発泡性シートを調製することができる。
オレフィン系エラストマー架橋発泡体の調製
本発明に係る第1、第2および第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体は、それぞれ上記の本発明に係る第1、第2および第3のオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物を用い、たとえば以下のような方法により調製することができる。
上記のようにして得られた未架橋かつ未発泡状態の組成物のシートを、160〜175℃の温度に保持された加圧成形用金型に所定量供給し、次いで、加圧溶融して架橋反応と発泡剤(F)の分解を行なった後、加圧成形用金型を開放して組成物を発泡させることにより、架橋発泡体を得ることができる。
上記加圧成形用金型内での加圧架橋発泡成形条件としては、金型温度は、発泡剤(F)の分解温度以上であることが必要であり、また上記組成物の溶融温度以上で、かつ、発泡時に溶融粘度が高くなるような温度、すなわち165〜175℃が好ましい。
上記加圧成形用金型は、そのキャビティ内の形状は特に制限はされないが、通常平板が得られるような形状を有している金型が用いられる。この加圧成形用金型は、溶融樹脂が外部に漏れないように完全にシールできる構造になっていることが必要である。溶融樹脂が外部に漏出しない構造になっている型枠を用いてもよく、このような型枠としては、内面にテーパーが付いている型枠が樹脂の離型容易性の面から好ましい。
上記加圧溶融時における加圧力は、通常50kg/cm 2 以上、好ましくは100〜200kg/cm 2 である。加圧、加熱時間は、加圧成形用金型内に供給される組成物量により変わるが、組成物が溶融して165〜175℃に達してから架橋反応と発泡剤(F)の分解が行なわれる時間が必要である。上記架橋反応と発泡剤(F)の分解に必要な時間は、温度によっても異なるが少なくとも10分以上は必要である。
上記架橋反応と発泡剤(F)の分解が終了した後、加圧成形用金型を開放すると発泡が生じて架橋発泡体が得られる。上記加圧成形用金型に供給される未架橋かつ未発泡状態の組成物として、上記冷却固化したペレットまたはシートを用いるオレフィン系エラストマー架橋発泡体の製造方法では、未架橋の発泡性組成物をペレットやシートの形状としておくため、保存安定性に優れ、時間や場所に制約されることがないというメリットがある。
これに対して、上記加圧成形用金型に供給される未架橋の発泡性組成物として、上記溶融状態の組成物を用いる架橋発泡体の製造方法では、ペレット、シートを再加熱して溶融するというような工程を経る必要がないので、架橋発泡体をより短時間で得ることが可能となる。
次に、上記のようにして得られた暖かい架橋発泡体を、直ちに冷却賦形用金型に移し、加圧して賦形と冷却を同時に行なって、架橋発泡成形体を得る。上記架橋発泡体は、架橋しているため粘着性は少ないが、冷却賦形用金型で賦形を行なうためには、粘着し難い、離型性の良いプレート等に架橋発泡体(ホットな状態の発泡体)を載せて冷却賦形用金型に速やかに移す必要がある。
上記冷却賦形用金型は、その内部に水等を導通させる冷却用パイプが埋設されている。
本発明では、冷却賦形用金型の構成は特に限定されないが、通常、上金型と下金型とからなる冷却賦形用金型が用いられる。
上記加圧は、架橋発泡体に形状賦与した後は、過度に圧力を加える必要はなく、冷却に伴う発泡体の収縮に応じて追従して加圧することが好ましい。上記のようにして得られる、本発明に係るオレフィン系エラストマー架橋発泡体としては、比重(JIS K 7112)が0.05〜0.2であり、発泡倍率が8〜15倍であり、圧縮永久歪み(JIS K 6301)が30〜60%であり、引裂強度(BS5131-2.6)が1.5〜2.5kg/cmであることが好ましい。
二次圧縮架橋発泡体を得るためには、上記のようにして得られた架橋発泡体を、賦形用金型の形状および圧縮比を考慮して切削し、この切削した架橋発泡体を、150〜175℃、好ましくは155〜165℃の温度に保持された賦形用金型に移し、加圧し賦形を行なう。
このときの加圧力は、通常50kg/cm 2 以上、好ましくは100〜200kg/cm 2 である。加圧、加熱時間は賦形する金型の形状や温度によっても異なるが、通常は7分以上は必要である。
上記加熱終了後、発泡体がキャビティ内に入っている状態で直ちに賦形用金型を冷却し、二次圧縮架橋発泡体を得る。このようにして得られる二次圧縮架橋発泡体としては、比重が0.1〜0.2であり、圧縮永久歪みが20〜60%であり、引裂強度が2.0〜4.0kg/cmである二次圧縮架橋発泡体が好ましい。
参考例および実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、参考例、実施例および比較例で得られた発泡体について、発泡倍率、圧縮永久歪み、および引裂強度を下記の方法に従って測定し、また、柔軟な感触および発泡の均一性は、下記の方法に従って評価した。
(1)発泡倍率未発泡品の密度980kg/m 3 として発泡体の見かけ密度で除した値を発泡倍率とした。
(2)圧縮永久歪みJIS K 6301に従って、50℃×6Hr、圧縮量50%の条件で圧縮永久歪み試験を行ない、圧縮永久歪みを求めた。
(3)引裂強度BS5131-2.6に従って、引張速度10mm/分の条件で引裂強度試験を行ない、引裂強度を求めた。
(4)柔軟な感触発泡体表面に手で触れてその感触により、発泡体の柔軟な感触を次の5段階による評価を行なった。
<5段階評価>
5:表面が平らで柔軟な感触
4:表面がややざらつくが、柔軟な感触
3:評点2と4の中間
2:表面がざらつき、やや硬い感触
1:表面が荒れ、樹脂ライクな硬い感触
(5)発泡の均一性発泡の均一性は、発泡体の切断面の状態を肉眼で観察し、その状態に
より、次の4段階で評価した。
<4段階評価>
◎:泡の大きさと形が共に極めて均一
○:泡の大きさと形が共に均一
△:泡の大きさと形が共にやや不均一
×:泡の大きさと形が共にばらつきが大きい
[参考例1]
エチレン含量が91モル%、密度(ASTM D 1505)が0.89g/cm3、MFR(ASTM D1238,190℃、2.16kg荷重)が3.6g/10分、Mw/Mnが2.1、Gη*値が1.00である直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)95重量部、エチレン含量が89モル%、密度(ASTM D 1505)が0.89g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が3.6g/10分であるエチレン・1-ブテン共重合体に、無水マレイン酸をグラフトした変性エチレン・1-ブテン共重合体〔グラフト量(無水マレイン酸換算)=0.5重量%〕5重量部、ジクミルペルオキシド(DCP)0.5重量部、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)[商品名 M−60( TAIC含有量60%)]、日本化成(株)製]0.35重量部(TAIC含量として)、アゾジカルボンアミド7重量部、およびタルク10重量部からなる混合物を、ロールにより、ロール表面温度120℃で10分間混練した後、シート状に成形した。
次いで、得られたシートをプレス金型に充填し、150kg/cm 2 、160℃、12分の条件で加圧、加熱し、発泡体(厚み=24.5mm、縦=150mm、横=200mm)を得た。
得られた発泡体について、発泡倍率、圧縮永久歪み、および引裂強度を上記方法に従って測定し、また、柔軟な感触および発泡の均一性は、上記方法に従って評価した。その結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を、賦形用金型の形状および圧縮比を考慮して切削し、この切削した架橋発泡体を、160℃の温度に保持された賦形用金型に移し、圧縮比1.7、加圧力150kg/cm 2 の条件で10分間加圧し賦形を行なった。
上記加熱終了後、発泡体がキャビティ内に入っている状態で直ちに賦形用金型を冷却し、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[参考例2]
参考例1において、参考例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)の代わりに、エチレン含量が89モル%、密度(ASTM D 1505)が0.89g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が1.8g/10分、Mw/Mnが2.5、Gη*値が1.00である直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[実施例1]
参考例1において、参考例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)95重量部の代わりに、直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)50重量部とエチレン含量が94モル%、密度(ASTM D 1505)が0.91g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が1.5g/10分、Mw/Mnが2.1、Gη*値が1.00である直鎖状エチレン・1-ヘキセン共重合体(A−4)45重量部を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[参考例3]
参考例1において、参考例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)95重量部および変性エチレン・1-ブテン共重合体5重量部の代わりに、実施例2で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)80重量部と密度(ASTM D 1505)が0.92g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が3.0g/10分である高圧法低密度ポリエチレン20重量部を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[実施例2]
参考例3において、参考例3で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)80重量部の代わりに、実施例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)40重量部と実施例1で用いた直鎖状エチレン・1-ヘキセン共重合体(A−4)40重量部を用いた以外は、参考例3と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[参考例4]
参考例3において、参考例3で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)80重量部の代わりに、直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)75重量部と変性エチレン・1-ブテン共重合体5重量部を用いた以外は、参考例3と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[実施例3]
実施例2において、実施例2で用いた直鎖状エチレン・1-ヘキセン共重合体(A−4)40重量部の代わりに、直鎖状エチレン・1-ヘキセン共重合体(A−4)35重量部と変性エチレン・1-ブテン共重合体5重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[参考例5]
参考例1において、参考例1で用いたジクミルペルオキシド(DCP)およびトリアリルイソシアヌレート(TAIC)の配合量をそれぞれ0.8重量部、0.1重量部(TAIC含量として)に変更した以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[参考例6]
参考例1において、参考例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)の代わりに、エチレン含量が89モル%、密度(ASTM D 1505)が0.89g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が3.6g/10分、Mw/Mnが1.9、Gη*値が0.89である長鎖分岐型エチレン・1-ブテン共重合体(A−2)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
[比較例]
参考例1において、参考例1で用いた直鎖状エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)95重量部および変性エチレン・1-ブテン共重合体5重量部の代わりに、酢酸ビニル含量が19重量%、密度(ASTM D 1505)が0.94g/cm3、MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が2.5g/10分であるエチレン・酢酸ビニル共重合体100重量部を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
上記のようにして得られた架橋発泡体を用い、参考例1と同様にして、二次圧縮架橋発泡体を得た。得られた発泡体の物性を第2表に示す。
Figure 0005078536
Figure 0005078536

Claims (6)

  1. 密度が0.88〜0.92g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10分であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.3〜4.0の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)70〜95重量部、 エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部
    [成分(A)および(B)の合計量を100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなるオレフィン系エラストマー組成物を熱処理して得られる架橋された発泡体であって、 該エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が、
    密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部と、
    密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜95重量部[成分(A1)および(A2)の合計量を100重量部とする]とからなり、かつ、
    エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体。
  2. 密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜90重量部、
    密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜90重量部、
    密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部[成分(A1)、(A2)および(C)の合計量を100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体。
  3. 密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜85重量部、
    密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜85重量部、
    エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部、
    密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部
    [成分(A1)、(A2)、(B)および(C)の合計量を100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であり、
    前記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]が1/8〜3/1であるオレフィン系エラストマー組成物を、熱処理して得られる架橋された発泡体であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体。
  4. 密度が0.88〜0.92g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10分であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.3〜4.0の範囲にあるエチレン・α―オレフィン共重合体(A)70〜95重量部、
    エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部
    [成分(A)および(B)の合計量を100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなるオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物であって、
    該エチレン・α- オレフィン共重合体(A)が、
    密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部と、
    密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜95重量部
    [成分(A1)および(A2)の合計量を100重量部とする]とからなり、かつ、 該エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g
    /10分であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物。
  5. 密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜90重量部、
    密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜90重量部、
    密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部
    [成分(A1)、(A2)および(C)の合計量は100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物。
  6. 密度が0.88g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A1)5〜85重量部、
    密度が0.90〜0.93g/cm 3 であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2)5〜85重量部、
    エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン(B)5〜30重量部、
    密度が0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(C)5〜50重量部
    [成分(A1)、(A2)、(B)および(C)の合計量を100重量部とする]、
    有機ペルオキシド(D)、
    架橋助剤(E)および
    発泡剤(F)
    からなり、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と(A2)とからなる混合物のメルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が、0.5〜10g/10分であり、
    記架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]が1/8〜3/1であることを特徴とするオレフィン系エラストマー架橋発泡体用エラストマー組成物。
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