JP5511303B2 - 樹脂組成物発泡体およびその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系重合体およびゴム成分を含む発泡体に関する。
樹脂の発泡体とは、多数の相互に連絡している小空孔または連絡のない小気泡が全体に均一に分布している密度の小さいプラスチックをいう。実用化されている樹脂の発泡体としては、ポリスチレン発泡体、ABS発泡体、ポリエチレン発泡体およびポリプロピレン発泡体などがある。
樹脂の発泡体の製造方法はバッチ式および連続押出式に大別される。バッチ式の製造方法は、バッチ内に樹脂組成物を配置して、その樹脂組成物に発泡剤を浸透させ、バッチ内の圧力を下げて、発泡剤を樹脂組成物の外部に排出することにより、樹脂組成物の発泡体を得る方法である。バッチ式の方法を用いれば製造条件の精密制御が比較的容易なため、発泡セルの微細な発泡体を製造することができる等の利点がある(例えば特許文献1〜5参照)。
一方、連続押出式の製造方法は、発泡剤を含む溶融樹脂組成物を減圧雰囲気下で準備して溶融樹脂組成物を口金を通して連続して押し出して、発泡剤を樹脂組成物の外部に排出することにより、樹脂組成物の発泡体を得る方法である。連続押出式の方法によれば、サイズの大きい発泡体を得ることができ、また大量生産の視点からはコスト面でも優れている(例えば特許文献6参照)。
バッチ式には発泡セルの微細な発泡体を製造できるという利点があるものの、大量生産には不向きで、コスト面で不利になることがある。一方、連続押出式では製造条件を精密に制御することが難しい。特に、溶融樹脂中での発泡セルのセル成長を制御するのは困難であり、発泡セルの長径の平均値が4μm以下の発泡体を得ることは難しかった。
特開平6−57026号公報 特開平6−254981号公報 特開平7−138401号公報 特開2000−281829号公報 特開2001−55464号公報 特開2003−176375号公報
本発明の課題は、微細な発泡セルを有する樹脂組成物発泡体を、簡便かつ大量に製造することにある。
本発明者らは、特定のオレフィン系ゴム、化合物および熱可塑性樹脂を溶融混練して得られる樹脂組成物発泡体が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は次の〔1〕〜〔18〕に関する。
〔1〕官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)、該オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基と反応しうる基を有する化合物(B)、および熱可塑性樹脂(C)を含む混合物を、溶融混合および発泡することにより得られる、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した平均セル径100〜3000nmの発泡セルを有する樹脂組成物発泡体。
〔2〕前記官能基が酸基または酸無水物基であることを特徴とする〔1〕に記載の樹脂組成物発泡体。
〔3〕前記官能基と反応しうる基を有する化合物(B)が金属化合物であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の樹脂組成物発泡体。
〔4〕前記化合物(B)に含まれる金属が、原子番号3〜56のうちのいずれかの金属であることを特徴とする〔3〕に記載の樹脂組成物発泡体。
〔5〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、官能基と反応しうる基を有する化合物(B)により架橋されることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔6〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合することによって得られるオレフィン系(共)重合ゴムのグラフト変性体(A−1)であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔7〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、エチレンに由来する骨格を50モル%以上含むエチレン系共重合ゴムのグラフト変性体であることを特徴とする〔6〕に記載の樹脂組成物発泡体。
〔8〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基量が、0.01〜50重量%の範囲であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔9〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)100重量部に対し、前記官能基と反応しうる基を有する化合物(B)を1.5〜20重量部添加することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔10〕前記熱可塑性樹脂(C)が、炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合することによって得られる共重合体であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔11〕前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)および前記熱可塑性樹脂(C)の合計100重量%中、官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)の重量分率が10〜90重量%であり、熱可塑性樹脂(C)の重量分率が10〜90重量%であることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔12〕前記熱可塑性樹脂(C)からなる海相と、前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)からなる島相とを含む海島構造を有することを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔13〕発泡セルが前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)内に存在することを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔14〕前記化合物(B)が2価以上の化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔15〕密度が0.01〜0.85g/cm3であることを特徴とする〔1〕〜〔14
〕のいずれかに記載の樹脂組成物発泡体。
〔16〕押出機に請求項1に記載の混合物を供給して溶融させた後、該混合物100重量部に対し、0.1〜200重量部の発泡剤を添加して混合することを特徴とする樹脂組成物発泡体の製造方法。
〔17〕前記発泡剤が二酸化炭素であることを特徴とする〔16〕に記載の樹脂組成物発泡体の製造方法。
〔18〕押出機中、前記混合物を溶融する際の圧力、および発泡剤を添加して混合する際の圧力が8MPa以上であることを特徴とする〔16〕または〔17〕に記載の樹脂組成物発泡体の製造方法。
本発明によれば、微細な発泡セルを有する樹脂組成物発泡体を連続押出式で製造することができる。
図1は樹脂組成物発泡体の製造装置を示す模式図である。
以下、本発明の樹脂組成物発泡体およびその製造方法について詳細に説明する。
〔官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)〕
本発明に係る官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)(以下「官能基含有オレフィン系ゴム(A)」という。)は、オレフィン系ゴムを官能基で変性したポリマーであって、密度が0.90g/cm3未満のものである。なお、密度は電子密度計(ミラージュ(株
)、MD−200S)を用いて3ヶ所測定したときのそれぞれの密度についての平均値である。
上記オレフィン系ゴムとしては、一般に公知のオレフィン系ゴムが挙げられ、炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合して得られるオレフィン系(共)重合ゴムおよび炭素原子数2〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとの共重合ゴム等が挙げられる。
ここで、炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセンおよび12−エチル−1−テトラデセン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン等が好ましい。これらのα−オレフィンは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
非共役ポリエンとしては、具体的には、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロ
ピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエン等の環状ジエン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状の非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネンおよび4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンなどのトリエン等が挙げられる。これらの非共役ポリエンは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明において特に好ましく用いられるオレフィン系(共)重合ゴムは、エチレンに由来する骨格を50モル%以上含むエチレン系共重合ゴムである。
上記エチレン系共重合ゴムとしては、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合ゴム、およびエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとの共重合ゴムよりなる群から選ばれる1種以上のエチレン系共重合ゴム等が挙げられ、具体的には、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・ブテン−1共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴムおよびエチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合
ゴム等が挙げられる。
上記エチレン系共重合ゴムは、エチレンに由来する骨格を好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜85モル%含み、炭素原子数3〜20のα-オレフィンに由来する
骨格を好ましくは50モル%以下、より好ましくは40〜15モル%含む。ただし、エチレンに由来する骨格および炭素原子数3〜20のα-オレフィンに由来する骨格の合計を
100モル%とする。
また、エチレン系共重合ゴムに非共役ポリエンに由来する骨格が含まれる場合、エチレンに由来する骨格は好ましくは95〜1モル%、より好ましくは90〜5モル%、炭素原子数3〜20のα-オレフィンに由来する骨格は好ましくは95〜1モル%、より好まし
くは90〜5モル%、および非共役ポリエンに由来する骨格は好ましくは1〜30モル%、より好ましくは1〜20モル%含まれる。ただし、炭素原子数2〜20のα-オレフィ
ンに由来する骨格および非共役ポリエンに由来する骨格の合計を100モル%とする。
上記オレフィン系ゴムは、従来公知の方法を用いて製造することもできるし、市販品を用いてもよい。
上述したように、本発明で用いられるオレフィン系ゴムの密度は0.90g/cm3
満であるが、好ましくは0.80〜0.89g/cm3である。
上記オレフィン系ゴムに加えて、必要に応じて、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムおよびクロロプレンゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴムおよびウレタンゴム等の非ジエン系ゴム等を用いてもよい。
上記官能基含有オレフィン系ゴム(A)は、上記オレフィン系ゴムを官能基で変性したものであり、詳しくは上記オレフィン系ゴムを酸またはその誘導体等の官能基含有化合物でグラフト変性させたものである。
酸またはその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸
、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(登録商標;ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸)、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの酸無水物、スルホン酸およびその誘導体、イミド、アミド、ならびにエステル等が挙げられる。
これらのうち、酸の誘導体として具体的には、マレイン酸、シトラコン酸およびナジック酸(登録商標)等の不飽和カルボン酸の酸無水物、マレイミド、マレイン酸モノメチル、グリシジルマレエート、ならびにスルホン酸無水物等が挙げられる。これらのうち、不飽和カルボン酸の酸無水物が好ましく、マレイン酸およびナジック酸(登録商標)の酸無水物がより好ましい。
上記官能基含有オレフィン系ゴム(A)の製造方法としては、オレフィン系ゴムを官能基含有化合物でグラフト変性させる方法(方法1)と、オレフィン系ゴムに非共役ポリエンに由来する骨格が含まれる場合に該非共役ポリエンに由来する炭素−炭素二重結合部分を適当な処理剤と反応させることにより官能基を導入する方法(方法2)とが挙げられる。以下各方法について説明する。
上記オレフィン系ゴムを酸またはその誘導体等の官能基含有化合物でグラフト変性させる方法(方法1)としては、従来公知の方法を特に制限無く用いることができ、例えば、溶融させたオレフィン系ゴムに官能基含有化合物を添加してグラフト共重合させる溶融変性法、またはオレフィン系ゴムを溶媒に溶解させた後、官能基含有化合物を添加してグラフト共重合させる溶液変性法等を用いられる。
オレフィン系ゴムに官能基含有化合物を効率よくグラフトさせて官能基含有オレフィン系ゴム(A)を得るには、ラジカル開始剤の存在下に反応を行うことが好ましく、通常60〜350℃の温度下に反応を行うことが好ましい。ラジカル開始剤の使用量は、オレフィン系ゴム100重量部に対して、通常0.001〜2重量部である。
ここで、ラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物等が挙げられる。
官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基量は、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.05〜40重量%、特に好ましくは0.1〜30重量%である。官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基量が0.01重量%未満であると、架橋が進行せず微セル化ができない場合がある。一方、官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基量が50重量%を超えると、成形性が悪化する場合がある。
オレフィン系ゴム中に非共役ポリエンに由来する炭素−炭素二重結合が含まれている場合に、該オレフィン系ゴムにカルボン酸を導入する方法(方法2)としては、特開2006-137838号公報に記載の方法が挙げられ、オレフィン系ゴムにスルホン酸を導入
する方法としては、特開2000−143874号公報に記載の方法が挙げられる。
上記官能基含有オレフィン系ゴム(A)は上述した方法で製造してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、マレイン化エチレン・ブテン−1共重合ゴム(三井化学(株)製;MH7020)等が挙げられる。
官能基含有オレフィン系ゴム(A)の含有量は、官能基含有オレフィン系ゴム(A)、および熱可塑性樹脂(C)の合計100重量%中、好ましくは10〜90重量%、より好
ましくは15〜85重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
〔官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基と反応しうる基を有する化合物(B)〕
本発明に係る官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基と反応しうる基を有する化合物(B)(以下単に「化合物(B)」という。)は、可逆的または不可逆的のいかんによらず、官能基含有オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基と反応し、官能基含有オレフィン系ゴム(A)と上記化合物(B)との間に相互作用、例えば架橋を形成しうるものであれば特に制限はないが、好ましくは金属化合物であり、より好ましくは原子番号が3〜56のうちのいずれかの金属元素を含む化合物であり、特に好ましくはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛およびアルミニウムのうちのいずれかの金属元素を含む化合物である。
上記金属化合物としては、具体的には、有機酸の金属塩、無機酸の金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、ならびに、アミノ基、水酸基またはイソシアネート基を含有する金属化合物等が挙げられる。
有機酸としては、具体例には、ステアリン酸、酢酸、炭酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イミノ二酢酸、クエン酸、ニトリロ三酢酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ブタンテトラカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロペリト酸、ジエチレントリアミン五酢酸、メリト酸、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸および2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)等が挙げられる。これらのうち、2価以上の有機酸が好ましい。有機酸が2価以上であるとイオン架橋し易い傾向にある。
有機酸の金属塩は上記有機酸の金属塩であり、具体的には、コハク酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩およびアミノスルホン酸塩等が挙げられる。なかでもコハク酸カリウム、イミノ二酢酸カリウム、クエン酸カリウム、ニトリロ三酢酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸カリウム、ジエチレントリアミン五酢酸カリウムが好ましい。これらの有機酸の金属塩は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
無機酸としては、具体的には、リン酸、ホウ酸、硝酸、フッ化水素酸、塩酸、クロム酸、臭化水素酸、次亜塩素酸および過塩素酸等が挙げられる。
無機酸の金属塩は上記無機酸の金属塩であり、具体的には、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸バリウム、亜燐酸ナトリウム、亜燐酸カリウム、次亜燐酸ナトリウム、亜燐酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの無機酸の金属塩は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
金属酸化物としては、具体的には、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al23、Fe23、SnO、CaO、TiO2およびZrO2等が挙げられる。
金属水酸化物としては、具体的には、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)2
Cu2O(OH)2、Mg(OH)2、Mg2O(OH)2、Ba(OH)2、Zn(OH)2
、Sn(OH)2およびCa(OH)2等が挙げられる。
上記金属化合物は1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
また上述した金属化合物は、原子番号が3〜56のうちのいずれかの金属元素を含む化合物であり、ナトリウム化合物、カリウム化合物およびカルシウム化合物等である。
具体的には、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム、酢酸亜鉛および酢酸ナトリウム等が挙げられる。
化合物(B)は、従来公知の方法を用いて製造してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、クエン酸カリウム(純正化学(株)製;クエン酸三カリウム)、コハク酸カリウム(関東化学(株)製;コハク酸カリウム三水和物)、酢酸カリウム(関東化学(株)製;酢酸カリウム)、酢酸亜鉛(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製;酢酸亜鉛二水和物)および酢酸ナトリウム(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製;酢酸ナトリウム三水和物)等が挙げられる。
化合物(B)の含有量は、官能基含有オレフィン系ゴム(A)100重量部に対し、通常1.5〜20重量部、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは4〜20重量部であ
る。官能基含有オレフィン系ゴム(A)および化合物(B)を直接接触させてもよいし、化合物(B)を水溶液等にしてから接触させてもよい。
〔熱可塑性樹脂(C)〕
本発明に係る熱可塑性樹脂(C)としては、一般に公知の熱可塑性樹脂であって、密度が0.90g/cm3以上のものが挙げられる。なお、密度はオレフィン系ゴムの密度の
測定方法として上述したのと同じ方法で測定した。
上記熱可塑性樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が通常8,000以上、好ましくは10,000以上の樹脂またはそれらのブレンド物である。
上記熱可塑性樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン重合体、エチレン・プロピレン共重合体および環状オレフィン共重合体等の炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合することによって得られる(共)重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等のスチレン系重合体;ポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデン;エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン・ビニルアルコール共重合体、;ポリカーボネートおよびポリメタクリレート;ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロンMXD6、全芳香族ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド等のポリアミド;ポリアセタール;ならびにこれらの樹脂のブレンド物等が挙げられる。
なお、炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジメチルペンテン−1、ヘプテン−1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ジメチルオクテン−1、トリメチルヘプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエチルヘプテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−1およびヘキサドデセン−1等が挙げられる。
上述したように、本発明で用いられる熱可塑性樹脂(C)の密度は0.9g/cm3
上、好ましくは0.9〜1g/cm3である。
上記熱可塑性樹脂(C)は、従来公知の方法を用いて製造することもできるし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ポリプロピレン((株)プライムポリマー製;E111G)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(C)の含有量は、官能基含有オレフィン系ゴム(A)および熱可塑性樹脂(C)の合計100重量%中、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは15〜85重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
〔その他の成分〕
本発明に係る混合物には、上記官能基含有オレフィン系ゴム(A)、化合物(B)および熱可塑性樹脂(C)に加えて、必要に応じて熱安定剤、耐候安定剤、滑剤および着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。
〔樹脂組成物発泡体〕
本発明の樹脂組成物発泡体は、官能基含有オレフィン系ゴム(A)、化合物(B)および熱可塑性樹脂(C)を含む混合物を溶融混合および発泡することにより得られる。
発泡剤は、炭酸水素ナトリウムおよびジアゾアミノベンゼン等のいわゆる化学発泡剤でも物理発泡剤でもよいが、物理発泡剤を用いるのが好ましい。物理発泡剤としては、二酸化炭素および窒素等が挙げられ、二酸化炭素がより好ましい。これらの物理発泡剤は超臨界状態で用いられる。
発泡剤の濃度は、発泡剤の種類によっても異なるが、二酸化炭素を発泡剤として用いた場合には、混合物(原料樹脂)100重量部に対して、好ましくは0.1〜200重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。発泡剤の濃度が上記の範囲にあると、得られる樹脂組成物発泡体中の発泡セルを微細化することができ、かつ、発泡セルの気泡率を高くすることができる。
本発明の樹脂組成物発泡体は、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、バッチ式および連続押出式等が挙げられる。連続押出式は大量生産が可能で製造コストの面で有利であるが、従来の樹脂では微細な発泡セル、特に平均セル径が1000nm以下の発泡セルを有する発泡体を得ることは困難だった。しかしながら本発明では、官能基含有オレフィン系ゴム(A)、化合物(B)および熱可塑性樹脂(C)を含む混合物を用いることにより、連続押出式で微細な発泡セルを有する樹脂組成物発泡体を製造することができる。その理由の詳細は明らかではないが、本発明の樹脂組成物発泡体中の発泡セルは、主にゴム成分中に存在しており、該ゴム成分は架橋されているため、発泡セルは成長が抑制され、微細化された状態が維持されるためと考えられる。
本発明の樹脂組成物発泡体は、典型的には以下のステップを含む連続押出式で製造される。
(1)官能基含有オレフィン系ゴム(A)、化合物(B)および熱可塑性樹脂(C)を含む混合物(原料樹脂)に発泡剤を注入して溶融樹脂組成物を準備するステップ、および
(2)該溶融樹脂組成物を口金から連続的に押し出すステップ
本発明の樹脂組成物発泡体は、口金を装着した押出機を用いて製造される。
押出機としては、上記の押出機が特に制限無く用いられ、例えば、一軸押出機、二軸押
出機、あるいはこれらの押出機を直列につないだタンデム押出機等が用いられる。これらの中でも、タンデム押出機が1台目の押出機と2台目の押出機と(3台目の押出機と)で圧力を変えることができるため好ましい。
押出機の樹脂供給部に原料樹脂を供給し、押出機内の加熱されたシリンダー部におけるスクリューの回転により、供給された原料樹脂を溶融する。押出機の温度は、溶融樹脂組成物が押し出しに耐えうる溶融粘度となるように設定すればよく、例えば80〜260℃に設定すればよい。押出機のスクリューは、注入する発泡剤の性質に応じて最適なものを用いればよい。発泡剤として、例えば二酸化炭素や窒素等を用いる場合は、これら発泡剤を供給する部分で原料樹脂を溶融できる構造であればよく、特に制限されない。
溶融樹脂組成物は口金から押し出されて、相対的に減圧された雰囲気下で吐出される。口金は押出ダイまたは押出ヘッドとも称される。溶融樹脂組成物が口金から押し出されると、溶融樹脂組成物に溶解した発泡剤が発泡して発泡セルが形成され、その後溶融樹脂組成物が固化することにより樹脂組成物発泡体が製造される。
ダイの温度は80〜240℃程度に設定し、ダイの内部の圧力は10〜50MPaに調整することが望ましい。ダイの温度やダイの内部の圧力を高くすると、得られる樹脂組成物発泡体中の発泡セルが微細化され、かつ、樹脂組成物発泡体の密度も小さくなる。
溶融樹脂組成物は、原料樹脂に発泡剤を注入して溶解させることにより得られる。溶融樹脂組成物に熱安定剤および耐候安定剤等の添加剤が含まれている場合には、原料樹脂および添加剤の溶融物に発泡剤を注入すればよい。発泡剤の注入は加圧雰囲気下、好ましくは8MPa以上、より好ましくは8〜40MPaで行う。また、発泡剤を溶解させるときの原料樹脂の温度は通常120〜250℃、好ましくは160〜220℃である。
発泡剤は、超臨界流体として溶融した原料樹脂中に注入されるか、または溶融した原料樹脂中に注入してから超臨界流体とすることが好ましい。発泡剤を超臨界状態で用いることにより、発泡セルの成長を抑制することができるからである。なお、超臨界流体とはある物質の臨界温度以上であって、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体であり、気体と液体の中間の物理的性質を示す。超臨界流体の発泡剤は、通常の気体と比較して、溶融樹脂に対する溶解度が高い。例えば、二酸化炭素は、圧力7.38MPa以上、温度31℃以上で超臨界状態となるため、圧力が2.5MPa程度では超臨界状態とはなりえない。
発泡剤は、原料樹脂を押出機内に供給した後に注入して溶解させることが好ましい。原料樹脂に発泡剤を注入してから押出機に供給すると、発泡剤を均一に溶解させることが難しいからである。
また、発泡剤は原料樹脂に注入後、すべて溶解させることが好ましい。未溶解の発泡剤があると、樹脂組成物発泡体に大きな気泡が形成され、発泡セルを微細化しにくくなるからである。
溶融樹脂組成物は、必要に応じて、フィルターに通して濾過し、異物および変性ポリマーを除去してもよい。
溶融樹脂組成物は、加熱された流路(ポリマー管)内を通して口金部に導かれる。口金部へ溶融樹脂組成物を一定量で供給するために、ギアポンプを設けてもよい。口金部に導かれた溶融樹脂組成物は、口金内部で必要な幅に拡幅され、口金から吐出される。
押出機における圧力は、口金部直前までの間、溶融樹脂組成物から発泡剤が発泡しない
ように高圧力に維持される。押出機における圧力が、口金部直前までの間に低下すると発泡剤が発泡し、発泡セルが成長して大きくなり、発泡セルの微細化にとって好ましくないためである。なお、溶融樹脂組成物の圧力を口金部直前まで高く維持するため、口金部の直前部分に圧力調整弁を設けることが望ましい。
押出機内において発泡剤を溶解した溶融樹脂組成物は、口金から吐出されて成形され、それと同時に溶解している発泡剤が発泡する。
タンデム押出機を用いる場合、発泡剤の圧力は、溶融樹脂組成物が押出機内を流れて口金部に近づくにつれて徐々に高くすることが望ましい。注入された発泡剤を溶融樹脂組成物に完全に溶解させるためである。つまり1台目の押出機で発泡剤を溶融した原料樹脂中に圧入して溶解させ、さらに2台目の押出機で、未溶解の発泡剤を完全に溶解させることが望ましい。タンデム押出機を用いれば、1台目の押出機で原料樹脂および発泡剤を溶融させて、2台目の押出機に溶融樹脂組成物を定量供給するという、基本機能を2台の押出機にふり分けることにより、吐出量を増やしながら、剪断発熱を抑えることができる。また1台目の押出機内で原料樹脂を溶融および混練した後、発泡剤を注入し、2台目の押出機で発泡剤を完全に溶解させるため、2台目の押出機の温度を1台目の押出機の温度よりも低温に設定するのが一般的である。さらに1台目の押出機において、溶融樹脂組成物の供給側に発泡剤の逆流を防ぐリングおよびシール機構を設けることが望ましい。二酸化炭素を圧入する位置ではなく、圧力の低い溶融樹脂組成物の供給側にこのようなシール機構を設けることにより、発泡剤の逆流を防止するためである。
口金から吐出されて、シート状に成形された樹脂組成物発泡体は、1方向または2方向に延伸処理されてもよい。口金から吐出された樹脂組成物発泡体は実質的に非晶無配向であるが、延伸処理により配向性を付与することができる。延伸処理は、公知の技術である逐次二軸延伸あるいはチューブラー法またはテンター法による同時二軸延伸によって行うことができる。
上述の方法で得られた本発明の樹脂組成物発泡体中の発泡セルは微細であり、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した発泡セルの平均セル径は100〜3000nm、好ましくは100〜2000nm、より好ましくは100〜1000nm、さらに好ましくは100〜900nmである。また、本発明の樹脂組成物発泡体の密度は小さく、通常0.01〜0.85g/cm3、好ましくは0.01〜0.8g/cm3、より好ましくは0.01〜0.75g/cm3である。つまり、樹脂組成物発泡体中の発泡セルを微細化し、密度
を小さくすれば、断熱性、軽量性および反射特性等の特性が得られる。樹脂組成物発泡体中の発泡セルの平均セル径は、樹脂組成物発泡体の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子データム(株)製;JSM-6380)で観察し、任意に選択した10個のセ
ル径の平均値を求めたものである。また密度は、電子密度計(ミラージュ(株);MD−200S)を用いて、1つのサンプルにつき3ヶ所測定し、その平均値を求めたものである。
上記樹脂組成物発泡体は、熱可塑性樹脂(C)からなる海相と、官能基含有オレフィン系ゴム(A)からなる島相とを含む海島構造を有することが好ましい。
上記樹脂組成物発泡体中の発泡セルは、官能基含有オレフィン系ゴム(A)に由来するゴム成分中に主に形成される。このゴム成分は架橋されているため、二次加工をしても発泡セルの消失による変形が起こりにくく、原料ペレットのコストダウンを図ることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例および比較例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例に記した物性評価は、次の方法に従って測定した。
1)断面観察
サンプルを液体窒素に2Hr浸漬した。液体窒素から取り出すと同時にハンマーで破壊した。破壊したサンプルを十分乾燥させた後、蒸着装置JFC−1200FINE COATER(日本電子データム(株)製)で金を10nm蒸着した。同サンプルを走査型電子顕微鏡JSM−6380(日本電子データム(株)製)で観察した。測定条件は、サンプルに応じ、電圧:5〜15KV、倍率:2,000〜10,000倍で行った。
2)平均セル径測定
観察写真のうちランダムに選択した10個のセルの平均値をセル径とした。1枚の画像でセルが10個観察できない場合は複数枚の画像から10個のセルをランダムに選択しその平均値を算出した。
3)密度測定
電子密度計(ミラージュ(株);MD−200S)を用いて、3ヶ所測定したときのそれぞれの密度についての平均値をとった。
〔実施例1〕
図1に示す装置構成により樹脂組成物発泡体を製造した。すなわち、押出機としてはスクリュー径30mmの第1押出機1(単軸、L/D=32)およびスクリュー径45mm
の第2押出機3(単軸、L/D=36)を用い、冷却用水槽、およびペレタイザーがつな
がった装置構成により樹脂組成物発泡体を製造した。第1押出機1はホッパー8および中央付近に二酸化炭素供給部7を有し、第2押出機とは連結管2でつなげた。また第2押出機3
の先端には、第1押出機1および第2押出機3の圧力が制御できる圧力制御ダイ4を設けた
まず、オレフィン系ゴム(A)としてマレイン化エチレン・ブテン−1共重合ゴム(マレイン化EBR)(三井化学(株)製;MH7020、MFR:1.5g/10min、密度0.87g/cm3)60質量部と、化合物(B)としてクエン酸カリウム(純正化
学(株)製;クエン酸三カリウム)10重量部と、熱可塑性樹脂(C)としてポリプロピレン((株)プライムポリマー製;E111G、MFR:0.5g/10min、密度0.91g/cm3)40質量部とを十分にドライブレンドしてホッパー8より投入した。なお、マレイン化EBRおよびポリプロピレンの密度は、電子密度計(ミラージュ(株)、MD−200S)を用いて3ヶ所測定したときのそれぞれの密度についての平均値である。
次にこの混合物をホッパー8より第1押出機1に供給して、設定温度190℃で加熱溶融させた。このときの第1押出機1のスクリュー回転数を30rpmとした。二酸化炭素に
はサイホン式の液化二酸化炭素ボンベ9を使用し、液相部分から直接取り出せるようにし
た。液化二酸化炭素ボンベ9から二酸化炭素用定量ポンプ10までの流路は、冷媒循環機11
により−12℃に調節したエチレングリコール水溶液で冷却し、二酸化炭素を液体状態で二酸化炭素用定量ポンプ10まで送液できるようにした。
次に、送液した液状二酸化炭素の流量を直接質量流量計12にて確認しながら二酸化炭素用定量ポンプ10を制御した。また二酸化炭素用定量ポンプ10の吐出圧力を30MPaとなるよう保圧弁13にて調整し、二酸化炭素を第1押出機1内に供給した。このときの二酸化
炭素供給部7の溶融樹脂圧力は15MPaであった。
このようにして溶融した樹脂組成物の合計量100質量部に対して、二酸化炭素を10質量部の割合で第1押出機1に供給し、スクリューで均一に溶解拡散させた。二酸化炭素
を含んだ溶融状態の樹脂組成物は、連結管2を通って第2押出機3へ送られる。第2押出機3の設定温度は200℃、スクリュー回転数は15rpmとした。また、第2押出機3の先端の圧力を15MPaに維持するように圧力制御ダイ4で制御した。
このようにして押し出された樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)は海相がポリプ
ロピレン、島相がマレイン化EBRであった。また、断面観察およびセル径測定を行った結果、得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は300nm、密度は0.
68g/cm3であった。
〔実施例2〕
実施例1において、化合物(B)の量を10重量部から3.8重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は300nm、密度は0.70
g/cm3であった。
〔実施例3〕
実施例1において、化合物(B)の量を10重量部から1.1重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は2800nm、密度は0.7
3g/cm3であった。
〔実施例4〕
実施例2において、オレフィン系ゴム(A)の量を60質量部から80質量部に変更し、熱可塑性樹脂(C)の量を40質量部から20質量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は350nm、密度は0.69
g/cm3であった。
〔実施例5〕
実施例2において、オレフィン系ゴム(A)の量を60質量部から20質量部に変更し、熱可塑性樹脂(C)の量を40質量部から80質量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は400nm、密度は0.85
g/cm3であった。
〔実施例6〕
実施例3において、化合物(B)としてクエン酸カリウムに代えて、コハク酸カリウム(関東化学(株)製;コハク酸カリウム三水和物)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は3000nm、密度は0.7
7g/cm3であった。
〔実施例7〕
実施例3において、化合物(B)としてクエン酸カリウムに代えて、酢酸カリウム(関東化学(株)製;酢酸カリウム)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は3000nm、密度は0.7
8g/cm3であった。
〔実施例8〕
実施例3において、化合物(B)としてクエン酸カリウムに代えて、酢酸亜鉛(シグマ
アルドリッチ ジャパン(株)製;酢酸亜鉛二水和物)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は2000nm、密度は0.7
8g/cm3であった。
〔実施例9〕
実施例3において、化合物(B)としてクエン酸カリウムに代えて、酢酸ナトリウム(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製;酢酸ナトリウム三水和物)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は2500nm、密度は0.7
7g/cm3であった。
〔実施例10〕
実施例1において、溶融した樹脂組成物の合計量100質量部に対する二酸化炭素の第1押出機1への供給量を10質量部から30質量部に変更したことと、第2押出機3の先端の圧力制御を15MPaから30MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物発泡体(ストランド状樹脂5)を製造した。
得られたストランド状樹脂5中の発泡セルの平均セル径は300nm、密度は0.12
g/cm3であった。
〔比較例1〕
実施例1において、化合物(B)の量を10重量部から0.75重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてストランド状の樹脂発泡体を製造した。
得られた樹脂発泡体中の発泡セルのセル径は5300nm、密度は0.83g/cm3
であった。
〔比較例2〕
実施例1において、化合物(B)の量を10重量部から0.38重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてストランド状の樹脂発泡体を製造した。
得られた樹脂発泡体中の発泡セルの平均セル径は8200nm、密度は0.83g/cm3であった。
〔比較例3〕
実施例1において、化合物(B)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてストランド状の樹脂発泡体を製造した。
得られた樹脂発泡体中の発泡セルの平均セル径は15000nm、密度は0.86g/cm3であった。
Figure 0005511303
1 第1押出機
2 連結管
3 第2押出機
4 圧力制御ダイ
5 ストランド状樹脂
6a オレフィン系ゴム(A)
6b 化合物(B)
6c 熱可塑性樹脂(C)
7 二酸化炭素供給部
8 ホッパー
9 液化二酸化炭素ボンベ
10 二酸化炭素用定量ポンプ
11 冷媒循環機
12 直接質量流量計
13 保圧弁

Claims (17)

  1. 官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)、金属化合物である、該オレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基と反応しうる基を有する化合物(B)、および熱可塑性樹脂(C)を含む混合物を、溶融混合および発泡することにより得られる、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した平均セル径100〜3000nmの発泡セルを有する樹脂組成物発泡体。
  2. 前記官能基が酸基または酸無水物基であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物発泡体。
  3. 前記化合物(B)に含まれる金属が、原子番号3〜56のうちのいずれかの金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物発泡体。
  4. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、官能基と反応しうる基を有する化合物(B)により架橋されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  5. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合することによって得られるオレフィン系(共)重合ゴムのグラフト変性体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  6. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)が、エチレンに由来する骨格を50モル%以上含むエチレン系共重合ゴムのグラフト変性体であることを特徴とする請求項に記載の樹脂組成物発泡体。
  7. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)に含まれる官能基量が0.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  8. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)100重量部に対し、前記官能基と反応しうる基を有する化合物(B)を1.5〜20重量部添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  9. 前記熱可塑性樹脂(C)が、炭素原子数2〜20のα−オレフィンを(共)重合することによって得られる(共)重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  10. 前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)および前記熱可塑性樹脂(C)の合計100重量%中、官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)の重量分率が10〜90重量%であり、熱可塑性樹脂(C)の重量分率が10〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  11. 前記熱可塑性樹脂(C)からなる海相と、前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)からなる島相とを含む海島構造を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  12. 発泡セルが前記官能基を含有するオレフィン系ゴム(A)内に存在することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  13. 前記化合物(B)が2価以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  14. 密度が0.01〜0.85g/cm3であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物発泡体。
  15. 押出機に請求項1に記載の混合物を供給して溶融させた後、該混合物100重量部に対し、0.1〜200重量部の発泡剤を添加して混合することを特徴とする樹脂組成物発泡体の製造方法。
  16. 前記発泡剤が二酸化炭素であることを特徴とする請求項15に記載の樹脂組成物発泡体の製造方法。
  17. 押出機中、前記混合物を溶融する際の圧力、および発泡剤を添加して混合する際の圧力が8MPa以上であることを特徴とする請求項15または16に記載の樹脂組成物発泡体の製造方法。
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