JP4898631B2 - ポリエチレン樹脂組成物及びそれを用いたプリントラミネート用フィルム並びにプリントラミネート製品 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物及びそれを用いたプリントラミネート用フィルム並びにプリントラミネート製品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエチレン樹脂組成物及びそれを用いたプリントラミネート用フィルム並びにプリントラミネート製品に関し、さらに詳しくは、押出ラミネート加工性、カット性に優れたポリエチレン樹脂組成物、およびそれを用いたプリントラミネートフィルムならびにプリントラミネート製品に関する。
印刷したパルプ紙や合成紙等の印刷面を保護したり、耐水性、耐油性の付与、光沢を与えて美麗化する目的で、印刷紙の上にフィルムをラミネートすることが通常行なわれており、該フィルムは一般にプリントラミネート用フィルムと称している。印刷紙にプリントラミネート用フィルムがラミネートされたプリントラミネート製品は、書籍、雑誌等の表紙、ファイル等の文具、紙パッケージなどに適用されている。プリントラミネート用フィルムとしては、従来、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン.α―オレフィン共重合体と低密度ポリエチレンとの混合物を基材に押出ラミネート加工法により積層された積層体が使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この特許文献1、2には、熱可塑性樹脂フィルム基材の片面に、この基材の熱可塑性樹脂の融点より低い融点を有する下記(A)成分と(B)成分を含有する樹脂接着層を設けた積層フィルムが記載されている。(A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとを共重合して得た密度、MFRが特定の直鎖状エチレン系共重合体60〜97重量%(B)密度が、MFRが特定のエチレン系樹脂40〜3重量%。また、この積層フィルムを用い、印刷が施こされたシート状物の印刷面に樹脂接着層が貼合するように熱圧着して得られたプリントラミネート製品が記載されている。
上記のような従来のプリントラミネート用フィルムは、押出ラミネート加工性、紙との接着性、透明性、光沢といった視覚的性能は良好である。ところが、カット性に問題があり、印刷紙とのラミネート後、所定の寸法に断裁する際に、フィルムが伸び千切れてしまい断裁面の見栄えが悪くなったり、伸びちぎれたフィルムが断裁刃にこびりつき益々刃の切れ味を悪化させたりする不具合を生じさせていた。カット性の改善のため、MFRの低い低密度ポリエチレンの混合量を多くすると、プリントラミネート外観、印刷紙との接着性を悪化させる。又、高MFR低密度ポリエチレンを混合すると高速押出ラミネート加工性が悪化し、良好な積層体が得ることが出来ないという問題がある。
特開平7−117197号公報 特開平10−80987号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、押出ラミネート加工性、カット性に優れたポリエチレン樹脂組成物、およびそれを用いたプリントラミネートフィルムならびにプリントラミネート製品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のMFRと密度を有し、かつ該MFRと流入圧力損失比(Re)が、特定の関係式で表される押出ラミネート用低密度ポリエチレン樹脂50〜80重量%と、メタロセン触媒を用いて製造された、エチレンと炭素数3〜12のα―オレフィンとを共重合して得られた特定のMFRと密度を有するエチレン.α―オレフィン共重合体樹脂50〜20重量%のポリエチレン混合物を用いることで、高速押出ラミネート加工性を悪化させず、プリントラミネート外観、印刷紙との接着性、カット性が良好なプリントラミネート用フィルムを得ることが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、密度が0.90〜0.93g/cm、MFR(試験条件:190℃、2.16kg荷重)が50〜200g/10分であり、かつMFRと流入圧力損失比(Re)が以下の関係式(1)を満たす低密度ポリエチレン(A)50〜90重量%、及び密度が0.87〜0.90g/cm、MFRが10〜100g/10分のエチレン・α―オレフィン共重合体(B)50〜10重量%からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物が提供される。
関係式(1):
−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67…(1)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、エチレン・α―オレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて製造されたものであることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、ポリエチレン樹脂組成物は、密度が0.910g/cm以下、MFRが30g/10分以上であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物が提供される。
一方、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明に係るポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に積層されてなるプリントラミネート用フィルムが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、基材が二軸延伸ポリプロピレンであることを特徴とするプリントラミネート用フィルムが提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第4又は5の発明において、ポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に、150〜300℃の温度で溶融押出ラミネート加工法によって積層されることを特徴とするプリントラミネート用フィルムが提供される。
一方、本発明の第7の発明によれば、第4〜6のいずれかの発明に係るプリントラミネート用フィルムを用い、該フィルムのポリエチレン樹脂組成物面を印刷紙の印刷面と熱ラミネートしてなるプリントラミネート製品が提供される。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、低密度ポリエチレンとエチレン.α―オレフィン共重合体樹脂を含有し、低密度ポリエチレンが特定のMFRと密度を有し、かつ該MFRと流入圧力損失比(Re)が、特定の関係式で表される押出ラミネート用低密度ポリエチレン樹脂であるため、高速押出ラミネート加工性、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性に優れている。また、特定のMFRと密度を有するエチレン.α―オレフィン共重合体樹脂を用いているため、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性、押出ラミネート加工性、プリントラミネート用フィルムのブロッキング性に優れている。そのために良好なプリントラミネートフィルムならびにプリントラミネート製品を安定して効率的に得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、密度が0.90〜0.93g/cm、MFR(試験条件:190℃、2.16kg荷重)が50〜200g/10分であり、かつMFRと流入圧力損失比(Re)とが特定の関係式(1)を満たす低密度ポリエチレン(A)50〜90重量%、及び密度が0.87〜0.90g/cm、MFRが10〜100g/10分のエチレン・α―オレフィン共重合体(B)50〜10重量%からなることを特徴とし、また、本発明のプリントラミネート用フィルムは、ポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に積層されており、さらに、本発明のプリントラミネート製品は、プリントラミネート用フィルムを用い、該フィルムのポリエチレン樹脂組成物面を印刷紙の印刷面と熱ラミネートしてなるものである。
以下、本発明のポリエチレン樹脂組成物及びそれを用いたプリントラミネート用フィルム並びにプリントラミネート製品について、項目毎に詳細に説明する。
1.ポリエチレン樹脂組成物
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、低密度ポリエチレン(A)50〜90重量%、及びエチレン・α―オレフィン共重合体(B)50〜10重量%からなるものである。
(1−1)低密度ポリエチレン(A)
本発明において低密度ポリエチレン(A)は、所定の物性を満たす限り、特に制限はないが、高圧ラジカル重合法によって製造されたポリエチレンを、ラジカル開始剤により処理する方法、さらに好ましくは、オートクレーブ高圧ラジカル重合法によって製造されたポリエチレンを、ラジカル開始剤により処理する方法で得られるものであり、密度が0.90〜0.93g/cm、好ましくは0.91〜0.92g/cm、190℃、2.16kg荷重におけるMFRは、50〜200g/10分、好ましくは60〜180g/10分、より好ましくは90〜160g/10分である。
密度が下限未満では、カット性が低下し、上限を越えると接着強度が低下する。MFRが下限未満では押出ラミネート加工性、カット性が低下し、上限を越えると押出ラミネート加工性が低下する。
本発明において低密度ポリエチレン(A)は、MFRと流入圧力損失比(Re)の関係が下記の(1)式を満たすことが重要であり、好ましくは(1)’式を満たす。
ここで、流入圧力損失比(Re)とは、毛管粘度計においてリザーバーから毛管へ樹脂が流入する際の圧力損失ΔPeを、毛管壁剪断応力τwで除した値である。
−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67…(1)
−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+55…(1)’
低密度ポリエチレンは、MFRが大きいほど分子量が小さくなる傾向にあり、Reも小さくなる傾向にある。一方、ポリエチレン分子鎖中に長鎖分岐が増えると、Reは大きくなる傾向がある。関係式(1)及び(1)’を満たすポリエチレンは、公知の低密度ポリエチレンと比較して、分岐の構造に特徴を有していると考えられ、Reがより大きい値を有するものである。すなわち、本発明における低密度ポリエチレン(A)は、公知の低密度ポリエチレンと比較して、長鎖分岐が多いポリエチレンであると考えられる。このようなことからMFRにも依存するReを、MFRとの関係式で示した。
本発明において流入圧力損失比(Re)が上記の範囲を外れていると、外観良好なプリントラミネート用フィルム並びにプリントラミネート製品を得ることが実質的に困難である。
本発明に係る低密度ポリエチレン(A)を製造するには、高圧ラジカル重合法によって製造されたポリエチレンを、ラジカル開始剤により処理する方法を採用することが好ましい。
上記ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、ジヒドロ芳香族、ジクミル化合物等が挙げられる。その有機過酸化物としては、例えば、(i)t−ブチルハイドロパーオサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、(ii)メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、(iii)イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、(iv)ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシヘキサン)、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルヘキシン)−3、ジ−t−アミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、(v)2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール、(vi)t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類、(vii)ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカルボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類、(viii)3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン等の環状有機過酸化物類などが挙げられる。
有機過酸化物の性状は、固体、液体、気体のいずれであっても良いが、ポリエチレンとの混合しやすさの観点から、液体が好ましい。
有機過酸化物の1時間半減期温度(T60)は、100〜200℃が好ましく、130〜180℃がより好ましい。100℃以下では、ポリエチレンとの融点差が少なく、ゲル化しにくい温度条件範囲が著しく狭くなる。一方、1時間半減期温度が200℃を超えると、十分な反応率を得るために著しい高温混練が必要となり、樹脂強度の低下、着色、発煙、臭気などが副生する。
有機過酸化物の配合量は、ポリエチレン100重量部に対し、0.001重量部以上とし、好ましくは0.005重量部以上であり、更に好ましくは0.01重量部以上である。流動性の観点から、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは5重量部以下であり、更に好ましくは3重量部以下である。
ラジカル反応には、押出機内で樹脂とラジカル開始剤を同時に溶融混練して反応させる溶融反応法、または有機溶媒に樹脂とラジカル開始剤を溶解し、加温混合攪拌しながら反応させる溶液反応法が好適に用いられる。
ラジカル反応温度[T(2)](℃)は、下記の関係式(2)を満たすことが好ましく、関係式(2)’ を満たすことがより好ましい。
関係式(2):T60+50<T(2)<T60+100…(2)
関係式(2)’:T60+80<T(2)<T60+95…(2)’
(式中、T60は、ラジカル開始剤(C)の1時間半減期温度[℃]を表す。)
ラジカル反応前に、樹脂とラジカル開始剤とを定量ブレンドすることが必要である。これは、ラジカル反応設備に定量供給装置により計量しながら樹脂とラジカル開始剤を供給する方法、樹脂とラジカル開始剤とをタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いてドライブレンドしてからラジカル反応設備に供給する方法、ドライブレンドした後、押出機で溶融ブレンドした後にラジカル反応設備に供給する方法、押出機に樹脂とラジカル開始剤をそれぞれ定量供給しながら溶融ブレンドしてからラジカル反応設備に供給する方法などが用いられる。
溶融ブレンドは、ラジカル反応に必要な樹脂とラジカル開始剤の全量を溶融ブレンドする方法、ラジカル開始剤の全量と樹脂の一部だけを溶融ブレンドしておきラジカル反応時に希釈ブレンドする方法、等が用いることができるが、ラジカル反応に必要な樹脂とラジカル開始剤の全量を溶融ブレンドする方法の方が好適である。
溶融ブレンドは、ラジカル反応を抑制した温度で十分に樹脂中にラジカル開始剤を分散させることが目的である。そのためには、ラジカル反応を抑制できる混練温度の選定が重要となる。本発明では、この混練温度[T(1)](℃)は下記(3)式を満たすことが好ましい。
Tm<T(1)<T60+5…(3)
溶融混練であるため、樹脂の融点(Tm)以下での混練は、実質的に不可能である。また、混練温度が上記(3)式の上限を超えると、無視し得ない量のラジカル開始剤が分解するので好ましくない。さらに、ラジカル開始剤の分解速度は、高温ほど速くなるため、ラジカル反応をさせない溶融ブレンドのためには、できるだけ低温で混練することが望ましく、下記関係式(3)’で行うことがより好ましい。
Tm<T(1)<T60−3…(3)’
本発明に係る低密度ポリエチレン(A)を製造する方法の好ましい態様として、ポリエチレンとラジカル開始剤とを、上記の関係式(2)又は(2)’を満たす温度T(2)で溶融混練する工程を含むことを特徴とする方法でも良いし、また、別の態様として、ポリエチレンとラジカル開始剤とを、上記の関係式(3)又は(3)’を満たす温度T(1)で溶融混練する第一工程と、次いで、前記第一工程の生成物を前記の関係式(2)又は(2)’を満たす温度T(2)で溶融混練する第二工程を含むことを特徴とする方法でも良い。
ラジカル反応には、押出機内で樹脂とラジカル開始剤を同時に溶融混練して反応させる溶融反応法、または有機溶媒に樹脂とラジカル開始剤を溶解し、加温混合攪拌しながら反応させる溶液反応法が好適に用いられる。
(1−2)エチレン.α―オレフィン共重合体(B)
本発明において、エチレン.α―オレフィン共重合体(B)は、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られる共重合体である。具体的には、エチレンと1種類のα−オレフィンとを共重合して得られる2元共重合体、およびエチレンと2種類のα−オレフィンとを共重合して得られる3元共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられ、単独で用いても2種以上用いてもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、密度(JIS K6922)が0.87〜0.90g/cm、好ましくは0.875〜0.90g/cm、MFR(JIS K6921)が10〜100g/10分、好ましくは12〜80g/10分、より好ましくは15〜40g/10分である。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、MFRが10g/10分未満のものは、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性に劣り、100g/10分を超えるものは押出ラミネート加工性に劣る。密度が0.87g/cm未満のものは押出ラミネート加工性、プリントラミネート用フィルムのブロッキング性に劣り、0.90g/cmを超えるものはプリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性に劣る。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、公知のチタン系触媒またはメタロセン触媒を用いて重合して製造することができるが、重合触媒としてメタロセン化合物を用いて高圧イオン重合、気相重合、溶液重合により製造した共重合体を用いることが好ましい。
(1−3)混合比
本発明において、低密度ポリエチレン(A)とエチレン.α―オレフィン共重合体(B)は、低密度ポリエチレン(A)が50〜90重量%、好ましくは55〜80重量%、エチレン.α―オレフィン共重合体(B)が10〜50重量%、好ましくは20〜45重量%の割合で混合される。
低密度ポリエチレン(A)が50重量%未満では、カット性が低下するだけでなく、積層体が高価になり、安価なプリントラミネート製品を提供することが難しい。90重量%を超えると、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性に劣る。エチレン.α―オレフィン共重合体(B)が10重量%未満では、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性に劣り、50重量%を超えるとカット性が低下するだけでなく、積層体が高価になり、安価なプリントラミネート製品を提供することが難しい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物(以下、ポリエチレン混合物ともいう)は、プリントラミネートのつぶれ性、印刷紙との接着性、カット性等のプリントラミネート用フィルムの性能を総合的に勘案すると、MFRが30g/10分以上、密度が0.910g/cm以下が好ましい。これよりも密度が高くなるとつぶれ性、接着性が低下傾向となり、MFRが低くなるとカット性が低下傾向となる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、フィラー、発泡剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、前記低密度ポリエチレン(A)を製造する際、ラジカル反応前に配合してもよく、ラジカル反応後に配合してもよい。
2.プリントラミネート用フィルム、プリントラミネート製品
本発明のプリントラミネート用フィルムは、前記ポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に積層されてなるものである。前記ポリエチレン樹脂組成物からなる層が熱圧着層になる。
基材(B)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1―ペンテン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6・66、ポリアミド12等の熱可塑性樹脂のフィルムまたはシート等のほか、紙、アルミや鉄などの金属箔、セロハンが挙げられる。
また、基材(B)の形態は、フィルムやシートに限定されず、織布、不織布のような形状であってもよい。また、これら基材(B)には、蒸着や各種コーティングが施されていても良い。また一軸もしくは二軸延伸が施されていても良い。光沢や透明性といった光学特性や機械的特性などに優れる点で、特に二軸延伸ポリプロピレンが好ましい。
プリントラミネート用フィルムの厚さは、特に制限はないが、一般に10〜200μm程度、基材の厚さは一般に5〜100μm程度、熱圧着層は一般に5〜100μm程度である。
プリントラミネート用フィルムを製造するには、例えば上記特定のポリエチレン樹脂組成物と基材とを特定の加工条件下で、押出ラミネート法により、積層することができる。押出ラミネート法は、Tダイより押出した溶融樹脂膜を、基材上に連続的に被覆・圧着する方法で、被覆と接着を同時に行う成形加工法である。
押出ラミネート成形時の成形温度は、積層体であるプリントラミネート用フィルムの層間接着強度や押出ラミネート加工性の観点から、例えば150〜300℃であり、200〜280℃が好ましい。基材と熱圧着層との層間接着強度を高めるため、アンカーコート剤を介在させたり、基材、溶融樹脂膜にコロナ放電処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施したりしても良い。
一方、本発明のプリントラミネート製品は、上記プリントラミネート用フィルムを用い、該フィルムのポリエチレン樹脂組成物面(熱圧着層)を印刷紙の印刷面と熱ラミネートしたものである。
印刷紙は、パルプ紙や合成紙等の紙にインクなどで絵や文字、模様などが印刷されたものである。熱ラミネートは、例えば、温度が60〜120℃の加熱ロールを用い、プリントラミネート用フィルムの溶融又は軟化状態の熱圧着層と印刷紙とをロール線圧5〜100Kgで圧着することができる。
このプリントラミネート製品は、食品、医薬・医療品、化粧品及びその他産業資材や工業資材等の包装用途、剥離紙、工程紙などに代表される加工紙用途に、好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において用いたけるポリエチレン樹脂、その物性、得られたプリントラミネート製品等の試験方法は、以下の通りである。
1.ポリエチレン樹脂
(1)ポリエチレンB
下記ポリエチレンA−2の低密度ポリエチレンの粉砕品をタンブラーミキサーに入れ、粉砕品99.903wt%に日本油脂(株)製パーオキサイド「パーヘキサ25B−40」を0.097wt%の割合で配合し、15分間ドライブレンドし、この混合物を東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度130℃、滞留時間45秒にて、溶融ブレンドした。
このブレンド物を、東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、シリンダ1設定温度150℃、他全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度230℃、滞留時間80秒にて溶融混練し、パーオキサイドを反応させてポリエチレンのペレットBを作製した。
得られたポリエチレン樹脂の密度は、0.915g/cm、MFRは52g/10分、Reは38であり、−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67の(1)式を満たしている。
(2)ポリエチレンC
ポリエチレンA−1(低密度ポリエチレン)を、東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度130℃、滞留時間45秒で溶融混練する際、シリンダ第4ゾーンから液添ポンプにて日本油脂(株)製パーオキサイド「パーヘキサ25B−40」を0.7wt%となるように、流量を調整しつつ注入し、パーオキサイドの溶融ブレンド品を作製した。なお、ポリエチレンA−1とは、オートクレーブ反応器を有する高圧法低密度ポリエチレン製造設備を用い、重合圧力115MPaで製造した、MFR90g/10分、密度0.914g/cm、融点Tm=103℃のLDPE(高圧ラジカル重合法ポリエチレン)である。
この溶融ブレンド品5重量%とポリエチレンA−1を95重量%の割合でタンブラーミキサーにて5分間攪拌混合し、できあがった混合物を東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、シリンダ1設定温度150℃、他全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度230℃、滞留時間80秒にて溶融混練し、パーオキサイドを反応させてポリエチレンCを作製した。
得られたポリエチレン樹脂の密度は0.914g/cm、MFRは88g/10分、Reは17であり、−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67の(1)式を満たしている。
(3)ポリエチレンD
下記オートクレーブ反応器を有する高圧法で製造したポリエチレンA−3を99.94wt%と、日本油脂(株)製パーオキサイド「パーヘキシルD」を0.06wt%の割合で、15分間ドライブレンドし、この混合物を東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度130℃、滞留時間45秒にて、溶融ブレンドした。
このブレンド物を、東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、シリンダ1設定温度150℃、他全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度230℃、滞留時間80秒にて、溶融混練しパーオキサイドを反応させてポリエチレンのペレットDを作製した。
得られたポリエチレン樹脂の密度は0.913g/cm、MFRは140g/10分、Reは32であり、−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67の(1)式を満たしている。
(4)ポリエチレンE
下記オートクレーブ反応器を有する高圧法で製造したポリエチレンA−4を99.985wt%と、日本油脂(株)製パーオキサイド「パーヘキシルD」を0.015wt%の割合で、15分間ドライブレンドし、この混合物を東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度130℃、滞留時間45秒にて、溶融ブレンドした。
このブレンド物を、東芝機械製TEM35B 2軸同方向押出機にて、シリンダ1設定温度150℃、他全てのシリンダ及びアダプター、ダイの設定温度230℃、滞留時間80秒にて、溶融混練しパーオキサイドを反応させてポリエチレンのペレットEを作製した。
得られたポリエチレン樹脂の密度は0.915g/cm、MFRは30g/10分、Reは20であり、−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67の(1)式を満たしていない。
(5)ポリエチレンF:
低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)社製 LJ808、MFR:21g/10分、密度:0.917g/cm、流入圧力損比(Re)16)を用いた。−15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67の(1)式を満たしていない。
(6)ポリエチレンA−2:
オートクレーブ反応器を有する高圧法低密度ポリエチレン製造設備を用い、重合圧力125MPaで製造した、MFR80g/10分、密度0.915g/cm、融点Tm=104℃の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン。
(7)ポリエチレンA−3:
オートクレーブ反応器を有する高圧法低密度ポリエチレン製造設備を用い、重合圧力110MPaで製造した、MFR150g/10分、密度0.913g/cm、融点Tm=101℃の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン。
(8)ポリエチレンA−4:
オートクレーブ反応器を有する高圧法低密度ポリエチレン製造設備を用い、重合圧力132MPaで製造した、MFR50g/10分、密度0.915g/cm、融点Tm=105℃の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン。
(9)エチレン.α―オレフィン共重合体−1(LLDPE−1):
日本ポリエチレン(株)社製 カーネルKJ640T(メタロセン触媒を用いた製品、MFR:30g/10分 密度:0.88g/cm)。
(10)エチレン.α―オレフィン共重合体−2(LLDPE−2):
日本ポリエチレン(株)社製 カーネルKS560T(メタロセン触媒を用いた製品、MFR:16.5g/10分 密度:0.898g/cm)。
2.ポリエチレン樹脂の評価方法
(1)密度:
JIS K6922−2に準拠して測定した。
(2)メルトフローレート(MFR):
メルトフローレート(MFR)(試験条件:190℃、2.16kg荷重)は、JIS K6922−2に準拠して測定した。
(3)流入圧力損失比(Re):
測定には、東洋精機社製毛管粘度計「キャピログラフ 1B」を用いた。装置のリザーバーの直径は9.55mmである。また、毛管は、直径が1mm、流入角が180°で長さが5mm、20mm、40mmの3種類のものを用いた。温度は150℃、プランジャーの降下速度は10mm/分から500mm/分で行った。
得られたデータは、同一押出し速度において、押出し圧力を毛管の長さに対してプロットするいわゆるバグレイプロットにより、管入口部での流入圧力損失(ΔPe)と管壁での真の剪断応力(τw)を求めた。
最後に、ΔPe/τwをτwに対してプロットし、τw=10Paにおける流入圧力損失比の値を求め、Re値とした。
3.押出ラミネート加工性
樹脂温度240℃、幅500mm、肉厚15μmの条件で、引取速度50,100,150,200m/分の各条件で肉厚が均一(13〜17μm)に製膜できるかを、次のように評価した。○:製膜が均一に加工可能、△:膜割れ発生で製膜できず、×:ドローレザナンス発生により製膜が不均一で加工不可能。
4.プリントラミネート製品の評価方法
(1)光沢
プリントラミネート製品の印刷部の光沢度(20度)を、JIS−K7150に準拠して測定した。測定装置にはスガ試験機社製のUGV−5DP(商品名)を用いた。
(2)ツブレ性
ツブレ性(印刷紙と積層接着樹脂との密着性)を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
外観のツブレ状態 評価
残存空気が全くなく、印刷色が鮮明 ○
印刷色上に空気がスジ状や斑点として残存 △
印刷色上に空気が帯状に残存し、印刷色が不鮮明 ×
(3)プリントラミネートフィルムと印刷紙との接着強度
プリントラミネート製品を幅25mm、長さ100mmの試験片切断し、長さ方向50mmを手で剥離した後、島津製作所引張試験機で180度方向に300mm/分の引張速度で剥離した引張強度の値を示した。
(4)カット性
エルメンドルフ引裂試験にて積層体1枚の引裂強度を評価した。
[実施例1]
ポリエチレンB(60重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:42g/10分、密度:0.901g/cm)を口径が90mmの押出機に装着したTダイスから、樹脂温度240℃、幅500mm、肉厚15μmになるようにフィルム状に溶融押出しした。
次いで、押出ラミネート装置の基材の繰出部より基材フィルムのOPP(フタムラ化学(株)社製FOR#15)を繰り出し、アンカーコート剤(東洋インキ化学工業(株)社製EL420/メタノール=1/9)を塗布し乾燥後、OPPのアンカーコート剤層面にTダイスからフィルム状に溶融押出したポリエチレン混合物と、表面をマット仕上げした冷却ロールと圧縮ゴムロールで圧着ラミネートし、積層体を得た。ポリエチレン混合物の加工性は安定していた。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[実施例2]
ポリエチレンC(60重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:57g/10分、密度:0.90g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様に加工性は安定していた。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[実施例3]
ポリエチレンD(60重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:76g/10分、密度:0.90g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様に加工性は安定していた。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[実施例4]
ポリエチレンD(75重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(25重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:95g/10分、密度:0.905g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様に加工性は安定していた。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[実施例5]
ポリエチレンC(60重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−2(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:45g/10分、密度:0.908g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様に加工性は安定していた。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[比較例1]
ポリエチレンA−4(流入圧力損比(Re)15)60重量%とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:41g/10分、密度:0.901g/cm)を用いた以外は、実施例1と同様にしたが、押出ラミネート加工時に引取速度100m/分でドローレゾナンスが発生した。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度50m/分の積層体にて評価した。
[比較例2]
ポリエチレンA−2(流入圧力損比(Re)12)60重量%とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:54g/10分、密度:0.901g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にしたが、押出ラミネート加工時に引取速度100m/分でドローレゾナンスが発生した。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度50m/分の積層体にて評価した。
[比較例3]
ポリエチレンA−3(流入圧力損比(Re)7)60重量%とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:56g/10分、密度:0.90g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にしたが、押出ラミネート加工時に引取速度100m/分でドローレゾナンスが発生した。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度50m/分の積層体にて評価した。
[比較例4]
ポリエチレンF(日本ポリエチレン(株)社製 LJ808、MFR:21、密度:0.917、流入圧力損比(Re)16)の低密度ポリエチレン60重量%と、エチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:18g/10分、密度:0.903g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にし、積層体を得た。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[比較例5]
ポリエチレンE(流入圧力損比(Re)20)60重量%とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(40重量%)を混合したポリエチレン混合物(MFR:30g/10分、密度:0.901g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にし、積層体を得た。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
[比較例6]
ポリエチレンの混合比を変えて、ポリエチレンB(30重量%)とエチレン.α―オレフィン共重合体−1(70重量%)としたポリエチレン混合物(MFR:35g/10分、密度:0.891g/cm)を用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリエチレン混合物の押出ラミネート加工性と積層フィルムと印刷紙とを加熱圧着した製品を上記の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性は加工速度150m/分の積層体にて評価した。
Figure 0004898631
Figure 0004898631
Figure 0004898631
以上の評価結果から、表3に示されるように、本発明で規定した要件を全て満足する低密度ポリエチレン(A)、エチレン・α―オレフィン共重合体(B)を含有するポリエチレン樹脂組成物を用いて製造した積層体は、加工性、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性のいずれも、優れていることがわかった。
一方、式(1)を充足しない低密度ポリエチレン樹脂を用いた積層体の比較例1〜3、5は、100m/分以上での加工性が悪く、また、比較例4は、加工性は良いもののMFRが小さすぎる低密度ポリエチレン樹脂を用いたためにツブレ性が悪く、光沢度、接着強度でも問題があった。さらに、低密度ポリエチレン(A)、エチレン・α―オレフィン共重合体(B)の混合比が外れる比較例6は、加工性、光沢度、ツブレ性、接着強度は良いものの、低密度ポリエチレン樹脂の混合量が少ないため、カット性が不良であった。
本発明のプリントラミネート用フィルム、それを用いたプリントラミネート製品は、加工性、光沢度、ツブレ性、接着強度、カット性に優れるため、食品、医薬・医療品、化粧品及びその他産業資材や工業資材等の包装用途、剥離紙、工程紙などに代表される加工紙用途に、好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 密度が0.90〜0.93g/cm、MFR(試験条件:190℃、2.16kg荷重)が50〜200g/10分であり、かつMFRと流入圧力損失比(Re)が以下の関係式(1)を満たす低密度ポリエチレン(A)50〜90重量%、及び密度が0.87〜0.90g/cm、MFRが10〜100g/10分のエチレン・α―オレフィン共重合体(B)50〜10重量%からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
    −15×log(MFR)+45<Re<−15×log(MFR)+67…関係式(1)
  2. エチレン・α―オレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. ポリエチレン樹脂組成物は、密度が0.910g/cm以下、MFRが30g/10分以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に積層されてなるプリントラミネート用フィルム。
  5. 基材が、二軸延伸ポリプロピレンであることを特徴とする請求項4に記載のプリントラミネート用フィルム。
  6. ポリエチレン樹脂組成物が、基材の少なくとも片面に、150〜300℃の温度で溶融押出ラミネート加工法によって積層されることを特徴とする請求項4又は5に記載のプリントラミネート用フィルム。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のプリントラミネート用フィルムを用い、該フィルムのポリエチレン樹脂組成物面を印刷紙の印刷面と熱ラミネートしてなるプリントラミネート製品。
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