JP5077747B2 - 磁性流体とその製造方法並びに磁性流体を用いた磁性流体軸受装置及び磁気シール装置 - Google Patents

磁性流体とその製造方法並びに磁性流体を用いた磁性流体軸受装置及び磁気シール装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁性流体とその製造方法並びに磁性流体を用いた磁性流体軸受装置及び磁気シール装置に係り、更に詳細には高温、高湿及び高真空等の過酷な環境下でも高い安定性を有する磁性流体とその製造方法並びに磁性流体を用いた磁性流体軸受装置及び磁気シール装置に関する。
磁性流体とは、磁性体微粒子が分散媒中に分散されたコロイド状分散液又は懸濁液をいう。磁性流体は、磁性体としての性質と液体としての性質を併せ持っている。例えば、磁極片よりなる軸受と回転軸の間に磁性流体を加えると、磁極片と回転軸との間に構成される磁力線上に磁性流体が保持され、磁性流体のシール膜が形成される。このような性質を利用して、磁性流体は、真空機器やハードディスクドライブ等の回転軸のシール剤として用いられている。また、粘性等の物性を磁界により制御できる性質を利用して、ダイナミックスピーカや振動部のダンピング剤としても用いられている。
磁性体微粒子としては、マグネタイト(Fe)、マグヘマイト(γ−Fe)等のフェライト類が多く用いられている。また、磁性体微粒子としては、粒径が3〜15nmのものが用いられている。
分散媒中に磁性体微粒子を安定に分散させるため、磁性体微粒子の表面は、界面活性剤の形成する単分子膜で被覆されている。界面活性剤は、磁性体微粒子同士が凝集するのを立体障害によって阻害すると共に、磁性体微粒子の表面に分散媒への親和性を付与することにより、磁性体微粒子の分散性を向上させる役割を果たしている。界面活性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸が最も広く用いられている。
分散媒としては、無極性の有機化合物を基剤とする油が一般に用いられている。具体例としては、ポリαオレフィン、芳香族連鎖構造分子等の炭化水素系油、ポリオールポリエステル系油、及びシリコーン油が挙げられる。また、近年では、蒸気圧が低く、耐熱性及び化学的安定性にも優れたフッ化炭素系油も用いられている。
磁性体微粒子の表面を被覆する界面活性剤の安定性を向上させるために、磁性体微粒子の表面に界面活性剤を結合固定する方法も提案されている。例えば、特許文献1には、クロロシラン系界面活性剤と磁性体微粒子表面の−OH基との間で脱塩酸反応させて、磁性体微粒子の表面に界面活性剤分子を結合固定させる磁性流体の製造方法が開示されている。
特許第2837148号公報
近年、磁性流体の用途の拡大に伴い、低蒸気圧性、化学安定性、耐熱性等が要求される特殊な環境下で使用可能な磁性流体が求められている。しかし、界面活性剤として脂肪族カルボン酸を用いた場合、特に高温条件下や酸化雰囲気下では、界面活性剤が酸化分解を受けやすくなり、磁性体微粒子の分散性の低下や劣化の原因となる。また、高温及び高湿下では、外部から混入した微量の水分によって磁性流体がゲル化を起こしやすくなる。
また、特許文献1記載の磁性流体の製造方法では、磁性体微粒子表面へのクロロシラン系界面活性剤の結合反応の際に塩酸が発生するので、磁性体微粒子が腐食されてしまうという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高温、高湿及び高真空等の過酷な環境下でも高い安定性を有する磁性流体とその製造方法並びに磁性流体を用いた磁性流体軸受装置及び磁気シール装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る磁性流体は、フッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物の単分子膜で表面が被覆された磁性体微粒子が、パーフルオロアルキルアミン系の液体を含む分散媒中に分散している磁性流体であって、前記膜化合物の単分子膜は、前記アルコキシシリル基と前記磁性体微粒子表面の活性水素基との脱アルコール反応により前記磁性体微粒子の表面に共有結合している。
第1の発明に係る磁性流体において、前記フッ化炭素基の炭素数が10〜25であってもよい。
第1の発明に係る磁性流体において、前記磁性体微粒子が平均粒径3〜100nmのマグネタイト(Fe)であることが好ましい。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法は、空気中でフッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物と表面に活性水素基を有する磁性体微粒子とをシラノール縮合触媒の存在下で接触させて、該アルコキシシリル基と該活性水素基との脱アルコール反応により、共有結合した該膜化合物の単分子膜で前記磁性微粒子の表面を被覆する工程Aと、前記単分子膜で被覆された磁性体微粒子を洗浄して、前記磁性体微粒子の表面に結合していない前記膜化合物を除去する工程Bと、パーフルオロアルキルアミン系の液体を含む分散媒中に前記単分子膜で被覆された磁性体微粒子を分散させる工程Cとを有する。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法において、前記膜化合物として、一般式[CF(CF(n−3)(CHSi(OR)(4−x)(なお、nは10〜25の整数、Rはアルキル基、xは1〜3の整数をそれぞれ表す)で表される化合物を用いてもよい。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法において、前記シラノール縮合触媒が、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、及びチタン酸エステルキレートからなる群より選択される1又は2以上の化合物であってもよい。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法において、前記シラノール縮合触媒が、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1又は2以上の化合物であってもよい。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法において、シラノール縮合触媒が、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、及びチタン酸エステルキレートからなる群より選択される1又は2以上の化合物である場合、前記シラノール縮合触媒と共に、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群から選択される1又は2以上の化合物を助触媒として用いてもよい。
第2の発明に係る磁性流体の製造方法において、前記磁性体微粒子が平均粒径3〜100nmのマグネタイト(Fe)であることが好ましい。
第3の発明に係る磁性流体軸受装置は、第1の発明に係る磁性流体を用いている。
第4の発明に係る磁気シール装置は、第1の発明に係る磁性流体を用いている。
請求項1〜3記載の磁性流体においては、磁性体微粒子の表面には、化学的に安定で耐熱性を有するフッ化炭素基を有する膜化合物の単分子膜が表面に共有結合している。また、分散媒は、化学的安定性が高く、耐熱性に優れ、蒸気圧が低いパーフルオロアルキルアミン系の液体を含んでいる。そのため、高温、高湿、高真空等の過酷な条件下でも高い安定性を有しており、このような条件下で使用される磁性流体軸受装置、磁気シール装置等に好適に適用することができる。
また、膜化合物の有するフッ化炭素基は、パーフルオロアルキルアミン系液体に対する相溶性が高いので、磁性体微粒子の分散安定性が高く、凝集や沈降が起こりにくい。更に、単分子膜は磁性体微粒子の表面に共有結合しているので、単分子膜は磁性体微粒子の表面から脱離しにくく、このことも磁性流体の安定性の向上に寄与している。
なお、単分子膜は、アルコキシシリル基と活性水素基との脱アルコール反応によって磁性体微粒子の表面に共有結合している。そのため、反応時に生成する塩酸等の腐食性の物質により磁性体微粒子の表面が腐食される問題は生じない。
特に、請求項2記載の磁性流体においては、フッ化炭素基の炭素数が10〜25であるので、被覆された磁性体微粒子同士は互いに接近しにくくなる。そのため、凝集が起こりにくく、フッ化炭素系の液体を含む分散媒中での分散安定性が向上する。
請求項3記載の磁性流体においては、磁性体微粒子が、平均粒径3〜100nmのマグネタイトであるので、優れた磁気特性を有する磁性流体が得られる。
請求項4〜9記載の磁性流体の製造方法においては、工程Aにおける膜化合物の単分子膜で被覆された磁性体微粒子の調製に、空気中でのアルコキシシリル基と活性水素基との脱アルコール反応を用いている。そのため、反応時に生成する塩酸等の腐食性の物質により磁性体微粒子の表面が腐食される問題は生じない。また、真空設備が不要なため、製造装置を簡略化でき、コストを削減できる。
また、磁性体微粒子の表面を被覆する膜化合物の単分子膜は、化学的に安定で耐熱性を有するフッ化炭素基を有しており、分散媒は、化学的安定性が高く、耐熱性に優れ、蒸気圧が低いフッ化炭素系の液体である。そのため、高温、高湿、高真空等の過酷な条件下でも高い安定性を有する磁性流体が得られる。
更に、膜化合物の有するフッ化炭素基は、パーフルオロアルキルアミン系液体に対する相溶性が高いので、磁性体微粒子の分散安定性が高く、凝集や沈降が起こりにくい磁性流体が得られる。
その上、単分子膜は磁性体微粒子の表面に共有結合しているので、単分子膜は磁性体微粒子の表面から脱離することがなく、このことも得られる磁性流体の安定性の向上に寄与している。
特に、請求項5記載の磁性流体の製造方法においては、膜化合物として、一般式[CF(CF(n−3)(CHSi(OR)(4−x)で表される化合物を用いるので、被覆された磁性体微粒子同士は互いに接近しにくくなる。そのため、凝集が起こりにくく、分散媒中での分散安定性が向上する。
請求項6記載の磁性流体の製造方法においては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1又は2以上の化合物をシラノール縮合触媒として用いるので、アルコキシシラン化合物と活性水素基との反応時間を短縮し、工程Aにおける単分子膜の形成をより高効率に行うことができる。
請求項7記載の磁性流体の製造方法においては、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からからなる群より選択される1又は2以上の化合物をシラノール縮合触媒として用いるので、アルコキシシラン化合物と活性水素基との反応時間を短縮し、工程Aにおける単分子膜の形成をより高効率に行うことができる。
請求項8記載の磁性流体の製造方法においては、シラノール縮合触媒として用いられる、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1又は2以上の化合物と共に、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からからなる群より選択される1又は2以上の化合物を助触媒として用いるので、アルコキシシラン化合物と活性水素基との反応時間を更に短縮できる。
請求項9記載の磁性流体の製造方法においては、磁性体微粒子が平均粒径3〜100nmのマグネタイトであるので、優れた磁気特性を有する磁性流体が得られる。
請求項10記載の磁性流体軸受装置においては、請求項1〜3記載の磁性流体を用いているので、高速回転時においても粉塵が飛散することがなく、かつ高温、高湿、高真空等の過酷な条件下でも高い信頼性及び耐久性を有している。
請求項11記載の磁気シール装置においては、請求項1〜3記載の磁性流体を用いているので、高温、高湿、高真空等の過酷な条件下でも高い信頼性及び耐久性を有している。
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る磁性流体は、1つ、2つ、又は3つのフッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物の単分子膜で表面が被覆された磁性体微粒子がフッ化炭素系の液体を含む分散媒中に分散している磁性流体であって、磁性体微粒子の表面を被覆する膜化合物の単分子膜は、アルコキシシリル基と磁性体微粒子表面の活性水素基との脱アルコール反応により、磁性体微粒子に共有結合している。
磁性流体の製造方法は、1つ、2つ、又は3つのフッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物と、表面に活性水素基を有する磁性体微粒子とをシラノール縮合触媒の存在下で接触させて、アルコキシシリル基と活性水素基との脱アルコール反応により、共有結合した膜化合物の単分子膜で磁性体微粒子の表面を被覆する工程Aと、単分子膜で被覆された磁性体微粒子を洗浄して、磁性体微粒子の表面に結合していない膜化合物を除去する工程Bと、パーフルオロアルキルアミン系の液体を含む分散媒中に単分子膜で被覆された磁性体微粒子を分散させる工程Cとを有する。
以下、詳細に説明する。
磁性体微粒子としては、強磁性を示す任意の金属微粒子、金属酸化物及び金属化合物の微粒子を用いることができ、具体例としては、鉄、コバルト、Fe−Co合金、Mn−Zn合金、マグネタイト(Fe)、マグヘマイト(γ−Fe)、強磁性窒化金属、強磁性炭化金属等が挙げられる。また、磁性体微粒子として、任意の公知の方法により製造されたものを使用することができる。
好ましい磁性体微粒子は、マグネタイト微粒子である。マグネタイト微粒子は安価で、高い保持力を有し、磁気的安定性及び化学的安定性にも優れている。
磁性体微粒子の粒径は、3〜100nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。粒径が100nmを超えると、多磁区構造を取るようになり保持力が低下する上に、磁性体微粒子の沈降が起こりやすくなり分散性が低下する。逆に粒径が3nmを下回ると、凝集が起こりやすくなり分散性が低下すると共に、磁気モーメントが熱運動の影響を受けるようになるため保持力が低下する。
用いることができる膜化合物は、n個(nは、1、2、又は3である)のフッ化炭素基と(4−n)個のアルコキシシリル基とを有するアルコキシシラン化合物である。フッ化炭素基の炭素数は、10〜25であることが好ましい。フッ化炭素基の炭素数が10を下回ると、磁性体微粒子の表面を被覆する単分子膜の膜厚が小さくなりすぎため、被覆された磁性体微粒子同士が接近しやすくなり、結果として凝集を起こしやすくなると共に単分子膜の形成が困難になる。一方、フッ化炭素基の炭素数が26以上となると、磁性体微粒子の表面を被覆する単分子膜の膜厚が大きくなりすぎるため、得られる磁性流体の磁気特性が低下すると共に単分子膜の形成が困難になる。
好ましい膜化合物の一例として、下記の一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物が挙げられる。
[CF(CF(n−3)(CHSi(OR)(4−x) ・・・(1)
なお、式(1)において、nは10〜25の整数、Rはアルキル基、xは1〜3の整数をそれぞれ表す。なお、1つのケイ素原子上に2以上のフッ化炭素基が結合している場合、それぞれの炭素数nは同一であっても異なっていてもよい。
より好ましい膜化合物としては、下記の式(2)で表されるテトラヒドロパーフルオロデシルトリメトキシシラン(上記一般式(1)において、n=10、x=1、R=CHである場合に相当。以下、「KBM」と略称する場合がある)がある。
CF(CF(CHSi(OCH・・・(2)
空気中で膜化合物及びシラノール縮合触媒を溶解させた反応溶液中に磁性体微粒子を分散させて、膜化合物を磁性体微粒子の表面に接触させると、脱アルコール反応により膜化合物が磁性体微粒子の表面に共有結合して、磁性体微粒子の表面を膜化合物の単分子膜で被覆することができる。
以下、磁性体微粒子としてマグネタイト微粒子を、膜化合物としてCF(CF(CHSi(OCH、すなわちKBMをそれぞれ用いた本実施の形態について、より具体的に説明する。
工程Aでは、普通の空気中でKBM及びシラノール縮合触媒をドデカン中に溶解させて調製した反応液中で、KBMと、表面にヒドロキシル基(活性水素基の一例)を有するマグネタイト微粒子とを接触させて、アルコキシシリル基の一例であるメトキシシリル基とヒドロキシル基との脱アルコール反応により、共有結合した膜化合物の単分子膜でマグネタイト微粒子の表面を被覆する。
反応液の調製に使用するKBMの量は、下記のようにして求めることができる。
まず、使用するマグネタイト微粒子の比表面積を、BET法等の任意の方法を用いて予め決定しておく。これに、マグネタイト微粒子の質量を乗じると、使用するマグネタイト微粒子の全表面積が求められる。これを、KBM1分子あたりの占有面積(0.05nm)で除すると、マグネタイト微粒子の全表面を被覆するのに必要なKBMの分子数が求められるので、これをモル数に換算してKBMの分子量を乗じると、使用するKBMの質量が求められる。
反応液中のKBMの好ましい濃度は、0.5〜3質量%である。したがって、使用するKBMの質量から、溶媒の使用量を決定することができる。
シラノール縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等の金属塩が利用可能である。
シラノール縮合触媒の添加量は、好ましくはKBMの0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.3〜1質量%である。
カルボン酸金属塩の具体例としては、酢酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄が挙げられる。
カルボン酸エステル金属塩の具体例としては、ジオクチルスズビスオクチルチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩が挙げられる。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルの具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
反応液中にマグネタイト微粒子を分散させ、室温の空気中で反応させると、メトキシシリル基とマグネタイト微粒子の表面のヒドロキシル基とが脱アルコール反応を起こし、マグネタイト微粒子の表面に共有結合したペンタデカフルオロデシル基を有する膜化合物の単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子が得られる(化1参照)。なお、シリコン原子から延びた3本の酸素の単結合はマグネタイト微粒子の表面又は隣接するシラン化合物のシリコン(Si)原子と結合しており、そのうち少なくとも1本はマグネタイト微粒子の表面の鉄原子と結合している。
反応は普通の空気中で行うことができるが、メトキシシリル基の加水分解を完全に抑制するためには、反応は相対湿度45%以下の空気中で行うことが好ましい。なお、縮合反応は、マグネタイト微粒子の表面に付着した油脂分や水分により阻害されるので、マグネタイト微粒子をよく洗浄して乾燥することにより、これらの不純物を予め除去しておくことが好ましい。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
上述の金属塩の代わりに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1又は2以上の化合物をシラノール縮合触媒として用いた場合、反応時間を1/2〜2/3程度まで短縮できる。
あるいは、これらの化合物を助触媒として、上述の金属塩と混合(質量比1:9〜9:1の範囲で使用可能だが、1:1前後が好ましい)して用いると、反応時間をさらに短縮できる。
例えば、シラノール縮合触媒として、ジブチルスズジアセテートの代わりにケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3を用い、その他の条件は同一にして被覆されたマグネタイト微粒子の製造を行うと、被覆されたマグネタイト微粒子の品質を損なうことなく反応時間を1時間程度にまで短縮できる。
さらに、縮合触媒として、ジャパンエポキシレジン社のH3とジブチルスズジアセテートとの混合物(混合比は1:1)を用い、その他の条件は同一にして被覆されたマグネタイト微粒子の製造を行うと、反応時間を20分程度に短縮できる。
なお、ここで用いることができるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等が挙げられる。
また、用いることができる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸等が挙げられる。
なお、マグネタイト微粒子は、粒径が100nm以下であるため、凝集を起こしやすく、固体状態では二次粒子として存在している場合があり、このままの状態で反応液中に加えてもマグネタイト微粒子が十分に分散しない。そのため、前処理として、適当な有機溶媒中でホモジナイザー、超音波照射等を行って、マグネタイト微粒子を分散させることが好ましい。
マグネタイト微粒子の表面にはヒドロキシル基が存在し、親水性であるので、分散性を向上させるために、エタノール等の親水性溶媒を用いることが好ましい。
一方、エタノール等のアルコール溶媒中では、KBMを用いることができないため、エタノール以外の溶媒を反応溶媒として用いる必要がある。しかし、エタノール分散液から、ろ取、蒸発乾固等によってマグネタイト微粒子を回収すると、再び凝集が起こるおそれがある。
そこで、エタノールより高沸点のドデカンを反応溶媒として用い、エタノール分散液を撹拌及び加熱しながらドデカンを徐々に加え、エタノールを留去して溶媒をドデカンに置換する。このようにして、マグネタイト微粒子を再凝集させることなく溶媒を置換することができる。このようにして得られたマグネタイトのドデカン分散液に、必要量のKBM及びシラノール縮合触媒を溶解させて、反応液を調製した方がよい。
KBMの単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子はドデカン中で沈殿するので、分散していたマグネタイト微粒子が全て沈殿したのを確認後、上澄みを除去することにより被覆されたマグネタイト微粒子を回収できる。なお、マグネタイト微粒子の表面には単分子膜が形成されているので、溶媒から取り出しても再凝集することはない。
なお、ドデカン以外に反応液の調製に用いることができる溶媒としては、有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒、及びこれらの混合溶媒を用いることができる。アルコキシシラン化合物の加水分解を防止するために、乾燥剤(ナカライテスク社のモレキュラーシーブ4A等)又は蒸留により使用する溶媒から水分を除去しておくことが好ましい。
また、溶媒の沸点は50〜250℃であることが好ましいが、前述のように、前処理としてマグネタイト微粒子をエタノール中へ分散する場合には、エタノールよりも高沸点の溶媒を用いる。
ドデカン以外に使用可能な溶媒の具体例としては、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
また、用いることができるフッ化炭素系溶媒としては、フロン系溶媒、フロリナート(米国3M社製)、アフルード(旭硝子株式会社製)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機塩素系溶媒を添加してもよい。
(以上工程A)
工程Bでは、単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子を洗浄して、マグネタイト微粒子の表面に結合していない膜化合物を除去する。
より具体的には、被覆されたマグネタイト微粒子を洗浄溶媒中に分散させて、必要ならば撹拌、ホモジナイズ、超音波照射等を行い、マグネタイト微粒子の表面に結合していない膜化合物を洗浄溶媒中に溶解させた後に、被覆されたマグネタイト微粒子と洗浄溶媒とを分離する。
洗浄溶媒としては、アルコキシシラン化合物を溶解できる任意の溶媒を用いることができるが、安価であり、溶解性が高く、風乾により容易に除去することのできるジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、N−メチルピロリドン等が好ましい。
単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子は、洗浄溶媒中でも沈殿するので、上澄みを除去することにより単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子を回収できる。
(以上工程B)
工程Cでは、フッ化炭素系の液体を含む分散媒中に単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子を分散させ、磁性流体を調製する。
分散媒としては、パーフルオロアルキルアミン系の(分子骨格中にフッ化炭素基を有するアミン化合物を主成分として含む)任意の液体を用いることができる。用いることができる液体の種類に特に制限はなく、耐熱温度、粘度等の物性に応じて、適宜選択して使用することができる。また、任意の2種類以上の液体を任意の割合で混合して用いてもよい。
分散媒として用いることができるパーフルオロアルキルアミン系の液体としては、パーフルオロポリエーテル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、トリパーフルオロアルキルアミン等が挙げられ、具体例としては、米国Du Pont社製Krytox(登録商標)107、同社製Krytox103、米国3M社製フロリナート FC−40等が挙げられる。
単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子と分散媒との質量比は、磁性流体に要求される飽和磁化、粘度等の物性に応じて適宜選択されるが、1:10〜1:1の範囲であることが好ましい。
単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子の分散媒中への分散は、撹拌、ホモジナイズ、超音波照射等の任意の方法を用いて行うことができる。なお、必要に応じて、酸化防止剤等の添加剤を適宜加えてもよい。
(以上工程C)
なお、ドデカンと分散媒とが相溶性を有しない場合には、工程Aにおける反応終了後に、単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子を単離することなく、単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子の沈殿を含むドデカン溶液に分散媒を直接添加後撹拌して、磁性流体を調製してもよい。単分子膜で被覆されたマグネタイト微粒子は、分散媒中に移行するので、上澄みとして存在するドデカン溶液を除去することにより、磁性流体を得ることができる。
このようにして得られた磁性流体は、各種機器類の磁性流体軸受装置及び磁気シール装置のシール剤として用いることができる。磁性流体軸受装置及び磁気シール装置が用いられる機器類の例としては、ハードディスクドライブ、真空搬送ロボット、CVD装置、スパッタリング装置、イオン注入装置、単結晶引き上げ装置、真空炉、加圧炉、エッチング装置、エピタキシャル成長装置、撹拌装置、X線発生装置、真空チャック、ガス導入機、アーク放電装置、及びカーボンナノチューブ製造装置等の、電子機器及び真空機器等が挙げられる。特に、航空機やロケット、宇宙ステーション等で用いられる磁性流体軸受装置や磁気シール装置には極めて有効である。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(1)膜化合物溶液の調製
56.8g(38.2mL)のテトラヒドロパーフルオロデシルトリメトキシシラン(KBM)を、モレキュラーシーブ4Aで乾燥したクロロホルム100mL中に溶解して、1mol/Lの膜化合物溶液を作成した。
(2)シラノール縮合触媒溶液の調製
4.35gのジブチルスズビスアセチルアセトナート(シラノール縮合触媒)を、モレキュラーシーブ4Aで乾燥したクロロホルム100mL中に溶解して、0.1mol/Lのシラノール縮合触媒溶液を作成した。
(3)磁性流体の調製[1]
平均粒径20nm、比表面積(BET法)107.5m/g、飽和磁化率(σ)58.1Am/kg、保磁力(H)0.09kA/mのFe微粒子4gをエタノール30mLに加えて、超音波バス中で分散させた。ドデカン30mLを加えて150℃で90分間加熱し、エタノールを留去した。KBM及びジブチルスズビスアセチルアセトナートの濃度が、それぞれ3.57×10−3mol/L、1.09×10−5mol/Lとなるように、膜化合物溶液及びシラノール縮合触媒溶液を加え、超音波バス中でホモジナイザーを用いて、室温で2時間反応させたところ、KBMの単分子膜で被覆されたFe微粒子が沈殿した。
混合物に、米国3M社製フロリナートFC−40を10mL加えて撹拌すると、Fe微粒子はFC−40に移行して、磁性流体がドデカン層の下層に形成された。上澄みのドデカン溶液を除去することにより、磁性流体が得られた。
磁性流体を含む溶液の側面にSm−Co磁石を近づけて磁場を印加したところ、磁石を近づけた側の液面が上昇し(図1(A)参照)、磁石を遠ざけて磁場を除去すると、液面が元の平坦な状態に戻ることが確認された(図1(B)参照)。
(4)参考例:磁性流体の調製[2]
平均粒径100nm、比表面積(BET法)13.9m/g、飽和磁化率(σ)79.8Am/kg、保磁力(H)10.4kA/mのFe微粒子4gをエタノール30mLに加えて、超音波バス中で分散させた。ドデカン30mLを加えて150℃で90分間加熱し、エタノールを留去した。KBM及びジブチルスズビスアセチルアセトナートの濃度が、それぞれ4.62×10−4mol/L、1.40×10−6mol/Lとなるように、膜化合物溶液及びシラノール縮合触媒溶液を加え、超音波バス中でホモジナイザーを用いて、室温で2時間反応させたところ、KBMの単分子膜で被覆されたFe微粒子が沈殿した。上澄みのドデカン溶液を除去後、クロロホルム及びアセトンで洗浄した。
KBMの単分子膜で被覆されたFe微粒子に、米国Du Pont社製Krytox(登録商標)107を5mL加えて撹拌すると、磁性流体が得られた。
磁性流体を含む溶液の側面にSm−Co磁石を近づけたところ、(3)の場合と同様、磁石を近づけた側の液面が上昇することが確認された。
(5)参考例:磁性流体の調製[3]
平均粒径100nm、比表面積(BET法)22.0m/g、飽和磁化率(σ)161.0Am/kg、保磁力(H)32.3kA/mのα-Fe・Fe微粒子4gをエタノール30mLに加えて、超音波バス中で分散させた。ドデカン30mLを加えて150℃で90分間加熱し、エタノールを留去した。KBM及びジブチルスズビスアセチルアセトナートの濃度が、それぞれ7.31×10−4mol/L、2.22×10−6mol/Lとなるように、膜化合物溶液及びシラノール縮合触媒溶液を加え、超音波バス中でホモジナイザーを用いて、室温で2時間反応させたところ、KBMの単分子膜で被覆されたα−Fe・Fe微粒子が沈殿した。上澄みのドデカン溶液を除去後、クロロホルム及びアセトンで洗浄した。
KBMの単分子膜で被覆されたα−Fe・Fe微粒子に、米国Du Pont社製Krytox(登録商標)107を5mL加えて撹拌すると、磁性流体が得られた。
磁性流体を含む溶液の側面にSm−Co磁石を近づけたところ、(3)及び(4)の場合と同様、磁石を近づけた側の液面が上昇することが確認された。
実施例において調製した磁性流体の液面の状態を示す写真であり、(A)及び(B)は、それぞれ磁場を印加したとき及び磁場を除去したときの液面の状態を示す。

Claims (11)

  1. フッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物の単分子膜で表面が被覆された磁性体微粒子が、パーフルオロアルキルアミン系の液体を含む分散媒中に分散している磁性流体であって、
    前記膜化合物の単分子膜は、前記アルコキシシリル基と前記磁性体微粒子表面の活性水素基との脱アルコール反応により、前記磁性体微粒子の表面に共有結合していることを特徴とする磁性流体。
  2. 請求項1記載の磁性流体において、前記フッ化炭素基の炭素数が10〜25であることを特徴とする磁性流体。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の磁性流体において、前記磁性体微粒子が平均粒径3〜100nmのマグネタイト(Fe)であることを特徴とする磁性流体。
  4. 空気中でフッ化炭素基とアルコキシシリル基とを有する膜化合物と表面に活性水素基を有する磁性体微粒子とをシラノール縮合触媒の存在下で接触させて、該アルコキシシリル基と該活性水素基との脱アルコール反応により、共有結合した該膜化合物の単分子膜で前記磁性体微粒子の表面を被覆する工程Aと、
    前記単分子膜で被覆された磁性体微粒子を洗浄して、前記磁性体微粒子の表面に結合していない前記膜化合物を除去する工程Bと、
    パーフルオロアルキルアミン系の液体を含む分散媒中に前記単分子膜で被覆された磁性体微粒子を分散させる工程Cとを有することを特徴とする磁性流体の製造方法。
  5. 請求項4記載の磁性流体の製造方法において、前記膜化合物として、一般式[CF(CF(n−3)(CHSi(OR)(4−x)(なお、nは10〜25の整数、Rはアルキル基、xは1〜3の整数をそれぞれ表す)
    で表される化合物を用いることを特徴とする磁性流体の製造方法。
  6. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の磁性流体の製造方法において、前記シラノール縮合触媒が、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、及びチタン酸エステルキレートからなる群より選択される1又は2以上の化合物であることを特徴とする磁性流体の製造方法。
  7. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の磁性流体の製造方法において、前記シラノール縮合触媒が、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1又は2以上の化合物であることを特徴とする磁性流体の製造方法。
  8. 請求項6記載の磁性流体の製造方法において、前記シラノール縮合触媒と共に、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群から選択される1又は2以上の化合物を助触媒として用いることを特徴とする磁性流体の製造方法。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の磁性流体の製造方法において、前記磁性体微粒子が平均粒径3〜100nmのマグネタイト(Fe)であることを特徴とする磁性流体の製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性流体を用いたことを特徴とする磁性流体軸受装置。
  11. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性流体を用いたことを特徴とする磁気シール装置。
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