JP5077431B2 - 系統安定化装置 - Google Patents

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Description

本発明は系統安定化装置に関し、負荷変動が定格を越える場合であっても過補償動作が行われることを防止するように工夫したものである。
近年、太陽光や風力などの自然エネルギーによる発電が利用されてきている。
図15に、既存の電力系統(配電系統よりも上位の系統)1と配電系統(マイクログリッド)10とが、線路インピーダンスLsと遮断器2を介して接続された例を示す。
マイクログリッドである配電系統10には、分散電源11と負荷12が接続されている。分散電源11は、図15では1つの発電機として図示しているが、実際には、自然エネルギーを利用した自然エネルギー型発電設備(太陽光発電設備や風力発電設備など)と、内燃機関により駆動される内燃機関型発電設備(ディーゼル発電設備など)を含む、分散した複数の発電設備により構成されている。また、負荷12も、実際には分散した複数の負荷である。
図15に示すようなマイクログリッド10では、自然エネルギー型発電設備を持っているため、天候や風速などにより、発電量が大きく変動する。
そこで、この発電量の変動を吸収する目的で系統安定化装置が用いられる。
また、内燃機関型発電設備では、ガバナ制御により出力電力の調整をしている。しかし、ガバナ制御は応答が遅いため、負荷12で消費する電力が急に変動した場合には、このような電力の急変動(急な過不足)に対して、内燃機関型発電設備では追従することができない。
このような電力の急変動に応答性良く追従することにより、内燃機関型発電設備をアシストし、電力の需要と供給のバランスをとるといった目的のためにも、系統安定化装置が用いられている。
系統安定化装置は、電力蓄積機能を有する電力変換装置であり、配電系統に設置され、前述した電力補償を行なう装置である。
図16は、図15に示す配電系統(マイクログリッド)10に、系統安定化装置20を備えた例である。系統安定化装置20は、分散電源11及び負荷12に対して、並列に接続されている。
系統安定化装置20は、制御部21と、逆変換動作と順変換動作ができる電力変換器22(インバータ)と、電気二重層キャパシタや蓄電池(バッテリー)などの直流充電部23を、主要部材として有している。
電力変換器22は、制御部21から送られてくるゲート信号gに応じて動作する。この電力変換器22は、順変換動作をするときには、配電系統10から得た交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を直流充電部23に充電し、逆変換動作をするときには、直流充電部23に充電していた直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を配電系統10に送る。
なお、電力変換器(インバータ)22から出力された電力は、フィルタ回路27を通過してから、配電系統10に送り出される。つまり、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電力は、電力変換器22から出力された電力が、フィルタ回路27によりフィルタリング処理された電力である。
フィルタ回路27は、リアクトル,コンデンサ及びトランス等から構成されており、電力変換器22が出力するパルス電圧を平滑にする機能を果たしている。
系統安定化装置20では、電力系統1から配電系統10に流入してくる系統電流Isを電流検出器24により検出し、配電系統10の電圧である系統電圧Vsを電圧検出器25により検出し、電力変換器22が入出力する変換器電流Iinvを電流検出器26により検出する。また、後述する理由により、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電流を検出する電流検出器AAを備えている。
電力系統1に故障などが発生していない正常時には、遮断器2が接続状態となり、系統安定化装置20では、配電系統10が電力系統1に繋がった状態で運転を行なう「系統連系運転」が行なわれる。この系統連系運転時には、電力系統1と分散電源11と系統安定化装置20により、負荷12に電力が供給される。
一方、電力系統1に故障が発生した異常時には、遮断器2が遮断状態となり、系統安泰化装置20では、配電系統10が電力系統1から切り離された状態で運転を行なう「自立運転」が行なわれる。この自立運転時には、分散電源11と系統安定化装置20により負荷12に電力が供給される。
系統安定化装置20は、系統連系運転時と、自立運転時において、次のような動作をする。
(1)系統連系運転時には、系統安定化装置20は、配電系統10に流入する系統電流Isを検出し、この系統電流Isから系統電力を求めて、この系統電力の変動を抑制するように動作する。
(2)自立運転時には、系統安定化装置20は、配電系統10内の系統電圧Vsを検出し、この系統電圧Vsの電圧振幅と周波数が安定となるように補償動作を行なう。
ここで、系統安定化装置20の制御部21の詳細を、図17を参照して説明する。
位相同期回路(PLL)101は、系統電圧Vsから系統電圧Vsの位相を示す基準位相信号θを出力する。正弦波発生器102は、基準位相信号θに同期した定格電圧に相当する三相電圧波形{sin(θ),sin(θ−2/3π),sin(θ+2/3π)}を基準三相正弦波信号Kとして出力する。
切替スイッチ103は、系統連系運転時には図中で実線で示すように、可動接点103a,103bがA側に投入され、自立運転時には図中で点線で示すように、可動接点103a,103bがB側に投入される。
次に、系統連系時に作動する各機能ブロックの説明と、系統連系時の制御動作を併せて説明する。
dq変換部104は、系統電流Isを、基準位相信号θで示す位相で回転する回転座標系にdq変換して系統電流の有効分Isdと系統電流の無効分Isqを出力する。
第1の変動検出ブロック105は、dq軸上の系統電流の有効分Isdの変動分を検出してこれを有効分の電流指令Irefdとして出力し、第2の変動検出ブロック106は、dq軸上の系統電流の無効分Isqの変動分を検出してこれを無効分の電流指令Irefqとして出力する。
変動検出ブロック105,106は、微分機能とフィルタ機能を有するバンドバスフィルタであり、その構造の詳細は後述する。
dq変換部107は、変換器電流Iinvを、基準位相信号θで示す位相で回転する回転座標系にdq変換して変換器電流の有効分Iinvdと変換器電流の無効分Iinvqを出力する。
減算部108は、有効分の電流指令Irefdから変換器電流の有効分Iinvdを減算して有効分の電流偏差Δdを出力する。減算部109は、無効分の電流指令Irefqから変換器電流の無効分Iinvqを減算して無効分の電流偏差Δqを出力する。
電流制御部110は、有効分の電流偏差Δdを比例積分(PI)制御して、有効分の電圧指令Vdを出力する。電流制御部111は、無効分の電流偏差Δqを比例積分(PI)制御して、無効分の電圧指令Vqを出力する。
dq逆変換器部112は、有効分の電圧指令Vdと無効分の電圧指令Vqに対して、dq逆変換を施して、固定座標系の電圧指令Vφを出力する。
加算部113は、電圧指令Vφに基準三相正弦波信号Kを加算して、最終的な電圧指令V*を出力する。
PWM(Pulse Width Modulation)変調器114は、電圧指令V*をPWM変調してゲート信号gを出力する。
このゲート信号gにより電力変換器22の動作制御が行なわれ、系統連系運転時において、系統電流Isの変動を抑制するために、電力変換器22から電力が出力される。
次に、自立運転時に作動する各機能ブロックの説明と、自立運転時の制御動作を併せて説明する。
周波数検出部121は、系統電圧Vsの周波数を検出して周波数信号Fを出力する。なお、系統電圧Vsの周波数は有効電力に対応しており、有効電力が低下すると系統電圧Vsの周波数が低下し、有効電力が増加すると系統電圧Vsの周波数が増加する対応関係になっている。
振幅検出部122は、系統電圧Vsの振幅を検出して振幅信号Lを出力する。なお、系統電圧Vsの振幅は無効電力に対応しており、無効電力が低下すると系統電圧Vsの振幅が低下し、無効電力が増加すると系統電圧Vsの振幅が増加する対応関係になっている。
第3の変動検出ブロック123は、周波数信号Fの変動分を検出してこれを有効分の電流指令Irefdとして出力し、第4の変動検出ブロック124は、振幅信号Lの変動分を検出してこれを無効分の電流指令Irefqとして出力する。
変動検出ブロック123,124は、微分機能とフィルタ機能を有するバンドバスフィルタであり、その構造の詳細は後述する。
減算部108は、有効分の電流指令Irefdから変換器電流の有効分Iinvdを減算して有効分の電流偏差Δdを出力する。減算部109は、無効分の電流指令Irefqから変換器電流の無効分Iinvqを減算して無効分の電流偏差Δqを出力する。
電流制御部110は、有効分の電流偏差Δdを比例積分(PI)制御して、有効分の電圧指令Vdを出力する。電流制御部111は、無効分の電流偏差Δqを比例積分(PI)制御して、無効分の電圧指令Vqを出力する。
dq逆変換器部112は、有効分の電圧指令Vdと無効分の電圧指令Vqに対して、dq逆変換を施して、固定座標系の電圧指令Vφを出力する。
加算部113は、電圧指令Vφに基準三相正弦波信号Kを加算して、最終的な電圧指令V*を出力する。
PWM(Pulse Width Modulation)変調器114は、電圧指令V*をPWM変調してゲート信号gを出力する。
このゲート信号gにより電力変換器22の動作制御が行なわれ、自立運転時において、系統電圧Vsの電圧振幅と周波数の変動を抑制するために、電力変換器22から電力が出力される。
変動検出ブロック105,106,123,124は、前述したように、バンドパスフィルタにより構成されている。
ここで、変動検出ブロック105,106,123,124として用いることができる、従来のバンドパスフィルタ50の構成を図18を参照して説明する。なお図18においてsは微分機能を示すラプラス演算子である。
図18に示すように、このバンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50は、ローパスフィルタ51とローパスフィルタ52と減算器53とで構成されている。
なお、バンドパスフィルタ50の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ51の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ52の時定数をT2とする。
ローパスフィルタ51は、時定数が、ノイズ除去を目的として決定した時定数T1となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
ローパスフィルタ52は、時定数が、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
両フィルタ51,52は、入力信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
減算器53は、ローパスフィルタ51の出力信号から、ローパスフィルタ52の出力信号を減算した信号を出力する。この減算器53から出力される信号が、変動分信号である。
この変動分信号は、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
特開平10−14251号公報
ところで上記従来技術では、次のような問題があった。
系統連系運転時には、系統電流Isの変動を抑制するために、系統安定化装置20が作動して電力変換器22から電力を出力して電力補償する。このため、電力変換器22から電力補償のために出力した電流分だけ、次回に検出する系統電流Isの検出値が減少する。このように系統電流Isの検出値が減少してしまうと、系統電流Isの変動を確実に抑制することができなくなってしまう。
かかる不具合を防止するために、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出して、この出力電流検出値を系統電流検出値に加算することで、系統電流検出値の減少分を相殺する方法が考えられている。
しかし、この場合には、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電流(フィルタ回路27を通過した後の電流)を検出する電流検出器AAが別途必要になるという問題がある。
また、上記の不具合を防止するために、変動検出ブロック105,106の出力側に比例積分(PI)アンプを備えて、電流指令Irefd,Irefqを増幅することで、系統電流検出値の減少分を相殺する方法も考えられている。しかし、電流指令Irefd,Irefqを増幅するPIアンプが別途必要になるという問題がある。
更に、PIアンプは、入力信号の直流成分に対するゲインが無限大になるという特徴があるため、変動分が零であってもPIアンプ出力は零にならず系統安定化装置20から電力が出力され続けてしまう。この不具合を解消するため、リセットする必要がある。
しかし、急激にリセットすると系統安定化装置20から出力される電力が急激に零に変化し、系統等に悪影響を与えてしまうため、このような単純なリセットではなく、PIアンプの出力を少しづつ零に戻すといった複雑な制御処理が必要になるという問題もある。
自立運転時には、系統電圧Vsの周波数と振幅の変動を抑制するために、系統安定化装置20が作動して電力変換器22から電力を出力して電力補償する。このため、電力変換器22から電力補償のために出力した電流分だけ、次回に検出する系統電圧Vsの周波数検出値や振幅検出値が減少する。このように系統電圧Vsの周波数検出値や振幅検出値が減少してしまうと、系統電圧Vsの変動を確実に抑制することができなくなってしまう。
そこで、上述したのと同様に、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出して、この出力電流検出値を、系統電圧の周波数検出値や振幅検出値に加算したり、または、PIアンプを備えたりすることが考えられている。しかし、これも、上述したのと同様な問題が発生する。
更に、負荷変動が定格を越える場合であっても過補償動作が行われることを防止するような工夫はされていなかった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、系統安定化装置の出力電流を検出する電流検出器や、PIアンプを用いることなく、負荷変動が定格を越える場合であっても安定した動作ができる系統安定化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
Figure 0005077431
また本発明の構成は、
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
Figure 0005077431
また本発明の構成は、
前記の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、低周波数側の遮断周波数がf2として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、値が1/f2となっている変動検出時間を設定するための時定数がT2として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、T2をαで除算した値がT4として設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
前記減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
また本発明の構成は、
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
Figure 0005077431
また本発明の構成は、
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
Figure 0005077431
また本発明の構成は、
前記の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、任意の時間に設定したクッション時間がT5として設定され、1サンプル周期がTsとして設定され、リミット値がXとして設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
前記フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
前記第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して第2の減算信号求め、
前記第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする。
本発明によれば、系統安定化装置が補償電力を出力することに起因して、系統電流検出値や系統電圧検出値が減少しようとしたときに、変動検出ブロック内においてフィードバック制御をしたり、信号増幅をしたりしている。
一般的に、電力変換器(インバータ)の交流出力側には、インバータから出力されるパルス電圧を平滑するために、フィルタ回路(リアクトル,コンデンサ及びトランス等から構成される)が付加されている。
本発明では、変動検出ブロック内においてフィードバック制御をしたり、信号増幅をしたりすることにより、前述の減少分を補償しているため、系統安定化装置から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器から出力されフィルタ回路にてフィルタリング処理されてから配電系統に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いることなく、系統安定化装置による安定した制御動作を確保することができる。
更に負荷変動が定格を越えた場合には、補償動作が行われることを抑制でき直流充電部に充電した直流電力を無駄に使用することを防止することができる。
本発明の実施例1に係る変動検出ブロックを示す回路図。 本発明の実施例2に係る変動検出ブロックを示す回路図。 実施例2を用いたときの電流特性を示す特性図。 本発明の実施例4に係る変動検出ブロックを示す回路図。 実施例4を用いたときの電流特性を示す特性図。 実施例2を用いた場合で、定格を越える負荷変動が発生したときの電流特性を示す特性図。 実施例4を用いた場合で、定格を越える負荷変動が発生したときの電流特性を示す特性図。 本発明の実施例6に係る変動検出ブロックを示す回路図。 実施例6を用いたときの電流特性を示す特性図。 本発明の実施例7に係る変動検出ブロックを示す回路図。 実施例7を用いたときの電流特性を示す特性図。 本発明の実施例8に係る変動検出ブロックを示す回路図。 本発明の実施例9に係る変動検出ブロックを示す回路図。 実施例9を用いたときの電流特性を示す特性図。 マイクログリッドを示す回路構成図。 系統安定化装置を備えたマイクログリッドを示す回路構成図。 系統安定化装置の制御部を示す回路図。 従来の変動検出ブロックを示す回路図。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る変動検出ブロック60を示す。この変動検出ブロック60は、系統安定化装置20の制御部21(図16参照)に組み込んだ、変動検出ブロック105,106,123,124(図17参照)に適用するものである。
図1に示すように、この変動検出ブロック60は、ローパスフィルタ61と、ローパスフィルタ62と、減算器63と、フィードバック回路64と、加算器65と、定格リミッタ66で構成されている。
なお、変動検出ブロック60の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ61の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ62の時定数をT2とする。
ローパスフィルタ61は、時定数が、ノイズ除去を目的として決定した時定数T1となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
ローパスフィルタ62は、時定数が、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
両フィルタ61,62は、入力信号及びフィードバック回路64を通ってフィードバックされたフィードバック信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号及びフィードバック信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック60が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
減算器63は、ローパスフィルタ61の出力信号から、ローパスフィルタ62の出力信号を減算した信号を出力する。
減算器63から出力された信号は、フィードバック回路64を通ってフィードバックされ、加算器65により入力信号に加算されてから、ローパスフィルタ61,62に入力される。
結局、減算器63からは、フィードバック信号が加算された入力信号に含まれている、変動分信号が出力される。
この変動分信号は、変動検出ブロック60が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
このような変動分信号は、定格リミッタ66を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
実施例1においては、フィードバック回路64によりフィードバックされるフィードバック信号は、変換器電流Iinvに対応しているため、変換器電流Iinvを入力信号に加算していることと等価になる。
系統安定化装置20(電力変換器22)が電力補償することに起因して、系統連系運転時における系統電流Isの検出値や、自立運転時における系統電圧Vsの検出値が減少しても、本実施例では、交流出力電流Iinvに対応したフィードバック信号を入力信号に加算しているため、前記の減少分をフィードバック信号により補完していることとなる。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
なお、図1に示す実施例1の変動検出ブロック60の伝達関数は、次式(1)で示される。なお式(2)は遅れ要素の一般式である。
Figure 0005077431
式(1)から分かるように、変動検出ブロック60の伝達関数は、微分要素と、ゲイン要素と、遅れ要素に分解できる。そこで、式(1)の遅れ要素と、式(2)の遅れ要素との係数比較をすると、振動係数ζ=(T1/T2)1/2となる。
時定数T1は、ノイズ除去用の時定数であるため、非常に小さい値である。一方、時定数T2は、変動検出する時間を設定するための時定数であるため、通常、時定数T1よりも大きい値に設計するため、T2>>T1が成り立つ。
このようにT2>>T1となっているため、次式(3)に示すように、振動係数ζは1よりも小さくなり振動的になる。
Figure 0005077431
図2は、本発明の実施例2に係る変動検出ブロック70を示す。この変動検出ブロック70は、系統安定化装置20の制御部21(図16参照)に組み込んだ、変動検出ブロック105,106,123,124(図17参照)に適用するものである。
実施例2の変動検出ブロック70は、実施例1の変動検出ブロック60を改良したものであり、実施例1の問題、即ち特性が振動的となる問題を解決したものである。
図2に示すように、この変動検出ブロック70は、ローパスフィルタ71と、ローパスフィルタ72と、減算器73と、アンプ74と、定格リミッタ75で構成されている。
なお、変動検出ブロック70の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ71の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ72の時定数をT2とする。
更に、設定数αは、後述する式(6)で示す値であり、
T3=T1×α、T4=T2/αとして設定している。
ローパスフィルタ71は、時定数が、時定数T3となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。時定数T3は、ノイズ除去を目的として決定した時定数T1に設定数αを乗算した値である。
ローパスフィルタ72は、時定数が、時定数T4となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。時定数T4は、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2を設定数αで除算した値である。
両フィルタ71,72は、入力信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック70が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
減算器73は、ローパスフィルタ71の出力信号から、ローパスフィルタ72の出力信号を減算した信号を出力する。
減算器73からは、入力信号に含まれている、変動分信号が出力される。
この変動分信号は、変動検出ブロック70が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
減算器73から出力される変動分信号は、アンプ74により増幅される。このアンプ74のゲインGは、後述する式(7)で示す値である。
更に、アンプ74により増幅された変動分信号は、定格リミッタ75を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
実施例2おいては、変動分信号をアンプ74により増幅し、この増幅した信号を有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力する。
系統安定化装置20(電力変換器22)が電力補償することに起因して、系統連系運転時における系統電流Isの検出値や、自立運転時における系統電圧Vsの検出値が減少しても、本実施例では、変動分信号をアンプ74により増幅した信号を、有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力するため、前記の減少分をアンプ74により増幅することにより補完していることとなる。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
ここで、変動検出ブロック70の特性を説明する。
変動検出ブロック70の伝達関数は次式(4)で示される。
Figure 0005077431
式(4)の遅れ要素の振動係数ζは次式(5)で示される。式(5)においてζ>1となるように設計すれば、振動的でなくなる。
Figure 0005077431
また設定数αは式(5)を変形することにより、次式(6)として表すことができる。
ゲインGは、式(1)のゲインの項と、式(4)のゲインの項を比較することにより、次式(7)として表すことができる。
Figure 0005077431
変動検出ブロック70の各フィルタ71,72の設計手法としては、式(5)で示すζをζ>1として、その後に、式(6)(7)を用いて設定数αとゲインGを決定する。
このようにすれば、ζ>1とすることができ、変動検出ブロック70の特性が振動的でなくなるという特徴を奏する。
実施例3では、変動検出ブロック70の構成自体は、実施例2と同じであるが、変動検出ブロック70の各フィルタ71,72の設計方法の手順が異なる。
実施例3の設計手法では、ゲインGを先に決定し、その後に設定数αを決定する。このようにすることで、振動係数ζを指標とした設計ではなく、ゲインGの項を優先した設定が可能となる。
具体的には、式(1)で示すゲインの項と、式(4)で示すゲインの項の係数比較を行なうと、ゲインGを先に設定した場合の設定数αは、次式(8)で表される。
Figure 0005077431
なお振動係数ζは、実施例2で示した式(5)と同じである。
ここで、図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック70を採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図3を参照して説明する。
なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。また、図3において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値を示している。
図3(a)に示すように負荷電流ILがステップ状に定格値にまで増加(電流値が0から定格値に急変)したときには、電力変換器22からは、図3(b)に示すように、電流値が定格値から漸減して零になる変換器電流Iinvが出力され、系統電流Isは、図3(c)に示すように、一次遅れ特性をもって増加してから定格値となる。
図4は、本発明の実施例4に係る変動検出ブロック80を示す。この変動検出ブロック80は、系統安定化装置20の制御部21(図16参照)に組み込んだ、変動検出ブロック105,106,123,124(図17参照)に適用するものである。
図4に示すように、この変動検出ブロック80は、ローパスフィルタ81と、リミッタ82と、遅延回路83と、第1の減算器84と、第2の減算器85と、加算器86と、アンプ87と、定格リミッタ88で構成されている。
なお変動検出ブロック80の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1とする。なおf1=1/T1となっている。
更に、設定数αは、前述した式(6)で示す値であり、T3=T1×αとして設定している。
ローパスフィルタ81は、時定数が、時定数T3となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。時定数T3は、ノイズ除去を目的として決定した時定数T1に設定数αを乗算した値である。
ローパスフィルタ81は、入力信号が入力されると、そのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック80が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
リミッタ82は、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有している。
なお、T5は、任意の時間に設定したクッション時間であり、Tsは1サンプル周期であり、Xはリミット値である。
このリミッタ82は、1サンプル周期Tsあたりの変化量を制限するものである。リミッタ82は、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)と−X(下限のリミット値)の間の値であるときには、その信号の信号値をそのまま保持して出力し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)以上である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで増加し、その後は値を+Xに制限し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、−X(下限のリミット値)以下である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで減少し、その後は値を−Xに制限する。
遅延回路83は、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する特性を有している。この遅延回路83は、例えば、Z-1となった特性を有するZ変換回路などにより構成することができる。
減算器84は、一次遅れ特性のフィルタ81の出力信号から、遅延回路83の出力信号を減算して、減算した信号をリミッタ82に送る。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の前段で負帰還している。
加算器86は、リミッタ82から出力された信号と遅延回路83から出力された信号とを加算して出力する。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の後段で正帰還している。
遅延回路83は、加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力している。
このように、遅延回路83から出力された信号を、リミッタ82の前段で負帰還し、リミッタ83の後段で正帰還しているため、信号状態は次のようになる。
減算器84の出力は、「現在のサンプル値−1サンプル周期前のリミッタ処理後の値」となる。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以下で−X以上である場合には、リミッタ82から出力される信号値は0となる。
一方、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、リミッタ82から出力される信号値は、その上限値・下限値がリミット値(+X,−X)で制限された値となる。
加算器86の出力は、「リミッタの出力+1サンプル周期前のリミッタ処理後の値」となる。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、加算器86から出力される信号値は、直線的に増加していく。
減算器85は、一次遅れ特性のローパスフィルタ81の出力信号から加算器86の出力信号を減算して出力する。この減算器85からは、入力信号に含まれている、変動分信号が出力される。
この変動分信号は、変動検出ブロック80が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
減算器85から出力される変動分信号は、アンプ87により増幅される。このアンプ87のゲインGは、前述した式(7)で示す値である。
更に、アンプ87により増幅された変動分信号は、定格リミッタ88を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
実施例4においては、変動分信号をアンプ87により増幅し、この増幅した信号を有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力する。

系統安定化装置20(電力変換器22)が電力補償することに起因して、系統連系運転時における系統電流Isの検出値や、自立運転時における系統電圧Vsの検出値が減少しても、本実施例では、変動分信号をアンプ87により増幅した信号を、有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力するため、前記の減少分をアンプ87により増幅することにより補完していることとなる。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
なお変動検出ブロック80のフィルタ81の設計手法としては、式(5)で示すζをζ>1として、その後に、式(6)(7)を用いて設定数αとゲインGを決定する。
このようにすれば、ζ>1とすることができ、変動検出ブロック80の特性が振動的でなくなるという特徴を奏する。
ここで、図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック80を採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図5を参照して説明する。
なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。また、図5において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値を示している。
図5(a)に示すように負荷電流ILがステップ状に定格値にまで増加(電流値が0から定格値に急変)したときには、電力変換器22からは、図5(b)に示すように、電流値が定格値から直線的に減少して零になる変換器電流Iinvが出力され、系統電流Isは、図5(c)に示すように、直線的に増加してから定格値となる。
実施例5では、変動検出ブロック80の構成自体は、実施例4と同じであるが、変動検出ブロック80のフィルタ81の設計方法の手順が異なる。
実施例5の設計手法では、ゲインGを先に決定し、その後に設定数αを決定する。このようにすることで、振動係数ζを指標とした設計ではなく、ゲインGの項を優先した設定が可能となる。
具体的には、式(1)で示すゲインの項と、式(4)で示すゲインの項の係数比較を行なうと、ゲインGを先に設定した場合の設定数αは、前述した式(8)で表される。
なお振動係数ζは、前述した式(5)と同じである。
<変動検出ブロック70,80の改良すべき点>
図2に示す変動検出ブロック70と、図4に示す変動検出ブロック80については、負荷変動が定格の範囲内であれば動作に問題はないが、負荷変動が定格を越える場合に動作に問題が生じることがある。
このことを、図6と図7を参照して説明する。なお、図6,図7において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値、3p.u.は定格の3倍の値を示している。
図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック70を採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときに、負荷変動が定格の3倍になったときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図6を参照して説明する。なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。
図6(a)に示すように負荷が定格の3倍に急増して負荷電流ILがステップ状に増加(電流値が0から定格の3倍の値に急変)したときには、理想的には、電力変換器22からは、図6(b)に示すように、定格分の変換器電流Iinvが出力されて、系統電流Isが、図6(c)に示すように変化すればよい。
しかし、定格を上回る負荷変動が発生した場合、変動検出ブロック70のうち定格リミッタ75よりも前段の部分では、補償できる変動に上限はないものとして演算が行われ、このようにして演算された変動分信号が、定格リミッタ75により定格値に抑制されて出力される。
図6(d)において、点線は補償できる変動に上限はないものとして変動分信号の演算が行われたとしたときの変換器電流Iinvであり、実線は定格リミッタ75により変動分信号が定格値に抑制されたときの変換器電流Iinvである。
図6(d)に実線で示すように、期間Td1にわたって定格値の変換器電流Iinvが出力されてから、この変換器電流Iinvが漸減していくという過補償動作が行われてしまう。つまり、期間Td1において定格値の変換器電流Iinvが出力され、これにより過補償動作が行われてしまう。
このような過補償動作が行われてしまうと、この期間Td1において追加の負荷変動(負荷増加)が発生したときに、この変動を全く補償することができない。
なお、図6(e)は、実際の系統電流Isを示す。
図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック80を採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときに、負荷変動が定格の3倍になったときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図7を参照して説明する。なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。
図7(a)に示すように負荷が定格の3倍に急増して負荷電流ILがステップ状に増加(電流値が0から定格の3倍の値に急変)したときには、理想的には、電力変換器22からは、図7(b)に示すように、定格分の変換器電流Iinvが出力されて、系統電流Isが、図7(c)に示すように変化すればよい。
しかし、定格を上回る負荷変動が発生した場合、変動検出ブロック80のうち定格リミッタ88よりも前段の部分では、補償できる変動に上限はないものとして演算が行われ、このようにして演算された変動分信号が、定格リミッタ88により定格値に抑制されて出力される。
図7(d)において、点線は補償できる変動に上限はないものとして変動分信号の演算が行われたとしたときの変換器電流Iinvであり、実線は定格リミッタ88により変動分信号が定格値に抑制されたときの変換器電流Iinvである。
図7(d)に実線で示すように、期間Td2にわたって定格値の変換器電流Iinvが出力されてから、この変換器電流Iinvが直線的に減少していくという過補償動作が行われてしまう。つまり、期間Td2において定格値の変換器電流Iinvが出力され、これにより過補償動作が行われてしまう。
このような過補償動作が行われてしまうと、この期間Td2において追加の負荷変動(負荷増加)が発生したときに、この変動を全く補償することができない。
なお、図7(e)は、実際の系統電流Isを示す。
このように、過補償動作が行われてしまうと、期間Td1,Td2において追加の負荷変動(負荷増加)が発生したときに、この変動を全く補償することができないという問題がある。
また、過補償動作が行われる期間Td1,Td2において、無駄に変換器電流Iinvが出力されてしまうため、直流充電部23に充電していた電力を無駄に使用してしまうという問題がある。
特に、直流充電部23を電気二重層キャパシタにより構成した場合には、電気二重層キャパシタはバッテリに比べて蓄電容量が小さいため、かかる現象により無駄に電力を消費しきってしまうと、次に発生した負荷変動を抑制できなくなってしまうという状態に陥りやすい。
これから述べる実施例6以降の実施例では、定格を上回る負荷変動が発生した場合であっても、過補償動作することを回避しつつ、最適に系統安定化制御ができるようにしたものである。
図8は、本発明の実施例6に係る変動検出ブロック70Aを示す。この変動検出ブロック70Aは、図2に示す変動検出ブロック70の構成に、更に、過補償抑制部200を追加したものである。
このため、変動検出ブロック70と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、過補償抑制部200を中心に説明をする。
過補償抑制部200は、リミッタオーバー判定ブロック201と、時定数変更ブロック202を有している。
リミッタオーバー判定ブロック201は、タイマまたはデジタルカウンタにより構成したものであり、定格リミッタ75に入力される変動分信号の信号値が、定格リミッタ75に設定した定格値(±1p.u.)以上になったためリミット動作が行われて、定格リミッタ75から出力される変動分信号の信号値が定格値にリミットされたことを検出する。
更に、リミッタオーバー判定ブロック201は、
(1)「定格リミッタ75から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」が継続しているタイマ時間が、予め決めた一定時間以上経過したとき(タイマで構成した場合)や、
(2)「定格リミッタ75から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」の動作回数が予め決めた所定カウント回数を越えたとき(デジタルカウンタで構成した場合)に、
時定数変更信号Hを出力する。
また、リミッタオーバー判定ブロック201は、時定数変更信号Hを出力した後に、定格リミッタ75に入力される変動分信号の信号値が、定格値(±1)未満になったら、時定数変更信号Hの出力を停止し、タイマ時間やカウント回数をリセットする。
時定数変更ブロック202は、リミッタオーバー判定ブロック201から時定数変更信号Hが出力されていないときには、ローパスフィルタ72に設定した時定数T4をそのまま維持する。
一方、リミッタオーバー判定ブロック201から時定数変更信号Hが出力されているときには、時定数変更ブロック202は、ローパスフィルタ72の時定数を、小さい値、例えばT4の1/3に変更する。
なお、リミッタオーバー判定ブロック201から出力されていた時定数変更信号Hの出力が停止されると、時定数変更ブロック202は、ローパスフィルタ72の時定数を直ちに時定数T4に戻す。
図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック70Aを採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときに、負荷変動が定格の3倍になったときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図9を参照して説明する。なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。
図9(a)に示すように負荷が定格の3倍に急増して負荷電流ILがステップ状に増加(電流値が0から定格の3倍の値に急変)したときには、定格リミッタ75に入力される変動分信号は定格を越えて大きくなり、この状態が予め決めた一定時間以上継続すると、リミッタオーバー判定ブロック201から時定数変更信号Hが出力され、時定数変更ブロック202により、ローパスフィルタ72の時定数がT4から、1/3×(T4)に変更される。
ローパスフィルタ72に設定する時定数は、変動検出時間を規定するものであるため、この時定数を小さくすると、定格リミッタ75に入力される変動分信号が定格値を越える状態となっている時間を短くすることができる。換言すると、定格リミッタ75から出力される変動分信号が定格値となっている時間を短くすることができる。
このため、図9(b)において実線で示すように、定格値となっている変換器信号Iinvが出力される時間が短くなる。
このようにしてローパスフィルタ72に設定する時定数を小さくすると、定格リミッタ75に入力される変動分信号も減少し、定格リミッタ75に入力される変動分信号が定格値未満になると、リミッタオーバー判定ブロック201からの時定数変更信号Hが停止し、時定数変更ブロック202により、ローパスフィルタ72の時定数がT4に戻される。
したがって、時定数がT4に戻った後は、図9(b)において実線で示すように、時定数T4で規定される減少特性に応じて、変換器電流Iinvの値が漸減していく。
結局、変換器電流Iinvの値が定格値となっている時間を短縮することができ、変換器電流Iinvの値は、短時間だけ定格値となっているが、その後は、時定数T4で規定される減少特性に応じて漸減していく。
このように、補償電流として出力される変換器電流Iinvの値は、負荷急増後に短時間だけ定格値となっているが、その後は、時定数T4で規定される減少特性に応じて漸減していくため、図9(c)に示すように系統電流Isは変動が小さくなる。
そして、変換器電流Iinvが定格値となっている時間が短くなるため、直流充電部23に充電していた電力を無駄に使用することを防止することができる。
なお前記実施例6は、コンピュータに予め設定した演算処理プログラム(ソフトウエア)を用いて演算することにより、実現することもできる。
つまり、ソフトウエアを利用した実施例では、変動検出ブロック70Aとしては、ハードウエアであるコンピュータに、変動検出ブロック70Aとして必要な演算処理をする演算処理プログラム(ソフトエア)を組み込んだ(設定した)ものとして構成することができる。
このようなソフトウエアを利用した実施例に係る変動検出ブロック70Aでは、次のような演算処理を、演算処理プログラムにより演算する。
(1) 演算処理プログラムにより、変動検出ブロック70Aの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、低周波数側の遮断周波数がf2として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、値が1/f2となっている変動検出時間を設定するための時定数がT2として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、T2をαで除算した値がT4として設定される。
(2) 上記設定が完了後、変動検出ブロック70Aは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(2−1) 変動検出ブロック70Aに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
(2−2) 変動検出ブロック70Aに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
(2−3) 第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
(2−4) 減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
(2−4) アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときにはアンプ信号を変動分として求め、アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときにはアンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
(2−5) アンプ信号の信号値が定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、第2のフィルタ信号を求める際のフィルタ処理の時定数をT4よりも小さい値に変更し、アンプ信号の信号値が定格値よりも小さい状態になったら、第2のフィルタ信号を求める際のフィルタ処理の時定数をT4に戻す。
このようにして、負荷変動が定格を越える場合であっても、過補償動作が行われることを防止することができる。
図10は、本発明の実施例7に係る変動検出ブロック80Aを示す。この変動検出ブロック80Aは、図4に示す変動検出ブロック80の構成に、更に、過補償抑制部300を追加したものである。
このため、変動検出ブロック80と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、過補償抑制部300を中心に説明をする。
過補償抑制部300は、リミッタオーバー判定ブロック301と、クッション時間変更ブロック302を有している。
リミッタオーバー判定ブロック301は、タイマまたはデジタルカウンタにより構成したものであり、定格リミッタ88に入力される変動分信号の信号値が、定格リミッタ88に設定した定格値(±1p.u.)以上になったためリミット動作が行われて、定格リミッタ88から出力される変動分信号の信号値が定格値にリミットされたことを検出する。
更に、リミッタオーバー判定ブロック301は、
(1)「定格リミッタ88から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」が継続しているタイマ時間が、予め決めた一定時間以上経過したとき(タイマで構成した場合)や、
(2)「定格リミッタ88から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」の動作回数が予め決めた所定カウント回数を越えたとき(デジタルカウンタで構成した場合)に、
クッション時間変更信号hを出力する。
また、リミッタオーバー判定ブロック301は、クッション時間変更信号hを出力した後に、定格リミッタ88に入力される変動分信号の信号値が、定格値(±1)未満になったら、クッション時間変更信号hの出力を停止し、タイマ時間やカウント回数をリセットする。
クッション時間変更ブロック302は、リミッタオーバー判定ブロック301からクッション時間変更信号hが出力されていないときには、リミッタ82に設定したクッション時間T5をそのまま維持する。
一方、リミッタオーバー判定ブロック301からクッション時間変更信号hが出力されているときには、クッション時間変更ブロック302は、リミッタ82のクッション時間を、小さい値、例えばT5の1/10に変更する。
なお、リミッタオーバー判定ブロック301から出力されていたクッション時間変更信号hの出力が停止されると、クッション時間変更ブロック302は、リミッタ82のクッション時間を直ちにクッション時間T5に戻す。
図17に示す変動検出ブロック105,106,123,124として変動検出ブロック80Aを採用して制御部21を構成し、この制御部21を組み込んだ系統安定化装置20を用いたときに、負荷変動が定格の3倍になったときの、配電系統(図16参照)の電流特性を図11を参照して説明する。なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。
図11(a)に示すように負荷が定格の3倍に急増して負荷電流ILがステップ状に増加(電流値が0から定格の3倍の値に急変)したときには、定格リミッタ88に入力される変動分信号は定格を越えて大きくなり、この状態が予め決めた一定時間以上継続すると、リミッタオーバー判定ブロック301からクッション時間変更信号hが出力され、クッション時間変更ブロック302により、リミッタ82のクッション時間がT5から、1/10×(T5)に変更される。
リミッタ82に設定するクッション時間は、変動検出時間を規定するものであるため、このクッション時間を小さくすると、定格リミッタ88に入力される変動分信号が定格値を越える状態となっている時間を短くすることができる。換言すると、定格リミッタ88から出力される変動分信号が定格値となっている時間を短くすることができる。
このため、図11(b)において実線で示すように、定格値となっている変換器信号Iinvが出力される時間が短くなる。
このようにしてリミッタ82に設定するクッション時間を小さくすると、定格リミッタ88に入力される変動分信号も減少し、定格リミッタ88に入力される変動分信号が定格値未満になると、リミッタオーバー判定ブロック301からのクッション時間変更信号hが停止し、クッション時間変更ブロック302により、リミッタ82のクッション時間がT5に戻される。
したがって、クッション時間がT5に戻った後は、図11(b)において実線で示すように、クッション時間T5で規定される減少特性に応じて、変換器電流Iinvの値が直線的に減少していく。
結局、変換器電流Iinvの値が定格値となっている時間を短縮することができ、変換器電流Iinvの値は、短時間だけ定格値となっているが、その後は、クッション時間T5で規定される減少特性に応じて直線的に減少していく。
このように、補償電流として出力される変換器電流Iinvの値は、負荷急増後に短時間だけ定格値となっているが、その後は、クッション時間T5で規定される減少特性に応じて直線的に減少していくため、図11(c)に示すように系統電流Isは変動が小さくなる。
そして、変換器電流Iinvが定格値となっている時間が短くなるため、直流充電部23に充電していた電力を無駄に使用することを防止することができる。
図12は、本発明の実施例8に係る変動検出ブロック80Bを示す。この変動検出ブロック80Bは、図10に示す変動検出ブロック80Aの構成に、更に、他の機能構造を追加したものである。
このため、変動検出ブロック80Bと同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、追加した他の機能構造を中心に説明をする。
実施例8では、アンプ87から出力される変動分信号に対して、加算器401により、直流充電部(電気二重層キャパシタ)23の直流電圧VDCを一定に制御するための充放電指令e1と、外部から入力される電流指令e2が加算される。そして、この加算した信号が、充放電リミッタ402を通過してから定格リミッタ88に入力される。
なお、充放電指令e1は、充放電指令出力部410から出力される。この充放電指令出力部410は、直流充電部(電気二重層キャパシタ)23の直流電圧VDCを一定に制御するための充放電指令e1を出力する。
充放電リミッタ402のリミット上限値とリミット下限値は、直流充電部23の残存容量に応じて制限される電流値により変動する。
つまり、充放電リミッタ402では、直流充電部23の残存容量に応じて、充電時にはリミット上限値f11とリミット下限値f12が設定され、放電時にはリミット上限値f21とリミット下限値f22が設定される。
なお、充電時におけるリミット上限値f11とリミット下限値f12や、放電時におけるリミット上限値f21とリミット下限値f22は、リミット値設定部420により、設定される。
リミット値設定部420は、直流充電部23の残存容量に応じて充電時のリミット上限値f11とリミット下限値f12、放電時のリミット上限値f21とリミット下限値f22を設定する。
論理和判定部403は、充放電リミッタ402に入力される信号が、この充電リミッタ402に設定したリミット値を越えた場合、または、定格リミッタ88に入力される信号が、この定格リミッタ88に設定したリミット値を越えた場合に、値が1となっているリミット動作信号Liを出力する。
一方、論理和判定部403は、充電リミッタ402に入力される信号が、この充電リミッタ402に設定したリミット値を越えず、しかも、定格リミッタ88に入力される信号が、この定格リミッタ88に設定したリミット値を越えない場合には、リミット動作信号Liは出力しない。
リミッタオーバー判定ブロック301は、リミット動作信号Liの出力時間が予め決めた一定時間以上継続したときや、リミット動作信号Liの出力回数が予め決めた所定カウント回数を越えたときに、クッション時間変更信号hを出力する。
他の部分の構成は、図10に示す変動検出ブロック80Aと同様である。
この実施例では、指令e1,e2を加味した制御や、直流充電部23の残存容量を制御しつつ、最適な変動分信号を出力することができる。
図13は、本発明の実施例9に係る変動検出ブロック80Cを示す。この変動検出ブロック80Cは、図12に示す変動検出ブロック80Bの構成のうち、リミッタオーバー判定ブロック301と、クッション時間変更ブロック302の動作機能を変更したものである。
リミッタオーバー判定ブロック310は、乗算器311と、加算器312と、リミッタ313と、遅延回路314を有しており、リミット動作信号Liが入力されると、時間の経過と共に値が漸増していくクッション時間変更信号hを出力する。
クッション時間変更ブロック320は、減算器321と、加算器322と、乗算器323,324を有しており、時間T5と、時間T5/10が設定されている。
このクッション時間変更ブロック320は、クッション時間変更信号hが入力されると、リミッタ82に設定するクッション時間をT5からT5/10に徐々に変更し、クッション時間変更信号hが入力されなくなると、リミッタ82に設定するクッション時間をT5/10からT5徐々に戻すようにしている。
上記の変動検出ブロック80Cを用いたときの、電流特性等を図14に示す。図14(a)に示すように負荷が急変した場合、図14(c)に示すように変換器電流Iinvが定格値となっている時間が短くなり、図14(d)に示すように系統電流Isの波形の乱れが小さくなる。
また、図14(b)に示すように、リミッタ82に設定するクッション時間が、徐々に減少してから徐々に復帰する。
このように、動作を緩やかに変化させることにより、他の機器に悪影響を与えることを防止することができる。
なお前記実施例7,8,9は、コンピュータに予め設定した演算処理プログラム(ソフトウエア)を用いて演算することにより、実現することもできる。
つまり、ソフトウエアを利用した実施例では、変動検出ブロック80A,80B,80Cとしては、ハードウエアであるコンピュータに、変動検出ブロック80A,80B,80Cとして必要な演算処理をする演算処理プログラム(ソフトエア)を組み込んだ(設定した)ものとして構成することができる。
このようなソフトウエアを利用した実施例に係る変動検出ブロック80A,80B,80Cでは、次のような演算処理を、演算処理プログラムにより演算する。
(1) 演算処理プログラムにより、変動検出ブロック80A,80B,80Cの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、任意の時間に設定したクッション時間がT5として設定され、1サンプル周期がTsとして設定され、リミット値がXとして設定される。
(2) 上記設定が完了後、変動検出ブロック80A,80B,80Cは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(2−1) 変動検出ブロック80A,80B,80Cに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
(2−2) フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
(2−3) 第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
(2−4) リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
(2−5) 加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、遅延信号とし、
(2−6) フィルタ信号から加算信号を減算して第2の減算信号求め、
(2−7) 第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
(2−8) アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときにはアンプ信号を変動分として求め、アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときにはアンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
(2−9) アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、リミット処理する際のクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、リミット処理する際のクッション時間をT5に戻す。
このようにして、負荷変動が定格を越える場合であっても、過補償動作が行われることを防止することができる。
1 電力系統
2 遮断器
10 配電系統
11 分散電源
12 負荷
20 系統安定化装置
21 制御部
22 電力変換器
23 直流充電部
24,26 電流検出器
25 電圧検出器
60,70,80,70A,80A,80B,80C 変動検出ブロック
105,106,123,124 変動検出ブロック
200,300 過補償抑制部
201,301 リミッタバーバー判定ブロック
202 時定数変更ブロック
203 クッション時間変更ブロック

Claims (6)

  1. 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
    前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
    前記制御部は、
    前記電力系統が正常であるときには、
    前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
    第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    前記電力系統に異常が発生したときには、
    前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
    第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
    しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
    更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする、
    系統安定化装置。
    Figure 0005077431
  2. 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
    前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
    前記制御部は、
    前記電力系統が正常であるときには、
    前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
    第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    前記電力系統に異常が発生したときには、
    前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
    第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
    しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
    更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする、
    系統安定化装置。
    Figure 0005077431
  3. 請求項1または請求項2に記載の系統安定化装置において、
    前記第1から第4の変動検出ブロックには、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、低周波数側の遮断周波数がf2として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、値が1/f2となっている変動検出時間を設定するための時定数がT2として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、T2をαで除算した値がT4として設定されており、
    前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
    当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
    当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
    第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
    前記減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
    前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
    前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻す、
    ことを特徴とする系統安定化装置。
  4. 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
    前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
    前記制御部は、
    前記電力系統が正常であるときには、
    前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
    第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    前記電力系統に異常が発生したときには、
    前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
    第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
    時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
    前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
    前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
    前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
    前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
    前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
    しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
    更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
    系統安定化装置。
    Figure 0005077431
  5. 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
    前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
    前記制御部は、
    前記電力系統が正常であるときには、
    前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
    第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    前記電力系統に異常が発生したときには、
    前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
    第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
    第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
    更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
    前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
    しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
    時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
    前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
    前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
    前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
    前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
    前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
    しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
    更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
    系統安定化装置。
    Figure 0005077431
  6. 請求項4または請求項5に記載の系統安定化装置において、
    前記第1から第4の変動検出ブロックには、
    当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、任意の時間に設定したクッション時間がT5として設定され、1サンプル周期がTsとして設定され、リミット値がXとして設定されており、
    前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
    当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
    前記フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
    前記第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
    前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
    前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
    前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して第2の減算信号求め、
    前記第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
    前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
    前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻す、
    ことを特徴とする系統安定化装置。
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