JP5218554B2 - 系統安定化装置 - Google Patents
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Description
そこで、この発電量の変動を吸収する目的で系統安定化装置20が用いられる。
変動検出ブロック42は、周波数信号ωsの変動分Cωsを求め、この変動分Cωsを積分器43により積分することにより有効電流指令Irefdが求められる。
変動検出ブロック45は、電圧振幅信号|Vs|の変動分C|Vs|を求め、この変動分C|Vs|を比例演算器46により所定のゲインを掛けることにより無効電流指令Irefqが求められる。
このPLL回路50は制御基準位相θを出力するものである。PLL演算器51は、零クロス信号Zと制御基準位相θが入力されて周波数差Δωsを出力する。加算器52は、周波数差Δωsと基準角周波数ωs*を加算し、この加算値(Δωs+ωs)を積分器53により積分することにより、制御基準位相θを出力する。
この制御基準位相θを位相基準として、後述するdq変換器60及びdq逆変換器65の変換動作が行なわれる。
減算器61は、有効電流指令Irefdと変換器電流の有効分Iinvdとの偏差である電流偏差の有効分Δdを出力する。電流制御部(ACR)62は、電流偏差の有効分ΔdをPI(比例・積分)演算して有効電圧指令Vdを出力する。
減算器63は、無効電流指令Irefqと変換器電流の無効分Iinvqとの偏差である電流偏差の無効分Δqを出力する。電流制御部(ACR)64は、電流偏差の無効分ΔqをPI(比例・積分)演算して無効電圧指令Vqを出力する。
dq逆変換器65は、有効電圧指令Vdと無効電圧指令Vqをdq逆変換して、電圧指令V*を出力する。
この結果、周波数信号ωsが低下した時には電力変換器26から有効電力が出力される電力補償がされ、電圧振幅信号|Vs|が低下したときには電力変換器26から無効電力が出力される電力補償がされる。
この変動検出ブロック70は、ローパスフィルタ71と、ローパスフィルタ72と、減算器73と、アンプ74と、定格リミッタ75で構成されている。
なお、変動検出ブロック70の通過帯域周波数は、変動検出ブロック42や変動検出ブロック45に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。
ローパスフィルタ72は、時定数が、時定数T2となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。時定数T2は、変動検出時間を設定することを目的として決定した時定数である。
両フィルタ71,72は、入力信号(周波数信号ωsや電圧振幅信号|Vs|)が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
更に、アンプ74により増幅された変動分は、定格リミッタ75を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
つまり、変動検出ブロック70を変動検出ブロック42として使用した場合には、定格リミッタ75から出力された信号(変動分Cωs)を積分することにより有効電流指令Irefdが求められ、変動検出ブロック70を変動検出ブロック45として使用した場合には、定格リミッタ75から出力された信号(変動分C|Vs|)に所定のゲインを掛けることにより無効電流指令Irefqが求められる。
この変動検出ブロック80は、ローパスフィルタ81と、リミッタ82と、遅延回路83と、第1の減算器84と、第2の減算器85と、加算器86と、アンプ87と、定格リミッタ88で構成されている。
なお変動検出ブロック80の通過帯域周波数は、変動検出ブロック42や変動検出ブロック45に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。
ローパスフィルタ81は、入力信号(周波数信号ωsや電圧振幅信号|Vs|)が入力されると、そのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、T3は、任意の時間に設定したクッション時間であり、Tsは1サンプル周期であり、Xはリミット値である。
このリミッタ82は、1サンプル周期Tsあたりの変化量を制限するものである。リミッタ82は、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)と−X(下限のリミット値)の間の値であるときには、入力信号の信号値をそのまま保持して出力し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)以上である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで増加し、その後は値を+Xに制限し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、−X(下限のリミット値)以下である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで減少し、その後は値を−Xに制限する。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の前段で負帰還している。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の後段で正帰還している。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以下で−X以上である場合には、リミッタ82から出力される信号値は0となる。
一方、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、リミッタ82から出力される信号値は、その上限値・下限値がリミット値(+X,−X)で制限された値となる。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、加算器86から出力される信号値は、直線的に増加していく。即ち、加算器86から出力される信号値は、1サンプル周期Ts毎に、リミット値の値(+Xまたは−X)だけ段階的に変化(増加または減少)していく。
更に、アンプ87により増幅された変動分は、定格リミッタ88を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
つまり、変動検出ブロック80を変動検出ブロック42として使用した場合には、定格リミッタ88から出力された信号(変動分Cωs)を積分することにより有効電流指令Irefdが求められ、変動検出ブロック80を変動検出ブロック45として使用した場合には、定格リミッタ88から出力された信号(変動分C|Vs|)に所定のゲインを掛けることにより無効電流指令Irefqが求められる。
しかし、系統電圧Vsの周波数の変動は、負荷が変動した場合だけではなく、発電機のガバナ制御によるフィードバック制御を行うことによっても生じる。
このため、系統安定化装置20は、発電機のガバナ制御により周波数増加が発生すると、負荷減少によって周波数増加が発生したものと誤認識し、有効電力を吸収してしまう可能性がある。このような系統安定化装置20の動作(有効電力を吸収する動作)は、発電機のガバナ制御(有効電力を出力する動作)を妨げる動作となり、これは系統安定化装置20と発電機とが干渉を起こしている状態である。
このため、ガバナ制御により発電機が有効電力を出力しても、電力変換器26が有効電力を吸収する動作をしてしまい、系統安定化装置20と発電機とが干渉してしまう。
図11(c),図12(c)において、期間TBの網かけをした面積が、電力変換器26が吸収した有効電力に相当する。
しかし、系統電圧Vsの電圧振幅の変動は、負荷が変動した場合だけではなく、発電機のAVR制御によるフィードバック制御を行うことによっても生じる。
このため、系統安定化装置20は、発電機のAVR制御により電圧振幅の増加が発生すると、負荷減少によって電圧振幅の増加が発生したものと誤認識し、無効電力を吸収してしまう可能性がある。このような系統安定化装置20の動作(無効電力を吸収する動作)は、発電機のAVR制御(発電機電圧を増加させる動作)を妨げる動作となり、これは系統安定化装置20と発電機とが干渉を起こしている状態である。
分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられた系統安定化装置であり、
しかも、前記配電系統の系統電圧の周波数が変動することに応じて、前記配電系統に供給する有効電力の補償を行なうと共に、前記配電系統の系統電圧の電圧振幅が変動することに応じて、前記配電系統に供給する無効電力の補償を行なう制御モードである、自立運転の制御モードを有する系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、
前記系統電圧の周波数の変動に応じて、この周波数の変動を抑制する有効電流指令を出力すると共に、前記系統電圧の電圧振幅の変動に応じて、この電圧振幅の変動を抑制する無効電流指令を出力する自立制御部と、
前記有効電流指令及び前記無効電流指令を基に求めたゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記自立制御部は、
前記系統電圧の周波数変動に応じた変動分(Cωs)を出力する第1の変動検出ブロックと、前記系統電圧の電圧振幅変動に応じた変動分(C|Vs|)を出力する第2の変動検出ブロックを有し、
第1と第2の変動検出ブロックは、
ノイズ除去を目的として設定した時定数をT1、変動検出時間を設定することを目的として決定した時定数をT2としたときに、時定数をT1とする一次遅れ特性の第1のローパスフィルタと、時定数をT2とする一次遅れ特性の第2のローパスフィルタと、第1のローパスフィルタの出力信号と第2のローパスフィルタの出力信号を減算して出力する減算器と、干渉動作抑制部とで構成され、
前記干渉動作抑制部は、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更し、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更することを特徴とする。
前記系統安定化装置であって、
前記第1と第2の変動検出ブロックには、ノイズ除去を目的として設定した時定数T1と、変動検出時間を設定することを目的として決定した時定数T2が設定されており、
前記第1と第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT2とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して、変動分を求め、
前記第1の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更し、
前記第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更することを特徴とする。
分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられた系統安定化装置であり、
しかも、前記配電系統の系統電圧の周波数が変動することに応じて、前記配電系統に供給する有効電力の補償を行なうと共に、前記配電系統の系統電圧の電圧振幅が変動することに応じて、前記配電系統に供給する無効電力の補償を行なう制御モードである、自立運転の制御モードを有する系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、
前記系統電圧の周波数の変動に応じて、この周波数の変動を抑制する有効電流指令を出力すると共に、前記系統電圧の電圧振幅の変動に応じて、この電圧振幅の変動を抑制する無効電流指令を出力する自立制御部と、
前記有効電流指令及び前記無効電流指令を基に求めたゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記自立制御部は、
前記系統電圧の周波数変動に応じた変動分(Cωs)を出力する第1の変動検出ブロックと、前記系統電圧の電圧振幅変動に応じた変動分(C|Vs|)を出力する第2の変動検出ブロックを有し、
第1と第2の変動検出ブロックは、
ノイズ除去を目的として設定した時定数をT1、任意に設定したクッション時間をT3、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、時定数をT1とする一次遅れ特性のローパスフィルタと、±(X/T3)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、干渉動作抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のローパスフィルタの出力信号と前記遅延回路の出力信号とを減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタの出力信号と前記遅延回路の出力信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器の出力信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のローパスフィルタの出力信号と前記加算器の出力信号とを減算して出力し、
前記干渉動作抑制部は、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更し、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更することを特徴とする。
前記系統安定化装置であって、
前記第1と第2の変動検出ブロックには、ノイズ除去を目的として設定した時定数T1、任意に設定したクッション時間T3、1サンプル周期Ts、リミット値Xが設定されており、
前記第1と第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理してフィルタ信号を求め、
前記フィルタ信号から遅延信号を減算して減算信号を求め、
前記減算信号を、±(X/T3)Tsとなったリミット特性によりリミット処理してリミット信号を求め、
前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して変動分を求め、
前記第1の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更し、
前記第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更することを特徴とする。
このため変動検出ブロック70と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、干渉動作抑制部100を中心に説明をする。
具体的には、次の(i)(ii)の判定条件が設定されており、(i)(ii)の何れかの判定条件が成立したら、系統安定化装置20の系統安定化動作と発電機のガバナ制御動作とが干渉していると判定する。
(i) 周波数信号ωsの周波数が予め定められた定格周波数よりも小さく、且つ、変動分Cωsが負になっている。
(ii)周波数信号ωsの周波数が予め定められた定格周波数よりも大きく、且つ、変動分Cωsが正になっている。
なお回路構成によっては、変動分Cωsの正負と、電力変換器26による有効電力の吸収・放出動作が、上述したのと逆になることもあるが、この例では、上記のような動作をするものとして説明をする。
なお、上記(i)または(ii)の判定条件が、予め決めた設定時間継続してから、時定数変更信号Hを出力するようにしているのは、ノイズなどによる誤動作の発生を防止するためである。
一方、干渉動作判定ブロック101から時定数変更信号Hが出力されているときには、時定数変更ブロック101は、ローパスフィルタ72の時定数を、小さい値、例えば、T2の1/10にする。
なお、干渉動作判定ブロック101から出力されていた時定数変更信号Hの出力が停止されると、時定数変更ブロック102は、ローパスフィルタ72の時定数をT2に戻す。
期間TAでは、上記の(i)(ii)の判定条件は成立しないが、期間TBでは、周波数信号ωsの周波数が定格周波数よりも小さく、且つ、変動分Cωsが負になっているため上記の(i)の判定条件が成立する。
時定数変更信号Hが出力されたら、時定数変更ブロック101は、ローパスフィルタ72の時定数を、小さい値、例えば、T2の1/10にする。
この結果、電力変換器26が有効電力を吸収する動作が抑制される。このため、発電機のガバナ制御動作(有効電力を出力する動作)がされているときに、系統安定化装置20により有効電力を吸収する動作が抑制され、ガバナ制御動作と系統安定化動作とが干渉することを防止することができる。
このように負荷が急減した場合には、期間TBにおいて、周波数信号ωsの周波数が定格周波数よりも大きく、且つ、変動分Cωsが正になるため、上記の(ii)の判定条件が成立する。
この結果、電力変換器26が有効電力を放出する動作が抑制される。このため、発電機のガバナ制御動作(有効電力を吸収する動作)がされているときに、系統安定化装置20により有効電力を放出する動作が抑制され、ガバナ制御動作と系統安定化動作とが干渉することを防止することができる。
このため変動検出ブロック80と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、干渉動作抑制部200を中心に説明をする。
具体的には、次の(i)(ii)の判定条件が設定されており、(i)(ii)の何れかの判定条件が成立したら、系統安定化装置20の系統安定化動作と発電機のガバナ制御動作とが干渉していると判定する。
(i) 周波数信号ωsの周波数が予め定められた定格周波数よりも小さく、且つ、変動分Cωsが負になっている。
(ii)周波数信号ωsの周波数が予め定められた定格周波数よりも大きく、且つ、変動分Cωsが正になっている。
なお回路構成によっては、変動分Cωsの正負と、電力変換器26による有効電力の吸収・放出動作が、上述したのと逆になることもあるが、この例では、上記のような動作をするものとして説明をする。
なお、上記(i)または(ii)の判定条件が、予め決めた設定時間継続してから、クッション時間変更信号hを出力するようにしているのは、ノイズなどによる誤動作の発生を防止するためである。
一方、干渉動作判定ブロック201からクッション時間変更信号hが出力されているときには、クッション時間変更ブロック201は、リミッタ82のクッション時間を、小さい値、例えば、T3の1/4にする。
なお、干渉動作判定ブロック201から出力されていたクッション時間変更信号hの出力が停止されると、クッション時間変更ブロック202は、リミッタ82のクッション時間をT3に戻す。
期間TAでは、上記の(i)(ii)の判定条件は成立しないが、期間TBでは、周波数信号ωsの周波数が定格周波数よりも小さく、且つ、変動分Cωsが負になっているため上記の(i)の判定条件が成立する。
クッション時間変更信号hが出力されたら、クッション時間変更ブロック201は、リミッタ82のクッション時間を、小さい値、例えば、T3の1/4にする。
この結果、電力変換器26が有効電力を吸収する動作が抑制される。このため、発電機のガバナ制御動作(有効電力を出力する動作)がされているときに、系統安定化装置20により有効電力を吸収する動作が抑制され、ガバナ制御動作と系統安定化動作とが干渉することを防止することができる。
このように負荷が急減した場合には、期間TBにおいて、周波数信号ωsの周波数が定格周波数よりも大きく、且つ、変動分Cωsが正になるため、上記の(ii)の判定条件が成立する。
この結果、電力変換器26が有効電力を放出する動作が抑制される。このため、発電機のガバナ制御動作(有効電力を吸収する動作)がされているときに、系統安定化装置20により有効電力を放出する動作が抑制され、ガバナ制御動作と系統安定化動作とが干渉することを防止することができる。
また、乗算器201bと、加算器201cと、リミッタ201dと、遅延回路201eにより、積分機能が実行されるため、干渉動作判定ブロック201から出力されるクッション時間変更信号hは、時間の経過と共に増加していく。
このクッション時間変更ブロック202は、クッション時間変更信号hが入力されると、リミッタ82に設定するクッション時間をT3からT3/4に徐々に変更し、クッション時間変更信号hが入力されなくなると、リミッタ82に設定するクッション時間をT3/4からT3に徐々に戻すようにしている。
このようにリミッタ82に設定するクッション時間が、徐々に減少してから徐々に復帰するため、他の機器や系統に悪影響を与えることを防止することができる。
(iii)電圧振幅|Vs|の値が予め定められた定格値よりも小さく、且つ、電圧振幅|Vs|の変動分C|Vs|が負になっている。
(iv)電圧振幅|Vs|の値が予め定められた定格値よりも大きく、且つ、電圧振幅|Vs|の変動分C|Vs|が正になっている。
なお回路構成によっては、変動分C|Vs|の正負と、電力変換器26による無効電力の吸収・放出動作が、上述したのと逆になることもあるが、この例では、上記のような動作をするものとして説明をする。
変更信号H,hが出力されたら、変更ブロック102,202により、時定数T2やクッション時間T3が変更され、ガバナ制御動作と系統安定化動作とが干渉することを防止することができる。
(2−1) 当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
(2−2) 当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT2とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
(2−2) 第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して、変動分を求める。
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロック(42)の時定数T2を小さい値に変更する。
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロック(45)の時定数T2を小さい値に変更する。
(2−1) 当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理してフィルタ信号を求め、
(2−2) 前記フィルタ信号から遅延信号を減算して減算信号を求め、
(2−3) 前記減算信号を、±(X/T3)Tsとなったリミット特性によりリミット処理してリミット信号を求め、
(2−4) 前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
(2−5) 前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
(2−6) 前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して変動分を求める。
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロック(42)に備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更する。
また、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロック(45)に備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更する。
2 遮断器
10 配電系統
11 分散電源
12 負荷
20 系統安定化装置
21 自立制御部
22 連系制御部
23 切替スイッチ
24 電流制御部
25 PWM変調器
26 電力変換器
27 直流充電部
28 電流検出器
29 電圧検出器
30 電流検出器
40 零クロス検出部
41 周波数変換部
42 変動検出部
43 積分器
44 電圧振幅検出部
45 変動検出部
46 比例演算部
50 PLL回路
60 dq変換器
61,63 減算器
62,64 電流制御部
65 dq逆変換器
70,70A 変動検出ブロック
80,80A,80B 変動検出ブロック
100,200 干渉動作抑制部
101,201 干渉動作判定ブロック
102 時定数変更ブロック
202 クッション時間変更ブロック
ωs 周波数信号
Cωs 変動分
|Vs| 電圧振幅信号
C|Vs| 変動分
Irefd 有効電流指令
Irefq 無効電流指令
g ゲート信号
Claims (4)
- 分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられた系統安定化装置であり、
しかも、前記配電系統の系統電圧の周波数が変動することに応じて、前記配電系統に供給する有効電力の補償を行なうと共に、前記配電系統の系統電圧の電圧振幅が変動することに応じて、前記配電系統に供給する無効電力の補償を行なう制御モードである、自立運転の制御モードを有する系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、
前記系統電圧の周波数の変動に応じて、この周波数の変動を抑制する有効電流指令を出力すると共に、前記系統電圧の電圧振幅の変動に応じて、この電圧振幅の変動を抑制する無効電流指令を出力する自立制御部と、
前記有効電流指令及び前記無効電流指令を基に求めたゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記自立制御部は、
前記系統電圧の周波数変動に応じた変動分(Cωs)を出力する第1の変動検出ブロックと、前記系統電圧の電圧振幅変動に応じた変動分(C|Vs|)を出力する第2の変動検出ブロックを有し、
第1と第2の変動検出ブロックは、
ノイズ除去を目的として設定した時定数をT1、変動検出時間を設定することを目的として決定した時定数をT2としたときに、時定数をT1とする一次遅れ特性の第1のローパスフィルタと、時定数をT2とする一次遅れ特性の第2のローパスフィルタと、第1のローパスフィルタの出力信号と第2のローパスフィルタの出力信号を減算して出力する減算器と、干渉動作抑制部とで構成され、
前記干渉動作抑制部は、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更し、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更することを特徴とする系統安定化装置。 - 請求項1に記載の系統安定化装置であって、
前記第1と第2の変動検出ブロックには、ノイズ除去を目的として設定した時定数T1と、変動検出時間を設定することを目的として決定した時定数T2が設定されており、
前記第1と第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
当該変動ブロックに入力される信号を、時定数をT2とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して、変動分を求め、
前記第1の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更し、
前記第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックの時定数T2を小さい値に変更することを特徴とする系統安定化装置。 - 分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられた系統安定化装置であり、
しかも、前記配電系統の系統電圧の周波数が変動することに応じて、前記配電系統に供給する有効電力の補償を行なうと共に、前記配電系統の系統電圧の電圧振幅が変動することに応じて、前記配電系統に供給する無効電力の補償を行なう制御モードである、自立運転の制御モードを有する系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、
前記系統電圧の周波数の変動に応じて、この周波数の変動を抑制する有効電流指令を出力すると共に、前記系統電圧の電圧振幅の変動に応じて、この電圧振幅の変動を抑制する無効電流指令を出力する自立制御部と、
前記有効電流指令及び前記無効電流指令を基に求めたゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記自立制御部は、
前記系統電圧の周波数変動に応じた変動分(Cωs)を出力する第1の変動検出ブロックと、前記系統電圧の電圧振幅変動に応じた変動分(C|Vs|)を出力する第2の変動検出ブロックを有し、
第1と第2の変動検出ブロックは、
ノイズ除去を目的として設定した時定数をT1、任意に設定したクッション時間をT3、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、時定数をT1とする一次遅れ特性のローパスフィルタと、±(X/T3)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、干渉動作抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のローパスフィルタの出力信号と前記遅延回路の出力信号とを減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタの出力信号と前記遅延回路の出力信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器の出力信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のローパスフィルタの出力信号と前記加算器の出力信号とを減算して出力し、
前記干渉動作抑制部は、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更し、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更することを特徴とする系統安定化装置。 - 請求項3に記載の系統安定化装置であって、
前記第1と第2の変動検出ブロックには、ノイズ除去を目的として設定した時定数T1、任意に設定したクッション時間T3、1サンプル周期Ts、リミット値Xが設定されており、
前記第1と第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT1とした一次遅れフィルタ処理してフィルタ信号を求め、
前記フィルタ信号から遅延信号を減算して減算信号を求め、
前記減算信号を、±(X/T3)Tsとなったリミット特性によりリミット処理してリミット信号を求め、
前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して変動分を求め、
前記第1の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(i) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも小さいときに、変動分(Cωs)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(ii) 系統電圧の周波数が予め定められた定格周波数よりも大きいときに、変動分(Cωs) の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(Cωs)を基に得た有効電流指令に応じて、前記電力変換器が有効電力を放出すると判定したとき、
には第1の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更し、
前記第2の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
(iii) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも小さいときに、変動分(C|Vs|)の正負極性が正負の一方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を吸収すると判定したとき、
または、
(iv) 系統電圧の電圧振幅が予め定められた定格値よりも大きいときに、変動分(C|vs|)の正負極性が正負の他方であることを検知することにより、当該変動分(C|Vs|)を基に得た無効電流指令に応じて、前記電力変換器が無効電力を放出すると判定したとき、
には第2の変動検出ブロックに備えた前記リミッタのクッション時間T3を小さい値に変更することを特徴とする系統安定化装置。
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