JP6598208B2 - 分散型電源用変換器の制御システム - Google Patents

分散型電源用変換器の制御システム Download PDF

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Description

本発明は分散型電源用変換器の制御システムに関し、特に太陽光発電システム等の分散型電源システムに適用して有用なものである。
近年、太陽光発電等による分散型電源と系統電源(商用電源)とを逆潮流有りで連系し、分散型電源だけでは電力が賄えない場合に、その電力を系統側から供給するようにしたシステムが開発されている。
図11は、かかる従来例の太陽光発電システムの概略構成図である。図示するように、太陽光発電システム100は、太陽電池101と、逆流防止用ダイオード102と、分散型電源用変換器103と、系統電源104と、ブレーカ105,106,107と、家庭内機器108とを有している。分散型電源用変換器103は、太陽電池101からの出力の逆流を防止する逆流防止用ダイオード109と、直流電力を系統電源104と同期のとれた交流電力に変換する変換回路110と、変換回路110の制御や後述する単独運転を検出して電磁接触器(MC)111を開放するといった保護動作等を行う系統保護回路112とを備えている。
太陽光発電システム100においては、系統電源104と連系した連系運転時に、各ブレーカ105,106,107及び電磁接触器111が投入され、太陽電池101からの直流電力が分散型電源用変換器103の変換回路110によって交流電力に変換されて、その交流電力がブレーカ105,106を介して家庭内機器108に供給され、余った電力が系統側に逆潮流される。その一方、分散型電源用変換器103からの交流電力で分散型電源側の電力が賄えない場合には、ブレーカ107を介して系統電源104から家庭内機器108に電力が供給される。
また、系統側が停電等によって電力の供給を停止した場合には、分散型電源から系統側へ逆充電されるのを防止する必要がある。そこで、太陽光発電システム100では、系統側からの電力の供給が停止されたことを検出し、分散型電源用変換器103の運転を停止すると共に、電磁接触器111を開放するようにしている。即ち、太陽光発電システム100では単独運転を検知するために、分散型電源用変換器103の出力電力や出力周波数等に微小な変動を与え、単独運転時に微小な変動が増大することを利用して単独運転を検出する能動的方式を採用している(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第3028205号公報 特許第5050723号公報
ところが、太陽光発電システム100を配電線インピーダンスが大きい配電線に連系した場合等において、負荷起動停止に伴う過度的な位相急変等により周波数に変化が現れると、その周波数変化の大きさに応じて分散型電源用変換器103から配電線に無効電力が注入される。この無効電力の注入は、配電線インピーダンスの作用により再び連系点周波数の変化を引き起こし、結果として、無効電力の注入と周波数の変化とが繰り返されることになる。更に、無効電力の周期的な変動は、配電線インピーダンスの作用により配電線電圧の周期的な変動も招くことになり、照明のちらつき等を引き起こすフリッカ(Flicker)を発生させる。
本発明は、上述の従来技術に鑑み、分散型電源システムにおいて、フリッカの発生を抑制することが可能な分散型電源用変換器の制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、電力系統の周波数偏差を監視する周波数偏差監視手段と、予め設定した単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターンに基づき、前記周波数偏差監視手段により検出された周波数偏差から単独運転発生を検出可能とする正規ゲインを演算する正規ゲイン演算手段と、前記正規ゲイン演算手段が演算した正規ゲインを無効電力として出力する無効電力出力手段とを具備する分散型電源用変換器の制御システムにおいて、前記周波数偏差監視手段により検出された周波数偏差が、フリッカ発生閾値を越えて変動しているときに、前記正規ゲイン演算手段が演算した正規ゲインを取得して、前記正規ゲインを補正してフリッカ発生を抑制する補正ゲインを演算して前記正規ゲインの代わりに前記無効電力出力手段へ出力するフリッカ補償手段と、前記電力系統の高調波電圧を監視する高調波電圧監視手段と、前記高調波電圧監視手段により検出された高調波電圧が、単独運転が発生する所定変動範囲を超えて変動しているときに、前記フリッカ補償手段による補正ゲインの演算をリセットするリセット手段とを有することを特徴とする分散型電源用変換器の制御システムにある。
本態様によれば、周波数偏差監視手段により検出された周波数偏差が、フリッカ発生閾値を越えて変動しているときに、正規ゲインを取得し補正してフリッカ発生を抑制する補正ゲインを演算し、これを正規ゲインの代わりに無効電力出力手段へ出力することにより、分散型電源用変換器の制御システムを適用した分散型電源システムにおいて、フリッカの発生を抑制することができる。
本発明によれば、分散型電源システムにおいて、フリッカの発生を抑制することが可能な分散型電源用変換器の制御システムを提供することができる。
本発明の分散型電源用変換器を示すブロック図である。 本発明の分散型電源用変換器における制御回路を示すブロック図である。 注入無効電力−周波数偏差特性パターンを示すグラフであり、(a)は単独運転発生時におけるパターンの一例、(b)は補正により(a)が変化した状態、(c)は(b)が補正前の(a)に戻った状態を示す図である。 本発明の分散型電源用変換器の正規ゲイン演算手段の制御フローの一例を示す図である。 本発明の分散型電源用変換器のフリッカ補償手段の制御フローの一例を示す図である。 本発明の分散型電源用変換器のリセット手段の制御フローの一例を示す図である。 試験例1〜3のシミュレーション・モデルを示す図である。 試験例1における測定結果を示すグラフである。 試験例2における測定結果を示すグラフである。 試験例3における測定結果を示すグラフである。 従来例の太陽光発電システムの概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には、同一番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施の形態>
本実施形態の分散型電源用変換器は、太陽電池や燃料電池等の発電源を用いた分散型電源システムに適用することができ、本実施形態では、太陽光発電システムに適用した場合を例に挙げて説明する。なお、本実施形態の分散型電源用変換器は、従来例と同様に、出力電力や出力周波数等に微小な変動を与え、単独運転時に微小な変動が増大することを利用して、単独運転の有無を検出する能動的方式を採用している。なお、ここでいう単独運転とは、系統側が停電等によって電力の供給を停止した場合に、分散型電源側が電力の供給を行うことである。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる分散型電源用変換器を示すブロック図である。図示するように、分散型電源用変換器10は、分散型電源からの出力の逆流を防止する逆流防止用ダイオード11と、直流電力を系統側と同期のとれた交流電力に変換する変換回路12と、変換回路12の制御や単独運転を検出して電磁接触器(MC)13を開放する(オフにする)といった保護動作、或いは無効電力の注入量の制御等を行う制御回路14とを備えている。ただし、分散型電源用変換器10の構成は、上記に限定されない。
かかる構成により、分散型電源用変換器10は、電力変換機能を通じて、分散型電源にて発電した直流電力を系統側の交流電力に変換することができ、適用する太陽光発電システムにおいては、分散型電源用変換器10により変換した交流電力を一般家電機器等の負荷等に供給することができる。また、分散型電源用変換器10は、不図示の単独運転検出装置により単独運転を検出すると、電磁接触器13を介して系統側との接続をオフにして、分散型電源側から系統側への逆充電を防止することができる。更に、分散型電源用変換器10は、単独運転検出装置における単独運転の検出を可能にするために、計測された周波数偏差に基づいて系統側に注入する無効電力量を演算して注入している。分散型電源用変換器10は、無効電力の注入量の制御に特徴を有するものであり、以下、この制御システムを中心に説明する。
図2は、本実施形態の分散型電源用変換器における制御回路を示すブロック図である。図示するように、制御回路14は、周波数偏差を監視する周波数偏差監視手段20と、注入無効電力−周波数偏差特性パターンに基づき周波数偏差から単独運転発生を検出可能とする正規ゲインを演算する正規ゲイン演算手段21と、フリッカ発生を抑制する補正ゲインを演算して無効電力出力手段23へ出力するフリッカ補償手段22と、正規ゲインを無効電力として出力する無効電力出力手段23と、高調波電圧を監視する高調波電圧監視手段24と、高調波電圧が単独運転発生の所定変動範囲を超えて変動しているときに補正ゲインの演算をリセットするリセット手段25とを有している。
周波数偏差監視手段20は、入力線26を介して系統ライン27に接続されており、系統側の周波数偏差(Δf)を計測し、その計測値を後述する正規ゲイン演算手段21及びフリッカ補償手段22に出力している。より詳細には、周波数偏差監視手段20では、系統側の周波数を計測し、その計測値から所定周期内での周波数偏差を演算しており、例えば、特許文献2に記載の方法を適用して、計測した系統周波数の移動平均値と過去の系統周波数の移動平均値とを算出し、これらの数値から系統周波数偏差を演算することができる。本実施形態では、系統周波数偏差を計測することができればよく、その方法は限定されない。
正規ゲイン演算手段21は、予め設定した単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターンに基づき、周波数偏差監視手段20により検出された周波数偏差(Δf)から、単独運転発生を検出可能とする正規ゲイン(G1又はG2)を演算し、その演算値をフリッカ補償手段22に出力している。
図3は、注入無効電力−周波数偏差特性パターンを示すグラフであり、(a)は単独運転発生時におけるパターンの一例、(b)は補正により(a)が変化した状態、(c)は(b)が補正前の(a)に戻った状態を示している。
予め設定した単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターンとは、予め正規ゲイン演算手段21のメモリ(不図示)等に記憶された、過去の単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターン群から任意に選択されたパターンであり、これに基づいて無効電力を注入すると、例えば単独運転検出装置(不図示)等において、単独運転が確実に検出できるものである。
例えば、図3(a)の当該パターンの一例に示すように、注入無効電力と周波数偏差とは比例関係にあり、これらの関係を示す一次関数は、一段目の特性線L1と二段目の特性線L2とからなる。即ち、所定の周波数偏差に対する無効電力の注入量は、このパターンに基づき算出することができる。また、特性線L1と特性線L2とでは、周波数偏差の変化に対する注入無効電力の変化割合、即ち各直線の傾きが互いに異なっている。特性線L1の傾きを示す係数をG1、特性線L2の傾き係数をG2としたとき、本実施形態では、これらの傾き係数を正規ゲインG1,G2と称する。詳細は後述するが、これらのゲイン値を補正することにより、無効電力の注入量を変えることができる。
周波数偏差(Δf)が極めて小さい場合、即ち特性線L1における一段目の閾値(Δf)以下の場合(Δf≦Δf)には、正規ゲインG1を設定して単独運転の検出感度を低くする。一方、周波数偏差(Δf)が大きい場合、即ち特性線L2における二段目の閾値であるフリッカ発生閾値(Δf)以下の場合(Δf<Δf≦Δf)には、正規ゲインG2を設定して単独運転の検出感度を高くする。正規ゲイン演算手段21では、単独運転の発生状況に応じて適切な感度となるように正規ゲイン(G1又はG2)を演算して、その演算値をフリッカ補償手段22に出力する。この場合、その演算値はそのままフリッカ補償手段22から無効電力出力手段23に出力されるが、この演算値を無効電力出力手段23に出力するように構成してもよい。
太陽光発電システムにおいては、単独運転時以外でも状況に応じて分散型電源用変換器10から配電線に無効電力が注入されるが、配電線インピーダンスの作用により再び連系点周波数の変化を引き起こし、結果として、無効電力の注入と周波数の変化とが繰り返されることになる。更に、無効電力の周期的な変動は、配電線インピーダンスの作用により配電線電圧の周期的な変動も招くことになり、照明のちらつき等を引き起こすフリッカ(Flicker)を発生させる。即ち、フリッカ発生閾値(Δf)とは、フリッカの発生を検知する指標であり、単独運転時を除き、周波数偏差監視手段20により検出された周波数偏差が、フリッカ発生閾値(Δf)を超過する場合には、フリッカが確実に発生する。
そこで、本実施形態においては、周波数偏差(Δf)が極めて大きい場合、即ち特性線L2における二段目の閾値であるフリッカ発生閾値(Δf)を超過する場合(Δf>Δf)には、正規ゲインG2を設定してフリッカ補償手段22に出力するが、フリッカ補償手段22において、正規ゲインG2の補正がなされることになる。
フリッカ補償手段22は、周波数偏差監視手段20により検出された周波数偏差(Δf)が、フリッカ発生閾値(Δf)を越えて変動しているときに、正規ゲイン演算手段21が演算した正規ゲイン(G1又はG2)を取得して、正規ゲイン(この場合はG2のみ)を補正してフリッカ発生を抑制する補正ゲイン(GC)を演算して正規ゲインの代わりに無効電力出力手段23へ出力している。より詳細には、フリッカ補償手段22では、無効電力出力手段23から入力された演算値(正規ゲインG2)について、フリッカ発生閾値を超過したか否かを判断し、当該閾値を超過した(Δf>Δf)と判断した場合に、正規ゲインG2の補正値である補正ゲイン(GC)を演算する。
補正ゲインは、図3(b)に示すように、特性線L2の傾き(正規ゲインG2)を減少させて特性線L3の傾き(補正ゲインGC)とすることにより得られる。具体的には、周波数偏差監視手段20により検出された周波数偏差(Δf)とフリッカ発生閾値(Δf)との差分に係数aを乗じた係数Dを算出し、次いで係数Dを積算して定数K(補正ゲインG2復元用)を減じて積分値DIを算出し、次いで正規ゲインG2から積分値DIを減じて補正ゲインCGを算出し、その値を正規ゲインの代わりに無効電力出力手段23に出力する。これにより、無効電力の注入量を低減し、フリッカの発生が抑制される。一方、無効電力の注入量を低減すると、単独運転の検出が困難となる。なお、周波数偏差(Δf)がフリッカ発生閾値(Δf)以下の場合(Δf≦Δf)には、正規ゲインを無効電力出力手段23へそのまま出力する。
無効電力出力手段23は、フリッカ補償手段22により出力された正規ゲイン(G1又はG2)又は補正ゲイン(GC)を系統側へ出力している。これにより、系統側へ無効電力が注入されると、例えば単独運転検出装置(不図示)等において、単独運転を確実に検出することができる。
高調波電圧監視手段24は、入力線28を介して系統ライン27に接続されており、系統側の高調波電圧(V)を計測し、その変動値(ΔV)をリセット手段25に出力している。本実施形態では、高調波電圧監視手段24に替えて、例えば、系統側の高調波電圧歪を計測し、その測定値をリセット手段25に出力する高調波電圧歪監視手段を設けてもよい。また、これらの監視手段を併用して設けてもよい。
リセット手段25は、所謂リセット回路であり、高調波電圧監視手段24により入力された高調波電圧の変動値(ΔV)が、単独運転が発生する所定変動範囲の下限値(200V低圧配電線における高調波電圧増分値で2V)を超えて変動しているときに、リセット信号をフリッカ補償手段22に出力し、フリッカ補償手段22による補正ゲインの演算をリセットする。これにより、正規ゲインに基づき無効電力が出力されるようになり、単独運転が瞬時に検出できるようになる。
より詳細には、フリッカ補償手段22で演算した積分値(DI)をゼロにリセットするリセット信号を(DI=0)出力する。この場合、補正ゲインGCが正規ゲインG2と等しくなる(GC=G2)ので、図3(c)に示すように特性線L3の傾きが増加して特性線L2の傾きに戻るので、無効電力の注入量が増加して単独運転の検出感度が高くなることになる。
以下、分散型電源用変換器10の制御システムを、制御フローを説明しながら更に詳細に説明する。図4〜図6には、本実施形態の分散型電源用変換器の制御回路の各手段の制御フローの一例をそれぞれ示す。
分散型電源用変換器10では、系統側の周波数偏差Δf及び高調波電圧の変動値ΔVの監視を行い、単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターン(図3(a)参照)について、二段目の特性線L2の傾きを決定する係数(ゲイン)を減少させる操作を行う。
図4に示すように、分散型電源用変換器10の制御回路14では、正規ゲイン演算手段21において、系統側の周波数偏差Δfを取得し(ステップS11)、取得した周波数偏差Δfから、単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターン(図3(a)参照)に基づき、正規ゲインG1又はG2(通常は二段目の正規ゲインG2)を演算する(ステップS12)。次に演算した正規ゲインG1又はG2をフリッカ補償手段22へ出力し(ステップS13)、ステップS27へ移行する。
図5に示すように、分散型電源用変換器10の制御回路14では、フリッカ補償手段22において、系統側の周波数偏差Δfを取得する(ステップS21)。次に、取得した周波数偏差Δfが1段目の閾値Δf以下か否かを判断し(ステップS22)、1段目の閾値Δfを超える場合には(ステップS22;No)、フリッカ発生閾値Δf以下か否かを判断し(ステップS23)、フリッカ発生閾値Δfを超える場合には(ステップS23;No)、係数D(D=a(Δf−Δf))を演算し(ステップS24)、ステップS26へ移行する。一方、取得した周波数偏差Δfが1段目の閾値Δf以下の場合(ステップS22;Yes)、又はフリッカ発生閾値Δf以下の場合(ステップS23;Yes)には、共に係数Dをゼロ(D=0)に設定し(ステップS25)、ステップS26へ移行する。
ステップS26では、フリッカ補償手段22の積分器(不図示)において、下記式(1)に基づいて、係数Dから定数Kを減じてその値を積算した積分値DIを演算し、ステップS27へ移行する。ここで、定数Kは、繰り返し取得される正規ゲインG2復元用の定数である。また、積分値DIが負の値(DI<0)となった場合には、積分値DIをゼロ(DI=0)にリセットし、ステップS27へ移行する。
DI=Σ(D−K) ・・・(1)
(但し、DI≧0)
次に、ステップS27では、正規ゲイン演算手段21から正規ゲインG1又はG2を取得し、更に積分値DIがゼロ(DI=0)か否かを判断する。正規ゲインG2を取得した場合であって、積分値DIがゼロでない(DI≠0)、即ち積分値DIが正の値(DI>0)の場合(ステップS27;No)には、積分値DIと正規ゲインG2により、補正ゲインGC(GC=G2−DI)を演算する(ステップS28)。ステップS28で演算された補正ゲインGCは、上述した通り、注入無効電力−周波数偏差特性パターン(図3(a)参照)について、二段目の特性線L2の傾きを決定する係数(ゲイン)を減少させ、特性線L3の傾きを決定するものである(図3(b)参照)。正規ゲインG1又はこの補正ゲインGCから系統側に注入する無効電力の注入量を演算し(ステップS30)、この無効電力を系統側へ出力する(ステップS31)。その後、ステップS21へ移行する。
一方、正規ゲインG1又はG2を取得した場合であって、積分値DIがゼロの場合(ステップS27;Yes)には、正規ゲインG1又はG2に基づいて無効電力の注入量を演算する(ステップS29)。そして、演算された無効電力を系統側へ出力する(ステップS31)。その後、ステップS21へ移行する。
一方、図6に示すように、分散型電源用変換器10の制御回路14では、リセット手段25において、系統側の高調波電圧の変動値ΔVを取得し(ステップS41)、取得した高調波電圧の変動値ΔVが、単独運転が発生する所定変動範囲の下限値(200V低圧配電線における高調波電圧増分値で2V程度)を超えて変動しているか否か判断する(ステップS42)。ステップS42において、高調波電圧の変動値ΔVが、下限値(2V)を超えた場合には(ステップS42;Yes)、積分値DIをゼロ(DI=0)に設定するリセット信号がフリッカ補償手段22へ出力される。このとき、補正した無効電力が出力される場合であっても、積分値DIがゼロにリセットされるので(ステップS27;Yes)、正規ゲインG2に基づいて無効電力の注入量を演算し(ステップS29)、所定量の無効電力が系統側へ出力され(ステップS30)、単独運転の検出を確実に行えるようにする。
また、ステップS42において、高調波電圧の変動値ΔVが、下限値(2V)以下の場合には(ステップS42;No)、ステップS41へ移行する。つまり、リセット手段25において、高調波電圧の監視が継続される。
以上の通り、本実施形態によれば、注入無効電力−周波数偏差特性パターンに基づき算出された補正ゲインGCを用いて系統側に出力する無効電力の注入量を演算して出力することにより、分散型電源用変換器10の制御システムを適用した分散型電源システムにおいて、フリッカの発生を抑制することができる。
<シミュレーション・モデル>
図7は、以下の試験例1〜試験例3において、フリッカ及び単独運転の検出を行う太陽光発電システムのシミュレーション・モデルを示す図である。図示するように、当該モデルは、三相3線式(Δ結線)の配電線を用いており、RLC負荷201a,201b,201c及びPV(太陽光発電)202a,202b,202cを組み合わせた200V低圧回路200に、配電線インピーダンス203a,203b,203cが接続され、更に線路遮断器204a,204b,204cを介して系統電源205が接続されて構成されている。なお、当該モデルでは、PV(太陽光発電)202a,202b,202cは、それぞれ単相100kW出力のものが用いられ、配線電圧は6.6kVであった。
<試験例1>
試験例1では、上記シミュレーション・モデルに、従来例の分散型電源用変換器103(図1参照)を適用して電力の供給を4.0秒程度行った。図8は、その際の系統側の電圧変化を示したグラフである。図示するように、0.5秒程度で発生したフリッカは、電力の供給が停止されるまで継続していた。また、試験例1では、単独運転は0.082秒で検出された。
<試験例2>
試験例2では、上記シミュレーション・モデルに、リセット手段25を有していない実施形態1の分散型電源用変換器(図2参照)を適用したこと以外は試験例1と同様にして、電力の供給を行った。図9は、その際の系統側の電圧変化を示したグラフである。図示するように、0.5秒程度で発生したフリッカは減少していた。ところが、試験例2では、単独運転を検出することができなかった。
<試験例3>
試験例3では、上記シミュレーション・モデルに、実施形態1の分散型電源用変換器10(図2参照)を適用したこと以外は試験例1と同様にして、電力の供給を行った。図10は、その際の系統側の電圧変化を示したグラフである。図示するように、0.5秒程度で発生したフリッカは減少していた。また、試験例3では、単独運転は0.11秒で検出された。
以上の試験結果より、周波数偏差監視手段及びリセット手段を有した分散型電源用変換器を、太陽光発電システムに適用した場合には、フリッカの発生を抑制すると共に、単独運転を検出することが可能であることが確認できた。
<他の実施形態>
上記第1実施形態では、フリッカ補償手段で設定した無効電力の補正値を無効電力出力手段に出力し、無効電力出力手段で補正された無効電力を電力系統に出力する構成としたが、フリッカ補償手段において、無効電力の補正値を設定し、補正された無効電力を電力系統に出力する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では特に説明されていないが、リセット手段において取得した系統側の高調波電圧の変動値ΔVを単独運転検出装置に出力し、かかる装置により単独運転を検出するように構成してもよい。
本発明は、太陽電池を発電源とした太陽光発電システム以外にも、電力系統に連系された、エンジン発電機、タービン発電機、電力貯蔵装置、燃料電池等を発電源とした分散型電源発電システムにおける産業分野で有効に利用することができる。
10,103 分散型電源用変換器
11,102,109 逆流防止用ダイオード
12,110 変換回路
13,111 電磁接触器
14 制御回路
20 周波数偏差監視手段
21 正規ゲイン演算手段
22 フリッカ補償手段
23 無効電力出力手段
24 高調波電圧監視手段
25 リセット手段
26,28 入力線
27 系統ライン
100 太陽光発電システム
101 太陽電池
104,205 系統電源
105,106,107 ブレーカ
108 家庭内機器
112 系統保護回路
200 低圧回路
201a,201b,201c RLC負荷
202a,202b,202c PV(太陽光発電)
203a,203b,203c 配電線インピーダンス
204a,204b,204c 線路遮断器

Claims (1)

  1. 電力系統の周波数偏差を監視する周波数偏差監視手段と、
    予め設定した単独運転発生時における注入無効電力−周波数偏差特性パターンに基づき、前記周波数偏差監視手段により検出された周波数偏差から単独運転発生を検出可能とする正規ゲインを演算する正規ゲイン演算手段と、
    前記正規ゲイン演算手段が演算した正規ゲインを無効電力として出力する無効電力出力手段と
    を具備する分散型電源用変換器の制御システムにおいて、
    前記周波数偏差監視手段により検出された周波数偏差が、フリッカ発生閾値を越えて変動しているときに、前記正規ゲイン演算手段が演算した正規ゲインを取得して、前記正規ゲインを補正してフリッカ発生を抑制する補正ゲインを演算して前記正規ゲインの代わりに前記無効電力出力手段へ出力するフリッカ補償手段と、
    前記電力系統の高調波電圧を監視する高調波電圧監視手段と、
    前記高調波電圧監視手段により検出された高調波電圧が、単独運転が発生する所定変動範囲を超えて変動しているときに、前記フリッカ補償手段による補正ゲインの演算をリセットするリセット手段と
    を有することを特徴とする分散型電源用変換器の制御システム。
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