JP4775181B2 - 単独運転検出装置およびその単独運転検出方法、単独運転検出装置を内蔵したパワーコンディショナー - Google Patents

単独運転検出装置およびその単独運転検出方法、単独運転検出装置を内蔵したパワーコンディショナー Download PDF

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本発明は分散型電源が系統電源に連系して運転されている状態から、系統電源がダウンして分散型電源が単独で運転する単独運転を検出して防止する単独運転検出装置およびその単独運転検出方法に係り、特に単独運転時に急峻に変化する系統周波数に、指令値通りの無効電力を系統電源に注入し、単独運転を検出する単独運転検出装置およびその単独運転検出方法に関する。
近年、系統電源に複数の分散型電源が接続され、連系運転されており、系統電源に事故が発生したような場合、単一の分散型電源が連系されているケースと異なった現象が発生する。
また、単独運転時の周波数変化を検出し、その周波数変化に比例した無効電力を注入することにより、周波数変化を増幅させる(周波数が上昇する場合、進みの無効電力を注入、周波数が下がる場合には、遅れの無効電力を注入)。これにより、周波数変化を大きくして、周波数変化がある閾値を超えた場合、単独運転と判定する方式が採用されている。
なお、分散型電源とは、ガスタービン、ガスエンジン、太陽光、風力、小規模水力、マイクロガスタービンや燃料電池等を利用したパワーコンディショナーが一部実用化され、あるいは今後、実用化される傾向にある。
また、分散型電源の単独運転とは、連系運転されている系統電源に故障が発生し、分散型電源から負荷に電力を供給する状態であり、単独運転が継続すると、系統電源の保安に携わる人や設備に与える影響が大きくなる。
特に、分散型電源が多数連系運転されている場合、柱上変圧器単位を超えての単独運転が想定され、従来よりも高速に単独運転を検出する必要がある。
従来の分散型電源用の系統連系パワーコンディショナーは、系統電源の周期(周波数)との同期を取って、力率1の出力電流制御を実施しており、系統周期との同期手段としては、PLL(Phase Locked Loop)が用いられている。なお、PLLは、ハードウェアで実現する場合もあれば、ソフトウェアで実現する場合もある。
分散型電源の連系台数が少ない場合は、各家庭単位での単独運転の想定のみでよく、このため、単独運転(能動方式)の検出時間の規定は、0.5〜1.0秒と比較的遅い基準となっている。周波数変化を増幅させる無効電力の注入も緩やかに増加させるため、系統周波数は急変しない。このため、パワーコンディショナーのPLLループに早い応答性が求められることがなかった。しかし、近年の太陽光発電システムを始めとする分散型電源の普及に伴い、柱上変圧器単位を超えた単独運転が想定され、電力系統の高低混触事故を想定した単独運転検出の高速化が必要となっている。
図8に従来の単独運転検出装置が適用される分散型電源システムのブロック構成図を示す。図8において、分散型電源システム50aは、太陽電池などの分散型電源2と、分散型電源2をパワーラインPLを介して系統電源ACに接続し、系統電源ACに連系して運転するパワーコンディショナー3aと、パワーラインPLに接続され、系統電源ACの停止時に、分散型電源2の単独運転を検出して、連系リレーRL1を遮断し、分散型電源2の単独運転を停止する単独運転検出装置4cとから構成されている。
単独運転検出装置4cは、分散型電源2をパワーラインPLから遮断する連系リレーRL1、系統電圧VLの周波数を計測する周波数計測手段5、位相比較器6a、ループフィルタ6bおよび可変周波数発信器6cから構成し、周波数計測手段5が計測した周波数と同じ周波数に調節して出力するPLLブロック6、PLLブロック6から供給される周波数に基づいてSin波形を生成するSin波形生成手段7a、Cos波形を生成するCos波形生成手段7b、有効電流指令値(P1)10aならびに無効電流指令値(Q1)10bを記憶する電流指令値記憶手段、有効電流指令値(P1)10aおよびSin波形を乗算する乗算器12a、無効電流指令値(Q1)10bおよびCos波形を乗算する乗算器12b、乗算器12aと乗算器12bの乗算結果を加算する加算器13、加算器13からの出力に基づいてPI制御を実行するPI制御部14、PI制御した信号でPWMを実行し、PWMパターンを発生するPWMパターン発生器15、PWMパターン発生器15からのPWMパターン制御信号で無効電力を発生するインバータ16、インバータ16が発生した無効電力をパワーラインPLに注入または遮断する連系リレーRL2を備える。
分散型電源システム50aにおいて、系統電源ACが事故などによってダウンした場合、分散型電源2からパワーコンディショナー3aを介して供給される交流電力のパワーラインPL上における、系統電圧VLの周波数が変化(周波数の減少または増加)する。
単独運転検出装置4cは、系統電圧VLの周波数の変化を周波数計測手段5で検出し、PLLブロック6の応答性で決定される時間で、変化した周波数を検出し、Sin波形生成手段7aで検出した周波数のSin波形を発生し、Cos波形生成手段7bで検出した周波数のCos波形を発生する。
続いて、Sin波形と有効電流指令値P1を乗算し、Cos波形と無効電流指令値Q1を乗算して、乗算結果を加算し、加算した演算結果に基づいてPI(比例・積分)制御を実施した後、PI制御信号にPWM(パルス幅変調)制御を施し、PWMパターンを発生する。
このPWMパターン信号でインバータ16を駆動して、無効電力を発生し、パワーラインPLに無効電力を注入する。
通常は無効電力の注入は緩やかなため、無効電力注入に伴う周波数変化も緩やかであり、系統周波数とPLLが導出する周波数の位相差は小さく、ほぼ指令値通りの無効電力が注入される。この系統周波数変化がある閾値を超えた場合、単独運転と判断する。
図10は従来の単独運転検出装置が内蔵されたパワーコンディショナーが適用される分散型電源システムのブロック構成図を示す。図10において、分散型電源システム50bは、太陽電池などの分散型電源2と、分散型電源2をパワーラインPLを介して系統電源ACに接続し、系統電源ACに連系して運転する、単独運転検出機能を有するインバータ部4dを内蔵するパワーコンディショナー3cとから構成されている。
パワーコンディショナー3cは、分散型電源2から供給される直流電圧を昇圧する、昇圧回路1 7を備える。
パワーコンディショナー3cに内蔵された単独運転検出機能を有するインバータ部4dは、図8の単独運転検出装置4cと同様な構成を有する。なお、単独運転検出装置4dは、インバータ16とパワーラインPLがパワーラインPLに直列に接続される点が、単独運転検出装置4cと異なる以外、同じ構成となっている。
なお、単独運転検出機能を有するインバータ部4dの単独運転検出機能に関する部分は、図8に示す単独運転検出装置4Cと同じため説明を省略する。
また、周波数計測手段5、PLLブロック6、Sin波形生成手段7a、Cos波形生成手段7b、電流指令値記憶手段、乗算器12a、乗算器12b、加算器13、PI制御部14、PWMパターン発生器15は、マイクロプロセッサを基本にしてソフトウェアで構成、またはハードウェアで構成されている。
また、従来技術には、ゲート装置内に位相比較器と、ループフィルタと、電圧制御発信器と、計数器を備えたPLL回路を用いた系統連系用インバータのゲート制御装置において、負荷急変等の外乱に対してパルス欠損や不要パルスの発生を防止するものが「特許文献1」に開示されている。
これにより、負荷急変等の外乱が発生し、位相操作信号PH1が大きく変動しても、ループフィルタの応答に依存してゲート信号位相が滑らかに変化するため、系統連系用インバータを安定且つ高信頼の運転状態に維持することができるものである。
特開平6−78462号公報(目的、発明の効果および図3を参照)
従来の分散型電源システム50a、50bは、少量しか連系されていない場合は、前記の通り、単独運転検出に許容される時間は0.5−1.0秒と比較的長いため、 PLLブロック6の応答時間が問題となることはなかった。しかし、多数の分散型システムが連系される場合は、単独運転が発生してから、単独運転検出までに要する時間の大幅な短縮が要求さ
れる。
図9に従来の単独運転検出装置が注入する無効電力の一特性図を示す。図9において、単独運転発生後の周波数変化が緩やかな場合は、有効電力指令値(実軸P)と無効電力指令値(虚軸Q)での指令値通りの電力が系統に注入される。なお、本特性は、図8に示す分散型電源システム50aに対応するものである。
定常状態から単独運転が発生し、系統周波数の緩やかな変化を受けて、それを増幅させ急峻に周波数を変化させるために、急速に無効電力を注入する。これにより、系統周波数が急変し、PLLブロック6の応答性が急変した周波数に追従できなく、位相差θの位相ズレが発生し、進み無効電力が減少して、周波数の変化が緩慢になり、単独運転検出時間が伸びて単独運転検出時間が遅くなる課題がある。
また、また位相ズレがない場合は、機器の電力消費のため有効電力を吸込んでいたが、位相ズレの発生により、有効電力を吐き出すようになり、インバータ16の直流電圧(DDV)が低下して、電流制御ができなくなり、無効電力を注入できなくなる課題がある。
図1 1にパワーコンディショナーの場合の、注入する無効電力の-特性を示す。パ
ワーラインコンディショナーの場合は、分散型電源での直流電力を交流電力に変換する
ため、有効電力の吐き出しは大きくなる。図1 1において、単独運転発生後の周波数変
化が緩やかな場合は、有効電力指令値(実軸P)と無効電力指令値(虚軸Q)での指令値
通りの電力が系統に注入される。
定常状態から単独運転が発生して、系統周波数の緩やかな変化を受けて、それを増幅させ急峻に周波数を変化させるために、急速に無効電力を注入する。これにより、系統周波数が急変し、 PLLブロック6の応答性が急変した周波数に追従できなく、位相θの位相ズレが発生し、進み無効電力が減少し、周波数の変化が緩慢になり、単独運転の検出時間が遅くなる課題がある。
図9ならびに図11の特性では、PLLブロック6が位相ズレ(位相差θ)に直ちに追従できないため、単独運転検出時間を短縮できない根本的な課題がある。
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的はPLLブロックの周波数追従性が遅いままで、系統電圧とPLLブロックとの位相差を考慮した補正有効電流指令値および補正無効電流指令値から位相ズレがある場合でも、指令値通りの無効電力を注入して、系統周波数を急峻に変化させることにより、高速に単独運転を検出する単独運転検出装置および単独運転検出装置を内蔵したパワーコンディショナーを提供することにある。
前記課題を解決するためこの発明に係る単独運転検出装置は、 系統電源に分散型電源が連系して運転され、系統電源に無効電力を注入し、系統電源のダウンにより生じる分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置であって、単独運転の開始の際に、パワーラインの系統電圧の周波数が急変する時、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定し、PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形、COS波形を生成し、SIN波形と補正有効電流指令値(P2)を乗算し、COS波形と補正無効電流指令値(Q2)を乗算することにより、補正電流指令値を決定する補正電流指令値決定手段を備えたことを特徴とする。
この発明に係る単独運転検出装置は、単独運転時に、パワーラインの系統電圧の周波数が急変する時、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定する補正電流指令値決定手段を備えたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入した無効電力により急変した周波数を検出することができる。
また、この発明に係る補正電流指令値決定手段は、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段と、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)を設定して格納する電流指令値記憶手段と、位相差演算手段が算出した位相差θ、電流指令値記憶手段に格納された有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を演算する補正電流指令値演算手段と、PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形を生成するSIN波形生成手段と、PLLから供給される周波数に基づいてCOS波形を生成するCOS波形生成手段とSIN波形と前記補正有効電流指令値(P2)を乗算する第1の乗算手段と、COS波形と補正無効電流指令値(Q2)を乗算する第2の乗算手段と、を有するようにしてもよい。
この発明に係る補正電流指令値決定手段は、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段と、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)を設定して格納する電流指令値記憶手段と、位相差演算手段が算出した位相差θ、電流指令値記憶手段に格納された有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を演算する補正電流指令値演算手段とを有するようにしたので、PLL(Phase Locked Loop)の周波数追従性が遅くても、位相差(θ)、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入することができる。
さらに、この発明は、前記記載の単独運転検出装置を内蔵してパワーコンディショナーを構成するようにしてもよい。
この発明に係るパワーコンディショナーは、前記単独運転検出装置を内蔵することにより、単独運転検出装置とパワーコンディショナーを1つに集約することができる。
この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法は、系統電源に分散型電源が連系して運転され、前記系統電源に無効電力を注入し、前記系統電源のダウンにより生じる前記分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置の単独運転検出方法であって、系統電圧の周波数(f1)を計測するステップS1と、PLLが検出した周波数(f2)を出力するステップS2と、計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算するステップS3と、位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて
P2=P1×cosθ+Q1×sinθ
Q2=Q1×cosθ−P1×sinθ
により、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定するステップS4と、前記PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形、COS波形を生成するステップS5と、前記SIN波形と前記補正有効電流指令値(P2)を乗算し、前記COS波形と前記補正無効電流指令値(Q2)を乗算するステップS6と、ステップ6の乗算結果に基づいて、無効電力を注入するステップSと、周波数(f1)を検出して、単独運転を判定するステップSと、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法は、系統電源に分散型電源が連系して運転され、系統電源に無効電力を注入し、系統電源のダウンにより生じる分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置の単独運転検出方法であって、系統電圧の周波数(f1)を計測するステップS1と、PLLが検出した周波数(f2)を出力するステップS2と、計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算するステップS3と、位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定するステップS4と、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、無効電力を注入するステップS5と、周波数(f1)を検出して、単独運転を判定するステップS6とを備えるようにしたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入された無効電力によって急変した周波数を検出することができる。
この発明に係る単独運転検出装置は、単独運転時に、パワーラインの系統電圧の周波数が急変する時、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定する補正電流指令値決定手段を備えたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入した無効電力により急変した周波数を検出することができ、単独運転を迅速に安定して検出することができる。
また、この発明に係る補正電流指令値決定手段は、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段と、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)を設定して格納する電流指令値記憶手段と、位相差演算手段が算出した位相差θ、電流指令値記憶手段に格納された有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を演算する補正電流指令値演算手段とを有するようにしたので、PLL(Phase Locked Loop)の周波数追従性が遅くても、位相差(θ)、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数変化から決まる指令値通りの無効電力を注入することができ、単独運転を短時間に検出することができ、単独運転を短時間に検出することができる。
さらに、この発明に係るパワーコンディショナーは、前記記載の単独運転検出装置を内蔵することにより、単独運転検出装置とパワーコンディショナーを1つに集約することができ、コンパクトに構成することができる。
また、この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法は、系統電圧の周波数(f1)を計測するステップS1と、PLLが検出した周波数(f2)を出力するステップS2と、計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算するステップS3と、位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定するステップS4と、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、無効電力を注入するステップS5と、周波数(f1)を検出して、単独運転を判定するステップS6とを備えるようにしたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入された無効電力によって急変した周波数を検出することができ、単独運転を迅速に安定して検出することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本発明は、系統電源に連系して運転している分散型電源が、系統電源のダウン(故障)時に発生する単独運転を、注入された無効電力によって急変した周波数を迅速に、且つ確実に検出して単独運転を検出するものである。
図1はこの発明に係る分散型電源システムの一実施の形態全体構成図である。図1において、分散型電源システムは、系統電源ACと複数(k台)の分散型電源2が連系して運用されている。
1台(1軒)の分散型電源は、それぞれ分散型電源2、パワーコンディショナー3および単独運転検出装置4から構成されており、系統電源ACに連系運転する。なお、系統電源ACは、低圧系または高圧系でもよい。また、単独運転検出装置4は、パワーコンディショナー3に内蔵してもよい。
系統電源ACにk台の分散型電源2が連系して運転中に、系統電源ACがダウンした場合、k台の分散型電源2から系統側に電力を供給する、いわゆる単独運転が発生するが、単独運転発生の現象として、パワーコンディショナー3と系統側を接続するパワーライン上の系統電圧の周波数(例えば、50Hz)が変化(50Hzから増加または減少)することになる。
単独運転検出装置4は、パワーライン上の系統電圧の周波数(例えば、50Hz)の変化を検出して、単独運転を判定するが、単独運転時の系統電圧の周波数(例えば、50Hz)の変化だけでは、変化が緩やかで検出が難しいため、周波数変化を増幅する無効電力をパワーラインに注入し、無効電力の注入により急峻に変化した周波数を検出して、単独運転の有無を判定し、分散型電源2を系統側から遮断する。
そして、単独運転検出装置4は、単独運転時の系統周波数急変にともなう、位相ズレを補正することにより、周波数変化から決まる指令値通りの無効電力を注入することが、速やかに単独運転を検出するポイントになる。
図2はこの発明に係る単独運転検出装置が適用される分散型電源システムの一実施の形態ブロック構成図である。なお、図2において、図8に示す分散型電源システム50aと同じ部分は、同一符号で示す。分散型電源システム1aは、太陽電池などの分散型電源2と、分散型電源2をパワーラインPLを介して系統電源ACに接続し、系統電源ACに連系して運転するパワーコンディショナー3aと、パワーラインPLに接続され、系統電源ACの停止時に、分散型電源2の単独運転を検出して、連系リレーRL1を遮断し、分散型電源2の単独運転を停止する単独運転検出装置4aとから構成されている。
単独運転検出装置4aは、分散型電源2をパワーラインPLから遮断する連系リレーRL1、系統電圧VLの周波数を計測する周波数計測手段5、位相比較器6a、ループフィルタ6bおよび可変周波数発信器6cから構成し、周波数計測手段5が計測した周波数と同じ周波数に調節して出力するPLLブロック6、PLLブロック6から供給される周波数に基づいてSin波形を生成するSin波形生成手段7a、Cos波形を生成するCos波形生成手段7bを備える。
また、単独運転検出装置4aは、単独運転時に、パワーラインPLの系統電圧VLの周波数が急変する時、系統電圧VLの周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定する補正電流指令値決定手段8を備える。
補正電流指令値決定手段8は、系統電圧VLの周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段(位相差演算)9と、有効電流指令値(P1)10aおよび無効電流指令値(Q1)10bを設定して格納する電流指令値記憶手段10と、位相差演算手段9が算出した位相差θ、電流指令値記憶手段10に格納された有効電流指令値(P1)10aおよび無効電流指令値(Q1)10bに基づいて補正有効電流指令値(P2)11aおよび補正無効電流指令値(Q2)11bを演算する補正電流指令値演算手段11とを備える。
図3はこの発明に係る系統(電圧)周波数とPLL周波数の一実施の形態変化イメージ図である。図3において、系統電圧VLの周波数(実線表示)が急変した場合、 PLL周波数(破
線表示)は、 PLLの周波数追従性が遅いことから緩やかに変化する。
位相差演算手段9は、系統(電圧)周波数とPLL周波数の周波数差を位相差θに変換して出力するため、位相差θ(=0)になると、補正有効電流指令値(P2)11aおよび補正無効電流指令値(Q2)11bは、それぞれ有効電流指令値(P1)10aおよび無効電流指令値(Q1)10bに等しく(P2=P1、Q2=Q1)なる。
したがって、補正有効電流指令値(P2)11aおよび補正無効電流指令値(Q2)11bは、PLLの位相遅れ(ズレ)を、PLLの応答性に拘わりなく、等価的に位相差θ(=0)と同じ状態に、速やかに改善するものである。
さらに、単独運転検出装置4aは、補正有効電流指令値(P2)11aとSin波形を乗算する乗算器12a、補正無効電流指令値(Q2)11bとCos波形を乗算する乗算器12b、乗算器12aと乗算器12bのそれぞれの乗算結果を加算する加算器13、加算器13からの出力に基づいてPI制御を実行するPI制御部14、PI制御した信号でPWMを実行し、PWMパターンを発生するPWMパターン発生器15、PWMパターン発生器15からのPWMパターン制御信号で無効電力を発生するインバータ16、インバータ16が発生した無効電力PMをパワーラインPLに注入または遮断する連系リレーRL2を備える。
分散型電源システム1aにおいて、系統電源ACが事故などによってダウンした場合、分散型電源2からパワーコンディショナー3aを介して供給される交流電力のパワーラインPL上における、系統電圧VLの周波数が急変(周波数の減少または増加)する。
単独運転検出装置4aは、系統電圧VLの周波数の急変を周波数計測手段5で検出し、PLLブロック6が緩やかに変化する周波数(例えば、f2)を位相差演算手段9に供給するとともに、周波数計測手段5で検出した急変した周波数(例えば、周波数f1)を位相差演算手段9に供給する。
周波数計測手段5が検出した周波数(例えば、周波数f1)とPLLブロック6が検出した周波数(例えば、周波数f2)は、位相差演算手段9で周波数偏差(f1−f2)が演算され、位相差θに変換して出力される。
次に、有効電流指令値(P1)10a、無効電流指令値(Q1)10bおよび位相差θに基づいて補正有効電流指令値(P2)11a、補正無効電流指令値(Q2)11bが演算される。
続いて、Sin波形と補正有効電流指令値P2を乗算し、Cos波形と補正無効電流指令値Q2を乗算して、乗算結果を加算し、加算した演算結果に基づいてPI(比例・積分)制御を実施した後、PI制御信号にPWM(パルス幅変調)制御を施し、PWMパターンを発生する。
このPWMパターン信号でインバータ16を駆動して、無効電力PMを発生し、パワーラインPLに定常状態と同じ無効電力PM(急変した周波数)を注入する。
パワーラインP Lに注入された無効電力PMは、周波数の変化から決まる指令値と一致するため、周波数は急峻に変化し、分散型電源2の単独運転の高速検出が可能にな
る。
なお、単独運転検出装置4aを構成する周波数計測手段5、PLLブロック6、Sin波形生成手段7a、Cos波形生成手段7b、補正電流指令値決定手段8、乗算器12a、乗算器12b、加算器13、PI制御部14およびPWMパターン発生器15は、マイクロプロセッサを基本としたソフトウェアで構成してもよいし、ハードウェアで構成してもよい。
図4はこの発明に係る単独運転検出装置が注入する無効電力の一特性図を示す。図4において、単独運転が発生してパワーラインPL上の系統電圧VLの周波数が急変(周波数の増加または減少)すると、系統周波数とPLL周波数は位相ズレを発生する。なお、図4では、有効電力指令値P1、無効電力指令値Q1、有効電力指令値P2および無効電力指令値Q2の電力対応で表すが、図2に示す有効電流指令値P1、無効電流指令値Q1、補正有効電流指令値P2および補正無効電流指令値Q2に対応する。
図4の上図に示すように、有効電流指令値P1および無効電力指令値Q1による制御では、系統周波数とPLL周波数は位相ズレが発生しており、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入することができない。位相差θ、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2を用いて、無効電力の位相ズレを補正(ベクトル補正)し、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入できるようにする。
有効電力指令値P1および無効電力指令値Q1は、図4の下図から位相ズレの補正に要する補正有効電力指令値P2、補正無効電力指令値Q2および位相差θを用いて数式(1)および数式(2)で表される。
P1=P2cosθ−Q2sinθ……数式(1)
Q1=Q2cosθ+P2sinθ……数式(2)
数式(1)および数式(2)からP2およびQ2を演算すると、数式(3)および数式(4)で表される。
P2=P1cosθ+Q1sinθ……数式(3)
Q2=Q1cosθ−P1sinθ……数式(4)
図4から明らかなように、図4の上図の無効電力の位相ズレ(位相差θ)を数式(3)および数式(4)で表した補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2のベクトルの方向を上図と変更することなく、大きさだけを変更して、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2の合成ベクトルである出力電力を位相のズレを元に戻して、系統周波数とPLL周波数は位相ズレの影響を打ちすことができる。

また、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2の位相差θが零(0)のなると、図4の下図から、または数式(3)および数式(4)から、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2は、有効電力指令値P1および無効電力指令値Q1と
なることが明らかである。なお、本特性は、図2に示す分散型電源システム1aに対応するものである。
図5はこの発明に係る単独運転検出装置が内蔵されたパワーコンディショナーが適用される分散型電源システムのブロック構成図である。図5において、分散型電源システム1bは、太陽電池などの分散型電源2と、分散型電源2をパワーラインPLを介して系統電源ACに接続し、系統電源ACに連系して運転する、単独運転検出機能を有するインバータ部4dを内蔵するパワーコンディショナー3bとから構成されている。
パワーコンディショナー3bは、分散型電源2から供給される直流電圧を昇圧する、昇圧回路17を備える。
パワーコンディショナー3bに内蔵された単独運転検出機能を有するインバータ部4dは、図8の単独運転検出装置4cと同様な構成を有する。なお、単独運転検出装置4dは、インバータ16とパワーラインPLがパワーラインPLに直列に接続される点が、単独運転検出装置4aと異なる以外、同じ構成となっている。
なお、単独運転検出機能を有するインバータ部4dの単独運転検出機能に関する部分は、図2に示す単独運転検出装置4aと同じため説明を省略する。
パワーコンディショナー3bは、単独運転検出機能を有するインバータ部4dを内蔵することにより、単独運転検出装置とパワーコンディショナーを1つに集約することができる。
このように、この発明に係るパワーコンディショナー3bは、単独運転検出機能を有するインバータ部4dを内蔵することにより、単独運転検出装置とパワーコンディショナーを1つに集約することができ、コンパクトに構成することができる。
図6はこの発明に係るパワーコンディショナーが注入する無効電力の特性図である。図6において、単独運転が発生してパワーラインPL上の系統電圧VLの周波数が急変(周波数の増加または減少)すると、系統周波数とPLL周波数に位相ズレが発生し、これに起因して注入無効電力が、周波数の変化から決まる指令値よりも小さくなる。なお、図6では、有効電力指令値P1、無効電力指令値Q1、有効電力指令値P2および無効電力指令値Q2の電力対応で表すが、図2に示す有効電流指令値P1、無効電流指令値Q1、補正有効電流指令値P2および補正無効電流指令値Q2と同じである。
図6の上図に示すように、有効電流指令値P1および無効電力指令値Q1による制御では、系統周波数とPLL周波数に位相ズレが発生し、これに起因して注入無効電力が、周波数の変化から決まる指令値よりも小さくなる。下図に示す位相差θ、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2を用いて、位相ズレを補正して、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入する。
補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2は、有効電力指令値P1、無効電力指令値Q1および位相差θを用いて数式(3)および数式(4)で表される。
図6から明らかなように、図6の上図の位相ズレ(位相差θ)を数式(3)および数式(4)で表した補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2のベクトルの方向を上図と変更することなく、大きさだけを変更して、補正有効電力指令値P2および補正無効電力指令値Q2の合成ベクトルである出力電力を位相のズレを元に戻して、系統周波数とPLL周波数は位相ズレの影響を打ち消すことができる。なお、本特性は、図5に示す分散型電源システム1bに対応するものである。
このように、この発明に係る補正電流指令値決定手段8は、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段9と、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)を設定して格納する電流指令値記憶手段と、位相差演算手段9が算出した位相差θ、電流指令値記憶手段に格納された有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を演算する補正電流指令値演算手段とを有するようにしたので、PLL(Phase Locked Loop)の周波数追従性が遅くても、位相差(θ)、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入することができ、単独運転を短時間に検出することができる。
以上説明したように、この発明に係る単独運転検出装置4aは、単独運転時に、パワーラインの系統電圧の周波数が急変する時、系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定する補正電流指令値決定手段8を備えたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入した無効電力により急変した周波数を検出することができ、単独運転を迅速に安定して検出することができる。
次に、この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法について説明する。図7はこの発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法の一実施の形態要部動作フロー図である。なお、動作フローは、図2を参照に説明する。
この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法は、系統電源に分散型電源が連系して運転され、系統電源に無効電力を注入し、系統電源のダウンにより生じる分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置の単独運転検出方法であって、ステップS1では、系統電圧の周波数(f1)を計測する。なお、ステップS1の動作は周波数計測手段5が実行する。
ステップS2では、PLLが検出した周波数(f2)を出力する。なお、ステップS2の動作は、PLLブロック6が実行する。
ステップS3では、計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算する。なお、ステップS3の動作は、位相差演算手段9が実行する。
ステップS4では、位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定する。なお、ステップS4の動作は、補正電流指令値決定手段8が実行する。
ステップS5では、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入する。なお、ステップS5の動作は、インバータ16が実行する。
ステップS6では、注入された無効電力によって急変した周波数(f1)を検出して、単独運転を判定する。なお、ステップS6の動作は、周波数計測手段5および図示しない制御手段が実行する。
このように、この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法は、系統電圧の周波数(f1)を計測するステップS1と、PLLが検出した周波数(f2)を出力するステップS2と、計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算するステップS3と、位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定するステップS4と、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数変化から決まる指令値通りの無効電力を注入するステップS5と、注入された無効電力によって急変した周波数(f1)を検出して、単独運転を判定するステップS6とを備えるようにしたので、補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)に基づいて、周波数変化から決まる指令値通りの無効電力を迅速に注入し、注入した無効電力によって急変した周波数を検出することができ、単独運転を迅速に安定して検出することができる。
本発明に係る単独運転検出装置は、PLLブロックの周波数追従性が遅いままで、系統電圧とPLLブロックとの位相差を考慮した補正有効電流指令値および補正無効電流指令値から周波数の変化から決まる指令値通りの無効電力を注入して、注入された無効電力によって急変した周波数を検出して直ちに単独運転を検出するもので、単独運転検出を急変する周波数から実行するあらゆる単独運転検出装置に適用することができる。
この発明に係る分散型電源システムの一実施の形態全体構成図 この発明に係る単独運転検出装置が適用される分散型電源システムの一実施の形態ブロック構成図 この発明に係る系統(電圧)周波数とPLL周波数の一実施の形態変化イメージ図 この発明に係る単独運転検出装置が注入する無効電力の一特性図 この発明に係る単独運転検出装置が内蔵されたパワーコンディショナーが適用される分散型電源システムのブロック構成図 この発明に係るパワーコンディショナーが注入する無効電力の特性図 この発明に係る単独運転検出装置の単独運転検出方法の一実施の形態要部動作フロー図 従来の単独運転検出装置が適用される分散型電源システムのブロック構成図 従来の単独運転検出装置が注入する無効電力の一特性図 従来の単独運転検出装置が内蔵されたパワーコンディショナーが適用される分散型電源システムのブロック構成図 従来の単独運転検出装置が注入する無効電力の別特性図
符号の説明
1a,1b 分散型電源システム
2 分散型電源
3,3a,3b パワーコンディショナー
4,4a,4b 単独運転検出装置
5 周波数計測手段
6 PLLブロック
6a 位相比較器
6b ループフィルタ
6c 可変周波数発信器
7a Sin波形生成手段
7b Cos波形生成手段
8 補正電流指令値決定手段
9 位相差演算手段
10 電流指令値記憶手段
10a 有効電流指令値(P1)
10b 無効電流指令値(Q1)
11 補正電流指令値演算手段
11a 補正有効電流指令値(P2)
11b 補正無効電流指令値(Q2)
12a,12b 乗算器
13 加算器
14 PI制御部
15 PWMパターン発生器
16 インバータ
17 昇圧回路
RL1,RL2,RL 連系リレー
PL パワーライン
AC 系統電源
VL 系統電圧
PM 無効電力

Claims (4)

  1. 系統電源に分散型電源が連系して運転され、前記系統電源に無効電力を注入し、前記系統電源のダウンにより生じる前記分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置であって、
    前記単独運転の開始の際に、前記パワーラインの系統電圧の周波数が急変する時、前記系統電圧の周波数(f1)とPLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)と、有効電流指令値(P1)ならびに無効電流指令値(Q1)と、に基づいて補正有効電流指令値(P2)ならびに補正無効電流指令値(Q2)を決定し、
    前記PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形、COS波形を生成し、
    前記SIN波形と前記補正有効電流指令値(P2)を乗算し、前記COS波形と前記補正無効電流指令値(Q2)を乗算することにより、補正電流指令値を決定する補正電流指令値決定手段を備えたことを特徴とする単独運転検出装置。
  2. 前記補正電流指令値決定手段は、前記系統電圧の周波数(f1)と前記PLL(Phase Locked Loop)が検出した周波数(f2)との位相差(θ)を演算する位相差演算手段と、前記有効電流指令値(P1)および前記無効電流指令値(Q1)を設定して格納する電流指令値記憶手段と、前記位相差演算手段が算出した位相差θ、前記電流指令値記憶手段に格納された前記有効電流指令値(P1)および前記無効電流指令値(Q1)に基づいて補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を演算する補正電流指令値演算手段と、
    前記PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形を生成するSIN波形生成手段と、
    前記PLLから供給される周波数に基づいてCOS波形を生成するCOS波形生成手段と
    前記SIN波形と前記補正有効電流指令値(P2)を乗算する第1の乗算手段と、
    前記COS波形と前記補正無効電流指令値(Q2)を乗算する第2の乗算手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の単独運転検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の単独運転検出装置を内蔵したことを特徴とするパワーコンディショナー。
  4. 系統電源に分散型電源が連系して運転され、前記系統電源に無効電力を注入し、前記系統電源のダウンにより生じる前記分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置の単独運転検出方法であって、
    系統電圧の周波数(f1)を計測するステップS1と、
    PLLが検出した周波数(f2)を出力するステップS2と、
    計測した系統電圧の周波数(f1)とPLLが検出した周波数(f2)に基づいて位相差(θ)を演算するステップS3と、
    位相差(θ)、有効電流指令値(P1)および無効電流指令値(Q1)に基づいて
    P2=P1×cosθ+Q1×sinθ
    Q2=Q1×cosθ−P1×sinθ
    により、補正有効電流指令値(P2)および補正無効電流指令値(Q2)を決定するステップS4と、
    前記PLLから供給される周波数に基づいてSIN波形、COS波形を生成するステップS5と、
    前記SIN波形と前記補正有効電流指令値(P2)を乗算し、前記COS波形と前記補正無効電流指令値(Q2)を乗算するステップS6と、
    ステップ6の乗算結果に基づいて、無効電力を注入するステップSと、
    周波数(f1)を検出して、単独運転を判定するステップSと、
    を備えたことを特徴とする単独運転検出装置の単独運転検出方法。
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