JP4945499B2 - 単相電圧型交直変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統の電源となる系統連系装置に適用可能な単相電圧型交直変換装置に関する。
現在の電力系統の主力電源である同期発電機では、個々の発電機に同期化力があるため、個々の出力偏差を自動補正することができる。このため、横流抑制制御を行わなくても自律的に運転することができる。また、半導体により電力変換を行うインバータ(交直変換装置)では、三相機について自律並行運転(Autonomous Parallel Running:APRun)の技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1の三相電圧型交直変換装置は、三相出力電圧をdq回転座標上にUM変換し、電力系統の振幅及び周波数が上位指令ベクトルによる指令値に近づくように各軸成分をそれぞれ独立に制御するようにしている。また、UM変換回路での変換行列の回転角度に三相出力電圧の周波数差に関わる成分から生成した生成値を同期させることで、三相出力電圧の回転角度を電力系統の周波数に追従させることができる。また、交流電力系統が停電した場合に単独運転となったことを確実に検出できる三相電圧型交直変換装置が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。特許文献3の三相電圧型交直変換装置は、三相電圧型交直変換装置の交流電圧を正帰還する制御を付加して系統連系運転を行い、交流電力系統が遮断され単独運転になった場合に、出力電圧の周波数又は/及び振幅を変化させ、その変化を検出して単独運転となったことを、判断している。
一方、単相電圧型交直変換装置において、単独運転及び電力系統への逆充電を防ぐことができる系統連系インバータの保護方法が知られている(例えば、特許文献4を参照。)。特許文献4には「周波数シフト方式」、「バンドパスフィルタ方式」、「電力変動方式」及び「高調波電圧監視方式」が記載されている。ここで、図13に従来の単相電圧型交直変換装置10の構成を示した概略図を示す。電力系統が遮断されたとき、電圧検出器450、周波数検出器416、電圧実効値検出器417、ゼロクロス歪検出器418、周波数演算器413、電圧演算器414、歪変化演算器415がインバータブリッジ401の出力電圧の周波数、周波数変化率及びゼロクロス付近の歪電圧を検出及び演算する。この演算結果に基づいて係数設定回路412及びゲイン位相調整器411が電流位相を変化させることでインバータブリッジ401の出力電圧の周波数が所定値に変化する。電圧リレー451、周波数リレー452、歪リレー453及び異常検出器454は、これを検出してインバータブリッジ401を停止させている。
なお、本明細書において、「出力電圧」「位相差電圧」「内部起電圧」等の交流に用いられる電圧とは時間を変数とする関数を意味する。
特開2007−236083号公報 特願2008−039132号 特願2007−005918号 特開平06−311653号公報
しかし、単相交流では特許文献1に記載されるようなUM変換ができず、単相インバータについて自律並行運転が困難であった。また、特許文献2に記載される単相電圧型交直変換装置には、特許文献4に記載されるような系統連系インバータの保護方法が適用することができない。そこで、本発明では、単相交流で複数台を並列に接続して並行運転する場合においても、個々の装置が自律して出力偏差を制御する自律並行運転が可能であり、電力系統が停電した場合に単独運転となったことを確実に検出できる単相電圧型交直変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、交流端子の単相交流出力電圧の位相と所定の位相差をもつ単相交流を発生させ、発生させた単相交流と交流端子の単相交流出力電圧とを利用してインバータをPWM制御することとした。すなわち、交流端子の単相交流出力電圧を、三相交流をM変換したときのα軸成分に相当する第一軸としている。所定の位相差をもつ単相交流を、三相交流をM変換したときのβ軸成分に相当する第二軸としている。本発明の単相電圧型交直変換装置は、第一軸と第二軸とを独立に制御し、周波数制御回路で生成した固有電気角を利用して単相交流出力電圧を電力系統の周波数に追従させるようにした。
また、本発明は、交流端子の単相交流出力電圧の位相と所定の位相差をもつ単相交流を正帰還させており、単独運転となった場合に、出力周波数が自動的に変動することを利用して単独運転を検出し、防止することとした。
具体的には、本発明に係る単相電圧型交直変換装置は、交流端子から見て内部等価インピーダンスを持ち、PWM指令に基づいて発生させたゲート信号のパルス幅に応じて直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して前記交流端子から出力する単相電圧型交直変換回路と、前記交流端子の単相交流出力電圧から位相を遅延させた遅延単相交流を発生させる位相遅れ単相交流生成器を有し、前記遅延単相交流に基づいて前記交流端子の単相交流出力電圧と前記単相電圧型交直変換回路の内部起電圧との位相差に相応する位相差電圧を生成する位相差生成回路と、前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅に対する電圧振幅指令値及び周波数に対する周波数指令値からなる上位指令ベクトルが入力され、入力された前記上位指令ベクトル、前記位相差生成回路からの位相差電圧並びに前記交流端子の単相交流出力電圧に基づいて、前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅及び周波数が前記上位指令ベクトルによる指令値に近づくように生成した電圧指令信号及び周波数指令信号を出力する上位電圧制御回路と、前記交流端子の単相交流出力電圧の周波数を規定する規準周波数、前記上位電圧制御回路からの周波数指令信号及び前記位相差生成回路からの出力信号に基づいて前記単相電圧型交直変換回路の前記内部起電圧の電気角を決定し、生成電気角を生成する周波数制御回路と、前記交流端子の単相交流出力電圧、前記周波数制御回路の生成電気角並びに前記上位電圧制御回路からの電圧指令信号に基づいて、前記単相交流出力電圧の振幅、周波数及び位相が前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅を規定する規準電圧、前記電圧指令信号及び前記生成電気角の合成値に近づくように生成した信号を前記PWM指令として出力する下位電圧制御回路と、前記上位電圧制御回路に入力される前記上位指令ベクトルの周波数指令値に、前記位相差生成回路が出力する位相差電圧を正帰還させる正帰還回路と、前記単相電圧型交直変換回路が出力する単相交流の周波数を監視し、監視する周波数が予め設定された範囲を逸脱したことを周波数変動として検出する周波数変動検出器と、前記単相電圧型交直変換回路内において前記ゲート信号を停止させるゲート信号停止機能又は/及び前記単相電圧型交直変換回路と前記交流端子との間にある開閉器で前記単相電圧型交直変換回路からの単相交流電力を遮断する遮断機能を有し、前記周波数変動検出器が周波数変動を検出した場合に前記交流端子からの単相交流電力の出力を停止させるインバータ出力停止手段と、を備える。
本発明では、電圧源として動作しても電力系統に接続して運転可能なように内部等価インピーダンスを持つ単相電圧型交直変換回路を用いる。また、位相差生成回路で内部等価インピーダンス両端の電圧位相差に相応する位相差電圧を生成し、周波数制御回路で規準周波数、上位電圧制御回路からの周波数指令信号及び位相差電圧から生成した生成電気角に内部起電圧を同期させる。これにより、単相交流出力電圧を電力系統の周波数に追従させることができる。
また、上位電圧制御回路において、単相出力電圧の振幅及び周波数が上位指令ベクトルによる指令値に近づくように電圧指令信号を生成する。これにより、電力系統の振幅及び周波数が変化しても、当該振幅及び周波数に対する単相電圧型交直変換装置の単相出力電圧の振幅及び周波数のそれぞれの偏差分を検出できる。よって、下位電圧制御回路において電力系統の振幅及び位相に一致させるように単相電圧型交直変換装置の振幅及び位相を制御して当該偏差分を補償することができる。
以上のように、本発明に係る単相電圧型交直変換装置は、電圧源として電力系統に接続して運転することができると共に、電力系統に対する電力偏差を自律して補償する自律並行運転が可能である。そのため、装置の信頼性が高まると共に分散配置が可能となる。さらに、複数台並列運転させる場合には、台数制限がなく運転させることができる。
また、正帰還回路により上位電圧制御回路に入力される上位指令ベクトルの周波数指令値に、位相差生成回路が出力する位相差電圧を正帰還している。これにより、電力系統から遮断されて単独運転となった場合に単相電圧型交直変換回路から出力される単相交流の周波数が変動する。周波数変動検出器がこの周波数の変動を検出して交流端子からの単相交流電力の出力を停止させる。なお、「単相交流の周波数の変動」には単相交流の波形が変動することも含まれる。
従って、本発明は、単相交流で複数台を並列に接続して並行運転する場合においても、個々の装置が自律して出力偏差を制御する自律並行運転が可能であり、電力系統が停電した場合に単独運転となったことを確実に検出できる単相電圧型交直変換装置を提供することができる。
本発明に係る単相電圧型交直変換装置は、前記正帰還回路を遮断するスイッチ又は/及び前記正帰還回路のゲインを0とするゲイン調整器で前記正帰還回路が行う正帰還を停止させる正帰還回路停止手段をさらに備える。正帰還回路停止手段により、位相差電圧を上位指令ベクトルの周波数指令値に正帰還させるか否かを切り替え可能となる。
本発明に係る単相電圧型交直変換装置の前記正帰還回路停止手段は、前記インバータ出力停止手段が前記交流端子からの単相交流電力の出力を停止させた後に前記正帰還回路が行う正帰還を停止させることが好ましい。単独運転を検出し、交流端子からの単相交流電力を遮断した後、自動的に正帰還回路を停止することができる。単相電圧型交直変換装置を再起動するときの周波数が不安定になることを防止することができる。
本発明に係る単相電圧型交直変換装置の各構成をより具体的に説明する。上記単相電圧型交直変換装置において、前記上位電圧制御回路は、前記周波数制御回路の生成電気角に基づく信号と前記上位指令ベクトルとを乗算する第一乗算器と、前記第一乗算器が出力する信号から前記交流端子の交流出力電圧を減算する第一減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記上位指令ベクトルによる前記指令値に近づくように前記第一減算器からの信号を増幅して前記電圧指令信号として出力する第一上位制御増幅器と、前記上位指令ベクトルから前記位相差生成回路からの位相差電圧を減算する第二減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記上位指令ベクトルによる前記指令値に近づくように前記第二減算器からの信号を増幅して前記周波数指令信号として出力する第二上位制御増幅器と、を有し、前記下位電圧制御回路は、前記規準電圧を設定して出力する規準電圧設定器と、前記周波数制御回路の生成電気角に基づく信号と前記規準電圧設定器からの規準電圧とを乗算する第二乗算器と、前記上位電圧制御回路からの電圧指令信号と前記第二乗算器が出力する信号とを加算して出力する第一加算器と、前記第一加算器が出力する信号から前記交流端子の単相交流出力電圧を減算する第三減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記規準電圧、前記電圧指令信号及び前記生成電気角の前記合成値に近づくように前記第三減算器が出力する信号を制御し、PWM指令として出力する電圧制御器と、を有し、前記周波数制御回路は、前記上位電圧制御回路からの周波数指令信号と前記位相差生成回路からの位相差電圧とを加算する第二加算器と、前記第二加算器が出力する信号の周波数成分に低域濾過要素を付加して出力するループフィルタと、前記規準周波数を設定する規準周波数設定器と、前記ループフィルタの出力値に前記規準周波数設定器の出力値を加算する第三加算器と、前記第三加算器が出力する信号を時間積分して前記生成電気角として出力する時間積分器と、を有することが望ましい。
本発明では、上位電圧制御回路の減算器において位相差生成回路からの位相差電圧と上位指令ベクトルとを減算して周波数指令信号を出力する。周波数制御回路で周波数指令信号と位相差生成回路からの位相差電圧とを加算し、周波数制御回路のループフィルタにおいて低域濾過要素を付加して出力する。また、規準周波数設定器から出力される規準周波数にループフィルタからの信号を加算し、時間積分器で時間積分して生成電気角を生成し、単相電圧型交直変換回路の内部起電圧の電気角を同期させる。これにより、単相交流出力電圧の回転角度を電力系統の周波数に追従させることができる。
一方、上位電圧制御回路の減算器において単相交流出力電圧と上位指令ベクトルとを減算して電圧指令信号を出力する。これにより、電力系統の振幅及び周波数が変化しても、当該振幅及び周波数に対する単相電圧型交直変換装置の単相出力電力の振幅及び周波数のそれぞれの誤差分を検出し、下位電圧制御回路において当該誤差分を補償することができる。
具体的には、下位電圧制御回路において規準電圧設定器からの規準電圧に上位電圧制御回路からの電圧指令信号を加算する。さらに、規準電圧と電圧指令信号とを加算した信号から交流端子の単相交流電圧を減算し、電力系統の振幅及び位相との差分を電圧制御器で規準電圧と電圧指令ベクトルとの合成値に近づくように変換してPWM指令として出力する。PWM指令に後述の補助信号を加算してもよい。これにより、単相電圧型交直変換装置の単相交流出力電圧の振幅及び位相を電力系統の振幅及び位相に一致させるように制御することができる。
以上のように、本発明に係る単相電圧型交直変換装置は、電圧源として電力系統に接続して運転することができると共に、電力系統や他の交流電源との自律並行運転が可能である。そのため、装置の信頼性が高まると共に分散配置が可能となる。さらに、複数台並列運転させる場合には、台数制限がなく運転させることができる。従って、本発明は、単相交流で複数台を並列に接続して並行運転する場合においても、個々の装置が自律して出力偏差を制御する自律並行運転が可能な単相電圧型交直変換装置を提供することができる。
本発明に係る単相電圧型交直変換装置において、前記単相電圧型交直変換回路は、前記交流端子から見て前記内部等価インピーダンスを持ち前記ゲート信号のパルス幅に応じて前記直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して出力する単相電圧型交直変換部と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電流を検出し前記単相交流出力電流の大きさに応じて生成した信号を出力する電流検出回路と、前記PWM指令と前記電流検出回路からの出力との差分がゼロに近づくように前記ゲート信号を発生させて出力するゲート信号発生器と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧から前記単相電圧型交直変換部での前記ゲート信号に起因する高周波成分を除去して出力する単相交流フィルタ回路と、を有することが望ましい。
本発明では、単相交流フィルタ回路を備えることから、単相電圧型交直変換部からの出力から単相電圧型交直変換部でのゲート信号に起因する高周波成分を除去することができる。また、電流検出回路において単相電圧型交直変換部からの電流を検出し、ゲート信号発生器においてPWM指令と電流検出回路からの出力との差分がゼロに近づくようにゲート信号を発生させることで電流誤差が許容範囲内に収まるように制御することができる。
また、本発明に係る単相電圧型交直変換装置において、前記単相電圧型交直変換回路は、前記交流端子から見て前記内部等価インピーダンスを持ち前記ゲート信号のパルス幅に応じて前記直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して出力する単相電圧型交直変換部と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧を検出し前記単相交流出力電圧の大きさに応じて生成した信号を出力する電圧検出回路と、前記PWM指令と前記電圧検出回路からの出力との差分がゼロに近づくように前記ゲート信号を発生させて出力するゲート信号発生器と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧から前記単相電圧型交直変換部での前記ゲート信号に起因する高周波成分を除去して出力する単相交流フィルタ回路と、を有することが望ましい。
本発明では、単相交流フィルタ回路を備えることから、単相電圧型交直変換部からの出力から単相電圧型交直変換部でのゲート信号に起因する高周波成分を除去することができる。また、電圧検出回路において単相電圧型交直変換部からの電圧を検出し、ゲート信号発生器においてPWM指令と電圧検出回路からの出力との差分がゼロに近づくようにゲート信号を発生させることで出力電圧をPWM指令に追従させることができる。
次に、PWM信号に補助信号を加算する単相電圧型交直変換装置について説明する。本発明に係る単相電圧型交直変換装置において、前記交流端子の単相交流出力電流を検出する出力電流検出回路をさらに備え、前記下位電圧制御回路は、前記単相電圧型交直変換回路が有する単相交流フィルタ回路における電流損失分を補償するように規定された電流補償値を出力するフィルタ電流補償器と、前記単相電圧型交直変換回路からの単相交流出力電流の電流偏差を補償するように規定された電流偏差補償値を出力するPWM電流偏差補償器と、前記出力電流検出回路が検出した単相交流出力電流の値が入力され、前記交流端子の負荷に対する電流を補償するように所定のフィードフォワードゲインで増幅して出力するフィードフォワード増幅器と、前記フィルタ電流補償器の電流補償値、前記PWM電流偏差補償器からの電流偏差補償値及び前記フィードフォワード増幅器からの出力値を前記電圧制御器からのPWM指令値に加算する第四加算器と、を有することが望ましい。
本発明では、PWM指令をゼロ指令としたときの単相電圧型交直変換回路における電流偏差分を予めPWM電流偏差補償器において設定し、電圧制御器からのPWM指令に加算することで当該電流偏差分を補償することができる。また、単相電圧型交直変換回路の単相交流フィルタ回路における電流損失分を予めフィルタ電流補償器において設定し、電圧制御器からのPWM指令に加算することで当該電流損失分を補償することができる。さらに、交流端子の単相交流出力電流の値をフィードフォワード増幅器で増幅し、電圧制御器からのPWM指令に加算することで、出力電流が変化しても安定した出力電圧を発生させることができる。すなわち、本発明では、PWM電流偏差補償器、フィルタ電流補償器及びフィードフォワード増幅器からの信号を補助信号として電圧制御器からのPWM指令に加算している。
また、本発明に係る単相電圧型交直変換装置において、前記上位指令ベクトルの上限と下限を定めるリミッタをさらに備え、上位指令ベクトルは前記リミッタを介して前記上位電圧制御回路に入力されることが望ましい。
過大な上位指令ベクトルが入力されることを防止し、異常な単相交流出力電流が電力系統に出力されることを防止できる。
本発明では、単相交流で複数台を並列に接続して並行運転する場合においても、個々の装置が自律して出力偏差を制御する自律並行運転が可能であり、電力系統が停電した場合に単独運転となったことを確実に検出できる単相電圧型交直変換装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図9は、単相電圧型交直変換装置における制御ブロックの接続関係を例示した図である。三相電圧型交直変換装置の場合と同様に、上位指令ベクトルB1、最上位制御ブロックB2、ac−AVRブロックB3、ETM−PWMブロックB4及び主スイッチB5が含まれる。ac−AVRブロックB3については、特許文献2に記載される内部等価インピーダンスをインダクタンス主体とする単相ac−AVRを適用することで、インバータの出力回路に接続される変圧器に偏磁の恐れがなくなる。さらに、内部等価インピーダンスを抵抗成分とインダクタンス成分の並列回路とできるために設計上の自由度が増加する。
図1から図3に、本実施形態に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図を示し、図9で示した各ブロックについてより詳細に説明する。
図1に示す単相電圧型交直変換装置11は、交流端子22から見て内部等価インピーダンスを持ち、PWM指令に基づいて発生させたゲート信号のパルス幅に応じて直流電圧源(不図示)からの電力を直流端子21で受けて単相交流電力に変換して交流端子22から出力する単相電圧型交直変換回路40と、交流端子22の単相交流出力電圧に対して位相を遅延させた遅延単相交流を発生させる位相遅れ単相交流生成器を有し、前記遅延単相交流に基づいて交流端子22の単相交流出力電圧と単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧との位相差に相応する位相差電圧を生成する位相差生成回路30と、交流端子22の単相交流出力電圧の振幅に対する電圧振幅指令値及び周波数に対する周波数指令値からなる上位指令ベクトル120が入力され、入力された上位指令ベクトル120、位相差生成回路30からの位相差電圧並びに交流端子22の単相交流出力電圧に基づいて、交流端子22の単相交流出力電圧の振幅及び周波数が上位指令ベクトル120による指令値に近づくように生成した電圧指令信号及び周波数指令信号を出力する上位電圧制御回路70と、交流端子22の単相交流出力電圧の周波数を規定する規準周波数、上位電圧制御回路70からの周波数指令信号及び位相差生成回路30からの位相差電圧に基づいて生成電気角を生成し、生成電気角に単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧の電気角を同期させる周波数制御回路50と、交流端子22の単相交流出力電圧、周波数制御回路50からの生成値並びに上位電圧制御回路70からの電圧指令信号に基づいて、単相出力電圧の振幅、周波数及び位相が交流端子22の単相交流出力電圧の振幅を規定する規準電圧、前記電圧指令信号及び前記生成値の合成値に近づくように生成した信号を前記PWM指令として出力する下位電圧制御回路60と、を備える。さらに、単相電圧型交直変換装置11は、上位電圧制御回路70に入力される上位指令ベクトル120の周波数指令値に、位相差生成回路30が出力する位相差電圧を正帰還させる正帰還回路200と、単相電圧型交直変換回路40が出力する単相交流の周波数を監視し、監視する周波数が予め設定された範囲を逸脱したことを周波数変動として検出する周波数変動検出器220と、インバータ出力停止手段として単相電圧型交直変換回路40と交流端子22との間で単相電圧型交直変換回路40からの単相交流電力を遮断する開閉器230と、を備える。また、インバータ出力停止手段として周波数変動検出器220とゲート信号発生器41とを接続してもよい。周波数変動検出器220が周波数変動を検出した場合に単相電圧型交直変換回路40内においてゲート信号を停止させ、交流端子22からの単相交流電力の出力を停止させることができる。
上位指令ベクトル120が図9の上位指令ベクトルB1に相当する。上位電圧制御回路70が図9の最上位制御ブロックB2に相当する。下位電圧制御回路60及び周波数制御回路50が図9のac−AVRブロックB3に相当する。ゲート信号発生器41が図9のETM−PWMブロックB4に相当する。単相電圧型交直変換回路40に含まれる単相電圧型交直変換部が図9の主スイッチB5に相当する。
単相電圧型交直変換回路40は、PWM指令に基づいてゲート信号発生器41により発生させたゲート信号のパルス幅に応じて不図示の直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換する。直流電圧源は、バッテリ等の単独で直流電圧を出力する電圧源、風力発電等の発電方法で発電し整流して直流電圧を出力する電圧源、又は直流コンデンサの電圧を制御して直流電圧を出力する電圧源を例示することができる。この場合、出力電圧検出回路31の接続点と交流端子22との間にさらにブロッキングインダクタを備え、単相交流出力電圧のそれぞれをブロッキングインダクタを介して交流端子22から出力することとしてもよい。単相電圧型交直変換回路40でのPWM成分の交流端子22への流出を防止することができる。
図5及び図6に単相電圧型交直変換回路の概略構成図を示す。
図5に示す単相電圧型交直変換回路40−1は、交流端子22から見て内部等価インピーダンスを持ちゲート信号のパルス幅に応じて直流電圧源からの電力を直流端子21で受けて単相交流電力に変換して出力する単相電圧型交直変換部42と、単相電圧型交直変換部42の単相交流出力電流を検出し単相交流出力電流の大きさに応じて生成した信号を出力する電流検出回路43と、PWM指令と電流検出回路43からの出力との差分がゼロに近づくようにゲート信号を発生させて出力するゲート信号発生器41と、単相電圧型交直変換部42の単相交流出力電圧から単相電圧型交直変換部42でのゲート信号に起因する高周波成分を除去して出力する単相交流フィルタ回路45と、を備える。
また、図6に示す単相電圧型交直変換回路40−2は、図5の電流検出回路43に代えて、単相電圧型交直変換部42の単相交流出力電圧を検出し単相交流出力電圧の大きさに応じて生成した信号を出力する電圧検出回路44を備える。この場合、ゲート信号発生器41は、PWM指令と電圧検出回路44からの出力との差分がゼロに近づくようにゲート信号を発生させて出力する。
図5及び図6に示す単相電圧型交直変換部42の持つ内部等価インピーダンスは、後述するように図1の単相電圧型交直変換装置11内の制御変数により持たせることもできるし、図5及び図6の単相電圧型交直変換回路40−1,40−2の出力に抵抗、リアクトル若しくは単相変圧器又はこれらの組み合わせを接続して持たせることもできる。例えば、単相電圧型交直変換回路40−1,40−2の単相出力にそれぞれ抵抗又はリアクトルを直列に接続してもよいし、さらに抵抗を接続した場合には抵抗の後段にリアクトルをそれぞれ直列に接続してもよい。また、単相電圧型交直変換回路40−1,40−2の単相出力に単相変圧器を接続してもよい。また、単相電圧型交直変換回路40−1,40−2の単相出力にそれぞれリアクトルを接続した場合には、リアクトルの後段に単相変圧器を接続してもよい。さらに、単相電圧型交直変換回路40−1,40−2の単相出力にそれぞれ抵抗を接続し、抵抗の後段にリアクトルをそれぞれ直列に接続した場合には、当該リアクトルの後段に単相変圧器を接続してもよい。このように、単相電圧型交直変換回路40が内部等価インピーダンスを持つことにより、図1の単相電圧型交直変換装置11は、電圧源として電力系統に接続して運転することが可能となる。
図1の単相電圧型交直変換回路40を図5又は図6に示す構成とすることにより、単相電圧型交直変換装置11は、単相交流フィルタ回路45(図5及び図6)を備えることから、単相電圧型交直変換部42からの出力から単相電圧型交直変換部42でのゲート信号に起因する高周波成分を除去することができる。また、電流検出回路43又は電圧検出回路44において単相電圧型交直変換部42からの電流又は電圧を検出し、ゲート信号発生器41においてPWM指令と電流検出回路43又は電圧検出回路44からの出力との差分がゼロに近づくようにゲート信号を発生させることで電流誤差が許容範囲内に収まるように制御すること、或いは出力電圧をPWM指令に追従させることができる。
ここで、図7に、図5及び図6における単相電圧型交直変換部の概略構成図を示す。また、図8に、図5及び図6における単相交流フィルタ回路の概略構成図を示す。
図7に示す単相電圧型交直変換部42は、4個の自己消弧型スイッチ46g、46h、46k、46lと、4個のダイオード46a、46b、46e、46fと、を備える。自己消弧型スイッチ46g、46h、46k、46lは、入力信号のオン/オフに応じてスイッチのオン/オフを切替える素子で、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を例示できる。単相電圧型交直変換部42は、入力信号として図5又は図6に示すゲート信号発生器41からゲート信号が入力される。単相電圧型交直変換部42は、ゲート信号に応じて4つのスイッチのオン/オフを4つの自己消弧型スイッチ46g、46h、46k、46lごとにパルス信号により切替えることで、直流電圧源23からの電力を単相交流電力に変換して交流端子24、26から出力することができる。出力電圧は、パルス信号のパルス幅を変えることで変化させることができる。なお、図7において直流端子21−1,21−2は、概略図である図1の直流端子21に対応する。
図8に示す単相交流フィルタ回路45は、図5又は図6の単相電圧型交直変換部42からの単相出力を入力側の交流端子24、26で受けて出力側の交流端子22−1、22−3から出力する間で、電流を制御するインダクタ47dと、交流端子22−1と交流端子22−3との間に接続された抵抗47aと、コンデンサ47gと、を有する。インダクタ47d、抵抗47a及びコンデンサ47gの各容量は、出力側の交流端子22−1,22−3からの出力信号の周波数特性に応じて適宜定めることができる。なお、抵抗47aを省き、コンデンサ47gを交流端子22−1と交流端子22−3との間に接続してもよい。図5及び図6の単相電圧型交直変換回路40−1,40−2では、単相交流フィルタ回路45として図8の単相交流フィルタ回路45を適用して単相電圧型交直変換部42でのゲート信号に起因する高周波成分を除去することができる。なお、図8において交流端子22−1、22−3は、概略図である図1の交流端子22に対応する。
図1の出力電圧検出回路31は、交流端子22の単相交流出力電圧を検出し、位相差生成回路30、下位電圧制御回路60及び上位電圧制御回路70にそれぞれ出力する。また、出力電圧検出回路31の前段にローパスフィルタを備え、出力電圧検出回路31への単相交流出力電圧をローパスフィルタを介して検出することとしてもよい。単相交流出力電圧からPWM成分を除去して単相電圧型交直変換装置11の制御を安定化させることができる。また、出力電圧検出回路31の後段にローパスフィルタを備え、出力電圧検出回路31からの出力電圧をローパスフィルタを介して出力することとしてもよい。出力電圧検出回路31からの出力電圧からPWM成分を除去して単相電圧型交直変換装置11の制御を安定化させることができる。
図1の位相差生成回路30は、交流端子22の単相交流出力電圧VFIL(t)と単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧との位相差に相応する位相差電圧を生成する。図10は、位相差生成回路30の概略構成図の一例である。位相差生成回路30は、端子33−1から入力される単相交流電圧から所定の位相を遅らせた遅延単相交流を生成する位相遅れ単相交流生成器35と、端子33−1から入力される単相交流電圧、位相遅れ単相交流生成器35からの遅延単相交流の電圧及び端子33−3から入力される値から位相差電圧を生成する位相差電圧生成器36と、位相差電圧を出力する端子33−2を有する。図10では、位相遅れ単相交流生成器35が遅延単相交流の位相をほぼ90°遅らせているが、遅らせる位相は0°及び180°でなければ、何れの角度でもかまわない。
端子33−1には出力電圧検出回路31が検出した単相交流出力電圧VFIL(t)が入力される。端子33−3には、後述する周波数制御回路50が生成する生成電気角57が入力される。交流端子22の単相交流出力電圧VFIL(t)は、数式1で表せる。
Figure 0004945499
ここで、ω:角周波数[rad/s]、θ:位相角[rad]、E:実効値[V]である。なお、位相角の基準を内部起電圧におく。
交流端子22の単相交流出力電圧の角周波数ωと単相電圧型交直変換回路40の規準角周波数ωcoとが等しい場合は、単相交流出力電圧VFIL(t)と位相遅れ単相交流電圧V”FIL(t)との位相差が90°となり、位相遅れ単相交流生成器35が生成する位相遅れ単相交流電圧V”FIL(t)は数式2で表せる。
Figure 0004945499
位相差電圧生成器36は、単相交流出力電圧VFIL(t)、位相遅れ単相交流電圧V”FIL(t)及び周波数制御回路50が生成する生成値から位相差電圧V(t)を出力する。位相差電圧V(t)は数式3で表される。
Figure 0004945499
θの角速度がωに等しくなれば、数式3は定数となる。θは内部等価インピーダンス両端電圧の位相差であるので一般的に小さい。そこで、V(t)は数式4のように近似できる。
Figure 0004945499
位相差生成回路30は、生成した位相差電圧を周波数制御回路50及び上位電圧制御回路70にそれぞれ出力する。なお、ここではωがωcoと等しい場合のみを示したが、等しくない場合にも同様の近似解を得ることができ、実用上の問題はない。
周波数制御回路50は、交流端子22の単相交流出力電圧の周波数を規定する規準周波数、上位電圧制御回路70からの周波数指令信号及び位相差生成回路30からの出力信号に基づいて単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧の電気角を決定する。具体的には、図3に示すように、第二加算器56が上位電圧制御回路70からの周波数指令信号と位相差生成回路30からの位相差電圧とを加算する。第二加算器56が出力する信号の周波数成分にループフィルタ53が単相交流出力電圧の周波数差に関わる成分である低域成分を濾過する。ループフィルタ53において付加する低域濾過要素は、例えば、一次遅れ要素等の遅れ要素である。これにより、フィードバックループを安定化させることができる。
また、第三加算器58は、規準周波数設定器51から出力される規準周波数とループフィルタ53の出力値とを加算する。時間積分器55は、第三加算器58からの出力を時間積分する。時間積分器55が第三加算器58からの出力を時間積分することで固有角度θとなる生成電気角57が得られる。
生成電気角57は、下位電圧制御回路60の第二乗算器65によって単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧の電気角になる。これにより、当該回転角度を電力系統の周波数に追従させることができる。
ここで、位相差生成回路30では、前述したように交流端子22の単相交流出力電圧と単相電圧型交直変換回路40の内部起電圧との位相差に相応する位相差電圧を出力する。そのため、位相差生成回路30での信号処理は、単相交流出力電圧と周波数制御回路50からの生成電気角57との位相を比較する位相比較処理に相当すると考えられる。また、規準周波数設定器51からの規準周波数とループフィルタ53からの出力値とを加算して積分する信号処理は、ループフィルタ53からの出力電圧に応じて生成電気角57の値を可変するVCO(Voltage Controlled Oscillator)の信号処理に相当すると考えられる。そのため、位相差生成回路30及び周波数制御回路50は、全体として、生成電気角57が交流端子22の単相交流出力電圧の周波数に同期するPLLとしての動作を行っていると考えられる。
図1の上位電圧制御回路70には、交流端子22の単相交流出力電圧の振幅に対する電圧振幅指令値及び周波数に対する周波数指令値からなる上位指令ベクトル120が入力され、周波数制御回路50からの生成電気角57、位相差生成回路30からの位相差電圧並びに交流端子22の単相交流出力電圧に基づいて、交流端子22の単相交流出力電圧の振幅及び周波数が上位指令ベクトル120による指令値に近づくように生成した電圧指令信号及び周波数指令信号を出力する。上位電圧制御回路70には、上位指令ベクトル120を直接入力するのではなく、上位指令ベクトル120の上限と下限を定めるリミッタ121を介して入力してもよい。具体的には、図3に示すように、第一乗算器73が周波数制御回路50からの生成電気角57の正弦値に√2を乗算した値と上位指令ベクトル120の電圧振幅指令値とを乗算する。第一減算器71aが第一乗算器73からの信号から交流端子22の交流出力電圧を減算する。第一上位制御増幅器72aが、交流端子22の単相交流出力電圧が上位指令ベクトル120による前記指令値に近づくように第一減算器71aからの信号を増幅して電圧指令信号として出力する。また、第二減算器71bが上位指令ベクトル120の周波数指令値に√2を乗算した値から位相差生成回路30からの位相差電圧を減算する。第二上位制御増幅器72bが、交流端子22の単相交流出力電圧の周波数が上位指令ベクトル120による前記指令値に近づくように第二減算器71bからの信号を増幅して周波数指令信号として出力する。
これにより、電力系統の振幅及び周波数が変化しても、当該振幅及び周波数に対する単相電圧型交直変換装置11の単相出力電力の振幅及び周波数のそれぞれの誤差分を検出できる。ここで、第一上位制御増幅器72a及び第二上位制御増幅器72bでは、第一減算器71a及び第二減算器71bからの出力に低域濾過要素を付加することとしてもよい。これにより、フィードバックループを安定化させることができる。また、第一上位制御増幅器72a及び第二上位制御増幅器72bの後段にさらにリミッタを備え、第一上位制御増幅器72a及び第二上位制御増幅器72bからの出力をリミッタを介して出力することとしてもよい。過出力を防止して制御を安定化させることができる。
図1の下位電圧制御回路60は、交流端子22の単相交流出力電圧、周波数制御回路50の生成電気角57を含む電気角指令信号並びに上位電圧制御回路70からの電圧指令信号に基づいて、前記単相交流出力電圧の振幅、周波数及び位相が交流端子22の単相交流出力電圧の振幅を規定する規準電圧、前記電圧指令信号及び前記電気角指令信号の合成値に近づくように生成した信号をPWM指令として出力する。また、規準電圧は、規準電圧設定器61により予め設定する。この規準電圧は交流端子22の単相交流出力電圧の振幅の規準となる。
具体的には、図3に示すように、規準電圧設定器61が規準電圧を設定して出力する。第二乗算器65が、周波数制御回路50からの生成電気角57の正弦値に√2を乗算した値と規準電圧設定器61からの規準電圧とを乗算する。第一加算器62が、上位電圧制御回路70からの電圧指令信号と第二乗算器65が出力する信号とを加算して出力する。第三減算器63が、第一加算器62が出力する信号から出力電圧検出回路31からの信号を減算する。電圧制御器64が、交流端子22の単相交流出力電圧が前記規準電圧、前記電圧指令信号及び前記電気角指令信号の前記合成値に近づくように第三減算器63が出力する信号を制御し、PWM指令として出力する。
これにより、上位電圧制御回路70で検出した偏差分を補償すると共に、単相電圧型交直変換装置11の単相交流出力電圧の振幅及び位相を電力系統の振幅及び位相に一致させるように単相電圧型交直変換装置11の振幅及び位相を制御することができる。電圧制御器64は、例えば増幅器を適用することができる。ここで、第三減算器63と電圧制御器64との間にさらにローパスフィルタを備え、第三減算器63からの出力をローパスフィルタを介して出力することとしてもよい。電圧制御器64での制御を安定化させることができる。また、第三減算器63と電圧制御器64との間(この位置にローパスフィルタを備えた場合は、ローパスフィルタと電圧制御器64との間)にさらに電圧リミッタを備え、第三減算器63からの出力を電圧リミッタを介して出力することとしてもよい。単相電圧型交直変換装置11の起動時の出力電圧の過渡変動を抑制することができる。
正帰還回路200は、上位電圧制御回路70に入力される上位指令ベクトル120の周波数指令値に、位相差生成回路30が出力する位相差電圧を正帰還させる。具体的には、正帰還回路200の出力は、第五加算器210で上位指令ベクトル120の周波数指令値に加算される。このため、上位電圧制御回路70は、電力系統が停電し、単独運転となった時に単相電圧型交直変換回路40から出力される単相交流の周波数が不安定となるように周波数指令信号を出力することになる。
周波数変動検出回路220は、単相電圧型交直変換回路40が出力する単相交流の周波数を監視し、監視する周波数が予め設定された範囲を逸脱したことを周波数変動として検出する。例えば、単相電圧型交直変換回路40からの単相交流の周波数が電力系統の周波数より±2.5Hz以上ずれたときに周波数変動と判断してもよい。また、単相電圧型交直変換回路40からの単相交流の波形が崩れて周波数を測定できなくなったことをもって周波数変動と判断してもよい。あるいは、予め特定の周波数値を設定しておき、単相電圧型交直変換回路40からの単相交流の周波数がその周波数値に達したときに周波数変動と判断してもよい。例えば、並列運転時の単相電圧型交直変換回路40から出力される単相交流の周波数の±2.5Hzを特定の周波数値として設定することができる。周波数変動検出回路220は、周波数変動を検出した場合、周波数変動発生信号を出力する。単相電圧型交直変換装置11は周波数変動検出回路220が周波数変動発生信号を出力することで単独運転になったことを判断することができる。
単相電圧型交直変換装置11はインバータ出力停止手段を備える。インバータ出力停止手段はゲート信号停止機能であり、周波数変動検出回路220からの周波数変動発生信号を受けて、単相電圧型交直変換回路40内においてゲート信号を停止させる。また、インバータ出力停止手段は単相電圧型交直変換回路40と交流端子22との間にある開閉器230であってもよい。ゲート信号停止機能又は/及び開閉器230により、単相電圧型交直変換装置11は、周波数変動検出器220が周波数変動を検出し、単独運転となったと判断した場合に交流端子22からの単相交流電力の出力を停止することができる。なお、図1で、開閉器230は、周波数変動検出器220の検出点Aと交流端子22との間に配置されているが、周波数変動検出器220の検出点Aと単相電圧型交直変換回路40との間に配置してもよい。
単相電圧型交直変換装置11は、正帰還回路200への信号を遮断するスイッチ240を備える。周波数変動検出器220が単相電圧型交直変換回路40からの単相交流の周波数変動を検出し、インバータ出力停止手段により交流端子22からの単相交流電力の出力を停止した後は、不安定な単相交流を単相電圧型交直変換回路40から出力させる必要がないため、スイッチ240により位相差生成回路30からの位相差電圧を遮断して正帰還を停止する。正帰還を停止することができればよいので、スイッチ240の代替として図示しないゲイン調整器で正帰還回路200のゲインを0としてもよい。また、スイッチ240を手動で切替えてもよい。
図2は、単相電圧型交直変換装置11の他の形態を示した図である。正帰還回路停止手段は、インバータ出力停止手段が交流端子22からの単相交流電力の出力を停止させた後に自動的に正帰還回路200に正帰還を停止させる。具体的には、スイッチ240は、周波数変動検出器220が出力する周波数変動発生信号を受信して、正帰還回路200への位相差電圧を遮断する。図2の単相電圧型交直変換装置11は単独運転となったことを判断して交流端子22から単相交流の出力を停止した場合に自動的に正帰還回路200が行う正帰還も停止することができる。
図11は、図1の単相電圧型交直変換装置11を電力系統から解列させた場合の単相電圧型交直変換回路40からの単相交流の波形についてシミュレーションした結果の図である。シミュレーション条件は次の通りである。単相電圧型交直変換装置11は100V、50Hz、1kVAである。単相電圧型交直変換装置11の交流端子22に1kWの抵抗負荷が接続されており、単相電圧型交直変換装置11は出力1kWで運転をしている。このため、電力系統と連携されているが系統電流は0となっている。解列前は電力系統の電源と並列運転しており、正帰還回路200が正帰還していても単相電圧型交直変換回路40が出力する単相交流の波形は強制的に電力系統の波形に一致し、周波数変動しない。電力系統と解列すると、数10m秒の間は大きな変化はないが、徐々に単相電圧型交直変換回路40の単相交流の電圧波形が電力系統の電圧波形から外れて周波数変動が大きくなっている。周波数変動検出器220がこの周波数変動を検出することで、単相電圧型交直変換装置11は単独運転になったことを判断することができる。このように、単相電圧型交直変換装置11は自律平行運転制御ができるとともに、従来技術では困難であった単相電圧型交直変換装置の出力と負荷の大きさとがバランスした状態でも、確実に単独運転を検出することができる。なお、正帰還回路200は、上位指令ベクトルの電圧振幅指令値には正帰還しないので、単相電圧型交直変換回路40の単相交流の電圧振幅はほぼ一定である。
図12は、図1の単相電圧型交直変換装置11の交流端子22における単相交流出力電圧、単相交流出力電流について解列前後を比較した実験結果を示す図である。実験条件は次の通りである。図1の単相電圧型交直変換装置11は200V、50Hz、1kVAである。下位電圧制御回路60には、特許文献2に記載される内部等価インピーダンスがインダクタンスとなるものを適用する。交流端子22にはトランスを接続して200V、50Hzの電力系統と並列する。図11の説明と同様に解列前は単相交流出力電圧の波形は電力系統の電圧波形と一致し、周波数は変動しなかった。解列後、図11の説明と同様に単相交流出力電圧の波形は徐々に電力系統の電圧波形から外れて周波数変動が大きくなった。さらに、周波数変動検出器220がこの周波数変動を検出し、インバータ停止手段が0.76秒後にゲート信号を停止させている。このため、解列後0.76秒以降の単相交流出力電圧の出力が停止する。
図4に、他の形態に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図を示す。
図4の単相電圧型交直変換装置11は、図3に示す単相電圧型交直変換装置11に交流端子22の単相交流出力電流を変流器38を介して検出する出力電流検出回路34をさらに備え、電圧制御器64からの出力にさらにフィルタ電流補償器66、PWM電流偏差補償器67及びフィードフォワード増幅器68からの出力を第四加算器69において加算した形態である。この場合、単相電圧型交直変換回路40は、図5又は図6で説明したいずれかの単相電圧型交直変換回路40−1,40−2を適用することができる。そのため、図4では、図5又は図6のいずれかの単相電圧型交直変換回路40−1,40−2が適用されているものとする。
フィルタ電流補償器66は、単相電圧型交直変換回路40内の単相交流フィルタ回路45(図5又は図6)における電流損失分を補償するように規定された電流補償値を出力する。これにより、単相電圧型交直変換装置11では、図5又は図6の単相交流フィルタ回路45における電流損失分を予めフィルタ電流補償器66において設定し、電圧制御器64からの出力ベクトルに加算することで当該電流損失分を補償することができる。また、PWM電流偏差補償器67は、単相電圧型交直変換回路40からの単相交流出力電流の電流偏差分を補償するように規定された電流偏差補償値を出力する。これにより、単相電圧型交直変換装置11では、PWM指令をゼロ指令としたときの単相電圧型交直変換回路40における電流偏差分を予めPWM電流偏差補償器67において設定し、電圧制御器64からの出力ベクトルに加算することで当該電流偏差分を補償することができる。また、フィードフォワード増幅器68は、出力電流検出回路34が検出した単相交流出力電流の値が入力され、交流端子22の負荷に対する電流を補償するように所定のフィードフォワードゲインで増幅して出力する。これにより、単相電圧型交直変換装置11では、出力電流検出回路34において交流端子22の単相交流出力電流を検出し、値をフィードフォワード増幅器68をとおして、電圧制御器64からの出力値に加算することで負荷電流が変化しても安定した出力電圧を発生することができる。
リミッタ121は、上位指令ベクトル120の上限と下限を定め、過大な上位指令ベクトル120が上位電圧制御回路70に入力されることを防止する。
以上説明したように、図1から図4の単相電圧型交直変換装置11は、内部等価インピーダンスを持つことから、電圧源として電力系統に接続して運転することができると共に、周波数制御回路50、上位電圧制御回路70及び下位電圧制御回路60を備えるため、電力系統に対する電力偏差を自律して補償する自律並行運転が可能である。そのため、装置の信頼性が高まると共に分散配置が可能となる。さらに、複数台並列運転させる場合には、台数制限がなく運転させることができる。
本発明の単相電圧型交直変換装置は、太陽光発電用インバータ、燃料電池用インバータ、蓄電システム用インバータ、DCリンク付風力発電用インバータ等の分散電源用インバータ、整流器、並びにSVC(無効電力補償装置)などに適用することができる。また、単相3線式のインバータに対しても適用することができる。
本発明に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置が備える単相電圧型交直変換回路の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置が備える単相電圧型交直変換回路の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置が備える単相電圧型交直変換部の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置が備える単相交流フィルタ回路の概略構成図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置における制御ブロックの接続関係を示した図である。 本発明に係る単相電圧型交直変換装置が備える位相差生成回路の概略構成図である。 図1の単相電圧型交直変換装置11(100V,50Hz、1kVA)を電力系統から解列させた場合の単相電圧型交直変換回路からの単相交流のシミュレーション波形を示した図である。 図1の単相電圧型交直変換装置11(200V,50Hz、1kVA)を電力系統から解列させた場合の交流端子における単相交流の実験波形を示した図である。 従来の三相電圧型交直変換装置の概略構成図である。
符号の説明
11:単相電圧型交直変換装置
21,21−1,21−2:直流端子
22,22−1,22−3:交流端子
23:直流電圧源
24,26:交流端子
30:位相差生成回路
31:出力電圧検出回路
33−1〜33−3:端子
34:出力電流検出回路
35:位相遅れ単相交流生成器
36:位相差電圧生成器
38:変流器
40:単相電圧型交直変換回路
40−1,40−2:単相電圧型交直変換回路
41:ゲート信号発生器
42:単相電圧型交直変換部
43:電流検出回路
44:電圧検出回路
45:単相交流フィルタ回路
46a、46b、46e、46f:ダイオード
46g、46h、46k、46l:自己消弧型スイッチ
47a:抵抗
47d:インダクタ
47g:コンデンサ
50:周波数制御回路
51:規準周波数設定器
52:回転座標変換行列
53:ループフィルタ
55:時間積分器
56:第二加算器
57:生成電気角
58:第三加算器
60:下位電圧制御回路
61:規準電圧設定器
62:第一加算器
63:第三減算器
64:電圧制御器
65:第二乗算器
66 :フィルタ電流補償器
67:PWM電流偏差補償器
68:フィードフォワード増幅器
69:第四加算器
70:上位電圧制御回路
71a:第一減算器
71b:第二減算器
72a:第一上位制御増幅器
72b:第二上位制御増幅器
73:第一乗算器
120:上位指令ベクトル
121:リミッタ
200:正帰還回路
210:第五加算器
220:周波数変動検出器
230:開閉器
240:スイッチ
401:インバータブリッジ
402:コイル
403:コンデンサ
404:抵抗器
406:電流指令
407:駆動部
408:ゲート信号発生器(PWM)
409:増幅器
410:電流基準
411:ゲイン又は/及び位相調整器
412:係数設定回路
413:周波数演算器
414:電圧演算器
415:歪変化演算器
416:周波数検出器
417:電圧実効検出器
418:ゼロクロス歪検出器
450:電圧検出器
451:電圧リレー
452:周波数リレー
453:歪リレー
454:異常検出器
B1:上位指令ベクトル
B2:最上位制御ブロック
B3:ac−AVRブロック
B4:ETM−PWMブロック
B5:主スイッチ

Claims (9)

  1. 交流端子から見て内部等価インピーダンスを持ち、PWM指令に基づいて発生させたゲート信号のパルス幅に応じて直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して前記交流端子から出力する単相電圧型交直変換回路と、
    前記交流端子の単相交流出力電圧から位相を遅延させた遅延単相交流を発生させる位相遅れ単相交流生成器を有し、前記遅延単相交流に基づいて前記交流端子の単相交流出力電圧と前記単相電圧型交直変換回路の内部起電圧との位相差に相応する位相差電圧を生成する位相差生成回路と、
    前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅に対する電圧振幅指令値及び周波数に対する周波数指令値からなる上位指令ベクトルが入力され、入力された前記上位指令ベクトル、前記位相差生成回路からの位相差電圧並びに前記交流端子の単相交流出力電圧に基づいて、前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅及び周波数が前記上位指令ベクトルによる指令値に近づくように生成した電圧指令信号及び周波数指令信号を出力する上位電圧制御回路と、
    前記交流端子の単相交流出力電圧の周波数を規定する規準周波数、前記上位電圧制御回路からの周波数指令信号及び前記位相差生成回路からの出力信号に基づいて前記単相電圧型交直変換回路の前記内部起電圧の電気角を決定し、生成電気角を生成する周波数制御回路と、
    前記交流端子の単相交流出力電圧、前記周波数制御回路の生成電気角並びに前記上位電圧制御回路からの電圧指令信号に基づいて、前記単相交流出力電圧の振幅、周波数及び位相が前記交流端子の単相交流出力電圧の振幅を規定する規準電圧、前記電圧指令信号及び前記生成電気角の合成値に近づくように生成した信号を前記PWM指令として出力する下位電圧制御回路と、
    前記上位電圧制御回路に入力される前記上位指令ベクトルの周波数指令値に、前記位相差生成回路が出力する位相差電圧を正帰還させる正帰還回路と、
    前記単相電圧型交直変換回路が出力する単相交流の周波数を監視し、監視する周波数が予め設定された範囲を逸脱したことを周波数変動として検出する周波数変動検出器と、
    前記単相電圧型交直変換回路内において前記ゲート信号を停止させるゲート信号停止機能又は/及び前記単相電圧型交直変換回路と前記交流端子との間にある開閉器で前記単相電圧型交直変換回路からの単相交流電力を遮断する遮断機能を有し、前記周波数変動検出器が周波数変動を検出した場合に前記交流端子からの単相交流電力の出力を停止させるインバータ出力停止手段と、
    を備える単相電圧型交直変換装置。
  2. 前記正帰還回路を遮断するスイッチ又は/及び前記正帰還回路のゲインを0とするゲイン調整器で前記正帰還回路が行う正帰還を停止させる正帰還回路停止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の単相電圧型交直変換装置。
  3. 前記正帰還回路停止手段は、前記インバータ出力停止手段が前記交流端子からの単相交流電力の出力を停止させた後に前記正帰還回路が行う正帰還を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の三相電圧型交直変換装置。
  4. 前記上位電圧制御回路は、前記周波数制御回路の生成電気角に基づく信号と前記上位指令ベクトルとを乗算する第一乗算器と、前記第一乗算器が出力する信号から前記交流端子の交流出力電圧を減算する第一減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記上位指令ベクトルによる前記指令値に近づくように前記第一減算器からの信号を増幅して前記電圧指令信号として出力する第一上位制御増幅器と、前記上位指令ベクトルから前記位相差生成回路からの位相差電圧を減算する第二減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記上位指令ベクトルによる前記指令値に近づくように前記第二減算器からの信号を増幅して前記周波数指令信号として出力する第二上位制御増幅器と、を有し、
    前記下位電圧制御回路は、前記規準電圧を設定して出力する規準電圧設定器と、前記周波数制御回路の生成電気角に基づく信号と前記規準電圧設定器からの規準電圧とを乗算する第二乗算器と、前記上位電圧制御回路からの電圧指令信号と前記第二乗算器が出力する信号とを加算して出力する第一加算器と、前記第一加算器が出力する信号から前記交流端子の単相交流出力電圧を減算する第三減算器と、前記交流端子の単相交流出力電圧が前記規準電圧、前記電圧指令信号及び前記生成電気角の前記合成値に近づくように前記第三減算器が出力する信号を制御し、PWM指令として出力する電圧制御器と、を有し、
    前記周波数制御回路は、前記上位電圧制御回路からの周波数指令信号と前記位相差生成回路からの位相差電圧とを加算する第二加算器と、前記第二加算器が出力する信号の周波数成分に低域濾過要素を付加して出力するループフィルタと、前記規準周波数を設定する規準周波数設定器と、前記ループフィルタの出力値に前記規準周波数設定器の出力値を加算する第三加算器と、前記第三加算器が出力する信号を時間積分して前記生成電気角として出力する時間積分器と、を有することを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの単相電圧型交直変換装置。
  5. 前記交流端子の単相交流出力電流を検出する出力電流検出回路をさらに備え、
    前記下位電圧制御回路は、前記単相電圧型交直変換回路が有する単相交流フィルタ回路における電流損失分を補償するように規定された電流補償値を出力するフィルタ電流補償器と、前記単相電圧型交直変換回路からの単相交流出力電流の電流偏差を補償するように規定された電流偏差補償値を出力するPWM電流偏差補償器と、前記出力電流検出回路が検出した単相交流出力電流の値が入力され、前記交流端子の負荷に対する電流を補償するように所定のフィードフォワードゲインで増幅して出力するフィードフォワード増幅器と、前記フィルタ電流補償器の電流補償値、前記PWM電流偏差補償器からの電流偏差補償値及び前記フィードフォワード増幅器からの出力値を前記電圧制御器からのPWM指令値に加算する第四加算器と、を有することを特徴とする請求項4に記載の単相電圧型交直変換装置。
  6. 前記単相電圧型交直変換回路は、前記交流端子から見て前記内部等価インピーダンスを持ち前記ゲート信号のパルス幅に応じて前記直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して出力する単相電圧型交直変換部と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電流を検出し前記単相交流出力電流の大きさに応じて生成した信号を出力する電流検出回路と、前記PWM指令と前記電流検出回路からの出力との差分がゼロに近づくように前記ゲート信号を発生させて出力するゲート信号発生器と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧から前記単相電圧型交直変換部での前記ゲート信号に起因する高周波成分を除去して出力する単相交流フィルタ回路と、を有することを特徴とする請求項1から5に記載のいずれかの単相電圧型交直変換装置。
  7. 前記単相電圧型交直変換回路は、前記交流端子から見て前記内部等価インピーダンスを持ち前記ゲート信号のパルス幅に応じて前記直流電圧源からの電力を単相交流電力に変換して出力する単相電圧型交直変換部と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧を検出し前記単相交流出力電圧の大きさに応じて生成した信号を出力する電圧検出回路と、前記PWM指令と前記電圧検出回路からの出力との差分がゼロに近づくように前記ゲート信号を発生させて出力するゲート信号発生器と、前記単相電圧型交直変換部の単相交流出力電圧から前記単相電圧型交直変換部での前記ゲート信号に起因する高周波成分を除去して出力する単相交流フィルタ回路と、を有することを特徴とする請求項1から5に記載のいずれかの単相電圧型交直変換装置。
  8. 前記位相差生成回路の位相遅れ単相交流発生器は、
    前記遅延単相交流の位相を前記交流端子の単相交流出力電圧から90°遅らせることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の単相電圧型交直変換装置。
  9. 前記上位指令ベクトルの上限と下限を定めるリミッタをさらに備え、上位指令ベクトルは前記リミッタを介して前記上位電圧制御回路に入力されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の単相電圧型交直変換装置。
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