JP5418079B2 - 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム - Google Patents

単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム Download PDF

Info

Publication number
JP5418079B2
JP5418079B2 JP2009204429A JP2009204429A JP5418079B2 JP 5418079 B2 JP5418079 B2 JP 5418079B2 JP 2009204429 A JP2009204429 A JP 2009204429A JP 2009204429 A JP2009204429 A JP 2009204429A JP 5418079 B2 JP5418079 B2 JP 5418079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactive power
power
injection
injected
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009204429A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011055678A (ja
Inventor
和由 今村
雅夫 馬渕
康弘 坪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to JP2009204429A priority Critical patent/JP5418079B2/ja
Publication of JP2011055678A publication Critical patent/JP2011055678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5418079B2 publication Critical patent/JP5418079B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

本発明は、分散型電源が電力系統から切り離され単独運転しているか否かを検出する単独運転検出方法、分散型電源の単独運転検出用の制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システムに関する。
単独運転は、事故発生やその他の事情で電力系統が停止しているときに、分散型電源が局所的な系統負荷に電力を供給している状態である。分散型電源は、需要地あるいはその近辺に電源を設置して発電することができる。分散型電源には、電力系統に連系された、エンジン発電機、タービン発電機、電力貯蔵装置、燃料電池等、の各種がある。また、このような分散電源を系統電力に連系させて使用するため、周波数や電圧を電力系統に適合させるパワーコンディショナが数多く提案されている。
以上説明した分散型電源と、その分散型電源の出力を交流に変換するパワーコンディショナとを備えた分散型電源設備を商用電力系統と連系して家電製品などの負荷に給電する分散型電源システムが実施されている。この分散型電源システムでは、商用電力系統の保全作業の安全を確保するため、商用電力系統の不測の停電時及び作業停電時において、直ちに分散型電源設備側のパワーコンディショナの動作を停止させるか、又は直ちに開閉器を作動させて連系を解除することにより、分散型電源を商用電力系統から解列させて、分散型電源の単独運転を防止する機能が不可欠である。
図14に、分散型電源の多数台連系のイメージ図を示す。パワーコンディショナの単独運転検出時間は、能動方式で0.5〜1.0秒要している。これは、(i)住宅単位での単独運転を想定した特性であり、分散型電源が少量普及の段階では問題にならなかった。しかし昨今、分散型電源が普及期にはいっており、図14で示すような多数台連系が実施されている。この場合、(ii)柱上変圧器単位、(iii)区分開閉器単位、(iv)遮断機単位での単独運転の可能性がある。これらの高圧系を含んだ場合、高低圧混触事故を想定して、単独運転の検出が必要となる。
このような単独運転を検出する方式の1つに、電力系統に無効電力を注入し単独運転発生時には上記注入した無効電力により電力変動を引き起し、この電力変動を検出して、分散型電源の単独運転を検出する電力変動方式が既に提案されている。しかしながら、電力系統に無効電力を注入する単独運転検出方法では、単独運転検出装置から無効電力を注入しているにもかかわらず、単独運転が継続していることがある。
本出願人は上記単独運転の継続の原因について鋭意研究した結果、注入している無効電力と負荷無効電力とがバランスしているために、単独運転になっても、注入している無効電力によって電力変動を引き起すことができなくなり、結果として単独運転検出されずに単独運転状態が継続されてしまうことを究明することができるに至った。
そこで、本出願人は、単独運転検出装置からの注入無効電力と負荷無効電力とがバランスして、単独運転発生時に単独運転検出のための無効電力の注入が不足する場合に、既に電力系統に注入している無効電力(既注入無効電力)に対してさらに無効電力(追加注入無効電力)の追加注入を可能としたことにより単独運転を検出することができる単独運転検出方法に関して研究を進めた。そして、本出願人は、上記既注入無効電力は、例えば、系統周波数偏差の符号に変化により、その位相が設定される追加注入無効電力に関する技術を含む出願を行った(例えば、特許文献1参照)。
図15は、上記特許文献1で提案している単独運転検出のために電力系統に注入する無効電力(上記既注入無効電力)を示す図であり、横軸は系統周波数偏差Δfを、縦軸は無効電力量Qを示している。
この図15に示すように、系統周波数偏差Δfに応じて無効電力を注入するものであって、系統周波数偏差Δfが正のときには、位相進みの無効電力を、系統周波数偏差Δfが負のときには、位相遅れの無効電力をそれぞれ注入するものである。
上記特許文献1では、図15の無効電力(既注入無効電力)と負荷無効電力とがバランスして、単独運転検出のための無効電力の注入が不足する場合に、さらに無効電力(追加注入無効電力)の追加注入を行うものである。その際に、既注入無効電力と追加注入無効電力とが相殺されないように、既注入無効電力の位相の進み遅れと、追加注入無効電力の位相の進み遅れとを一致させるようにしている。すなわち、追加注入無効電力は、図16に示すように、系統周波数偏差Δfが正のときには、位相進みの無効電力を、系統周波数偏差Δfが負のときには、位相遅れの無効電力をそれぞれ追加注入するようにしている。
特開2009−11037
上記特許文献1では、既注入無効電力の位相の進み遅れと、追加注入無効電力の位相の進み遅れとを一致させるので、1台の単独運転検出装置で無効電力が相殺されることはないけれども、複数台の単独運転検出装置、例えば、2台の単独運転検出装置では、系統周波数偏差が「0」の付近では、周波数計測にバラツキがあるために、図17(a)のP1に示すように、一方の単独運転検出装置は、位相進みの無効電力を追加注入し、他方の単独運転検出装置では、同図(b)のP2に示すように位相遅れの無効電力を追加注入し、追加注入した無効電力が相殺されて、電力変動を引き起すことができなくなり、結果として単独運転検出されずに単独運転状態が継続されてしまうことがある。
したがって、本発明により解決すべき課題は、電力系統に注入する無効電力が相殺されるのを防止し、無効電力と負荷無効電力とがバランスしてもそのバランス状態を崩して確実に単独運転を検出できるようにすることを目的とする。
(1)本発明による単独運転検出方法は、分散型電源が電力系統から切り離され単独運転しているか否かの検出のために、上記電力系統に無効電力を注入すると共にこの注入で電力系統に起きる電気的変動に基づいて単独運転を検出するようにした単独運転検出方法において、
上記電力系統に上記電気的変動に基づいて電力系統に無効電力(既注入無効電力)を注入すると共にこの既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたときに電力系統に、上記既注入無効電力の位相に関わらず遅れ位相の無効電力(追加注入無効電力)を、一定期間、追加注入する第1ステップと、
上記第1ステップでの追加無効電力注入後から上記一定期間よりも短い期間経過した後に、系統周波数偏差の符号を判定する第2ステップと、
上記判定時点での上記系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の上記遅れ位相の位相とは逆位相になっているという判定のときは、上記系統周波数偏差の符号に対応した進み位相の追加注入無効電力を、改めて上記一定期間、注入する第3ステップと、
上記判定時点での上記系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の上記遅れ位相の位相と同位相であるという判定のときは、上記第1ステップで追加注入無効電力注入後から一定期間経過するまでの残り期間、第1ステップで注入した追加注入無効電力と同位相で遅れ位相の追加注入無効電力の注入を継続する第4ステップと、
を含むことを特徴とするものである。
本発明によると、第1ステップで電力系統に電気的変動に基づいて電力系統に無効電力(既注入無効電力)を注入すると共にこの既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたときに電力系統に、既注入無効電力の位相に関わらず遅れ位相の無効電力(追加注入無効電力)を、一定期間、追加注入するので、複数台の単独運転検出装置が、いずれも遅れ位相の無効電力を追加注入することになり、複数台の単独運転検出装置間で、無効電力が相殺されることがない。
また、第2ステップでは、上記一定期間よりも短い期間経過した後に、系統周波数偏差の符号を判定し、第3ステップでは、上記判定の結果、判定時点での系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の遅れ位相の位相とは逆位相になっているという判定のときは、系統周波数偏差の符号に対応した進み位相の追加注入無効電力を、改めて上記一定期間、注入するので、追加注入無効電力が既注入無効電力で相殺されずに済み、追加注入無効電力で無効電力バランスを崩して単独運転検出することが可能となる。
また、第4ステップでは、上記判定時点での上記系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の遅れ位相の位相と同位相であるという判定のときは、上記第1ステップで追加注入無効電力注入後から一定期間経過するまでの残り期間、第1ステップで注入した追加注入無効電力と同位相で遅れ位相の追加注入無効電力の注入を継続するので、この場合は、上記無効電力バランスを追加注入無効電力で崩すことで単独運転検出することが可能となる。
本発明の好ましい態様は、上記電気的変動が、系統周波数変動、系統電圧変動、または高調波変動であることである。
本発明の更に好ましい態様は、上記一定期間が、系統周期の3倍の期間であり、上記一定期間よりも短い期間が、系統周期の2倍の期間である。
(2)本発明による制御装置は、分散型電源が電力系統から切り離されて単独運転しているか否かを検出する単独運転検出装置に対してその検出動作を制御する制御装置において、上記(1)の方法を実施することが可能になっている、ことを特徴とするものである。
(3)本発明による単独運転検出装置は、分散型電源が電力系統から切り離され単独運転しているか否かの検出のため無効電力を電力系統に注入する単独運転検出装置において、上記(2)に記載の制御装置を備えた、ことを特徴とするものである。
(4)本発明による分散型電源システムは、分散型電源と、この分散型電源が電力系統から切り離されて単独運転しているか否かを検出する単独運転検出装置とを備える分散型電源システムにおいて、この単独運転検出装置が上記(3)に記載の単独運転検出装置である、ことを特徴とするものである。
本発明での単独運転検出装置はその名称に限定されるものではなく、パワーコンディショナ、その他の名称で称する場合も含む。
本発明によれば、無効電力がバランスしているときでも、分散型電源の単独運転を確実に検出することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法が適用される分散型電源システムの構成を示す図である。 図2は、図1の制御装置の機能ブロック図である。 図3は周期偏差の演算の説明に供する図である。 図4は周期偏差対無効電力量との関係を示す図である。 図5は本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法が適用される他の分散型電源システムの構成を示す図である。 図6は各系統周期の系統電圧、高調波歪電圧と3周期分の系統電圧、高調波歪電圧の平均値との説明に用いる図である。 図7(a)は系統電圧、高調波歪電圧が上昇側に急変する場合に系統周波数変化が判定条件(a1)(a2)を充足するか否かの説明に用いる図、図7(b)は系統電圧、高調波歪電圧が下降側に急変する場合に系統周波数変化が判定条件(a1)(a2)を充足するか否かの説明に用いる図である。 図8(a)は系統電圧が上昇側に急変する場合の系統電圧変化が判定条件(b1)を充足するか否かの説明に用いる図、図8(b)は系統電圧が下降側に急変する場合の系統電圧変化が判定条件(b1)を充足するか否かの説明に用いる図、図8(c)は高調波歪電圧が上昇側に急変する場合の高調波歪電圧変化が判定条件(b2)を充足するか否かの説明に用いる図、図8(d)は高調波歪電圧が下降側に急変する場合の高調波歪電圧変化が判定条件(b2)を充足するか否かの説明に用いる図である。 図9(a)は系統電圧、高調波歪電圧が上昇側に急変する場合の無効電力注入の説明に用いる図、図9(a)は系統電圧、高調波歪電圧が下降側に急変する場合の無効電力注入の説明に用いる図である。 図10は無効電力注入の予め定めた位相を説明するための図である。 図11は実施の形態による単独運転検出方法の説明に用いるフローチャートである。 図12は系統周波数偏差がプラスを継続する場合の追加注入無効電力の位相制御の説明に用いる図である。 図13は系統周波数偏差がプラスからマイナスへ変化する場合の追加注入無効電力の位相制御の説明に用いる図である。 図14は分散型電源の多数台連系のイメージ図である。 図15は既注入無効電力を説明するための図である。 図16は追加注入無効電力を説明するための図である。 図17は追加注入無効電力の相殺を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法を説明する。図1は実施の形態の単独運転検出方法で単独運転を検出する単独運転検出装置を備えた分散型電源システムの概略構成を示す。実施の形態では高調波として総合高調波歪電圧や高調波歪電圧で説明するが、これに限定されない。
図1に示す分散型電源システム10は、直流電力を発電する、例えば太陽光発電機やガスエンジン発電機等の分散型電源12と、この分散型電源12と連系接続する電力系統14と、分散型電源12および電力系統14間に配置され、電力変換機能を備えたパワーコンディショナ16と、パワーコンディショナ16および電力系統14間に配置され、電力系統14停電時の分散型電源12の単独運転を検出する単独運転検出装置18とを有し、パワーコンディショナ16は、電力変換機能を通じて、分散型電源12にて発電した直流電力を電力系統14の交流電力に変換し、この変換した交流電力を−般家電機器等の図外の負荷等に供給するものである。
単独運転検出装置18は、連系リレー20,22と、制御装置24と、インバータ制御部26と、インバータ28と、電流検出器30とを備える。
制御装置24は、入力線P,L,Mそれぞれ通じて電力系統ライン32に接続して電力系統14の系統電圧、高調波歪電圧、系統周波数を計測し、これらから、出力線Pを通じて連系リレー20,22に単独運転検出出力を出力することにより連系リレー20,22をオフすると共にインバータ制御部26に出力線Qを通じて注入無効電力を注入するための電流制御指令値を出力するようになっている。
そして制御装置24は、計測した系統周波数から所定系統周期内での系統周波数偏差を演算すると共にこの演算した系統周波数偏差に基づいて電力系統に注入するべき無効電力を演算し、この演算に係る無効電力を電力系統に注入している一方、上記計測した系統周波数と系統電圧と高調波歪電圧とから上記系統周波数偏差が所定系統周期数分にわたり連続して一定以下となる状態が継続して系統周波数に実質変化が無くかつ系統電圧、高調波歪電圧が所定電圧変動範囲を超える変化でもって急変したという条件が成立させるか否かを判定し、上記条件が成立との判定により、上記既に注入している無効電力に加えて追加で無効電力を注入する制御を行う。
制御装置24をマイコンで構成してもよい。例えば、制御装置24をマイコンで構成した場合、制御装置24は、CPU、メモリ、インターフェース等を有する。上記メモリに実施の形態の単独運転検出方法を実施するための制御プログラムが記憶されている。CPUは、インターフェースを介して、入力される系統電圧、系統電流、系統電力、等に基づいて、各種演算等を実行し、その実行結果から、インターフェースを介して、連系リレー20,22の開閉指令である単独運転検出出力を出力し、インバータ制御部26に対する各種指令である電流制御指令値を出力するようになっている。
実施の形態では、説明の理解のため、制御装置24にマイコンを内蔵させそのマイコンの制御プログラムにより以下に説明する機能を実行するようになっている。図2はそのマイコンの機能構成を示す。
図2を参照して制御装置24の機能を詳細に説明する。図2は制御装置24の機能の理解に供するためブロック構成で示した図であり、マイコン内部にこのブロック構成がハードウェアとして存在するものではない。勿論、ハードウェアとして構成することも可能であるから、実施の形態ではそのいずれにも限定しない。
制御装置24は、電力系統ライン32から入力線L1を通じて入力する系統電力の電圧を計測する系統電圧計測部34aと、電力系統ライン32から入力線L2を通じて入力する系統電力の高調波歪電圧を計測する高調波歪計測部34bと、電力系統ライン32から入力線Mを通じて入力する系統電力の系統周波数を計測する系統周波数計測部36と、この系統周波数計測部36の計測値から単独運転判定を行いその判定に従い連系リレー20,22をオンオフする単独運転検出出力を出力線Pに出力する単独運転判定部38と、系統周波数計測部36の計測値から現在の系統周波数の移動平均値と、過去の系統周波数の移動平均値とを算出すると共にこの算出値から系統周波数偏差を演算する系統周波数偏差演算部40と、この系統周波数偏差演算部40の系統周波数偏差から電力系統に注入する無効電力量を演算する無効電力量演算部42とを備える。
そして制御装置24は、系統周波数偏差が所定系統周期数分にわたり連続して一定以下となる状態が継続して系統周波数に実質変化が無く、かつ、系統電圧が予め設定した所定電圧範囲内に沿って変化したときに系統電圧が単独運転発生に起因して急変したと判定して無効電力を追加注入する制御を行う第1無効電力注入判定部44aを備える。
また、制御装置24は、系統周波数偏差が所定系統周期数分にわたり連続して一定以下となる状態が継続して系統周波数に実質変化が無く、かつ、高調波歪電圧が予め設定した所定電圧範囲内に沿って変化したときに高調波歪電圧が単独運転発生に起因して急変したとき無効電力を追加注入する制御を行う第2無効電力注入判定部44bを備える。
さらに制御装置24は、第1、第2無効電力注入判定部44a,44bの判定出力をOR出力するORゲート45と、無効電力量演算部42からの演算無効電力と、ORゲート45からの第1、第2無効電力注入判定部44a,44bからの追加無効電力とを加算する加算部46と、加算部46の出力に応じて出力電流制御信号をインバータ制御部26へ出力線Qを通じて出力する出力電流制御部48と、を備える。
系統周波数偏差演算部40は、現在の系統周波数の移動平均値を算出する現在移動平均算出部40aと、過去の系統周波数の移動平均値を算出する過去移動平均算出部40bと、これら両算出値から系統周波数偏差を演算する演算部40cとを備える。
系統周波数計測部36は、系統電圧から電力系統の系統周波数を計測周期単位、例えば5m秒単位で順次計測するものである。なお、電力系統の系統周波数を50Hz(1系統周期は20m秒)とした場合、その系統周期単位は、電力系統の系統周期の1/3以下、例えば、5m秒単位にすることが望ましい。
系統周波数偏差演算部40においては、系統周波数計測部36で順次計測した5m秒単位の系統周期に基づき、連続した所定移動平均時間分、例えば40m秒分の系統周期の移動平均値を順次算出するものである。なお、所定移動平均時間は、系統周期の一周期、例えば20m秒よりも長く、かつ所望する検出速度、例えば100m秒よりもできる限り短い時間を条件とするため、例えば40m秒にすることが望ましい。
本実施の形態では、上記構成に加えて、無効電力注入位相再判定部51を備えている。この無効電力注入位相再判定部51においては、系統周波数偏差演算部40からの系統周波数偏差と、第1、第2無効電力注入判定部44a,44bの判定出力をOR出力するORゲート45出力と、に基づいて、以下の判定動作を行う、その判定結果を上記両無効電力注入判定部44a,44bにフィードバックするようになっている。そして、無効電力注入判定部44a,44bにおいては無効電力注入位相再判定部51の再判定結果に従い、無効電力の注入制御を図11ないし図13を参照して後述するように制御するようになっている。
図3は、系統周波数計測部36、系統周波数偏差演算部40に関わる動作説明図であり、C0は系統周波数計測部36で現在計測した系統周期、C1が5m秒前に計測した系統周期、Cnはn*5m秒前の系統周期の計測値を示す。したがって、系統周波数偏差演算部40は、最新の移動平均値は、C0−C7分の40m秒分の系統周期を移動平均化して5m秒単位で順次算出するものである。
過去の移動平均値は、C0−C7の最新の移動平均値とした場合、C0から200m秒前のC40−C47の40m秒分の系統周期を移動平均化して5m秒単位で順次算出したものである。また、現在の系統周波数偏差は、過去の移動平均値(C40−C47)−最新の移動平均値(C0−C7)で算出するものである。
無効電力量演算部42は、上述の図15に対応する図4の無効電力量対系統周波数偏差との特性を使用して、系統周波数偏差演算部42で算出した系統周波数偏差に基づいて無効電力量を算出し、この無効電力量を加算部46を経て出力電流制御部48に通知するものである。図4に示す無効電力量対系統周波数偏差特性は、系統周波数偏差が小さいときは系統周波数偏差の変化に対する無効電力量の変化割合を小さくすなわち特性線L1の傾きを小さくして単独運転検出感度を低くするレンジである低感帯レンジR1と、系統周波数偏差が大きいときは系統周波数偏差の変化に対する無効電力量の変化割合を大きくすなわち特性線L1の傾きを大きくして単独運転検出感度を高くするレンジである高感帯レンジR21,R22とを設定する。
系統周波数偏差が高感帯レンジR21では無効電力量を減少し、高感帯レンジR22では無効電力量を増加し、低感帯レンジR1では、系統周波数偏差に対する無効電力量の変化割合を小さく設定する。すなわち系統周波数偏差が小さい低感帯レンジR1でも、分散型電源12の単独運転を検出すべく、無効電力を注入することができ、さらには、無効電力量の変化割合を高感帯レンジR21,R22の場合に比較して小さくすることで、系統電圧の低速な系統周波数の揺れの影響を受けることなく、分散型電源12が電力系統14に与える影響を確実に防止可能とする。
以上説明した分散型電源システムは図5で示すシステムでも同様である。このシステムではパワーコンディショナ16内部に単独運転検出装置を内蔵したものである。図1と対応する部分には同一の符号を付している。
実施の形態では系統電圧計測部34aと、第1無効電力注入判定部44aとが系統電圧変動を単独運転状態時に示す1つの電気的変動として電力系統に無効電力を注入する1つの単独運転検出系統を構成する。また、高調波歪計測部34bと、第2無効電力注入判定部44bとが高調波歪電圧変動(高調波変動)を単独運転状態時に示す1つの電気的変動として電力系統に無効電力を注入する1つの単独運転検出系統を構成する。そして、これら複数の単独運転検出系統において、上記電気的変動に基づいて先に単独運転検出を行った単独運転検出系統側から当該電力系統に無効電力を注入するようにした、ことに特徴を有する。なお、この単独運転検出系統は、実施の形態では一例であり、他の単独運転検出系統であってもよいことは勿論である。また、単独運転検出系統は3つ以上の複数であってもよいことは勿論である。
以下、説明する。なお、説明では、説明の重複等を回避するため両単独運転検出系統をまとめて説明する。
系統電圧計測部34aと高調波歪計測部34bでは、それぞれ、図6で示すように、各系統周期N0…ごとに系統電圧N0、総合高調波歪電圧でM0を計測する。図6で「T0」,「T1」,「T2」,…,「T13」は系統周期であり、「N0」,「N1」,「N2」,「N3」,「N4」,「N5」;「M0」,「M1」,「M2」,「M3」,「M4」,「M5」は、それぞれの系統周期での系統電圧と総合高調波歪電圧である。N0,M0は現在の系統周期T0での系統電圧,総合高調波歪電圧、N1,M1は系統周期T1での系統電圧,総合高調波歪電圧、…、N5,M5は系統周期T5での系統電圧,総合高調波歪電圧である。Navr,Mavrは実施の形態では現在系統周期T0から3系統周期前の系統周期T3から5系統周期前の系統周期T5までの合計3系統周期の系統電圧,総合高調波歪電圧の平均値である。もちろん、この系統電圧,総合高調波歪電圧の平均値Navr,Mavrは実施の形態の3系統周期に限定されず、適宜に決定することができる。
総合高調波歪電圧をTHD、2次高調波歪電圧をV2、3次高調波歪電圧をV3、4次高調波歪電圧をV4、5次高調波歪電圧をV5、6次高調波歪電圧をV6、7次高調波歪電圧をV7とすると、総合高調波歪電圧は、それぞれの高調波歪電圧V2ないしV7を二乗し、
それらの加算値の平方根である次式で与えられる。
THD=√(V22+(V32+(V42+(V52+(V62+(V72
ただし、上記式の総合高調波歪電圧は、2次ないし7次の高調波歪電圧から上記演算式で与えられるが、それ以上の次数の高調波電圧を除外するものではない。
また、高調波歪計測部34bでは、総合高調波歪電圧を計測したが、例えば、3次高調波歪電圧V3を計測してもよいし、他の次数の高調波歪電圧を計測してもよい。
その意味で、以下の説明では総合高調波歪電圧と称するのではなく、単に高調波歪電圧として説明する。
さらに、実施の形態では、単独運転検出を総合高調波電圧や2次以上の高調波歪電圧で行うが、総合高調波歪電流、総合高調波歪電力、あるいは2次以上の高調波歪電流、2次以上の高調波歪電力でもよい。
第1無効電力注入判定部44aにおいては、系統電圧計測部34aからの系統電圧の計測値と、系統周波数計測部36からの系統周波数の計測値と、系統周波数偏差演算部40からの系統周波数偏差と、を入力し、これらから、条件(a1)として系統周波数偏差が所定系統周期数分にわたり連続して一定範囲内となる状態が継続して系統周波数に実質変化が無いか、かつ、条件(b1)として系統電圧が予め設定した所定電圧変動範囲内に沿って変化したかという上記2条件(a1)(b1)が成立するか否かを判定する。
第2無効電力注入判定部44bにおいては、高調波歪計測部34bからの高調波歪の計測値と、系統周波数計測部36からの系統周波数の計測値と、系統周波数偏差演算部40からの系統周波数偏差と、を入力し、これらから、条件(a2)として系統周波数偏差が所定系統周期数分にわたり連続して一定範囲内となる状態が継続して系統周波数に実質変化が無いか、かつ、条件(b2)として高調波歪電圧が予め設定した電圧範囲内に沿って変化したかという上記2条件(a2)(b2)が成立するか否かを判定する。
この判定を系統電圧、高調波歪電圧が上昇と下降方向とに分けて図7(a)(b)、図8(a)(b)(c)(d)、図9(a)(b)を参照して説明する。
図7(a)(b)は判定条件(a1)(a2)、図8(a)(b)は判定条件(b1)、図8(c)(d)は判定条件(b2)、図9(a)(b)は上記判定条件(a1)(b1)または(a2)(b2)が共に成立する場合の第1、第2無効電力注入判定部44a,44bからの無効電力の注入状態、を示す。
また、図7(a)、図8(a)、図8(c)、図9(a)はそれぞれ系統電圧が上昇方向に急変する場合、図7(b)、図8(b)、図8(d)、図9(b)はそれぞれ系統電圧が下降方向に急変する場合を示す。
判定条件(a1)(a2)に関して、図7(a)(b)で横方向のT0,T1,T2,T3,T4,T5は上記した系統周期、縦軸は系統周波数偏差である。点線f1は系統周波数偏差が偏差0Hzからプラス(+)側に0.5Hz、f2は系統周波数偏差が偏差0Hzからマイナス(−)側に0.5Hzである。この系統周波数偏差が±0.5Hzの一定範囲(偏差範囲ΔT=1.0Hz)内の状態が所定系統周期数分、実施の形態では例えば6系統周期にわたり連続して継続すれば系統周波数に実質変化が無いと判定する。もちろん、上記判定では系統周波数偏差が上記一定範囲内に連続して継続する系統周期の数は6系統周期に限定されず、少なくとも2以上の系統周期でよい。
図7(a)で示すように系統電圧、高調波歪電圧が上昇方向に急変する場合では系統周波数偏差が系統周期T1から偏差0Hzからプラス(+)側であり、図7(b)で示すように系統電圧、高調波歪電圧が下降方向に急変する場合では系統周波数偏差が系統周期T1から偏差0Hzからマイナス(−)側である。なお、系統周期ごとに系統周波数偏差を演算するために系統周期と系統周期との間の系統周波数偏差はデジタル的に変化する。また、実施の形態では系統周波数偏差演算部40で系統周期ごとに系統周波数偏差を演算するが、これに限定されない。
なお図7(a)(b)では理解のため系統周波数偏差が現在系統周期T0から過去3系統周期以上連続して上記一定範囲内として系統周波数は実質変化していないとして判定条件(a1)(a2)は成立する状態で示している。
次に図8(a)(b)(c)(d)を参照して、判定条件(b1)(b2)を説明する。
図8(a)(b)は横軸に系統周期、縦軸は系統電圧(V)、図8(c)(d)は横軸に系統周期、縦軸は高調波歪電圧(V)である。実線(Nave),(Mave)は、現在系統周期T0から3周期前から5周期前までの3系統周期T3,T4,T5の系統電圧の平均値Navr、高調波歪電圧の平均値Mavrを示す線である。N0,N1,N2,N3,N4,N5;M0,M1,M2,M3,M4,M5はそれぞれ系統周期T0,T1,T2,T3,T4,T5それぞれでの系統電圧、高調波歪電圧である。
点線(Ni)は、各系統電圧の変化を示すためにそれらを結ぶ線、点線(Mi)は、各高調波歪電圧の変化を示すためにそれらを結ぶ線である。
図8(a)(c)で示すように系統電圧、高調波歪電圧上昇方向での系統電圧、高調波歪電圧変動の判定条件(b1)(b2)は、上記各系統電圧、高調波歪電圧が図8(a)(c)中の網掛け領域S1a、S1b内の電圧であることである。この網掛け領域S1a、S1bに関して具体数値による判定条件式を示すと、下記(1a)(1b)である。図8(a)(c)中の黒丸(●)印は、各系統電圧、高調波歪電圧を示す目印である。この判定条件式では、各系統周期T0,T1,T2,T3,T4,T5ごとの系統電圧N0,N1,N2,N3,N4,N5;各系統周期T0,T1,T2,T3,T4,T5ごとの高調波歪電圧M0,M1,M2,M3,M4,M5が、それぞれ、過去複数の系統周期それぞれの系統電圧平均値Navr、高調波歪み電圧平均値Mavrに対して各系統周期T0,T1,T2,T3,T4,T5ごとに定めた所定電圧変動範囲でもって変化したときに系統電圧、高調波歪電圧が変動したと判定する。これは図8(b)(d)でも同様である。
この場合、判定条件式(1a)(1b)では、系統電圧N0,N1,N2,N3,N4,N5のうち、N0,N1は、系統電圧平均値Navrとの差、また、高調波歪電圧M0,M1,M2,M3,M4,M5のうち、M0,M1は、高調波歪電圧平均値Mavrとの差が、それぞれ他の系統電圧N2,N3,N4,N5、高調波歪電圧M2,M3,M4,M5それぞれよりも大きく急増するような系統電圧変化パターン、高調波歪電圧変化パターンを判定条件に含めている。このことにより、単独運転発生が原因とする場合と、そうではない他の原因とを区別できるようにしている。また、系統電圧N3,N4,N5が系統電圧平均値Navrとの差が所定電圧変化幅(−0.5〜+0.5V)内で推移していたが、系統電圧N2では系統電圧平均値Navrとの差が、所定電圧+0.5を超えて、系統電圧N0,N1では所定電圧、実施の形態では系統電圧平均値Navrとの差(系統電圧変化幅)は3Vを超えて、また、高調波歪電圧系統電圧M3,M4,M5が所定電圧変化幅(−0.5〜+0.5V)内で推移していたが、高調波歪電圧M2では高調波歪電圧平均値Mavrとの差が、所定電圧+0.5を超えて、高調波歪電圧M0,M1では高調波歪電圧平均値Mavrとの差(高調波歪電圧変化幅)は、所定電圧、実施の形態では2Vを超えて急増することを判定条件にしている。
このように実施の形態では、系統電圧、高調波歪電圧が過去複数の系統周期に沿って予め設定した系統電圧変化パターン、高調波歪電圧変化パターンに対応した変化を呈したときに単独運転発生に関わる高調波変動有りと判定して当該電力系統に無効電力を注入するようにしたものである。
そして、実施の形態では、上記判定を行う第1、第2無効電力注入判定部44a,44bそれぞれの判定出力を、ORゲート45からいずれでも出力可能としたことにより、単独運転発生態様に対応する側の判定出力で無効電力を電力系統により高速に注入して単独運転検出することを可能とし、単独運転検出の高速化を図れるようにしている。

〔(N0−Navr)>3V〕and
〔(N1−Navr)>3V〕and
〔(N2−Navr)>−0.5V〕and
〔−0.5<(N3−Navr)<0.5V〕and
〔−0.5<(N4−Navr)<0.5V〕and
〔−0.5<(N5−Navr)<0.5V〕 …(1a)

〔(M0−Mavr)>2V〕and
〔(M1−Mavr)>2V〕and
〔(M2−Mavr)>−0.5V〕and
〔−0.5<(M3−Mavr)<0.5V〕and
〔−0.5<(M4−Mavr)<0.5V〕and
〔−0.5<(M5−Mavr)<0.5V〕 …(1b)

図8(b)(d)で示すように系統電圧、高調波歪電圧下降方向での系統電圧変動、高調波歪電圧変動の判定条件(b1)(b2)は、上記各系統電圧、高調波歪電圧が図8(b)(d)中の網掛け領域S2a,S2b内の電圧であることである。この網掛け領域S2a,S2bに関して具体数値による判定条件式を示すと、下記式(2a)(2b)である。図8(b)(d)中の黒丸(●)印は、各系統電圧、高調波歪電圧を示す目印である。図8(b)(d)中の(Navr)(Ni)(Mavr)(Mi)は図8(a)(b)中の(Navr)(Ni)(Mavr)(Mi)に対応する。()書きは、系統電圧の平均値Navr、高調波歪電圧の平均値Mavr、系統電圧N0ないしN5、高調波歪電圧M0ないしM5と区別するためである。
〔(N0−Navr)<−3V〕and
〔(N1−Navr)<−3V〕and
〔(N2−Navr)<0.5V〕and
〔−0.5<(N3−Navr)<0.5V〕and
〔−0.5<(N4−Navr)<0.5V〕and
〔−0.5<(N5−Navr)<0.5V〕 …(2a)

〔(M0−Mavr)<−2V〕and
〔(M1−Mavr)<−2V〕and
〔(M2−Mavr)<0.5V〕and
〔−0.5<(M3−Mavr)<0.5V〕and
〔−0.5<(M4−Mavr)<0.5V〕and
〔−0.5<(M5−Mavr)<0.5V〕 …(2b)

実施の形態では理解のため代表例として各系統周期ごとの系統電圧は上記網掛け領域S1a,S2a内、各系統周期ごとの高調波歪電圧は上記網掛け領域S1b,S2b内に入っていて系統電圧、高調波歪電圧が上昇する場合も下降する場合も系統電圧変動の判定条件(b1)、高調波歪電圧変動の判定条件(b2)を充足するようにしている。この判定条件(b1)(b2)は、上記条件式で示すように現在系統周期T0から3周期前から5周期前までの3系統周期T3,T4,T5それぞれの系統電圧平均値Navr、高調波歪電圧平均値Mavrに対して過去6周期T0−T5それぞれの系統電圧、高調波歪電圧がそれぞれの系統周期ごとにいずれも網掛け領域S1a,S1b,S2a,S2b内であるときである。
第1無効電力注入判定部44aは、上記図7(a)(b)、図8(a)(b)で示すように上記判定条件(a1)(b1)が成立するか否かの判定を行うと共に成立するとの判定により、図9(a)(b)で示すように電力系統に追加無効電力を注入する制御を行う。第2無効電力注入判定部44bは、上記図7(a)(b)、図8(c)(d)で示すように上記判定条件(a2)(b2)が成立するか否かの判定を行うと共に成立するとの判定により、図9(a)(b)で示すように電力系統に追加無効電力を注入する制御を行う。
図9(a)(b)において横軸は、図7(a)(b)、図8(a)ないし(d)それぞれに対応した系統周期であり、縦軸は無効電力注入判定部44から追加注入する無効電力(Var)を示す。実施の形態では図解のため図9(a)(b)中に無効電力(Var)の値が、位相遅れ側200Varが記入されているが、注入無効電力の値を限定する趣旨ではない。
この実施の形態では、上述のように、複数台の単独運転検出装置、例えば、複数台のパワーコンディショナの間で、系統周波数偏差が「0」の付近では、周波数計測のバラツキのために、追加注入する無効電力が、相殺されるのを防止するために、現在系統周期T0で判定条件(a1)(b1);(a2)(b2)が成立すると、図7(a),(b)の系統周波数偏差の符号に関わらず、図9(a),(b)に示すように、予め定めた位相の無効電力、例えば、位相遅れの無効電力として200Varを注入する。
これによって、系統周波数偏差が「0」の付近で追加注入される無効電力は、複数台のパワーコンディショナのいずれも、位相遅れの無効電力となり、複数台のパワーコンディショナ間で、注入される無効電力が相殺されることがなく、単独運転発生時には追加注入した無効電力により電力変動を引き起し、この電力変動を検出して、単独運転を検出することができる。
なお、図9(a)、図9(b)のいずれも1系統周期が20m秒とした場合、無効電力の注入期間Ta1、Ta2は共に100m秒となっているが、この注入期間Ta1、Ta2に限定されない。注入期間Ta1、Ta2は100m秒以上、200m秒以下が電力系統ライン32に電力変動を引き起こし易く、また、単独運転検出を高速で行ううえで好ましい。
なお、実施の形態では系統電圧、高調波歪電圧が上昇側に急変する場合と下降側に急変する場合で説明したが、いずれの側に急変しても判定条件(b)を満たすことに限定するものではなく、いずれか一方側に急変する場合のみを判定条件(b)、またはいずれか他方側に急変する場合のみを判定条件(b)を満たすこととしてもよい。
以上から無効電力量演算部42から無効電力を注入している場合に、注入無効電力と負荷無効電力とがバランスしているか否か、分散型電源12の有効電力と負荷有効電力とがバランスしているか否かを判定条件(a1)(b1);(a2)(b2)で判定し、第1判定条件(a1)(b1)が共に成立または第2判定条件(a2)(b2)が共に成立した場合に、第1無効電力注入判定部44aまたは第2無効電力注入判定部44bからは、無効電力量演算部42からの注入無効電力の位相に関わらず、遅れ位相の無効電力を追加注入し、これによって、複数台のパワーコンディショナ間で追加注入される無効電力が相殺されることはなく、電力系統ライン32が単独運転時には電力変動を引き起こされ、単独運転を検出することができるようになる。
以上の説明から、分散型電源12が電力系統14から切り離され単独運転しているか否かの検出のため無効電力を電力系統に注入している状態で、系統周波数が過去複数の系統周期にわたり実質変化が無い状態のときに系統電圧または高調波歪電圧が所定変動範囲を超えて変動したときに当該電力系統に無効電力を追加で注入するようにしたから、上記注入している無効電力が分散型電源12側と図外の負荷側とでバランスしている状態を崩すことができる結果、単独運転を確実に検出することができる。
しかしながら、追加注入する無効電力の位相を、系統周波数偏差の符号に関わらず、図10に示すように、位相遅れに固定すると、系統周波数偏差Δfが正側に変化したときには、例えば、P2に示される位相遅れの追加注入無効電力と、上述の図15のP3に示される位相進みの既注入無効電力とが相殺してしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、さらに、無効電力注入判定部44a,44bによる無効電力の追加注入後において、既注入無効電力と追加注入無効電力との間での位相の進み遅れで、追加注入無効電力が既注入無効電力で相殺されてしまうことがないように、追加注入無効電力の位相を制御するための無効電力注入位相再判定部51を設けている。
以下、無効電力注入位相再判定部51による無効電力の相殺防止について図11ないし図13を参照して説明する。
図11は、主として無効電力注入位相再判定部51の動作フローチャート、図12は(a)に系統周波数偏差、(b)に系統周波数偏差がタイミングt0ではプラスでそれ以降もそのプラスが継続する場合の追加注入無効電力の位相の制御波形、(c)に既注入無効電力の位相の制御波形、図13は(a)に系統周波数偏差、(b)に系統周波数偏差がタイミングt0ではプラスであるが、その後マイナスに変化する場合の追加注入無効電力の位相の制御波形、(c)に既注入無効電力の位相の制御波形を示す。以下の説明では図11と図12の組み合わせ、図11と図13の組み合わせに分けて説明する。
図11において、ステップn1では、無効電力注入判定部44a,44bでは追加無効電力を注入するかどうかを判定する。この判定は、上述したごとく、系統周波数偏差演算部40で演算した系統周波数偏差に基づく既注入無効電力と負荷無効電力とがバランスしていると、無効電力注入判定部44a,44bでは追加注入無効電力を注入すると判定して、ステップn2で、予め定めた位相である位相遅れの追加注入無効電力を出力する。
このときの注入タイミングは図12で示すt0である。図12(a)でタイミングt0では系統周波数偏差がプラスであることを示し、図12(b)でタイミングt0では追加注入無効電力の位相が遅れであることを示す。このように、無効電力注入判定部44a,44bでは、系統周波数偏差の符号に関わらず、無効電力注入判定部44a,44bからの無効電力の位相を、予め定めた遅れ側の位相にしている。
そして、無効電力注入位相再判定部51は、上記無効電力注入判定部44a,44bの出力変化から追加無効電力の注入タイミングt0を知ることができる。無効電力注入位相再判定部51においては、この注入タイミングt0からのステップを制御する。なお、無効電力注入判定部44a,44bからの追加注入無効電力の出力期間は、実施の形態では例えば系統周期で3周期分とされている。
無効電力注入位相再判定部51は、ステップn3で、注入タイミングt0から上記3周期が経過する前である系統周期で2周期分の時間が経過した判定タイミングt1になったと判断すると、その判定タイミングt1において、ステップn4で示すように、系統周波数偏差の符号から無効電力量演算部42からの無効電力の位相が進みか遅れかを判定する。この判定で、図12(a)(b)(c)で示すように系統周波数偏差の符号がプラス側であるので、無効電力量演算部42からの既注入無効電力の位相が進み側であると判定する。
無効電力注入位相再判定部51は、その判定の結果、追加無効電力の位相を、既注入無効電力に一致させるように、進み側に変更させるよう追加無効電力の注入方向を変更し、ステップn5でその変更した注入方向(進み位相)に無効電力を注入させるための判定結果を無効電力注入判定部44a,44bに入力する。
無効電力注入判定部44a,44bは、この判定に従い、追加無効電力の注入方向を変更する。
無効電力注入位相再判定部51は、上記追加無効電力の注入方向変更後から系統周期で3周期分の時間が経過したかどうかをステップn6で判定し、系統周期で3周期分の時間が経過したと判定すると、そのことを無効電力注入判定部44a,44bに入力する。
無効電力注入判定部44a,44bでは、この入力に応答してステップn9で追加無効電力の注入を停止すると共に、この追加無効電力の注入停止後から系統周期で5周期経過したかどうかをステップn10で判定し、無効電力の追加注入停止後から系統周期で5周期経過したときに、ステップn1に戻るようになっている。
また、図13(a)(b)(c)はそれぞれ図12(a)(b)(c)に対応する。判定タイミングt0では、系統周波数偏差の符号に関わらず、追加無効電力の位相は遅れ側になっている。そして、判定タイミングt1において、系統周波数偏差の符号がマイナスであるので、ステップn4での判定では、無効電力注入位相再判定部51は無効電力の注入方向を変更しないとの判定結果を無効電力注入判定部44a,44bに入力する。
無効電力注入判定部44a,44bはこの判定結果から、ステップn7で示すように無効電力(遅れ位相)の注入をそのタイミングt1から系統周期でさらに1周期継続する。そして、ステップn8で無効電力の注入が系統周期で1周期経過したと判定したときに、ステップn9で無効電力の注入を停止する。それ以降は上記と同様である。
以上説明したように本実施の形態では、電力系統における系統周波数偏差に基づいて電力系統に無効電力を既注入無効電力として注入すると共にこの既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたときには電力系統に、系統周波数偏差の符号に関わらず、予め定めた位相である遅れ位相の無効電力(追加注入無効電力)を、一定期間として系統周期で3周期分、追加注入する。
そして、上記一定期間が経過するまでには、追加無効電力の注入後から一定期間よりも短い期間である系統周期で2周期分の時間が経過した 後に、追加注入無効電力の位相を判定する。この判定は、系統周波数偏差の符号に基づいて行う。この判定の結果、判定時点での系統周波数偏差の符号からは追加注入無効電力の位相が、追加注入無効電力の位相とは逆位相になっているという判定のときは、系統周波数偏差の符号に一致した位相の追加注入無効電力を、改めて上記一定期間、注入するので、追加注入無効電力が既注入無効電力で相殺されずに済み、追加注入無効電力で無効電力バランスを崩して単独運転検出することが可能となる。
また、上記判定時点での系統周波数偏差の符号からは追加注入無効電力の位相が、同位相であるという判定のときは、追加注入無効電力注入後から一定期間経過するまでの残り期間である1周期分、同位相で追加注入無効電力の注入を継続するので、無効電力バランスを追加注入無効電力で効果的に崩して単独運転検出を確実に実施することが可能となる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
本発明は、分散型電源システムの単独運転検出に有用である。
10 分散型電源システム
12 分散型電源
14 電力系統
16 パワーコンディショナ
18 単独運転検出装置
20,22 連系リレー
24 制御装置
26 インバータ制御部
28 インバータ
34a 系統電圧計測部
34b 高調波歪計測部
36 系統周波数計測部
38 単独運転判定部
40 系統周波数偏差演算部
42 無効電力量演算部
44a 第1無効電力注入判定部
44b 第2無効電力注入判定部
46 無効電力加算部
51 無効電力注入位相再判定部

Claims (6)

  1. 分散型電源が電力系統から切り離され単独運転しているか否かの検出のために、上記電力系統に無効電力を注入すると共にこの注入で電力系統に起きる電気的変動に基づいて単独運転を検出するようにした単独運転検出方法において、
    上記電力系統に上記電気的変動に基づいて電力系統に無効電力(既注入無効電力)を注入すると共にこの既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたときに電力系統に、上記既注入無効電力の位相に関わらず遅れ位相の無効電力(追加注入無効電力)を、一定期間、追加注入する第1ステップと、
    上記第1ステップでの追加無効電力注入後から上記一定期間よりも短い期間経過した後に、系統周波数偏差の符号を判定する第2ステップと、
    上記判定時点での上記系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の上記遅れ位相の位相とは逆位相になっているという判定のときは、上記系統周波数偏差の符号に対応した進み位相の追加注入無効電力を、改めて上記一定期間、注入する第3ステップと、
    上記判定時点での上記系統周波数偏差の符号からは既注入無効電力の位相が上記第1ステップで注入した追加注入無効電力の上記遅れ位相の位相と同位相であるという判定のときは、上記第1ステップで追加注入無効電力注入後から一定期間経過するまでの残り期間、第1ステップで注入した追加注入無効電力と同位相で遅れ位相の追加注入無効電力の注入を継続する第4ステップと、
    を含むことを特徴とする単独運転検出方法。
  2. 上記電気的変動が、系統周波数変動、系統電圧変動、または高調波変動である、請求項に記載の方法。
  3. 上記一定期間が、系統周期の3倍の期間であり、上記一定期間よりも短い期間が、系統周期の2倍の期間である請求項1または2に記載の方法。
  4. 分散型電源が電力系統から切り離され単独運転しているか否かの検出のため無効電力を電力系統に注入する単独運転検出装置に対してその検出動作を制御する制御装置において、請求項1ないしのいずれかに記載の方法が実施可能になっている、ことを特徴とする制御装置。
  5. 分散型電源が電力系統から切り離されて単独運転しているか否かを検出する単独運転検出装置であって、請求項に記載の制御装置を備えた、ことを特徴とする単独運転検出装置。
  6. 複数の分散型電源と、各分散型電源それぞれに個別に設けられ当該分散型電源が電力系統から切り離されて単独運転しているか否かを検出する複数台の単独運転検出装置とを備える分散型電源システムにおいて、各単独運転検出装置が請求項に記載の単独運転検出装置である、ことを特徴とする分散型電源システム。

JP2009204429A 2009-09-04 2009-09-04 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム Active JP5418079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009204429A JP5418079B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009204429A JP5418079B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011055678A JP2011055678A (ja) 2011-03-17
JP5418079B2 true JP5418079B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=43944097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009204429A Active JP5418079B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5418079B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103048558B (zh) * 2012-11-05 2015-09-09 深圳航天科技创新研究院 一种混合主动式防孤岛效应的检测方法及系统
JP6134970B2 (ja) * 2013-10-22 2017-05-31 株式会社日立情報通信エンジニアリング 電力変換システムおよび電力変換システムの単独運転検出方法
JP5893057B2 (ja) * 2014-01-10 2016-03-23 田淵電機株式会社 単独運転検出装置及び単独運転検出方法
US9520819B2 (en) 2014-02-28 2016-12-13 General Electric Company System and method for controlling a power generation system based on a detected islanding event
JP6341791B2 (ja) * 2014-07-31 2018-06-13 三菱電機株式会社 単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および分散型電源装置
JP6384336B2 (ja) * 2015-01-13 2018-09-05 オムロン株式会社 単独運転検出装置、制御装置、パワーコンディショナ、電源システムおよび単独運転検出方法
JP5985775B1 (ja) * 2016-03-18 2016-09-06 田淵電機株式会社 単独運転検出装置及び単独運転検出方法
WO2018108277A1 (en) * 2016-12-15 2018-06-21 Abb Schweiz Ag Method for detecting islanding conditions for a dc/ac converter apparatus and a dc/ac converter apparatus thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4661856B2 (ja) * 2007-11-30 2011-03-30 オムロン株式会社 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011055678A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5418079B2 (ja) 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム
JP4835587B2 (ja) 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム
JP4661856B2 (ja) 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム
JP3948487B1 (ja) 単独運転検出方法、分散型電源の単独運転検出用制御装置、単独運転検出装置および分散型電源
EP2613164B1 (en) Distributed power generation device and method for operating same
JP4775181B2 (ja) 単独運転検出装置およびその単独運転検出方法、単独運転検出装置を内蔵したパワーコンディショナー
JP5050723B2 (ja) 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム
JP5893057B2 (ja) 単独運転検出装置及び単独運転検出方法
Rani et al. An active islanding detection technique for current controlled inverter
US9935463B2 (en) Redundant point of common coupling (PCC) to reduce risk of microgrid's islanding
CN101938140B (zh) 分布式电源系统
JP6082689B2 (ja) 単独運転検出装置、および単独運転検出方法
JP4872826B2 (ja) 単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源システム
Lissandron et al. Impact of non-simultaneous P/f and Q/V grid code requirements on PV inverters on unintentional islanding operation in distribution network
JP6109050B2 (ja) 解列制御装置、解列制御方法およびパワーコンディショナー
JP6341791B2 (ja) 単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および分散型電源装置
JP6345078B2 (ja) 単独運転検出用の制御装置、単独運転検出装置および単独運転検出方法
JP4835453B2 (ja) 単独運転検出方法、分散型電源の単独運転検出用制御装置、単独運転検出装置および分散型電源
JP2014217177A (ja) 電力供給システムおよび蓄電装置
JP6421512B2 (ja) 電力変換装置
JP4935376B2 (ja) 単独運転検出方法、単独運転検出装置およびパワーラインコンディショナ
JP6398054B2 (ja) 単独運転検出装置とその方法並びに分散型電源装置
JP2020054091A (ja) パワーコンディショナ、電力システムおよび判定方法
JP2019201503A (ja) 電力変換装置
JP2018068014A (ja) 単独運転検出装置及びパワーコンディショナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5418079

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250