JPH0946897A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JPH0946897A
JPH0946897A JP7188800A JP18880095A JPH0946897A JP H0946897 A JPH0946897 A JP H0946897A JP 7188800 A JP7188800 A JP 7188800A JP 18880095 A JP18880095 A JP 18880095A JP H0946897 A JPH0946897 A JP H0946897A
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power
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JP7188800A
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Hiroo Konishi
博雄 小西
Masahiko Amano
雅彦 天野
Masashi Nishimura
正志 西村
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】直流電流の振動に対し、定電流制御回路の制御
動作を悪化させることなく振動を抑制することのできる
電力変換装置を提供することにある。 【構成】電力変換装置において、直流回路の電流を所定
値に保つ定電流制御回路,直流回路の電圧を所定値に保
つ定電圧制御回路,インバータ運転時の余裕角を規定値
に保つための余裕角制御回路,直流電流の振動にダンピ
ングを掛けるための振動抑制回路,この信号をオンオフ
するためのスイッチ回路,該定電流,該定電圧制御回路
と該余裕角制御回路の出力の最適値を選択する信号選択
回路、この出力と前記スイッチ回路の出力を加算する回
路とを備える。 【効果】常時の電流制御回路の動作に悪影響を与えるこ
となく直流電流の振動を効果的に抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力変換装置により、特
に交流系統に接続された直流送電系統を安定に運転する
のに好適な電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流送電用電力変換装置は、通常、交流
を直流に変換する順変換運転を行う電力変換器で規定の
送電電力となるように直流回路の電流を制御し、直流を
交流に逆変換するインバータ運転を行う電力変換器で直
流回路の電圧を指定の値に制御する。このため該電力変
換装置には、電流制御回路と電圧制御回路及びインバー
タ運転時の電圧制御回路のバックアップとして、交流系
統事故により交流電圧が低下した場合や、直流送電線事
故により直流電流が増加した場合に、インバータを安定
動作させるために交流電圧(転流電圧)と直流電流に基
づいて、転流動作に必要な最小の余裕角を保つための制
御角を演算する余裕角制御回路が備えられている。そし
て電力変換器の順変換運転またはインバータ運転の状態
に応じて、これらの制御回路が切り換えられる構成とな
っている。
【0003】最近、電力変換器を構成するサイリスタ素
子の大容量化に伴って、大容量の電力変換器が製作可能
になってきた。このため直流送電電力も大きくなり、変
換装置容量に対して相対的に交流系統が弱くなる傾向が
幾つもの直流送電システムで見受けられるようになって
きた。
【0004】弱い交流系統に接続された直流送電設備で
は、交流系統事故時の直流送電電力の回復が遅くなると
か、電力変換装置停止時に交流電圧に過電圧が発生しや
すくなると言った問題がある。また、電力変換装置の発
生する高調波が増幅されて電力変換装置の安定運転が難
しくなると言った問題の発生もある。前者の問題に対し
ては特許1161562 号にあるように、系統事故時にも電力
変換装置に適切な位相の制御パルスを与えることのでき
る位相制御装置により、交流系統事故時にも電力変換装
置の運転を停止することなく運転継続を行う方法が考え
られている。また後者については文献“P. S. Bodger,
et al. IEEE PD,Vol.5,No.4 (1990.1
1)”に記載されているように直流電流の振動成分を検
出して、これを位相補償したダンピング信号を作成し、
この信号を制御角指令値に加算して直流電流の振動にダ
ンピングを掛ける方法が報告されている。しかしダンピ
ング制御回路の出力を常に付加すると、常時の電流制御
回路に悪影響を与え、電流制御のレスポンスを悪くした
り、軸ねじれ現象を逆に拡大するといった問題が新たに
発生し、直流電流の振動に対して抑制回路の設計が非常
に難しくなるとか、振動抑制回路で十分な抑制が行えな
いといった現象があった。
【0005】また、別な振動を抑制する手段として特開
平6−225457 号に示されたように、電力系統の運転状態
データを取り込み、固有値解析を行って軸ねじれ振動の
有無を判定して、直流電圧,電流設定値,制御角リミッ
ト値を変更する方法があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】弱い交流系統に接続さ
れた直流送電設備で、電力変換器の発生する高調波が増
幅されて電力変換装置の安定運転が難しくなる問題の対
策として、直流電流の振動成分を検出して、これを位相
補償した信号を作成し、この信号を制御角指令値に常に
加算して直流電流の振動にダンピングを掛ける方法が報
告されている。しかし、この振動抑制回路を常時使用す
ると、変換器の基本制御である定電流制御回路の動作に
悪影響を及ぼす。これは定電流制御回路が直流電流の直
流分をメインに制御しているのに対し、振動抑制回路は
直流電流から振動分を検出して直流電流振動にダンピン
グ掛けているが、この振動抑制回路が直流分に対しても
応動し、定電流制御回路の動作を悪くすることによる。
また、逆に電流制御の基本特性に影響を与えないような
振動抑制回路を設計すると、振動抑制効果が薄くなると
いった問題がある。この問題は直流電流の振動周波数が
低くなるほど難しくなる。
【0007】反対にこの振動抑制回路を付加しない場合
は、直流電流の振動が大きい場合は保護リレーが動作
し、直流系統が停止して交流系統事故時も運転継続が行
えないとか、運転継続が行えても直流電流の振動によっ
て事故時の電力回復が遅くなると言った問題があり、振
動の抑制は必要である。
【0008】また、固有値解析による振動抑制方法では
この固有値解析を動作点周りで線形化して解くため、実
際の非線形状態にある実系統では動作点が時間と共に変
動してしまい、正確な振動抑制が行えないおそれが存在
した。
【0009】本発明の目的は、交流系統事故時等をトリ
ガーにして発生する直流電流の振動に対し、基本制御で
ある定電流制御回路の制御動作を悪化させることなく直
流電流の振動を確実に抑制することのできる直流送電用
電力変換装置の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、直流電力系統と第1の交流電力系統とを連結する第
1の電力変換器と、直流電力系統と第2の交流電力系統
とを連結する第2の電力変換器とを備えた電力変換装置
において、第1の電力変換器または第2の電力変換器に
直流電力系統の電流状態を所定値に保つ定電流制御回路
と、直流電力系統の電圧状態を所定値に保つ定電圧制御
回路と、定電流制御回路と定電圧制御回路との出力のう
ちの最適値を選択する信号選択回路と、直流電力系統の
直流電流の振動にダンピングを掛けるための振動抑制回
路と、信号選択回路からの出力に振動抑制回路からの出
力を加算するスイッチ手段とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明ではこのスイッチ手段を動作
させるためにこの電力変換器が順変換運転で、かつ直流
電流の振動が規定値よりも大きくなったことを検出する
アンド条件検出手段を設ける。
【0012】さらに、本発明では振動抑制手段を電流の
振動成分を検出するバンドパスフィルタ手段,位相補償
手段及びゲイン調整手段を備えて構成する。
【0013】
【作用】定電流制御手段は、電力変換装置が順変換運転
時に直流回路の電流を指定の一定に保つための制御角を
指令する。定電圧制御手段は、電力変換装置がインバー
タ運転時に直流回路の電圧を指定の一定値に保つための
制御角を指令する。余裕角制御手段は、電力変換装置が
インバータ運転となったときに、余裕角を常に規定の最
小余裕角に保つための制御角を指令する。信号選択手段
は電力変換装置が順変換運転、またはインバータ運転に
応じて、通常動作時に電力変換装置が順変換運転時には
前記定電流制御手段、またインバータ運転時には前記定
電圧制御手段の選択を行う。また、電力変換装置がイン
バータ運転時に系統事故等にインバータの余裕角が不足
した場合は前記余裕角制御手段の出力を選択する。ここ
で選択された信号が該電力変換装置の制御角指令値とな
る。
【0014】バンドパスフィルタ手段は直流電流を入力
として直流電流に含まれる特定の振動成分(周波数成
分)の大きさを検出する。位相補償手段は検出された振
動成分の信号の位相を補償し、さらにゲイン調整手段に
より位相補償された信号がゲイン倍されて前記制御角指
令値に加算され、直流電流の振動にダンピングを掛ける
ようになっている。前記スイッチ手段は該電力用変換装
置が順変換運転でかつ直流電流の振動が規定値よりも大
きくなったことを検出するアンド条件検出手段により動
作するので、直流電流の振動が小さいときや該変換器が
インバータ運転しているときには、振動抑制手段は該電
力変換器の制御手段から切り離されている。従って通常
運転時の電流制御手段の動作に悪影響を与えることはな
い。逆に、直流電流の振動が規定レベルよりも大きくな
った場合は順変換運転の電力変換器の制御回路の制御角
指令値に振動抑制手段のダンピング信号が加算され、高
速に直流電流振動の抑制が行える。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図1に示す。番号に従って
説明すると、10は交流系統1、20は交流系統2、3
1,32は変換用変圧器、41,42は交流を直流また
は直流を交流に変換する電力変換器、51,52は直流
電流を平滑する直流リアクトル、60は直流送電線であ
るが、直流送電設備でなく直流送電線のない非同期連系
設備の場合でも良い。701は直流回路の電流を検出す
る直流電流変成器、71は直流電流変成器701の出力
を受けて、電力変換器42に流れる電流を規定の値に保
つための定電流制御回路、702は直流リアクトル51
の送電線側の直流電圧を検出する直流電圧変成器、72
はこの直流電圧検出値を受けて、この電圧を規定の一定
値に保つための定電圧制御回路、73はインバータの余
裕角を規定値に保つための余裕角制御回路、74は前記
定電流制御回路71の出力と定電圧制御回路72と余裕
角制御回路73の出力信号を受け、このうちの適切な出
力を選択する信号選択回路、75は信号選択回路74で
選択された信号と後述するスイッチ回路82の出力を加
算する加算器、76は加算器の出力信号の大きさに比例
した位相のパルスを出力するパルス位相制御回路で、出
力パルスは電力変換器41の制御パルスとなる。81は
前記直流電流変成器701の出力を受け直流電流に含ま
れる振動成分を検出し、これを抑制するための制御角指
令を出力する振動抑制信号作成回路、82はこの出力信
号を以下に述べる条件でスイッチングするスイッチ回路
である。このスイッチングを行う条件を作成する回路
は、前記直流電流変成器701の出力から直流電流に含
まれる振動成分を検出する振動成分検出回路83と、こ
の検出値が規定レベル以上となったことを検出するレベ
ル比較器84、及びこのレベル比較器の出力と電力変換
器41が順変換器運転であることを示す信号とのアンド
条件をとるアンド回路85から構成される。
【0016】動作は直流電流の振動成分が規定値、例え
ば定格直流電圧の10%以上となったときにレベル比較
器84の出力が“1”となり、電力変換器41が順変換
器運転のとき“1”となりアンド条件が成立してアンド
回路85の出力が“1”となりスイッチ回路82を閉じ
た状態となり振動抑制信号作成回路81の出力信号を出
力し、加算器75に信号を導く。従って直流電流の振動
成分が規定値以上であっても電力変換器41がインバー
タ運転のときには振動抑制信号作成回路81の出力信号
は加算器75に加算されない。
【0017】これと同じ制御回路が相手端の電力変換器
42にも備わっているものとする。いま、電力変換器4
1が順変換器運転、42がインバータ運転している場合
を考える。直流電流に振動がない、または振動があって
も振動の大きさが規定値以下の場合はアンド回路85の
出力は“0”でありスイッチ回路82は開いており振動
抑制信号作成回路81の出力は加算器75には出てこな
いので、振動抑制は動作しない。交流系統で1線地絡事
故等が発生し、これがトリガーとなって直流電流がある
周波数で振動し始め、これが規定値を超えると、順変換
器運転の電力変換器41の制御回路ではアンド条件が成
立し、振動抑制回路が動作する。振動抑制回路の動作に
より振動が抑制され、直流電流の振動の大きさが規定値
以下となるとアンド条件が成立しなくなり、振動抑制は
働かなくなる。規定値以下の直流電流の振動は定電流制
御等の従来の制御回路の動作により減衰することを期待
するものである。インバータ運転の変換器で振動抑制回
路を動作させないのは、制御角の指令値を振動抑制回路
により振ることによって変換器の転流失敗の発生が懸念
され、これを避けるためである。転流失敗を生じると振
動の抑制が行えず、逆に振動が助長されることになる 次に振動抑制がどのようにして行われるかを図2を用い
て説明する。図2は振動抑制回路のループをブロックで
表した図である。前図と同じ番号のブロックは同じ機能
を表している。まず振動抑制信号作成回路81は直流電
流検出値を入力として直流電流に含まれる振動成分を検
出する振動成分検出回路801と検出された信号の位相
を調整する位相補償回路802とゲイン調整回路803
から構成される。401は電力変換器41の伝達ブロッ
ク、601は直流送電回路の伝達ブロックであり、出力
は直流電流を表す。入力の直流電流検出値に振動成分が
のりこれが例えばバンドパスフィルタで構成される振動
成分検出回路801によって検出される。この振動成分
が規定値以上の場合には順変換器運転を行っている制御
回路のスイッチ回路82が閉じられているので、振動抑
制信号作成回路81で作られた信号が加算器75で加算
され、パルス位相制御回路76の出力パルスの位相を振
動抑制信号に応じて振る。このため電力変換器によって
電力変換器伝達ブロック401の出力電圧が振られ、こ
のため直流送電回路の伝達ブロックの出力の直流電流が
振れる。直流電流の振れる振動の位相が入力の直流電流
の位相と180度位相差が出るように設けられているた
め、入力の直流電流の振動に対して位相が反転した直流
電流の振動が発生させられることになるので、直流電流
の振動は抑えられることになる。このループの位相を1
80度に調整するために位相補償回路802が備わって
いる。一般に、直流電流振動の周波数は交流系統のイン
ピーダンス特性と直流送電システムの特性によって決ま
る固有のものであり、バンドパスフィルタ801の中心
周波数や位相補償回路802の位相補償特性は固定に設
定したもので良い。
【0018】この構成によって常時の電流制御系の動作
に悪影響を与えることなく直流電流の振動を効果的に抑
制することができる。また電流の振動が抑えられるので
事故除去時の電力を高速に回復させることができる。
【0019】図3に本発明の他の実施例を示す。図1に
おいては振動抑制信号作成回路81の出力を加算するス
イッチング動作の成立条件は、直流電流に含まれる振動
成分を検出する振動成分検出回路83と、この検出値が
規定レベル以上となったことを検出するレベル比較器8
4から検出された信号と、電力変換器が順変換器運転で
あることを示す“REC信号”のアンド条件によって行
っていたが、直流電流に含まれる振動成分の検出は振動
抑制信号作成回路81の振動成分検出回路801の出力か
らも得ることができる。振動成分検出回路801の出力
信号をレベル比較器84に導きアンド回路85の入力と
したのが図3である。この構成によっても図1と同様の
効果が得られ、図1に比べて回路構成が簡単となるメリ
ットがある。
【0020】図4に本発明のもう1つの実施例を示す。
図4ではスイッチ回路82の閉じる動作条件を電力変換
器の順変換器運転の条件のみとしており、図3のゲイン
調整回路803の変わりに不感帯を持ったゲイン調整器
804を備えている。この不感帯の幅を直流電流振動の
規定値に設定して置くことにより、前図と同様の効果を
得ることができる。即ち、直流電流の振動が規定値以下
の場合にはゲイン調整器804の不感帯の中にあり出力
は零である。振動が規定値を超えるとゲイン調整器80
4のゲイン特性に従ってゲイン倍された信号が出力さ
れ、電力変換器が順変換器運転している制御回路ではス
イッチ回路82から振動抑制信号が出力され、加算器7
5に導かれ、振動抑制回路が動作する。
【0021】この構成によっても常時の電流制御系の動
作に悪影響を与えることなく直流電流の振動を効果的に
抑制することができる。また電流の振動が抑えられるの
で事故除去時の電力を高速に回復させることができる。
【0022】図5に本発明のもう1つの実施例を示す。
図5は図4と同様にスイッチ回路82の閉じる条件は電
力変換器の順変換器運転のみとなっている。またゲイン
調整回路803が直流電流の振動の大きさによって変化
する構成となっている。805は振動成分検出回路80
1の出力の振動の大きさに応じたゲインを出力するゲイ
ン発生器で、例えば検出された直流電流の振動の大きさ
に対してゲイン定数がテーブル化されており、これを読
み出すものである。806は掛け算器で読み出されたゲ
イン定数と振動成分検出信号の位相補償された信号を掛
けあわせスイッチ回路に導く。電力変換器が順変換器動
作を行っている場合には振動抑制信号が加算器75に加
算され、振動を抑制する。ゲイン発生器の特性としては
振動が小さいときにはゲインを小さくし、振動が大きく
なるとゲインを大きくするように、ゲインを入力に対し
て非線形にかつ連続的に変えることができる。
【0023】この構成によっても常時の電流制御系の動
作に悪影響を与えることなく直流電流の振動を効果的に
抑制することができる。また電流の振動が抑えられるの
で事故除去時の電力を高速に回復させることができる。
【0024】図6に本発明のもう1つ他の実施例を示
す。図6は図1とほぼ同様な構成であるが、定電圧制御
回路72にダイナミックなリミッタを持った定電圧制御
回路77が備わっている点が図1と異なる。これは、直
流電流の振動があると、余裕角制御回路の動作により、
直流電流制御特性が悪影響を受けるのでこれを防止する
ために対策された構成となっている。即ち、事故除去時
等、直流電流の振動が大きくなる場合は一般にインバー
タ運転の電力変換器では前記信号選択回路74によって
余裕角制御回路73が選択されている。一般に余裕角制
御回路では以下の式に従い制御角αを計算する。
【0025】
【数1】
【0026】ここに β:制御進み角 γ:余裕角 X:転流リアクタンス Id:直流電流 Eac:交流電圧
【0027】
【数2】 α=π−β …(数2) 制御進み角βの計算には直流電流Idが考慮されてお
り、直流電流に振動がのって制御進み角βの値が変動す
ると、電力変換器を制御する制御角指令値αが変動し、
制御パルスが振動に応じて変動する。このためインバー
タ側の直流電圧が振動成分に応じて振られることにな
り、余裕角制御回路の応答速度にもよるが直流電流の振
動を助長することになる。定電流制御回路では直流電流
の値を指定値Ip一定に保とうと制御するが、インバー
タ側の直流電圧を振ることによって邪魔することにな
る。順変換器とインバータ両方で直流電流に関係した電
気量を制御することになることが原因である。対策とし
てはできるだけ早くインバータで直流電流に直接関係し
ない直流電圧制御回路を動作させることである。
【0028】一般にインバータで余裕角制御回路が動作
しているときには定電圧制御回路は直流電圧が低くなっ
ているので飽和している。この飽和を解除し、電圧制御
回路をアクティブにするためには飽和の原因となる電圧
制御回路のリミッタの値を固定の一定値、例えば160
度とするのでなく、状態に応じてダイナミックに変化さ
せてやれば良い。直流電圧Vdと制御角αの関係はよく
知られているように近似的に次式で表される。
【0029】
【数3】 Vd=k・Eaccosα …(数3) ここに k:定数 従って直流電圧が低下した場合は直流電圧の低下幅に応
じて制御角αのリミッタの値を設定してやると定電圧制
御回路の飽和からの戻りが早くなり順変換器の定電流制
御回路の動作が安定となる。即ち直流電圧低下時のリミ
ッタ値として以下の値を考えれば良い。
【0030】
【数4】
【0031】ここに Δα:リミッタマージン 上式の値αlim するブロックが図6中のリミッタ値演算
回路78である。入力を直流電圧と交流電圧の値とする
が、図には直流電圧のみの入力しか示しておらず、交流
電圧の検出回路は省略している。交流電圧は3相の電圧
実行値を検出し入力する。このリミッタ値演算回路78
の出力はリミッタ付きの定電圧制御回路77に導かれ、
該回路のダイナミックリミッタを作る。
【0032】この回路構成によっても図1同様、電流振
動抑制回路が常時の電流制御回路の動作に悪影響を与え
ることなく、直流電流振動発生時は電流振動を効果的に
抑制することができる。かつ電流の振動が抑えられるの
で事故除去時の電力を高速に回復させることができる。
さらに定電圧制御回路の動作が早くなるので余裕角制御
回路の動作による電流制御回路への悪影響を少なくでき
る。
【0033】
【発明の効果】電流振動抑制回路が常時の電流制御回路
の動作に悪影響を与えることなく、直流電流振動発生時
は電流振動を効果的に抑制することができる。かつ電流
の振動が抑えられるので事故除去時の電力を高速に回復
させることができる。さらに定電圧制御回路の動作が早
くなるので余裕角制御回路の動作による電流制御回路へ
の悪影響を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流送電制御装置のブロック図。
【図2】図1の電流振動抑制回路のブロック線図。
【図3】本発明の他の実施例を示す電流振動抑制制御回
路のブロック図。
【図4】本発明の他の実施例を示す電流振動抑制制御回
路のブロック図。
【図5】本発明の他の実施例を示す電流振動抑制制御回
路のブロック図。
【図6】本発明のもう1つの実施例を示す直流送電制御
装置のブロック図。
【符号の説明】
10,20…交流系統、31,32…変換用変圧器、4
1,42…電力変換器、51,52…直流リアクトル、
60…直流送電線、71…定電流制御回路、72…定電
圧制御回路、73…余裕角制御回路、74…信号選択回
路、75…加算器、76…パルス位相制御回路、77…
ダイナミックリミッタ付き定電圧制御回路、81…振動
抑制信号作成回路、82…スイッチ回路、83…振動成
分検出回路、84…レベル比較器、85…アンド回路、
401…電力変換器41の伝達ブロック、601…直流
送電回路の伝達ブロック、701…直流電流変成器、7
02…直流電圧変成器、801…振動成分検出回路、8
02…位相補償回路、803…ゲイン調整回路、804
…不感帯を持ったゲイン調整器、805…ゲイン発生
器、806…掛け算器、α…制御角、β…制御進み角、
γmin …最小余裕角、X…転流リアクタンス、Id…直
流電流、Eac…交流電圧、Vd…直流電圧、k…定数、
Δα…リミッタマージン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02J 1/02 7346−5G H02J 1/02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電力系統と第1の交流電力系統とを連
    結する第1の電力変換器と、 前記直流電力系統と第2の交流電力系統とを連結する第
    2の電力変換器とを備えた電力変換装置において、 前記第1の電力変換器または第2の電力変換器に前記直
    流電力系統の電流状態を所定値に保つ定電流制御回路
    と、 前記直流電力系統の電圧状態を所定値に保つ定電圧制御
    回路と、 前記定電流制御回路と前記定電圧制御回路との出力のう
    ちの最適値を選択する信号選択回路と、 前記直流電力系統の直流電流の振動にダンピングを掛け
    るための振動抑制回路と、 前記信号選択回路からの出力に前記振動抑制回路からの
    出力を加算するスイッチ手段とを備えたことを特徴とす
    る電力変換装置。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の電力変換装置におい
    て、 前記スイッチ手段は前記電力変換器が順変換運転で、か
    つ前記直流電力系統の直流電流の振動が規定値よりも大
    きくなった時に、前記信号選択回路からの出力に前記振
    動抑制回路からの出力を加算することを特徴とする電力
    変換装置。
  3. 【請求項3】請求項第1項記載の電力変換装置におい
    て、 前記振動抑制回路は、電流の振動成分を検出するバンド
    パスフィルタ,位相補償回路及びゲイン調整回路から構
    成されることを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】請求項第3項記載の電力変換装置におい
    て、 前記ゲイン調整回路のゲインは直流電流振動成分の大き
    さに応じて変化することを特徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】請求項第3項記載の電力変換装置におい
    て、 前記ゲイン調整回路のゲイン特性に不感帯を設けること
    を特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】請求項第3項記載の電力変換装置におい
    て、 前記ゲイン調整回路のゲイン特性は直流電流振動成分の
    大きさに対して非線形特性を持たせたことを特徴とする
    電力変換装置。
  7. 【請求項7】請求項第3項記載の電力変換装置におい
    て、 前記位相補償回路は直流電流の検出回路から出力に至る
    ループの位相特性が180度遅れとなることを特徴とす
    る電力変換装置。
  8. 【請求項8】請求項第1項記載の電力変換装置におい
    て、 前記定電圧制御回路にダイナミックリミッタを付けるこ
    とを特徴とする電力変換装置。
  9. 【請求項9】請求項第8項記載の電力変換装置におい
    て、 前記定電圧制御回路のダイナミックリミッタは直流電
    圧,交流電圧,直流電流等の電気量に基づき設定するこ
    とを特徴とする電力変換装置。
  10. 【請求項10】請求項第1項記載の電力変換装置におい
    て、 前記信号選択回路は逆変換運転時の余裕角を規定値に保
    つための余裕角制御回路の出力を参照することを特徴と
    する電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102611095A (zh) * 2012-03-08 2012-07-25 中国电力科学研究院 一种用于超/特高压直流输电系统的广域接地方法

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