JP5075775B2 - パルスレーザ用電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エキシマレーザ等のパルスレーザ用電源装置に関し、さらに詳細には、チャンバーにおける放電を安定化することができるパルスレーザ用電源装置に関するものである。
半導体デバイスの高集積化の要求に対応するため、半導体露光装置用光源には、エキシマレーザ装置が用いられている。
近年、露光装置のスループット向上と回路パターンの超微細化のため、特許文献1や特許文献2で示されている、発振段用レーザ及び増幅段用レーザを備えたダブルチャンバシステムで高出力化が計られている。
今後、半導体デバイスの高集積化が進んで32nmノードプロセスになると、露光装置は液浸技術による高NA(1.3〜1.5)化とダブルパターニング等の技術の導入に必要になる。この32nmノード対応露光装置の高スループット化のため、ArFエキシマレーザには、高繰返し周波数(6kHz以上)かつ高出力(60W以上)が要求されている。
エキシマレーザは、レーザチェンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧)に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。
上記レーザ装置において、レーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させるための電源装置の高電圧パルス発生器の構成例を図5に示す。
図5のパルスレーザ用電源装置は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3と昇圧トランスTC1を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSW1でのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
図示しない充電器により主コンデンサC0が充電されている状態で、制御部Cnからの駆動信号によりスイッチSW1がONとなり、磁気アシストSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧Vc0の時間積分値が磁気アシストSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気アシストSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気アシストSR1、昇圧トランスTC1の1次側、スイッチSW1のループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTC1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
コンデンサC1が充電されると、コンデンサC1における電圧Vc1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧Vc2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。 ピーキングコンデンサCpが充電され、その電圧Vcpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、図示しないチャンバー内の主放電電極間で主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
上記磁気パルス圧縮を行った後は、磁気スイッチSR1〜SR3、昇圧トランスTC1のコアの磁気リセットを行う必要がある。
磁気リセットには様々な方法があるが、その一つとしてコアにリセット巻線を設け、このリセット巻線に、主巻線とは逆方向に直流電流を流すリセット回路を設け、このリセット回路により、上記リセット巻線に電流(リセット電流)を流しておく方法がある。
図5に示したものでは、上記磁気スイッチSR1,SR2,SR3、トランスTC1をリセットするためのリセット回路RCが設けられており、該リセット回路RCにより、上記磁気スイッチSR1,SR2,SR3、トランスTC1をリセットする。
すなわち、磁気スイッチSR1,SR2、SR3、トランスTC1のコアには、リセット巻線LR1,LR2,LR3,TR1が巻かれており、リセット巻線LR1,LR2,LR3,TR1はリアクトルL、直流電源Eに直列に接続されている。
そして、上記リセット巻線LR1,LR2,LR3,TR1にリセット電流Irを流して磁気スイッチSR1,SR2,SR3、トランスTC1をリセットする。
ここで、上記電源回路においては、インピーダンス不整合により、反射エネルギーが磁気パルス圧縮回路を逆方向へ進行し、電圧の振動が発生する。このような問題を解決するため、例えば特許文献3に示されるように、反転エネルギーを回生する回生回路を設けることが行われている。
図5においては、回生トランスTC2、ダイオードD1から構成される回生回路が設けられ、この回生用トランスTC2を介して反転エネルギーの回生を行う。
回生トランスTC2の1次側はコンデンサC1と並列に接続され、回生トランスTC2の2次側には、ダイオードD1が直列に接続され、この2次側コイルとダイオードD1とからなる直列回路は、主コンデンサC0に直列に接続される。
上記回生回路は次のように動作する。
固体スイッチSW1がオンになると、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行が開始し、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながら移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。
ピーキングコンデンサCpの充電により、放電が開始され、以後、前記したように、反射エネルギーにより、パルス圧縮とは逆方向に電流が移行しコンデンサC2,C1が充電される。
反射エネルギーによりコンデンサC1が充電されると、この電圧は回生トランスTC2の2次側に発生し、回生トランスTC2の2次側に設けられたダイオードD1、主コンデンサC0の直列回路に印加される。このため、主コンデンサC0は初期充電時と同極性となるように充電される。すなわち、反射エネルギーが主コンデンサC0に回生される。
上記のような磁気パルス圧縮回路を用いた電源回路は、比較的簡単な回路構成によって高速パルス電圧が得られる利点があるが、負荷からの反射エネルギーの処理において充分でなく、放電後の残留電圧により放電が不安定になるという問題があった。
このような問題に対処するため、例えば、特許文献3、特許文献4に記載のものでは、ダイオード、あるいは抵抗とダイオードを回路上に挿入し、残留電圧を抑制していた。
特開2001−24265号号公報 特開2004−342964号公報 特開2003−249704号公報 特開平4−193073号公報 特開平11−112300号公報
エキシマレーザの高繰り返し化を行うためには、チャンバーの放電を安定化させる必要があるが、放電後Vcp電圧をプラス側に印加しないようにすることが、放電を安定のために望ましいことが経験的に分かっている。放電後の残留電圧は、パルスレーザ用電源装置の磁気コアリセットのために印加される電圧が影響している。
この問題は、シングルチャンバのレーザ装置だけでなく、発振段用レーザ及び増幅段用レーザを備えたダブルチャンバシステムのレーザ装置においても、同様の問題が発生し、対策を講ずる必要がある。
図6に磁気リセット時の放電チャンバの電極間に印加される電圧のタイムチャートを示す。なお、同図の縦軸はピーキングコンデンサCpの電圧Vcpを示し、横軸は時間tであり、同図は6kHz動作時の電圧Vcpの変動を示している。
同図に示すように、負の高電圧パルスが発生して放電電極間に放電が発生したのち(同図の(1) 放電タイミング)、電圧Vcpは反転して上昇する。
そして、磁気スイッチSR1,SR2,SR3、トランスTC1のリセットが完了すると(同図(2) 最終磁気リセット完了タイミング)、電圧Vcpは振動しながら減衰する(同図(3) の残留エネルギーの減衰期間)。
上記電源回路において、主放電の繰返し周波数を高くし、高繰り返し動作を行っていくには、可飽和リアクトル、トランスのリセット時間も短くする必要がある。
しかし、リセット時間、周期が短くなると、放電後のチャンバー(放電電極間)に印加されるプラス側の電圧が大きくなり高周波放電動作が不安定になる。
なお、同図において、例えば主放電の繰り返し周波数は6kHz、放電周期は166.7μsであり、1点鎖線は次の放電周期を示している。
すなわち、主放電の繰返し周波数を高くし、高繰り返し動作を行うと、以下の問題が生ずる。
高周波動作を行うと、各可飽和リアクトル、トランスの磁気リセットも早く終了させる必要があるが、リセットを早く終了させるには各可飽和リアクトル等の磁気リセットを早く終了させることになる。
リセット動作は、コアの両端コンデンサの電位差を主転送時とは反対方向に印加させることにより行っている。リセットを早くするということはコアの両端電位差を大きくすることである。このため放電後のチャンバーに印加されるプラス側の電圧が大きくなる。
この点についてさらに説明する。
リセットの順番は、コアのVt積が小さい順に終了していく。図5の回路では、SR3→SR2→TC1の順番である。
リセットが完了すると可飽和リアクトル両端は、周波数が小さい(周期が長い)成分では、インピーダンスが小さくなる。例えば磁気スイッチSR3のリセットが終了すると、その両端のコンデンサC2、Cpがインダクタンスなしで接続された状態となる。容量としてはC2//Cpの並列合成容量として機能する。
このため、磁気スイッチSR2のリセット終了時は、コンデンサC1、C2、Cpは並列に接続された状態となる。トランスTC1のリセット動作時はコンデンサC1に電圧が印加される。
すなわちC1//C2//Cpの合成容量に電圧が印加されている状態でリセットが行われている。このためこの間は、放電チャンバの放電部に印加される電圧は、ピーキングコンデンサCpの電圧Vcpと同等であり、C1//C2//Cpの合成容量に印加される電圧となる。この電圧は次回放電に影響を与えるので、上限値以下に抑える必要がある。
以上のように、リセット動作を早く終了させるためには、コア両端の印加電圧を高くする必要があり、結果としてチャンバの放電部に印加される残留電圧が高くなっていく。高周波放電動作を安定化させるためには、この残留電圧を抑え、放電後Vcp電圧をプラス側に印加しないようにすることが望ましい。
上記放電後のチャンバーに印加されるプラス側の電圧が大きくなるという問題は、昇圧トランスTC1のリセット動作時の印加される電圧が問題であるが、従来においては、昇圧トランスTC1のリセット電流値の最適値を確認し、リセット巻線数等で調整を行っていた。
しかし、高繰り返し動作を行うために物理的にリセット時間を早くする必要がある。このためには、昇圧トランスTC1に印加される電圧を大きくしなければならず、電圧が上限値を超えることになる。
さらに、前記図5に示したように、リセット巻線にリセット電流を流しておくリセットする方法の場合、リセット回路が共通のため、可飽和リアクトル等のコアへの個別の注入エネルギーをきめ細かく制御できない。また、放電チャンバーの放電部からの戻りエネルギー(放電チャンバー内で消費されないエネルギー)の影響でコアの初期リセット点が変わると、リセット時間の数値を設計的に求めることも困難である。
このため、自動的に各コアのリセットの順番がSR3→SR2→TC1という順番に固定されていた。
なお、従来においては、動作周波数が遅いためリセット時間を早くする必要がなく、許容値を超える場合は、前記特許文献3,4に記載されるような方法でピーク値を抑えていれば、充分であった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、放電後に放電電極間に逆方向に印加される残留電圧を抑制し、チャンバーにおける放電を安定化することである。
本発明においては、磁気圧縮回路の磁気コアのリセットにより生ずる電圧ピーク値が上昇しないように、ツェナーダイオード等の電圧制限素子からなる電圧制限回路により、この電圧をクリップさせる。また、チャンバーの放電部からの反射エネルギーが電圧制限回路に流れないように、上記電圧制限回路に直列にスイッチを設けて、通流時間を制御する。
これにより、放電後に放電電極間に逆方向に印加される残留電圧を抑制し放電後に、放電電極間に逆方向の残留電圧が印加されるのを抑制することができる。
また、昇圧トランスに三次巻線を設け、この巻線に上記電圧制限回路を接続して、クリップするようにしてもよい。上記三次巻線の巻数を適切に設定することにより、上記電圧制限回路を低電圧化することができ、これにより、電圧制限回路に耐圧の低い素子を使用することも可能となる。
なお、昇圧トランスのリセット動作を行わせるためには、一定電圧でクリップさせる必要があり、全ての磁気リセットエネルギーを吸収させてはならない。
すなわち、本発明においては、上記課題を次のように解決する。
(1)主コンデンサに充電された電圧が一次側に印加されるトランスと、該トランスの2次側に接続され、可飽和リアクトルと転送コンデンサからなる磁気圧縮回路と、リセット巻線にリセット電流を流すことによりコアを逆励磁して、上記トランスと可飽和リアクトルの磁気リセットを行なうリセット回路と、負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路と、を備えたパルスレーザ用電源装置において、上記トランスの二次側に並列に、磁気リセット完了時の残留エネルギーによる放電チャンバー印加電圧を抑制するための電圧制限素子、ダイオード及び、スイッチの直列回路を接続する。上記スイッチは、少なくとも上記回生回路の動作時にオフとなり、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐ。
(2)主コンデンサに充電された電圧が一次側に印加されるトランスと、該トランスの2次側に接続され、可飽和リアクトルと転送コンデンサからなる磁気圧縮回路と、リセット巻線にリセット電流を流すことによりコアを逆励磁して、上記トランスと可飽和リアクトルの磁気リセットを行なうリセット回路と、負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路と、を備えたパルスレーザ用電源装置において、上記トランスに、三次巻線を設け、該三次巻線に電圧制限素子または抵抗、ダイオード及び、スイッチ、の直列回路が接続する。上記スイッチは、少なくとも上記回生回路の動作時にオフとなり、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐ。
(1)本発明においては、磁気圧縮回路の昇圧トランスの二次側に並列に、磁気リセット完了時の残留エネルギーによる放電チャンバー印加電圧を抑制するための電圧制限素子を設けたので、放電後に放電電極間に逆方向に印加される残留電圧を抑制し、チャンバーにおける放電を安定化することができる。
また、電圧制限素子に直列にダイオード、スイッチを接続することにより、主転送電流のブロック、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐことができる。
(2)磁気圧縮回路の昇圧トランスに三次巻線を設け、該三次巻線に電圧制限素子または抵抗、ダイオード及び、スイッチ、の直列回路が接続することにより、放電後に放電電極間に逆方向に印加される残留電圧を抑制し、チャンバーにおける放電を安定化することができる。また、主転送電流のブロック、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐことができる。なお、電圧制限素子の代わりに抵抗を用いることで、安価に構成することもできる。
さらに、三次巻線を設けているので、三次巻線の巻数を適切に設定することにより、三次巻線側の電圧変換をして、低電圧化を図ることができる。このため、上記電圧制限素子または抵抗を含む回路を低電圧化することができる。
図1は本発明の第1の実施例のパルスレーザ用電源回路の高電圧パルス発生器の構成を示す図である。
図1は前記図5に示したパルスレーザ用電源回路の昇圧トランスTC1の2次側に、に並列にダイオードD2、電圧制限素子であるツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の直列回路(電圧制限回路)を接続したものであり、その他の構成は前記図5に示したものと同様である。
すなわち、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3と昇圧トランスTC1を用いた2段の磁気パルス圧縮回路と、上記磁気スイッチSR1,SR2,SR3、トランスTC1をリセットするためのリセット回路RCと、回生トランスTC2、ダイオードD1から構成される回生回路を有する。
そして、前述したように、2段の磁気圧縮回路でパルス圧縮動作が行なわれ、ピーキングコンデンサが充電され、この電圧がブレークダウン電圧に達すると、チャンバ内の主放電電極間で主放電が開始し、レーザ光が発生する。
放電後、リセット回路RCにより、磁気コアのリセットが行われるとともに、反射エネルギーが主コンデンサC0に回生される。
制御部Cnは、前記したようにスイッチSW1がONとして、パルス圧縮動作を開始させるとともに、スイッチSW2を少なくとも回生回路の動作時にオフとし、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐ。
上記電源回路は、シングルチャンバのレーザ装置の電源回路に用いることができるが、前記した発振段レーザと増幅段レーザを有するダブルチャンバシステムの電源装置に適用することもできる。
ここで、上記リセット動作について説明する。
放電後、リセット回路RCにリセット電流が流れることにより、ピーキングコンデンサCpに充電されていた電荷はコンデンサC2に移行し、コンデンサC2の電圧が上昇する。これにより、可飽和リアクトルSR3には、(Vc2−Vcp)の電圧が印加され、VT積である(Vc2−Vcp)×tが一定値に達すると可飽和リアクトルSR3のコアがリセットされる。同様に、リセット電流が流れることにより、同図のBの方向に電流が流れ、コンデンサC2に充電されていた電荷がコンデンサC1に移行し、コンデンサC1の電圧が上昇する。これにより、可飽和リアクトルSR3には、(Vc1−Vc2)の電圧が印加され、VT積である(Vc1−Vc2)×tが一定値に達すると可飽和リアクトルSR2のコアがリセットされる。
さらに、コンデンサC1が充電されることにより、昇圧トランスTC1にVc1が印加され、このVT積が一定値に達すると昇圧トランスTC1のコアがリセットされる。
磁気圧縮回路においてVT積は、通常、可飽和リアクトルSR3<SR2<昇圧トランスTC1の順に設定されているので、可飽和リアクトルSR3→SR2→昇圧トランスTC1の順にリセットされることになる。
本実施例では、図1に示すように、昇圧トランスTC1の2次側に並列にダイオードD2、ツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の直列回路からなる電圧制限回路が接続されている。これにより、最終磁気リセット完了後の残留電圧のピーク値を抑制することができ、チャンバーの主放電を安定化することができる。
図2は、磁気リセット時に放電チャンバの電極間に印加される電圧のタイムチャートである。なお、同図の縦軸はピーキングコンデンサCpの電圧Vcpを示し、横軸は時間tであり、同図は6kHz動作時の電圧Vcpの変動を示す。また、破線は従来の電源回路における電圧変動波形を示し、実線は本実施例における電圧変動波形を示す。
同図に示すように、負の高電圧パルスが発生して放電電極間に放電が発生したのち(同図の(1) 放電タイミング)、電圧Vcpは反転して上昇し、磁気コアのリセット動作が行われるが、本実施例では、図1に示すように、ダイオードD2、ツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の電圧制限回路が設けられているため、この電圧の上昇は、電圧上限値(500V程度)に制限される。
ここで、上記電圧制限回路にはダイオードD2が設けられているため、主転送時(磁気パルス圧縮動作時)には、この回路に加わる電圧がブロックされる。
また、上記電圧制限回路に設けられたスイッチSW2は、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐために設けられたものであり、少なくとも回生回路の動作時にオフとなる。例えば、スイッチSW2は、図2に示すように主放電が発生してから10μs後にオンになり、磁気リセット終了までの約50μsオン状態を持続する。
上記磁気コアのリセット完了後、図2に示すように、電圧Vcpは振動しながら減衰する(同図(2) の残留エネルギーの減衰期間)。
図3は本発明の第2の実施例のパルスレーザ用電源回路の高電圧パルス発生器の構成を示す図である。
図1では、昇圧トランスTC1の2次側に並列にダイオードD2、電圧制限素子であるツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の直列回路(電圧制限回路)を接続しているが、本実施例では、昇圧トランスTC1に三次巻線TCL3を設け、この三次巻線にダイオードD2、電圧制限素子であるツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の直列回路である電圧制限回路を設けたものである。
これにより、第1の実施例と同様、最終磁気リセット完了後の残留電圧のピーク値を抑制することができ、チャンバーの主放電を安定化することができる。
本実施例では、三次巻線TCL3を設け、この三次巻線にダイオードD2、電圧制限素子であるツェナーダイオードZD1、スイッチSW2の直列回路である電圧制限回路を設けているので、昇圧トランスTC1の一次側、二次側の巻線の巻数に対しする三次巻線TCL3の巻数比を適切に設定することにより、三次巻線TCL3に設けたダイオードD2、電圧制限素子であるツェナーダイオードZD1、スイッチSW2に加わる電圧を小さくすることができる。
したがって、これらの素子として、耐圧の比較的低いものを使用するこが可能であり、図1のものに比べ、安価に構成することができる。
図3では、三次巻線TCL3に、ツェナーダイオードZD1を設けているが、ツェナーダイオードに代えて、図4に示す変形例のように抵抗R1を設けてもよい。
図4に示すように抵抗R1を設け、この抵抗の値を適切に設定することにより、第1の実施例と同様、最終磁気リセット完了後の残留電圧のピーク値を抑制することができ、チャンバーの主放電を安定化することができる。
すなわち、前述したように、チャンバーの放電電極間で放電が発生したのち、電圧Vcpが反転して上昇し磁気コアのリセット動作が行われるが、その際、三次巻線TCL3に設けた抵抗R1に電流が流れエネルギーが消費される。このため、この電圧の上昇を電圧上限値に制限することができる。
本発明の第1の実施例のパルスレーザ用電源回路の高電圧パルス発生器の構成を示す図である。 本実施例において、磁気リセット時に放電チャンバの電極間に印加される電圧のタイムチャートである。 本発明の第2の実施例のパルスレーザ用電源回路の高電圧パルス発生器の構成を示す図である。 本発明の第2の実施例の変形例を示す図である。 パルスレーザ用電源装置の高電圧パルス発生器の構成例を示す図である。 磁気リセット時の放電チャンバの電極間に印加される電圧のタイムチャートを示す図である。
符号の説明
C0 主コンデンサ
SW1 スイッチ
L1 リアクトル
SR1,SR2,SR3 磁気スイッチ
TC1 昇圧トランス
C1,C2 コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
RC リセット回路
TR1,LR1,LR2,LR3 リセット巻線
L インダクタ
E 直流電源
D1,D2 ダイオード
ZD1 ツェナーダイオード
R1 抵抗
SW2 スイッチ
TC2 回生トランス

Claims (2)

  1. 主コンデンサに充電された電圧が一次側に印加されるトランスと、該トランスの2次側に接続され、可飽和リアクトルと転送コンデンサからなる磁気圧縮回路と、
    リセット巻線にリセット電流を流すことによりコアを逆励磁して、上記トランスと可飽和リアクトルの磁気リセットを行なうリセット回路と、
    負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路と、を備えたパルスレーザ用電源装置であって、
    上記トランスの二次側に並列に、磁気リセット完了時の残留エネルギーによる放電チャンバー印加電圧を抑制するための電圧制限素子、ダイオード及び、スイッチの直列回路が接続され、
    上記スイッチは、少なくとも上記回生回路の動作時にオフとなり、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐ
    ことを特徴とするパルスレーザ用電源装置。
  2. 主コンデンサに充電された電圧が一次側に印加されるトランスと、該トランスの2次側に接続され、可飽和リアクトルと転送コンデンサからなる磁気圧縮回路と、
    リセット巻線にリセット電流を流すことによりコアを逆励磁して、上記トランスと可飽和リアクトルの磁気リセットを行なうリセット回路と、
    負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路と、を備えたパルスレーザ用電源装置であって、
    上記トランスには、三次巻線が設けられ、該三次巻線には、電圧制限素子または抵抗、ダイオード及び、スイッチ、の直列回路が接続され、
    上記スイッチは、少なくとも上記回生回路の動作時にオフとなり、放電チャンバーからの戻りエネルギーの通流を防ぐ
    ことを特徴とするパルスレーザ用電源装置。
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