JP5075324B2 - 硬化性フルオロエラストマー - Google Patents
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Description
a)実質的に極性の末端基を有しないビニリデンフルオライド(VDF)ベースのフルオロエラストマー100重量部;
b)硬化促進剤(以下、促進剤ともいう)0.1〜0.35phr、好ましくは0.1〜0.3phr、より好ましくは0.1〜0.15phr;
c)硬化剤1〜15phr、好ましくは1〜10phr、より好ましくは1〜5phr;
d)1以上の無機酸アクセプター、好ましくは2価の金属酸化物2〜20phr、好ましくは
2〜10phr、より好ましくは3〜7phr;
e)1以上の塩基性化合物、好ましくは2価の金属の水酸化物または弱酸の金属塩0〜3phr、好ましくは0〜2phr、より好ましくは0.5〜1phr;
f)充填剤0〜80phr、好ましくは20〜60phr;
g)加工助剤(以下、加工性コアジュバントともいう)0〜3phr、好ましくは0.5〜2phr、より好ましくは0.5〜1phr。
− ヘキサフルオロプロペン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)のようなC2−C8パーフルオロオレフィン;
− トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ブロモトリフルオロエチレンのような、水素および/または塩素および/または臭素および/またはヨウ素を含むC2−C8フルオロオレフィン;
− CF2=CFORf (パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)(ここで、RfはC1−C6(パー)フルオロアルキル、例えば、トリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、ペンタフルオロプロピルである);
− CF2=CFOX パーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(ここで、Xは1以上のエーテル基を有するC1−C12パーフルオロ−オキシアルキル、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである);
− CF2=CFOCF2OCF2CF3(A−III)およびCF2=CFOCF2OCF2CF2OCF3(A−IV)。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、は、互いに同一または異なって、HまたはC1−C5アルキルである;
ZAは、任意に酸素原子を含んでいてもよい、直鎖または分岐鎖状のC1−C18アルキレンまたはシクロアルキレン基、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化されているか、または(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である]。
−CF2CF2O−、−CF2CF(CF3)O−、−CFX1O−(ここでX1=F、CF3)、
−CF2CF2CF2O−、−CF2−CH2CH2O−、−C3F6O−。
−(QA)p−CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2−(QA)p− (II)
ここで、QAはC1−C10アルキレンまたはオキシアルキレン基であり;pは0または1であり;mおよびnはm/n比が0.2〜5であるような数であり、そして上記の(パー)フルオロポリオキシアルキレン基の数平均分子量は300〜10,000、好ましくは700〜2,000の範囲にある。
−VDF 45−85%、HFP 15−45%、TFE 0−30%;
−VDF 20−30%、HFP 15−40%、TFE 0−30%、Ol 5−30%、PAVE 0−35%;
−VDF 60−75%、HFP 10−25%、VE 0−15%、TFE 0−20%。
末端基とはポリマー鎖または存在するならば分枝鎖の末端に存在する全ての基を意味し、極性の基とはカルボキシレート−COO-およびサルフェート−OSO3 -基のようなイオンタイプの基、およびアルコール基−CH2OH、アシルフルオライド−COF、アミド−CONH2等の非イオンタイプの基を意味する。
存在する全てのタイプの極性末端基の量が、実施例に報告されている方法により検出限界より低いとき、すなわちポリマーの1ミリモル/Kgより低いときに極性基の量をゼロという。
Qは次の意味:窒素、リン、ヒ素、アンチモン、硫黄を有する;
XIは、例えばハライド、サルフェート、アセテート、ホスフェート、ホスホネート、ハイドロキサイド、アルコキサイド、フェネート、ビスフェネートのような有機または無機アニオンである;
nはXIイオンの原子価である;
R2、R3、R4、R5は、互いに独立して次の意味を有する:
− C1−C20アルキル、C6−C20アリールまたはアリールアルキル、C1−C20アルケニル、またはそれらの組み合わせ;
− 塩素、フッ素、臭素から選択されるハロゲン;
− またはシアノ基、−ORBおよびCOORB(ここで、RBは上記の意味を有するアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルケニルである);
ここで、基R2、R3、R4、R5の2つの基は、複素原子Qと一緒になって環状構造を形成することができる;
Qが硫黄原子のとき、基R2、R3、R4、R5のうちの1つは存在しない];
mI[P(NR6R7)nIR8 4-nI]+ YmI- (II)
R9[P(NR6R7)rR8 3-r]2+ pYmI- (III)
[式中、
R6、R7およびR8は、同一または異なって以下の意味を有する:
− C1−C18、好ましくはC1−C12アルキル、C4−C7シクロアルキル、C6−C18、好ましくはC6−C12アリールもしくはアリールアルキル;
− オキシアルキルまたはポリ(オキシアルキル)(ここで、アルキルは上で定義したとおりであり、ポリオキシアルキル基は遊離のまたはエステル化された末端OH官能基を有する);
ここで、R6およびR7は窒素原子と一緒になって複素環を形成することができる;
− R9はアルキレン、C1―C6オキシアルキレンまたはC6−C12アリーレン2価基;
− nIは1〜4の整数;
− rは1〜3の整数;
− mIは1〜2の整数であり、Yイオンの原子価に相当する;
− pはmIxp=2であるような係数;
− Yは原子価mを有するアニオンであり、有機または無機であり得る;例えば、Yはハライド、パークロレート、ナイトレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、オキサレート、アセテート、ステアレート、ハロアセテート、パラ−トルエンスルホネート、フェネート、ビスフェネート、ハイドロキサイドである;Yは錯体アニオン、例えばZnCl4 2-、CdCl4 2-、NiBr4 2-、HgI3 - でもあり得る];
Arはフェニル、置換されたフェニル(例えば、メトキシフェニル、クロロフェニル、トリル)、ナフチルであり;
R10は水素、メチル、エチル、プロピル、カルブアルコキシであり;
R11はカルブアルコキシ、C1−C8アルキル、シアノ,およびアミドであるか;
あるいはR10はR11とP=C結合の炭素原子と一緒になって環式基、例えばシクロペンタジエンを形成する];
[N(R12)2]C+XC C- (V)
[式中、
R12は末端にリン、硫黄、酸素または窒素のような1つの複素原子を有する1価の有機基であり、この有機基は上記の複素原子を介して窒素原子と共有結合している;
cはXcアニオンの原子価である;
Xcは有機または無機アニオン、例えば、ハライド、ハイドロキサイド、サルフェート、チオサルフェート、ナイトレート、ホルメート、アセテート、シアネート、チオシアネート、テトラフェニルボレート、ホスフェート、ホスホネート、アルコキサイド、フェネート、ビスフェネートまたはパークロレートである]。
トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムビサルフェート、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチルベンジルホスホニウムクロライド、ジブチルジフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、トリアリールスルホニウムクロライドである。
好ましくは、4級アンモニウムまたはホスホニウム塩が使用され、例えばEP 335,705およびUSP 3,876,654参照;アミノホスホニウム塩、例えばUSP 4,259,463参照;ホスホラン、例えばUSP 3,752,787参照。
−オニウム−有機誘導体の混合物もまた使用できる。
Z'は以下の意味の1つを有する:
− 任意に少なくとも1つの塩素またはフッ素原子で置換されていてもよい、C1−C13の直鎖または分岐した脂肪族2価基、C4−C13の脂環式の2価基、C6−C13の芳香族2価基またはアリールアルキレン;
− チオ、オキシ、カルボニル、スルフィニルまたはスルホニル基;
− xは0または1であり;
− uは1または2であり;
− 式(VI)の化合物の芳香環は、塩素,フッ素もしくは臭素、−CHO、C1−C8アルコキシ、−COOR10(ここで、R10は水素もしくはC1―C8アルキル、C6−C14アリール、C4−C12シクロアルキルである)から選択される他の置換基を任意に有することができる]。
その他の硬化剤は、例えばEP 335,705およびUSP4,233,427中に記載されている。
好ましくは、硬化剤:促進剤のモル比は1:1〜5:1、好ましくは2:1〜5:1である。特に、ビスフェノールと−オニウム塩から構成される付加物が使用される。
付加物が使用されるとき、好ましくは、付加物中に含まれるものに加えて、ある量のフリーの硬化剤が任意に存在することもできる。
1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチル−ホスホランアミン、テトラブチルホスホニウム、テトラブチルアンモニウム;
アニオンの中では、2つの芳香環が3〜7の炭素原子を有するパーフルオロアルキレン基から選択されるアルキレン基により結合していて、芳香環中のOHがパラ位にあるビスフェノール化合物が特に好ましい。
− 次のものから選択されるフルオロエーテルおよび2官能性のフルオロポリエーテル:
これらの化合物は、特許US 4,810,760およびUS 4,894,418の中に記載されている。
− 1つ以上のヒドロキシ基がエステルまたはカーボネートとしてブロックされているポリオール。
カーボンブラック、硫酸バリウム、シリカ、シリケート、半結晶性フルオロポリマー。半結晶性フルオロポリマーは5〜90nm、好ましくは10〜60nmのサイズを有している。
− ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ヘキサフルオロイソブテンのようなC3−C8パーフルオロオレフィン;
− ビニル フルオライド(VF)、ビニリデンフルオライド(VDF)、トリフルオロエチレン、CH2=CH−Rf パーフルオロアルキルエチレン(ここで、RfはC1−C6パーフルオロアルキルである)のようなC2−C8の水素化されたフルオロオレフィン;
− CF2=CFORf(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)(ここで、RfはC1−C6(パー)フルオロアルキル、例えばCF3、C2F5、C3F7である);
− CF2=CFOX(パー)フルオローオキシアルキルビニルエーテル(ここで、XはC1−C12アルキルもしくはC1−C12オキシアルキル、または1以上のエーテル基を有するC1−C12(パー)フルオロオキシアルキル、例えばパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである);フルオロジオキソール、好ましくはパーフルオロジオキソール;
CFXAI=CXAIOCF2ORRI (A-I)
(ここで、RAIはC2−C6の直鎖状、分岐鎖状もしくはC5−C6環状の(パー)フルオロアルキル基、または1〜3の酸素原子を含むC2−C6直鎖状、分岐鎖状の(パー)フルオロオキシアルキル基であり;RAIが上で定義されたフルオロアルキルまたはフルオロオキシアルキルであるとき、それは以下の水素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される同一または異なった1〜2の原子を含むことができる;XAI=F、H)のフルオロビニルエーテル;
CFXAI=CXAIOCF2OCF2CF2YAI (A-II)
(ここで、YAI=F、OCF3;
XAIは上で定義されたとおりである)が好ましく、特に
CF2=CFOCF2OCF2CF3 (A-III)、および
CF2=CFOCF2OCF2CF2OCF3 (A-IV)
が好ましい。
PAVEは好ましいコモノマーであり、特にパーフルオロメチル−、エチル−、プロピルビニルエーテルが好ましい。
加工性のコアジュバント成分g)として、好ましくは置換されたサルファージオルガノオキサイド、より好ましくはスルホンおよびスルホランが使用される。
置換されたサルファージオルガノオキサイドは、好ましくは少なくとも1つの硫黄原子、その硫黄原子にのみ結合した1つまたは2つの酸素原子、および炭素―硫黄結合により該硫黄原子に結合した2つの有機基R'およびR''を含む。
(R')(R'')S(O)xA (VI)
(式中、
xAは1または2であり;
R'およびR''は同一または異なって、1〜20、またはそれ以上で最大30までの炭素原子、好ましくは1〜8の炭素原子を含む有機基であり;
R'とR''は一緒になって硫黄原子とともに複素環を形成する1つだけのアルキレン基を形成することができ;
R'とR''は脂肪族の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状、または炭素原子の芳香族鎖により形成され、R'とR''は任意に例えば酸素のような複素原子、および/または例えばハライド、アルコキシ、スルフィニル、スルホニル、カルボキシ、オキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリールのような置換基を含むことができる)。
硬化性ブレンドには、増粘剤、顔料、抗酸化剤、安定化剤のような他の慣用の添加物を加えることができる。
I)ジ−t―ブチルパーオキサイド(DTBP)のようなジアルキルパーオキサイド(ここで、アルキルは1〜12の炭素原子を有する);
ジ(パーフルオロプロピオニル)パーオキサイドおよびジ(トリークロロ−オクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイドのようなジ(パーフルオロアシル)パーオキサイドもしくはジ(クロロフルオロアシル)パーオキサイド。
本発明のフルオロエラストマーの製造方法は、例えば、ラジカル開始剤、好ましくは上で定義された有機過酸化物の存在下に、水性エマルジョン中で対応するモノマーを共重合させることにより行うことができる。
Rf−XB- M+
(式中、RfはC5−C16(パー)フルオロアルキル鎖または(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり、XB-は−COO-または−SO3 -であり、M+はH+、NH4 +、アルカリ金属イオンから選択される。
アンモニウムパーフルオロ−オクタノエート、任意にナトリウム、アンモニウムおよびアルカリ金属、一般的に好ましくはナトリウムで塩化された、末端に1以上のカルボキシ基を有する(パー)フルオロポリオキシアルキレン、部分的にフッ素化されたアルキルスルホネート。例えば、US 4,524,197参照。
水素、例えばメタン、エタン、メチルシクロペンタンのような1〜12の炭素原子を有する炭化水素;例えばクロロホルム、トリクロロフルオロメタンのような任意に水素原子を含んでいてもよい1〜10の炭素原子を有するクロロ(フルオロ)カーボン;例えばエチルアセテート、ジエチルマロネート、ジエチルエーテル、イソプロパノール等の1〜12の炭素原子を有するエステル、アルコール、エーテルを挙げることができる。
− 例えば一般式:
Rfb(I)xB(Br)y
(式中、Rfb=1〜8の炭素原子を含むパーフッ素化された炭化水素基、xB、Y=0〜2の整数で、少なくともxBまたはY=1で、xB+y≦2)の化合物のようなヨウ素化された、および/または臭素化された連鎖移動剤;
− ヨーロッパ特許出願EP 407,937に記載されているものに従ったアルカリもしくはアルカリ土類金属ヨウダイドおよび/またはブロマイド。
後の方法が好ましい(実施例参照)。
既に述べたように、本発明の硬化フルオロエラストマーは、O−リング、ガスケット、シャフトのシール、ホース、プロファイル等にも使用できる。自動車や化学工業における適用として、大きいサイズの部品に対して一般に使用される、金属インサーションをもったガスケットにも適している。
本発明の硬化フルオロエラストマーは、製品において欠点を示さず、それ故に先行技術の硬化フルオロエラストマーと比較して、加工工程での廃物を減少させることができ、それは驚くべきことであった。
極性末端基の測定
測定はFT−IR、1H−NMR(300 MHz)および19F−NMR(188 MHz)分析により行う。その方法は、M. Pianca, J. Fluorine Chem. 95 (1999) 71-84に記載されている。
方法の感度限界:0.1 ミリモル/Kg。感度限界以下ではイオン性の末端基が存在しないと考えられる。
粘度
121℃でのムーニー粘度 ML (1+10)および135℃でのムーニースコーチ MSは、ASTM D 1646によって決定された。
表中に報告されているスコーチ時間 t15は最小粘度 MV+15 ムーニーポイントに等しいムーニー粘度に達するのに必要な時間に相当する。
架橋プロセスの特性は、MDR(Moving Die Rheometer)2000E (Alpha Tecnologies Ltd.)を用いて、ASTM D 5289法により決定した。
− 振動周波数:1.66MHz;
− 振動幅:+/−0.5度;
− 温度:200℃または170℃(表参照);
− 試料重量:7−8g;
− 試験時間:プラトーに達するのに十分な時間
− ML:最小トルクレベル、lbf.in単位で表記;
− MHF:プラトーでの最大トルクレベル、lbf.in単位で表記;
− ts2:ML+2lbf.inに等しいトルクに達するのに必要な時間;
− t'x:ML+x(MHF−ML)/100に等しいトルクに達するのに必要な時間、x=50、90、95。
圧縮永久歪はASTM D 1414法によりO−リング214について測定した。
O−リング214は、MDR曲線のt'95に等しい時間、190℃で加圧下に硬化した。硬化したO−リングにおいて、加圧後の圧縮永久歪が測定された。加圧下に硬化し、実施例中に規定された時間、250℃で換気加熱炉中で後処理されたO−リングについて、後硬化後の圧縮永久歪も測定した。
ショアーA硬度(3'')は、ASTM D 2240法により、積み重ねられた3つのプレート片について測定した。
攪拌子を備えたガラス反応器中、ゆっくり攪拌下、1kgのマイクロエマルジョンを製造するために、以下の成分が次のように供給された。その対応容積は782 mlである。
3)脱イオン水340 mlが加えられる;
4)次の式:
CF3O(CF2−CF(CF3)O)n(CF2O)mCF3
(式中、n/m=20)
の平均分子量450を有するGalden(商標)D02 102 mlを加える。
本発明によるVDF/HFP共重合体の製造、および成分e)なしのそれぞれの組成物の製造
水15 Lおよび記述された手順により調製されたマイクロエマルジョン150gを、50rpmで作動する攪拌子を備えた21 L水平反応器に導入する。反応器を122℃まで加熱し、次いで以下のトップ組成: VDF=53モル%、HFP=47モル%を有するまでモノマーを供給することにより35相対バールの圧力にする。
4500 gに相当する予め定められた量のモノマー混合物が反応した後、反応を停止させる。全重合時間は265分である。
得られたポリマーは44に等しいムーニー粘度ML(1+10、120℃で)を有する。
FT−IR、1H−NMR、19F−NMRにより行われた末端基の分析は、CF2HおよびCH3末端基の存在、およびCH2OH、カルボニルおよびカルボキシのような極性末端基の不存在(<0.1 ミリモル/Kg)を示した。
フルオロエラストマーは、表1に記載されているように配合した。Tecnoflon FOR XA51(付加物b)+c))は、1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホルアミン/ビスフェノール AFが1/5の割合の付加物である。
流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。それから分かるように、加圧後の圧縮永久歪値はきわめて良好で、架橋時間(t'90)は良好である。
イオン性末端基0.15 モル/Kgをブレンドした共重合体の実施例1におけるような組成物の製造
共重合体Tecnoflon(商標)N535 40部/共重合体Tecnoflon(商標)N935 60部のブレンドを用いる。ブレンド中のイオン性末端基を上記の方法を使って測定した。
フルオロエラストマーを実施例1に記載のように配合した(表1参照)。流動的および機械的性質のデータが同じ表の中に報告されている。
要求された硬化時間では最終製品が得られなかったので、圧縮永久歪値は測定不可能であることが分かった。
成分e)1 phrを用いた実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表1に記載のように配合した。流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。それから分かるように、加圧後の圧縮永久歪値および架橋時間はきわめて良好である。
実施例3のように成分e)1phrを用いた実施例2(比較)で用いられたブレンドを含む組成物の製造
フルオロエラストマーを表1に記載のように配合した。流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。
それから分かるように、圧縮永久歪(加圧後および250℃での後硬化後)は、実施例3のそれよりも高い。その上、架橋時間も非常に高く、技術的に許容できない。
成分e)1 phrおよび成分g)0.5 phrを用いた実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表1に記載のように配合した。流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。表1から、加圧後の圧縮永久歪値が良好で、架橋時間が非常に減少していることが分かる。
成分g)0.5 phrを用いた実施例2(比較)のブレンドを含む組成物の製造
フルオロエラストマーを表1に記載のように配合した。流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。
それから分かるように、圧縮永久歪(加圧後および250℃での後硬化後)は実施例5の組成物のそれよりも悪い。その上、架橋時間もずっと長く、技術的に許容できない。
成分d)7phrを含む実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表2に記載のように配合した。流動的および機械的性質のデータが同じ表中に報告されている。
その表から分かるように、圧縮永久歪値はきわめて良好で、架橋時間は技術的に許容できる。
成分b)0.42 phrを用いた、実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表2に記載のように配合した。流動的および機械的性質も同じ表中に報告されている。
それから分かるように、加圧後および後硬化後の圧縮永久歪値は実施例7の組成物で得られたものより悪い。
実施例7のようで、成分g)0.5 phrも含む組成物の製造
実施例1のフルオロエラストマーを表2に報告されているように配合した。
流動的および機械的性質が同じ表に報告されている。
それから分かるように、加圧後圧縮永久歪値および架橋時間は良好である。
成分e)2 phrを用いた、実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表3に記載のように配合した。
流動的および機械的性質が同じ表中に報告されている。それから分かるように、加圧後の圧縮永久歪値は良好で、架橋時間はきわめて良好である。加圧後および後硬化後の引張特性および硬度は、よく似ており、いずれにしても加圧後の同特性はきわめて良好である。
成分e)2 phrおよび成分g)0.5 phrを用いた、実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表3に記載のように配合した。
流動的および機械的性質が同じ表中に報告されている。それから分かるように、架橋時間は顕著に減少しているし、加圧後の圧縮永久歪値も許容できる(<20%)。
加圧後および後硬化後の引張特性および硬度は、よく似ており、いずれにしても加圧後の同特性きわめて良好である。
実施例1の共重合体の組成物の製造
組成物中に成分b)0.116 phrおよび成分c)2.18 phrが存在する。
流動的および機械的性質は表4に報告されている。その表から分かるように、圧縮永久歪値は優れており、架橋度の値はきわめて良好である。
実施例11と同じ量の成分b)およびc)ならびに成分g)0.5 phrを用いた、実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表4に記載のように配合した。
流動的および機械的性質は同じ表に報告されている。その表から分かるように、加圧後の圧縮永久歪値は良好で、架橋時間はきわめて良好である。
成分e)およびg)が存在せず、3、6および9 phrの成分d)がそれぞれ用いられた、実施例1の共重合体の組成物の製造
フルオロエラストマーを表5に記載のように配合した。流動的および機械的性質は同じ表に報告されている。
Claims (30)
- a)末端基の全量に対して3モル%より低い量の極性末端基を含むビニリデンフルオライド(VDF)をベースとするフルオロエラストマー100重量部、
b)硬化促進剤0.1〜0.15 phr、
c)硬化剤1〜15 phrおよび
d)2価の金属オキサイドから選択される1以上の無機酸アクセプター2〜20 phr
を必須成分として含み、
e)2価の金属のハイドロキサイドまたは弱酸の金属塩から選択される1以上の塩基性化合物0〜3 phr、
f)補強充填剤0〜80 phrおよび/または
g)加工助剤0〜3 phr
を任意成分として含むビニリデンフルオライド(VDF)をベースとするイオン的に硬化性のフルオロエラストマー組成物。 - フルオロエラストマー成分a)が、以下の:
− ヘキサフルオロプロペン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)のようなC2−C8パーフルオロオレフィン;
− トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ブロモトリフルオロエチレンのような、水素および/または塩素および/または臭素および/またはヨウ素を含むC2−C8フルオロオレフィン;
− 以下のものから選択されるフルオロビニルエーテル(VE):
− CF2=CFORf (パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、(ここで、RfはC1−C6(パー)フルオロアルキルである);
− CF2=CFOX パーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、(ここで、Xは1以上のエーテル基を有するC1−C12パーフルオロ−オキシアルキルである);
− CF2=CFOCF2OCF2CF3 (A−III)、およびCF2=CFOCF2OCF2CF2OCF3(A−IV);
から選択される、少なくとももう1つのエチレン的に不飽和のフッ素化されたコモノマーを含むVDF共重合体を含む、請求項1に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。 - 成分a)がC2−C8の非フッ素化オレフィン(Ol)を含む、請求項1〜2のいずれかに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分a)が、フッ素化されたビス−オレフィンから誘導されるユニットを0.01〜5モル%の量で含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分a)がモル%として以下の組成:
−VDF 45−85%、HFP 15−45%、TFE 0−30%;
−VDF 20−30%、HFP 15−40%、TFE 0−30%、Ol 5−30%、VE 0−35%;
−VDF 60−75%、HFP 10−25%、VE 0−15%、TFE 0−20%
を有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。 - 成分a)が、末端基の全量に対して1モル%より低い量の極性末端基を含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分b)が−オニウム有機誘導体である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- −オニウム有機化合物が、有機もしくは無機の基に結合したN、P、S、Oから選択される1つの複素原子を含む、請求項7に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分b)が、4級アンモニウムもしくはホスホニウム塩またはアミノ−ホスホニウム塩の間で選択される、請求項7または8に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分b)が以下のもの:
トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムビサルフェート、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチルベンジルホスホニウムクロライド、ジブチル−ジフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、トリアリールスルホニウムクロライド、ベンジルジフェニル(ジエチルアミノ)ホスホニウムおよびベンジルトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム塩から選択される、請求項9に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。 - 成分c)が、ポリヒドロキシル化された芳香族もしくは脂肪族化合物、またはそれらの誘導体から選択される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分c)がビスーフェノール類から選択される、請求項11に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分c)がビスフェノールAF ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−ヒドロキシベンゼン)である、請求項12に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分b)およびc)の代わりに成分b)と成分c)との付加物が用いられる、請求項7〜13のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 硬化剤:硬化促進剤のモル比が1:1〜5:1の範囲にある、請求項14に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 付加物中に含まれているものに加えて、成分b)のフリーな硬化促進剤の存在下に付加物が用いられる、請求項14または15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 付加物中に含まれているものに加えて、成分c)のフリーな硬化剤の存在下に付加物が用いられる、請求項14または15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 付加物が、以下のもの:1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチル−ホスホランアミン、テトラブチルホスホニウム、テトラブチルアンモニウムから選択されるカチオン、および2つの芳香環が3〜7の炭素原子を有するパーフルオロアルキレン基から選択されるアルキレン基により結合していて、芳香環中のヒドロキシがパラ位にあるビスフェノールの化合物から選択されるアニオンを含む、請求項14〜17のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 付加物が、以下のもの:1,1ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチル−ホスホランアミン、テトラブチルホスホニウム、テトラブチルアンモニウムから選択されるカチオンを含み、アニオンがビスフェノールAFである、請求項18に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分d)の無機酸アクセプターが、ビニリデンフルオライド共重合のイオン性硬化で用いられるアクセプターから選択される、請求項1〜19のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分e)の塩基性化合物が、ビニリデンフルオライド共重合のイオン性硬化で用いられるもの、または弱酸の金属塩から選択される、請求項1〜20のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 成分f)が以下のもの:カーボンブラック、硫酸バリウム、シリカ、シリケート、半結晶性フルオロポリマーから選択される、請求項1〜21のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 半結晶性フルオロポリマーが、5〜90nmのサイズを有する、請求項22に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 加工助剤が、脂肪酸のエステルおよびアミド、長鎖脂肪族アルコール、ステアリン酸およびその無機塩、置換されたサルファージオルガノオキサイドから選択される、請求項1〜23のいずれか1つに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 加工助剤として、置換されたサルファージオルガノオキサイドが用いられる、請求項24に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- さらに、増粘添加剤、顔料、抗酸化剤または安定化剤を含む、請求項1〜25のいずれかに記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
- 請求項1〜26のいずれか1つによる硬化フルオロエラストマー組成物。
- イオン的に硬化した請求項27に記載のフルオロエラストマー組成物。
- 請求項27または28に記載の硬化フルオロエラストマー組成物で得られる製品。
- O−リング、ガスケット、シャフトのシール、ホースから選択される、請求項29に記載の製品。
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