JP2010514913A - フルオロエラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、
(a)少なくとも1種のフルオロエラストマー[ポリマー(F)];
(b)少なくとも1種の促進剤および少なくとも1種の硬化剤を含む少なくとも1種のイオン架橋系;
(c)100重量部のフルオロエラストマー[ポリマー(F)]当たり0.5から20重量部の、
・式:
−OH
(式中、Rは、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
を有するアルコール;
・式:
Figure 2010514913

(式中、R’は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
を有するアルデヒド;
・式:
Figure 2010514913

(式中、同じかまたは互いに異なるR’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
を有するケトン;
・式:
Figure 2010514913

(式中、同じかまたは互いに異なるR’’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
を有するエステル
の中から選択される、150℃以下の沸点を有する少なくとも1種の極性化合物
を含むイオン架橋性フルオロエラストマー組成物に関する。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2006年1月3日に出願された米国仮特許出願第60/883,177号明細書、および欧州特許出願第07110924.3号明細書の利益を主張する。
本発明は、フルオロエラストマー組成物、その製造のための方法およびその硬化のための方法に関する。
フッ素化エラストマーは、特定の分野、例えば、高温耐性のガスケット、シール、ダイアフラム、およびチューブにおいて増大する用途が見いだされている。加工フルオロエラスマー物品は、良好な弾性を保持しながら、約250〜350℃の温度に耐えることができる。多くの用途、例えば、高温反応器用のガスケットにとって、フルオロエラストマー物品は弾力性であり、低圧縮永久歪みを有することが必要である。これは、物品を硬化させることによって;すなわち、このエラストマーを加硫または架橋させることによって得られる。
フルオロエラストマーの加硫のための従来技術の方法は、当該技術分野でよく知られており、過酸化経路およびイオン経路の中に分類され得る。
過酸化経路で硬化されるフルオロエラストマーは、有利には、ポリマー鎖に取り込まれた官能性コモノマー由来の繰返し単位における適切な官能基によって、または、例えば、適切な連鎖移動剤で形成される反応性末端基によってのいずれかで与えられる、それらの骨格中の硬化部位(例えば、ヨウ素含有硬化部位)を含まなければならない。このような場合、熱分解によってラジカルを発生させることができる適切な過酸化物、および硬化共剤、すなわち、架橋点を生成させることができる多官能不飽和化合物を添加する段階を含む、知られている技術によって、硬化を行うことができる。
したがって、(特許文献1)(旭硝子(ASAHI GLASS))(1996年11月12日)には、フルオロエラストマー、有機過酸化物;少なくとも2個の不飽和結合を有する架橋助剤;2価金属の水酸化物または酸化物;有機オニウム化合物;およびエステル、ケトン、スルホン化合物、アルコール、水の中から;好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびマロン酸エチルの中から選択される極性化合物(0.05から10重量部の量で)を含む過酸化物加硫が可能なフッ素ゴム組成物が開示される。この極性化合物は、有機オニウム化合物の分散性を向上させ、したがって、対応する加硫物における耐油および耐熱特性向上を生じると考えられる。
(特許文献2)(FREUDENBERG CARL KG)(2005年8月24日)には、燃料電池用のガスケットの製造のために好適なフルオロエラストマー組成物が開示され、この組成物は、ハロゲン化架橋部位を含むフルオロエラストマー前駆体、不活性粒子状充填剤、硬化剤および酸化マグネシウムを含む。この組成物は、ケトン、アルコール、エステルの中から選択される溶媒を混合することによって、低粘度の液体混合物の形態下で提供され得る。
(特許文献3)(3M INNOVATIVE PROPERTIES)(2002年11月28日)および(特許文献4)(3M INNOVATIVE PROPERTIES)(2004年3月4日)には、窒素含有硬化部位モノマー、有機オニウムおよび酸の間の反応生成物である触媒を含む組成物が開示され、この酸は、特に、芳香族ポリオキシ化合物、場合によって、アルコール(例えば、オクタノールまたはデカノール)である。
それにもかかわらず、硬化されるフルオロエラストマーにおける硬化部位の導入は、煩雑で、費用がかかることがあり、過酸化経路によって硬化されるフルオロエラストマーの上限実用温度はしばしば限定される。
したがって、いくつかの用途にとって、いわゆるイオン経路によってフルオロエラストマーを硬化させることが好ましい。イオン経路による硬化は一般に、硬化剤および促進剤の添加によって行われ、これは当業者によく知られている。過酸化経路による硬化においてラジカルが形成され、これはポリマー鎖の好適な硬化部位の活性化により反応種を生成するが、イオン硬化は、ポリマー中の硬化部位およびラジカル開始剤の必要なしに、反応性イオン種によって進行する。
したがって、イオン硬化性フルオロエラストマーおよび過酸化物硬化性フルオロエラストマーの硬化機構は、異なる活性種を示す完全に異なる過程であることが明らかである。
イオン硬化性フルオロエラストマーは、高スループット率が要求され;したがって、処理サイクルを減少させることができるように、高硬化速度を得ることがこの分野における一般的な要件である用途で使用されることが多い。
したがって、当該技術分野において、イオン経路で硬化させることができ、十分な硬化速度と未加硫処方物の良好な処理安全性および良好な保存安定性とを合わせ持ち;良好な応力−歪み特性および低圧縮永久歪みを生じるフルオロエラストマー組成物に対する継続した要求がある。
特開平8−295776号公報 欧州特許出願公開第1566583A号明細書 米国特許出願公開第2002/177666号明細書 米国特許出願公開第2004/044139号明細書
したがって、本出願の目的は、
(a)少なくとも1種のフルオロエラストマー[ポリマー(F)];
(b)少なくとも1種の促進剤および少なくとも1種の硬化剤を含む少なくとも1種のイオン架橋系
(c)フルオロエラストマー[ポリマー(F)]の100重量部当たり、0.5から20重量部の、
・式:
−OH
(式中、Rは、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
を有するアルコール;
・式:
Figure 2010514913
(式中、R’は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
を有するアルデニド;
・式:
Figure 2010514913
(式中、同じかまたは互いに異なるR’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
を有するケトン;
・式:
Figure 2010514913
(式中、同じかまたは互いに異なるR’’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
を有するエステル
の中から選択され、150℃以下の沸点を有する少なくとも1種の極性化合物
を含むイオン架橋性フルオロエラストマー組成物を提供することである。
上記に定義されたとおりの極性化合物は、以下本明細書において極性化合物(P)と称される。
上記に記載されたとおりの好適な揮発性を有する極性化合物(P)の上記に言及された量の取込みのために、イオン架橋性組成物のイオン経路による硬化速度が、圧縮永久歪みまたは機械的性質のいずれにも有害な作用なしに、有利に、かなり増加することを本出願人は見いだした。さらに、極性化合物(P)は硬化速度の増加に有利に関与する一方、その揮発性のために、硬化フルオロエラストマー部分の全寿命の間に黄色化または他の有害な作用を引き起こす実質的な残留物をフルオロエラストマー中に残さない。
したがって、本発明のイオン架橋性フルオロエラストマー組成物は、急速硬化と十分な応力/歪み特性との利点を兼ね備える硬化フルオロエラストマー物品の高生産性の製造において有利に用いることができる。
本発明の目的のために、「フルオロエラストマー」[ポリマー(F)]という用語は、真のエラストマーを得るための基本成分として機能するフルオロポリマー樹脂を示すことが意図され、このフルオロポリマー樹脂は、少なくとも1種のフッ素原子を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(以後、フッ素化モノマー)由来の50重量%を超える繰返し単位を含む。
真のエラストマーは、ASTM、Special Technical Bulletin、No.184規格によって、室温で、本来の長さの2倍伸長されることができ、5分間伸長下に保持した後にゆるめられると同時に、初期長の10%以内に戻る材料として定義される。
好適なフッ素化モノマーの非限定的な例は、特に:
・C〜Cフルオロオレフィンおよび/またはペルフルオロオレフィン、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロピレン、およびヘキサフルオロイソブチレン;
・C〜C水素化モノフルオロオレフィン、例えば、フッ化ビニル;
・1,2−ジフルロエチレン、フッ化ビニリデンおよびトリフルオロエチレン;
・式CH=CH−Rfoに従う(ペル)フルオロアルキルエチレン、ここで、Rf0は、1個以上のエーテル基を有するC〜C(ペル)フルオロアルキルまたはC〜C(ペル)フルオロオキシアルキルである;
・クロロおよび/またはブロモおよび/またはヨードC〜Cフルオロオレフィン(クロロトリフルオロエチレンのような);
・式CF=CFORf1に従うフルオロアルキルビニルエーテル、ここで、Rf1は、C〜Cフルオロまたはペルフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−Cである;
・式CH=CFORf1に従うヒドロフルオロアルキルビニルエーテル、ここで、Rf1は、C〜Cフルオロまたはペルフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−Cである;
・式CF=CFOXに従うフルオロオキシアルキルビニルエーテル、ここで、Xは、1個以上のエーテル基を有する、C〜C12オキシアルキル、またはC〜C12(ペル)フルオロオキシアルキル(ペルフルオロ−2−プロポキシ−プロピルのような)である;
・式CF=CFOCFORf2に従うフルオロアルキルメトキシビニルエーテル、ここで、Rf2は、C〜Cフルオロまたはペルフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−Cまたは1個以上のエーテル基を有するCからC(ペル)フルオロオキシアルキル(−C−O−CFのような)である;
・式CF=CFOYに従う官能性フルオロアルキルビニルエーテル、ここで、Yは、C〜C12アルキルもしくは(ペル)フルオロアルキル、またはC〜C12オキシアルキル、またはC〜C12(ペル)フルオロオキシアルキルであり、このY基は1個以上のエーテル基を有し、かつYは、その酸、酸ハロゲン化物または塩の形態で、カルボン酸基またはスルホン酸基を含む;
・式:
Figure 2010514913
[式中、同じかまたは互いに異なる、それぞれのRf3、Rf4、Rf5、Rf6は、独立して、フッ素原子、C〜Cフルオロまたはペル(ハロ)フルオロアルキルであり、1個以上の酸素原子を場合によって含む(例えば、−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCF)]
のフルオロジオキソール
である。
フルオロエラストマー[ポリマー(F)]は、一般的に非晶質生成物であるか、または低結晶化度(20容積%未満の結晶相)および室温未満のガラス転移温度(T)を有する生成物である。ほとんどの場合、これらの生成物は、0℃未満のTを有するコポリマーに相当する。
フルオロエラストマー[ポリマー(F)]は、ASTM D3418によって測定して、5J/g未満、好ましくは4J/g未満、より好ましくは1J/g未満の融解熱を有する。
ポリマー(F)は、好ましくは75重量%を超える、より好ましくは90重量%を超える、フッ素化モノマー由来の繰返し単位、なおより好ましくは97重量%を超える、フッ素化モノマー由来の繰返し単位を含む。
本発明のフルオロエラストマー組成物は、イオン架橋に関して意図されるので、有利には、例えば、過酸化物硬化に必要とされるもののような、フルオロエラストマー内の特定の硬化部位モノマーまたは部分を有する必要がない。
したがって、フルオロエラストマー(F)は、好ましくは、硬化部位モノマー由来の繰返し単位を含まず;フルオロエラストマー(F)は、特に、ブロモおよび/またはヨードオレフィン由来の繰返し単位を含まず、ならびに/あるいはブロモおよび/またはヨードフルオロアルキルビニルエーテル由来の繰返し単位を含まず、ならびに/あるいは窒素含有硬化部位モノマー、特に−CN基を含むモノマー(例えば、ニトリル基を含むフッ素化ビニルエーテル)由来の繰返し単位を含まないことができる。
また、フルオロエラストマー(F)は、好ましくは、ヨウ素化および/または臭素化末端基、例えば、臭素化および/またはヨウ素化連鎖移動剤の存在下で重合させた場合に得られるものを含まない。
フルオロエラストマー(F)は、有利には、フッ化ビニリデン(VF)由来および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰返し単位を含む。好ましくは、フルオロエラストマー(F)は、フッ化ビニリデン(VF)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰返し単位ならびに、上記したような少なくとも1種の他のフッ素化モノマーからなる。他のフルオロモノマーは、特に、フッ化ビニル;トリフルオロエチレン;クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2−ジフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP);式CF=CF−O−R’(式中、R’は、C1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、例えば、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)、ペルフルオロ(メトキシエチルビニルエーテル);式CF=CFOX’(式中、X’は1個以上のエーテル基を有するC〜C12ペルフルオロオキシアルキルである)に従うペルフルオロオキシアルキルビニルエーテル;ペルフルオロ(1,3−ジオキソール);ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PDD);式CF=CFOCFCF(CF)OCFCFX(式中、Xは、−SOF、−COH、−CHOH、−CHOCNまたは−CHOPOHである)の生成物;式CF=CFOCFCFSOFの生成物;式F(CFCHOCF=CF(式中、nは1、2、3、4または5である)の生成物;式RCHOCF=CF(式中、Rは水素またはF(CFであり、zは1、2、3または4である)の生成物;式ROCF=CH(式中、RはF(CFであり、zは1、2、3または4である)の生成物;ペルフルオロブチルエチレン(PFBE);3,3,3−トリフルオロプロペンおよび2−トリフルオロメチル−3,3,3,−トリフルオロ−1−プロペンであり得る。
ポリマー(F)は、特に、
・60から85モル%のVFおよび40から15モル%のHFPを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFPコポリマー;
・45から85モル%のVF、15から45モル%のHFPおよび最大30モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFP/TFEターポリマー;
・50から80モル%のVF、5から50モル%の式CF=CF−O−R’(式中、R’はC1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および最大20モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEターポリマー;
・20から30モル%のVF、10から30モル%のエチレン(E)および10から30モル%のTFE(残部はHFPである)を含む(好ましくはそれらからなる)VF/エチレン/HFP/TFEポリマー;
・20から30モル%のVF、10から30モル%のエチレン、18から27モル%の式CF=CF−O−R’(式中、R’はC1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および10から30モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/E/ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEポリマー;
・20から50モル%の式CF=CF−O−R’(式中、R’はC1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および50から80モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEコポリマー;ならびに
・4から75モル%のVF、12から40モル%のHFP、最大35モル%のEおよび2から60モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFP/E/TFEポリマー
の中から選択され得る。
極めて良好な結果が、上記に詳述されたとおりの、フッ化ビニリデン(VF)および少なくとも1種の他のフッ素化モノマー由来の繰返し単位からなるフルオロエラストマーに関して得られた。
優れた結果が、
・60から85モル%のVFおよび40から15モル%のHFPを含む(好ましくはそれらからなる)フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー;
・45から85モル%のVF、15から45モル%のHFPおよび最大30モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFP/TFEターポリマー
の中から選択されるフルオロエラストマーに関して得られた。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリマー(F)は有利には、0.5ミリモル/kg未満の不安定−COF−型末端基の量を含む。
本発明の目的に対して、「不安定−COF−型末端基」という用語は、フルオロアシル基およびその誘導体、例えば、−COW基(式中、WはCl、Br、OMを表し、Mは水素原子または金属、好ましくはHまたはアルカリ金属である)を包含することが意図される。
好ましくは、不安定−COF−型末端基の量は、0.1ミリモル/kg未満、より好ましくは0.05ミリモル/kg未満である。
その基がアンモニアと反応している、不安定−COF−型末端基の量は、本明細書の以下に詳述される方法によって、特にFT−IR分光分析によって決定され得る。
恒量になるまで90℃で予備乾燥させたポリマー(F)試料は、平均厚さ50から300μmを有するフィルムに圧縮成形される。このフィルムの4000cm−1から400cm−1のFT−IRスペクトルは、例えば、Nicolet Nexus FT−IR装置(256スキャン、分解能2cm−1)を用いることによって、記録する(スペクトル1)。次いで、このフィルムをアンモニア蒸気で飽和した環境中に25℃で12時間保持し、同一条件でさらなるFT−IRスペクトルを記録する(スペクトル2)。この2つのスペクトルは、未処理試験片のスペクトル(スペクトル1)の強度/波長曲線からアンモニア蒸気に暴露後の試験片のスペクトル(スペクトル2)の対応する曲線を差し引いて、「差」スペクトルを描くことによって、精密に作成され、これは、以下の式:
Figure 2010514913
によって標準化される。COF−末端基とアンモニアとの反応生成物に関連することが知られている、1900から1830cm−1のスペクトル領域の吸収帯の光学密度を測定し、PIANCA,Mら、End groups o、fluoropolymers.J.Fluorine Chem.、1999年、第95巻、71〜84頁による報告の表1、73頁に報告された減衰係数を用いて、ポリマー(F)のミリモル/kgとして表した値に変換する。この方法の感度限界は、0.05ミリモル/kgである。
フルオロエラストマー(F)は、ASTM D1646−04(ML1+10@121℃/250F)によって測定して、有利には、5から250、好ましくは7から150、より好ましくは40から50の、ムーニー粘度を有する。
フルオロエラストマー(F)は、任意の知られている方法、例えば、エマルジョンまたはマイクロエマルジョン重合、懸濁またはマイクロ懸濁重合、バルク重合および溶液重合によって調製され得る。
フルオロエラストマー(F)は、好ましくは、ラジカル発生剤の存在下で、エマルジョン重合によって調製される。好適なラジカル発生剤は、特に、アルカリ性過硫酸塩、過ホウ酸塩および過炭酸塩である。ペルオキシ発生剤と還元剤、例えば、アルカリ金属のもしくはアンモニウムの亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩もしく次亜硫酸塩、または銅(I)塩、Fe(II)塩、銀塩および他の容易酸化性金属塩との組合せを用いることもできる。有機ラジカル発生剤を用いることも可能である。
別に、有機ペルオキシドをラジカル発生剤として用いることができる。ラジカル発生剤として有用な好適な有機過酸化物は、特に、以下:
(a)ジアルキルペルオキシド(ここで、アルキルは1から12個の炭素原子を有する)、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド(DTBP);
(b)ジアルキルペルオキシジカーボネート(ここで、アルキルは1から12個の炭素原子を有する)、例えば、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート;
(c)ジアシルペルオキシド(ここで、アシルは2から12個の炭素原子を有する)、例えば、ジアセチルペルオキシド;
(d)3から20個の炭素原子を有するペルオキシエステル、例えば、tert−ブチルペルオキシイソブチラート
から選択され得る。
上記に詳述されたとおりの有機過酸化物を用いるエマルジョン重合によって得られるポリマー(F)は、上記に詳述されたとおり、0.5ミリモル/kg未満の不安定−COF−型末端基の量を有利には含むので、特に、本発明の組成物に好適である。
表面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリムおよびペルフルオロオクタン酸アンモニウムの存在下でフルオロエラストマーを製造することができる。
連鎖移動の存在は、エマルジョン中の重合の間に有用であり得る。エマルジョン中の共重合により得られるフルオロエラストマー(F)は、従来の方法、例えば、電解質を用いるまたは凍結による凝固、その後のろ過、洗浄および乾燥によってラテックスから分離され得る。
フルオロエラストマー(F)は、バルク重合によって、または有機液体、例えば、クロロフルオロヒドロカーボン(フレオン113または114)中の溶液重合によっても調製され得る。
フルオロエラストマー(F)の調製の間、反応混合物は、不活性ガスで予め「洗浄」して、好ましくは、加圧反応器において4から40kg/cmの圧力で、45℃から135℃の範囲にわたる温度に加熱する。
イオン硬化のための硬化剤は、当業者によく知られている。
本発明の組成物に有用な硬化剤は、有利には、芳香族もしくは脂肪族のポリヒドロキシル化化合物またはそれらの誘導体、および芳香族もしくは脂肪族のポリチオール化合物またはそれらの誘導体から選択される。
好ましくは、硬化剤は、以下:
・式:
Figure 2010514913
(式中、Arは、場合によって置換される、1つまたは複数の縮合芳香族環を含むアリーレン基であり、Eは酸素または硫黄であり、好ましくは、Eは酸素であり、aは2から4、好ましくは2または3の整数である)
の芳香族ジフェノールまたはジチオフェノール型誘導体;
・式:
Figure 2010514913
(式中、同じかまたは互いに異なるArB1およびArB2は、場合によって置換される、1つまたは複数の縮合芳香族環を含むアリーレン基の中から選択され、Jは、結合、場合によって置換される(例えば、−C(CH−)および/または場合によってフッ素化される(例えば、−C(CF−)1から6個の炭素原子を有するアルキレン基、−O−基、−S−基、−SO−基、−C(O)−基から選択される二価の架橋基であり、Eは酸素または硫黄であり、好ましくは、Eは酸素であり、b1およびb2は1から3、好ましくは1の整数である)
のジ芳香族フェノールまたはチオフェノール誘導体;
・式:
HO−CH−ROF−CH−OH
(式中、ROFは、このペルフルオロポリエーテル鎖に統計的に分布した、式:
−CF−O−
−CFCF−O−
−CF−CF(Y)−O−(ここで、YはFまたはCF3である)
−CFCFCF−O−
の中から選択される繰返し単位を含むペルフルオロポリエーテル鎖である)
のペルフルオロポリエーテルジオール;
・およびそれらの混合物
の中から選択される。
これらの硬化剤の中で、式:
Figure 2010514913
のビスフェノールAFは特に好ましい。
硬化剤の量は、有利には、フルオロエラストマー[ポリマー(F)]100重量部当たり、少なくとも0.1重量部、好ましくは少なくとも0.5重量部、より好ましくは少なくとも1重量部からなる。
硬化剤の量は、有利には、フルオロエラストマー[ポリマー(F)]100重量部当たり、最大20重量部、好ましくは最大15重量部、より好ましくは最大6重量部からなる。
本発明の目的に対して、促進剤という用語は、加硫促進剤として機能することができる、すなわち、硬化速度を増加させる有機オニウム化合物を意味する。当業者によく知られている、有機オニウム化合物という用語は、ルイス塩基(例えば、ホスフィン、アミン、エーテル、スルフィド)の共役酸を表し、特に、このルイス塩基と好適なアルキル化剤(例えば、アルキルハライドまたはアシルハライド)とを反応させることによって形成させることができ、ルイス塩基の電子供与原子の原子価の拡大および有機オニウム化合物上の正電荷を生じる。
本発明において有用な有機オニウム化合物の多くは、有機部分または無機部分に結合した少なくとも1個のヘテロ原子、すなわち、非炭素原子、例えば、N、P、S、O、As、Sbを含む。
2以上の有機オニウム化合物の混合物も本発明に有用である。
オルガノ−オニウム化合物は、好ましくは、以下:
・一般式:
Figure 2010514913
(式中、Qは、窒素、リン、ヒ素、アンチモンから選択され;同じかまたは互いに異なるR1、R2、R3、R4は、直鎖または分枝鎖の、置換または非置換のアルキル、アリール、アルケニル基からなる群から独立して選択され、場合によってこのR1、R1、R2、R3、R4の基の任意の対は、ヘテロ環式環を形成するために、互いにおよびQ原子と連結されることができ;nはアニオンXの原子価に等しい整数であり、好ましくは、nは1または2であり;Xはアニオンであり、好ましくは、ハロゲン化物、水酸化物、シアニド、イソシアニド、チオシアニド、硝酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、テトラアリールホウ酸塩などのような一価または二価のアニオンの中から選択される)
の四級オニウム塩。リン、ヒ素、アンチモンまたは窒素の原子が正電荷を担う中心原子(上記式におけるQ)である四級有機オニウム化合物は、それぞれ、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩またはアンモニウム塩として一般に知られており;好適な四級有機オニウム化合物は、特に、米国特許第3876654号明細書(DUPONT DE NEMOURS)1975年4月8日および欧州特許出願公開第0335705A号明細書(MINNESOTA MINNING AND MANUFACTURING COMPANY)1989年10月4日に記載されるものである;
・以下の式:
Figure 2010514913
(式中、mは1から3の整数であり、R5、R6およびR7は同じかまたは互いに異なり、それぞれの存在において、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖の、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルから独立して選択され;場合によって、R5およびR6は、窒素原子とヘテロ環を形成するために互いに連結されることができる)
に従うアミノスルホニウム化合物;本発明に特に好適なアミノ−ホスホニウム化合物は、欧州特許出願公開第0684277A号明細書(AUSIMONT S.P.A)1995年11月29日に記載されるものである;
・スルホニウム化合物、すなわち、少なくとも1個の硫黄原子が、硫黄−炭素共有結合によって、1から20個の炭素原子を有し、同じかまたは互いに異なる3つの有機部分に共有結合しており、かつ好適なアニオンとイオン的に会合している硫黄含有有機化合物。好ましいスルホニウム化合物は、欧州特許出願公開第0335705A号明細書(MINNESOTA MINING AND MANUFACTURING COMPANY)1989年10月4日に記載されるものである;
・トリアリールホスホラン化合物、すなわち、式:
Figure 2010514913
(式中、この基の非指定結合の両方は、1個の炭素原子に結合しており、それぞれの存在において同じかまたは異なるArは、特にフェニル、トリル、キシリル、ナフチル、クロロフェニル、メトキシフェニルなどのような、単環式または多環式の、置換または非置換のアリール基を意味する)
のトリアリールホスホラニリデン基を有する化合物。本発明に好適なトリアリールホスホラン化合物は、特に、米国特許第3752787B号明細書(DUPONT DE NEMOURS)1973年8月14日に記載されるものである;
・一般式:
Figure 2010514913
(式中、それぞれの存在において同じかまたは異なるR’は、特にフェニル、トリル、キシリル、ナフチル、クロロフェニル、メトキシフェニルなどのような単環式または多環式の、置換または非置換のアリール基、あるいは場合によってハロゲン化される、置換または非置換のアルキル基、あるいはそのアリール部分の少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個のC1〜20アルキル基によって置換されているアラルキル基を意味し、nは1または2であり、Xは、好ましくは、ハロゲン化物、水酸化物、シアニド、イソシアニド、チオシアニド、硝酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、テトラアリールホウ酸塩などのような一価または二価のアニオンの中から選択される、アニオンである)
のビス(トリホスフィン)−イミニウム塩(またはPNN塩)。適する本発明に有用なビス(トリアリールホスフィン)−イミニウム塩は、特に、欧州特許出願公開第120462A号明細書(MONTEDISON S.P.A.)1984年10月3日および欧州特許出願公開第182299A号明細書(ASAHI KASEI)1986年5月28日に記載されるものである、
の中から選択される。
四級ホスホニウム塩(すなわち、上記に詳述されたとおりの四級オニウム塩、Q=P)および上記に詳述されたとおりのアミノ−ホスホニウム化合物は、本発明の組成物おいて好ましい促進剤である。
本発明のより好ましい実施形態によれば、促進剤は、ホスホニウム塩1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンクロライドである。
促進剤の量は、フルオロエラストマー(F)の100重量部当たり、有利には少なくとも0.01重量部、好ましくは少なくとも0.05重量部、より好ましくは少なくとも0.1重量部からなる。
促進剤の量は、フルオロエラストマー(F)の100重量部当たり、有利には最大10重量部、好ましくは最大5重量部、より好ましくは最大4重量部である。
イオン架橋系は、少なくとも1種の硬化剤および少なくとも1種の促進剤を含み、すなわち、これは、上記されたとおりの1種または複数の硬化剤および1種または複数の促進剤を含み得る。
硬化剤および促進剤は、本発明の組成物に、別々に、または付加物の形態下でのいずれかで添加され得る。
促進剤および硬化剤を別々に使用する代わりに、付加物が使用される場合、これは一般に、1:2から1:5、好ましくは1:3から1:5のモル比で促進剤および硬化剤を含む。この付加物において、促進剤は好ましくは、正電荷を有利に有する、上記に詳述されたとおりの有機オニウム化合物であり、硬化剤は好ましくは、芳香族もしくは脂肪族のポリヒドロキシル化化合物またはそれらの誘導体および芳香族もしくは脂肪族のポリチオール化合物またはそれらの誘導体から選択される。
この付加物は、特に、上記に言及されたモル比における促進剤および硬化剤の混合物をその成分の融点を超えて加熱することによって得ることができる。
付加物の調製に関して、好ましい有機オニウム化合物は、カチオンとして、1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチル−ホスホランアミン部分またはテトラブチルホスホニウム部分、極めて好ましくは1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチル−ホスホランアミン部分を含むものである。
硬化剤の中で、付加物が形成される場合、式:
Figure 2010514913
(式中、ArB1およびArB2、J、E、b1およびb2は、上記に詳述されたとおりの同じ意味を有する)
の上記に定義されたとおりのジ芳香族フェノールまたはチオフェノール誘導体が好ましく;極めて好ましくは、ビスフェノールAFが使用される。
本発明の目的のために使用される好適な付加物は、特に、欧州特許出願公開第0684277A号明細書(AUSIMONT SPA)1995年11月29日に記載されるものである。
イオン架橋性フルオロエラストマー組成物は、フルオロエラストマー[ポリマー(F)]の100重量部当たり、0.05から20重量部の、上記に詳述されたとおりの少なくとも1種の極性化合物(P)を含む。
極性化合物(P)の付加は、有利には、架橋系の極性を実質的に変更することを可能にし、その結果、イオン経路を介する硬化速度およびその組成物の架橋挙動が実質的に変更され、硬化剤および促進剤両方の反応性を増加させると本出願人は、本発明の範囲を限定することなく、考える。
極性化合物(P)の量は、フルオロエラストマー(F)の100重量部当たり、少なくとも0.05重量部、好ましくは少なくとも0.1重量部、より好ましくは少なくとも0.5重量部からなる。
極性化合物(P)の量は、フルオロエラストマー(F)の100重量部当たり、有利には、最大20重量部、好ましくは最大15重量部、より好ましくは最大10重量部、最も好ましくは最大5重量部からなる。
「少なくとも1種の極性化合物」という表現は、本発明の組成物が1種または複数の極性化合物(P)を含み得ることを意味すると理解される。以下の本明細書において、極性化合物(P)という用語は、単数形および複数形の両方において理解される。
上記に詳述されたとおりの式:
Figure 2010514913
を有するアルデヒドの非限定的な例は、特に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどである。
上記に詳述されたとおりの式:
Figure 2010514913
を有するケトンの非限定的な例は、特に、アセトン、メチルエチルケトンなどであり;アセトンが特に好ましいケトンである。
上記に詳述されたとおりの式:
Figure 2010514913
を有するエステルの非限定的な例は、特に、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどである。
本発明の好ましい実施形態によれば、極性化合物(P)は、上記に詳述されたとおりの脂肪族アルコールの中から選択される。脂肪族アルコールは、それらの容易な利用性および低毒性の観点から特に好ましい。
脂肪族アルコールが、上記に定義されたとおりの、アルキル基Rを有することが必須であり、その結果、このようなアルコールの極性は十分であり、硬化および/または後硬化の間にアルコールは、その蒸発を可能とする適切な揮発性特性を依然として保有したままである。
好ましくは、脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールの中から選択される。
より好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、および/またはイソプロパノールの中から選択される。
場合によって、イオン架橋性フルオロエラストマー組成物は、例えば、特に:
i)フルオロエラストマー(F)100重量部に対して1から40重量部の量で、フルオロエラストマーのイオン硬化の分野における当業者に知られているものから選択される1種または複数の無機酸受容体;この種(i)の化合物の中で、MgO、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)を挙げることができる。
ii)フルオロエラストマー(F)100重量部当たり0.5から10重量部の量で、フルオロエラストマーのイオン硬化の分野における当業者に知られているものから選択される1種または複数の塩基性化合物を含む。塩基性化合物ii)は通常、弱酸の有機金属塩、例えば、Ca、Sr、Ba、NaおよびKの炭酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩および亜リン酸塩などから選択される。
また、補強充填剤が、本発明の組成物において使用されることができ;補強充填剤は好ましくは、カーボンブラック、硫酸バリウム、シリカ、ケイ酸塩、半結晶性フルオロポリマーの中から選択される。補強充填剤が半結晶性フルオロポリマーである場合、これは好ましくは、テトラフルオロエチレンホモポモポリマーまたはヘキサフルオロプロピレンなどのC〜Cペルフルオロオレフィン、式CF=CF−O−R(ここで、RはC〜Cペルフルオロアルキルである)のペルフルオロアルキルビニルエーテル、または式CF=CF−OX(ここで、Xは、1個以上のエーテル基を有するC〜C12ペルフルオロアルキルである)のペルフルオロオキシアルキルビニルエーテルの中から選択される0から10モル%のコモノマーを含むコポリマーである。このような半結晶性フルオロポリマーは好ましくは、5から100nm、好ましくは20から60nmの平均一次粒径を有する粒子の形態下で使用される。
他の従来の添加剤、例えば、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、加工支持剤は、本発明の組成物に添加され得る。
本発明の組成物はイオン硬化について意図されるので、一般に、ラジカル開始剤、例えば、過酸化物を必要としない。したがって、本発明の組成物は、有利には、ラジカル過酸化物を含まない。
さらに、本発明の目的は、上記に詳述されたとおりの組成物の製造のための方法である。
したがって、本発明の目的は、
(a)少なくとも1種のフルオロエラストマー[ポリマー(F)];
(b)少なくとも1種の促進剤および少なくとも1種の架橋剤を含む少なくとも1種のイオン架橋系;
(c)フルオロエラストマー[ポリマー(F)]の100重量部当たり0.5から20重量部の、上記に詳述されたとおりの少なくとも1種の極性化合物(P)
を含むイオン架橋性フルオロエラストマー組成物の製造のための方法である。
本発明の方法は有利には、特にローラータイプのラバーミル、バンバリー混合機などを含めて、ゴム組成物を調製するのに有用であることが知られている任意の混合装置によって、上記に詳述されたとおりの成分(a)〜(c)を混合する段階を含む。
さらに本発明の別の目的は、上記に詳述されたとおりの組成物の硬化のための方法である。
したがって、本発明の目的は、
(a)少なくとも1種のフルオロエラストマー[ポリマー(F)];
(b)少なくとも1種の促進剤および少なくとも1種の架橋剤を含む少なくとも1種のイオン架橋系;
(c)フルオロエラストマー[ポリマー(F)]の100重量部当たり0.5から20重量部の、上記に詳述されたとおりの少なくとも1種の極性化合物(P)
を含むイオン架橋性フルオロエラストマー組成物をイオン的に硬化させる方法である。
本発明の方法は一般に、ラジカル開始剤の使用を含まないことが理解される。
硬化は、上記に詳述されたとおりの組成物を少なくとも150℃の温度で加熱することによって有利に行われ得る。当業者は、特定の用途に対する最良の硬化温度は成分(a)から(c)の性質および割合ならびに最終製品で必要とされる特性などの要因に依存することを理解する。
適切な加熱および硬化手段を備えた、従来のゴム−硬化プレス、型、押出機などは、硬化フルオロエラストマー物品を得るために使用され得る。
また、最大耐熱性および寸法安定性が必要とされる場合、硬化プロセスは、有利には、後硬化操作を含み、ここで、硬化フルオロエラストマー物品は、オーブン、例えば、空気循環式オーブン中で、約200から260℃の温度で、約1から48時間のさらなる時間加熱される。
本発明のイオン架橋性フルオロエラストマー組成物は、低圧縮永久歪みを有する硬化フルオロエラストマー物品の高生産性の製造において有益な有用性を有する。これは、耐熱性弾性O−リングシール、シャフトシール、ガスケット、管などの製造に極めて有用である。本発明は、急速硬化および十分な応力/歪み特性のさらなる利点を達成しながら、このような物品を製造するために用いることができる。
本発明は、これから、以下の実施例の参照によってより詳細に説明されるが、この目的は、単に説明に役立つためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[原料]
フルオロエラストマー(A):フルオロエラストマー(A)は、米国特許第6111028号明細書(AUSIMONT SPA(IT))2000年8月29日の実施例1によって製造した。
TECNOFLON(登録商標)N535は、Solvay Solexis Inc.から市販されている66重量%のフッ素含量を有するVF/HFPフルオロエラストマーである。
TECNOFLON(登録商標)FOR4391は、Solvay Solexis Inc.から市販されている、ビスフェノールAFおよび1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホラナミンクロライドを含む、70重量%のフッ素含量を有する硬化組込みVF/HFP/TFEフルオロエラストマーである。
TECNOFLON(登録商標)FOR50HSは、Solvay Solexis Inc.から市販されているビスフェニールAFおよび1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンクロライドを含む、66重量%のフッ素含量を有する硬化組込みVF/HFPフルオロエラストマーである。
マスターバッチ(M1):マスターバッチM1は、50重量%のビスフェノールAFおよび50重量%のTECNOFLON(登録商標)フルオロエラストマー(コポリマーVF/HFP 80/20モル%)を含む配合混合物である。
マスターバッチ(M5HS):マスターバッチM5HSは、30重量%の、5:1モル比のビスフェノールAFおよび1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンクロライド間の付加物ならびに70重量%のTECNOFLON(登録商標)フルオロエラストマー(コポリマーVF/HFP 80/20モル%)を含む配合混合物である。
ELASTOMAG(登録商標)170MgOは、Rohm and Haasから市販されている酸化マグネシウムである。
MAGLITE(登録商標)DE MgOは、CPH Solutions Corp.から市販されている酸化マグネシウムである。
カーボンブラックN990は、CANCARBから市販されている。
[架橋特性]
架橋過程における本組成物の挙動は、MDR(Moving Die Rheometer)2000E Alpha Technologies Ltd.を用いて、ASTM D2084法によって評価した。以下の試験条件を用いた:
振動周波数:1.66MHz;
振動幅:+/−0.5度;
温度:177℃;
試験片重量:7〜8g;
試験時間:表中に詳述されたとおり、平坦域に達するのに十分な時間。
以下のパラメータを記録した:
Tq min:ポンド・インチの単位で表した、最低トルクレベル;
Tq max:ポンド・インチの単位で表した、平坦域で最大トルクレベル;
Ts2:Tq min+2ポンド・インチに等しいトルクに達するのに必要な時間
Txx:Tq min+x(Tq max−Tq min)/100(x=50,90)に等しいトルクに達するのに必要な時間
[硬化試料に対する機械的特性および封止特性の測定]
13×13×2mmのプラーク(plaque)およびO−リング(サイズクラス=214)をMDR曲線のt’95に等しい時間、177℃で加圧型において硬化させ、次いで、実施例に特定されたとおりの所与の温度で所与の時間、空気循環式オーブン中で後処理した。
引張り特性は、プラークからパンチした試験片について、ASTM D412法、方法Cによって測定した。M100%は、100%伸長でのMPa単位の引張り強度である。
T.S.は、MPa単位の引張り強度である;
E.B.は、%単位の破断時の伸長である。
ショア硬度A(3’’)は、ASTM D2240法によって積重ねた3枚のプラークについて測定した。
圧縮永久歪みは、ASTM D329法によって、O−リング(クラス:214)について測定した。
[イソプロパノールを含む組成物の調製および硬化挙動]
フルオロエラストマー(A)と、0.7重量部のM1、7.8重量部のM5HS、7重量部のMAGLITE(登録商標)DE酸化マグネシウムおよび30重量部のカーボンブラックMT990とを混合することによって、組成物の第1組を調製した。
いかなる極性化合物も添加することなくこの組成物を架橋させることによって比較実施例1を行い、本明細書の下記の表1に詳述されたとおりの異なる量のイソプロパノールを同じ組成物に添加して実験2から4を行った。
硬化速度は著しく増加した(イソプロパノールが存在した場合、トルクを増し、最大トルクを達成するための時間は著しく減少した)が、これは機械的特性の実質的な変更は伴わず、その結果、引張り強度、硬度、圧縮永久歪み、および他の関連フルオロエラストマー機械性能はほとんど変化しないままであったことを観察することができる。
比較実験5、および実験6は同様に行ったが、いずれの極性化合物も有さずに(実験5)またはイソプロパノールを添加して(実験6)、0.7重量部のM1、7.8重量部のM5HS、7重量部のMAGLITE(登録商標)DE酸化マグネシウムおよび30重量部のカーボンブラックMT990を有するTECNOFLON(登録商標)N535を用いた。
この処方に関しても、硬化速度は著しく増加した(イソプロパノールが存在した場合、トルクを増加させ、最大トルクを達成するための時間は、著しく減少した)。
Figure 2010514913
他の実験は、2.2重量部のM1、5.0重量部のMSHS、3重量部の水酸化カルシウム、7重量部のMAGLITE(登録商標)酸化マグネシウムおよび30重量部のカーボンブラックMT990を配合したフルオロエラストマー(A)を用いて行った。
このフルオロエラストマー組成物の場合でさえ、1から3重量部の範囲の量でイソプロパノールを添加することにより、イオン硬化が促進されることがわかった(表2参照)。
Figure 2010514913
[エタノールを含む組成物の調製および硬化挙動]
−TECNOFLON(登録商標)FOR4391(これは、
・3重量部のELASTOMAG(登録商標)酸化マグネシウム;
・6重量部の水酸化カルシウム;および
・30重量部のカーボンブラック
を配合した70重量%のフッ素含有量を有する硬化組込みVF/HFP/TFEターポリマーである)
を含む組成物を、1重量部のエタノールを添加して、またはしないで、上記に詳述されたとおりのその硬化挙動について試験した。エタノールは、機械的特性に悪影響を与えないで、硬化速度を増加させた。結果を本明細書の下記の表3に要約する。
Figure 2010514913
[異なる極性化合物を含む組成物の調製および硬化挙動]
2.2重量部のM1、5.8重量部のMSHS、3重量部の水酸化カルシウム、7重量部のMAGLITE(登録商標)酸化マグネシウムおよび30重量部のカーボンブラックMT990を配合したフルオロエラストマー(A)を含む組成物を、本明細書の以下の表4に詳述されたとおりの1重量部の極性化合物の非存在下および存在下で硬化させ、それらの硬化挙動およびO−リング圧縮永久歪みを含む、機械的特性を試験した。結果を本明細書の以下の表4に詳述する。
Figure 2010514913
[極性化合物を含む組成物の調製および硬化挙動ならびに非極性化合物を有する比較実施例]
7重量部のELASTOMAG(登録商標)170酸化マグネシウムおよび30重量部のカーボンブラックN990を配合した100重量部のTECNOFLON(登録商標)FOR50HS(これは、66重量%のフッ素含量を有する硬化組込みVF/HFPコポリマーである)を含む組成物を、本明細書の下記の表5に詳述されたとおりの1重量部の極性または非極性化合物の非存在下および存在下で硬化させた。結果を本明細書の下記の表5に詳述する。表から、アセトンの使用は硬化速度を向上させるが、トルエンまたはヘプタンのような非極性化合物はいかなる効果も示さないことが明らかである。
Figure 2010514913

Claims (10)

  1. (a)少なくとも1種のフルオロエラストマー[ポリマー(F)];
    (b)少なくとも1種の促進剤および少なくとも1種の硬化剤を含む少なくとも1種のイオン架橋系;
    (c)100重量部のフルオロエラストマー[ポリマー(F)]当たり0.5から20重量部の、
    ・式:
    −OH
    (式中、Rは、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
    を有するアルコール;
    ・式:
    Figure 2010514913
    (式中、R’は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜12炭化水素基である)
    を有するアルデヒド;
    ・式:
    Figure 2010514913
    (式中、同じかまたは互いに異なるR’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
    を有するケトン;
    ・式:
    Figure 2010514913
    (式中、同じかまたは互いに異なるR’’’基は、脂肪族または芳香族の、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のC1〜6炭化水素基である)
    を有するエステル
    の中から選択される、150℃以下の沸点を有する少なくとも1種の極性化合物;
    を含むイオン架橋性フルオロエラストマー組成物。
  2. ポリマー(F)が、フッ化ビニリデン(VF)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰返し単位を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. ポリマー(F)が、
    ・60から85モル%のVFおよび40から15モル%のHFPを含む(好ましくはそれらからなる)VF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)コポリマー;
    ・45から85モル%のVF、15から45モル%のHFPおよび最大30モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFP/TFEターポリマー;
    ・50から80モル%のVF、5から50モル%の、式CF=CF−O−R’(ここで、R’は、C1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および最大20モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEターポリマー;
    ・20から30モル%のVF、10から30モル%のエチレン(E)および10から30モル%のTFE(残部はHFPである)を含む(好ましくはそれらからなる)VF/エチレン/HFP/TFEポリマー;
    ・20から30モル%のVF、10から30モル%のエチレン、18から27モル%の式CF=CF−O−R’(ここで、R’は、C1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および10から30モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/E/ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEポリマー;
    ・20から50モル%の、式CF=CF−OR’(ここで、R’は、C1〜6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、および50から80モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル/TFEコポリマー;ならびに
    ・4から75%モル%のVF、12から40モル%のHFP、最大35モル%のEおよび2〜60モル%のTFEを含む(好ましくはそれらからなる)VF/HFP/E/TFEポリマー;
    の中から選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. ポリマー(F)が、0.5ミリモル/kg未満の不安定−COF−型末端基の量を含む、請求項3に記載の組成物。
  5. ポリマー(F)が、
    (a)アルキルが1から12個の炭素原子を有するジアルキルペルオキシド、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド(DTBP);
    (b)アルキルが1から12個の炭素原子を有するジアルキルペルオキシジカーボネート、例えば、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート;
    (c)アシルが2から12個の炭素原子を有するジアシルペルオキシド、例えば、ジアセチルペルオキシド;
    (d)3から20個の炭素原子を有するペルオキシエステル、例えば、tert−ブチルペルオキシイソブチラート;
    の中から選択される有機過酸化物を用いるエマルジョン重合によって得られる、請求項4に記載の組成物。
  6. 促進剤が、
    ・一般式:
    Figure 2010514913
    (式中、Qは、窒素、リン、ヒ素、アンチモンから選択され;同じかまたは互いに異なるR1、R2、R3、R4は、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のアルキル、アリール、アルケニル基からなる群から独立して選択され、場合によって、このR1、R2、R3、R4基の任意の対は、ヘテロ環式環を形成するために互いにおよびQ原子と連結されることができ;nはアニオンXの原子価と等しい整数であり、好ましくはnは1または2であり、
    Xは、好ましくは、ハロゲン化物、水酸化物、シアニド、イソシアニド、チオシアニド、硝酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、テトラアリールホウ酸塩などの、一価または二価のアニオンから選択されるアニオンである)
    の四級オニウム塩;
    ・以下の式:
    Figure 2010514913
    (式中、mは1から3の整数であり、R、RおよびRは同じであるかまたは互いに異なり、それぞれの存在において、置換または非置換の、直鎖または分枝鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルから独立して選択され、場合によって、RおよびRは、窒素原子とヘテロ環式環を形成するために、互いに連結されてよい)
    に従うアミノ−ホスホニウム化合物;
    ・スルホニウム化合物、すなわち、少なくとも1個の硫黄原子が、硫黄−炭素共有結合によって、1から20個の炭素原子を有し、同じかまたは互いに異なる3つの有機部分に共有結合しており、かつ適切なアニオンとイオン的に会合している硫黄含有有機化合物;
    ・トリアリールホスホラン化合物、すなわち、式:
    Figure 2010514913
    (式中、この基の非指定結合の両方が1個の炭素原子に結合しており、それぞれの存在において同じかまたは異なっているArは、特に、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、クロロフェニル、メトキシフェニルなどの、置換または非置換の、単環式または多環式アリール基を意味する)
    のトリアリールホスホラニリデン基を有する化合物;
    ・一般式:
    Figure 2010514913
    (式中、それぞれの存在において同じかまたは異なるR’は、特に、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、クロロフェニル、メトキシフェニルなどの、単環式または多環式の、置換または非置換のアリール基、あるいは、場合によってハロゲン化される、置換または非置換のアルキル基、あるいは、アリール部分の少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個のC1〜20アルキル基によって置換されているアラルキル基を意味し、nは1または2であり、Xはアニオンである)
    のビス(トリホスフィン)−イミニウム塩(またはPNN塩);
    の中から選択される有機オニウムである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 硬化剤が、
    ・式:
    Figure 2010514913
    (式中、Arは、場合によって置換される、1つまたは複数の縮合芳香族環を含むアリーレン基であり、Eは酸素または硫黄であり、好ましくは、Eは酸素であり、aは2から4の整数、好ましくは2または3である)
    の芳香族ジフェノールまたはジチオフェノール型誘導体;
    ・式:
    Figure 2010514913
    (式中、同じかまたは互いに異なるArB1およびArB2は、場合によって置換される、1つまたは複数の縮合芳香族環を含むアリーレン基の中から選択され、Jは、結合、場合によって置換された(例えば、−C(CH−)および/または場合によってフッ素化された(例えば、−C(CF−)、1から6個の炭素原子を有するアルキレン基、−O−基、−S−基、−SO−基、−C(O)−基から選択される二価の架橋基であり、Eは酸素または硫黄であり、好ましくは、Eは酸素であり、b1およびb2は、1から3の整数、好ましくは1である)
    のジ芳香族フェノールまたはチオフェノール誘導体;
    ・式:
    HO−CH−ROF−CH−OH
    (式中、ROFは、ペルフルオロポリエーテル鎖において統計的に分布された、式:
    −CF−O−
    −CFCF−O−
    −CF−CF(Y)−O−(ここで、YはFまたはCFである)
    −CFCFCF−O−
    の中から選択される繰返し単位を含むペルフルオロポリエーテル鎖である)
    のペルフルオロポリエーテルジオール;
    ・ならびにこれらの混合物
    の中から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールの中から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のイオン架橋性フルオロエラストマー組成物の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のイオン架橋性フルオロエラストマー組成物をイオン的に硬化させる方法。
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