JP5074276B2 - 木材処理用組成物及び木材処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、木材製品の耐久性と共に耐火性等の他の特性を主に改善する木材処理用組成物及び木材処理方法に関する。さらに、この発明は、前記木材処理用組成物及び前記木材処理方法で得られる木質材に関する。
欧州では木質材は高価であるから、この業界において、現在の取引レベルを発展させ又は少なくとも維持するための唯一の選択肢が木質材の品質を向上させることであると広く考えられている。特に向上させるべき特性は、木材の生物による腐朽防止、並びに、木材の耐火性及び耐水性であるとされている。建設資材として木材を利用する場合において、火災安全性が大きな障害の1つとなっている。例えば日本等の多くの市場において、木材が自然な原色をできだけ長く維持することも望まれている。日光及び湿気による木材の黒化は建築的にも審美性を有していないと考えられている。したがって、建築業界ではこのように黒化した木材の使用を避けている。
木材の細菌は、酵素活性及びその分解活性に基づいて2グループに大別される。第1のグループは、木材細胞の木質化細胞壁を分解することなく植物死細胞の内容物を同化する菌類である。このような菌類として、例えば、糸状菌、青変菌等が挙げられる。第2のグループは、木質化細胞壁を活用する細菌である。褐色腐朽菌及び白色腐朽菌及は、このグループの中でも最も有効な分解菌類の1つであり、アクチノバクテリア(Actinobacteria)及び子嚢菌類(Ascomycetes fungi)は木材細胞の木質化細胞壁を分解することができる。
特許文献1には、ギ酸カリウム及びギ酸カルシウムの水溶液を木材の防腐特に腐朽菌及びシロアリに対する予防に使用する方法が記載されている。しかし、厳しい条件下では、この水溶液を用いても腐朽、糸状菌又は火災から木材を十分に保護することができない。
特許文献2には、液状水性媒体に溶解された、ソルビン酸塩及び安息香酸塩と共にギ酸塩を含有してなる木材用処理剤が記載されている。前記特許文献1の水溶液と比較すると、特許文献2の木材用処理剤は木材の糸状菌耐性及び耐火性を改善することができるという点において優れている。しかし、この木材用処理剤で得られる耐火性は木製建設資材に対する最近の火災基準を十分に満足することができない。また、条件が厳しい用途に使用すると、又は長期間にわたって使用すると、腐朽及び糸状菌を十分に予防することができない。
特許文献3には、木材のような多孔性材料を処理するための別のギ酸塩溶液を使用する方法がある。この方法の目的は胞子から糸状菌及び菌類に成長することを抑制することにある。しかし、この溶液を用いても腐朽、糸状菌及び火災から木材を十分に保護することができない。
特許文献4には、あまり好ましくない選択肢を含む有機酸、好ましくはクエン酸、フマル酸又は乳酸、ギ酸等で木材を前処理する方法が記載されている。この前処理の後に、木材を乾燥し、最終的にソルビン酸又はその塩で木材を処理する。前処理剤における有機酸の濃度は好ましくは1.0〜5.0質量%である。この前処理方法の目的は、前記有機酸で処理された木材にソルビン酸カリウム等のソルビン酸塩を吸収させることによって、この木材中に微溶解性のソルビン酸を永続的に蓄積させることにある。これらの処理工程は前記した順番を逆に実施してもよく、その場合には、各工程間に乾燥工程を実施する必要がある。この前処理は有機酸のみを使用するので、この前処理方法は、腐朽、糸状菌及び火災から木材を十分に保護することができないという欠点がある。さらに、有機酸の希薄溶液は強酸性であって、この希薄溶液のpHは4以下になることもあるから、この希薄溶液で処理された木質材は、酸による木質組織の破壊によって、時間と共に前記特性が低下することがある。
特許文献5には含浸剤(注入剤とも称する。)が記載されている。この含浸剤は、ギ酸とギ酸カリウム又は二ギ酸カリウムとからなる特別な2つの塩を有機酸と共に含有する混合物を主成分としている。ギ酸カリウムの水性溶液はそれ自体酸性であるから、前記含浸剤で処理された木質材は、ギ酸による木質組織の破壊によって、時間と共に前記特性が低下することがある。
特許文献6には、木材の腐朽を防止する方法及び木材の腐朽防止剤が記載されている。この方法及び腐朽防止剤によれば、木質材は菌類の増殖と拡散を抑制する木材保護剤で処理され、この木材保護剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン−ジ−(オルト−ヒドロフェニル酢酸)(EDDHA)、ポリリン酸又はジデロフォア(siderophore)等の金属イオン封鎖剤を少なくとも1つ含有している。天然木材に存在する金属の少なくともいくつか例えば鉄及びマンガンは、菌類の増殖に必要不可欠であるが、前記金属イオン封鎖剤に化学的に結合する。この方法の欠点は、糸状菌抑制効果が十分ではないこと、及び、時間と共に前記金属イオン封鎖剤が木材から流出する傾向があることに、ある。世界的に、例えば、その生分解性が非常に遅いことによって最も一般的で最も効果的な金属イオン封鎖剤であるEDTAの使用量を低減するようになりつつある。
特許文献7では、木材保護剤にシロキサン誘導体又はフルオロアルキルポリマーを添加して、金属イオン封鎖剤の除去量を低減させることが提案されている。
例えば特許文献4及び特許文献5に記載された方法において木材の保護に酸を使用すると、酸性状態によって木質材における本来の木質組織に時間と共に悪影響が生じるという欠点があることが、見出された。
環境を破壊することがなく効果的であって下記式(1)で表される構造を持つキレート剤がこの出願と同じ出願人による特許文献8に記載されている。
Figure 0005074276
前記式(1)において、Rは、アルキル基、アルキル鎖に1つのカルボン酸基を有する基から成る群より選択され、R及びRはそれぞれ、水素原子、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである。
特許文献8には、これらのキレート剤を、化学パルプ若しくは機械パルプの漂白用キレート剤として使用すること、過酸化水素又は過酸を含有する織物用漂白剤として使用すること、又は、合成洗剤のカルシウム結合剤として使用することが、提案されている。
いくつかのカルボン酸又は金属イオン封鎖剤(キレート剤)は、これらを含有する水溶液で木材を一度処理すると、この木材における腐朽菌の増殖を抑制する効果を有することが知られている。カルボン酸又は金属イオン封鎖剤は、クロム、銅及び/又はヒ素(銅・クロム・ヒ素)を含有する従来のCCA注入方法(CCA impregnation、CCA含浸方法とも称する。)に比して無毒であるという点で優れている。しかし、カルボン酸又は金属イオン封鎖剤単独では、腐朽、青変菌、糸状菌及び火災から木材を所望のように十分に保護することができない。また、カルボン酸又は金属イオン封鎖剤が時間と共に木材から流出してしまうという問題もある。
国際公開第03/002318号パンフレット フィンランド特許発明明細書第117792号 国際公開第03/088745号パンフレット 米国特許第6652921号明細書 欧州特許第1361938号明細書 欧州特許第0641275号明細書 国際公開第0123154号パンフレット 欧州特許第1070045号明細書
この発明の目的は、下記特性を有することを特徴とする木材処理用組成物を提供することにある。
・使用者に対して安全で環境への危害がわずかである(有害ではない)こと
・多量に流出することなく木材に残存している間に、様々な種類の木質材に十分に吸収され又は十分に浸透すること
・糸状菌、腐朽及び青変菌から木材を保護すること
・寸法変化、亀裂発生及び変色から木材を保護すること
・木材の耐火性を向上させること
・長期使用においても、処理後の木質組織に悪影響を及ぼさないこと
さらに、この発明の目的は、所望される様々な用途環境に適し、前記特性を同時に発揮する木材製品を提供することにある。この発明の特有の目的は、腐朽耐性、耐火性及び色彩安定性すべてにより一層優れた木質材を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
この発明の前記目的を達成するため、木材処理用組成物は、請求項1に記載された特徴を有している。木材は請求項17に記載されたように処理され、その結果、請求項19に記載された処理済み木材が提供される。さらに、この発明は請求項20に記載の使用を明らかにする。
この発明において、驚くべきことに、ギ酸塩及びキレート剤を木材保護溶液に添加することによって木材の腐朽及び耐火性を著しくかつ同時に改善することができることを、見出した。さらに、腐朽菌、青変菌、糸状菌、シロアリ、火災及び変色から木材を同時に保護する場合には著しい相乗効果が得られる。このような多機能で環境にわずかな危害しか与えない木材保護剤は、これまで切望されていたにもかかわらず、今まで上市されていなかった。
ギ酸カルシウム等の有機塩は腐朽菌(木材保護クラス3:腐朽保護基準EN 350−1、クラス1−5)に対して非常に高活性であるけれども、この有機塩で処理された木質材は、着火時間が短く、最近の欧州火災等級分けシステム(European fire classification system、防火基準(fire protection standard)EN 13501−1、クラスA−D)におけるクラスD、すなわち、完全に処理されてない木材製品が属するクラスと同じクラスに属していた。この発明で提供される木材保護用溶液、又は、キレート剤と共にギ酸塩を含有する木材処理用組成物によれば、これらで処理された木質材は、前記基準におけるクラスB、すなわち、木材の最高クラスまで、その特性が改善される。さらに、ギ酸塩及びキレート剤とを主成分とする木材処理用組成物によって、木材は、CCAを含浸した木材に匹敵する状態にまで改質され、すなわち、その特性が前記基準における最高の木材保護クラス1まで向上することが、見出されている。
この発明に係る木材処理用組成物によって糸状菌及び青変菌の増殖並びに木材腐朽が共に効果的に防止されうることが、見出されている。また、この発明に係る木材処理用組成物は、害虫忌避剤としても機能し、木材の耐火性を著しく向上させることができる。さらに、この発明に係る木材処理用組成物によって貯蔵時及び長期間使用時における寸法変化及び木材の亀裂発生が防止され、そして、この木材処理用組成物によって処理済み木質材はその原色を維持することができる。この発明に係るギ酸塩の水溶液はわずかに酸性、中性又はアルカリ性で、中性状態は木材処理に好適である。さらに加えて、この発明に係る木材処理用組成物は多量に流出することなく木材中に残存することが見出された。
この発明において、用語「木材」又は「木質材」は、下記例示したものを含むすべての物及び製品を意味する。すべての物及び製品として、原木、用材、木製建築資材及び木製建築材料等が挙げられる。さらに、すべての物及び製品として、丸太等の種々の加工木材製品、板材、厚板及び木舞等のすべての用材、積層板、パネル、厚板及び壁材等の表面積の大きな平面材料、室内用及び室外用の家具、並びに、その他の木製品及び木製物体等が挙げられる。処理される木材は固定された建造物特に室外建造物であってもよい。固定された建造物としては、例えば、木造建築物、フェンス、枠組み(フレーミング)、柱、橋梁及び桟橋等が挙げられる。また、「木材」は、原木質組織が保持されている改質木材製品をも意味し、この改質木材製品としては、例えば、粉末状にした後又は細断した後に再処理された木質材等が挙げられる。
この発明において、用語「キレート剤」は、例えば特許文献8に記載された金属イオン封鎖剤及びキレート等の、金属に結合して金属との錯体を形成する化合物を意味する。
この発明において、用語「実質的に生分解性」とは、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、イミノジコハク酸(ISA)、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アスパラギン酸(AES)又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)等のキレート化合物及びその塩における生物学的な分解特性を意味する。前記単量体化合物に加えて、生分解性化合物として、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸(PHAS)、ポリアスパラギン酸(PASP)、ポリ乳酸(PLA)、これらの金属塩及びこれらの誘導体の、もともと分解性を有する高分子化合物が挙げられる。前記化合物に対して、生分解性の小さいキレート剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレンジトリアミン五酢酸(DTPA)又はフィンランド特許発明明細書第106258号に記載された化合物等が挙げられる。
この発明に係る木材処理用組成物は、少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはその塩、又は、それらの混合物を含有する。この木材処理用組成物はさらに少なくとも1種のキレート剤を含有する。これらの化合物は液体水性媒体に溶解され、この発明に係る木材処理用組成物を構成する。
前記キレート剤は生分解性又は実質的に生分解性であるのが好ましい。キレート剤、又は、複数のキレート剤を同時に用いるときの各キレート剤は、式(1)で表される構造を有するN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体、式(1)で表される構造とは異なる構造を有するアスパラギン酸、金属結合性高分子、有機リン化合物及びその誘導体、並びに、これらの混合物から成る群より選択される。
前記N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体は下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 0005074276
式(1)において、Rは、アルキル基、アルキル鎖に1又は2以上のカルボン酸基を有する基、ヒドロキシ基又はエーテル結合であり、R及びRはそれぞれ、水素原子、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである。
これらの化合物による環境負荷は可能な限り小さく、その結果、アスパラギン酸誘導体は前記式(1)で表される構造とは異なる構造を有し、生分解性であるのが好ましく、また、前記金属結合性高分子も生分解性である。
この発明における、前記式(1)の構造を有するN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体は、好ましくは、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アスパラギン酸(AES)、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−グリシン(AEG)及びN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−メチルグリシン(MGES)等が挙げられる。N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体は、AES、AESの塩等の誘導体又はこれら化合物の混合物であるのがより好ましい。この発明における生分解性のアスパラギン酸誘導体は、前記式(1)で表される構造とは異なる構造を有し、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、イミノジコハク酸(ISA)又はこれらの誘導体であるのが好ましい。この発明における生分解性高分子は、金属と結合し、ポリアスパラギン酸(PASP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸(PHAS)又はこれらの塩であるのが好ましい。この生分解性高分子は、十分な生分解性を有すると共に実質的な環境負荷を与えないものが好ましい。前記アミン誘導体は、その構造にリン元素を含有してないから潜在性栄養負荷を増大させることがない点で、優れている。前記有機リン化合物はまた前記化合物と同じように機能することができることが見出されている。この有機リン化合物は、アミノトリメチレンホスホニウムアシッド(aminotrimethylenephosphonium acid)(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)若しくはこれらの塩又はこれらの混合物であるがの好ましい。有機リン化合物は、HEDP若しくはこの塩又はこれらの混合物であるのがさらに好ましい。この発明におけるキレート剤は、AES若しくはその塩、及び/又は、HEDP若しくはその塩であるのがさらに好ましい。これらの化合物は、生物学的保護、木材の耐火性を向上させる優れた化合物であり、環境負荷もほとんどない。
この発明に係る木材処理用組成物における前記キレート剤の総含有量は、0.01〜50質量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲内で適宜調整される。木材処理用組成物は、加圧注入(加圧含浸とも称する。)用である場合には希薄溶液が使用され、表面処理用である場合にはより高濃度の溶液が使用される。
防火性の向上を目的とする好ましい実施形態によれば、前記キレート剤として有機リン化合物好ましくはHEDPは5〜20質量部の含有量に調整される。
生物学的保護を目的とする好ましい実施形態によれば、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体好ましくはAESは、0.5〜5質量%の含有量に調整される。
この発明に係る木材処理用組成物において、1種のキレート剤を使用することができ、また、AES及びHEDP等の複数種のキレート剤を同時に使用することができる。
前記C〜Cのモノカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、安息香酸及びこれらの混合物から成る群より選択されるのが好ましい。これらの酸及びそれらの塩は、市販品を容易に入手することができ、食品業界において一般的であり、そして、よく知られているように、それらの抗菌特性は有機酸塩の中でも最強である。この発明におけるC〜Cのモノカルボン酸は、ギ酸若しくはソルビン酸又はこれらの混合物であるのが好ましく、これらの酸は非常に強力な抗菌特性を有している。C〜Cのモノカルボン酸は、ギ酸又はこの塩であるのが最も好ましく、ギ酸又はこの塩はこの発明におけるキレート剤と共に効果的な木材保護剤として機能する。ギ酸又はこの塩は前記利点を有し、また、生産費において優位である。
〜Cのモノカルボン酸の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はこれらの混合物であるのが好ましい。所望により、前記塩は、対応する化合物を中和してその塩を形成することによって、系内又は系外で調製することができる。例えば、アンモニウム塩は、酸をアンモニアで中和して塩を調製することができる。この塩のカチオンは、ナトリウム、カルシウム及び/若しくはアンモニウム又はこれらの混合物であるのが好ましい。塩のアニオンは、優れた抗菌活性を有し、水への溶解度が高いギ酸イオン及び/又はソルビン酸イオンであるのが好ましい。この塩は、ギ酸のカリウム塩、ギ酸のカルシウム塩、ギ酸のアンモニウム塩又はこれらの混合物であるのが最も好ましい。
腐朽保護特性の向上を特に目的とする好ましい実施形態によれば、C〜Cのモノカルボン酸の塩はギ酸カルシウムであり、ギ酸カルシウムは、特に加圧注入の場合には、この発明におけるキレート剤と共になって特に腐朽防止に対する優れた木材保護剤として機能する。さらに、ギ酸カルシウムの取扱性は優れている。吸湿性が低いこともギ酸カルシウムの利点の1つである。
防火性の向上を特に目的とする別の好ましい実施形態によれば、C〜Cのモノカルボン酸の塩はギ酸アンモニウムであり、ギ酸アンモニウムは、水への溶解度が著しく高いから、キレートを形成するさらなる金属カチオンを木材処理用組成物に混合する必要はない。ギ酸アンモニウムを系内で調製する間に、キレート剤は同時にアンモニウム化されて対応するアンモニウム塩を生成させる。アンモニウム塩は、キレート溶液に用いられ、好ましくは高濃度に調製される。
さらに、シロアリに対する保護の向上を目的とする好ましい実施形態によれば、C〜Cのモノカルボン酸の塩はギ酸カリウムである。ギ酸塩を含有する高濃度の木材処理用組成物は処理予定の表面にブラシで塗布されるのが好ましい。木材処理用組成物の濃度が高くなると、所望の塗布量及び保存量と共に輸送費を低減することができる。
この発明に係る木材処理用組成物は、C〜Cのモノカルボン酸又はこの塩を1〜70質量%の割合で含有している。好ましくは、C〜Cのモノカルボン酸又はこの塩の含有量は1〜50質量%の範囲内で調整される。C〜Cのモノカルボン酸又はこの塩の含有量は1〜20質量%であるのが好ましい。C〜Cのモノカルボン酸又はこの塩の含有量は、木材処理用組成物中に存在するC〜Cのモノカルボン酸又はこの塩の合計量として算出される。
好ましい実施形態の1つは、C〜Cのモノカルボン酸又はこの塩を2〜30質量%含有する。この範囲の含有量であれば、モノカルボン酸又はこの塩は木材中に十分に保持され、木材を腐朽させる細菌から木材を長期間にわたって保護することができる。
この発明に係る木材処理用組成物のpHは、木材処理用組成物(溶液)を直接測定したときに、2〜12であり、4〜10であるのが好ましく、4〜7であるのがさらに好ましい。例えば、アルキルケテンダイマーAKD等の使用された添加剤が木材処理用組成物に溶解し、木材処理用組成物の高い安定性を維持するためには、木材処理用組成物はそのpHが約5であることが必要である。一方、木材保護用又は耐火性向上用の高酸性薬剤は木質組織を時間の経過と共に容易に損傷する。また、これらの薬剤で、木材中の釘又はねじ釘等の金属製建築素材は錆びるから、金属製建築素材は錆止め処理される。
この発明に係る木材処理用組成物の構成成分は液体水性媒体に溶解される。このようにして、複数の手段で木材に少なくとも部分的に塗布される液体の木材処理用組成物が得られる。所望により、この組成物は、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のこの分野において公知の添加剤が添加されてもよい。この発明に係る前記木材処理用組成物は、例えば運搬及び保存を考慮して高濃度であるのが好ましく、用途に適した濃度に希釈されてもよい。この木材処理用組成物は、木材に接触される前に、使用現場で希釈されるのが好ましい。
特別な実施形態によれば、この発明に係る木材処理用組成物は、5〜20質量%のHEDP、1.0〜10質量%のC〜Cのモノカルボン酸又はこの塩好ましくはギ酸アンモニウム、及び、水を含有している。
さらに、この発明に係る木材処理用組成物は、保持剤及び/又は疎水化剤(hydrophobizing agent)を含有していてもよい。適した保持剤としては、脂肪酸、デンプン、セルロース又はこれらの誘導体等の高分子、キトサン、低溶解性ギ酸塩又はシリコーン化合物等が挙げられる。疎水化剤としては、松脂又はこれらの誘導体、アルキルケテンダイマー(AKD)又はアルケニルコハク酸(ASA)等の表面サイズ剤、並びに、トールオイル及びこれらの誘導体等が挙げられる。疎水化剤としてAKD、ASA及び/又はトールオイルが好適に用いられ、これらの含有量は0.01〜5.0質量%であるのが好ましい。この発明に係る木材処理用組成物は、腐朽及び糸状菌の抑制に加えて、木材の耐火性を著しく向上させることができる点で、優れている。AKD、ASA又はトールオイルを添加すると、キレート剤若しくはその塩、及び/又は、モノカルボン酸若しくはその塩が木材から流失することをより一層効果的に防止することができる。
特別かつ好適な別の実施形態によれば、この発明に係る木材処理用組成物は、0.1〜5質量%のAES、1〜5質量%のC〜Cのモノカルボン酸又はこの塩例えばギ酸カルシウム、及び、水を含有している。さらに、この木材処理用組成物は、木材の撥水性を向上させるために、0.01〜5.0質量%のAKD又はASAを含有していてもよい。
また、この発明に係る木材処理用組成物は、アイオードプロパン−2−イル−N−ブチルカルバメート(iodopropan−2−yl−N−butyicarbamate)(IPBC)、ポリヘキサメチレングアニジニウム(polyhexamethylene guanidinium)化合物(PHMG)例えばこの塩化物又は硫酸塩、プロピコナゾール(propiconazole)等の有機殺生物剤を含有していてもよい。前記有機殺生物剤としては、IPBC、PHMG及び/又はプロピコナゾールが好ましい。この有機殺生物剤は、糸状菌及び青変菌の増殖をより一層抑えることができる点で、0.01〜5.0質量%の含有量であるのが好ましく、0.01〜1.0質量%の含有量であるのがさらに好ましい。このような有機殺生物剤を含有する、この発明に係る木材処理用組成物によれば、糸状菌に長期間にわたって接触しても高い耐性(基準 EN 130)を発揮する製品を得ることができる。
用途に応じて、この発明に係る木材処理用組成物は種々の添加剤を含有していてもよい。木材処理用組成物を表面処理剤として使用する場合には、塗装したように処理木材の表面を視覚的に改善する目的で、好ましくは1〜85質量%の染料例えば有機染料等、又は、好ましくは1〜85質量%の顔料を含有していてもよい。CMCは結合剤として機能し、レオロジー補助剤としても機能する。使用される顔料及び有機染料は重金属元素を含有していないものが好ましい。このような顔料として例えば公知の酸化鉄系顔料を使用することができる。
この発明に係る木材処理用組成物がブラシで塗布される場合には、この木材処理用組成物の物理的特性は使用目的に応じて選択される。すなわち、注入(含浸とも称する。)用組成物は木材に容易に浸透される必要があるから、塗布される木材処理用組成物の粘度は注入用組成物の粘度よりも高く調整される。しかし、活性薬剤の木材への(深さミリメータ範囲までの)浸透は、ブラシで塗布される木材処理用組成物にも、また高粘度の木材処理用組成物にも起こることに、注意されたい。
また、この発明として請求項17に記載の木材処理方法が開示されている。この方法は、液状水性媒体に溶解された少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはこの塩又はこれらの混合物と、液状水性媒体に溶解された少なくとも1種のキレート剤とを含有する組成物、及び、木材を互いに接触させる方法である。
この発明に係る木材処理用組成物に関する説明は、この木材処理方法におけるC〜Cのモノカルボン酸及びこの塩並びにキレート剤に適用することができる。
この発明に係る木材処理方法において、木材を処理する前に、この発明に係る木材処理用組成物(以下、処理用組成物とも称する。)は水で希釈され、処理に適した濃度に調整される。
処理用組成物は、例えば、注入法、浸漬法、スプレー法、気化法(噴霧法)又はブラシによる塗布法で、厚さ方向の全体にわたって又は表面からある深さまで処理される木材に吸収される。種々の選択肢があるので、木材の他の処理中に好適な時期例えば木材の最終乾燥工程中に前記処理が実施されてもよい。処理用組成物の物理的特性例えば粘度等は、処理方法及び処理目的に応じて適宜調整される。
この発明に係る木材処理用組成物は、処理工程において加熱及び/又は加温されると、木材により一層吸収されやすくなる。従来のCCA注入方として公知の低圧法又は高圧法で行うことで木材への吸収性を改善することができる。一般に、この発明に係る木材処理用組成物は、加圧注入等の木材への注入に一般的に利用される工程と同じ工程に使用される。この発明に係る木材処理用組成物は環境に優しいが、木造建築及び屋外建築物用途に使用するために、より毒性の強い毒物が含有された状態で用いられることはない。
この発明に係る木材処理方法は処理工程に特に利用することができ、この処理工程は木材の中心までにも達する効果的な浸透を必要とする処理工程であり、例えば、注入工程等が挙げられる。木材処理用組成物は、例えば一般的な加圧注入法によって、木材に効果的に浸透する。この加圧注入法は、まず木材から水分を除去するために木材を減圧下に置き、次いで、木材処理用組成物と木材とを接触させ、圧力を上げて木材処理用組成物の木材への注入を促進させる方法である。
この発明によれば、効率のよい方法で木質材を処理する便利な方法が提供される。この方法は、木材製品又は木製品を処理する連続処理工程を含む加工ラインの一プロセスとして、他の一般的な方法に容易に組み込まれることができる。この発明に係る木材処理用組成物は、刺激臭がないから、快適に取り扱うことができる。
この発明に係る木材処理用組成物は加工済の木材及び原木の処理に適しており、この処理は、木材処理用組成物と木材とが種々の方法で接触させられる、木材貯蔵現場又はそこから離れた木材製品の処理工場で、実施されることができる。この発明に係る木材処理用組成物及び木材処理方法は、主にスプレー法又はブラシを用いる塗布法によって、固定された完成建造物特に屋外家屋、桟橋、橋梁及び柱及び建築物等の屋外建造物を保護するのに好適である。この発明に係る木材処理用組成物は安全性が高いから、この木材処理用組成物は、予防措置を講じることなく、使用現場で固定された完成建造物を処理するのに、好適に使用される。
この発明に係る木材処理方法は、木材からなる製品だけでなく木材と他の材料とからなる製品にも好適である。このときには、製品のうちの木材部分を処理対象にする。
この発明として木材処理用組成物で処理された請求項19に記載の木材が開示されている。この処理木材は、前記処理によって、木質材に加えて、少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはこの塩又はこれらの混合物と、少なくとも1種のキレート剤とを含有している。
この発明に係る木材処理組成物は、前記カルボン酸又はこれに相当する前記カルボン酸塩とこれ結合することのない前記キレート剤とが木材を改質することによって所期の特性が得られると、予想される。前記モノカルボン酸又はその誘導体と前記キレート剤との混合物を使用したときの、例えば腐朽菌、火災、青変菌及び/又は変色から木材を保護する能力は、モノカルボン酸若しくはその誘導体又はキレート剤を単独で使用したときの木材を保護する同様の能力に対して、優れており効果的である。
請求項20によれば、この発明に係る木材処理組成物を、種々の有害な環境要因のうち1つ又は複数の環境要因から木材を保護するのに、使用することができる。前記環境要因は、主に、例えば、環境の影響を原因とする、糸状菌、腐朽、青変菌、昆虫例えばシロアリからの攻撃、火災危険性、変色、寸法変化又はこれらの組合せ等が挙げられる。
この発明に係る木材処理用組成物は、必要とされ目的とされる木材の保護特性それぞれに対応するように調製されることができる。好ましくは、種々の有害な環境影響に対して十分な活性を同時に有する木材処理用組成物が提供される。
好適な実施形態によれば、0.1〜20質量%のAES及び/又は0.1〜20質量%のHEDPと1〜10質量%のギ酸塩とを含有するこの発明に係る木材処理組成物を、木材の耐火性及び腐朽耐性を同時に向上させるために、使用することができる。
別の好適な実施形態によれば、0.1〜20質量%のAES及び/又は0.1〜20質量%のHEDPと1〜10質量%のギ酸塩と0.1〜5質量%のAKDとを含有するこの発明に係る木材処理組成物を、木材の耐火性、腐朽耐性、寸法変化及び/又は変色を同時に改善し又は防止するために、使用することができる。
さらに、また別の別の好適な実施形態によれば、0.1〜20質量%のAES及び/又は0.1〜20質量%のHEDPと1〜10質量%のギ酸塩と0.1〜5質量%のAKDと0.01〜1.0質量%のIPBCとを含有するこの発明に係る木材処理組成物を、木材の糸状菌耐性、耐火性及び腐朽耐性を向上させ、かつ、木材の変色を阻止又は遅延させるために、使用することができる。
この発明を実施例を挙げてより詳細に説明する。実施例を記載する目的はこの発明を説明するためであり、この発明の範囲を限定するためではない。
<実施例1>
この発明に係る木材保護剤による腐朽防止試験
この発明に係る木材保護組成物による生物学的耐性を以下のようにして検討した。
・試験材:パイン材
・木材保護剤(サンプル)
1)未処理パイン材(ブランクテスト、対照)
2)溶液1(比較用溶液、溶液1)
・100g/Kgのギ酸カルシウム+水
3)溶液2(この発明に係る木材処理組成物(溶液)、溶液2)
・30g/Kgのギ酸カルシウム+10g/KgのAES+7.5g/KgのAKD
+水
試験材は、前記基準EN 113に記載の実験室的方法に基づいて、含浸(注入)された。この方法は以下の工程を有する。真空ポンプで排気してチャンバ内を7mbarの絶対圧力に調整した。チャンバ内を排気する前に、試験材を収納した容器をチャンバ内に置いた。絶対圧力7mbarを15分にわたって保持した。バルブを開けて、試験材を収納したチャンバ内の容器に含浸剤(注入剤)を注入した。含浸剤は真空になっている容器内に吸引された。このようにして容器が含浸剤で満たされた後すぐにチャンバ内の圧力を解除した。試験材を2時間にわたって含浸剤中に浸漬した。木材への吸収量に応じて含浸剤を容器に補充した。
この試験における比較用溶液(溶液1)の試験材への平均浸透量は762.9kg/mであった。比較用溶液の濃度10質量%に基づいて平均値を算出したところ、試験材に浸透したギ酸カルシウム量は65.7kg/mであった。
この試験におけるこの発明に係る木材処理組成物の溶液(溶液2)の試験材への平均浸透量は696.8kg/mであった。溶液2の濃度3質量%に基づいて平均値を算出したところ、試験材に浸透したギ酸カルシウム量は20.9kg/mであり、試験材に浸透したキレート剤(AES)量は6.9kg/mであった。この結果から、この発明に係る木材処理組成物(溶液)は、前記対照溶液に対して、非常に経済的でかつ安価な木材保護剤であることが分かった。
腐朽試験を前記基準EN 113に基づいて実施した。この腐朽試験において、3つの腐朽菌それぞれに対して前記木材保護剤を含浸させた含浸試験材10検体を用いた。この腐朽試験では、対照としてパイン材表面からなる試験材を、前記含浸試験材と共に同一容器内に収納した。各腐朽菌の活性を含浸試験材8検体で評価した(所謂感染試験)。腐朽菌活性試験用の前記試験材は、前記含浸試験材が収納されていない腐朽試験用容器内それぞれに収納された。
腐朽試験における腐朽菌は次の3種を用いた。
1)Coniophora puteana
2)Gloeophyllum trabeum
3)Oligoporus placenta
腐朽試験の結果から、前記基準EN 350−1に基づいて、腐朽保護クラスを決定した。この方法において、無含浸試験材の質量損失に対する前記含浸試験材の質量損失の比であるX値を、各含浸バッチと各腐朽菌とについて算出した。このX値は含浸試験材の補正質量損失を無含浸試験材で除して算出した。この計算結果は平均値である。得られた結果に基づいて、各腐朽菌に対して最高活性値で腐朽保護クラスを決定した。
クラス1 = 超高耐性 X≦0.15
クラス2 = 耐性 0.15<X≦0.30
クラス3 = まずまずの耐性 0.30<X≦0.60
クラス4 = わずかな耐性 0.60<X≦0.90
クラス5 = 耐性なし X>0.90
比較用溶液(溶液1)を含浸した試験材及びこの発明に係る木材処理組成物の溶液(溶液2)を含浸した試験材それぞれの腐朽保護クラス及び平均質量損失を第1表に示す。
Figure 0005074276
溶液の含浸が浅いと、実質的に低含有量のギ酸カルシウムを含有するこの発明に係る木材処理用組成物を用いたときの腐朽防止試験の試験結果はさらによくなった。
溶液1と比較して水の試験材への含浸が浅かったため、AKDを含有し、キレート剤を含有しない3%ギ酸カルシウム溶液で同様に試験したときの質量損失は小さく、腐朽保護クラスも実質的に改善されることはなかった。ギ酸カルシウムを含有せず、AESのみを含有する溶液を用いても、溶液2を用いたときと同じ質量損失であった。
<実施例2>
この発明に係る木材保護剤による耐火性試験
・試験材:パイン材
・木材保護剤(サンプル)
1)溶液3(比較用溶液2)
・120g/Kgのギ酸カリウム+120g/Kgのソルビン酸カリウム+水
2)溶液4(この発明に係る木材処理組成物の溶液)
・78g/Kgのギ酸+390g/KgのHEDP+水
・この溶液のpHを6に調整して、100g/Kgのギ酸アンモニウム+200g/KgのHEDPのアンモニウム塩を含有する組成物を得た。
この試験における比較用溶液2(溶液3)の試験材への浸透量は759kg/mであった。比較用溶液2の濃度12%に基づいて算出したところ、試験材へのギ酸カリウム及びソルビン酸カリウムの浸透量はそれぞれ90g/m、90g/mであった。これら2つの塩の試験材への合計浸透量は180g/mであった。
この試験におけるこの発明に係る木材処理組成物の溶液(溶液4)の試験材への浸透量は743.2kg/mであった。火災防止剤の全浸透量中、有効薬剤の全濃度は、176.2kg/mの試験材に対して、22.7%であった。
カルボン酸塩の性質は火災防止に何ら影響しないことが分かった。ソルビン酸塩はギ酸塩よりも引火しにくい。また、ギ酸アンモニウムで処理された木材の引火性はギ酸カリウムで処理された木材の引火性とほぼ同等である。
含浸試験材の耐火性を、円錐型熱量計を用いてISO5660−1:2002に準拠して、評価した。
比較用溶液2(溶液3)においては、着火時間が17秒であり、第1の最大熱発生率は200kW/mであった。これに対して、この発明に係る木材処理組成物(溶液)(溶液4)においては、含浸試験材は着火せず、第1の最大熱生成率はわずか10kW/mであった。
<実施例3>
この発明に係る木材保護剤による青変菌形成抑制試験
青変菌形成抑制試験を、前記溶液1(比較用溶液1)、前記溶液2(この発明に係る木材処理組成物(溶液))、前記溶液3(比較用溶液2)及び前記溶液4(この発明に係る木材処理組成物(溶液))を用いて、基準EN 152.2に従って、実施した。
この試験では試験材の未処理表面をブランクとした。試験材の数は1バッチにつき8検体とした。
この試験において、2種の青変菌を培養し、3週間以上培養した後に貯蔵して1つの懸濁液を得た。用いた青変菌は、1)AUREOBASIDIUM pullulansと、2)Sclerophoma pithyophilaとであった。
試験材及び青変菌用フラスコそれぞれを、照射殺菌及び蒸気殺菌して、消毒した。消毒後に、試験材をフラスコ内に投入し消毒した青変菌の懸濁液に浸した。最後に、青変菌の懸濁液を試験材に注いだ。このフラスコを調整されたチャンバ(相対湿度RH70%、温度22℃)内に置いた。
この青変菌形成抑制試験は20週間にわたって観察した。青変菌形成抑制試験の結果を目視で評価した。試験材における青変菌形成は0段階から5段階で評価した。
1:微生物の増殖無し(試験材の5%未満の表面が増殖した微生物で覆われていた場合)
2:微生物がわずかに増殖(試験材の約5〜20%の表面が増殖した微生物で覆われていた場合)
3:微生物が中程度に増殖(試験材の約20〜40%の表面が増殖した微生物で覆われていた場合)
4:微生物がかなり増殖(試験材の40%以上の表面が増殖した微生物で覆われていた場合)
5:微生物の増殖が激しい(試験材の90〜100%の表面が増殖した微生物で覆われていた場合)
Figure 0005074276
ギ酸溶液又はキレート溶液単独の場合と比較して、この発明に係る木材処理用組成物の溶液2及び溶液4は、試験材の表面における青変菌の増殖を高度に抑制することができた。
<実施例4>
用材の機械的特性に関するこの発明に係る木材保護剤の効果
木材の強度特性及び機械的特性に関するこの発明に係る木材処理組成物の溶液(実施例2の溶液4)の効果を、この溶液で処理した用材(パイン材)の曲げ試験で、評価した。曲げ試験は、外部加熱及び水分ストレス工程(条件1:温度60℃、RH50%、試験時間3.5ヶ月)、並びに、調整工程(条件2:温度20℃、RH65%)後に、実施した。
外部加熱及び水分ストレス工程において、曲げ強度は、この発明に係る前記溶液によって、41.1N/mmから68.7N/mmまで(条件1)、41.1N/mmから84.4N/mmまで(条件2)、増加した。
外部加熱及び水分ストレス工程において、弾性係数は、この発明に係る前記溶液によって、5847N/mmから14700N/mmまで(条件1)、5847N/mmから15490N/mmまで(条件2)、増加した。
未処理用材の曲げ強度は45.8N/mmから75.3N/mmまで増加した(条件1)。この用材の弾性係数は6257N/mmから14800N/mmまで増加した(条件1)。
この発明に係る前記溶液(溶液4)で処理した用材の曲げ強度及び弾性係数は共にわずかに減少した。外部加熱及び水分ストレス工程において、曲げ強度及び弾性係数は共にある程度増加した。
この結果から、外部加熱及び水分ストレス工程において、このように高い化学的負荷で含浸しても、処理された試験材の機械的特性に重大な悪影響が生じないことが分かった。
<実施例5>
この発明に係る木材保護剤の残存、及び、この発明に係る木材保護剤による、用材における亀裂及び黒化の効果
外部加熱及び水分ストレス工程(条件1:温度60℃、RH50%、試験時間3.5ヶ月)後に、この発明に係る溶液(溶液4)が用材からの流出した流出量はたった約1/5であった。その一方で、EDTA等のキレート剤のみで処理された試験材の流出量は非常に多く、例えばシロキサン化合物又はフルオロアルキルポリマーを処理液に添加して、国際公開第0123154号パンフレットに記載されているように、流出量を低減する必要があった。市販のホウ砂を主成分とする防火剤を用いて同様に試験すると、その流出量は約1/3であった。
したがって、この発明に係る木材処理用組成物の流出率は他の腐朽防止剤又は火災防止剤に比して相当に低い。
<実施例6>
この発明に係る木材処理用組成物による、用材における亀裂及び黒化の効果
この発明に係る前記溶液(溶液4)が含浸した用材の寸法安定性及び耐変色性を試験して目視で評価した。処理前の用材と比較しても、この発明に係る前記溶液で処理された用材には亀裂を確認できなかった。また、処理前の用材と比較しても、少なくとも1年の観察期間ずっとではないが、この発明に係る前記溶液で処理された用材における表面の黒化も確認できなかった。未処理の対照試験材には亀裂と黒化とがはっきりと確認できた。
<実施例7>
この発明に係る木材保護剤による、用材のシロアリ予防効果
シロアリ耐性に関する、この発明に係る木材処理用組成物(溶液)の効果を、前記溶液2及び前記溶液4で処理された用材をシロアリの巣に3ヶ月間完全に挿入して、評価した。未処理の対照用材すなわち処理前の用材と比べると、前記溶液で処理された用材はシロアリによる喰害は確認されなかった。

Claims (15)

  1. 液体水性媒体に溶解された少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはその塩又はこれらの混合物と、液体水性媒体に溶解された少なくとも1種の生分解性を有するキレート剤とを含有する組成物の、種々の有害な環境要因のうち1つ又は複数の環境要因から同時に木材を保護するための使用方法。
  2. 前記C〜Cのモノカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、安息香酸及びこれらの混合物から成る群より選択される請求項1に記載の使用方法。
  3. 前記C〜Cのモノカルボン酸が、ギ酸、ソルビン酸又はこれらの混合物である請求項1に記載の使用方法。
  4. 前記キレート剤が、
    −下記式(1)で表される構造を有するN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体、
    Figure 0005074276
    (但し、前記式(1)において、Rは、アルキル基、アルキル鎖に1又は2以上のカルボン酸基を有する基、ヒドロキシ基又はエーテル結合であり、R及びRはそれぞれ、水素原子、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである。)
    −前記式(1)で表される構造とは異なる構造を有する生分解性アスパラギン酸誘導体、
    −生分解性を有する金属結合性高分子、
    −有機リン化合物、及び
    −これらの混合物
    より成る群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用方法。
  5. 前記キレート剤が、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アスパラギン酸(AES)、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−グリシン(GES)、N−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−メチルグリシン(MGES)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、イミノジコハク酸(ISA)、ポリアスパラギン酸(PASP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸(PHAS)、又はこれらの混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用方法。
  6. 前記有害な環境要因が、糸状菌、腐朽菌若しくは青変菌からの攻撃、昆虫、火災危険性、変色、寸法変化又はこれらの組合せである請求項1に記載の使用方法。
  7. 前記組成物が、AESソルビン酸又はその塩に加えて、ギ酸カルシウム又はギ酸アンモニウム、及び任意で4〜7のpHを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用方法。
  8. 木材と、液体水性媒体に溶解された少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはその塩又はこれらの混合物と、液体水性媒体に溶解された少なくとも1種の生分解性を有するキレート剤とを含有する組成物とを接触させて木材を処理する方法。
  9. 前記木材を前記組成物と接触させる前に、前記組成物を水で希釈して木材の処理に適した濃度にする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記組成物が、AESソルビン酸又はその塩に加えて、ギ酸カルシウム又はギ酸アンモニウム、及び任意で4〜7のpHを有する、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用方法、又は請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法によって得られる処理された木質材であって、液体水性媒体に溶解された少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはその塩又はこれらの混合物と、液体水性媒体に溶解された少なくとも1種の生分解性を有するキレート剤とを含む処理された木質材。
  12. 前記組成物が、AESソルビン酸又はその塩に加えて、ギ酸カルシウム又はギ酸アンモニウム、及び任意で4〜7のpHを有する、請求項11に記載の処理された木質材。
  13. i) プロピオン酸若しくはソルビン酸、又はそれらの塩、ギ酸カルシウム、又はこれらの混合物と、
    ii)−式(1)
    Figure 0005074276
    (但し、前記式(1)において、Rは、アルキル基、アルキル鎖に1又は2以上のカルボン酸基を有する基、ヒドロキシ基又はエーテル結合であり、R及びRはそれぞれ、水素原子、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである。)
    を有するN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体、
    −前記式(1)で表される構造とは異なる構造を有する生分解性アスパラギン酸誘導体、
    −生分解性を有する金属結合性高分子、
    −有機リン化合物、及び
    −これらの混合物
    よりなる群から選択されるキレート剤と
    を含む、木材を処理するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用方法に適した組成物。
  14. i) 少なくとも1種のC〜Cのモノカルボン酸若しくはその塩又はこれらの混合物と、
    ii)−式(1)
    Figure 0005074276
    (但し、前記式(1)において、Rは、アルキル基、アルキル鎖に1又は2以上のカルボン酸基を有する基、ヒドロキシ基又はエーテル結合であり、R及びRはそれぞれ、水素原子、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである。)
    を有するN−ビス−[2−(1,2−ジカルボキシエトキシ)−エチル]−アミン誘導体、
    −前記式(1)で表される構造とは異なる構造を有する生分解性アスパラギン酸誘導体
    −生分解性を有する金属結合性高分子、及び
    −これらの混合物
    よりなる群から選択されるキレート剤と
    を含む、木材を処理するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用方法に適した組成物。
  15. 前記組成物のpHが4〜7である、請求項13又は14に記載の組成物。
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