JP5074094B2 - 無機質球状化粒子製造用バーナ - Google Patents
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Description
無機質球状化粒子の製造に関し、従来技術として、特許文献1〜4に開示されている方法がある。原料粉体の球状化には、高温の火炎が必要であることから、通常は、酸素・ガス燃焼方式のバーナが用いられている。
特許文献2に記載の予混合型バーナは、バーナ内で、原料粉体、酸素、LPGが充分に混合され、バーナ先端に形成される火炎中に原料粉体が供給されるものである。
また、特許文献3、4には、拡散型バーナを用いて無機質球状化粒子を製造する装置が開示されている。
一方、特許文献1に記載された拡散型バーナにおいては、逆火の心配は無いが、原料噴出孔と燃料噴出孔が隣接しているため、原料粒子は酸素との混合が不十分で、温度の低い燃料ガス中に噴出される。このために、酸素燃焼火炎による十分な加熱を得ることができず、溶融状態が不十分になるといった不都合が見られた。
また、燃料噴流と原料噴流が近接しているため、煤が生じやすく、製品中の不純物になるといった不具合も見られた。
しかし、種々の平均粒径を持つ無機質原料粉体を同一燃焼量で球状化処理したところ、平均粒径が小さくなるにつれて、凝集がすすみ、球状化処理できる量が減少する傾向がみられた。また、火炎中で処理された後の球状粒子の平均粒度が、原料の平均粒度により大きくなる傾向が見られた。
そこで本発明は、逆火を生じる恐れが無く、効率よく無機質球状化粒子を製造すことができ、さらに、原料粉体の平均粒径に適合した球状化処理を行うことが出来る無機質球状化粒子製造用バーナを提供することを目的としている。
ここで、第2酸素噴出孔と第3酸素噴出孔とから噴出する第2酸素及び第3酸素は、燃料噴出孔から噴出する燃料とで火炎を形成すするとともに、原料粉体供給路の先端に設けた分散板から噴出する原料粉体を分散させる役割がある。
さらに、第1酸素噴出孔から噴出する第1酸素は、第2酸素噴出孔からの旋回流を形成する第2酸素に加え、原料粉体の分散力を更に向上させるとともに、第1酸素噴出孔を分散板と燃料噴出孔との間に設けることにより、燃料の未燃による煤の発生を抑制することができる。
本発明の無機質球状化粒子製造用バーナは、第1酸素供給路、第2酸素供給路、第3酸素供給路に供給する酸素量を個別に制御できるように、制御手段を設けていることが好ましい。この制御手段は、例えば、酸素供給装置から送られた酸素量を計測しながら、バルブの開閉を制御する制御装置などによるものなどを用いることができる。
前記粉体分散板に設けられた噴射孔は、出口方向に向かって放射状に広がるように開口していることが望ましい。このような形状とすることで、原料粉体の分散を促進することができる。
以上のような無機質球状化粒子製造用バーナと無機質球状化粒子製造装置によって、所望の無機質球状化粒子を製造することができる。
また、原料粉体は粉体分散板の噴射孔から燃焼室に向けて放射状に噴射され、粉体の分散が良好となり、火炎中での粉体粒子相互の融着が防止され、大きな径の球状粒子が得られることが抑制され、原料粉体の粒子径とほぼ同じ程度の粒子径の球状化粒子が得られる。
また、第1酸素供給路、第2酸素供給路、第3酸素供給路に供給する酸素量を個別に制御できるようにしたものでは、球状化粒子を製造するにおいて最適な燃焼状態を調整する事ができる。
以上により、本発明では、効率よく無機質球状化粒子を製造すことができ、さらに、原料粉体の平均粒径に適合した球状化処理を行うことができる。
これらの図において、符号1は、原料供給管を示し、その内部は原料粉体とキャリアガスとの混合物が供給される原料粉体供給路1Aとなっている。キャリアガスとしては酸素あるいは酸素濃度20vol%以上の酸素富化空気が用いられる。原料粉体としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ガラスなどの無機質粉末であって、その粒子形態が角を有する非球形の粒子であるものが用いられる。
なお、粉体分散板2は、必要に応じて取り外すことができるようになっている。
複数の第2酸素噴出孔6B、6B・・は、円周上に等間隔に形成されており、前記燃料噴出孔5Bと燃料噴出孔5Bとのほぼ中間の位置に個々の第2酸素噴出孔6Bが位置するようにして配されている。
さらに、バーナの先端部分は、外方に拡がったすり鉢状に凹んでおり、この部分が燃焼室8となっている。ずなわち、燃焼室8の傾斜した壁の部分は、第3酸素供給管7と第2酸素供給管6の先端部分を斜めに形成することで構成され、燃焼室8の平らな底の部分は粉体分散板2で構成されている。
また、第1酸素噴出孔4B、第2酸素噴出孔6B、第3酸素噴出孔7Bから噴出される酸素ガスは、それぞれ独立に流量を制御する事が可能であるため、球状化粒子を製造するにおいて最適な燃焼状態を調整する事ができる。
例えば、第2酸素噴出孔6Bから噴出される酸素の割合を、第3酸素噴出孔7Bから噴出される酸素の割合よりも小さくすることで、第2酸素噴出孔6Bから噴出される酸素との混合が緩慢になり、火炎の直進性が増すことにより、比較的長い火炎を形成することができるため、火炎中での粒子の滞留時間を長く取ることが出来、粒子の加熱時間を長くすることができる。
また、第1酸素噴出孔4Bから噴出される酸素噴流が、原料粉体噴流と燃料噴流の間の壁として作用することで、生成した球状粒子中への煤の混入を抑制することができる。
この例のバーナにあっては、第3酸素噴出孔7B、7B・・がバーナ中心軸に対して平行に向いて形成されている以外は、先の例と同様な構造となっている。このバーナでは、第3酸素噴出孔7B、7B・・からの酸素がバーナ中心軸に対して平行に噴射されることになる。このため、この例のバーナにあっては、ガラスなどの低融点の原料粉体を用いる際に有用となる。すなわち、第3酸素噴出孔7B7B・・からの酸素の流れが燃焼室8の内方に向かないため、原料粉体の流れが燃焼室8側に押し戻されることが少なくなり、比較的低温で溶融した粒子が速やかに燃焼室8の外方に送り出され、燃焼室8内に溶融した原料粉体の付着がすくなくなる。
図1および図2に示した構成のバーナを、図5に示すような無機質球状化粒子製造装置の竪型炉Eの炉頂部に設置し、原料供給機Aから切り出された原料を、バーナBに供給して炉E内で球状化し、後段に設けたサイクロンGならびにバグフィルターHでそれぞれ回収した。
原料供給路から、原料粉体として平均粒度30μmのシリカ粉末20kg/hを7.5Nm3/hの酸素(キャリアガス)で搬送し、燃料供給路から燃料ガスとしてLPG5Nm3/hを、酸素20Nm3/hをそれぞれ燃焼室に導入して球状化粒子を製造した。
その結果、ガラス化率を98%以上とするためには、一次酸素と二次酸素の流量割合に最適な割合があり、この割合は図6に示すように、補助酸素の割合には無関係であることが分かった。
その結果、図7に示すように、補助酸素割合は5%以下では効果が小さく、逆に15%以上では割合を増加させても効果は変わらなかった。
また、補助酸素割合を調整し、サイクロンGで捕集された球状化粒子中のカーボン量を減少できる補助酸素割合を求めた。この場合、一次酸素と二次酸素の割合は最適な状態にて固定した。
上記結果より、本発明におけるバーナ構造も用いることで、カーボン(煤)の混入の少ない無機質球状化粒子を得ることが出来ることが確認された。
また、ガラス粒子のように、融点の低い材料においては、第2酸素噴出孔6Bの下流側で中心軸に向けて第3酸素噴出孔7Bから酸素を噴出させた場合、シリカ粒子のような融点の高い材料と比べて、燃焼室8内に溶融した原料の付着が大きく成長しやすく、バーナの処理能力に支障がでることが確認された。
この点については、図3および図4に示した例のバーナのように、第3酸素噴出孔7Bをバーナ中心軸に平行に配置することで、解決されることがわかった。
Claims (7)
- 無機質球状化粒子製造用バーナであって、五重管構造であり、酸素または酸素富化空気をキャリアガスとして原料粉体を、その先端に設けた粉体分散板から供給する原料粉体供給路と、該原料粉体供給路の外周に配置された第1酸素供給路と、該第1酸素供給路の外周に配置された燃料供給路と、該燃料供給路の外周に配置された第2酸素供給路と、該第2酸素供給路の外周に配置された第3酸素供給路と、各供給路の先端に接続する出口側が拡径した燃焼室とを備えるとともに、
前記第1酸素供給路は、バーナの中心軸に対して平行に酸素を噴出する複数の第1酸素噴出孔を有し、前記燃料通路は、バーナの中心軸に対して平行に燃料を噴出する複数の燃料噴出孔を有し、前記第2酸素供給路は、燃焼室の側面から燃焼室内に旋回流を形成する方向に酸素を噴出する複数の第2酸素噴出孔を有し、前記第3酸素供給路は、該第2酸素噴出孔の下流側で酸素を噴出する複数の第3酸素噴出孔を備えていることを特徴とする無機質球状化粒子製造用バーナ。 - 請求項1に記載の無機質球状化粒子製造用バーナにおいて、前記第3酸素噴出孔が、前記第2酸素噴出孔の下流側で、バーナの中心軸方向、もしくは中心軸に対して平行に酸素を噴出する噴出孔であることを特徴とする無機質球状化粒子製造用バーナ。
- 前記第1酸素供給路、前記第2酸素供給路、前記第3酸素供給路に供給する酸素量を、個別に制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
- 前記粉体分散板に噴射孔が設けられ、この噴射孔は、出口方向に向かって放射状に広がるように開口していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の無機質球状化粒子製造用バーナを炉頂部に垂直下向きに備えた竪型炉と、その下流にサイクロン及びバグフィルターを備えたことを特徴とする無機質球状化粒子製造装置。
- 請求項5記載の無機質球状化粒子製造装置を用い、竪型炉下流に配されたサイクロンにて粗粒を、該サイクロンの下流に配されたバグフィルターにて微粒を捕集することを特徴とする無機質球状化粒子の製造方法。
- 請求項6記載の製造方法によって得られた無機質球状化粒子。
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