JP3331491B2 - 無機質球状化粒子の製造装置 - Google Patents

無機質球状化粒子の製造装置

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JP3331491B2
JP3331491B2 JP24614896A JP24614896A JP3331491B2 JP 3331491 B2 JP3331491 B2 JP 3331491B2 JP 24614896 A JP24614896 A JP 24614896A JP 24614896 A JP24614896 A JP 24614896A JP 3331491 B2 JP3331491 B2 JP 3331491B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2/00Processes or devices for granulating materials, e.g. fertilisers in general; Rendering particulate materials free flowing in general, e.g. making them hydrophobic
    • B01J2/16Processes or devices for granulating materials, e.g. fertilisers in general; Rendering particulate materials free flowing in general, e.g. making them hydrophobic by suspending the powder material in a gas, e.g. in fluidised beds or as a falling curtain

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質球状化粒子
の製造装置に関し、詳しくは、無機質粉体原料を火炎中
に供給して無機質球状化粒子を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、無機質粉体原料を火炎中に供
給することにより、無機質球状化粒子を製造することが
行われており、その装置構成についても、様々な改善案
が提案されている。例えば、特公平5−59784号公
報に記載された製造処理装置では、球状化バーナーや炉
から不可避に発生する塊状物を確実に排除して無機質球
状化粒子を回収する構成が記載されている。
【0003】上記製造処理装置は、球状化バーナーを備
えた炉からなる球状化室と、内部に冷却気体が供給さ
れ、下端に球状化処理物の排出口を有する冷却室と、球
状化処理物分離排出装置とから構成されている。また、
炉の内壁には、炉材による製品の汚染を防ぐため、一定
量のセルフライニング層を形成させ、セルフライニング
層の厚さの調整は、炉の外面に設けた水冷ジャケットの
水量による炉壁温度の調整により行っている。この構造
によると、炉からの塊状物の発生は不可避であり、これ
を確実に排除して球状化粒子のみを回収するため、上述
のような複雑な構成の球状化処理物分離排出装置を設け
ることが必須となっている。
【0004】また、特開平4−126538号公報に
は、球状化炉と球状化粒子捕集装置とを接続する接続管
に、球状化炉から排出されるガスの温度を下げるための
空気吸引口を設けた装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平5−597
84号公報に記載された構造の装置を用いることによ
り、球状化室で発生した塊状物を確実に排除でき、球状
化粒子を効率的に回収することができるが、そもそも炉
内壁に付着物を一定量成長させて維持することから、球
状化処理物を分離排出するために複雑な装置構造が必要
となっている。また、炉の内壁に一定の厚さの付着層を
保持するためには高度の技術を必要とし、条件を逸脱
し、炉壁に余計な付着物が発生すると、その表面の突起
点が優先的に加熱されて次々に付着が進行するため、最
悪の場合には炉が閉塞してしまうおそれもある。
【0006】また、後者の装置では、球状化粒子を回収
する捕集装置、例えば、サイクロンやバグフィルターの
前段に空気吸引口を設けているが、これをサイクロンの
前段に設けた場合は、燃焼ガスを冷却するための多量の
空気と燃焼ガスとが合算された大量のガスがサイクロン
に導入されるため、サイクロンが必要以上に大型なもの
となってしまう。
【0007】そこで本発明は、球状化バーナーや球状化
炉からの塊状物の発生を抑えるとともに、球状化炉の下
方に移動する球状化処理物の略全量を効果的に捕集装置
に導くことができ、効率よく無機質球状化粒子を製造す
ることができる無機質球状化粒子の製造装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の無機質球状化粒子の製造装置は、無機質粉
体原料を火炎中に供給して無機質球状化粒子を生成する
球状化バーナーを炉頂部に垂直方向下向きに備えた竪型
球状化炉により無機質球状化粒子を製造する装置におい
て、前記竪型球状化炉の下部に、生成した球状化粒子を
炉内から導出する粒子出口孔と、該粒子出口孔に向けて
球状化粒子搬送用の空気を導入する空気入口孔とを水平
方向に対向配置するとともに、前記粒子出口孔の開口径
を前記空気入口孔の開口径より大きく形成したことを特
徴としている。
【0009】また、本発明の第2の構成は、無機質粉体
原料を火炎中に供給して無機質球状化粒子を生成する球
状化バーナーを炉頂部に垂直方向下向きに備えた竪型球
状化炉と、該竪型球状化炉で生成した球状化粒子を回収
する球状化粒子捕集手段とを備えた無機質球状化粒子の
製造装置において、前記球状化バーナーは、酸素又は酸
素富化空気をキャリアガスとして無機質粉体原料を供給
する中心部の原料粉体供給路と、該原料粉体供給路の外
周に配置された燃料ガス供給路と、該燃料ガス供給路の
外周に配置された一次酸素供給路と、該一次酸素供給路
の外周に配置された二次酸素供給路と、各供給路の先端
に接続する出口側が拡径した燃焼室とを備えるととも
に、前記一次酸素供給路は、燃焼室の側面から燃焼室内
に旋回流を形成する方向に酸素を噴出する複数の第一噴
出口を有し、前記二次酸素供給路は、第一噴出口の下流
側で中心軸方向に向けて酸素を噴出する複数の第二噴出
口を有しており、前記竪型球状化炉は、円筒状の炉内壁
に沿って接線方向下向きに遮断空気を導入する遮断空気
導入孔を有し、炉下部には、生成した球状化粒子を炉内
から導出する粒子出口孔と、該粒子出口孔に向けて球状
化粒子搬送用の空気を導入する空気入口孔とを水平方向
に対向配置し、かつ、前記粒子出口孔の開口径を前記空
気入口孔の開口径より大きく形成し、さらに炉底部に
は、補助搬送空気の導入孔を有していることを特徴と
し、また、前記球状化粒子捕集手段は、サイクロンとそ
の下流に直列に設けられたバグフィルターとを備えると
ともに、前記サイクロンとバグフィルターとの間に、流
量調節機構を備えた冷却空気導入部を備えていることを
特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。図1は、本発明の無機質球状化
粒子の製造装置の一例を示す概略図、図2は球状化バー
ナーの要部の断面図、図3は球状化炉の概略平面図であ
る。
【0011】本形態例に示す無機質球状化粒子の製造装
置は、球状化バーナー1を備えた竪型の球状化炉2と、
該球状化炉2で生成した球状化処理物(球状化粒子)を
捕集する球状化粒子捕集手段3とを備えている。
【0012】前記球状化バーナー1は、球状化炉2の頂
部に、火炎を垂直方向下向きに噴出するように設置され
ている。図2に示すように、この球状化バーナー1は、
多重管構造を有しており、中心から順に、原料粉体供給
路11,燃料ガス供給路12,一次酸素供給路13,二
次酸素供給路14、冷却水通路15,16が形成されて
いる。原料粉体供給路11には、酸素又は酸素富化空気
をキャリアガスとして無機質の原料粉体が供給され、燃
料ガス供給路12には、天然ガスやプロパンガス等のガ
ス状燃料が供給される。また、一次酸素供給路13及び
二次酸素供給路14には、酸素や酸素富化ガスが供給さ
れる。
【0013】各供給路の先端には、出口側が拡径した燃
焼室17が設けられている。この燃焼室17と原料粉体
供給路11との間には、小孔からなる原料粉体噴出口1
8を多数設けた粉体拡散板19が設けられている。ま
た、燃焼室17と燃料ガス供給路12との間には、多数
の小孔からなる燃料噴出口20が設けられている。そし
て、一次酸素供給路13の先端には、燃焼室17の側面
から燃焼室17内に旋回流を形成する方向に酸素を噴出
する複数の第一噴出口21が設けられ、二次酸素供給路
14の先端には、前記第一噴出口21の下流側で中心軸
方向に向けて酸素を噴出する複数の第二噴出口22が設
けられている。
【0014】上記構成の球状化バーナー1は、拡散型の
バーナーであるので、逆火を生じることがない。また、
原料粉体は、原料粉体供給路11から酸素又は酸素富化
空気をキャリアガスとして供給するので、配管の自然摩
耗によるリークを考えた場合に安全性が高く取扱いが容
易になる。さらに、燃焼室17では、中心部の多数の小
孔からなる原料粉体噴出口18から酸素又は酸素富化空
気と共に原料粉体が拡散するように噴出し、その外周の
燃料噴出口20から燃料ガスが噴出し、さらにその外周
の第一噴出口21から一次酸素ガスが旋回流を形成する
方向に、第二噴出口22から二次酸素ガスが中心軸方向
にそれぞれ噴出するので、燃料ガスと酸素ガスとが十分
に混合し、安定した高温燃焼火炎が得られる。しかも、
一次酸素ガスの旋回流により、球状化バーナー1の先端
部に球状化処理物が付着することも防止できる。
【0015】また、原料粉体噴出口18を噴出方向に広
がる方向に設けて原料粉体を放射状に広がるように拡散
させることにより、原料粉体を火炎中に分散させること
ができ、効率よく加熱できる。加えて、燃焼室17の外
周に冷却水通路15,16を設けて冷却水で冷却するこ
とにより、ノズル部の溶損を防止できるとともに、燃焼
室17の内面が過熱状態になることがなく、表面に形成
される酸化被膜が剥離して汚染されることも防止でき
る。
【0016】さらに、酸素供給路を一次酸素供給路13
と二次酸素供給路14とで構成し、各酸素供給路から供
給する酸素量の割合を調節することにより、球状化粒子
を製造するのに最適な燃焼状態が得られる。例えば、一
次酸素供給路13から供給する一次酸素の比率を上げる
と、二次酸素供給路14から供給される二次酸素との混
合が緩慢になり、ノズル出口近傍で温度が低く、下流域
で温度が高い火炎が得られる。逆に一次酸素の比率を下
げると燃焼室17での二次酸素との混合が促進され、ノ
ズル出口近傍で比較的温度の高い火炎を得ることができ
る。
【0017】したがって、平均粒径の小さな原料粉体を
処理するときには、凝集状態を開放する段階では過度な
高温域を必要とせず、分散した状態で高温域を通過させ
るのが有効であるから、一次酸素の比率を上げればよ
く、一方、平均粒径の大きな原料粉体を処理する場合
は、火炎温度が高いことが重要なため、一次酸素の比率
を小さくすればよい。これにより、原料粉体の平均粒径
に応じて効率よく原料粉体を球状化することができる。
【0018】また、燃料ガスと酸素ガスとを別の供給路
から供給する方式の拡散型のバーナーであることから、
燃料ガス及び酸素ガスの供給量を減らして燃焼量を下げ
ることができ、生産量に応じた減量運転を容易に行うこ
とができる。
【0019】前記球状化炉2は、円筒状の炉本体部31
と、この炉本体部31の下部に連設した球状化処理物取
出部32とを有している。図3に示すように、炉本体部
31には、複数の遮断空気導入孔33が設けられてい
る。この遮断空気導入孔33は、送風機34から遮断空
気導入管35を介して供給される遮断空気を炉内壁に沿
って接線方向下向きに導入するものであり、球状化処理
が行われる炉内壁全体にわたって遮断空気を導入できる
ように、本形態例では、炉の周方向に90度間隔で4
列、上下方向に5段の計20箇所に遮断空気導入孔33
を設けている。この遮断空気導入孔33から炉内に導入
する空気量は、炉の大きさや炉内温度の低下状態等を考
慮して設定すればよい。
【0020】このように、球状化炉2の炉内壁に沿って
遮断空気を導入することにより、炉内壁の表面に渦巻状
の下降気流からなる空気層を形成できるため、炉内で生
成した球状化処理物が炉内壁に付着して堆積することを
防止できる。
【0021】炉下部の球状化処理物取出部32には、粒
子出口孔36と空気入口孔37とが設けられている。粒
子出口孔36と空気入口孔37とは、炉中心軸に対して
直交する水平方向の同軸上に、相対向するように配置さ
れており、粒子出口孔36の開口径は、空気入口孔37
の開口径より大きく形成されている。これにより、空気
入口孔37から粒子出口孔36に向かって流れるガスが
効率よく粒子出口孔36内に流入し、その流れにエジェ
クターと同様の作用が発生し、球状化処理物を空気入口
孔37内に効率よく送込むことが可能となる。
【0022】したがって、球状化処理物取出部32に到
達した球状化処理物は、空気入口孔37から流入して粒
子出口孔36に向かって流れる球状化粒子搬送用の空気
に乗って略全量が粒子出口孔36から炉外に取出され
る。両孔の開口径や開口比は、無機質球状化粒子の生産
能力、即ち球状化炉2の大きさや燃焼ガスの量及び温度
等の条件に応じて設定すればよく、空気入口孔37から
の空気量や流速も任意に設定することができる。また、
空気入口孔37から導入される空気は、球状化バーナー
1の燃焼ガスの温度を、次の球状化粒子捕集手段3にお
ける処理に適した温度に下げる機能も有しているが、温
度を下げるために空気量を多くすると、球状化粒子捕集
手段3の容量を大きくする必要が生じるため、必要最小
限の量とすべきである。
【0023】さらに、球状化処理物取出部32の下部の
炉底部には、補助搬送空気導入孔38が設けられてい
る。この補助搬送空気導入孔38は、炉底部を熱的に保
護することを主目的としながら、導入空気により炉底部
に上昇気流を形成して球状化処理物が炉底部に落下する
のを防止する作用も有している。この落下防止作用によ
り、球状化処理物が炉底部に落下することがなくなり、
生成した球状化処理物の全量を前記粒子出口孔36から
取出して球状化粒子捕集手段3に送ることができる。
【0024】したがって、前述の球状化バーナー1への
球状化処理物の付着防止と、炉内壁への球状化処理物の
付着防止とにより、球状化バーナー1で生成した球状化
処理物の全量を球状化処理物取出部32に移動させるこ
とができるとともに、球状化処理物の付着堆積による塊
状物の発生がなくなるので、上述のような簡単な構造の
球状化処理物取出部32で確実に球状化処理物を球状化
粒子捕集手段3に送ることができ、設備コストの低減や
無機質球状化粒子の回収率の向上を図ることができる。
【0025】また、炉底部には、炉内を観察するための
観察窓39が略垂直方向上向きにに向けて設けられてい
る。無機質球状化粒子の製造装置においては、製品の無
機質球状化粒子が一定のレベル以上の純度であること
(不純物の混入を極小におさえること)が要求されるた
め、球状化炉2は、密閉構造で形成するようにしてい
る。このような密閉構造の炉においては、操業中に炉内
を点検するための観察窓は必要不可欠であり、観察窓の
位置は、操業上重要な意味を持つ。しかし、この観察窓
を炉頂に設けたのでは、球状化バーナー1の火炎の状況
やバーナー先端の状態を観察することができず、また、
炉側壁に設けたのでは、観察窓に対向した炉内の一部し
か観察することができない。これに対し、上述のように
炉底部(閉蓋部)に上向きに観察窓39を設けることに
より、操業中に球状化炉2の炉内全体を一度に見渡すこ
とが可能となり、一つの観察窓39のみで、球状化バー
ナー1の先端部の状況や火炎の状況、炉壁の状況を確実
に点検することができる。
【0026】なお、炉底部に設けたバルブ40は、メン
テナンス等の際に用いるものであり、通常の運転中は、
常に閉じ状態となっている。
【0027】前記球状化粒子捕集手段3は、サイクロン
41とその下流に直列に設けられたバグフィルター42
とを有している。球状化炉2の粒子出口孔36から取出
された球状化処理物は、球状化粒子捕集手段3のサイク
ロン41で粗大粒が固気分離された後、下流のバグフィ
ルター42で微細粒が捕集されてそれぞれ回収される。
このとき、サイクロン41に流入するガスは、球状化バ
ーナー1の燃焼ガス、遮断空気導入孔33からの遮断空
気及び空気入口孔37からの球状化粒子搬送用の空気が
混合したガスであって、前述のように、球状化粒子搬送
用の空気量を適当に設定することにより、通常の構造の
サイクロン41で処理可能な400℃以下の温度に下げ
られている。
【0028】そして、サイクロン41のガス出口部に
は、サイクロン41からバグフィルター42に向かうガ
スの温度を下げるための冷却空気導入部43が設けられ
ている。この冷却空気導入部43には、冷却空気の導入
量を調節するための流量調節機構としてダンパー44が
設けられている。このように冷却空気導入部43にダン
パー44を設けることにより、ガス量の増加を最小限に
抑えながら、バグフィルター42に流入するガスの温度
を、通常のバグフィルターの濾布の耐熱温度である18
0℃以下で、ガス中の水分が結露して濾布に付着するこ
とのない100℃以上の範囲に調節することができる。
また、冷却空気導入部43を設ける位置は、高温のガス
と冷却空気とが十分に混合して温度が低下してからバグ
フィルター42に流入するように、サイクロン41のガ
ス出口部直近に設けることが好ましい。
【0029】上述のように、球状化処理物取出部32の
空気入口孔37から導入する球状化粒子搬送用の空気で
第1段階の温度希釈を行い、サイクロン41のガス出口
部に設けた冷却空気導入部43から導入する冷却空気で
第2段階の温度希釈を行うことにより、サイクロン41
やバグフィルター42に流入するガスの温度を、各装置
における最適な温度範囲に調節できるとともに、サイク
ロン41に流入するガス量を球状化処理物の搬送に必要
十分な量にすることができ、ガス量の増加を抑えてサイ
クロン41を必要以上に大きく形成する必要がなくな
り、設備コストの低減が図れる。
【0030】なお、空気入口孔37からの球状化粒子搬
送用の空気や冷却空気導入部43からの冷却空気は、最
下流に設けた吸引ブロワー45による吸引力で吸引する
ようにしてもよく、空気入口孔37や冷却空気導入部4
3の上流に適宜な送風機を設けて空気を押込むようにし
てもよく、これらを併用するようにしてもよい。
【0031】
【実施例】図1に示す装置構成の製造装置に、図2に示
す構造の球状化バーナーを用いて球状化粒子の製造実験
を行った。まず、球状化バーナーには、燃料としてLP
Gガスを30Nm3 /h、無機質粉体原料のキャリアガ
スとして酸素ガスを30Nm3 /h、無機質粉体原料と
して天然石英粉砕粉を180kg/hでそれぞれ供給し
た。そして、一次酸素と二次酸素の流量を、10Nm3
/hと110Nm3/hとの組合わせから、60Nm3
/hと60Nm3 /hとの組合わせまで、10Nm3
h刻みで流量比を変化させて球状化処理を行ったとこ
ろ、一次酸素が50Nm3 /hで二次酸素が70Nm3
/hの組合わせが最適であることが確認できた。すなわ
ち、一次酸素量が少ないときには、バーナー燃焼室内に
溶融した付着塊が成長し、定期的に落下する現象が観察
されたが、前記50:70の流量条件のときは、バーナ
ー燃焼室内への付着はほとんど見られなかった。また、
このとき、サイクロンにて捕集した試料の真比重は、石
英ガラスの真比重と略等しく、十分溶融されていること
が確認できた。
【0032】竪型球状化炉は、内径600mm、長さ
(高さ)3000mmであって、炉内壁には、遮断空気
導入孔を円周方向4列×上下方向5段に設け、各遮断空
気導入孔から、それぞれ100Nm3 /hで空気を噴出
させて遮断空気が炉壁に満遍なく行き渡るようにした。
その結果、炉壁への付着物はほとんど発生せず、長時間
の連続運転が可能であった。なお、遮断空気を止めた場
合は、炉内壁の一部が石英の融点以上の温度となり、そ
の部分を中心として付着物が成長し、塊状物が炉底に落
下し、最悪の場合は炉閉塞に至った。
【0033】球状化炉の下部には、内径300mmの空
気入口孔と内径650mmの粒子出口孔とを同一軸上に
対向配置し、空気入口孔から球状化粒子搬送用の空気を
3000Nm3 /hで導入した。また、炉底部の補助搬
送空気導入孔からは、300Nm3 /hで空気を導入し
た。その結果、球状化炉の内部には球状化粒子が全く残
存せず、炉内で生成した球状化粒子の全量を、粒子出口
孔から球状化粒子捕集手段に送出すことができた。
【0034】このとき、球状化粒子捕集手段のサイクロ
ン入口部のガスの温度は380℃であり、ガス量も、内
径620mmのサイクロンで十分に捕集回収処理を行う
ことができる量であった。また、サイクロンで回収した
球状化粒子は、粒度分布、溶融状態等、全て満足のいく
ものであった。
【0035】さらに、サイクロン出口部の冷却空気導入
部から6400Nm3 /hで冷却空気を導入した。その
結果、バグフィルター入口部のガスの温度は180℃と
なった。比較として、図1に想像線で示すように、サイ
クロン入口側の配管途中に冷却空気導入部Aを設け、こ
こから6400Nm3 /hの冷却空気を導入すると、サ
イクロン入口部のガスの温度は、170℃となるが、こ
のときのガス量に応じて通常のサイクロンを設計する
と、内径が約2000mmという、非現実的な長大なも
のとなる。
【0036】また、炉底部に、直径45mmの石英製窓
材を装着した観察窓を設けて炉内を観察したところ、原
料の供給中は、粒子出口孔に向かって流れる球状化処理
物により視界が遮られるために炉内を観察することがで
きなかったが、原料粉体の供給を停止すると、炉内壁及
び球状化バーナーを一望でき、付着や炉材の損耗状況等
が即座に判断できた。炉頂部にも同様の観察窓を設けて
観察したが、この場合は、炉壁部の下側や炉底部の観察
及び火炎の下部の状況が観察できるのみで、バーナー先
端の状況、炉天井部及び炉壁上部の観察ができなかっ
た。また、炉側壁部に観察窓を設けた場合は、観察窓対
面の炉壁部は観察できるが、観察窓側の炉壁の大半は観
察することができなかった。
【0037】さらに、球状化バーナーに供給する天然石
英粉砕粉を70kg/hとし、LPGガスを17Nm3
/h、一次酸素と二次酸素を、流量比はそのままで合計
85Nm3 /hにそれぞれ下げて約40%のターンダウ
ン運転を行ったが、冷却空気導入量をバグフィルター入
口部のガスの温度が100℃以下にならないよう調節し
た以外は、問題なく運転を行うことができた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無機質球
状化粒子の製造装置によれば、球状化バーナーで生成し
た球状化処理物の全量を効果的にサイクロン等の捕集装
置に導くことができるので、一定の付着層を維持するた
めの複雑な制御や、複雑な構造の球状化処理物分離排出
装置を採用する必要がなく、設備コストの低減が図れ
る。
【0039】また、サイクロンとバグフィルターとの間
で冷却空気を導入することにより、サイクロンを必要以
上に大型なものとすることなく経済的な装置を提供する
ことが可能となる。さらに、炉底部に上向きに観察窓を
設けることにより、操業中に炉内全体を一度に見渡すこ
とが可能となり、バーナー先端の状況、火炎の状況、炉
壁の状況等の点検を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無機質球状化粒子の製造装置の一例
を示す概略図である。
【図2】 球状化バーナーの要部の断面図図である。
【図3】 球状化炉の概略平面図である。
【符号の説明】
1…球状化バーナー、2…球状化炉、3…球状化粒子捕
集手段、11…原料粉体供給路、12…燃料ガス供給
路、13…一次酸素供給路、14…二次酸素供給路、1
5,16…冷却水通路、17…燃焼室、18…原料粉体
噴出口、19…粉体拡散板、20…燃料噴出口、21…
第一噴出口、22…第二噴出口、31…炉本体部、32
…球状化処理物取出部、33…遮断空気導入孔、34…
送風機、35…遮断空気導入管、36…粒子出口孔、3
7…空気入口孔、38…補助搬送空気導入孔、39…観
察窓、41…サイクロン、42…バグフィルター、43
…冷却空気導入部、44…ダンパー、45…吸引ブロワ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−313918(JP,A) 特開 平7−241451(JP,A) 特開 平7−48118(JP,A) 特開 平6−287012(JP,A) 特開 平4−126538(JP,A) 特開 昭62−241541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 2/00 B01J 2/16 C01B 33/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質粉体原料を火炎中に供給して無機
    質球状化粒子を生成する球状化バーナーを炉頂部に垂直
    方向下向きに備えた竪型球状化炉により無機質球状化粒
    子を製造する装置において、前記竪型球状化炉の下部
    に、生成した球状化粒子を炉内から導出する粒子出口孔
    と、該粒子出口孔に向けて球状化粒子搬送用の空気を導
    入する空気入口孔とを水平方向に対向配置するととも
    に、前記粒子出口孔の開口径を前記空気入口孔の開口径
    より大きく形成したことを特徴とする無機質球状化粒子
    の製造装置。
  2. 【請求項2】 無機質粉体原料を火炎中に供給して無機
    質球状化粒子を生成する球状化バーナーを炉頂部に垂直
    方向下向きに備えた竪型球状化炉と、該竪型球状化炉で
    生成した球状化粒子を回収する球状化粒子捕集手段とを
    備えた無機質球状化粒子の製造装置において、前記球状
    化バーナーは、酸素又は酸素富化空気をキャリアガスと
    して無機質粉体原料を供給する中心部の原料粉体供給路
    と、該原料粉体供給路の外周に配置された燃料ガス供給
    路と、該燃料ガス供給路の外周に配置された一次酸素供
    給路と、該一次酸素供給路の外周に配置された二次酸素
    供給路と、各供給路の先端に接続する出口側が拡径した
    燃焼室とを備えるとともに、前記一次酸素供給路は、燃
    焼室の側面から燃焼室内に旋回流を形成する方向に酸素
    を噴出する複数の第一噴出口を有し、前記二次酸素供給
    路は、第一噴出口の下流側で中心軸方向に向けて酸素を
    噴出する複数の第二噴出口を有しており、前記竪型球状
    化炉は、円筒状の炉内壁に沿って接線方向下向きに遮断
    空気を導入する遮断空気導入孔を有し、炉下部には、生
    成した球状化粒子を炉内から導出する粒子出口孔と、該
    粒子出口孔に向けて球状化粒子搬送用の空気を導入する
    空気入口孔とを、水平方向に対向配置し、かつ、前記粒
    子出口孔の開口径を前記空気入口孔の開口径より大きく
    形成し、さらに炉底部には、補助搬送空気の導入孔を有
    していることを特徴とする無機質球状化粒子の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記球状化粒子捕集手段は、サイクロン
    とその下流に直列に設けられたバグフィルターとを備え
    るとともに、サイクロンとバグフィルターとの間に、流
    量調節機構を備えた冷却空気導入部を備えていることを
    特徴とする請求項2記載の無機質球状化粒子の製造装
    置。
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