JP6375553B2 - 溶融バーナ、溶融バーナ装置、粉体溶融方法、及びガラスの製造方法 - Google Patents

溶融バーナ、溶融バーナ装置、粉体溶融方法、及びガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、火炎中において、原料粉体(例えば、無機質粉体原料)を溶融する溶融バーナ、溶融バーナ装置、粉体溶融方法、及びガラスの製造方法に関する。
従来、無機質粉体原料(例えば、シリカ、アルミナ、或いはガラス原料粉末等)を溶融する際には、高温の火炎を形成可能な溶融バーナが用いられている。
溶融バーナの種類としては、予混合型バーナと、拡散型バーナと、がある。予混合型バーナは、酸素と燃料ガスとを予め混合させて燃焼場に噴出させるバーナである。予混合型バーナとしては、例えば、原料粉体、酸素、及び燃料を十分に混合させた状態で、バーナ先端に形成される火炎中に該原料粉体が供給されるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、拡散型バーナは、酸素と燃料ガスとを別々にバーナの先端に噴出させ、燃焼場において、酸素と燃料ガスとを混合させるバーナである。
竪型炉内に配置される拡散型バーナとしては、例えば、火炎が形成される側の端部を下方側に配置し、同心円状に配置された二重管構造体を構成する内管と外管との間に多数の小管を設け、珪素質原料をバーナの内管から自然流下(或いは、加圧流下)させ、該小管から供給される可燃ガスと外管から供給される酸素ガスとで火炎を形成し、該火炎中に原料を投入し、溶融シリカ球状体を製造するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、他の拡散型バーナとしては、例えば、同心円状に配置された五重管構造体とされ、該五重管構造体の中心部から原料粉体と搬送ガスである酸素ガスまたは酸素富化ガスとを燃焼室に供給し、その外側から一次酸素と二次酸素とを供給可能に構成され、さらに外側にバーナを冷却する冷却ジャケットを配置したものが知られている(例えば、特許文献3,4参照。)。
さらに、他のバーナとしては、原料粉体供給路、及び原料粉体噴出孔の内側及び外側に燃料供給路及び燃料噴出孔を配置して、火炎により原料の流れを挟み込むことで、溶融効率を高めることの可能な燃焼バーナも提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開昭62−241543号公報 特開昭58−145613号公報 特許第3331491号公報 特許第3312228号公報 特許第5291748号公報
ところで、特許文献2に開示された拡散型バーナは、逆火の恐れはないが、原料供給管と並行して燃料供給管が配置されているため、原料粉体が火炎中で、主に火炎からの強制対流伝熱により加熱・溶融される際に、粒子同士が融着し易く、その結果、ノズル先端部に原料が付着する恐れがあった。
また、特許文献2に開示された拡散型バーナは、原料粉体をバーナの中心から噴出させ、その周囲に火炎を形成するため、原料粉体全体を効率良く加熱することが困難であった。
特許文献3,4に記載された拡散型バーナでは、粒子同士の融着の改善が可能であるが、燃焼室を有するため、溶融した原料粉体が燃焼室内壁に付着しやすいという問題があった。
特許文献5に開示された燃焼バーナは、原料粉体を火炎で挟み込む構造であるため、原料を効率良く溶融させることができる。しかし、例えば、1500〜1600℃の高温となる炉体に特許文献5に開示された燃焼バーナを設置して使用した場合、炉体内への投影面積が大きいため、ノズル部分が過熱しやすく、その結果、バーナノズルの先端部に原料が付着してしまうという問題があった。このように、バーナノズルの先端部に原料が付着すると、火炎の乱れや、原料供給路の閉塞が生じるといった不具合が発生してしまう。
そこで、本発明は、原料粉体を効率良く加熱することが可能であると共に、溶融バーナに溶融した原料粉体が原料粉体噴出口に付着することを抑制可能な溶融バーナ、溶融バーナ装置、粉体溶融方法、及びガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、バーナ本体と、前記バーナ本体の中心部に設けられ、第1の燃料を噴出させる第1の燃料噴出口と、前記第1の燃料噴出口の外側に設けられ、第1の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第1の酸化剤噴出口と、前記第1の酸化剤噴出口の外側に設けられ、第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第1のガス噴出口と、原料粉体を噴出させる原料粉体噴出口と、前記原料粉体噴出口の外側に設けられ、第2の燃料を噴出させる第2の燃料噴出口と、前記第2の燃料噴出口の外側に設けられ、第2の酸化剤を噴出させる第2の酸化剤噴出口と、前記第2の燃料噴出口と前記原料粉体噴出口との間に設けられ、第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第2のガス噴出口と、を有し、前記第1の燃料及び前記第1の酸化剤により、前記原料粉体噴出口の内側に、第1の火炎が形成され、前記第2の燃料及び前記第2の酸化剤により、前記原料粉体噴出口の外側に、第2の火炎が形成されることを特徴とする溶融バーナが提供される。
このように、第1の火炎と原料粉体との間、第2の火炎と原料粉体との間に、それぞれガスを噴出することにより、原料粉体が原料粉体噴出口から噴出した直後に火炎に触れることを防ぐことができ、バーナノズルの先端部に原料粉体の溶融物が付着することを防ぐことができる。
また、請求項2に係る発明によれば、前記第1の酸化剤噴出口、前記原料粉体噴出口、前記第2の燃料噴出口、前記第2の酸化剤噴出口、前記第1のガス噴出口、及び前記第2のガス噴出口の形状は、リング形状であることを特徴とする請求項1記載の溶融バーナが提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、前記第1の燃料噴出口の形状は、円形であり、前記バーナ本体の中心に対して、前記第1の燃料噴出口、前記第1の酸化剤噴出口、前記第1のガス噴出口、前記原料粉体噴出口、前記第2のガス噴出口、前記第2の燃料噴出口、及び前記第2の酸化剤噴出口は、同心円状に配置することを特徴とする請求項2記載の溶融バーナが提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記第1の燃料噴出口に前記第1の燃料を供給する第1の燃料供給路と、前記第1の酸化剤噴出口に前記第1の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第1の酸化剤供給路と、前記第1のガス噴出口に前記第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第1のガス供給路と、前記原料粉体噴出口に前記原料粉体を供給する原料粉体供給路と、前記第2のガス噴出口に前記第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第のガス供給路と、前記第2の燃料噴出口に前記第2の燃料を供給する第2の燃料供給路と、前記第2の酸化剤噴出口に前記第2の酸化剤を供給する第2の酸化剤供給路と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載の溶融バーナが提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記第1の燃料供給路の先端、及び前記第1の酸化剤供給路の先端と前記第1の燃料噴出口との間に配置され、前記第1の燃料と前記第1の酸化剤とを混合する混合部を有することを特徴とする請求項記載の溶融バーナが提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、請求項4又は5記載の前記溶融バーナと、第1の燃料供給用分岐ラインを介して前記第1の燃料供給路に供給する前記第1の燃料の流量を調整する第1の流量調整部と、2の燃料供給用分岐ラインを介して第2の燃料供給路に供給する前記第2の燃料の流量を調整する第2の流量調整部と、1の酸化剤供給用分岐ラインを介して第1の酸化剤供給路に供給する前記第1の酸化剤の流量を調整する第3の流量調整部と、2の酸化剤供給用分岐ラインを介して第2の酸化剤供給路に供給する前記第2の酸化剤の流量を調整する第4の流量調整部と、3の酸化剤供給用分岐ラインを介して第1のガス供給路に供給する前記第3の酸化剤の流量を調整する第5の流量調整部と、4の酸化剤供給用分岐ラインを介して第2のガス供給路に供給する前記第4の酸化剤の流量を調整する第6の流量調整部と、を有することを特徴とする溶融バーナ装置が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記原料粉体供給路に、キャリアガスとして酸素又は酸素富化空気を供給するキャリアガス供給源を有することを特徴とする請求項6記載の溶融バーナ装置が提供される。
また、請求項8に係る発明によれば、前記第3の酸化剤供給用分岐ラインに不活性ガス供給源からの不活性ガスを供給するための第1の不活性ガス供給用分岐ラインにおいて、前記不活性ガスの流量を調整するための第7の流量調整部と、前記第4の酸化剤供給用分岐ラインに前記不活性ガス供給源からの不活性ガスを供給するための第2の不活性ガス供給用分岐ラインに供給する前記不活性ガスの流量を調整する第8の流量調整部と、を有することを特徴とする請求項6又は7記載の溶融バーナ装置が提供される。
また、請求項9に係る発明によれば、請求項1乃至5のうち、いずれか1項記載の溶融バーナを用いて、前記バーナ本体の中心部から第1の燃料を、前記第1の燃料噴出口の外側から第1の酸化剤を、前記第1の酸化剤噴出口の外側から第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを、前記第1のガス噴出口の外側から原料粉体を、前記原料粉体噴出口の外側から第2の燃料を、前記第2の燃料噴出口の外側から第2の酸化剤を、前記第2の燃料噴出口と前記原料粉体噴出口との間から第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを、それぞれ噴出させ、前記第1の燃料及び前記第1の酸化剤により第1の火炎を形成し、前記第2の燃料及び前記第2の酸化剤により第2の火炎を形成し、前記第1の火炎と前記第2の火炎の間に前記原料粉体噴出口から前記原料粉体を噴出させて前記原料粉体を溶融することを特徴とする粉体溶融方法が提供される。
また、請求項10に係る発明によれば、前記原料粉体が無機質粉体原料であることを特徴とする請求項9記載の粉体溶融方法が提供される。
また、請求項11に係る発明によれば、前記無機粉体原料がガラス原料粉末であり、請求項10に記載の粉体溶融方法を用いたことを特徴とするガラスの製造方法が提供される。
本発明によれば、原料粉体を効率良く加熱できると共に、溶融バーナの原料粉体噴出口に溶融した原料粉体が付着することを抑制できる。
本発明の実施の形態に係る溶融バーナ装置の概略構成を模式的に示す図である。 図1に示す溶融バーナをA視した正面図(平面図)である。 溶融バーナの他の例を示す正面図(その1)である。 溶融バーナの他の例を示す正面図(その2)である。 溶融バーナの他の例を示す正面図(その3)である。 特許文献3に開示されたバーナの先端部の概略構成を示す断面図である。 図6に示す特許文献3に開示されたバーナをB視した正面図(平面図)である。 特許文献5に開示されたバーナの先端部の概略構成を示す断面図である。 図8に示す特許文献5に開示されたバーナをC視した正面図(平面図)である。 本発明の実施の形態に係るガラスの製造方法の実施の一形態を示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の溶融バーナ、及び溶融バーナ装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る溶融バーナ装置の概略構成を模式的に示す図である。図1において、Cはバーナ本体58の中心軸(以下、「中心軸C」という)を示しており、Cはバーナ本体58の先端面の中心(以下、「中心C」という)を示している。
また、図1において、X方向は、バーナ本体58の延在方向を示しており、Y方向は、X方向に対して直交する方向を示している。
また、図1では、所定の方向に延在する溶融バーナ11全体を図示することが困難なため、溶融バーナ11の先端部のみ図示する。また、図1では、説明の便宜上、溶融バーナ11の先端部を断面図として図示する。
なお、図1では、一例として、第1及び第2の燃料として同じ種類の燃料を供給し、かつ第1ないし第4の酸化剤として、同じ種類の酸化剤を供給する場合の構成を図示するが、第1及び第2の燃料の種類を異ならせることの可能な燃料供給源(図示せず)を別途設けてもよいし、第1ないし第4の酸化剤の種類を異ならせることの可能な酸化剤供給源(図示せず)を別途複数設けてもよい。
図1を参照するに、本実施の形態の溶融バーナ装置10は、溶融バーナ11と、キャリアガス供給源13と、キャリアガス供給ライン15と、原料フィーダー18と、燃料供給源21と、燃料供給ライン22と、第1の燃料供給用分岐ライン22−1と、第2の燃料供給用分岐ライン22−2と、流量制御部26,27と、酸化剤供給源31と、酸化剤供給源31と流量制御部35〜38の間にバルブ33を備える酸化剤供給ライン32と、第1〜第4の酸化剤供給用分岐ライン32−1〜32−4と、流量制御部35〜38と、不活性ガス供給源41と、不活性ガス供給源41と流量制御部45、46の間にバルブ44を備える不活性ガス供給ライン42と、第1の不活性ガス供給用分岐ライン42−1と、第2の不活性ガス供給用分岐ライン42−2と、流量制御部45,46と、を有する。
図2は、図1に示す溶融バーナをA視した正面図(平面図)である。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図1及び図2を参照するに、溶融バーナ11は、第1ないし第7の環状部材51〜57よりなるバーナ本体58と、第1の燃料供給路61と、第1の酸化剤供給路62と、第1の燃料噴出口63と、第1の酸化剤噴出口64と、混合部65と、第1のガス供給路67と、第1のガス噴出口68と、原料粉体供給路71と、原料粉体噴出口72と、第2のガス供給路74と、第2のガス噴出口75と、第2の燃料供給路77と、第2の燃料噴出口78と、第2の酸化剤供給路81と、第2の酸化剤噴出口82と、水冷ジャケット85と、冷却水供給ライン86と、冷却塔87と、循環ポンプ88と、冷却水回収ライン89と、を有する。
第1の環状部材51は、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように配置される。第1の環状部材51の先端は、バーナ本体58の先端面からバーナ本体58内に引っ込んだ位置に配置する。
ここで、溶融バーナ11に混合部65を設けない場合には、第1の環状部材51の先端面は、バーナ本体58の先端面を通過する仮想平面(図示せず)と一致するように配置する。
第2の環状部材52は、その内径が第1の環状部材51の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第2の環状部材52は、第1の環状部材51との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第1の環状部材51の外側に配置する。
第2の環状部材52の先端部は、第1の環状部材51の先端から突出するように配置される。ここで、溶融バーナ11に混合部65を設けない場合には、第2の環状部材51の先端は直管状とし、第1の環状部材51と第2の環状部材52の先端面が、バーナ本体58の先端面を通過する仮想平面(図示せず)と一致するように配置する。
第3の環状部材53は、その内径が第2の環状部材52の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第3の環状部材53は、第2の環状部材52との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第2の環状部材52の外側に配置する。
第4の環状部材54は、その内径が第3の環状部材53の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第4の環状部材54は、第3の環状部材53との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第3の環状部材53の外側に配置する。
第5の環状部材55は、その内径が第4の環状部材54の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第5の環状部材55は、第4の環状部材54との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第4の環状部材54の外側に配置する。
第6の環状部材56は、その内径が第5の環状部材55の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第6の環状部材56は、第5の環状部材55との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第5の環状部材55の外側に配置する。
第7の環状部材57は、その内径が第6の環状部材56の外径よりも大きくなるように構成された部材である。第7の環状部材57は、第6の環状部材56との間に隙間を設け、その中心軸がバーナ本体58の中心軸Cと一致するように、第6の環状部材56の外側に配置する。
第3〜第7の環状部材53〜57は、その先端面がバーナ本体58の先端面を通過する仮想平面(図示せず)と一致するように配置する。
第1の燃料供給路61は、第1の環状部材51内に形成された円筒状の空間である。第1の燃料供給路61は、混合部65を介して、第1の燃料噴出口63に燃料供給源21から供給される燃料(第1の燃料)を供給するための経路である。
第1の酸化剤供給路62は、第1の環状部材51の外面と第2の環状部材52の内面とで区画された環状の空間である。第1の酸化剤供給路62は、混合部65に酸化剤供給源31から供給される酸化剤(第4の酸化剤)を供給するための経路である。
第1の燃料噴出口63は、混合部65の位置よりもさらに先端側に位置する第2の環状部材52の内壁で区画されている。第1の燃料噴出口63は、バーナ本体58の中心部に配置されている。第1の燃料噴出口63は、第1の燃料を噴出させる。
第1の酸化剤噴出口64は、第1の燃料噴出口63の外側に設けられ、第1の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる。
混合部65は、第2の環状部材52の先端部により区画された領域である。混合部65は、第1の燃料噴出口63の先端、及び第1の酸化剤噴出口64の先端と対向するように配置されている。
第1のガス供給路67は、第2の環状部材52の外面と第3の環状部材53の内面とで区画された環状の空間であり、第1のガス噴出口68に酸化剤供給源31から供給される第3の酸化剤及び/又は不活性ガス供給源41から供給される不活性ガスを供給するための経路である。ここで、不活性ガス供給源41から供給される不活性ガスとは、例えば、N、Ar等である。
第1のガス噴出口68は、第2の環状部材52の先端の外面と第3の環状部材53の先端の内面とで区画されたリング形状の空間である。
第1のガス噴出口68は、第3の酸化剤及び/又は不活性ガス(以下、「第1のガス」ということがある)をバーナ本体58の先端から噴出させる。
原料粉体供給路71は、第3の環状部材53の外面と第4の環状部材54の内面とで区画された環状の空間であり、キャリアガス供給ライン15から供給される、キャリアガスと原料粉体とが混合された混合物を、原料粉体噴出口72に供給するための経路である。
原料粉体噴出口72は、第3の環状部材53の先端の外面と第4の環状部材54の先端の内面とで区画されたリング形状の空間である。
原料粉体噴出口72は、原料粉体供給路71を介して供給されたキャリアガス及び原料粉体をバーナ本体58の先端から噴出させる。
第2のガス供給路74は、第4の環状部材54の外面と第5の環状部材55の内面とで区画された環状の空間である。第2のガス供給路74は、第2のガス噴出口75に第4の酸化剤供給源31及び/又は不活性ガス供給源41から供給される酸化剤及び/又は不活性ガス(以下、「第2のガス」ということがある)を供給するための経路である。
第2のガス噴出口75は、第4の環状部材54の先端の外面と第5の環状部材55の先端の内面とで区画されたリング形状の空間である。
第2のガス噴出口75は、酸化剤供給源31から供給された第4の酸化剤及び/又は不活性ガスをバーナ本体58の先端から噴出させる。
第2の燃料供給路77は、第5の環状部材55の外面と第6の環状部材56の内面とで区画された環状の空間であり、第2の燃料噴出口78に燃料供給源21から供給される第2の燃料を供給するための経路である。
第2の燃料噴出口78は、第5の環状部材55の先端の外面と第6の環状部材56の先端の内面とで区画されたリング形状の空間であり、第2の燃料供給路77の一方の端と一体とされている。
第2の燃料噴出口78は、燃料供給源21から供給された第2の燃料をバーナ本体58の先端側に噴出させる。
第2の酸化剤供給路81は、第6の環状部材56の外面と第7の環状部材57の内面とで区画された環状の空間であり、第2の酸化剤噴出口82に酸化剤供給源31から供給される第2の酸化剤を供給するための経路である。
第2の酸化剤噴出口82は、第6の環状部材56の先端の外面と第7の環状部材57の先端の内面とで区画されたリング形状の空間である。第2の酸化剤噴出口82は、第2の酸化剤をバーナ本体58の先端から噴出させる。
上記説明したように、バーナ本体58の一方の端部の中心Cに対して、第1の燃料噴出口63、第1の酸化剤噴出口64、第1のガス噴出口68、原料粉体噴出口72、第2のガス噴出口75、第2の燃料噴出口78、及び第2の酸化剤噴出口82は、同心円状に配置されている。
水冷ジャケット85は、第7の環状部材57の外側に配置されており、その内部に冷却水が流れる冷却水用管路85Aを有する。
冷却水供給ライン86は、水冷ジャケット85、及び冷却水を生成する冷却塔87と接続されており、冷却水用管路85Aに冷却水を供給する。循環ポンプ88は、冷却水供給ライン86に設けられている。
冷却水回収ライン89は、水冷ジャケット85及び冷却塔87と接続されており、冷却水用管路85Aから回収した冷却水を冷却塔87に輸送する。
上記水冷ジャケット85は、高温の炉内雰囲気或いは輻射熱からバーナ本体58を保護する観点から設けられている。
上記構成とされた溶融バーナ10では、第1の燃料及び第1の酸化剤により、原料粉体噴出口72の内側(言い換えれば、キャリアガス及び原料粉体が噴出される領域の内側)に、原料粉体を溶融する第1の火炎(図示せず)が配置される。
また、第2の燃料及び第2の酸化剤により、原料粉体噴出口72の外側(言い換えれば、キャリアガス及び原料粉体が噴出される領域の外側)に、原料粉体を溶融する第2の火炎(図示せず)が配置される。
本実施の形態の溶融バーナは、上記構成とすることで、バーナ本体58の中心部に、第1の燃料と第1の酸化剤とで第1の火炎を形成し、その外周に、第1のガス、キャリアガスと原料粉体との混合物、第2のガス、を順に噴出させ、更に、その外周に第2の燃料と第2の酸化剤とで第2の火炎を形成させることが可能となる。
このように、第1の火炎の外側に、第2の火炎を形成することで、キャリアガスに搬送された原料粉体を、第1及び第2の火炎で挟み込むように加熱することが可能となるので、原料粉体全体を効率良く加熱することができる。
このとき、第1の火炎と原料粉体、及び第2の火炎と原料粉体の間には、第1のガスもしくは第2のガスが噴出しており、原料粉体噴出口72の付近において、第1の火炎もしくは第2の火炎により原料粉体が加熱されることを避けることができ、原料粉体が、原料粉体噴出口72内に付着することを抑制できる。
ここで、第1のガス及び/又は第2のガスに酸化剤を用いた場合は、第1の燃料及び/又は第2の燃料の燃焼速度を促進させることができる。これにより、火炎の燃焼ガス速度が上昇し、火炎中に原料粉体を同伴させる効果が向上するため、原料粉体全体を効率良く加熱できる。
一方、第1のガス及び/又は第2のガスに不活性ガスを用いた場合は、火炎に対するカーテン効果が強く発揮されるため、原料粉体噴出口72に原料粉体が付着することを抑制する効果を高めることができる。
原料粉体の粒径が大きい場合には、第1及び第2のガスに酸化剤を用いることが好ましく、粒径が小さくなるほど、不活性ガスの混合割合を増やすことが好ましい。
粒径が大きい場合には、火炎温度上昇による溶融効果を高め、粒径が小さい場合には、原料粉体噴出口72に原料粉体が付着するのを抑制する効果を高めることができる。
図3〜図5は、溶融バーナの他の例を示す正面図(平面図)である。図3〜図5において、図2に示す構造体と同一機能を有する部分には、同一符号を付す。
なお、各噴出口におけるリング形状とは、図2に示したような形状の他、図3〜5に示すような円形や楕円形の孔を同心円状に並べたものも含む。
図1を参照するに、キャリアガス供給源13は、キャリアガス供給ライン15の一端と接続されている。キャリアガス供給源13は、キャリアガス供給ライン15を介して、原料フィーダー18にキャリアガスを供給する。
キャリアガスとしては、例えば、酸素または酸素富化空気を用いることができる。
キャリアガス供給ライン15は、その他端が原料粉体供給路71と接続されている。キャリアガス供給ライン15は、キャリアガスにより、原料フィーダー18から供給される原料粉体を原料粉体供給路71に供給する。
原料フィーダー18は、キャリアガス供給ライン15に設けられている。原料フィーダー18から供給される原料粉体としては、例えば、無機質粉体原料であるシリカ(融点が1722℃)やアルミナ(融点が2053℃)やガラス原料粉末等を用いることができる。
ここで、ガラス原料粉末としては、溶融ガラスの製造工程中でSiO,Al、B、MgO、CaO、SrO、BaO、NaO等の酸化物で表される酸化物となり得る化合物を用いることができる。
具体的には、前述の酸化物または熱分解等により該酸化物となりうる化合物(塩化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等)が用いられる。例えば、SiO源であればケイ砂、Al源であれば酸化アルミニウム、水酸化アルミウム等、B源であればオルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、四ホウ酸(H)等のホウ酸、MgO源、アルカリ土類金属源、アルカリ金属源であればそれぞれの金属の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、フッ化物が好適に用いることができる。
また、ガラス原料粉末にガラスカレットを混合することもできる。このとき、ガラスカレットはガラス原料粉末と事前に混合して原料フィーダー18から供給してもよい。
燃料供給源21は、燃料供給ライン22、並びに第1及び第2の燃料供給用分岐ライン22−1,22−2を介して、第1の燃料供給路61、及び第2の燃料供給路77に第1の燃料または第2の燃料を供給する。第1及び第2の燃料としては、例えば、LPG(Liquefied petroleum gas) 、メタンガス、プロパンバス、もしくはブタンガス等を用いることができる。
流量制御部26は、第1の燃料供給用分岐ライン22−1に設けられており、第1の燃料供給路61に供給する第1の燃料の流量を調節するためのものである。
流量制御部26は、例えば、燃料の流量を測定可能なマスフローメーターと、自動弁と、で構成することができる。
流量制御部27は、第2の燃料供給用分岐ライン22−2に設けられており、第2の燃料供給路77に供給する第2の燃料の流量を調節するためのものである。流量制御部27は、例えば、流量制御部26と同様な構成とすることができる。
酸化剤供給源31は、酸化剤供給ライン32、第1〜第4の酸化剤供給用分岐ライン32−1〜32−4を介して、第1のガス供給路67、第2の酸化剤供給路81、第2のガス供給路74、及び第1の酸化剤供給路62に酸化剤を供給する。上記酸化剤としては、例えば、酸素ガス、酸素富化空気等を用いることができる。
第1〜第4の酸化剤供給用分岐ライン32−1〜32−4は、酸化剤供給ライン32の他端側から分岐されたラインである。
第3の酸化剤供給用分岐ライン32−1には、不活性ガス供給源41からの不活性ガスを供給する不活性ガス供給ライン42から分岐した第1の不活性ガス供給用分岐ライン42−1が接続されており、第1のガス供給路67に、酸化剤及び/または不活性ガス(第1のガス)を供給することが可能である。
第4の酸化剤供給用分岐ライン32−3には、不活性ガス供給源41からの不活性ガスを供給する不活性ガス供給ライン42から分岐した第2の不活性ガス供給用分岐ライン42−2が接続されており、第2のガス供給路74に酸化剤及び/又は不活性ガス(第2のガス)を供給することが可能である。
流量制御部35〜38は、第1〜第4の酸化剤供給用分岐ライン32−1〜32−4に設けられている。各流量制御部35〜38により、酸化剤の流量を調節する。
また、流量制御部45,46は、第1、第2の不活性ガス供給用分岐ライン42−1、42−2に設けられている。
各流量制御部35〜38は、例えば、酸化剤の流量を測定可能なマスフローメーターと、自動弁と、で構成することができる。
本実施の形態の溶融バーナ装置によれば、流量調整部26,27,35〜38により、燃料、酸化剤、及び不活性ガスの流量を適宜調整することで、原料粉体の融点や原料粉体の粒径に応じて、溶融バーナ11の燃焼状態を調節することにより、最適な条件で原料粉体を加熱・溶融させることができるとともに、原料粉体供給口72付近での流体挙動が制御可能となるので、バーナ先端部への原料粉体の付着を抑制できる。
本実施の形態の粉体溶融方法では、バーナ本体58の中心部から第1の燃料を、第1の燃料噴出口63の外側から第1の酸化剤を、第1の酸化剤噴出口64の外側から第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを、第3の酸化剤及び/又は不活性ガスの外側から原料粉体を、原料粉体噴出口72の外側から第2の燃料を、第2の燃料噴出口78から第2の酸化剤を、第2の燃料噴出口78と原料粉体噴出口72との間から第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを、それぞれ噴出させ、第1の燃料及び第1の酸化剤により第1の火炎を形成し、第2の燃料及び第2の酸化剤により第2の火炎を形成し、第1の火炎と第2の火炎の間に原料粉体噴出口72から原料粉体を噴出させて原料粉体を溶融する。
図10は、本発明の実施の形態に係るガラスの製造方法の実施の一形態を示したフローチャートである。図10では、ガラス製品の製造方法の構成要素である溶融ガラス製造工程(S1)、及び成形手段による成形工程(S2)、並びに徐冷手段による徐冷工程(S3)に加えて、さらに必要に応じて用いる切断工程、その他後工程(S4)が示されている。
本発明の一態様である図1〜図5の溶融バーナを用いて溶融されたガラス粉体原料は、溶融槽でガラス融液の状態で導管構造を経て成形手段へと送られ成形される(成形工程)。
成形後のガラスは、成形後に固化したガラスの内部に残留応力が残らないように徐冷手段によって徐冷され(徐冷工程)、さらに必要に応じて切断され(切断工程)、その他後工程を経て、ガラス製品となる。
例えば、板ガラスの場合には、ガラス融液をフロート法、フュージョン法などの成形手段によってガラスリボンに成形し、それを徐冷手段によって徐冷した後、所望の大きさに切断し、必要に応じてガラス端部を研磨するなどの後加工をして板ガラスが得られる。
本発明のガラスの製造方法で製造されるガラスは、本発明の粉体溶融方法により溶融可能であるガラスである限り、組成的には制約はない。したがって、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、混合アルカリ系ガラスや、ホウケイ酸ガラスであってもよい。また、製造されるガラス製品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
(実施例)
図1を参照して、実施例について説明する。
実施例では、側壁部にのぞき窓を有し、かつ円筒形状とされた加熱炉(図示せず)、図1に示す溶融バーナ装置10を構成する溶融バーナ11の先端部(第1及び第2の火炎が形成される側の端部)を該加熱炉内に配置させた状態で、第1及び第2の火炎を形成し、原料粉体の加熱及び溶融を行った。
このときの炉内温度は、1520℃であった。
このとき、キャリアガス(酸素ガス)を用いて、平均粒径が500μm程度とされたガラス粉体(原料粉体)を400kg/hの供給量で溶融バーナ11に供給した。ガラス粉体(投入原料)は、連続して120min供給した。
また、第1の燃料であるメタンガスの供給量を15.8Nm/h、第2の燃料であるメタンガスの供給量を19.7Nm/h、第1の酸化剤である酸素ガスの供給量を9Nm/h、第2の酸化剤である酸素ガスの供給量を30Nm/h、第3の酸化剤である酸素ガスの供給量を3Nm/h、第4の酸化剤である酸素ガスの供給量を15.8Nm/hとした。
また、ガラス粉体を加熱及び溶融させる際に、上記のぞき窓を介して、ビデオカメラにより、溶融バーナ11の先端部を観察することで、溶融バーナ11の先端にガラス粉体が融着するまでの時間を計測した。この結果を表1に示す。
表1は、実施例、及び比較例1,2のバーナにガラス粉体が付着するまでの時間(min)、回収率(%)、及び溶解効率(%)を示す表である。
Figure 0006375553
また、加熱炉内に、ガラス溶体として残留したガラスの割合である回収率(=(ガラス溶体の重量)/(投入原料の重量))と、第1及び第2の火炎中で着熱することで溶融したガラス粉体の割合である溶解効率(=(ガラス溶体の熱容量/入熱量)×100)と、を求めた。この結果を表1に示す。
(比較例1)
図6は、特許文献3に開示されたバーナの先端部の概略構成を示す断面図である。図7は、図6に示す特許文献3に開示されたバーナをB視した正面図(平面図)である。図7において、図6に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
始めに、図6及び図7を参照して、比較例1で使用したバーナ100の構成について説明する。
バーナ100は、キャリアガスに搬送された原料粉体を供給する原料粉体供給路101と、原料粉体供給路101の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる燃料ガス供給路102と、燃料ガス供給路102の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる旋回酸素供給路103と、旋回酸素供給路103の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる直進酸素供給路104と、直進酸素供給路104の外側の円周上に配置された冷却水通路105a,105bと、先端側に拡径した燃焼室106と、を有する。
原料粉体供給路101の先端には、燃焼室106の底部108に形成された複数の噴出口からなる原料粉体噴出口107が設けられている。また、燃料ガス供給路102の各供給路の先端には、燃料ガス噴出口109が設けられている。
旋回酸素供給路103の各供給路の先端には、旋回酸素噴出口110が設けられている。また、直進酸素供給路104の各供給路の先端には、直進酸素噴出口111が設けられている。
比較例1では、実施例で使用した溶融バーナ11に替えて、図6及び図7に示すバーナ100を用いたこと以外は、実施例と同様な試験を行い、ガラス粉体が付着するまでの時間(min)、回収率、及び溶解効率を求めた。この結果を表1に示す。
このとき、キャリアガス(酸素ガス)を用いて、平均粒径が500μm程度とされたガラス粉体(原料粉体)を400kg/hの供給量でバーナ100に供給した。ガラス粉体は、連続して120min供給した。
燃料ガス噴出口109には、燃料ガスとしてメタンを35.5Nm/h供給し、旋回酸素噴出口110には、酸素を24.5Nm/h供給し、直進酸素噴出口111には、酸素を57.2Nm/h供給した。
(比較例2)
図8は、特許文献5に開示されたバーナの先端部の概略構成を示す断面図である。図9は、図8に示す特許文献5に開示されたバーナをC視した正面図(平面図)である。
図9において、図8に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
始めに、図8及び図9を参照して、比較例2で使用したバーナ200の構成について説明する。
バーナ200は、中心に配置された第1支燃性気体供給口201aと、第1支燃性気体供給口201aの外側に配置された第1燃料噴出口202aと、第1燃料噴出口202aの外側に配置された対象物噴出口203aと、対象物噴出口203aの外側に配置された第2燃料噴出口204aと、第2燃料噴出口204aの外側に配置された第2支燃性気体噴出口205aと、を有する。
また、バーナ200は、第1支燃性気体供給口201aと接続された第1支燃性気体供給路201と、第1燃料噴出口202aと接続された第1燃料供給路202と、対象物噴出口203aと接続された対象物供給路203と、第2燃料噴出口204aと接続された第2燃料供給路204と、第2支燃性気体噴出口205aと接続された第2支燃性気体供給路205と、を有する。
比較例2では、実施例で使用した溶融バーナ11に替えて、図8及び図9に示すバーナ200を用いたこと以外は、実施例と同様な試験を行い、ガラス粉体が付着するまでの時間(min)、回収率、及び溶解効率を求めた。この結果を表1に示す。
このとき、キャリアガス(酸素ガス)を用いて、平均粒径が500μm程度とされたガラス粉体(原料粉体)を400kg/hの供給量でバーナ200(具体的には、対象物噴出口203a)に供給した。ガラス粉体は、連続して120min供給した。
また、比較例2では、第1支燃性気体供給口201aには、第1支燃性気体として酸素ガスを27.9Nm/h供給し、第1燃料噴出口202aには、第1燃料としてメタンを17.8Nm/h供給し、第2燃料噴出口204aには、第2燃料としてメタンを17.8Nm/h供給し、第2支燃性気体噴出口205aには、第2支燃性気体として酸素ガスを27.9Nm/h供給した。
(実施例、比較例1、及び比較例2の結果について)
表1に示すように、実施例では、ガラス粉体を連続供給していた120minの間、溶融バーナ10の原料粉体噴出口72へのガラス粉体の融着は見られなかった。
また、実施例では、回収率、溶解効率の両方において、比較例1,2よりも良好な結果が得られた。
表1に示すように、比較例1では、ガラス粉末の供給開始から5min後に燃焼室106内に融着したガラス粉末の溶着が始まり、その後、燃焼が不安定となることが確認できた。
その結果、火炎中にガラス粉末を留める機能が失われ、飛散し煙道に排出されるガラス粉末が増加し、回収率が低下した。また、溶解効率についても実施例よりも低い値となった。
表1に示すように、比較例2の回収率は、実施例の回収率に近い値となった。しかし、比較例2では、ガラス粉末の供給開始から20minにガラス粉末の溶着が始まり、その後、燃焼が不安定となった。
比較例2の回収率及び溶解効率は、比較例1の回収率及び溶解効率よりも良好な結果となった。比較例2では、溶着したガラス粉末により隣接する対象物噴出口203aの一部が閉塞し、その結果、逆火が生じてバーナ200の先端の一部が損耗していることが確認された。
本発明は、火炎中において、無機質粉体原料を溶融する溶融バーナ、溶融バーナ装置、粉体溶融方法、及びガラスの製造方法に適用可能である。
10…溶融バーナ装置、11…溶融バーナ、13…キャリアガス供給源、15…キャリアガス供給ライン、18…原料フィーダー、21…燃料供給源、22…燃料供給ライン、22−1…第1の燃料供給用分岐ライン、22−2…第2の燃料供給用分岐ライン、26,27,35〜38,45,46…流量制御部、31…酸化剤供給源、32…酸化剤供給ライン、32−1…第3の酸化剤供給用分岐ライン、32−2…第2の酸化剤供給用分岐ライン、32−3…第4の酸化剤供給用分岐ライン、32−4…第1の酸化剤供給用分岐ライン、41…不活性ガス供給源、42…不活性ガス供給ライン、42−1…第1の不活性ガス供給用分岐ライン、42−2…第2の不活性ガス供給用分岐ライン、51…第1の環状部材、52…第2の環状部材、53…第3の環状部材、54…第4の環状部材、55…第5の環状部材、56…第6の環状部材、57…第7の環状部材、58…バーナ本体、61…第1の燃料供給路、62…第1の酸化剤供給路、63…第1の燃料噴出口、65…混合部、67…第1のガス供給路、68…第1のガス噴出口、71…原料粉体供給路、72…原料粉体噴出口、74…第2のガス供給路、75…第2のガス噴出口、77…第2の燃料供給路、78…第2の燃料噴出口、81…第2の酸化剤供給路、82…第2の酸化剤噴出口、85…水冷ジャケット、85A…冷却水用管路、86…冷却水供給ライン、87…冷却塔、88…循環ポンプ、89…冷却水回収ライン、C…中心軸、C…中心、R…直径

Claims (11)

  1. バーナ本体と、
    前記バーナ本体の中心部に設けられ、第1の燃料を噴出させる第1の燃料噴出口と、
    前記第1の燃料噴出口の外側に設けられ、第1の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第1の酸化剤噴出口と、
    前記第1の酸化剤噴出口の外側に設けられ、第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第1のガス噴出口と、
    原料粉体を噴出させる原料粉体噴出口と、
    前記原料粉体噴出口の外側に設けられ、第2の燃料を噴出させる第2の燃料噴出口と、
    前記第2の燃料噴出口の外側に設けられ、第2の酸化剤を噴出させる第2の酸化剤噴出口と、
    前記第2の燃料噴出口と前記原料粉体噴出口との間に設けられ、第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを噴出させる第2のガス噴出口と、
    を有し、
    前記第1の燃料及び前記第1の酸化剤により、前記原料粉体噴出口の内側に、第1の火炎が形成され、
    前記第2の燃料及び前記第2の酸化剤により、前記原料粉体噴出口の外側に、第2の火炎が形成されることを特徴とする溶融バーナ。
  2. 前記第1の酸化剤噴出口、前記原料粉体噴出口、前記第2の燃料噴出口、前記第2の酸化剤噴出口、前記第1のガス噴出口、及び前記第2のガス噴出口の形状は、リング形状であることを特徴とする請求項1記載の溶融バーナ。
  3. 前記第1の燃料噴出口の形状は、円形であり、前記バーナ本体の中心に対して、前記第1の燃料噴出口、前記第1の酸化剤噴出口、前記第1のガス噴出口、前記原料粉体噴出口、前記第2のガス噴出口、前記第2の燃料噴出口、及び前記第2の酸化剤噴出口は、同心円状に配置することを特徴とする請求項2記載の溶融バーナ。
  4. 前記第1の燃料噴出口に前記第1の燃料を供給する第1の燃料供給路と、
    前記第1の酸化剤噴出口に前記第1の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第1の酸化剤供給路と、
    前記第1のガス噴出口に前記第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第1のガス供給路と、
    前記原料粉体噴出口に前記原料粉体を供給する原料粉体供給路と、
    前記第2のガス噴出口に前記第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを供給する第のガス供給路と、
    前記第2の燃料噴出口に前記第2の燃料を供給する第2の燃料供給路と、前記第2の酸化剤噴出口に前記第2の酸化剤を供給する第2の酸化剤供給路と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載の溶融バーナ。
  5. 前記第1の燃料供給路の先端、及び前記第1の酸化剤供給路の先端と前記第1の燃料噴出口との間に配置され、前記第1の燃料と前記第1の酸化剤とを混合する混合部を有することを特徴とする請求項項記載の溶融バーナ。
  6. 請求項4又は5記載の前記溶融バーナと、
    第1の燃料供給用分岐ラインを介して前記第1の燃料供給路に供給する前記第1の燃料の流量を調整する第1の流量調整部と、
    2の燃料供給用分岐ラインを介して第2の燃料供給路に供給する前記第2の燃料の流量を調整する第2の流量調整部と、
    1の酸化剤供給用分岐ラインを介して第1の酸化剤供給路に供給する前記第1の酸化剤の流量を調整する第3の流量調整部と、
    2の酸化剤供給用分岐ラインを介して第2の酸化剤供給路に供給する前記第2の酸化剤の流量を調整する第4の流量調整部と、
    3の酸化剤供給用分岐ラインを介して第1のガス供給路に供給する前記第3の酸化剤の流量を調整する第5の流量調整部と、
    4の酸化剤供給用分岐ラインを介して第2のガス供給路に供給する前記第4の酸化剤の流量を調整する第6の流量調整部と、
    を有することを特徴とする溶融バーナ装置。
  7. 前記原料粉体供給路に、キャリアガスとして酸素又は酸素富化空気を供給するキャリアガス供給源を有することを特徴とする請求項6記載の溶融バーナ装置。
  8. 前記第3の酸化剤供給用分岐ラインに不活性ガス供給源からの不活性ガスを供給するための第1の不活性ガス供給用分岐ラインにおいて、前記不活性ガスの流量を調整するための第7の流量調整部と、前記第4の酸化剤供給用分岐ラインに前記不活性ガス供給源からの不活性ガスを供給するための第2の不活性ガス供給用分岐ラインに供給する前記不活性ガスの流量を調整する第8の流量調整部と、を有することを特徴とする請求項6又は7記載の溶融バーナ装置。
  9. 請求項1乃至5のうち、いずれか1項記載の溶融バーナを用いて
    前記バーナ本体の中心部から第1の燃料を、前記第1の燃料噴出口の外側から第1の酸化剤を、前記第1の酸化剤噴出口の外側から第3の酸化剤及び/又は不活性ガスを、前記第1のガス噴出口の外側から原料粉体を、前記原料粉体噴出口の外側から第2の燃料を、前記第2の燃料噴出口の外側から第2の酸化剤を、前記第2の燃料噴出口と前記原料粉体噴出口との間から第4の酸化剤及び/又は不活性ガスを、それぞれ噴出させ、前記第1の燃料及び前記第1の酸化剤により第1の火炎を形成し、前記第2の燃料及び前記第2の酸化剤により第2の火炎を形成し、前記第1の火炎と前記第2の火炎の間に前記原料粉体噴出口から前記原料粉体を噴出させて前記原料粉体を溶融することを特徴とする粉体溶融方法。
  10. 前記原料粉体が無機質粉体原料であることを特徴とする請求項9記載の粉体溶融方法。
  11. 前記無機粉体原料がガラス原料粉末であり、請求項10に記載の粉体溶融方法を用いたことを特徴とするガラスの製造方法。
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