JP2014189428A - ガラス溶解炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナMが、ガラス溶解槽1の溶解ガラスの内部に燃焼炎Fmを形成して燃焼する状態でガラス溶解槽1の壁部に装備され、加熱バーナMが、燃焼炎Fmの形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるように構成されている。
【選択図】図1
Description
さらに、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明の順に、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
前記加熱バーナが、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるように構成されている点を特徴とする。
そして、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動する形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に前記燃焼炎を形成する状態で燃焼するように構成されている点を特徴とする。
また、下流側循環流を、溶解ガラスの下層部の流れを含めて正確に記載すると、下流側循環流は、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動し且つ下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環することになる。
前記加熱バーナが、前記壁部としての底壁部に設けられている点を特徴とする。
前記加熱バーナが、前記壁部としての横側壁部に設けられている点を特徴とする。
前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、前記平面状炎、前記スカート状炎、前記トロイダル炎、及び、前記直進炎に変更するように構成されている点を特徴とする。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに応じて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるのである。
(ガラス溶解炉の全体構成)
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉には、耐火煉瓦等を用いて構成された概ね密閉状のガラス溶解槽1が備えられ、このガラス溶解槽1の後部側には、同様に耐火煉瓦等を用いて構成された作業槽2が装備されている。
ガラス溶解槽1の前部には、ガラス原料を投入する原料投入口3が形成され、ガラス溶解槽1の後部の上方側箇所には、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを作業槽2に導く排出口4が形成されている。
尚、第1バーナN及び第2バーナMの詳細については後述するが、これらの第1バーナN及び第2バーナMは、溶解ガラスの内部に燃焼炎Fn、Fmを形成する状態で燃焼する液中燃焼式である。
第1バーナNは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fnを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
ちなみに、第1バーナNの燃焼炎Fnは、細長く伸びる燃焼炎であり、そして、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
ちなみに、本実施形態においては、ガラス溶解槽1の底壁部1tから溶解ガラスの深さの3分の1に相当する高さに、第1側壁バーナNsが装備されている。
第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsは、同様に構成されるものであり、以下、第1底壁バーナNtを代表にして、その具体構成を説明する。
内部筒5と外部筒6とに囲まれた空間に、燃焼用空気Eが供給され、内部筒5の先端部と外部筒6との間には、複数個の空気噴出口9が周方向に並ぶ状態で形成されたリング状板10が配設されている。
そして、噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Eとは、混合空間にて混合されたのち、前方側に流動して燃焼するように構成されている。
第2バーナMは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼式の加熱バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fmを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
ちなみに、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
すなわち、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、溶解ゾーンAの溶解ガラスを加熱することになり、また、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎からなる4種類の形態に変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できることになる。
つまり、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに合わせて、燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できる。
第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、同様に構成されるものであり、以下、第2底壁バーナMtを代表にして、その具体構成を説明する。
バーナタイル13は、円筒状に形成されかつその先端部が朝顔状の案内面Qを形成するように構成されている。
また、バーナ本体部14は、バーナタイル13の外部に位置する基端側部分14Aと、バーナタイル13に嵌合される先端側部分14Bとを備えている。
尚、平面状炎は、バーナタイル13及び底壁部1tに燃焼炎Fmが付着する状態となり、スカート状炎は、燃焼炎Fmがバーナタイル13及び底壁部1tから離れる状態となる点が相違する。
つまり、基端側の直円筒状部分が、案内筒23にて構成され、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が、バーナタイル13の案内面Qにて構成されている。
そして、噴出比調整手段Tによる上記比の変更により、上述の如く、燃焼炎Fmの形態が、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更されることになる。
次に、別実施形態を列記する。
(イ)上記実施形態においては、液中燃焼バーナとしての第1バーナN、及び、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにて、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを加熱するように構成したが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを溶解ガラスの上方空間に噴出して燃焼する上方バーナを設ける形態で実施してもよい。
また、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにおいては、実施形態で述べた構成において、空気供給口19に、燃焼用空気Eに代えて混合ガスを供給することになる。尚、この場合には、燃料供給口21への燃料供給は省略することになる。
尚、図7においては、第1バーナNとして、第1底壁バーナNtが装備され、第2バーナMとして、第2底壁バーナMtが装備される場合を例示するものである。
すなわち、第2バーナMが、燃焼用空気噴出用内部筒30、燃料ガス噴出用中間筒31、及び、燃焼用空気噴出用外部筒32を備える三重管状に構成され、さらに、燃焼用空気噴出用外部筒32の外側には、冷却ジャケット形成用の冷却用筒体33が配備されて、冷却用筒体33を含めると四重管状に構成されている。
つまり、送風ブロアUと燃焼用空気噴出用内部筒30に対する一次側入口部37Aとを接続する第1流路R1には、第1オリフィス26A及び空気通流量を調整する調整ダンパ27が設けられ、送風ブロアUと燃焼用空気通流空間に対する二次側入口部37Bとを接続する第2流路R2には、第2オリフィス26Bが設けられており、調整ダンパ27の開度調節により、一次側入口部37Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と二次側入口部37Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比が変更されるように構成されている。
尚、二次側空気噴出孔36から燃焼用空気Eの50〜90%を噴出しかつ一次側空気噴出口35から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がスカート状炎になり、二次側空気噴出孔36から燃焼用空気Eの0〜40%を噴出しかつ一次側空気噴出口35から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が直進炎になる。
ちなみに、この別実施形態の第2バーナMにおいては、上述の如く、酸素含有ガスとして燃焼用空気Eを用いる場合を例示したが、酸素含有ガスとして、純酸素ガスを用いる形態で実施してもよい。
1s 横側壁部
1t 底壁部
15 中央側空気噴出部
20 外周側空気噴出部
22 燃料噴出部
E 酸素含有ガス
G 可燃性ガス
Fm 燃焼炎
Jd 下流側循環流
Ju 上流側循環流
T 噴出比調整手段
V 案内部
Claims (7)
- 可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたガラス溶解炉であって、
前記加熱バーナが、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるように構成されているガラス溶解炉。 - 前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動する形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に前記燃焼炎を形成する状態で燃焼するように構成されている請求項1記載のガラス溶解炉。 - 前記加熱バーナが、前記壁部としての底壁部に設けられている請求項1又は2記載のガラス溶解炉。
- 前記加熱バーナが、前記壁部としての横側壁部に設けられている請求項1又は2記載のガラス溶解炉。
- 前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
- 前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
- 前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、前記平面状炎、前記スカート状炎、前記トロイダル炎、及び、前記直進炎に変更するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
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